• 検索結果がありません。

ZnO 透明導電膜の耐熱性に対する熱処理雰囲気の影響

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ZnO 透明導電膜の耐熱性に対する熱処理雰囲気の影響 "

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

高知工科大学システム工学群電子工学専攻 学士論文要旨 2019 年 2 月 14 日

ZnO 透明導電膜の耐熱性に対する熱処理雰囲気の影響

1190025 大井 達貴 (機能性薄膜工学研究室)

(指導教員 牧野 久雄 教授)

1.研究背景と目的

現在は透明導電膜材料として酸化インジウムスズが広く用 いられているが、資源枯渇や価格の高騰といった課題がある。

そこで酸化亜鉛(ZnO)がインジウムの代替材料として注目 されている。酸化亜鉛透明導電膜は、Alや

Ga

などをドーパ ントとして用いることにより、高い透過性と低抵抗率が得ら れるが、大気中での熱処理に関する先行研究で

Al

添加

ZnO

透明導電膜(AZO膜)と

Ga

添加

ZnO

透明導電膜(GZO膜)

は耐熱性に課題があると報告されている [1]。本研究では熱 処理雰囲気の影響に着目しながら、温度依存性やドーパント 依存性を検討した。

2.実験方法

本研究では無アルカリガラス基板上に、DC マグネトロンス パッタ法で基板温度 200℃で成膜された膜厚 500 ㎚の Ga 添加 ZnO 膜(GZO)、Al 添加 ZnO 膜(AZO)を用いた。本研究ではこ れら

AZO

膜、GZO膜を窒素中で熱処理を行い、大気中での 熱処理[1]との比較、評価を行った。熱処理は窒素中におい て 300℃~500℃で 30 分間行い、室温まで自然冷却した。評 価方法として、ホール効果測定、分光光度計による分光透過 率・反射率測定を行った。さらに Al と Ga のドーパント依存 性の評価も同様に行った。

3.実験結果と考察

3.1 AZO 膜における耐熱性に対する熱処理雰囲気の違い 先行研究では 300℃を境に Hall 移動度、キャリア濃度が減 少し、抵抗率が上昇する、特に高 Al 濃度で劣化が著しいと報 告されている[1]。本研究では AZO 膜を窒素中での熱処理を 行い、同様に実験した。その結果、300℃を越えると劣化が始 まり、高 Al 濃度ほど劣化が大きかった。抵抗率は、大気中で 500℃に熱処理された高 Al 濃度(3.0wt%)の AZO 膜では 1Ω

㎝まで増加したが、窒素中では 8×10⁻³Ω ㎝までの増加に抑 えることが出来た。Hall 移動度は、500℃において大気中は 1/6 程度減少したのに対して、窒素中は半減に抑えることが 出来た。キャリア濃度は、窒素中では 1020 cm-3台に留まって いるのに対し、大気中は 1018 cm-3台まで減少している。した がって、キャリア濃度の大きな減少が大気中で抵抗率が増大 している要因となっていることが分かる。また、低 Al 濃度

(0.5wt%)では電気特性の劣化が少なく、窒素中では 500℃

まで安定していた。

3.2 AZO 膜と GZO 膜に対する熱処理雰囲気の影響

AZO 膜と GZO 膜(共に 2.0wt%)において温度依存性を実験 した。まず GZO 膜について、抵抗率は温度上昇とともに増加 はするものの熱処理雰囲気によらず 10⁻⁴Ω ㎝台の増加に留 まっており、ほとんど変化がない。キャリア濃度も熱処理雰 囲気によらず 1020 cm-3台に留まっており、大気中で 2 桁減少 した AZO 膜とは大きく異なる。図 1 に示すように Hall 移動度 に関しては AZO 膜は熱処理温度の上昇とともに減少傾向であ るのに対し、GZO 膜は増加傾向にあることが分かる。これら と 3.1 から、GZO 膜の方が熱安定性が高く、AZO 膜の方が熱処 理雰囲気に強く影響されることが分かった。

図 1.AZO 膜、GZO 膜(2.0wt%)の Hall 移動度 3.3 電気光学特性に対するドーパント依存性

ここでは、3.2 で Hall 移動度の振る舞いがドーパントによ って異なった要因を検討した。まず分光透過率・反射率に Drude モデルを用いてシミュレーションを行い、光学移動度 を求めた。これによると GZO 膜は熱処理温度上昇とともに Hall 移動度と光学移動度が同じ振る舞い(上昇傾向)になり、

AZO 膜は温度上昇とともに Hall 移動度が減少傾向で、光学移 動度が増加傾向となった。キャリアによる光吸収は光学移動 度と逆数の関係になっていることが知られている[2]。図 2 は AZO 膜、GZO 膜が温度上昇とともにキャリア吸収が減少傾 向にあることを示しており、温度上昇とともに移動度が増加 することを示している。AZO 膜は粒界散乱の寄与が原因で温 度上昇とともに Hall 移動度が減少したと考えられる。

図 2. AZO 膜、GZO 膜(2.0wt%)のキャリアによる光吸収

4.まとめ

熱処理雰囲気の影響としては大気中より窒素中での熱処理 の方が熱安定性が高くなるが、ドーパントの違いによる影響 の方が大きく、AZO 膜は GZO 膜より熱処理雰囲気に強く影響 され、特にキャリア濃度への影響が大きい。

GZO 膜は Hall 移動度と光学移動度の差がほとんど無いが、

AZO 膜は Hall 移動度より光学移動度のほうが高くなった。

これは粒界散乱の寄与が原因だと考えられる。

参考文献

[1]難波 幸佑,高知工科大学シス工,卒業研究報告,H29 年 [2]J.I.Pankove,Optical Processes in Semicondactors, Dover Publication,1971.

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

0 100 200 300 400 500

Hall移動度(cm²/v-s)

熱処理温度(℃)

GZO in N₂ AZO in N₂ GZO in Air [1]

AZO in Air [1]

0 1E-18 2E-18 3E-18 4E-18 5E-18 6E-18 7E-18 8E-18

0 100 200 300 400 500

キャリア吸収/(cm⁻²

熱処理温度(℃)

●AZON₂

●GZON₂

参照

関連したドキュメント

処理温度は約 540℃ です。イオンプレーティン グ処理で TiN を被覆した Cr‑Mo 鋼基板を、処

10 図 3.2.2 熱処理モデル図 本研究では、プラズマ処理し Al を成膜した AZO 膜と、Al を成膜した後プラズマ処理をした

熱処理方法により機械的性質 と顕微鏡組織が著 しく変化す る.炭素鋼 は,鋼の特性 を理解す る上で基礎

薄膜作製手法には大別して気相成長と液相成長の,二種類 の薄膜成長方法が存在する.ミスト CVD

第 5 章 182 結言

生物処理を有するシステムとして、窒素除去システム、窒素・リン除去システム、ビル排

はじめに:光劣化の無い薄膜Si太陽電池用材料として、ガラス基板上に堆積したa-Siを事後の熱処理で