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中国の高級ワイン醸造の旗手 (教授研究会報告要旨2: 2018年7月4日((水))

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中国の高級ワイン醸造の旗手 (教授研究会報告要旨

2: 2018年7月4日((水))

著者

寳劔 久俊

雑誌名

国際学研究

8

1

ページ

140-140

発行年

2019-03-30

URL

http://hdl.handle.net/10236/00027526

(2)

〔教授研究会報告要旨 2〕 2018 年 7 月 4 日(水)

中国の高級ワイン醸造の旗手

寳劔 久俊

(関西学院大学国際学部教授) 急速な経済発展に伴う中間所得層の増大を背景に、中国のワイン市場は 2000 年代から顕著な発展を 実現してきた。中国ワイン市場の中核を担ってきたのは、国産 3 大メーカー(中糧長城、張裕、王朝) であり、中国の中級ワインの消費市場はこの 3 社による寡占状況にある。その一方で、高級ワイン市場 は欧米(フランス、イタリアなど)の輸入ワインが席巻してきたが、中国の新興メーカーも健闘を見 せ、徐々にその知名度を高めている。今回の報告ではこの新興メーカーに焦点をあて、報告者が 2002 年から継続的な調査を行う山西省太谷県の「怡園酒庄」(Grace Vineyard)を対象に、高級ワインの生産 ・販売に向けた取り組みについて考察した。 怡園酒庄は高級ワイン市場で一定の評価を獲得しているが、その競争力の源泉は地元の契約農家が生 産する高品質ぶどうにある。怡園酒庄の周辺地域は元来、寒冷な気候のため栽培可能な農作物は穀類に 限定され、農家所得も低い水準にとどまっていた。そこで怡園酒庄は、醸造用ぶどうの適地に位置する 農家の転作を促進するため、無利子での投資資金の提供や転作に伴う補償金の支払いを行ってきた。さ らに、契約農家に対して機会費用に応じた買付価格を保証したり、良質なぶどうの栽培意欲を高めるた めの価格設定(糖度に応じた報償など)を導入することで、高品質な原材料の確保に成功した。 他方、契約栽培の維持・管理にあたって、地方政府が重要な役割を果たしていることも明らかになっ た。すなわち、地方政府が怡園酒庄と農家の仲介役となり、農家に対する作目転換の説得や投資費用の 一部負担を行うとともに、企業と農家との価格交渉への参与や契約履行の監視といった業務を担うこと で、契約農業に伴う取引費用のコスト削減が実現されたのである。 ― 140 ―

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