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17.閉塞性黄疸を契機に診断された肺小細胞癌膵転移の 一例 小畑 力,榎田 泰明,濱野 郁美 山田 俊哉,斉藤 秀一,橋爪 真之 茂木 陽子,木村 幸,小林 克巳 佐川 俊彦,荒川 和久,新井 弘隆 田中 俊行,冨澤 直樹,安東 立正 高山 尚,小川 哲 ,阿部 毅彦 (前橋赤十字病院 消化器病センター) 田中 良樹,水出 雅文 (群馬大院・医・病態制御内科) 滝瀬 淳(前橋赤十字病院 呼吸器内科) 症例は 78歳男性, 主訴は黄疸. 2008年 4月 16日より 顕性黄疸あり, 4月 20日から皮膚掻痒感出現. 4月 22日 近医受診し閉塞性黄疸と えられ, 4月 23日当院紹介受 診. 検査所見では軽度の 血とビリルビン, 肝胆道系酵 素上昇, 腫瘍マーカーでは CEA, CA19-9, NSE, PRO-GRPの上昇を認めた. CT では膵頭部に 3 cm大の低濃 度腫瘤あり, 胆管を圧排し, 両葉の肝内胆管拡張を認 めた. また, 右肺下葉 B9, B10の中枢側に 5 cm大の腫瘤 性病変を認め, 低濃度腫瘤で境界は比較的明瞭で不 一 に淡く造影効果が認められ, 肺癌とそれに伴う膵転移と えられた. 頭部 MRI でも多発脳転移の所見を示した. 閉塞性黄疸認めていたことから内視鏡的逆行性膵胆管造 影 (ERCP) 施行. 膵管造影では径 2∼ 3 mmで膵頭部に 圧排性狭窄を認めた. 胆管造影では下部胆管に壁外性と 思われる圧排像あり, 7Fr 70mmプラスチックチューブ ステントを留置した. その後は黄疸の改善を認め, 5/1経 気管支肺生検 (TBLB) 試行, 病理にて small cell car-cinomaを認めた. 肺小細胞癌 進展型 T2, N2, M1 StageⅣと診断. 転移性脳腫瘍に対しては全脳照射 40Gy 施行,化学療法を CBDCA (AUC 5)+ETA (80mg)にて 5/22 より開始. 3コース終了後の 7/17CT では右肺下 葉の腫瘍は 37x45mmから 30×40mmに縮小, 膵頭部に みられた低濃度腫瘤は消失した. 4コース終了後の CT では胆管ステントの脱落を認め,T-bilも軽度上昇認めた ため, 10/1ERCP施行し 7Fr 70mmのプラスチックステ ントを再留置した. その後は黄疸の悪化もなく, 化学療 法を呼吸器内科にて継続して施行中である. 肺癌膵転移は生前に診断される症例は少なく, 組織型 別では小細胞癌が最多である. 本邦での報告では自検例 も含め検索しえた範囲では 16例が報告されており, 比 較的まれな例と え報告した. 18.経過中に閉塞性黄疸・十二指腸狭窄を来した重症急 性膵炎の一例 木村 幸,榎田 泰明,濱野 郁美 山田 俊哉,小畑 力,斉藤 秀一 橋爪 真之,茂木 陽子,小林 克己 佐川 俊彦,荒川 和久,新井 弘隆 田中 俊行,富澤 直樹,安東 立正 高山 尚,小川 哲 ,阿部 毅彦 (前橋赤十字病院 消化器病センター) 症例は 59 歳男性. 高血圧, 糖尿病, 脳梗塞, 狭心症の既 往あり, また胸部大動脈瘤を指摘されており, 2008年 8 月 7日前医にて胸部大動脈人工血管置換術を施行され た. 術後発熱の遷 と感染兆候を認め, 抗生剤を投与さ れていたが, 8月 14日腹痛が出現し CT にて急性膵炎を 疑われた. メシル酸ガベキセートおよび抗生剤投与が開 始されたが, 臨床症状と画像所見の増悪を認めたため, 専門的加療目的に 8月 19 日当院紹介搬送となった. 来 院時所見にて厚生省の重症度判定基準における予後因子 3項目 (PaO2<60torr, TP<6.0g/dl, CT gradeV) で重症 急性膵炎の診断基準を満たしており, ICU 入室し加療が 開始された.絶食・輸液・ウリナスタチン・メシル酸ガベ キセートおよび抗生剤投与と全身管理を行い徐々に臨床 症状および検査所見は改善, 8月 22日より経口摂取開始 となり, 8月 25日 ICU 退室した. 同日 CT では膵周囲の 炎症は改善傾向にあったが, 膵頭部から右腸骨に及ぶ巨 大な仮性囊胞を認めた. 9 月 2日エコーガイド下囊胞ド レナージを施行, 連日の洗浄を開始した. 9 月 4日より頻 回の嘔気・嘔吐を認めたため 9 月 5日 GIF を施行したと ころ, LA-D の逆流性食道炎と十二指腸球部のびらんを 認めたが,十二指腸の狭窄は認められなかった.PPI 内服 を開始したがその後も嘔気が続いたため 9 月 17日 GIF 再検, 十二指腸角背側に隆起を認めた. 頂部には膿性沈 着物を認めたことから, 膵頭部の膿瘍が十二指腸へ穿破 しているものと思われたが, この時点でもスコープは下 方脚へ通過できた. 同時期より肝胆道系酵素の上昇傾向 を認めていたが,9 月 18日 CT にて肝内胆管拡張を認め, 胆管結石の存在が疑われた. 9 月 19 日 ERCPを試み たが, 十二指腸下行脚が狭窄しており側視鏡での処置不 可能であったため, 9 月 22日 PTCD 施行した. その後検 査所見は改善を認めたが, 嘔気が依然として強く経口摂 取困難であった. 9 月 26日内視鏡下に成 栄養チューブ 挿入を試みたが, 十二指腸下降脚の狭窄はさらに強く なっており, 造影剤も通過しなかった. 禁食・TPN とし, 胃内にチューブ留置し減圧を図ったところ, 徐々に嘔気 は改善していった. 膵癌の可能性も えられたため 9 月 30日 PET-CT を施行したが, 悪性を示唆する集積は認 められなかった. 10月 7日施行した GIF では, 十二指腸 199の狭窄は改善し, スコープ通過可能となっていた. 10月 16日には栄養目的にトライツ 帯をこえてチューブ挿 入でき, 径管栄養が可能となった. PTCD からのドレ ナージは順調であり, 10月 22日 PTCD 造影施行. 明ら かな 胆管結石は認めず, 下部胆管に周囲からの圧排に よると思われる狭窄を認めた. 経腸栄養は順調であり, 11月初旬には TPN 終了した. 11月 16日より 38℃前後 の発熱が出現, 右腸骨に挿入したドレーンから 汁様の 廃液がみられていたため 11月 18日膿瘍ドレーン造影を 行ったところ, 上行結腸との 通が確認された. また同 日の PTCD 造影では, 下部胆管に前回確認されなかった 結石様の造影欠損を認めた. 高熱が持続しており, 膿瘍 に対する外科的治療が必要と えられたため 11月 20日 外科転科となった. 今回我々は重症急性膵炎の経過中に 閉塞性黄疸と十二指腸狭窄をほぼ同時期に来した一例を 経験したので, 若干の文献的 察を え報告する. 19.IVR 治療と外科的治療により寛解した悪性膵内 泌 腫瘍,多発肝転移の一例 齋藤 秀一,高山 尚,浜野 郁美 榎田 泰明,小畑 力,山田 俊哉 橋爪 真之,茂木 陽子,木村 幸 小林 克己,佐川 俊彦,荒川 和久 新井 弘隆,田中 俊行,富澤 直樹 安東 立正,小川 哲 ,阿部 毅彦 (前橋赤十字病院 消化器病センター) 【症 例】 50歳, 女性 【既往歴】 子宮内膜ポリープ, 頸椎捻挫 【家族歴】 母 : 食道癌 祖母 : 大腸癌 祖 胃 癌 叔 : 胃 癌 従 兄 弟 : 食 道 癌 叔 : 肝 臓 癌 【現病歴】 H19 年 2月人間ドックの腹部エコー検査に て肝臓内に腫瘍性病変指摘. 精査加療目的にて同年 2月 14日当院当科紹介受診となった. 【検 査】 腫瘍マー カー> CEA 2.4ng/ml, CA 19-9 5.0U/ml, AFP 8.4ng/ml, L3 (−),PIVKA-Ⅱ 14AU/ml,NSE 8.6ng/ml 内 泌学 的所見> グルカゴン 110g/mlガストリン 55pg/mlイン シュリン 6.4μU/ml 膵関連生化学的所見> 血清 AMY 75IU/l, トリプシ 210ng/ml, PSTI 9.8ng/ml, 膵ホスホリ パーゼ 243mg/dl, エ ラ ス ターゼ Ⅰ 62ng/dl 【経 過】 H20年 2/22CT にて肝右葉 S5, 7, 8と肝左葉外側区に多 発 す る HCC, 膵 転 移 疑 い と し て 3/16TAE 施 行. 3/ 26MRI にて膵腫瘍, 肝転移の可能性ありと判断し, 3/28 肝腫瘍生検行うも悪性所見は認められなかった. (4/19, 5/29 にも腫瘍生検施行. 悪性所見なし) 5/14 ERCPにて 膵主膵管の途絶の所見認められたが, 細胞診では悪性所 見は認められなかった. 確定診断は得られなかったが, FDG-PET などの他検査でも膵臓, 肝臓以外には病変は 認められず,外科的切除の方針として,7/24膵体尾部・脾 合併切除, 肝外側区域切除を施行した. 手術標本の病理 結果から非機能性膵内 泌細胞癌の診断となった. 肝右 葉の残存転移巣に対しては, 肝予備能を え IVR 治療を 追加する方針となった. その後 10/5, H21年 1/8に TAE 施行するも再発傾向認められた. 3月になると肝予備能 の改善あり,3/13外科的切除の方針として,肝 S7,8,5部 切除術施行. その後は無再発のまま経過 し て い る. 【 察】 膵内 泌腫瘍の治療法は, 大きさにもよるが 原則的に手術治療となり, 肝転移に対しては肝切除が第 1選択となる. しかし, 切除不能例などに対しては TAE, 化学療法などが挙げられる. 化学療法に関しては, 今ま でに 5-FU, Streptzotocinがを 用した報告がある. 本症 例については, 肝切除範囲の問題から一期的な切除が困 難であったため, 肝転移の残存病変に対して IVR 治療に てコントロールを行った. その後肝予備能の改善をみて, 外科的切除を追加した.【結 語】 多発肝転移の症例で あっても切除可能であれば, 積極的な外科的治療を え る必要がある. 20.膵癌に対する膵頭十二指腸切除後の残膵癌に膵全摘 を施行した一例 浜野 郁美,小川 哲 ,安東 立正 富澤 直樹,田中 俊行,荒川 和久 小林 克巳,茂木 陽子,榎田 泰明 池谷 俊郎 (前橋赤十字病院 消化器病センター) 伊藤 秀明 (同 病理部) 【はじめに】 進行膵癌は根治術が施行されても再発率が 高く, 長期生存自体が少ない. 今回, われわれは stageⅢ の膵頭部癌に対して膵頭十二指腸切除術後 5年を経て残 膵に癌を認め切除し得た一例を経験したので報告する. 【症 例】 60歳男性. 2003年 1月膵頭部癌に対して膵 頭十二指腸切除術施行.病理診断は中 化腺癌,Ph,6.2× 2.8×5.3cm TS4, inf, pT3, int, INFβ, ly2, v1, ne3, mpd (+), ch (+), du (+), s (−), rp (+), pv (−), a (−), pl (−), oo (−), pcm (−), bcm (−), dpm (−) N0, M0 stageⅢだった. 外来で経過観察中 CA19-9 の上昇を認 め, 2008年 2月,腹部 CT で膵尾部に腫瘤影を認めた.残 膵癌と診断し, 本人に informed consentを行ったところ 化学療法を希望されたため GEM 療法を施行した. 8月 の CT での評価は SD であったため手術適応と判断し, 9 月に残膵全摘, 脾, 左副腎合併切除を施行した. #7のリ ンパ節腫大はなく残胃は温存可能であった. 肉眼的には 膵尾部に 4.2×2.8×2.2cmの周囲との境界がやや不明瞭 な白色の腫瘍性病変が認められた. 病理組織学的検査で は腫瘍は初発の膵頭部癌と組織型が類似しており膵内転 移の可能性も否定はできなかったが, 初回手術から 5年 200 第 27回群馬消化器病研究会