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雷上瀧類の寒冷環境と生育条件の解析

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Academic year: 2021

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日本植物学会東北支部第22回宮城(石巻)大会講演要旨

雷上瀧類の寒冷環境と生育条件の解析 高橋 和也*l, 柴田 匡l, 岩滝 光儀2, 原 慶明3

(1山形大・院・理工, 2山形大・理・生物, 3山形シンピオ研究会)

雪上藻類は極域や高 山帯の積雪表層で高密度に増殖し、 その細胞の色により 積雪が色づく、 彩雪現象を引き起こす生物として知られている。 日本の雪上藻 類は毎年晩春から初夏の雪解けの時期に標高1000m前後の森林帯に出現し彩雪 を引き起こす(Fukushima, 1963)が、 この生物が積雪中という特異な環境で どのように生活し適応しているのかは明らかにされていない。 本研究では雪上 藻類の繁殖時期における積雪中の微小環境について、 さらにこの生物が消雪時 期にはどこで生活しているのかについて知る目的で、 次の実験を行った。

山形県西川町の県立月山自然博物園内において、 まず、 2 009年の5月に、

Ochromonas属藻類を始めとする雪上藻類が優占する積雪中の微小環境におけ る温度の日周変化を調査した。 温度データロガーを用いて彩雪地点の積雪表層 (約5cm)の日周の温度変化を1 時間ごとに測定した。 加えて、 日の出から彩 雪付近に照射される光照度の変化を、 日の出から3時間ごとに4回測定した。

次に、 消雪期である向年の10月下旬と11月下旬の2回、 彩雪現場付近の比較 的平坦なプナ林縁の複数箇所から表層土を採取し、 低温処理の後、 40Cの低温室 にて 12時間明期・12時間暗期の光条件で予備培養を行い、 雪上藻類の出現の 誘導を試みた。 出現した黄金色藻類を対象として、 single-cell sequence法に基 づき、 18SrRNA遺伝子の部分配列を決定し、 系統解析を行った。

その結果、彩雪出現時の積雪中の温度は1 日を通じでほぼOOCに保たれている ことが明らかになった。 黄色彩雪現場の日中における光照度は、 黄色彩雪の優 占種Ochromonas smithii, Ochromonas itoi のOOCにおける光合成補償点を上 回っており、 この 2種が増殖できるに十分な光条件を満たしていることが判明 した。 また、 消雪期における表層土の予備培養では、 O. itoiに形態が酷似する 黄金色藻類の出現が確認され、 分子系統解析の結果からもこの藻類をO. itoiと 同定できた。 以上より、 雪上藻類は積雪のない時期は土壌中で休眠細胞の状態 で過ごし、 晩春または初夏の残雪時に休眠を解き、 遊泳細胞となり土壌から侵 出して、 温度環境が極めて安定した積雪表層で増殖すると推察した。

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参照

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