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クラスター解析による

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業 IgG4 関連疾患の診断基準並びに診療指針の確立を目指す研究

分担研究報告書(平成 30 年度) 

クラスター解析による

IgG4

関連涙腺・唾液腺炎の治療方針の検討

研究分担者/研究協力者  氏名  高橋  裕樹、山本  元久 

所属先  札幌医科大学医学部  免疫・リウマチ内科学  役職  教授・講師

  研究要旨: 当科で初診から診療中の IgG4 関連涙腺・唾液腺炎 147 例を対象に、発症年 齢、治療前臨床検査値などを連続変数としてクラスター分析したところ、4 群に分類さ れた。このうち、IgG・IgG4 高値、低補体血症を有する群はステロイド維持量が高く、

免疫抑制薬併用を要する例が多かった。一方、高齢発症で好酸球数が低い群では、ステ ロイドの減量中止可能割合が高く、治療前因子が治療方針決定に有用な可能性が示唆さ れた。 

A. 研究目的

      IgG4 関連疾患(IgG4‑RD)は涙腺・

唾液腺を中心に、複数の臓器に腫瘤形 成性病変を呈する慢性疾患である。治 療適応を考える場合、黄疸や水腎症な どの臓器病変を呈する例はステロイド 治療の絶対適応である。涙腺・唾液腺 病変はしばしば IgG4‑RD の先行病変で あり、コスメチックな観点からも相対 的治療適応と考えられる。しかし、長 期予後は不明であり、ステロイドの副 作用とのバランスを勘案した場合、特 に涙腺・唾液腺炎単独例では適切な治 療開始や減量中止の時期について意見 が分かれるところである。当科では IgG4 関連涙腺・唾液腺炎のみの場合、

腺機能温存や IgG4 関連病変の腺外臓 器への拡大抑制を期待して、比較的早 期からの治療開始を行っているが、厳 密に無作為化で比較対照試験は行って

いない。そこで今回、私たちは当科で 治療介入を行った IgG4 関連涙腺・唾液 腺炎の症例を対象に、治療介入前のデ ータをもといクラスター解析を行い、

各群の治療反応性を治療方針決定に応 用する可能性について検討した。 

B. 研究方法

      当科で治療を開始した IgG4 関連涙 腺・唾液腺炎 147 例を対象にし、発症 年齢、および治療前の臨床検査値(CRP,

IgG, IgG4, IgE, 好酸球数,CH50)に 基づき、クラスター解析した。治療内 容は、プレドニゾロン(PSL)換算で 0.5 mg/kg/日以上で治療を開始し、初 期治療を 2〜4 週間施行後、2 週間で 5  mg/日のペースで減量、唾液腺などの罹 患臓器のサイズや血清 IgG4 をモニタ ーしながら、可及的 PSL の減量を進め た。各群の治療経過(ステロイド維持 量、免疫抑制薬の要否、再燃率、寛解

(2)

59 率)とクラスター解析された集団(I

〜IV 群)の関連を解析した。 

 

(倫理面への配慮)

  札幌医科大学附属病院臨床研究審査 委員会の承認を得て実施した。

C. 研究結果

      クラスター解析の結果、以下の4 に分類された。各群の特徴は、I群:61 歳、著明な高 IgG/IgG4 血症と低補体 血症、II群:57歳、I群よりは低いIgG4 血症、好酸球増多と軽度の炎症反応上 昇、III 群:45 歳とほかの群より若年 発症の傾向、かつ IgG/IgG4 も比較的 低い、IV 群:65 歳とやや高齢発症、

かつIgG/IgG4も比較的低い。 

      各群と、治療反応・予後の関連を検 討したところ、I 群は再燃率が 34%と 最も高く、ステロイド維持量が一番多 く(プレドニゾロン換算 6.7 mg/日)、

免疫抑制薬併用率も 17%と一番高かっ た。一方、IV 群は再燃率、ステロイド 維持量ともに 4 群の中で一番低く、ま た、薬剤中止率も 13%と高かった。 

 

D. 考察 

  今回の解析により、病変のサイズと血 清 IgG4 を標的とした、比較的画一的な ステロイド治療施行にも関わらず、治療 反応性が治療前特徴(クラスター解析)

と相関することが示された。I 群は 4 群 の中で最も血清 IgG/IgG4 が高く、低補 体血症を有するなど、いわゆる IgG4‑RD として典型的な集団と捉えることがで きる。この群においても、慎重なステロ

イド治療により、PSL 維持量は平均 6.7  mg/日となっており、決して高用量では ないが、再燃率・免疫抑制薬併用率が高 いことは、これ以上の PSL 減量が困難な ことが予測された。より早期の治療介入 で解決できるのか、ステロイド以外の代 替治療の開発を要するのかは検討の余 地があると思われる。一方、Ⅲ群・Ⅳ群 は血清 IgG/IgG4、好酸球数がⅠ・Ⅱ群 に比して低く、臨床検査値の評価から活 動性が低いと想定できる集団であり、特 にⅣ群は再燃率が最も低く、薬剤中止率 も高いことから、従来以上の強力な治療 介入や併用は要さない可能性が高いと 考えられた。

E. 結論

      同 様 の 涙 腺 ・ 唾 液 腺 炎 を 呈 す る IgG4‑RD であっても、治療反応性が異 なっており、治療介入前の臨床的特徴 を勘案して、治療適応や免疫抑制薬併 用などの治療強化の必要性を選択する 必要があると考えられる。 

F. 健康危険情報   なし

G. 研究発表 1.論文発表

Yamamoto M et al: Predicting

therapeutic response in IgG4-related disease based on cluster analysis.

Immunological Medicine 41: 30-33, 2018.

2.学会発表 

(3)

60   第27回日本シェーグレン症候群学会 で発表(20189月)

H. 知的財産権の出願・登録状況

(予定を含む)

1.特許取得

なし

2.実用新案登録 なし

3.その他

特記すべきことなし

参照

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