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技術教育に於ける機械実習指導の研究 ボルト・ナットのしめつけトルクについて

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Academic year: 2021

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(1)

技術教育に於ける機械実習指導の研究

   ボルト・ナットのしめっけトルクについて

浅  井   政

(教育学部技術科)

Studies on Guidance for Mechanical practice         in Technical Education.

    On Screwing Torque for Bolts and Nuts・

      Masaomi Asm  (Sectio。t of Technique) Faculりof Edacattoju Kocht Unt-uerstり)   1.緒   言  機械はねじによってしめつけられている部分が非常に多い.機械実習における学生の指導上,ボ ルト・ナットのしめつけが非常に重要になってくる.即ち  (1)長期間使用後には振動,しめっけ部のへたり等が原因して自然にゆるんでくるので,これを 未然に防止しなければならない.  (2)しめっけ後,外部荷重により,ボルトが被固着部分のしめ厚以上に伸びて,すきまを生じ気 密を害することのないようにしなければならない.  (3)荷重による応力の変動を減少することにより,ボルトの疲労寿命を伸ばさねばならない.  (4)ボルトをねじ切らぬようにしなければならない.       ;  要するに,ボルトに安全な荷重をかけることができ,そして最大のしめっけ力でしめつけられて いなければならない.しめっけトルクを一々計算して求めることはわずらわしいので,それらの関 係を図表にあらわし使用するのに便利にしてみすこ,      ゛’ 2。ね じ F:有効径における回転力kg ?,:軸方向の荷重kg 一 一 一 ・ μ θ α ● ● ねじ面の摩擦係数 つる巻角,Z):ねじのピッチmm ねじ山角の% j2:ねじの有効径mm し

(2)

188 高知大学学術研究報告 第13巻  自然科学 n 第5号

荷重を押し上げる時の接触面に平行な力のつ,りあいはヽ,.角ねじの場合につき考えると

   Fcosd =μ(R・COS 6十Fsmff)十八 sin・∂  ∧ト

よい. F°RJ竺?'付紐賢゜Rダ4 ̄ヤリ―=pt-―二 毒レノ    COS 6 ―μsin6   ゛1−μ・tan・-=p.匹尚

1つこ

      μ   jり     戸+j感レ F=Pc COS a ^dz _ T}サゴ弓ズザPi哺     1一言扁 「2一石犬 F=k・乃  但し ゐ= ハヴレ   COSα .. 「2− 印……   COSαI   ’3.ねじをしめづけるトルクrと生ずる引張力乃とのj関係ペ  ア: ねじをしめつけるトルクk mm      ・       .        g  R: ねじに生ずる引張力kg      ’7‘        4      r         F  j1 : ねじの谷の径mm ゐ,:ねじの有効径mm 犬   i       ●   ・−      ・  £): ナット座面の平均径mm      づ       ・・  μ’: ナット座面の摩擦係数      \, ねじの軸方向に引張力八を生じた時,接触ねじ山間でねじるに要するトルクは Fゐ  k・?,・ゐ  −  一 気 ̄ヱ ̄ 2 ① ナット座の摩擦がナット座面の平均半径の円周上に作用するものと仮定すれば,座面に於ける摩擦 抵抗のために要するトルクは  _y?,£) 72 ̄ヱ 従ってねじをしめつけるに要するトルクは T=Tj + T2 =旱十上!タざと= 几 一 4 引張力Rによる引張応力ae = j),       ド2 十岬こ今2し一亭(M2十(/D) _2  私心十μ’D ② liPtdi - 2 ゜ゐ必 ノ μ’£)゜尺l’但し :良汗 トルクrと生ずる応力t7との関係

(3)

技術教育における機械実習指導の研究・     (浅井)  ねじられる時め剪断応カ レ _ 16Ti _ソj≒Jyjご二=jySyL        `  8P決山         -    .  r _Λ πj13  _ ゐ      ー一一      −2ゐー      (yt     Pt   “:"jll          π 2 .      .          てゐ (itとrとか同時に働く場合の最大応力(7は,最天主応力説により

   一

汗非丿聶作)紆べ1り1皿寺)2)

=十心(1十ソ].

+A(2k音)2)

  ( 7   _ 一 一

号=乙

 一一 十 <t/i十ソ1+4(2た金)2)_1十y1+4(訟音)2_    一----・-一-尺2  {一八(M2十μ″L))    -lj12(M2十μ゛L))   -,但し尺2= 1十y1+4(2烏金)y   4十μ″L)) 5。十分ねじつけられた後,ボルトに荷重Wがかかる場合

荷 皇

伸f

189 ③  初めに十分ねじつけたために,八の引張力が生じたとすると. p.の力で被固着部分は圧縮され る.  δ1:Rに相当するボルトの伸び       /      ‥  ∂2:Rに相当する被固着部分の縮み ・.       ≒  ∂:加えられた荷重yのために更に伸ばされた伸び ー‥ j

(4)

190 高知大学学術研究報告 第13巻.自然科学 n 第5号 荷重Wが加えられた時,弾性体とするとボルトに働く合引張力Prは          ∂1十∂      ?r=R-      ∂1 これに応じて被固着部分の縮みは8,-5に減ずるので,圧縮力几は       Sz-S       R=乃-       δ2 Pr=W十Pc= W十?ε ④式より∂= ?μ1 一八 a2−δ -δ2 −aχ、 これを⑥式に代入して Pr = Pi:十ly・  6.図   表 (A)作成方法 =八十? 但し wく八jぐことー        (71        ?:U/により追加される引張力 ④ ⑤ ⑥ ⑧  δ2 −一一 δ1十∂2 もしWのためボルトの伸びがS = Szとなれば被固着部分は縮みが0とずぶり P。=0      ∴ Pr'==W≠?,δ11す∂12万        δ1 これ以上司が大きくなって,ボルトの伸びがいくら増して心 Pc=oで  Pr = W>Pc ?r=?/hjブ£-=そゐ2り 故に最良の締めつけ力 R=-lゐ2ら ∂1十δ2 -∂1 ボルトの長さが被固着部分の締厚以上に伸びるとすきまを生じ,気密を害するので      W<Pt に:∂七二  即ち R>w≒ノ≒一十 ・      ⑦       δ1       δ1十り2 でなければならぬ.又Rが大きい程,荷重による応力の変化が少くなる.?の値の変化が小さく なるからである.従って疲労寿命がのびることになる.しめつけられたボルトに荷重Wが働いた 時,ボルトが限界応力らを越すことなく,又すきまが生じないためには りは材料の降伏点又は弾性限度にとる.しかし降伏点を正確に決定しにくいし,又∂1,'∂2が不明 であときは,ゆるみをも見込んで,7を引張強さの60%とする.  従ってトルクレンチを使用してこの.を生ずるよう.なしめっけトルクTで,しめつければよい ことが分る.尚しめっけ後,外部から加える荷重Wは,⑦式より, W≦R とおくことかで きる. 出入=Xi, 1十yl+4(2ん含)2=尺2より  ゐ必十μD    v >’(んゐ十μ'£))

(5)

技術教育における機械実習指導の研究      (浅井) ボルト径jに対応する尺1,尺2曲線を重く(a)  (2)号=尺2よりcyを材料強度としてT,尺2の関係よりc,曲線を画く(b)  (3)辛=尺1よりT曲線を画く(c). (B)使 用 法  (1)a図に於て,ボルト径jに対する尺1,尺zを求める.  (2) b図に於て,求めた尺1と,7よりTを求める.  (3)c図に於て, Kz. TよりR又はWを求める. 191   7.結   論  以上により求めたTはボルトの径jに対する最良のしめっけトルクであるので,トルクレンチ を用いてしめっけれぱよい.又しめっけにより生ずる引張力Rを求めれば,しめっけて後加え得 る最大荷重Wが分る.故に外部荷重より,安全なボルトの径jも求めることが出来る.        (昭和39年9月28日受理)

(6)

192 fWtz ` s 皿 X フ 4 0 0 0 g   9 6 5   4 \ M t U § ^ U i T ^ " " i ' 2 j 千 5 6 7 I ?       *≪.( L L ^ < 2 j 高知大学学術研究報告 第13巻  自然科学 n 第5号 条Ki 恥 こ - i S m / l . - , ' ( ぶ 7 ) f l - . - 4 0 (aJ - j − ト l u i L a i b じ  ̄ − 一 一 ’ メ 吋 町 一 * ≪ i < l 3 じ ‘ (bl

(7)

. ● -rks・吐 3 /干か干谷4   y>≫ o>A^i::\ w f j I i -^ i i / a 6 0 7 ∂ 技術教育における機械実習指導の研究      (浅井) (C) ( 氏 ) れ よ (b〉 K , K 195

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参照

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