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ビオチンによるインスリン分泌修飾に関する研究
曽根英行*1)・平岡真美2)・渡邊敏明3)
小山田絵美1)・安田和人2)・古川勇次4)
ビオチンは、ピルビン酸カルボキシラーゼの補因子と して糖代謝、特に糖新生系において重要な働きをしてい る。我々はこれまでに、ビオチン欠乏ラットのインスリ ン分泌能が極めて低下することを報告してきた。しかし、
その一方ではビオチンのインスリン分泌への閃与に否定 的な報告もあり、こうした実験結果の矛盾を解明するこ とが今後の課題として残されていた。本研究では、程度 の異なるビオチン欠乏ラットを作成し、インスリン分 泌へのビオチンの関与の有無を明確にするとともに、イ ンスリン分泌におよぼすビオチンの影響について検討を
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そね ひでゆき*1),ひらおか まみ2).わたなべ としあき3)、
おやまだ えみ1),やすだ かずと2}
1)県立新潟女子短期大学(勤務先)
2♪女子栄養大学 3♪兵庫県立大学 4)東北大学大学院
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行った。
実験動物にはWistar系ラット♂4週齢を用い、乾燥卵 白20%を含むビオチン欠乏食で飼育した。飼育期間の違 いにより、3種の程度の異なるビオチン欠乏ラット(欠 乏食飼育4週間;潜在性欠乏、6週問;明白な欠乏、8 週間;重度の欠乏)を作成し、ビオチンの体内充足度と
インスリン分泌能との関係について、血漿および膵臓中 の各種成分の測定と単離膵潅流法によるインスリン分泌 能の測定により検討をおこなった。
ビオチン欠乏群では、血漿ビオチン濃度と血漿インス リン濃度の問に正の相関(r=0.506,pくO.OOI)が観察さ れ、単離膵潅流法による検討においても同様の結果が認 められた。さらに、重度の欠乏群に加え潜在性ビオチン 欠乏群においても、グルコース応答性インスリン分泌の 有意な低下が観察された。これらのラットでは、膵臓イ ンスリン含量の減少は観察されず、膵臓の形態は正常に 保持されていたことから、ビオチンの生体内充足度の低 下はインスリン分泌を悪化させることが示唆された。次 に、インスリン分泌機構中でのビオチンの作用部位につ いて検討したところ、ビオチンはミトコンドリアでのエ ネルギー生成系よりも上流の反応系もしくは小胞体から のカルシウム放出系で作用することが示唆された。以上 のことから、ビオチンはインスリン分泌能を正常に維持 する上で重要な役割を果たす因子であることが明らかに
された。
本研究は、インスリン分泌へのビオチンの関与の有無 を明確にし、更に、インスリン分泌機構でのビオチンの 作用部位を解明することを目的として行われた。その結 果、ビオチンは、正常なインスリン分泌能力を維持する 上で重要な役割を果たす因子であり、その作用部位は 分泌機構中のミトコンドリアでのATP生成系よりも上 流の反応系と小胞体からのCa2倣出系であることが明 らかにされた。今後、インスリン分泌機構でのビオチ ンの作用点を解明するために、作用部位でのビオチンの 関与が予想されるグルコキナーゼ(GK)、ピルビン酸カ ルボキシラーゼ(PC)、アセチルCoAカルボキシラーゼ
(ACC)、サイクリックADPリボース(cADP−r)やマロ
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