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潰瘍性大腸炎 若者から高齢者に多発する難治性の大腸の慢性炎症性疾患 下痢 血便で発症. 重症化すると腹痛 発熱も出現.

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(1)

IBD(炎症性腸疾患)について

2017年12月作成

(2)

潰瘍性大腸炎

若者から高齢者に多発

する 難治性の

大腸の

慢性炎症性疾患

(3)

クローン病

若者に多発

する 難治性の

全消化管にわたる

慢性炎症性疾患

主な初発症状は

下痢・腹痛・痔瘻

.

(4)

潰瘍性大腸炎・クローン病ともに、

(5)

炎症性腸疾患の病因

遺伝的素因

環境因子

免疫異常

食事・腸内細菌

化学薬品

発症

再燃/増悪

腸の炎症だけでなく、 関節痛や口内炎・ 皮膚の炎症が合併することもある.

(6)

関節炎(強直性脊椎炎)

虹彩炎

結節性紅斑

壊疸性膿皮症

硬化性胆管炎

アフタ性口内炎

血栓塞栓性疾患

→ 中心静脈カテーテル

留置に注意

壊疽性膿皮症

炎症性腸疾患の腸管外合併症

(7)

Frøslie KF et al, Gastroenterology. 2007 粘膜治癒なし 粘膜治癒なし 粘膜治癒あり 粘膜治癒あり

クローン病

潰瘍性大腸炎

これまでは、「症状がよくなること」が治療の目標だったが

腸の傷が治ること (粘膜治癒 mucosal healing) こそが、

潰瘍性大腸炎・クローン病(炎症性腸疾患)の寛解状態を

長く維持することに有用

であることが分かってきた.

(8)

http://www.kumamoto-keizai.co.jp/content/asp/dejikame/dejikame_detail.asp?PageID= 20&Knum=16141&PageType=top

しかし、腸の傷が治っている (粘膜治癒)か、

どうやって見分けるのか・・・.

大腸内視鏡検査はとても有用だが、若干は負担がある.

(9)

食道〜十二指腸 通常の上部消化管内視鏡で 到達 大腸〜回腸末端 通常の下部消化管内視鏡で 到達

暗黒大陸 小腸

4〜6mほどの長さ

クローン病の場合、小腸の観察・治療も必要

(10)

ダブルバルーン内視鏡

自治医科大学 教授 山本 博徳先生が発明

(11)

ダブルバルーン内視鏡(経口・経肛門)の利点

観察・造影・生検に加え、止血術・病変切除も可能.

バルーンによる狭窄部の拡張などの、治療も可能.

(12)

ダブルバルーン内視鏡(経口・経肛門)の問題点

侵襲が大きい.

経口の場合:検査後の膵炎のリスクがある.

経口・経肛門の両方の検査を行っても、

全消化管の観察は行えない可能性がある.

(13)

中学3年生 男子 腹痛・下痢あり、当院紹介

CTにて回腸末端の壁肥厚あり、カプセル内視鏡検査 施行

→ 回腸に

縦走潰瘍の多発

を認めた.

(14)

クローン病があるとカプセル滞留のリスクが高い.

クローン病患者:65例中 5例(7.7%)で滞留

上・下部内視鏡にて出血源不明の患者

185例中 3例(1.62%)で滞留

(15)

狭窄がありそうな症例では、

カプセル内視鏡が安全行えるか確認する必要がある.

パテンシーカプセル=張りぼてのカプセル

内部構造と主原材料 部位の名称 内部構造と主原材料 部位の名称

100〜200時間で崩壊する

(16)

閉塞 開通性ありと判定 カプセル内視鏡検査可能 開通性なしと判定 カプセル内視鏡検査不可 カプセルが原形の まま排出 (ボディとタイマープラグが そのまま 原形を とどめている) ボディ部分が崩壊 なしで排出 (タイマープラグ部分は 崩壊しているが ボディは固く 原形を とどめている) ボディ部分が崩壊 した状態で排出 (ボディが変形して柔らか くなっている) 完全には崩壊し、 コーティング膜のみ が残った状態で排出 (カプセルが完全に崩壊し ている)

消化管開通性判定

「カプセル内視鏡検査施行における消化管開通性検査」 600点

閉塞・瘻孔・高度狭窄が明らかな症例・

嚥下障害が明らかな症例・

バリウムに対するアレルギーがある症例は禁忌

(17)

内視鏡を使わない方法

血液検査(CRP・WBC・Hb・Plt・血沈・Alb・ChE・T-Chol)

CRPは 0.3mg/dl でも重症のことあり.

Plt(血小板数)増多・単球増多・血沈亢進に要注意

便中 ヘモグロビン

便中 カルプロテクチン

最近 脚光を浴びつつある指標

MRI・CT

エコー(超音波)

各種画像診断を用いる方法

(18)

内視鏡を使わない方法

血液検査

便中 ヘモグロビン

(Nakarai A et al., Am J Gastroenterol. 2013. Hiraoka S et al. JCC 2016)

便中 カルプロテクチン

(Inokuchi T et al. IBD. 2016 . Takashima S et al. Am J Gastroenterol. 2015.)

最近 脚光を浴びつつある指標

MRI・CT

エコー(超音波)

(19)

下血・下痢・腹痛にて緊急入院

CRP

0.9

mg/dl

白血球数

16100

/μl

ヘモグロビン 9.1

g/dl

血小板数

52.7万

/μl

アルブミン

2.9

g/dl

便中ヘモグロビン 11993

ng/ml

治療が効き、退院 された 8ヶ月後

CRP

0.02

mg/dl

白血球数

3300

/μl

ヘモグロビン 14.1

g/dl

血小板数

33.3万

/μl

アルブミン

5.3

g/dl

便中ヘモグロビン 162

ng/ml

(20)

内視鏡を使わない方法

血液検査

便中 ヘモグロビン

便中 カルプロテクチン

最近 脚光を浴びつつある指標

MRI・CT

エコー(超音波)

各種画像診断を用いる方法

(21)

MRI・CT・エコーでみた クローン病の病変

(Masselli G et al. Abdominal Imaging, 2013)

(畠ら、 日本消化器病学会雑誌, 2004) 当院では 泉川 孝一先生が 川崎医科大学で畠先生のもとで 消化管エコーの 研修をされ、 活躍されています.

(22)

下血・下痢・腹痛にて緊急入院

CRP

0.9

mg/dl

白血球数

16100

/μl

ヘモグロビン 9.1

g/dl

血小板数

52.7万

/μl

アルブミン

2.9

g/dl

便中ヘモグロビン 11993

ng/ml

治療が効き、退院 された 8ヶ月後

CRP

0.02

mg/dl

白血球数

3300

/μl

ヘモグロビン 14.1

g/dl

血小板数

33.3万

/μl

アルブミン

5.3

g/dl

便中ヘモグロビン 162

ng/ml

(23)

ステロイド

サラゾピリン

5−ASA(メサラジン)

アザチオプリン・6-MP

タクロリムス

潰瘍性大腸炎・クローン病の治療

インフリキシマブ

アダリムマブ

手術

インテグリン阻害薬

プロバイオティクス

・ 免疫を抑える治療

・ 局所の炎症を抑える治療

・ 血球成分を取り除く治療

・ 病変部を取り除く治療

・ 腸内の環境を整える治療

成分栄養療法

青黛 その他、新薬

ゴリブマブ

ウステキヌマブ

血球成分除去療法

(24)

たくさんの選択肢がある

重症度や効き具合、副作用をみつつ、

治療法を選択する必要がある.

(25)

寛解とは?

再燃とは?

寛解:落ち着いた状態

寛解導入:落ち着いた状態に持ち込む

寛解維持:落ち着いた状態を保つ

再燃:再び悪くなった状態

有効な治療法の少ない時代、

多くの患者さんが 再燃・寛解を繰り返していた.

(26)

ステロイド

プレドニン®

プレドニゾロン®

リンデロン坐剤®

ステロネマ注腸®

プレドネマ注腸®

利点

・ 即効性が高い

・ 寛解導入に有効

欠点

・ 長期に使用すると

様々な副作用が出現

坐剤(座薬)・注腸でも、

全身に吸収される.

ゼンタコート®

(クローン病に適応)

レクタブル注腸®

(27)

ステロイドの副作用

骨粗鬆症

大腿骨頭壊死

消化管潰瘍

糖尿病

肝機能異常

うつ・不眠

白内障・緑内障

満月様顔貌

にきび

感染症

サイトメガロウイルス腸炎

結核の再燃

ニューモシスチス肺炎

B型肝炎ウイルスの活性化による激症肝炎にも注意.

(28)

ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療ガイドライン: 2014年 改訂版

5mg/日 以上で 1点 7.5mg/日 以上で 4点 % YAM 70〜80で 2点 70未満で 4点 50歳以上で 2点 65歳以上で 4点 既存骨折あり で 7点! スコア 3 以上

(29)

にきび=

尋常性痤瘡が

悪化した場合、

深い瘢痕が残ることも.

早めに 皮膚科受診を.

日経メディカル 2016年6月号より 2016年、尋常性痤瘡のガイドラインが大きく変更された. 急性炎症期には、炎症性の皮疹と毛包内への皮脂貯留 (面皰)を認める.抗菌薬と、角栓を除去して毛穴の詰ま りを取り、面皰を減少させる作用のある アダパレン・ 過酸化ベンゾイル(BPO)をあわせた 積極的な治療が必要. 炎症性皮疹が軽快した後の維持期に抗菌薬を長期に 投与すると、耐性菌出現に繋がる場合もある. アダパレン・過酸化ベンゾイル(BPO)を中心に治療し、 再発を抑える必要がある.

(30)

ステロイド

サラゾピリン

5−ASA(メサラジン)

アザチオプリン・6-MP

タクロリムス

潰瘍性大腸炎・クローン病の治療

インフリキシマブ

アダリムマブ

手術

インテグリン阻害薬

プロバイオティクス

・ 免疫を抑える治療

・ 局所の炎症を抑える治療

・ 血球成分を取り除く治療

・ 病変部を取り除く治療

・ 腸内の環境を整える治療

成分栄養療法

青黛 その他、新薬

ゴリブマブ

ウステキヌマブ

血球成分除去療法

(31)

サラゾピリン・5−ASA(メサラジン)

サラゾピリン®

ペンタサ®(錠剤・顆粒)

ペンタサ坐剤®

サラゾピリン坐剤®

ペンタサ注腸®

アサコール®

利点

・ 主に寛解維持に有効

・ 大きな副作用は少ない

欠点

・ 30人〜50人に1人程度、

これらの薬が合わず、

発熱・腹痛・下痢が出現

することがある.

(不耐症)

リアルダ®

(32)

アザチオプリン(AZA)・6-MP(免疫調整薬)

アザチオプリン(イムラン®・アザニン®):錠剤

6-MP(6−メルカプトプリン:ロイケリン®):粉薬

利点

・ 主に寛解維持に有効

・ その人の適量であれば、副作用は少ない

欠点

・ 効果が出るまで時間がかかる

・ 適量が、人によってかなり異なる

・ 適量を超えると、脱毛・吐き気・白血球減少・

貧血・肝機能異常などの副作用が出やすい

アロプリノールとの併用で、血中濃度が上昇しやすい

ヨーロッパのガイドラインでは、妊娠・授乳中の使用も可能

(33)

タクロリムス(免疫抑制薬)

タクロリムス(プログラフ®):カプセル

利点

・ 即効性が高い

・ 主に寛解導入に有効

欠点

・ 血中濃度を測定しながら量を調節する必要あり

・ 適量を超えると、腎機能障害・高カリウム血症・

高血圧・しびれ・ふるえなどの副作用が出やすい

・ 保険上は、3ヶ月間しか使用できない

(34)

抗TNFα抗体(バイオ製剤)

インフリキシマブ(レミケード®):点滴

アダリムマブ(ヒュミラ®):皮下注射

ゴリムマブ(シンポニー®):皮下注射

利点

・ 寛解導入・寛解維持 どちらにも有効

・ 頻回の通院が必要ない

レミケード:8週間ごとの点滴

(クローン病は間隔短縮も可)

ヒュミラ:2週間ごとに自分で皮下注射

シンポニー:4週間ごとに医療機関で皮下注射

欠点

・ ゆっくり効いてくる場合あり(潰瘍性大腸炎)

・ 結核・B型肝炎などの感染症発症のリスクがある

・ レミケードは アレルギー反応の発生率が高い

(35)

抗TNFα抗体と免疫調節薬の併用について

・ 関節リウマチの治療においては、抗TNFα抗体に対する

自己抗体の出現による二次無効を避けるために、

メトトレキセート(MTX)を併用することが多い.

・ IBD診療においても、抗TNFα抗体単独投与群に比べ、

免疫調節薬(AZA/6-MP)併用群において、寛解維持

効果が高いとの報告あり.

(Panaccione R et al.,Gastroenterology 2014. Colombel et al., NEJM 2010.)

・ 一方、併用により予後不良なリンパ腫である

肝脾T細胞リンパ腫を発症したとする報告もあり、

AZA/6-MPは数年以内の併用にとどめたほうが

よいのではないかとの意見もある.

(36)

イムラン®の増量のみで

重症

→寛解に至った

潰瘍性大腸炎 症例

22歳 男性、18歳で発症.

レミケード® + イムラン® 50mg/日 にて コントロール不良

イムラン®を慎重に 250mg/日まで増量 → 徐々に寛解

(37)

抗TNFα抗体の今後

・ バイオシミラー(biosimilar)の登場

・ 完全ヒト化抗体 certolizumab pegol (シムジア®)

→ペグ化しており、4週間に1回の皮下注射が可能.

胎盤を通過しにくいため、出産直前まで投与しても

胎児の結核性髄膜炎などの重篤な感染症の

発症リスクが抑えられると報告あり.(通常は30週まで)

(38)

血球成分除去療法

(潰瘍性大腸炎・大腸型クローン病に適応)

抗凝固剤 ポンプ 脱血 返血

セルソーバ®不織布上の

捕捉白血球像 (×800)

(39)

血球成分除去療法

白血球除去療法 (LCAP)

顆粒球除去療法 (GCAP/GMA)

利点

・ 主に寛解導入に有効(週2回だと、より有効)

・ 副作用は少ない

欠点

・ 針を2本刺すか、カテーテル留置の必要がある

・ 自宅が病院から遠い場合、週2回の通院は大変

・ 保険上は、連続10回までしか行えない

(40)

ステロイド

サラゾピリン

5−ASA(メサラジン)

アザチオプリン・6-MP

タクロリムス

潰瘍性大腸炎・クローン病の治療

インフリキシマブ

アダリムマブ

手術

インテグリン阻害薬

プロバイオティクス

・ 免疫を抑える治療

・ 局所の炎症を抑える治療

・ 血球成分を取り除く治療

・ 病変部を取り除く治療

・ 腸内の環境を整える治療

成分栄養療法

青黛 その他、新薬

ゴリブマブ

ウステキヌマブ

血球成分除去療法

(41)

成分栄養剤

エレンタール®

ツインライン®

(42)

トランス脂肪酸:リスク上昇

ω-3系:リスク低下

Ashwin N. Ananthakrishnan et al., Gut. 2014 May; 63(5): 776–784.

Hou JK et al., Am J Gastroenterol. 2011 Apr;106(4):563-73.

総脂肪摂取・ω-6系・肉類:リスク上昇

野菜・果物:食物繊維:リスク低下

飽和脂肪酸、精製された炭水化物、

食品添加物:リスク上昇

(43)

斎藤恵子 社会保険 中央総合病院 栄養科 臨床栄養 123(7): 871-877, 2013.

クローン病(CD)患者では、

多くの食材に対して IgG抗体を産生しやすい

蛋白質をアミノ酸まで分解することで、

抗原性が低下する.

(44)

エレンタール® 900kcal/日 以上=half-EDは

クローン病の寛解維持に有効とする報告が多い.

レミケード® への上乗せ効果もあり.

辻川知之ら IBD Research 7(1): 77-83, 2013.

お口に合わない方、経口摂取で下痢してしまう方では、

経鼻チューブ自己挿入による就寝中の持続投与も有効

(45)

大量出血・中毒性巨大結腸症

穿孔

高度の狭窄・内瘻・外瘻・痔瘻

癌化または疑い

内科的治療に反応しない.

副作用のためステロイドなどが使用できない.

手術(大腸全摘・腸管切除)の適応

(46)

潰瘍性大腸炎 関連大腸癌

慢性炎症を母地とした低分化な癌

境界不明瞭で、平坦・扁平な病変が多い.

発見されたときにはかなり進行している

(47)

罹病期間(年)

罹病期間の長さと大腸癌のリスク

(Eaden JA et al., Gut 48 : 526-535, 2001)

0 5 10 15 20 25 30 2.1% 8.5% 17.8%

罹病期間が長いほど、発癌リスクは上昇.

全大腸炎型では、特に発癌率が高い.

25 20 15 10 5 0

(48)

回腸嚢 肛門吻合術(IPA)

回腸嚢 肛門管吻合術(IPCA)

直腸粘膜を剥ぎ取り、病変をすべて 切除して回腸嚢と肛門をつなぐ. 直腸粘膜をすべて除去するため 根治性が高い. 術後 一時的にストマを造設する 必要がある. 肛門機能をなるべく残すため、 回 腸嚢を肛門管とつなぐ術式. 回腸嚢肛門吻合術に比べ、 手技が単純で手術時間が少なく、 夜間の漏便が少ない利点がある. しかし、わずかに残る直腸粘膜に 炎症が起こる可能性あり.

潰瘍性大腸炎の術式

潰瘍性大腸炎の診療ガイド:文光堂より

回腸嚢

(パウチ)

(49)

大腸全摘で、すべてが解決するわけではない.

漏便・頻便(1日5〜10回)

術後10年で、20〜40%に回腸嚢炎(pouchitis)を

生ずる.

難治例も多く、

ステロイドが

必要な症例も.

病状のみではなく、仕事・家族・恋愛 その他を

考慮し,患者さんごとに手術時期を見極める.

(50)

抗IL-12/23 p40抗体

ustekinumab

尋常性乾癬治療薬

ステラーラ®

クローン病に

使用可能となった

数年後の活躍が期待できそうな薬剤

インテグリン阻害薬

vedolizumab(α4β7)

Entyvio®

natalizumab(α4)

多発性硬化症治療薬

タイサブリ®

進行性多巣性白質脳症 発症の報告

etralizumab(β7)

低分子JAK阻害薬 tofatinib

関節リウマチ治療薬

ゼルヤンツ®

http://www.igaku.co.jp/pdf/ibd-04.pdf

(51)

青黛(せいたい)

http://detail.1688.com/offer/924453994.html?spm=0.0.0.0.Z4zMcq

インジゴなどを含む、

植物由来の漢方成分

古くから中国では

解熱・抗炎症・止血目的に

使用されてきた.

潰瘍性大腸炎に効くとの

報告あり、慶応大学・

松山赤十字病院などで

臨床研究が行われた.

(Sugimoto S et al., J Gastroenterol. 2016)

(52)

トランス脂肪酸:リスク上昇

ω-3系:リスク低下

Ashwin N. Ananthakrishnan et al., Gut. 2014 May; 63(5): 776–784.

Hou JK et al., Am J Gastroenterol. 2011 Apr;106(4):563-73.

総脂肪摂取・ω-6系・肉類:リスク上昇

野菜・果物:食物繊維:リスク低下

飽和脂肪酸、精製された炭水化物、

食品添加物:リスク上昇

Dixon LJ, Inflamm Bowel Dis. 2015 Apr;21(4):912-22

(53)

Gut 2009;58:1606-1611

The IBD in EPIC Study Investigators

オリーブ油の脂肪酸構成比は、 オレイン酸 7割、 リノール酸 1割、 パルミチン酸 1割 大豆油の脂肪酸構成比は、 リノール酸 5割、 オレイン酸 2割、 パルミチン酸 1割、 シソ(エゴマ)油の脂肪酸構成比は、 アルファ・リノレン酸 6割、 リノール酸 1.5割、 オレイン酸 1.5割 イワシ油の脂肪酸構成比は、 EPA 1.5割、 パルミチン酸 1.5割、 DHA 1割、 オレイン酸 1割 オレイン酸(oleic acid) ω-9系 リノール酸(linoleic acid) ω-6系 アルファ・リノレン酸 (alpha-linolenic acid) ω-3系 ドコサヘキサエン酸

(docosahexaenoic acid. DHA) ω-3系 エイコサペンタエン酸

(eicosapentaenoic acid. EPA) ω-3系

(54)

水溶性食物繊維

ヌルヌルとした粘性と、保水性が高いのが特徴. 糖分の吸収速度をゆるやかにし、食後血糖の急激な上昇を抑える. 脂肪の吸収を抑えたり コレステロール値を減少させる働きもある.

■ペクチン 熟した果物・かぼちゃ・キャベツ・大根など

血糖値の急な上昇を防ぎ、コレステロールの上昇を抑制する作用がある.

■グルコマンナン こんにゃくなど

食べたものを包み込んで、消化・吸収させにくくする作用がある. 水を吸収し、胃の中で膨らんで満腹感が得られる.

■アルギン酸 こんぶ・わかめ・もずく・めかぶなどの海藻類など

海藻のぬめり成分で、コレステロールや血糖値の上昇抑制作用・便秘解消・動脈 硬化の予防などの作用がある.

■フコイダン こんぶ、わかめ、もずく、めかぶなどの海藻類など

海藻のぬめり成分で、肝機能向上・抗アレルギー・血圧抑制などの効果がある.

(55)

不溶性食物繊維

水に溶けにくい繊維質で、水分を保持し、便のかさを増やして排便を促す作用や、 発ガン性物質などの腸内の有害物質を体外へと排出させる働きを持つ.

■セルロース りんご・大豆(おからなど含む)・ごぼう・穀類など

穀類の外皮に多く含まれ、食事から摂取する食物繊維の大半を占める. 腸内で有害物質を吸着して排出し、便の排泄を促す.

■ヘミセルロース ごぼう・小麦ふすま・玄米・大豆など

腸内の善玉菌を増殖させ、便秘の予防や有害物質の排泄などに効果がある.

■ペクチン 未熟な果物・野菜など

不溶性と水溶性がある.熟成するにつれて、水溶性に変わる.不溶性の効能として は、腸内の有害物質を吸着し排泄させる作用があり、便秘や大腸ガンの予防効果が あると言われる.

■リグニン ココア・豆類・イチゴ・梨など

コレステロールの上昇を抑制する作用があり、腸内の善玉菌を増やす.

■キチン・キトサン えび・かにの殻など

血圧やコレステロールの上昇抑制、自然治癒力を高める効果があると言われる.

(56)

池上 幸江 日本食物繊維研究会誌 1997

(57)

成人男性の40.5%が糖尿またはその予備群

(2011年香川県調査)で、

全国平均(2012年調査)より約13ポイントも高い

人口10万人あたりの糖尿病死亡率は14.4人

(全国平均11.5人)

人口10万人あたりの糖尿病受療率(患者数)は

2011年時、308人(全国平均は185人)と

全国ワースト2位

2008年時は、ワースト1位

(58)

四日市羽津医療センター ホームページより

(59)
(60)

・ ヒトは、10の13乗(10兆)の細胞で構成される.

・ 出生と同時に、細胞数の10倍もの微生物との共生が始まる.

・ 微生物は500〜1000種類にも及び、個人差が大きい.

・ 血縁関係・年齢・食事・生活習慣・ストレスなどにより差が生じる.

・ ヒトは腸内細菌の生存と増殖に適した環境を提供する.

・ 腸内細菌は、ヒトの消化吸収・ビタミンの合成などに関与している.

食物繊維は腸内細菌のエサとなる というけれど、

そもそも、腸内細菌って何者?

髙橋 陽真 画

(61)

腸内細菌の総重量は1kg! 年齢で菌も変化する.

善玉・悪玉菌のバランスが 取れていることが重要

(まさに、お花畑:flora)

(62)

・ Bacteroides fragilis はpolysaccharide Aを合成する.

polysaccharide A は IL-17産生を抑制する.

CD4

T細胞上のTLR2を介して IL-10 産生も誘導する.

(Mazmanian et al., Nature 2008)

・ T-Bet

-/-

Rag2

-/-

マウスでは自然に腸炎・腸炎関連大腸癌を発症する.

このマウス系統ではKlebsiella pneumoniae と Proteus mirabilis が

増加している.これらの菌の接種により通常マウスでも腸炎が増

加する.

(Garrett et al., Cancer Cell 2009, Cell Host Microbe 2010)

SFB (segmented filamentous bacteria)

はTh17細胞を誘導する.

(Ivanov et al., Cell 2009)

・ Clostrodium属の一部の菌が

制御性T細胞(Treg)を誘導する.

(Atrashi et al., Science 2010)

(63)
(64)

糞便移植 (fecal transplantation)!

偽膜性腸炎に劇的な効果があることが 2013年に報告された.

当院でも倫理委員会で承認されており、糞便移植は施行可能.

(65)
(66)

複数人(3〜7人)からの便をブレンドして移植すること

の有効性が randomized, double-blind, placebo

controlled trial で検討され、有効であると報告された

(67)

まとめ

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)について

→ 増加の一途を辿っている.決定的な原因は不明.

そして、近未来は?

→ 新薬の研究も進んでいる.

腸内細菌の改善・漢方薬も有望.食事の見直しも.

炎症性腸疾患 の 「最新の」治療

→全員に効き、かつ副作用のない治療法はない.

重症度や効き具合、副作用をみつつ、

治療法を選択する.将来の発癌の抑制も重要.

炎症性腸疾患 の 「つらくない」検査

→ 血液検査・便検査・エコーなどが有効.

参照

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