児童の描画特性に関する認知的・発達的研究―描画
課題を用いた描画行動の個人差に着目して―
著者
新妻 悦子
雑誌名
東北教育心理学研究
巻
13
ページ
31-41
発行年
2013-10-31
URL
http://hdl.handle.net/10097/00120649
児童の描画特性に関する認知的・発達的研究
一描画課題を用いた描画行動の個人差に着目して一
新 妻 悦 子
(東北大学大学院教育学研究科)問題と目的
はじめに 描画研究の歴史を概観すると,子どもの概念,認知能 力,情緒的適応を知る「手段」として描画を用いる研究 が多く描画活動のメカニズムを言及する研究は少ない。 Thomas and Si!k(1990)は,描画研究の理論的アプロー チの変化を概観し,①発達段階的アプローチ,②臨床 投影的アプローチ,③プロセス・アプローチ,④芸術 的アプローチの4つの基本的なアプローチに区分してい る。発達段階的アプローチでは,暗黙のうちに「再現的 な描写 Crepresentation)Jが前提とされ,研究者たちは 再現する能力の発達に焦点を当てている。そこでは個人 差は誤差と見なされる場合が多い(Goodnow,1977; Ives, 1980; Davis, 1983; Cox,1978, 1981, 1986, 1992; Freeman, & Janikoun, 1972; Freeman, Eiser, & Sayers,1977; Willats, 1977 ,1984; Ingram & Butterworth, 1989 )。そ れ に 対 し て 臨 床 一 投 影 的 ア プ ロ ー チ で は , 描 画 は 知 能やパーソナリティ,情緒的反応の指標として利用さ れ CGoodenough,1926; Harris, 1963; Koppitz, 1968, 1984) ,個人差は臨床的な問題として討議される CSe!f, 1977, 1983; Koppitz, 1984;浜谷&木原, 1990)。 発 達 心理学ではこの二つが主流となっている。 一方,後者 二つのアプローチでは,前者二つのアプローチが出来 上がった作品の表層構造のみを研究対象とする立場で あったのに対して,描画の制作過程に着目し,描画を 構成活動と捉える立場に大きく流れを変えてきている。 Thomas and Si!kは描画の「構成過程jの分析が発達心 理学や認知心理学に貢献することを示唆しているが,最 近のプロセス・アプローチでは,描画を「問題解決」と みなし,描画活動における子どもの認知的な問題解決方 略に関心を寄せている CKarmi!o宜-Smith,1990; Deniis, 1991; Morra, 1995, 2000, 2002; Morra et a,l.1996)。さ らに芸術的アプローチでは,描画の構成活動を芸術的 視点から検討し,描画を「創造的な問題解決」とみな すことで,描画の創造性を重視する研究を進めている。 Gardner(1980)らHarvard' s Project Zeroの研究者たち 31 は, Goodman(1976)の芸術に対する理論的アプローチを 背景に,描画の表現性 Cexpression) やスタイル Csty!e), 構成 Ccomposition) などの非再現的な特性の知覚や産出 の発達に関する研究を行っている (Gardner,1970, 1974; Carothers & Gardner, 1979; Ives,1984; B!ank et a!,1984; Winner et a!,1986; Jolley& Thomas, 1994, 1995; Winston et a!, 1995; Callaghan, 1997; Winner, 2006 )。 以上, 4つのアプローチを概観すると,描画研究で は 暗 黙 の う ち に 「 再 現 性 」 が 前 提 と さ れ , 非 再 現 的 (nonrepresentationa!)な特牲に着目する研究は少ない。ま た「個人差」の問題は,特異な描画発達の事例として検 討されるものの,発達過程の普遍的な流れの中では殆ど 言及されることがない。一方,近年では,描画を一種の 問題解決過程とみなし実験的なアプローチを進めること で,認知的な視点から描画研究を行う動きが認められる。 そこで本研究では,実験的調査を行い「描画過程」を観 察するというアプローチによって,これまでの再現的な 表現の偏重を見直し新しい視点から描画を捉えたいと考 えた。またそれによって,従来の再現的な枠組みの中で は誤差と見なされていた「個人差」を,認知的・発達的 視点から捉え直すことができるのではなし、かと考えた。 これまでの研究の経緯と問題点 一般に,子どもは2歳から5歳までの聞にいくつかの 芸術形式のシンボル体系に感応しそれを急速に身につけ ていく。 Shotwell,Wolf & Gardnerら (1980) は9人の 新生児に対する 5年間の縦断的研究によってシンボル機 能の発達に関する検討を行い, 7つの異なった領域,言 語,象徴遊び,二次元の表現(描画),三次元の表現(粘 土造形と積み木),動き,音楽,数におけるシンボル能 力の発達を観察した結果,シンボル機能における成長に は共通したパターンがあるがそれが実現される方法に はかなりの個人差があり,初期のシンボル獲得には少な くとも二つの異なった道筋(またはスタイル)が存在す ることを報告している。一つは,他者との効果的なコ ミュニケーションを行うために経験を共有しながら対象 を「再現的Jに利用することに一貫した興味を示す「物 語化J
Cdramatizing) と呼ぶスタイル,もう一つは,対象の知覚可能な属性(形や配置等)に対して好奇心を示 し,対象聞の大きさや形に基づいた関係を模索し,複雑 な方法でバランスやシンメトリーといった問題に取り組 む「パターン化J(patterning) と呼ぶスタイルである。 Gardner (1980) はとくに描画において,この二つのス タイルを示す子どもたちを後に,バターナー (patterners) とドラマテイスト (dramatists)に分類している。 また,描画の発達段階に関する報告 (Gardner,1979, 1982) によれば, 2 ~3 歳でシンボルの追及が盛んにな るとともに 1物語jタイプ (dramatistsに対応)と「パ ターン」タイプ (patternersに対応)の個人差が登場し, 5~7 歳の表現力の開花する時期には, 1物語」タイプは 「言語専
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として, Iパターン」タイプは「視覚型」とし て,子どもたちはそれぞれ特徴的な描画活動を展開する。 しかし7~ 12歳の視的リアリズムの段階に入ると,再 現性が重視され,子どもたちの関心は動きや三次元の表 現をいかに正確に達成するかに集まり,むしろ描くか描 かないかの個人差の方が顕著になるとされ,二つのスタ イルへの言及は影を潜めてしまう。では「物語jタイプ と「パターン」タイプの個人差は消えてしまうのであろ うか。 Gardner (1979) は,子どもたちが思春期を過ぎ て,それぞれの表現スタイルを確立する時期 (12践以上) になると,再び,再現性よりも広範開のスタイルを実験 し,新しい表現領域や心理的表現が可能となると述べて いる。とすれば,個人差は7~ 12歳の視的リアリズムの 段階において,実際には潜在していると考えられるので はないだろうか。 ところで,新妻 (1996,2008) は,造形活動のつ重 構造の観点から,造形活動における二つの対比的な活 動に着目している。一つは,対象の再現や伝達に興味 を示す「再現的 (representational)Jな活動,もう・つ は,表現媒体(物質)そのものに関心を示す「非再現的 (nonrepresentational)Jな活動である。とくに描画にお いては,形を構成する線や色彩が主題に従属し,写実的, 再現的な表現手段として用いられる「具象タイプjと, 線や色彩が写実的な機能から離れて,それ自体が独自の 表現機能を持つものとして意識され,非再現的(抽象的) な形式において展開される「非具象タイプjの,ー→つの 表現活動である。 筆者は, Gardnerらが報告する三つのスタイル(物語 タイプとパターンタイプ)と,新妻が着目する対比的な 活動(具象・非具象タイプ)の聞には,認知的に共通の 問題が含まれているのではないかという問題意識のもと に, 6歳から 11歳の児童期の子どもたちの摘両行動に着 目し,描画行動における個人差を認知的・発達的に検討 32 することとした。 はじめに,子どもたちが実験的な場面でどのような 描両行動を示すかを探るために, 1形」の構成要素であ る「点」と「線」を刺激図形とする「描両課題」を行 い,描画者が刺激図形の「点」と「線」をどのように描 画の構成要素として扱うかを調査した(新妻, 2002)。そ の結果,刺激凶形の扱い方には個人差が認められ,刺 激図形の「点」と「線」が具体的な形態の属性として機 能している (1点」と「線」を再現的に利用する)I具象 タイプ (figurative)Jの表現と, I点」と「線」が具体的 な形態を担わず白律的な表現機能を持つものとして扱わ れ,非再現的(抽象的)な形式において展開される (1点」 と「線」の知覚可能な属性に反応する)1非具象タイプ (non-figurative)Jの表現が認められた(新妻, 2002)。こ の結果は,対比的な個人差が実験的な場面でも観察され ることを示し,児童期には異なるタイプの描両特性を示 す子どもたちがいることが示唆された。 さらに,表現タイプの摘両特性に関して,主に摘画時 間に関する分析を行った結果,描画作品の具象的特性が 強い描画者ほど,描画開始前のプランニング時間が長く, 描i
画時間は短い傾向が,描画作品の具象的特性が弱い描 曲i
者ほど,描画開始前のプランニング時間が短く,描画 時間は長い傾向が認められた。また,描両過程における 言語的言及の度合いを示す指標として,補足表現(描両 作品に文字を書き入れて表現を補足する)と命名行為(白 発的に描画作品に名前を付ける)を分析した結果,具象 的特性が強い描画者ほど言語的意味づけを行う傾向があ ることが認められ,刺激図形の「点Jや「線Jに対して トップダウンの概念駆動型の処理 (conceptually-driven processing) を中心としたプランニングが,行われてい ることが推測された。一方,非具象タイプでは当該の 視覚情報を読み取りながら次の行為を決定していくデー タ駆動型の処理 (data-drivenprocessing) を中心とした プランニングが行われていることが推測された(新妻 ら,2005a)。 以上,これまでの研究では,従来は再現性の枠組みか らのみ検討されていた描画活動を,造形要素の処理に関 する認知的な差異の視点から捉えなおすことができた。 そして主に描画時間に関する分析を行うことで,これま では掬い取ることができなかった描画行動の「個人差j に着目することができた。しかし,以下のような問題が 残った。 第一の問題は,分析の方法が唆昧であった点である。 先行研究(新妻・新妻・佐藤, 2005a) では,描画作品 の評定の結果,具象性度がリニアに連続したものではなく,具象タイプと非具象タイプが独立して存在している 可能性が示唆された。しかし,表現タイプの「群分けJ を行なわず, I具象性評定尺度得点の平均値(具象性度)J と「初発時間」および「描画時間」との相関のみを検討 した結果,表現タイプの群ごとの描画特性を検討するこ とができなかった。さらに,具象性度と平均初発時間と の聞にはそれぞれ有意な正の相関が,平均描画時間との 問には有意な負の相関が認められたが, Pearson相関係 数の値は.2~.3 程度の弱いものであり,それぞれの表 現タイプの特徴的な描画行動を捉えることができなかっ た。そこで三つの表現タイプの「群分け」を行い,検討 することが必要でトあると考えた。 第二の問題点は,発達的な検討が殆ど行われなかった 点である。先の研究(新妻・新妻・佐藤,2005a) において, かかり,初発時間は長いと予測される。 仮説2:描画時間に関して,描画時間は非具象群のほ うが具象群より長い。また,両群ともに年齢が上がると ともに描画時聞が増加する。具象群では,描画開始前に 描画の最終形をイメージし,何を描くかが決まれば一気 に描いていくために,描画時聞は短いと予測される。そ れに対して非具象群では,描画開始前に何を描くかが想 定されず,視覚的な関係を探りつつゆっくりと描画を進 めるため描画時間は長いと予測される。また年齢が上が るとともに,いずれの群においても描画スキルの習得や 描画力の向上によって描画は複雑性を増し,描画時間は 増加すると予測される。 方 法 描画作品に対する具象性度(具象性評定尺度得点の平均 実験参加者 値)の年齢別分布を求めた結果,年齢が高いほど評定値 本研究の参加者は,先の研究(新妻・新妻・佐藤, の高い群と低い群に分離する傾向が認められ,三つの表 2005a) の参加者 220名に今回新しく参加した 69名を加 現タイプの発現と年齢との聞には何らかの関連があるの えた289名である。いずれも筆者等の主宰する造形教室 ではないかと推測された。しかし,表現タイプの「群分け」 に在籍している子どもたちで,年齢ごとの内訳は, 6歳 がなされていないために,表現タイプの出現に関する年 42名(女 24名・男 18名) ,7歳 60名(女 40名・男 20名) ,8 齢的な変化は明らかにされなかった。また同様に, I群 歳51名(女 37名・男 14名),9歳 51名(女 25名・男 26名),10 分け」がなされていないために,二つの表現タイプの描 歳47名(女 31名・男 16名) ,11歳 38名(女 18名・男 20名) 画行動に関する年齢的な変化を捉えることができなかっ で,女175名,男 114名である。 た。そこで「群分け」に基づく,発達的な検討を行なう 「描画課題」の手続き ことが必要であると考えた。 個別場面で6種類の刺激図形(一点,二点,三点,横線, 以上を踏まえ,本研究では表現タイプ群の出現に関し 縦線,十字線)を印した6枚の「描画課題カード」を用 て年齢との関連を検討するとともに,以下のような仮説 いて実施した。初めに,裏返した描画課題カード6枚を を検証することとした。 被験者に示して枚数を確認させた。次に「ここに6枚の 検討1:表現タイプ群の出現に関する年齢との関連に カードがあります。このカードを表に返すと一つず、つ印 ついて, I具象タイプ群(以下,具象群と表記する)Jと があります。今から一枚ず、つ渡しますから,その印しを 「非具象タイプ群(以下,非具象群と表記する)Jの出現 よく見て好きなように描いて下さい。どんなふうに描い 率を検討する。先行研究では,具象性度は年齢が増すに でも構いません。自分が思ったように描いて下さい。た つれて,具象タイプでは高くなり,非具象タイプでは低 だし時聞を測りますから描き終わったら“終わりました" くなり分離する傾向が認められた。しかし,具象タイプ, と言ってカードを返してください。」と教示し,カード 非具象タイプを示す描画者は, 6歳から11歳の何れの年 Iから手渡した。 6枚のカードの提示順は,一点,横線, 齢でも一定程度認められることから,表現タイプ群の出 二点,縦線,三点,十字線の順であった。描画用具は太 現率に関しては,年齢による偏りが見られず,安定して さ1.0mmの黒ボールペンを使用した。 いると考えられる。 分析方法 仮説1:初発時間(プランニング時間)に関して,初 ①表現タイプの群分けと出現数(率)の分析,②初発 発時間は具象群のほうが非具象群より長い。具象群では, 時間の分析,③描画時間の分析,および補足的な分析を 刺激図形の「点Jや「線」を具体的形態の属性と見なす 行うこととした。 判断(思考)を行い,描画開始前に具体的なイメージを ①表現タイプの群分けに関して,初めに,新しく参加 想定することから,刺激図形の「点」や「線Jを具体的 した69名の描画 414枚に関して,具象性評定尺度 (Figure 形態の属性と見なす判断を行わず,刺激図形の知覚可能 1)を用いて, 6段階評定 (0~ 5)を行い, 6枚のカード な属性に反応する非具象群より,プランニングに時間が の合計評定値を求め (0~ 30),さらに参加者ごとに 5名 33
の評定者の合計評定値の平均値(平均評定値)を求めた。 た一般に 8~9 歳以降は写実的段階に移る時期とされる 描画作品の評定は,客観性を保障するために,美術教員 ことから 8~9歳群にまとめた。なお補足的な分析として, 4名(経験年数 20年以1:),芸術療法家 1名 の 計 5名 に 依 造形教室での学習効果・経験年数の影響を検討するため 頼した。 5名の評定者の一致の程度 (Cronbachのα係数) に,新入後の経験年数が12ヶ月以下と 13ヶ月以上の子 は.970であった。以上より, 2005年の調査対象者 220名 どもたちの2群に分け,表現タイプ群の出現数と出現率 と今回の調査対象者69名を合わせた 289名の描画者の平 を比較した。さらに,性差の影響を検討するために男子 均 評 定 値 (0~ 30) が得られ,この評定値を基に表現タ 群と女子群に分け出現数と出現率を検討した。 イ プ の 「 群 分 け ( 具 象 タ イ プ 群 と 非 具 象 タ イ プ 群)J を ②初発時間の分析に関して,初発時聞は「刺激図形の 行なった。なお, 6枚のカードの内的整合性については, 知覚 判 断 描画行為の開始」という一連の思考過程に 具象タイプ群の描両者が非具象描画を描く枚数を求めた 要する時間(プランニング時間)を表す。教示後,描画 結 果 , カ ー ド Iでは4名,カードHでは2名 , カ ー ド 皿 カードを提示し,実際に描画を開始するまでの時間を0.1 では4名,カード Wでは 3名,カード Vでは 3名,カード 秒単位で計測した。 刊 で は3名 で あ っ た 。 同 様 に , 非 具 象 タ イ プ 群 の 描 画 者 ③描画時間の分析に関して,描画時間は,描画開始か が具象描画を描く枚数を求めた結果,カードIでは11名, ら描画終了までの時間を表す。実際に描き始めてから, カードHでは8名,カードEでは6名,カードWでは10名, 描画の中断時間も含み,摘画者がぺンを置くまでの時間 カードVでは17名 , カ ー ド 羽 で は 18名 で あ り , こ れ ら を0.1秒 単 位 で 計 測 し た 。 な お , 描 画 中 断 時 間 と は , 描 の 出 現 数 に 関 し てχ2検 定 を 行 っ た 結 果 , 有 意 差 は 認 め 画者が描画の途中でぺンを止めて,質問を行なったり, られなかった。また具象タイプ群では6枚 す べ て の カ 一 考え込んだりした時間である。 ドについて具象タイプの描画を描く率は81.38%,5枚以 上のカードについて具象タイプの描画を描く率は92.2%, 4枚 以 上 の 場 合 は 96.97%であった。同様に,非具象タ イプ群では6枚 す べ て の カ ー ド に つ い て 非 具 象 タ イ プ の 描画を描く率は82.75%,5枚以上の場合は 89.65%,4枚 以上の場合は94.83%であった。以上より 6枚のカードの 内的整合性は高いと考えられた。 表現タイプの「群分け」では,新妻ら(2005a) の平均 評定値の年齢別分布において,平均評定値の10付 近 を 境 として5以下と20以上の二つの区域に分布が集中する傾 向 が 認 め ら れ た こ と か ら , 評 定 値 5・4・3に該当する描 画を「具象タイプ」の描画,それ以外を「非具象タイプ」 の 描 画 と し , 平 均 評 定 値 が18~ 30までを「具象タイプ 群(具象群と表記)J,0 ~ 17.9までを「非具象タイプ群(非 具 象 群 と 表 記)J と し た 。 さ ら に 年 齢 に よ る 変 化 を 検 討 するために,子どもたちの年齢を 6~7 歳群, 8~9 歳 群, 10 ~ 11歳 群 の3群 に 分 け た 。 年 齢 別 分 布 図 に よ る と, 10歳以降では評定値の高い群と低い群にはっきりと 分 離 す る 傾 向 が 認 め ら れ る こ と か ら10~ 11歳群に,ま 具象性指練 現実の世界に存在する(あるいは存在するものとして想像される)一定の事物をそれ に栂志する具体的形態において再現模写すること はっきりJと まったく 再現模写 ・一一一一・ ・ ・ー←一一・一一一一・ 再現模写 している 5 4 3 2 0 していない Figure 1 具象性評定尺度 結 果 ①表現タイプの群分けと表現タイプ群の出現率 具象群,非具象群の出現数と出現率をTable1に示す。 具 象 群 は231名 (79.9%), 非 具 象 群 は 58名 (20%) で ある。それぞれの群の具象性評定尺度得点の平均値は, 具 象 群 が26.3, 非 具 象 群 が 6.9で あ る 。 年 齢 群 ご と の 出 現数と出現率は, 6~7歳群では具象群が 81名 (79.4%), 非 具 象 群 が21名 (20.6%),8 ~ 9歳 群 で は 具 象 群 が 87 名 (85.3%), 非 具 象 群 が 15名 (14.7%),10~ 11歳 群 では具象群が63名 (74.1%),非具象群が 22名 (25.9%) である。年齢群と表現タイプ群のχ2検定を行った結果, 有意差は認められなかった。なお,具象群の代表的描画 Table 1 表現タイプ群の出現数と出現率(%) (N=289) 年齢群 表現聖イプ群 合計人数 具象群 非具象群 6-7歳群 81 (79.4) 21 (20.6) 102 8-9歳群 87 (85.3) 15(14.7) 102 10-11歳群 63 (74.1) 22 (25.9) 85 合計 231 (79.9) 58 (20) 289
の事例(具象性評定尺度得点・ 30) を Figure2-,1 2-2 をFigure3-1,3-2に示す。 に,非具象群の代表的事例(具象性評定尺度得点:0) 補足的分析
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Figuer2-2 具象タイプの描画 (9歳 女 ) Figure3-1 非具象タイプの描画 (6歳 男 )?
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Figure3-2 非具象タイプの摘l函I(9歳 男 ) (1)経験年数の群分けに基づく表現タイプ群の出現率 経験年数の群分けに基づくに具象群と非具象群の出現 数と出現率を Table2に示す。経験年数が 13ヶ月以上の 描画者では,具象群が 133名 (79.6%),非具象群が 34 名 (20.4%)であり,経験年数が 12ヶ月以下の描画者で は,具象群は 98名 (80.3%),非具象群は 24名 (19.7%) であった。経験年数と表現タイプの χ2検定の結果,有 意差は認められなかった。 Table 2 表現タイプ群の出現数と出現率(経験年数別) (%) (N=289) 表現ヲイプ群 経験年数群 具 象 群 非具象群 合計人数 経験年数12ヶ月以下町群 98(80.3) 24(19.7) 122 経験年数13ヶ月以上の群 133(79.6) 34(20.4) 167 合 計 231 (79.9) 58(20.1 ) 289 (2)性別の群分けに基づく表現タイプ群の出現率 性別の群分けに基づく出現数と出現率を Table3に示 す 。 女 子 の 具 象 群 は 154名(88.0%)で 非 具 象 群 は 21名 (12.0%),男子の具象群は 77名 (67.5%) で非具象群は 37名 (32.5%) であった。性別と表現タイプの χ2検定 の結果 (χ2(1)=16.775,p<.Ol), 1 %水準で有意差が 認められた。 Table 3 表現タイプ群の出現数と出現率(性別) (%) (N =289) 性別群 男子群 女子群 合 計 表現タイプ群 具 象 群 77(67.5) 154(88.0) 231 (79.9) 非具重量群 37(32.5) 21(12.0) 58 (20.1) 合計人数 114 175 289 ②初発時間の分析 初発時間に関して, Figure 4は具象群と非具象群の平 均初発時間に関する年齢群別推移を図示したものであ る。表現タイプ×年齢の分散分析を行ったところ,表現 タイプの主効果 (F=30.68,df=1/283,p< .01)が認められ, 年 齢 の 宅 効 果 (F=2.81,df=2/283,.05<p< .10) は有意 傾向,表現タイプ×年齢の交互作用は認められなかった。 なお年齢の主効果に関する多重比較の結果, 6~7 歳群 と10~ 11歳群の群聞には 1 %水準で有意差が認められ たものの, 6~ 7 歳群と 8~9 歳群および 8~9 歳群と 10 ~11 歳群の群聞には有意差が認められなかった。-35-察 検討1について.表現タイプ群の出現に関して 筆者はこれまで、 Gardnerら (1980) が報告する初期の シンボル獲得における二つのタイプに着目し,それぞれ 考 18.2 13.2 →喜一非具象群 -・ー具象群 20 18 16 14 平 均 初 発 時 間 を具象・非具象タイプと対比させながら認知的な共通性 を探ってきた。本研究では,初めに表現タイプ群の年齢 別の出現率を検討した。その結果,年齢と表現タイプの 12 10 8 χ2検定では有意差が認められず,具象群と非具象群の 出現率は年齢による偏りが見られなかった。このことは, Gardner (1979)が指摘した「物語」タイプと「パターンj タイプの個人差はリアリズム期に入り,再現性重視の表 現スタイルの陰で見えにくくなっているが,実際には潜 在している可能性を示唆するものと考えられる。 また続いて,補足的分析において経験生
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数の影響を検 討した結果,経験年数と表現タイプのχ2検定に有意差 は認められず,経験年数によって具象群と非具象群の出 現に差がないということが分かった。このことは,表現 タイプ群の出現に関して,造形教室での経験年数の影響 は受けないことを示唆していると考えられる。.方,性 別に関するχ2検定の結果では, 1%水準で有意差が認め られ,男子では具象群が少なく非具象群が多い,久子で は具象群が多く非具象群が少ないということが分かった0 8般に男性は女性より視空問機能に優れているとされ る (Kimura,1999)。オンラインの視覚情報に反応しつつ 描両行為を進めていく非具象タイプにおいて,空間を把 握していく認知能力に優れた男子が多いことは注円され る。表現タイプは,経験ではそれほど大きく変わらない 認知的な傾向と関連があるのではないかと推測される。 仮説1について:初発時間とプランニング特性匹仏一一一~4.4
年齢群 平均初発時間に関する具象・非具象群の年齢群別 推移 10-11歳 群 8 - 9歳 群 6-7歳 群 ③描画時間の分析 描画時間に関して, Figure 5は具象群と非具象群の平 均描画時間に関する年齢群別推移を図示したものであ る。表現タイプ×年齢群の分散分析を行ったところ,表 現タイプの主効果 (F=43.70,df= 1/283,p< .01),年齢の 主 効 果 (F=22.76,df=2/283,p< .01), 及 び , 表 現 タ イ プ×年齢群の交互作用 (F=8.30,df=2/283,p<.01) が認 められた。 Bonferroniの単純主効果の検定の結果, 6~ 7歳では具象群と非具象群の群聞に有志差が認められな かったが, 8~ 9 歳と1O ~11 歳では具象群と非具象群 の群聞に 1 %水準で有意差が認められた。また具象群で は 6~7 歳群と 10 ~ 11歳群の群聞には5%
水準で有意差 が認められたが, 6 ~ 7 歳群と 8~9 歳群の群間,およ び 8~9 歳群と 10 ~ 11歳群の群聞には有意差が認めら れなかった。一方,非具象群では 6~7 歳群と 8~9 歳 群の群間および 8~9 歳群と 10 ~ 11群の群聞には5%
水 準で有意差が, 6~7 歳群と 10 ~ 11群の群聞には 1 %水 準で有意差が認められた。 Figure 4 初発時間に関して,分散分析の結果から表現タイプ群 間に主効果が認められ,仮説どおり具象群のほうが非具 象群よりも長いことが分かった。 初発時間は,描画カードを手渡してから描画開始まで の時間で, I刺激図形の知覚 判断(思考) 描画行為 の開始」という一連の思考過程(プランニング過程)に 168.6 ーζト ー 非 異 草 群 - ・ ー 具 皐 群 200 180 160 要する時間(プランニング時間)である。一般に「思考」 は「知覚」より時間がかかると考えられるが,具象群で は描両開始前に「分」単位で時聞をかける描両者が認め 109.8 140 120 100 平 均 描 画 時 間 られ, I判断(思考)Jにウエイトが置かれていると推測 される。それに対して非具象群では,描両カードを受け 取ると殆ど同時に描画が開始され,外界から感覚受容器 に入ってくる刺激情報の「知覚Jによってダイレクトに 描画が開始されていると推測される。具象群の平均初発 時間は 13.6秒,非具象群の平均初発時間は3.4秒であった。 36ニ
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70 8 - 9揖 群 年齢群 平均描画時間に関する具象群と非具象群の年齢群 別推移 10--11揖 群 6-7龍 群 80 60 40 20 Figure 5初発時間とプランニング特性の関連に関しては,具象 群では先の研究結果(新妻・新妻・佐藤, 2005a) から, 概念駆動型のプランニングを行うことが推測されたが, 情報処理の制御の流れの視点から検討すると,概念駆動 処理は刺激情報の解釈と評価に関する予期や仮説を生み 出す高次のプロセスから始まるトップダウン処理と考え られる。つまり具象群では,描画開始時に「点や線をやJ に見立てるか」という刺激情報の解釈や評価を行い,確 定的な全体プラン「解」を案出し(描画の最終形をイメー ジし),あとはそれに従って行くという大域的なプランニ ングを行っていると考えられる。それに対して非具象群 では,制作過程の逐次的段階 (on-line)において順次生成, 変更しながらボトムアップ式に完成させていく局所的な プランニングを行っていると考えられる。 一方,年齢に伴う変化に関しては,初発時間の分析の 結果,年齢の主効果に有意傾向が認められるものの,そ れぞれの年齢群間では有意差が認められず,年齢に伴う 変化は,はっきりと示されなかった。一般に,過去の 視覚的経験や概念的知識など記憶系に蓄積された情報量 は,課題状況の理解 (understandingproblem) や作品テー マに関する構想 (generatingideas),制作方略の組み立 て (planningfor action) など「プランニング過程」に影 響を与えると考えられる (Tre伍nger,1995)。そこで「知 覚」によって描画が開始される非具象群に対して, i判 断(思考)Jにウエイトが置かれる具象群では,記憶系の 情報量の増加がプランニング過程に影響を与え,初発時 間(プランニング時間)が変化するのではないかと考え た。しかし,描画課題場面では, 6~7 歳群と 10~11歳 群の群聞には有意差が認められるものの, 6~ 7歳群と 8~9 歳群向および 8~9 歳群と 10~11歳群聞には有意 差が認められない。この要因を探ると,具象群での「共 通反応」の出現数が関連しているのではないかと考えら れる。共通反応は 3人に一人の割合で認められる「平 凡反応」であり,描画者の慣習的なものの見方を反映し, プランニング時間は短い。先の報告(新妻・新妻・佐藤, 2005b) によれば「共通反応」の出現数(率)は年齢の変 化にかかわらず一定である。つまり「共通反応」の出現が, 高年齢群 (8~ 9 歳群と 10~11歳群)の初発時間の平均 を低く抑え,年齢群聞の差異を少なくしたのではないか と考えられる。 仮説
2
について:描画時間と表現特性 描画時間に関して,表現タイプ×年齢群の分散分析を 行ったところ,表現タイプの主効果,年齢の主効果,及び, 表現タイプx年齢群の交互作用が認められ,仮説どおり, 非具象群の描画時間は具象群より長いことが分かった。 しかし交互作用が認められたことから,単純に主効果が 認められたとはいえず,年齢によって変化していく部分 があることが分かった。 描両日寺聞は,描画開始から描画終了までの実際の描画 に要する時間であり,描画スピードと描画作品の書き込 み量の両面が関係すると考えられる。描画課題場面では, 描画時間の測定とあわせて描画スピードやリズム,描画 の中断や終了の様子などを観察記録した。その結果,具 象群では描画カードを受け取ると,プランニング(描画 内容の構想や制作方略の組み立てなど)に時間をかける が, i何を描くか」が決まれば一気に再現 (representation) するために,描画スピードは速い。それに対して非具象 群では,刺激図形を知覚すると殆ど同時に描画を開始し, 描画開始前に「何を描くか」は想定されず,オンライン の視覚情報にボトムアップ的に反応しつつゆっくりと描 画を進めるため,描画時間は長くなる。また描画作品の 書き込み量に関しては,先述したように具象群では「共 通反応」の出現数(率)は年齢の変化にかかわらずほほ一 定の割合で認められるが,共通反応は多くの場合「主題」 を一個描くことで終了するため,描画時間が短い。一方, 非具象群の表現は,抽象的で何を描いたのかを言語化す るのは難しいが複雑な表現が多く,描画時間が長い。 佐藤 (1998)は,コラージュ制作過程におけるプランニ ングと制作時間の関係に関して, Treffinger (1995)の創 造的問題解決過程の構成モデルを参照し,制作プランに 要する合計時間の総制作時間に占める割合 (α) が大き ければ大域的なプランニング特性を,小さければ局所的 なプランニング特性を示すとし,手を動かしながら作品 構想を行う局所的プランナーはボトムアップ式のプラン ニングを行うため,手を動かす前に時間をかけて作品構 想を行う大域的プランナーに比較して制作時聞が長くな る傾向を持つと報告している。本研究の初発時間と描画 時間の合計を総制作時間とし,時間指標 (α) を求める と,具象群の総制作時間の平均は 68.51秒,初発時間は 13.6秒であり, (α) は0.198である。それに対して,非 具象群の総制作時間の平均は 115.78秒,初発時間は 3.4 秒であり, (α) は0.029である。つまり,具象群のほう が非具象群より (α)が大きく,大域的プランニングが 行われていることが,非具象群は (α)が具象群より小 さく,局所的プランニングが行われていることが推測さ れる。この結果は,局所的プランニングを行う非具象群 の方が,大域的プランニングを行う具象群より描画時間 が長くなるという分析結果と合致し,佐藤 (1998)の報告 とも合致する。 一方,年齢に伴う変化に関しては,非具象群では年齢 37一とともに描画時間が増加するが,具象群では年齢による 向との関連が推測された。しかし,今回の調査では,表 変化があまりみられないことが分かった。また具象群と 現タイプ群の認知特性に関する直接的なデータは得られ 非具象群の群聞の差は,年齢が高くなるにつれて大きく ていないことから,描画行動のメカニズムと表現特性と なることが分かった。具象群では「共通反応jは,年齢 の関連性を探るという最も基本的な課題は残されたまま にかかわらず出現するが,その表現は画一的 (simple), である。今後は,表現タイプ群の描画行動のメカニズム 一意的であり,写実的な表現など描画スキルの獲得の影 の解明に焦点をあてた研究が必要であると考える。 響をあまり受けないと考えられる。つまり具象群では「共 通反応Jの出現が,描雨時間の年齢に伴う変化を抑えて いると考えられる。それに対して非具象群の表現は,年 齢が上がるにつれてより複雑な表現になり,描画時聞が 増加している。非具象群では,点や線,形と形の関係を 模索し,造形的な構成に関心を示す描画者も認められる。 具象群の表現が,自己の知識や視覚的体験の内に留まる 傾向があると考えられるのに対して,非具象群の表現は そのプランニングの特性上, 自己の視覚体験を超えた新 しい視覚対象に向かい探索的な摘両行為が持続されるた め,描画時間が長くなるのではないかと考えられる。
ま と め
以上,表現タイプ群の「群分け」に基づく, i具象タ イプ群(具象群と表記)Jと「非具象タイプ群(非具象 群と表記)Jの描画特性を検討した。これによって,従 来は,発達過程の普遍的な流れの中で注目されることの なかった描画行動の倒人差を,表現タイプの差異, i個 人差」として捉えることができた。さらに, i具象群」 と「非具象群」の年齢群ごとの検討によって,二つの表 現タイプ群の描曲i
特性に関する発達的な変化を捉えるこ とができた。 描画の発達的検討では,これまで個人差に着目する研 究は臨床的な事例を除いて殆ど見られない。しかし今後 は,描画者の認知過程に着目することで,従来の再現性 の枠組みとは異なる新しい視点からの描画発達の検討が 可能となるのではなし、かと考える。また最近の描両研究 においては,何がどのように発達するかについてよりミ クロな視点から発達を明らかにしようとする動きが見ら れるようになってきている (Dennis,1991;江尻, 1994; 古池,1996,1997; Jolley et al, 2004;橘,2007)。 古池 (2008) は, Hartleyら (1982) の「個々の子ど もの描画表現には,発達的に変化する側面と時聞を超え て個人内で一貫している側面がある」という考えに基づ いて表現方略の個人差を検討し,子どもにおいて優位な 認知能力が,軸となる表現方略を規定している可能性が あるのではないかと示唆している。本研究においても, 性別に関する表現タイプ群の出現率を分析した結果,年 齢や経験年数ではそれほど大きく変わらない認知的な傾 38文 献
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児 童 の 描 画 特 性 に 関 す る 認 知 的 ・ 発 達 的 研 究 一 描 画 課 題 を 用 い た 描 画 行 動 の 個 人 差 に 着 目 し て 先行研究で,点と線を刺激図形とする「描画課題」を考え,認知的視点から描画行動の個人差を検討した結果,刺激 図形を再現的に利用する「具象タイプ」の表現と,刺激図形の知覚可能な属性に反応する「非具象タイプ」の表現が認 められた。本研究の目的は,具象群と非具象群の群聞の比較を行い,二つの表現タイプ群の発達的特徴を捉えることで あった。対象児は6歳から 11歳までの 289名で,個別場面で「点」と「線Jから成る6種類の刺激図形を提示し,自由 に描画するように求めた。表現タイプ,初発時間,描両時間について検討した結果, 1)すべての年齢群で具象群の出 現率が高かった。 2)具象群の初発時間は,非具象群より長かった。 3)非具象群の描画時間は具象群より長く,年齢 とともに増加していた。以上の結果から,児童期では「具象タイプJI非具象タイプ」の二つの表現タイプ群が存在す ること,二つの表現タイプ群の特徴は年齢による偏りが見られず安定していることが示唆された。 キーワード・描画課題,個人差,表現タイプ群
Cognitive and Developmental Study in Children's Drawings:
Focusing on lndividual Differences in Drawing Behavior Using Stimulus Figures
The purpose of the present study was to clarify the developmental characteristic of drawing in childhood. Subjects were 289 children aged 6 to 11 years. They were presented to six types of stimulus figures which consisted of points and lines and were asked to draw a picture freely. We examined the type of expression(“自gurativedrawing" and“nonfigurative drawing",)onset time and drawing time. The main results were as follows: (1) The incidence of “the representational drawing groups" was higher in all age groups. (2) The onset time of the representational drawing group was longer than that of nonrepresentational drawing group. (3) The drawing time of the nonrepresentational drawing group was longer than that of the representational drawing group and the drawing time of the nonrepresentational drawing group increased with age.Itwas suggested that there was two types of drawing-style and the characteristic of two types of drawing-style did not change greatly with age
key words: Drawing subject, Individual di宜erences,Two types of drawing-style