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JAIST Repository: 企業経営から見た研究開発リーダーシップ

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Academic year: 2021

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

企業経営から見た研究開発リーダーシップ

Author(s)

西澤, 吉彦

Citation

年次学術大会講演要旨集, 2: 78-81

Issue Date

1987-10-16

Type

Presentation

Text version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/10119/5190

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す

るものです。This material is posted here with

permission of the Japan Society for Science

Policy and Research Management.

(2)

2A 5 仝 業 経営から見た 研究開発リーダーシップ

住友化学工業株式会社

専務取締役

理学博士 西澤吉彦 現在の新技術開発は、 単一な学問、 あ るいは単一な 技術で完成されるケースは 少なく、 多種類の技術が 複合あ るいは融合して、 一つの新製品を 生む場合が多い。 このため、 一つの研究開発プロジェクトを 発足する % 台には、 技術の複合化が いかに効率よく 行はれるかが 重要な要素になる。 企業中にシーズがあ るからとい って、 プロジェクトを 自然発生的に 行 う 場合には、 この複合化はなかなかできる がらない。 従って 先づ 企業が、 企業目標を適確に 明示する必要があ る。 ( 図 1 ) 新規分野における 桜会 Ⅱ せ 今 Ⅱ 。 今 自社の技術能力 市堤性 ( 売上・利益 ) ぐヨ み 4 Ⅱ Ⅱ せ 令 Ⅱ 技術開発戦略 白 9 及び方針 寺 "

Ⅱ サ 企 業 目 標 ( 図 1 ) 次にこの企業目標を 達成するためには、 どのような研究開発方法があ り得るか という各種戦略の 評価、 統合が検討され、 その上で機能 別 戦術計画が立てられる べきてあ る。 ( 図 2 ) 例えば、 植物関連のバイオテクノロジ 一の研究開発を 開始するに当っては、 図 3 に示したような 学問、 あ るいは技術のパッケージと、 それに伴う設備機器 類の バッケ 一 ジが 必要てあ る。

我々はこれをミニマム・バッケ

一 ジと 呼んでいる。 特に研究開発の 初期の探索研究においては、 各種の技術、 設備のパッケージを

(3)

Ⅱ せ

研究所・事業部分担

他社との共同開発の 可否

官学との共同開発の 可否

研究開発期間

文月 ( 舎人員 ) 投資効率、 等 呈 ,カ

寅能

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備考

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(4)

ジェク ト の成否を任っている。 またその評価システムが、 自社の中 て 独自に生れ たものであ るのか、 あ るいは世間一般に 既に行はれている 評価システムであ るの

かによって、 研究開発から 将来生れる成果の 独創性が決るのであ る。

このようなプロジェクトのト 一タル,システムのリーダ 一にしろ、 サブ,シス テム のリーダ一にしろ、 先づ 企業目標をよく 理解する - 一というよりは、 リーダ 一の技術的な 「 夢 」が、 企業目標の枠内にあ ることが必要であ る。 すな ね ち、 研 究開発におけるリーダーシップは、 そのプロジエクトの 工程を管理することては なく、 プロジェクトに 従事する人々を 元気つけ、 指導することにあ る。 このため には、 リーダ一に先 づ 「 夢 」がなければならない。 企業の将来の 「 高 収益」 とか 「マーケット 拡大」 という言葉は、 研究開発の 「 夢 」 にはなり得ない。 自分達が 作り上げる新技術が、 如何に独創的 て 、 その成果が、 社会にどのように 貢献する かという具体性を 持った 「 夢 」 が必要であ る。 一つのプロジェクトを 進めるに当って、 技術的ミニマム・パッケージが 必要で あ る事は先に述べたが、

実際研究開発に

当ってみると、 このミニマム ,パッケ 一 ジ 以外に、 パッケージを 支援するシステムも 必要となる。 例えば、 そのプロジェ クトに関連する 情報の蒐集、 解析、 プロジェクト 関連コンピューター・システム の 開発等てあ る。 研究者をしてこの 支援システムを 片手間に行はしめることは、 一般に研究開発効率を 著しく低下させる。 従ってリーダーとしては、 自らの プ ロ ジヱクト を進める 上て 、 どのような種類の、 どの程度の規模の 支援システムを 構 築することが、 最も研究開発効率を 高めるかについての 適確な洞察力が 要求され る 。 また、 研究開発が進行中に 、 種々の技術的障害、 あ るいは予想覚の 結果が得ら れることが多い。 これらの問題点の 原因を、 一度基礎に立ち 帰って究明する 好奇 心と、 その間のプロジェクトの 遅れに耐えられる 忍耐力もリーダ 一に要求される 一つの特質であ る。 このような場合、 基礎からやり 直すことによって、 今迄全く 気がつかなかった 新しい方法論、 新しい観点が 見つかり、 それによって 新分野が

開け、 新製品が生れた 場合が多い。 独創的な製品は、 研究者の論理的な 帰納によ

って生れる確率よりも、

研究中に起ったハブニンバー

- あ る場合には、 それは研 究計画から見れば 失敗の場合もあ る・

を適確に 肥 え、 解決した事によって 得ら れる確率の方が 大きいようであ る。 この様なハプニンバにもめげず、 それを一つ の 跳曜台 にすることがてきるか 否かは、 個々の研究者の 自然科学に対する 好奇心 に 負 う 所が多いが、 リーダ一にそのような 好奇心がなければ、 研究者の好奇心も 芽生えないであ ろう。 最後に、 経営的には最も 重大てあ るが、 研究開発リーダ 一にとっては 最もむつ かしい点は、 あ る技術分野の 技術的成熟度を 見きめ ぬ 、 その代替新技術を 模索す ることてあ る。

一つの技術分野一例えば 農薬一の研究開発を

続けている間に その分野の技術は 次第に成熟し、 研究成果の生れる 確率が年々低下して 来る。 これは、 その分野ての 技術水準が高まるため、 それを 凌鴛 する技術を開発するに

(5)

技術の不連続,

成果

努力

このような場合、 全く異

技術によって、 その分野の技術が 置き変えられる

場 合

が多い。 従って、 リーダーは自ら 構築して来た 研究開発システムの 投資効率を

常に冷静に評価し、 その効率が低下しだした 時には、 大脾 な新技術の模索を 始め

なければならない。 しかしこのことは、 自分の過去の 研究軌跡を否定することに

もなりかれないので、 リーダーとしては、 なかなか新技術の 模索に手をつけない

傾向があ る。 これを打破てきるエネルギーは、

張りリーダーが 自分の達成した

いより高次元の 「 夢 」が何であ るかを、 的確に持つことであ ろう。

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