• 検索結果がありません。

Slater[] Collin[] [3] [4] AR 508.6MHz λ =58.9cm 4 9.7m APSAlternating Periodic Structure 50kW.M/m 3M cm 7.5 WR500 f c TE 0 f c = 393MHz 9 90k 0

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "Slater[] Collin[] [3] [4] AR 508.6MHz λ =58.9cm 4 9.7m APSAlternating Periodic Structure 50kW.M/m 3M cm 7.5 WR500 f c TE 0 f c = 393MHz 9 90k 0"

Copied!
41
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

高周波加速の基礎



田耕治

2002

12

13

 - 2002年12月13日までに数回、図面や式 の 文字表示の不具合等を修正。 - 2002年9月30日:このテキストはOHO’97加 速器夏の学校のテキストの改訂版です。文章を所々 直したほか、図面の体裁を一新しましたが、内容そ のものは殆ど元のままにしてあります。

目次

1 高周波系の概要 2 2 空洞の基本 4 2.1 ピルボックス空洞. . . 4 2.2 シャント・インピーダンスを上げる . 8 2.3 ビームパイプの取付け . . . 9 3 多セル空洞 12 3.1 2セル結合空洞 . . . 13 3.2 無限に長い周期構造の理論. . . 15 3.3 πモード定在波加速管 . . . 19 3.4 有限セル数構造の理論 . . . 20 3.5 陪周期構造(APS加速管) . . . 24 4 導波管との結合 27 4.1 結合の電磁場理論. . . 28 4.2 導波管から見た空洞の入力インピー ダンス. . . 30 5 ビーム・ローディング 35 A 陽子シンクロトロン用加速空洞 40

はじめに

本テキストは高エネルギー電子(陽電子)シンク ロトロンに使われる高周波加速系、特に加速空洞の 基礎について概説したものである。主眼は波動方程 式に従う空洞電磁場を、LCRからなる等価の 共振回路に励起される電圧、電流よって表現するこ とにある。これは空洞の等価回路によるモデル化と 呼ばれるもであって、空洞の設計、解析に標準的な 手法である。 現在では、空洞電磁場を波動方程式から直接、高 精度に求める計算コードが大変発達している。しか し空洞電磁場の大局的な性質を個々の計算結果から 理解するのは殆ど不可能である。LCRという 少数の基本パラメーターで構成される集中定数回路 を用いて考えることがどうしても必要である。 このような理由から等価回路モデルは広く使われ てきたが、共振電磁場にどのように対応したもので あるか、明らかにした教科書は少ない。このテキス トでは、先ず空洞のある単一モードについて、対応 関係を明らかにし、ついで無限にある共振モードを 全体として表現する等価回路を導く。 さらに、この等価回路モデルを用いて、高周波加 速に使われる単一セル空洞、多数のセルからなる連 結空洞の基本性質を解析する。また外部の高周波源 から励振される空洞やビーム加速をしている空洞 を表現する等価回路を導き、大局的な振舞いを論 ずる。 なお、空洞の共振器としての側面を強調したの で、リニアックの進行波型加速管の性質について は書かなかったことが多い。また、陽子シンクロト ロンの加速空洞系についてはAppendixを参照され

(2)

たい。 空洞、導波管など個々の要素の電磁気学について は、読者はSlater[1]、Collin[2]その他の代表的な教 科書[3] [4]等を参照すると想定し、本テキストで の詳しい説明や証明の導出を省略している。

1

高周波系の概要

図1 にトリスタン ARで使われた高周波系を 典 型的 な 例 と し て 示し す 。地 下 のト ン ネ ル に は 508.6MHz (λ = 58.9cm )で働く加速空洞が4 台 設置されている。それぞれは半波長分の加速セル9 個からなる全長約2.7mのAPS(Alternating Periodic Structure)と呼ばれる多セル構造の加速管である。 1台につき約150kWの高周波入力で1.1MV/mの 加速電界(1台当たりの加速電圧3MV)を発生する。 高周波電力は地上にあるクライストロンから導波 管で伝えられる。その途中にはサーキュレーターと 呼ばれる装置がある。それは空洞からの反射電力を 水負荷へ廻し、クライストロンをその直撃から保護 する役目をする。サーキュレーターを出たあと、高 周波電力は2度にわたって、2分岐され4台の空 洞に入る。導波管は横幅15インチ(38.1cm )、高さ 7.5インチの寸法をもつ矩形断面(WR1500規格と 呼ばれる)のアルミニュームパイプである。導波管 内の波は遮断周波数fc が最も低いTE10モードで 伝搬する。遮断波長は横幅の2倍であるからここで はfc= 393MHzである。 空洞への入力は9個うちの中央にあるセルで行わ れる。導波管は空洞の直前で入力結合器と呼ばれる 円筒同軸構造に変換される。同軸構造の先端はルー プ状になっており、それが作る磁場が空洞を励振す る。入力結合器は空洞との高周波結合以外に空洞の 真空をと外部と仕切る役割も果たし、そのためのセ ラミック隔壁が組み込まれている。 クライストロンは直進型速度変調管とも呼ばれる 増幅用電子管であって、電子銃で発生する90kV、 20Aの直流ビーム電力を約1.2MWの高周波電力 に変換する(効率は約65%)。管内の第1空洞に入 るわずか数Wの高周波電力でビームは速度変調を 受けるが、約1mのパイプを走るうちに十分に密度 変調したビームに変わる。それが出力空洞を通過す る際に高周波電力を放出し、自身の直進運動エネル ギーを減らす。変換しきれなかったビームエネル ギーは電子銃とは反対の端にあるコレクターと呼ば れる部分で止まる。その熱は水で取り去るが、トリ スタンのクライストロンでは沸騰蒸発熱を利用す る。なお、トリスタンのクライストロンの電子銃は 単純な2極管ではなく、第3の変調用アノードと 呼ばれる電極も持っている。直流全電圧は一定でも 変調用アノードに与える電圧でビーム電流が制御で きる。 クライストロンへ供給する直流高電圧は商用交流 電力を整流して作る。電圧変動はクライストロン出 力高周波の位相変動を起こすので、この電源では多 相整流と大容量コンデンサーを併用して出来るだけ 滑らかにする。なお、クライストロン管内で放電が 起きる場合、このコンデンサーに貯まっているエネ ルギーが流入してクライストロンを破壊する恐れ がある。そこで電源とクライストロンの間にクロー バーと呼ばれる回路を入れる。ここでの主要部品は サイラトロンというスイッチ管であって、異常信号 によるトリガーで高圧をショートし、クライストロ ンを保護する。 基準高周波は周波数、位相の安定度が極めて高い ものでなければならない。それはシンセサイザーと 呼ばれる、水晶発振器、周波数逓倍回路、位相ロッ ク回路から構成される装置で発生される。クライス トロン出力はつねにこの基準高周波と比較され、ず れがあればフィードバック回路で修正される。 空洞内加速電磁場の振幅の制御はクライストロン 出力を調整して行われる。ゆっくりではあるが、大 きな出力変更は直流全電圧あるいは変調アノード電 圧を動かし、ビーム電力を変えて行う。一方、速い 微調整は入力高周波の変調による。空洞電磁場の位 相を加速されるビームに対して最適の値に固定する ことは、ビームの安定な加速、貯蔵にとって極めて 重要である。空洞は主に熱膨張により、その共振周 波数が加速周波数に対してずれ、結果として位相変 動が生じる。そのため加速空洞はチューナーと呼ば れる空洞体積を調整する装置をもち、共振周波数の

(3)

図1:トリスタンARの高周波系: 1. APS空洞、2.入力結合器、3.導波管、4.電力分岐用導波管、 5.サーキュレーター、6.水負荷、7.クライストロン、8.電子銃ソケット油タンク、9.コレクター、 10.水蒸気冷却塔、11.蒸気排出管、12.冷却水戻り管、13.水タンク、14.6.6kV交流受電盤、 15.誘導電圧調整器、16.高電圧整流器、17.クローバー回路、18.カソード、アノード用電源、 19. Q磁石 ずれを補正する。

2

空洞の基本

加速器、特にシンクロトロンの加速空洞の基本は 単セル空洞であって、最低の共振周波数を持つモー ドを加速に使う。空洞には加速モードから上に様々 なモードが無限に存在するが、それらの共振周波数 が貯蔵ビームのリング周回周波数の整数倍に合致 すると、ビームに強く励振されうる。そうして発生 したモードはビームの運動に影響を与え、その不安 定性をもたらす要因となる。空洞の共振モードの数 は、その内部で電磁気的に結合しているセルの数に 比例するので、共振モードの分布が最もまばらで、 それらの特性がよく把握できる単セル加速空洞が最 も使いやすい。実際多くのリングで、独立な単セル 加速空洞を複数台配置する高周波加速系を採用し ている。しかし出来るだけ高い加速電圧が必要であ り、従って出来るだけ多くの加速セルを用いたい高 エネルギー加速器では、空間を節約するために電磁 的に結合した複数のセルからなる一体構造の空洞が

(4)

採用される。その場合には有害なモードに対する対 策が重要な課題となる。 2.1 ピルボックス空洞 単セル加速空洞の基本形は、図2 のように円筒 の両端を平面で塞いだ直角円筒空洞で、ピルボック ス空洞と呼ばれる。そこで先ずこの基本形の性質を 調べ、その結果をもとに実際の空洞へと議論を進め よう。

H

q Ez

2b

r=b

0

d

0.5 1 1.5 2 0.2 0.4 0.6 0.8 1 Hq Ez c 01r/b 0 arbitrary scale 図2:半径b、長さdのピルボックス空洞 の基本モードであるTM010モードの電場 Ezおよび磁場の力線の様子、中心軸 をz軸とする。前者は0次のベッセル関 数J001r/b)、後者は1次のベッセル関 数J101r/b)に比例するが、zには依存 しない。なおχ01= 2.4048は0次ベッセ ル関数の1番目の根である。 以下では円筒の軸方向をz、動徑方向をr、軸の まわりの回転角をθとする円筒座標系を採用し、ま た円筒の半径をb、長さをdとしよう。ピルボック ス空洞は、両端がショート面である断面一定の円筒 導波管の一部と考えられる。従って、空洞のモード は円筒導波のものから組み立てられる。 管導波管モードは軸方向の磁場が無く、軸方向 電場Ezから残りの場の成分が導かれるTransverse Magnetic Mode (TMモードまたはEモードという) と、軸方向の電場が無く、軸方向磁場 Hz から残 りの場の成分が導かれるTransverse Electric Mode (TEモードまたはHモードという)に分類される。 しかし加速に使われるものは、TM010モードと いう最低次のもので円筒対称な場を有する。それ は電場Ezと回転方向磁場Hθの2成分だけからな り、いずれも円筒軸(z)方向には一定である。な おTM010の1番目の添字はEzが円筒対称である こと、すなわちθにかんする1回転で変化のないこ と、2番目の添字はEzr方向に1個の節がある こと、3番目の添字はEzz方向に変化しないこ とを示す。 これらの振幅EˆzHˆθをやはり図2に示すが、電 場は中心軸上で最も大きく、動徑が増大するにつれ 減少し、円筒面で0になる。磁場は中心軸上では0 であるが、動徑が増大するにつれ増大し、円筒面で はやや減少する。特に断らないかぎり、加速される 粒子は電場が最大である中心軸上(r = 0)を走行す るとものする。マクスウェル方程式を円筒座標系で 解けば、電場は0次の、磁場は1次のベッセル関数 J0J1で次のように表される。 Ez= ˆEzcos (ω010t) = ˆHθsin (ω010t+ π) Er= Eθ= Hz= Hr= 0 (1) ただし ˆ Ez= E0J001r/b) ˆ = E0 ζ0J101r/b) (2) である。ここで共振角周波数は ω010= χ01c b (3) であって、空洞長さdに依らない。なおここで χ01= 2.40483 (J0の第1番目の根) および ζ0= 376.73Ω (真空の固有インピーダンス)

(5)

であり、cは真空中の光速度(= 2.9979× 108m/s) としている。(2 )から、電場は中心軸上r= 0で最 大であるが、磁場はr/b= 0.765でそうなることが 分かる。共振周波数が500MHz(角共振周波数はこ の倍)の場合を例に取ると半径b22.95cmに なる。 次にQ値という空洞にとり大変重要な量を考え る。Q値は共振時の電磁場エネルギーW と角周波 数ωの積を電力損失P で割った量に等しい。すな わち Q= ωW P (4) とくに損失として空洞壁損Pwallだけを考えたとき のを内部Q値といい、Q0 で表す。電磁場エネル ギーは場の振幅の絶対値の2乗を空洞体積中で積分 して W =µ20  V | ˆH|2dv=0 2  V | ˆE|2dv (5) と表される。またPwallの一般式は Pwall= ζm 2  S | ˆH|2dS (6) という空洞表面での面積分で与えられる。ただし ζmは、金属の電気伝導度σ、誘磁率µを使って ζm=  ωµ (7) として表される高周波表皮抵抗である。銅では、そ の物性値として σ= 5.88 × 107m−1−1 および µ= µ0= 1.25664 × 10−6H/m (真空の透磁率) を採用すれば、周波数500MHzで ζm = 5.83 × 10−3となる。なお高周波表皮抵抗を使えば表皮 深さδδ= 1 σζm (8) と表される。 これらの関係からTM010モードの内部Q値は Q0= ζ0 2ζm · χ01d d+ b (9) で与えられる。式(9)の形は、dが小さいと端板で の壁損が相対的に大きくなってQ値が低下し、dが 大きいと円筒単位長さ当りの壁損で決まる一定のQ 値に近づくことを示している。 空洞のある共振点のまわりの特性は、等価回路で 置き換えて考えられることが多いが、加速空洞の場 合、シャント・インピーダンスの定義については注 意が必要である。標準的な回路論での電圧はr.m.s. 値を考えるが、加速器ではピーク値を標準にするの で、両者ではシャント・インピーダンスの大きさに 2倍の違いが生じるからである。 このことを明らかにするために、空洞をTM010 共振を図3のようなLCRからなる並列共振の 等価回路で表してみよう。共振周波数およびQ0値 についての2つの関係式 ω010= 1 LC (10) Q0= R ω010L (11) だけではLCRのすべては決まらない。そこ で、もう1個の関係式として、空洞加速電圧を定義 しよう。幸いに式(1)、(2)のように電場は一定値 E0をもつz成分のみであり、ビームが走る中心軸 (r= 0)にそって電場を単純に線積分したものがと りあえず電圧として考えやすい量である。すなわち V(t) = E0dcos (ω010t) ≡ V0cos (ω010t) (12) である。 しかし粒子は正弦変化している電場を感じながら 空洞を通過するので、粒子の受ける本当の加速電 圧は式(12)で与えたものより小さくなるはずであ る。そこで電場の時間変化も入れてz= −d/sから z= d/sまでzについて積分しよう。粒子の位置は t0を任意の定数としてz= v(t − t0)で与えられる ものとすれば

(6)

R

(=

(= R

a

/2)

/2)

L

C

図3:空洞共振の並列共振回路による表現 Va(t) = E0  d/2 −d/2 cosω010z v + ω010t0  = V0Tcos (ω010t0) ≡ Vacos (ω010t0) (13) ただし T =sin ω010d 2v  ω 010d 2v  ≤ 1 (14) という結果がえられる。すなわち加速電圧の振幅 Va は式(12)の振幅V0に補正係数T が掛かったも ので表される。補正係数T は走行時関係数と呼ば れるが、一方、振幅V0は走行時関効果を無視しても よい場合の電圧であるので瞬時全電圧と呼ばれる。 交流回路理論によれば電圧振幅の2乗を損失の2 倍で割ったものがシャント・インピーダンスRであ る。すなわち上で得られた電圧Va = V0T = E0T d を使って R= Va 2 2P (15) と置くことができる。ところでこの場合P は壁損 であるが、それは式(6)で与えられている。これに 式(1)、(2)を代入すると R= ζ0 2 ζm · d2 πJ1201) b(b + d) ·T 2 (16) となって回路定数のひとつRが電磁場に関わる量 で表現された。残りの2個LCはこの式と式(3)、 (9)を式(11)に代入し L= R ω010Q0 C= Q 2 0 010 (17) のように決められる。 ここでシャント・インピーダンスについて加速器 の分野での特異な用法に注意を与えておく。交流理 論では通常rms時間平均値で加速器で電圧を考える が、加速器では電圧のピーク値が大事な量である。 したがって式(15)の2倍の Ra= 2R (18) で定義するものを常用する。加速周波数でバンチし ている加速器のビームでは、第5節で示すように、 加速周波数におけるそのフーリエ成分は平均電流 I0の2倍になるので、このシャント・インピーダン スを使えば、加速電圧が単にRaI0と書けて便利で ある。 さてシャント・インピーダンスはある消費電力に たいする加速電圧の大きさの目安となる量である。 加速周波数一定のもとで、それを極大にするdが式 (15)、(16)から簡単に求められる。特に粒子速度が 光速に等しい場合は d= 0.44λ で極大になる。∗1 一般にはdの増加に伴うQ値の 上昇とTの低下が折り合うかたちでRaは極大値を 取る。図4にその様子を示す。表1には500MHz で動作する最適なピルボックス空洞の諸数値をまと めておく。またそれぞれの量について周波数依存性 も付けておいたので異なる動作周波数でも容易に数 値が求まるであろう。 ∗1リニアックのように長い加速管の場合には単位長さ当た りの(加速)シャント・インピーダンスraも使う。加速 管を多数のピルボックス空洞の連続体とみなせば、 ra=Ra d = (E0T )2 Pwall/d で与えられる。この極大値はd/λ = 0.29 にある。これ は波長の約1/3 である。リニアック加速管で最も使われ る3/2π 構造はここに由来する [5][6]。

(7)

0.5 1 1.5 2 2.5 3 0.2 0.4 0.6 0.8 1

T

2

Q/Q

max

R/R

max

πd/λ

図4:シャント・インピーダンスのピルボックス空洞長依存性 表1: f010= ω010/2π = 500MHzにおける銅製最適化ピルボックス空洞の諸数値、ただし、銅の導電率 はσ = 5.88 × 107m−1−1、粒子速度は光速c、軸上電場E0の単位はV/m、周波数スケーリングでは E0一定とする。 項目 記号 単位 周波数依存性 半径 b 0.2295 m ω−1 長さ d 0.2633 m ω−1 貯蔵エネルギー U 5.9184 × 10−14E02 J ω−3 壁損 Pwall 3.91 × 10−9E02 W ω−3/2 無負荷Q値 Q0 4.18 × 104 ω−1/2 シャント・イン ピーダンス Ra 8.98 × 106 Ω ω−1/2 2.2 シャント・インピーダンスを上げる ピルボックス空洞についての上の結果を実用空洞 の設計へ発展させるために、共振周波数を一定に保 ちながら直円筒形状を変形してゆき、シャント・イ ンピーダンスをさらに向上させる。また両側面の中 心にはある径を持つビームパイプを取付なければな らないが、それによる加速電場分布への影響も調べ なければならない。そこで、1)直角円筒断面に丸 みをつけて表面積、従って壁損を減らす、2)中心 軸付近に突起(ノーズコーン)をつけ、電場を集中 させる、3)ビームパイプによる開口と、その電磁 場への影響を知る、などについて考えてゆこう。 1. 断面に丸みをつける  よく知られているように空洞形状の微小変形 δV に伴う共振周波数の変化は断熱定理を使っ て求められる。一般の振動系において、あるパ ラメーターのゆっくりした変化に伴うn番目 のモード固有振動数ωnの変化は、そのモード の振動エネルギWnとの比 が一定となる、す なわち δωn ωn =δWn Wn (19) という関係で表される[7]。n番目のモードの エネルギー変化δWn は壁面での電磁場の圧力 に変形量を乗じたものである。時間平均を取っ た圧力は次のようなマクスウェルのストレステ ンソルF¯nで表わされる。 ¯ Fn= 1 4  µ0 ˆHn2− 0ˆEn2  n ≡ Fnn (20) ここで電場、磁場は壁面での値であり、nは壁 面での外向きの法線ベクトルである。これを用 いてエネルギーの増分δWn

(8)

δWn=  δV Fndv (21) これらの式から変形 δV に伴う共振周波数変 化は δωn ωn = 1 4  δV  µ0 ˆHn2− 0ˆEn2  dv 0 2  VˆEn 2 dv (22) となる。すなわち変形により生ずる電場エネル ギーWn,E および磁場エネルギーWn,H の変 化分と δωn∝ δWn,E− δWn,H (23) の関係にある。ところで、第2.1節で調べた結 果によれば、ピルボックス空洞の外周に近い 領域では磁場エネルギーが大勢を占めると考 えてよい。さらに磁場の強さもおおよそ一定と 考えれば、その部分の体積を一定に保つ変形で δωn ≈ 0とすることができる。そうすると図5 のように、ピルボックス空洞のコの字状断面形 から同面積の円に移ることにより表面積および それにほぼ比例する壁損が極小に出来ることが 予想される。 2. ノーズコーン 次は電場についてであるが、ビームが通る中心 軸付近により効果的に集中できないであろう か。ピルボックス空洞の中心付近は電場エネル ギーが大勢を占める。式(1 )、(2)で与えられ る電場の持つエネルギーはその75%が円筒半 径の56%までのところに集中している。これ は間隔d、半径∼ 0.6bの平行円板コンデンサー であると近似的にみなせる。 さて容量Cに貯まる電場エネルギーはCV2/2 である。ここでCを変えないように中心軸付 近の間隙を縮めてみる。その前後で、外周部に 集中している磁場の分布はあまり変わらない と考えてよいであろう。そうすると磁束変化率 に比例する起電圧V も変わらず、従って空洞 の電場エネルギーδWEも変わらないとしてよ い。すなわち、この変形で共振周波数が変わら ず、また間隙電圧も変わらない。もしこのよう な変形が実現されれば、走行時間係数T、従っ てシャント・インピーダンスが改善されるわけ である。  ピルボックス空洞にたいし、先に述べた丸い 外周部とここでの短い加速間隙という二つの 変形を施した後の空洞形状の模式図が図5で ある。とくに加速間隙が内部へ突起した形状は ノーズコーン(nose cone)と呼ばれる。 Hq Ez

Pill-box Cavity Cavity with Noze Cones

図5: ピルボックス空洞からの変形:外周 部の断面を丸くし、中央部にはノーズコー ンという突起を設け、共振周波数を固定し ながらシャント・インピーダンスを向上さ せる。 2.3 ビームパイプの取付け 加速空洞とするには図5の中心軸にビームパイプ を取付けなければならない。加速器にビームを入射 する際の中心軌道からのずれに対し十分余裕がある こと、バンチの粒子分布の広がりより十分大きいこ と、バンチがパイプ断面形状の不連続な場所を通過 するときに発生する電磁場(ウェーク場)が十分に 小さいこと、などの条件を満足させるために、ビー ムパイプの直径は相当大きくしなければならない。 このような開口部を持つ実際の空洞の中央部は、先 のノーズコーンのところで考えた単純な平行円板対 とはかなり異なったものになる。従って共振周波数

(9)

や電磁場分布特性を正確に把握するにはどうしても 数値計算が必要である。 ここでは単一の加速空洞の代表例として500MHz で動作するPFリングの空洞を取上げる。この空洞 は図6のように最大径が46.9cm、加速間隙が22cm であり、中心に直径18cm、高さ4cmのノーズコー ンが両側から突出している。ビームパイプの内径は 10cmであるのでノーズコーンのかなりの部分が開 口形状となっている。外周部は壁損を減らすために 半径13cmの円弧状をなす。 500MHzという共振周波数を満たしつつ、シャ ント・インピーダンスが極大値をとる寸法は SU-PERFISHというコードで丹念に計算された。そ の結果、加速器シャント・インピーダンスとして Ra = 9.9MΩ、またQ0値として44, 000が得られ た[8]。表1のRa に比べれば約1割程度しか大き くなっていないが、これにはビームパイプ開口部に よる走行時間係数T の低下が影響している。 こ の節の残りではピルボックス空洞にくらべ、このよ うに大きく電場分布が変わってくるビームパイプ開 口部の電磁場解析を行ってみよう。パイプの半径を aとする。興味があるのはビームが通過するr≤ a の領域の電磁場である。まず、r= a線上で電場の z方向成分Ez(z)を与えると、r≤ aの領域での電 磁場が決定できることを示す。ここで問題を簡単に するため、電磁場は円筒対称なTM0モードに限定 する。 TM0 モードの電磁場は単一周波数ωejωt 様に振動しているとすれば、その空間成分の一般形 は次のようになる。ここでz方向に波数βgをもっ てexp (jβg)で変化するフーリエ成分を合成した ものとして表す。なおチルド(tilde)記号のついた ˜ A(βg)を波数βg 成分の複素数振幅(フェーザー) とする。 ˜ Ez(r, z) =  −∞ ˜ A(βg) × J0  β2− βg2r  e−jβgz g (24) ˜ Er(r, z) =  −∞ ˜ A(βg) jβg β2− βg2 × J1  β2− βg2r  e−jβgz g (25) ˜ Hθ(r, z) =  −∞ ˜ A(βg) j0ω β2− βg2 × J1  β2− βg2r  e−jβgz g ˜ = ˜Hz= ˜Hr= 0 (26) なお β≡ ω c (27) は自由空間での周波数ωの平面波の波数である。 上の表式からわかるように、あるrにたいして、 場のひとつの成分のz方向の形が与えられれば複素 数振幅がすべて決定でき、その結果、任意の位置で の場がすべて決まる。ここで議論しているビームパ イプ付きノーズコーン型空洞の場合に特に注目する のはr= aにおけるEzの形である。なぜならビー ムパイプが|z| ≥ d/2に延びているとすれば Ez = 0 |z| ≤ d/2のとき = 0 |z| > d/2のとき (28) であって、加速間隙|z| ≤ d/2である有限区間だけ でEzの形を考えればよく、解析が簡単になる。さ らにはdが波長にくらべてかなり小さければ空洞全 体の高周波特性には関係なく、ノーズコーン電極対 に正負の電圧を与えたときの静電場で置換えてもよ い近似になるからである。 ここでは練習問題として

(10)

R234.69mm R91.375mm R50mm 220mm 300mm R130mm R10mm Ez (r=0) z r 図6: PFリング500MHz加速空洞とその軸上電場分布 Ez= E0 = V0/d |z| ≤ d/2のとき = 0 |z| > d/2のとき (29) というもっとも簡単な関数形を考えて、解析を続け てみる。これをフーリエ積分すればA˜(βg)が次の ように求まる。 ˜ A(βg) = V0 βgd 2 sin (βgd/2) J0 β2− βg2a  (30) この式を利用して、中心軸と平行(r = const.)に 速度vで走る粒子が受ける加速電圧を求めてみる。 z = 0での高周波位相をφとすれば、電場の時間 項は exp jωz v + φ  (31) となる。これを式(26)に代入し、zについて積分す れば 粒子が受けるz方向電場による加速電圧(複素 表示)がφの関数として求まる。 ˜ V(φ) =  −∞  −∞ ˜ A(βg) J0  β2− βg2a  × ej[(ω/v−βg)+φ] gdz = ˜A(ω/v) J0 β2− (ω/v)2a ejφ = ˜A(ω/v) I0 ω v 1 − (v/c)2r ejφ (32) ここで最後の行は、粒子速度が光速度を越えないの で変形ベッセル関数I0(x) = J0(jx)を使って表示 した。 実際の加速電圧Vaccは、式(32)の 実数部分であ る。式(27)、(30)も使って計算すれば Vacc= Re ˜ V(φ)  = V0sin ωd 2v  ωd 2v  I0 ω v 1 − (v/c)2r I0 ω v 1 − (v/c)2a cos φ ≡ Vacos φ (33) という結果になる。ここでφ = 0のときに得られ

(11)

る最大加速電圧をVaと表した。特にv= cの場合 には Va= V0 sin (βd/2) βd/2 (34) という式が得られる。これは偶然にもピルボックス 空洞で求めた走行時間係数T の表式と一致してい る。また中心軸からのずれrに無関係であるが、そ れは式(32)で分かるようにv = cではベッセル関 数の変数がrによらず0になるからである。 さて式(29)の近似によって、式(30)で表される フーリエ成分の場合、式(26)の積分が実行でき、電 磁場が具体的に求まる[9]。その場合、変数βgにつ いての積分路を複素平面に拡張するが、特異点が βg= ±jΓn (n = 1, 2, . . .) (35) に存在する。ここでベッセル関数J0n番目の根 をχ0n、自由空間の波数をβ= 2π/λとして Γn 0n/a)2− β2 (36) である。積分は、z < −d/2 では複素平面の上半 無限円、z > d/2 では下半無限円を実数軸に接 続した閉曲線路でおこなう。また|z| ≤ d/2では sin (βgd/2)をexp(jβgd/2)とexp(−jβgd/2)に分 解し、前者には上半無限円、後者には下半無限円の 積分路を取る。留数は簡単に求まり、積分の結果は Ez(r, z) E0 = +J0(βr) J0(βa) − 2  n=1 χ0ncosh (Γnz) e−Γnd/2 Γ2 na2 J1(χ0nr/a) J10n) (37) となり、これを使えばパイプ内の任意の点での電磁 場が計算できる。 その応用として対向するパイプの内面が寄与する 容量を求めてみよう。パイプ内面からその先端へ流 入する全電流の大きさは I= 2πaHθ(a, −d/2) (38) である。この式の磁場は、式(37)をマクスウェル 公式に代入して求まる。電圧V0 = E0dと容量C は  C= I jωV0 (39) の関係にある。そこで磁場の具体形を入れた式(37) を式(38)に代入すれば C= C0f d a, βa (40) の形で容量が表される。ここでC0は半径a、間隙 長のdの平行円板間の静電容量 C0= 0πa 2 d (41) である。またfC0 に対する低減係数(中空の ビームパイプによる容量の低減を表す)であって f(x, y) = 2  n=1 1 − e−x√χ20n−y2 χ20n− y2 = J1(y) yJ0(y) −2  n=1 e−x χ20n−y2 χ20n− y2 (42) という関数形をとる。図7 に式(42) のグラフを 示す。 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 f(d/a, βa) d/a = 0.3 0.2 0.1 0.05 0.02 βa 図7: パイプ間容量公式における補正項 f(d/a, βa)の計算例

3

多セル空洞

前節では電磁場の単純、明解な単セル加速空洞に ついて考察したが、高い加速電圧が必要な高エネル

(12)

ギー電子、陽電子リングでは出来るだけ数多くの空 洞を配置しなければならない。単セル加速空洞を単 に並べるだけでは両側に突き出たビームパイプが 占める空間がもったいないし、なによりも高価かつ 壊れやすい高周波入力結合器(カプラー、coupler) が空洞の数だけ増えてゆくことが問題である。そこ で、セル間は電磁気的に結合し、ある程度の数のセ ルをまとめて、一つの入力結合器から高周波電力を 供給する多セル空洞を用いることになる。 多セル空洞では、まずそれを進行波モードあるい は定在波モードのどちらで動作させるかを決めな ければならない。リングを周回する粒子が電子また は陽電子のいずれか一方のみであれば、進行波モー ドの動作が可能である。しかし進行波モード動作で は、あるセルの電磁場がそれより上流にある全ての セルの壁損や寸法誤差影響される。したがって下流 のセルに行くにつれ共振特性の制御が加速度的に困 難になる。従ってビームと高調波モードとの相互作 用を避けたいリングの空洞には不適当であろう。 定在波モード動作の場合、セル間の位相差φを 基本ブリリアン帯(0 ≤ φ ≤ π)のどこに取るかを 考えなければならない。定在波は対向する進行波の 重ね合わせである。通常、ビームはその一方に同期 し加速される。しかし他方は壁損を伴うものの、同 期条件を満たさず加速電圧に寄与しないので、シャ ント・インピーダンスは半減する。しかしπモード (φ= π)は例外である。対向する二つの進行波の 間の位相差がこの場合に等しいので、ビームと は両者とも等しく同期しているからである。こうし て、高エネルギーリングではπモード定在波加速空 洞が専ら採用される。 ただしπモードについては分散特性のうえで注 意が必要である。結合セル構造の分散特性は以下で 議論するように、連成振動子モデルで記述される。 その場合、φ= 0またはπでは分散曲線の勾配(群 速度に比例する)が0になる、すなわち、∂ω∂φ = 0 であることはよく知られている。そうすると加速 モードに隣接するモードも周波数差が殆どないの で、容易に励振される不都合がある。この問題を避 けるために、セル数を少なくするか、πモードでも ∂ω ∂φ = 0となる陪周期構造(bi-periodic structure) を採用する。 3.1 2セル結合空洞 まず、最も単純な2セル結合空洞について、基本 的な性質を紹介する。図8のように、2つのピル ボックス空洞が中心軸に開いた円孔でつながってい るとする。

z

図8:円孔で結合した2セルピルボックス空洞 連成振動子理論では、それぞれのセルでの振動 が同位相(位相差= 0)のものと、逆位相(位相差 = π)のものの2つの共振モードが存在する。前節 で議論したTM010モードを例に取れば、図9のよ うになる。両セルの境界に結合のための円孔が開く ことにより、逆位相振動モードの電気力線が弾きあ うが、これは図3で容量Cが減少することに相当 する。これは、新たに相互容量Cを直列に追加す ることによって表すことができる。すなわち、単セ ルの等価回路図3は図10のよう進化する。なお簡 単のために壁損は0、言い換えればシャント・イン ピーダンスRは無限大としている。

cell - 1 cell - 2

cell - 1 cell - 2

cell - 1 cell - 2

cell - 1 cell - 2

p -

-

mode

mode

E

0 - mode

0 - mode

H

図9: 2セル結合空洞の0およびπモード電磁場 さて、以下では結合孔径は十分に小さく、従って 結合度も十分に小さいとしよう。すなわち

(13)

L

L

C'

C

C

i

1

~

i

~

2

図10: 2セル結合空洞の等価回路 C C (43) の条件で議論を進める。図10の回路でセル1、 2の右回り電流をそれぞれ˜i1˜i2とすれば、 jωL+ 1 jωC ˜i1+ 1 jωCi1− ˜i2  = 0 jωL+ 1 jωC ˜i2+ 1 jωCi2− ˜i1  = 0 (44) が成立する。この方程式から、˜i1= ˜i2、 すなわち 同相の(位相差が0)の0モードおよび、˜i1= −˜i2、 すなわち逆相(位相差がπ)のπモードという2つ の解が容易に求まる。具体的に書きあらわせば 0モード: ˜i1= ˜i2 ω=1 LC ≡ ω0 (45) πモード: ˜i1= −˜i2 ω= ω0  1 +2C C ≡ ωπ ∼ ω0 1 + C C > ω0 (46) となる。 電気力線がはじきあうと、電場エネルギーが減少 したことに相当し、前節で触れたように共振周波数 の上昇をもたらしω0< ωπとなる。なお、中心軸 から外れたところに穴を開ける結合方式もある。こ の場合、磁場による結合であり、等価回路上では相 互容量C を相互誘導L で置き換えればよい。π モードでは、磁場エネルギーが減少したように見え るので、ω0> ωπである。 さて以上のような回路論的な考察を一歩踏み出し て、電磁場を用いて結合の様子を調べてみよう。結 合孔が小さいときには、上のような相互容量 とい う集中定数による表現が妥当であることが証明され る。多セル構造の電磁場は、結合孔における境界条 件をショート面もしくはオープン面という両極端の 場合に分けると、理解しやすい。ショート面とは金 属表面と同じ境界条件 E= 0 および H= 0 (47) を要求するものである。一方、オープン面とは磁気 的なショート面であって、その面上で E= 0 および H= 0 (48) でなければならない。図9では0モードがショー ト面、πモードがオープン面の境界条件を満たして いる。 図9の左側のセルの電磁場を、結合孔での境界 条件を考慮しながら解析しよう。まず境界条件が ショート面の場合の電場、磁場の固有関数を表すた めに以下のように規格化されたベクトルehを導 入する。 セル空間中では ∇ × e = ω0 c h ∇ × h = ω0 c e  cell e2dv= cell h2dv= 1 (49) であり、結合孔面上では e= 0 および h= 0 (50) を満足するものである。オープン面の場合は、固有 関数をehとして上と同様に

(14)

∇ × e= ω0 c h  ∇ × h= ω0 c e   cell e2dv= cell h2dv= 1 (51) および結合孔面上で e = 0 および h= 0 (52) とする。 ここで、この2つのモードの固有関数とそれぞれ の共振周波数ω0ωπの間にはどのような関係が成 り立っているかを調べる。それには次のようなベク トル恒等式  V (A · ∇ × ∇ × B − B · ∇ × ∇ × A) dv =  S (B × ∇ × A − A × ∇ × B) · ndS (53) で、A → eB → eと代入しよう。ここでV は 図9の左セル体積を意味し、nはそのセルの表面S における外向きの単位法線ベクトルである。表面S においては (e × ∇ × e) · n = 0 (54) が常に成り立つことに注意し、また 定義式(49)を 使えば ωπ c 2 ω0 c 2 v0π= ω0 c  iris (e× h) · ndS (55) という式が得られる∗2。ただしirisは結合孔を意味 し、またvv0π≡ c ω0  cell e · edv (56) と定義する。式(55)の右辺は結合の強さを表して いる。(形の上ではエネルギー流を表すポインティ ∗2ここではTM010モードだけを考えている。しかしセル の全ての固有関数についてこの式(55) が成立する。 ング・ベクトルに比例している。)そこで結合定数 として無次元の数 k≡ c ω0  iris (e× h) · ndS (57) を導入すれば、式(55)は  ωπ ω0 2 − 1  = k (58) と書き直せる。なお固有関数展開の性質からvは 1を越えないが、結合孔が十分に小さいときは、セ ル体積の大部分においてeeは一致するので v0π≈ 1 とみなせる。 次にピルボックス空洞のTM010モードの場合の 結合定数kを電磁場から具体的に計算しよう。結 合孔の半径 をaとすが、それは自由空間波長λに くらべて十分小さいものとする。そうすると円孔の 近くでは、図9のオープンモードの電場は静電ポテ ンシャルから導いたもので近似できる。この場合は 隔壁の左右で向きが反転するz方向に一様な場の作 るポテンシャル場に相当する。隔壁はz= 0にある とし、z → ±∞Ez→ ±e0(一定)、Er → 0と なるような軸対称一様場を表わすポテンシャルは、 変数変換 z= aξη r= a(1 + ξ2) (1 + η2) (59) を使って Φ = 2a πe0  ξtan−1ξ+ 1 (60) と表される[10]。結合孔面上でのオープンモードの 電場固有関数er成分だけであるが、それは上 のポテンシャルから次のように導ける。 er(iris) = − Φ ∂r   z=0= 2r π√a2− r2e0 (61) 次にショートモードの磁場固有関数hを求めな ければならない。ショートモードの電場固有関数e

(15)

にはz成分しかなく、中心軸近くではez≈ e0とし てよい。すると式(49)からhθ成分しかなく、 それは hθ(iris) = − ω0r 2c e0 (62) と近似できる。式(61)、式(62)を式(57)に代入す れば、結合定数は結局 k= 4 3a3e20 (63) となる。ピルボックス空洞各セルの半径をb、長さ をdとし、式(49)の規格化を適用すれば ez= e0J0 χ 01r b  (64) であって、規格化係数は e0=  1 dJ101) (65) である。すると k= 4a 3 3πb2dJ2 101) ≈1.57 a3 b2d (66) という具体形が求まる。常用のリニアック加速管で はkはa∼3.5であるので、式(66)はその傾向を表 しているといえる。しかし絶対値自身はかなり小さ い。それは、ここの計算では円盤の仕切り壁の厚さ を0としたが、実際は波長の数%あり、アイリス境 界線上に電場が集中しないためである。 3.2 無限に長い周期構造の理論 前節の結果を進めて、ここでは同等なセルが無限 につながっている、いわゆる無限周期構造につい て、その基本的な性質をまとめておく。まず等価回 路モデルから始めるが、回路としては図10を発展 させた図??のような容量性結合回路の場合を考え る。ここでも電流は右回りを基準にとり、また結合 は十分に弱い、すなわち C C とする。 この回路でn番目のセルの電流を˜inとすれば jωL+ 1 jωC ˜in+

2˜in− ˜in+1− ˜in−1

jωC = 0 (67) という固有方程式が得られる。隣り合うセルでは電 流の位相差がφであるとして、この式で ˜in+1= ˜ine−jφ (68) と置いてみる。すると ω= ω0[1 + k (1 − cos φ)]1/2 ≈ ω0  1 + k 2(1 − cos φ)  (69) という解が得られる。ただし ω0≡√1 LC, k≡ 2 C C ( 1) (70) である。 この関係を|φ| ≤ πの基本ブリリアン帯につい て描くと図11のようになる。この曲線を分散曲線 (dispersion curve)といい、ω0ω0(1 + k)の間の 周波数を通過帯(pass band)という。通過帯に属す るひとつの周波数ωにはセル間の位相差が±|φ|の 2つの波が存在する。 C C C C C C' C' C'C' C'C' C'C' L L L L L

i

i =

= i

0

e

−2jf n = n = −2 −1 0 1 2 ~

i

0

e

−jf

i

0

i

0

e

jf

i

0

e

2jf 図11:無限周期構造の等価回路 それらの振幅をA˜±と表すとすれば、一般的に ˜in= ˜A+ejn|φ|+ ˜Ae−jn|φ| (71) という形で各セルの電流が表される。フェーザーか ら実数による表式に戻れば、これは ˜in = A+cos (ωt + n|φ| + ψ+) + Acos (ωt − n|φ| + ψ−) (72) となる。ここでA±(≥ 0とする)およびψ±は実数 の定数である。この式で+の添字のついた波は図

(16)

ω ω ωπ −|φ| 0 |φ| φ −π π ω0 図12:無限周期構造の分散曲線(基本ブリリアン帯) 11で左向き(nが減少する向き)、のものはそ の反対方向に進む波を表わす。特にφ= 0および φ= πの場合は左右両方向の波が縮退し、同じ定在 波を表わすことになるのは明らかである。なお一般 のφでは、A˜+とA˜のどちらも0でないとき、構 造内の波は進行波が一部混じった定在波であるが、 とくに両者の絶対値が等しいときは完全な定在波と なる。 セルの幾何学的な長さをdとすれば、波の管内波 長λg、波数βgには λg≡ βg =2πd |φ| (73) の関係がある。また進行波の位相速度vpvp= ± ω βg = ± ωd |φ| (74) となり、図11で原点(0, 0)と点(±|φ|, ω)を結ぶ直 線の勾配はvp/dに等しい。 次に、各セルでの微小な壁損も取入れた、もう少 し現実に近づいたモデルを考える。それは図13で 示すように直列抵抗rで表わし r ωL (75) を 仮 定 す る 。こ の 場 合 の 回 路 方 程 式 は 、式 (67) で’jωL → jωL + r という置換えをすればよい。 すなわち jωL+ r + 1 jωC ˜in

+2˜in− ˜in+1− ˜in−1

jωC = 0 (76) r L r L C C C C' C' 図13:壁損を考慮した等価回路 この式については2つの場合を区別して考える必 要がある。ひとつは、全てのセルの電流が同振幅、 同位相で振動する(完全な)定在波の場合である。 その場合、ωは複素数となり、 振幅は時間的に減衰 する。減衰の様子は、よく知られているように共振 回路のQ値を使ってexp (−ωt/Q)で表わされる。 Q値は図13のような直列抵抗rあるいは図9のよ うな並列抵抗Rを使えば Q=ωL r = 1 ωCr あるいは Q= R ωL = ωRC (77) である。 もうひとつは、ωが実数解をもつ進行波の場合で あって、振幅がセルごとに、すなわち空間的に減衰 していく。この場合式(68)は ˜in+1= ˜ine−jφ−α (78) という形になる。ここでαはセルごとの減衰を 表わす正の実数である。これを式(76)に代入すれ ば、減衰定数αがセルごとの位相差φの関数とし て得られる。 以下では式(75)の場合について計算

(17)

する。まずφ= 0およびφ = πの近くを除けば、 次式がえられる。 α≈ ωCr ksin φ = 1 kQsin φ (79) なお周波数と位相差の関係 はαについての1次近 似の範囲で式(69)が成立する。 つぎにφ= 0の近くでは ω≈ φ Cr および α≈ −2 ln (2/k) (80) であり、φ= πの近くでは ω≈ r L(π − φ) および α≈ −2 ln (π − φ) (81) となる。これらの関係から、定在波に縮退する特別 の位相の近くでは、損失のない構造のもつ理想的な 分散曲線からのずれが大変大きくなることが分か る。図14にはその様子を模式的に示しておく。 0.5 1 1.5 2 2.5 3 0.96 0.98 1.02 1.04 0.5 1 1.5 2 2.5 3 0.5 1 1.5 2 2.5 3 ω/ω0 α φ /rad φ /rad k = 0.01 Q = 1000 図 14: 壁 損 が ある 無 限 周 期構 造 の 分 散 曲線:Q = 1000 及びk = 0.01の場合 の計算。周波数ωおよび減衰定数α0.01 ≤ φ ≤ 0.99πの範囲の単位セル当た り位相差φについて計算している。なお ω0= 1/√LCである。 最後に、このような無限数セル周期構造について も前節の2セル構造と同様な電磁場理論を作り、分 散方程式を求めてみよう。なお簡単のために、壁損 が無く、単位セルの形状がその中央面に関して左右 対称である場合を考える。電磁場のセル毎の進相は φとし、またセルの長さをdとすれば、電磁場は一 般に ˜ E (x, y, z + d) = e−φE (x, y, z)˜ ˜ H (x, y, z + d) = e−φH (x, y, z)˜ (82) となる[2]。2セルの場合、φの取りうる値は0 またはπのみであったが、今度はその間の任意の値 について解析しなければならない。そのような一般 的な場合の理論はR. M. Bevensee[11][12]によって 作られており、ここではそれに沿って話を進める。 具体的には、前節で例にとった基本的なピルボック ス空洞のTM010で議論する。まず図15のように、 各セルの中心はz = nd (ただしnは整数)に置き、 z= ndのセルを「セル(n)」あるいは「cell (n)」と 表す。無限数セル周期構造であるから一般性を失わ ずに、セル(0)を中心にして、その両隣のセルとの 結合を論じよう。ここでもショートモード(φ= 0) およびオープンモード(φ= π)のパターンが基本 となる。 z z = 0 z z = 0 0 - mode (φ = 0) π - mode (φ = π) n = −2 −1 0 1 2 n = −2 −1 0 1 2 図15:無限周期構造の0およびπモードの電場姿態 任意のφについて、セル(0)の電磁場( ˜E, ˜H)を考

(18)

えるとき、セル内の電磁場は全体として同一位相で 振動している、すなわち、定在波であると近似する。 結合孔は十分に小さいとしているので、この近似は セル内の殆どの領域で妥当である。さらに、結合孔 面上の電場として、両側セルにまたがる位相の階段 的飛躍の平均を取るという近似を更におこなう。 このように電磁場はセル内で同位相とする近似で は、セル(0)のフェーザー場( ˜E, ˜H)を実数場(E, H) で表してよい。そこで式(53)のAをショートモー ドの固有関数eに、BEに置換え、セル(0)の 体積について積分を実行する。そうすると、式(55) を発展させた  ω(φ) ω(0) 2 − 1  = c ω(0) A (φ)  right iris +  lef t iris  (E × h)·ndS (83) という分散式が得られる。ただし A(φ) ≡  cell(0) E · edv (84) である。ここで式(83)右辺の表面積分を評価する ためにEを固有関数で展開するとき、ショートモー ドeはではなく、オープンモードeを使わなけれ ばならない。なぜならショートモードeではアイ リスでのベクトル内積が恒等的に0になるからであ る。そこでオープンモードでの展開を E ≈ Ae ただし A=  cell(0) E · edv (85) と表そう。結合孔は小さいとしているのでA≈ A である。 さて左右それぞれの表面積分について、上に述べ たように隣接セルとの平均値近似をとる。すなわち 右の結合孔については

E (cell(0), right iris) = A

2 e(cell(0), right iris) +A

2 e−jφe(cell(1), left iris) = A

2 

1 − e−jφe(cell(0), right iris) (86) であり、左については

E (cell(0), left iris) =A

2 e(cell(0), left iris) +A

2 e

e(cell(−1), right iris)

=A 2



1 − ejφe(cell(0), left iris) (87) となる。なお上の2つの式では、eのパターンはセ ル中央面にかんして反対称であり、アイリスでの動 径方向成分は左右で符号が反転することを利用して いる。さて法線ベクトルnも左右で反転するので、 結局式(83)は式(57)、(85)、(86)、(87)を使って  ω(φ) ω(0) 2 − 1  ≈A A c(1 − cos φ) ω(0)  right iris (e× h) · ndS =A Ak(1 − cos φ) (88) という分散式に帰着することが分かる。結合孔が無 限に小さくなる極限では当然A/A→ 1となり、等 価回路による式(69)と一致する。すなわち、結合孔 が小さい周期構造の分散特性は、等価回路理論で記 述されるものと同等であることが明らかになった。 3.3 πモード定在波加速管 互いに逆行する進行波の重ね合わせである定在波 を用いて加速しようとするとき、セル間の位相差 が’π である場合だけ両進行波とも加速に寄与でき ると、この章の初めに述べた。この節ではこのこと をもう少し詳しく議論しよう。

(19)

Floquetの定理によれば、z方向に長さdの周期 で断面が変化する構造を伝搬する波の一般的な形は ˜ Ez(x, y, z) =  n=−∞ ˜ En,ze−j(βg+ 2nπ d )z = e−jβgz  n=−∞ ˜ En,ze−j 2nπ d z (89) となる。この式で単位長さ当たりの進相を表す項 e−jβgzを括りだした残りはdの周期関数になって いる。なおβgは正としているので、この式はz−∞から へ進む右向き波を表す。z → −z と すれば、反対にから−∞への左向き進行波に なる。 ここでω0ωπの間の適当な周波数ωaの波が伝 搬するとしよう。またω= ωaと分散曲線の基本ブ リリアン帯での交点の横座標をφaとする。すると 図16で黒丸が右向き進行波の各高調波成分が現れ る位相であり、白丸が左向き進行波のそれである。 通常、加速には基本ブリリアン帯の成分を使う。そ の位相速度vpvp= ωa φa d (90) であるが、長距離にわたり加速を行うには、これが ビーム速度vbに等しくなければならない(同期条 件)。従って、右向き進行波の高調波成分および左 向き進行波のすべての成分は同期条件を満たさない ことが図16から分かる。 さてここでφa’を限りなくπに近づけてみよう。 そうすると黒丸と白丸が限りなく近寄り、図17の ようになる。これから右向き進行波の基本成分以外 に左向き進行波の2π − φa にある成分も同期条件 を満たし、加速に寄与することが分かる。これはπ モードでは右向きと左向きの区別がつかなって縮退 することを意味する。双方が加速に寄与するので加 速効率、いいかえるとシャント・インピーダンスが 高くなる。この事情は一般にモードでも同じ であるが、次数mが高くなるにつれ成分の相対的 な大きさが減少するので、加速には有効ではない。 しかし粒子速度が遅く、基本波(m= 1)ではdが 小さくなりすぎる場合には高調波モードが利用され ることがある。 ω φ = βg/d -2π -π 0 π 2π 2π-φa φa

φa-2π -φa 2π+φa TW in +z direction TW in -z direction vphase = ω/βg = vbeam 図16:空間高調波成分も含めた分散曲線、 黒丸は+z方向進行波成分、白丸は−z方 向進行波成分、φaは加速位相である。 vphase = vbeam ω φ = βg/d -π 0 π 2π 3π 図17: φa → πの場合の空間高調波成分 を含めた分散曲線 ところでπモードでは∂ω∂φ = 0、すなわち、群速 度が0となってエネルギーが伝わらない。従って、 空洞内の壁損やビームローディングによる電力損失 がある場合、πモード以外のモードも励振される。 その結果、外部電力入力窓から遠ざかるにつれて電 磁場の振幅減少と位相変化がもたらされ、加速効率 が急激に低下する。その状況は式(81)から計算で きるところである。このように定在波空洞はいくら でも長くはできず、PEPやPETRAで実用化された ものはセル数で5程度である。

(20)

3.4 有限セル数構造の理論 有限個数(N としよう)のセルからなる加速管は 両端で周期性が崩れており、周期構造ではなく、準 周期構造である。その基本的な性質を、図11を書 き直したNセル構造の等価回路(図18)で調べてみ よう。とりあえず簡単のために抵抗分のない理想的 な場合を考える。ここで特に注意しなければならな いのは両端のセルである。それは片隣りとのみ結合 しているので、その固有周波数は一般のセルと異な るはずである。また両端の境界条件から0モードが 存在しないであろう。この辺の事情をRees[13]の 論文に沿ってまとめておく。

C'

C'

C'

C'

L

L

1

L

i

1

~

L

L

L

1

C'

C'

C'

C'

C

C

C

1

C

C

C

1

i

2

~

i

3

~

i

N−2

~

i

N−1

~

i

N

~

18: Nセル構造の等価回路 まず、一般のセルについては、回路定数LC、結 合容量C を使ってその固有共振周波数および結合 定数を ω0≡√1 LC, k≡ 2C C (91) と表わす。一方、端部セルについは共振周波数回路 定数をL1C1として ω1≡√ 1 L1C1, k1 2C1 C (92) と表わす。ここで結合があまり大きくない場合を考 えるとすればL≈ L1C≈ C1k≈ k1 1とし てよいであろう。そうするとkについての1次近 似で 1 + k 2 ω21˜i1−kω 2 0 2 ˜i2= ω2˜i1 (1 + k) ω2 0˜i2−kω 2 0 2 ˜i1 02 2 ˜i3= ω2˜i2 .. . (1 + k) ω2 0˜iN−1− 02 2 ˜iN−2− 20 2 ˜iN = ω2˜iN−1 1 + k 2 ω21˜iN 02 2 ˜iN−1= ω2˜iN (93) という関係が成り立つ。 ここでπモードとし、さらにどのセルでの振幅 が等しいという加速器で要求される条件を課してみ る。すなわち

˜i1= −˜i2= ˜i3= · · · = (−1)N−1˜iN (94) として式(93)を解けば、一次近似で ω12 ω02 = 1 + k (95) となって、端部セルの固有周波数が決まる。またπ モードの周波数ωπについても ωπ2 ω20 = 1 + 2k (96) という解が得られる。 一般にこの構造のN個の固有モードは H˜i = ω ωπ 2 ˜i (97) という固有方程式を解いて求められる。ただし H =             1−k 2 −k2 0 . . . 0 0 0 −k 2 1−k −k2 0 . . . 0 0 0 −k 2 1−k −k2 0 . . . 0 . . . . . . . . 0 . . . 0 −k2 1−k −k2 0 0 0 . . . 0 −k 2 1−k −k2 0 0 0 . . . 0 −k2 1−k2             (98)

(21)

および ˜i =            ˜i1 ˜i2 ˜i3 .. . ˜iN−2 ˜iN−1 ˜iN            (99) である。そのn番目の個有値を(ωn/ωπ)2 と表わ せば  ωn ωπ =  1 − 2k cos2 2N  ≈ 1 − k cos2 2N  (n = 1, 2, . . . , N) (100) である。またそれに対応する固有ベクトル˜in = {˜in,m}(ただしm= 1, 2, . . . , N)は、˜i2n = 1と規格 化して ˜in,m=  2 (1 + δnN) N sin  (2m − 1) nπ 2N  (101) で与えられる。ここでδnN はクロネッカーのデル タ記号である。なおn = N の場合はπモードで あってωN = ωπあることは明かである。典型的な N = 5の場合について、これらの公式で計算した個 有値および固有ベクトルを図19および図20に示 す。ここで結合定数kとしてあはり典型的な0.05 を選んでいる。 1 2 3 4 5 0.975 0.98 0.985 0.99 0.995

ω

(m)

/

ω

π

m

図19: N=5の場合の個有値、結合定数k = 0.05 次に、空洞に小さな抵抗分rがある場合を考える ために、図18の等価回路を図21のように書き直 す。その場合、式(93)は次のように変更される。 1 2 3 4 5 -0.6 -0.4 -0.2 0.2 0.4 0.6 1 2 3 4 5 -0.6 -0.4 -0.2 0.2 0.4 0.6 1 2 3 4 5 -0.6 -0.4 -0.2 0.2 0.4 0.6 1 2 3 4 5 -0.6 -0.4 -0.2 0.2 0.4 0.6 1 2 3 4 5 -0.6 -0.4 -0.2 0.2 0.4 0.6

m = 1

m = 2

m = 3

m = 4

m = 5

cell number n

amplitude

mode

number

図20:図19の場合の5個のモードの振幅 1 + k 2 + jωC1r ω21˜i1−kω 2 0 2 ˜i2= ω2˜i1 (1 + k + jωCr) ω2 0˜i2−kω 2 0 2 ˜i1 02 2 ˜i3= ω2˜i2 .. . (1+k+jωCr) ω2 0˜iN−1− 20 2 ˜iN−2− 20 2 ˜iN = ω2˜i N−1 1 + k 2 + jωC1r ω21˜iN 20 2 ˜iN−1= ω2˜iN (102) これは式(97)で摂動行列H1が付加されたとし て表される。すなわち

図 1: トリスタン AR の高周波系: 1 . APS 空洞、2 . 入力結合器、3 . 導波管、4 . 電力分岐用導波管、 5 . サーキュレーター、6 . 水負荷、7
図 23: 有限な Q 値の N セル構造で、一端 から π モードを励振したとき、終端セル の相対振幅。 Q = 1000 および k = 0.05 を仮定。 3.5 陪周期構造( APS 加速管) 前節では φ a = π の定在波加速管はシャント・イ ンピーダンスが高いものの、抵抗損失分によって加 速電場の一様性が失われ、セル数をむやみに増やせ
図 26: APS 以 外 の 代 表 的 な 陪 周 期 構 造。上から順に SCS (side coupled  struc-ture) 、 ACS (annular coupled structure) 、 DAW (disk-and-washer) 構造を示す。

参照

関連したドキュメント

ここで, C ijkl は弾性定数テンソルと呼ばれるものであり,以下の対称性を持つ.... (20)

現行の HDTV デジタル放送では 4:2:0 が採用されていること、また、 Main 10 プロファイルおよ び Main プロファイルは Y′C′ B C′ R 4:2:0 のみをサポートしていることから、 Y′C′ B

高さについてお伺いしたいのですけれども、4 ページ、5 ページ、6 ページのあたりの記 述ですが、まず 4 ページ、5

To transmit the large capacity and high speed signal in the devices without distortion, it is very important to apply the composed material with low loss and frequency

である水産動植物の種類の特定によってなされる︒但し︑第五種共同漁業を内容とする共同漁業権については水産動

単に,南北を指す磁石くらいはあったのではないかと思

1 つの Cin に接続できるタイルの数は、 Cin − Cdrv 間 静電量の,計~によって決9されます。1つのCin に許される Cdrv への静電量は最”で 8 pF

発生する衝撃加速度は 3.30G となり,余裕をみて 4.0G を評価加速度とする。. (c)