田 野 有 ‑
は じ め に
「 競 技 スポー ツ としての トランポ リン」の スター トは, ア メ リカにお いて 記 されて いる。それ は1 947 年 のテ キサ ス州 ・ ダラスでの初競 技会 ( 1) ,また翌年 の NCAA( 2 ) 主催 の もとで開催 され た国内体 操選 手権 大会 で公 式競 技種 目 と
して実施 され た こ とに始 まる。 この時は リバ ウン ド・タンブ リング ( r e bound t umbl i ng) と称 されていた。 (トランポ リンの名 の もとに競 技 され たのは後 の
こ とで あ る) 1 955 年, AAU( 3 ) に よって トランポ リンが公 式競 技 として認め られ,パ ンア メ リカン ・ゲー ムスの仲 間入 りを果 した ( 4) 0
初期 の競技規則 は要約 す る と, 『 一定時間 ( 45 秒 間)の 中で,可能 な限 りの 演技 を実施 す る』 ‑ とした最初 の規則が1 950 年代 に入 って 『8 種 目で構 成 さ れた演技 を 3 回実施 し、演技 間 に1 0 秒 間の休 憩時間 を設 ける』に変 わ り ,1 95 8 年 には『 1 2 種 目構成 の演技 を 2 回実施 し,演技間の休 憩時間は20 秒 間 とす る』
‑ とい った具合 で, いわば試行錯誤 的 な競 技会 で あった。
ヨー ロ ッパ にお ける最初 の競技会 は, 1 959 年, イギ リス にお ける第 1 回国 内選 手権 で あ る。 ア メ リカに比べ 1 2 年遅 れの スター トで あ った。
1 960 年代 に入 り、 競技会 の国際化 の段 階 を迎 えるが,当初 はせ いぜ い 2‑ 3 ヶ国 に よる対抗戟 で あった。1 962 年 に 「第 1 回 ヨー ロ ッパ ・カ ップ」 ( 西 ドイ
( 1 ) 長 谷川輝紀,大林 正 憲共著 「図解 トランポ リン」道 和書 院 1 9 6 9. 4 ,P. 1 4 5 ( 2 ) 全米大学競技協会 ( Nat i o nalCol l e gi at eAt hl e t i cAs s oc i at i o n) ‑ をさす。
( 3 ) 全米アマチュア競技連合 ( Amat e urAt hl e t i cUni o n) ・ ・ ・ をさす。
( 4) 「 最新 ス ポー ツ大事典 」大修館 書店 1 9 87. 6 ,P. 9 0 5
〔43 〕
ツ ・キール)が開催 され 8 ヶ国 ( 5) の参加 をみてお り,競 技会 の名称 も リバ ウン ド・ タンブ リング か ら 「トランポ リン」に変 わ り( 6 ) ,正 式名称 としての競 技会 の ス ター トを告 げ た。
1 9 6 4 年 3 月 21 日, イギ リス ( ロン ドン)にお いて 「 第 1 回世 界選 手権 大会」
が開催 され,参加 国 は 1 2 ヶ国 ( 7 ) ,参加選 手数 は 40 名 ( 男子 2 4 名,女子 1 6 名)を 数 えた。 この時の競 技形式 は 『 ado u bl ee l i mi na t i o nkno c k‑ o u ts ys t e m( 8 ) 』
と呼 ばれ,各 国の代表選 手 ( 男女各 2 名)が 2 回の ジャンプ後 に演技 に入 る
‑方式が とられ, これが 5 名 の審判月 に よ り第 1 演技者 と第 2 演技者 の どち らが優 れてい るかが評価 判定 され, 審判員の 多数 決 に よ り勝者 が 2 回戟‑進 出す る‑ とい った トーナ メン ト ( 勝抜 き)戦で あ った。 この第 1回大会 の優 勝者 は男子が ダニ一 ・ビルマ ン選 手,女 子 は ジュデ ィー ・ウイルフ選手 ‑ と の記録 が残 ってい る ( 9) 0 ( 両選 手 の国名 は不 明)
選 手権 大会 が終 了 した翌 日, トランポ リンの国際組織化 を目的 とした各国 担 当者会議 が開かれ,その 4 ケ月後 の 7 月に FI T( 1 0 ) の設立 をみ る。同年 1 0 月,
「 国際 トランポ リン ・ク リニ ック」が開催 され, ヨー ロ ッパ を中心 とした 1 2 カ国の トランポ リニ ス トが参加 し,各国の現状報告,研 究発表, デ ィス カ ッ シ ョン, そ して合 同練習会 ‑ な ど多彩 な研修 が くりひろげ られ, トランポ リ ンを通 じての各 国の結集が実現 (ll) した。
1 96 5 年 , 第 2 回世 界選 手権 が前 回同様 の イギ リス ( ロン ドン)で,競 技形
( 5) 西 ドイツ,オース トリア,デ ンマー ク,オ ランダ,イタ リア,ス ウェーデ ン,ス イス, イギ リス‑の 8 ヶ国‑( 4) に同 じ。
( 6) ( 4) に同 じ。
( 7) ベ ル ギー, デ ンマー ク, オ ランダ, ノル ウ ェー, ス コッ トラン ド,南 アフ リカ, スウ ェーデ ン, スイス, ア メ リカ, ウェー ルズ,西 ドイツ, イングラン ド・ ・ ・ の 1 2 ヶ国‑( 4) に同 じ。
( 8) いわゆ る 「ノック ・ア ウ ト形式」 をいい, トーナ メン ト競 技で ある。
( 9 ) 塩 野尚文著 「 社会 人の レク リエー シ ョン・トランポ リン入門」違和書 院 1 9 81. 9 ,P. 5 ( 1 0 ) 国際 トランポ リン連盟 ( i nt e r nat i onalTr ampol i neFe de r at i on) ‑ をさす。
( l l ) ( 9) に同 じ。
式 も " 急場 しの ぎ〟ともい える 「 kno c k‑ o uts ys t e m 」が再適用 され た。 また, この年 に FI T 内 に技術委 員会 が新設 され ,FI T 版 の競技規 則,即 ち世 界の統 一 ルールの確 立 をめ ざ した活動 が開始 され た 。1 9 6 6 年, 第 3 回世 界選 手権 は ア メ リカ ( ラフ ァイエ ッ ト)で開催 され,初 めての国際競 技規則 に もとづ い た競 技会 が現実 の もの となった。 さ らに, この大会か ら新 たに 「シン クロナ イズ ド ・トランポ リン」が正式競 技 として加 え られ, これ らに よ り トランポ
リン競技 は飛躍的 な発展 を遂 げ,今 日に至 って い る。
FI T 制定 の最初 の競技規則 は現行 の競 技規則 の原形 ともいえる もので, ト ランポ リン競 技会 の根幹 をなす もの とな った。世 界選 手権 は 5 回大 会 までは 毎年 開催 方式が とられ, 6回大会以後 は隔年 開催方式 に切 り換 え られ今 日に 至 ってい る。 FI T 競技規則 も幾度 か改訂 を重ね ,1 9 8 6 年 には大幅改訂 が なさ れてい る。
1 9 8 8 年 9 月 2 0 日 (ソウル オ リン ピ ック開催期 間 中), 第 9 4 回 I OC 会議 ( 韓 国 ・ソウル)にお いて 『 FI T の I OC 加盟 が正 式承 認』された。 FI T では, 1 9 8 0
年 の モ ス クワオ リン ピ ック以前 か らオ リンピ ックの た び ご とに I OC 加盟 を 申請 して きたが, よ うや くこれが認め られたので ある ( 12) 。早速, FI T よ り加 盟各国 に対 して この通知 が なされ た。 お りしも,広 島県での第 2 5 回全 日本選 手権 に出向いていた筆 者 もこの知 らせ を耳 に し( 開会式 当 日の早朝),居合せ た関係者 と共 に感 激 にむせ んだ。幸 いに して,我国 に届 いた承認文書 ( I OC ‑
FI T の複写版) を入手で きたので, その本文 のみ を掲載 ( 次 頁) してお く。
I OC へ の加盟承 認が,す ぐさまオ リンピ ックの正 式種 目 とな るわ けではな いが,少 な くともオ リン ピック参加 ‑ の確 か な第一歩で ある と同時 に,世 界 各 国 にお け る トランポ リン競 技 に関連す るこれ まで以上 の積 極 的 な動 きが期 待 で き, これがマ イナー ・スポー ツ 「トランポ リン」 の イメー ジ脱却 に繋 が れ ば‑ と願 うもの であ る。
( 1 2 ) 「 普及要 点会 ;公報第 2 0 号」 日本 トランポ リン協会 1 9 8 8. 1 2
Re:. OC Re c ogni t i on
DearMnKi nzel ,
Onbehal fofH. E.JuanAnt oni oSamar anch ,Pr esi dentoft hel OC , i ti smyp一 e asur et oi nf or m yout hatdur i ngt he94t hl 0C Sessi on whi chhasj us tt akenpl ac eher ei nSe oul ,an dupont her ec ommendat i on oft heCommi s si onf ort hePr ogr ammeand1 0C Exe cut i veBoar d,t he i nt er nat i onalOl ympi cCommi t t eehasdeci de dt ogi veof f i ci al
r e cogni t i ont ot hel nt er nat i onaITr ampol i neFe der at i on .
MayIt aket hi soppor t uni t yt owe一 comeyourFe der at i ont ot he Ol ympi cMovemen t .
〔 翻訳文〕
1 0C 承 認事項
親 愛 なるキ ンゼ ル会長
1 0C 会長 ,ア ン トニオ ・ サ マ ラ ンチ氏 にかわ り,ここソウル におい て開催 さ れ ま した,第 9 4 回 1 0C 会議 にお いて決定 され ま した内容 を謹 んで御報告 申 し 上 げ ます。国際 オ リン ピック委員会 ( 1 0C) は,国際 トランポ リン連 盟 に対 し, 公 式承認 を与 え るこ とに決定 い た しま した。
この機会 に貴連盟 がオ リンピ ック活動 に参 加 す るこ とを歓迎 いた しますO
放 て, この よ うな世 界の変遷 の 中にあって,我 国では一体 どの よ うな経過 をた ど り今 日に至 って いるので あろ うか。競 技会 と競技 ( 採点)規則 との関 係 に注意 をは らいなが ら, その変遷 を把握 す る目的で本研 究 をすすめ る もの であ る。
競 技規則 の制定 ・改訂 は, 当然の こ となが ら, その時代 背景 ( 競 技 力の実
態 と指 向策) と密接 な関連 を もつ。我国 にお いては これ までに,競 技会の変
遷 を述べ た文 献 ・資料 はそれ な りに残 されてはい るが,残 念 なが ら競 技 ( 採
点)規則 に焦点 をあてた変遷記録 はみつ か らない.歴 史の浅 いスポー ツ とは
いえ,我 国で は既 に 3 0 年 を経過 した今 日, トランポ リンの未来像 をさ ぐる意
味 にお いて も,過去 ( 発祥) か ら現在 に至 る推移 を把握 し,整理 してお く必
要 が あ る と考 え,本稿 をすすめ た。
表 1 世界 トランポ リン競技選手権大会の変遷
回 西暦 開 催 国 開 催 地 競技 形式,適 用 ルー ル, 日本 の成 績等 *元号‑参考 1 1 96 4 イ ギ リ ス ロ ン ド ン ・個 人競 技 のみ .ノ. ツクア ウ ト形 式 .FⅠ T 設立 昭 和 3 9 年
2 6 5 イ ギ リ ス b ン ド ン ・毎年開催 方式採 用 40
3 6 6 ア メ リ カ ラフ アイエ ツ ト ・国際 ルー ル適用 .シン クロ新設 .日本初参加 41
4 6 7 イ ギ リ ス ロ ン ド ン ( ‑ オープ ン) 42
5 6 8 オ ラ ン ダ アメルスホール ト ・日本 ・隔年 開催 方式 に改め られ る ,FⅠ T に正式加 盟 . ‑公式参加 出場 43
6 1 97 0 ス イ ス ジ ュ ネ ‑ ブ 45
7 7 2 西 ド イ ツ シユツツトガル ト 47
8 7 4 南 ア フ リ カ ヨ‑ ネスブル グ ・日本 フル メンバー ( 男女 各 5 名) で臨む 4 9
9 7 6 ア メ リ カ タ ル サ ・日本男子 シン クロ 5 位 51
1 0 7 8 オース トラリア ニューキャッスル ・日本 シ ン クロ 3 位,個 人 6 位 ( 男). FⅠ T 加盟 28 53
l l 1 9 80 ス イ ス プ
リ ッグ ・日本‑. ・日本 で初 開催 男子 4 名,女 子 .日本 ‑個 人 3 名が参加 5 位, シン クロ 6 位 5 5
1 2 82 ア メ リ カ ボ ー ズ マ ン 57
1 3 8 4 日 本 大 阪 5 9
1 4 8 6 フ ラ ン ス ノ ヾ リ ( 男子) ‑61
1 5 8 8 ア メ リ カ ノヾ‑ ミ ン ガ ム : ・ Ⅰ OC が FⅠ T を公式奉 認 .日本‑ 団体 女子 4 位 , 63
1. トラ ンポ リン運 動 の 始 ま り
① 緩 衝 布 1 9 4 2‑1 9 4 3 年 〔 昭 1 7‑1 8 〕
直径約 5m の円型厚布 の緑 部分 に把 手用 の麻縄 を取付 け,周 囲 を 3 0 名 ほ どの者 で これ を引 っ張 り上下 動 させ , 厚布 の 中心部 に乗せ た人物 に跳 躍運動や 駆 け足運 動 をさせ た もの ( 13) で,西洋 史 にみ られ るスペ イ ンにお け るケ ッ ト ( 毛布 )揚 げ遊戯 「 ペ レレ ( pe l e l e ) ( 14) 」, ア ラス カ ・ エ ス キモ ー に お け る レ ク ) )エ ー シ ョン ・ゲ ー ム や 競 技 と して の 「 ナ ル カ トク
( nal ukat oku) (15) 」 ‑ に類似 してい る。緩衝布 は本 間茂雄 氏( 1 6 ) に よ り考
( 1 3 ) ( 1 ) に同 じ 。P.8
( 1 4 ) pa y‑ l ay‑ l a y とい う意味 で,わ ら人形 を毛布 の上 で‑ ネあげ る遊 び.フェステ ィバ ル時 や古 い形式のパー テ ィー時 に‑ 行 う ‑( 4) に同 じ 。P.9 0 4
( 1 5 ) セイウチの獣皮や毛布 で作 られ た正 式の シー トを用 い, 中央 に乗せ た ジャンパー を‑
ネあげ,バ ウンデ ィングの継続 力や 高 さを競 うもの。一般 人の レク リエー シ ョンか ら 競技 に発展 し,主役 が‑ ネあげ る者 か ら跳ぶ者へ移 っていった ‑( 4 ) に同 じ 。P. 9 0 4 ( 1 6 ) ( 1 9 0 4‑1 97 4) 日本初 の体操競技 のオ リン ピック選手 ( 第 1 0 回 ロサ ンゼル ス大 会) o東
京体育学校教授 ( 昭 1 6) ,東京体 育専 門学校教授 ( 昭 1 9) ,東京教育大学教授 ( 昭 2 4)
・ ‑を歴任後,昭和 31 年 には東京教育大学体 育学部長 に就任。 その後,東京女 子体育大
学教 授 ( 昭 4 3‑4 8) となる‑ 「 新修体 育大辞典 」不味堂 出版 1 9 7 6. 4,P.1 4 2 6
案 され,文部省 の支持 で東京体 育専 門学校 を中心 に普 及 ・発展 した。平 衡感覚 ・ 空 間視覚 等 の訓錬上,予科練 ( 特 に海軍) で も利用 され た。 ( ‑ 終 戦後, これが米軍 に よって禁 止 され,次 第 に姿 を消 した)
② 初 の試作 トランポ リン 1 9 5 2 年 〔 昭 2 7 〕
今 日の体操 用練 習器具 「ミニ ・トランプ ( mi ni ‑ t r a mp) (17) 」 に類似 し た道具 で, これ を少 し大 きめ に した ものであ る。 当時,映画や渡米人の 報告 を も とに金沢大学 ・体 育科 が試作,使 用 した。我 国で最初 の トラン
ポ リン ( 18) で ある。
( ‑指 導面,性能面, そ して価格面 での難点が 多 く,一般 へ の普 及 は望 め なか った)
③ 初 の講 習会 1 9 5 9 年 〔 昭 3 4〕
日本体 操協会 が, "トランポ リンの産 みの親 〟で あ るジ ョー ジ・ ニ ッセ ン ( Ge o r g eNi s s e n)
(19)夫妻 と , 1 9 5 2 年度 AAU チ ャン ピオ ンの フランク・
ラデ ュー ( Fr a nkLa du e ) 選 手 の 3 名 を我国 に招樗 し,各地 で公開演技 会や 講習会 を開催。 これが契機 とな り, 日本 にお ける トランポ リン運動 の普 及, あわせ て器具 の導入が推 し進 め られ た。
④ 器具 の輸 入 1 9 6 0 年 〔 昭 35〕
ニ ッセ ン ・トランポ リン社 よ り 5台の器具 が輸 入 され る。 この 内の 2 台は天理 大学, 1 台は 日本体 育大学 に設置 され ( 20) , この二大学 を中心 と して トランポ リン運動 が新 ス ポー ツ として次 第 に国内 に普 及 ・発展,定 着 して い った。 トランポ リンは学校 体育 の教 材 として取 り扱 われ る一方 で,社会体 育 ・ スポー ツの‑器具 として も注 目され,今 日に至 って い る。
( 1 7 ) トランポ ) )ンの一種 で,主 として体操競技練習用の 1 器具 として利 用 されてい るO フ レー ムは丸型の場合 は直径約 1 m ,角型の場合 は lm X 1 m 程 度の ものであ る。
( 1 8 ) ( 1 ) に同 じ 。P. 8〜9
( 1 9 ) ア メ リカ ・アイオワ州 セダ ラビ ッツ市 出身で現 存 .1 9 3 6 年 に初めてスポー ツ としての トランポ リンを製作 した人物。
( 2 0 ) ( 9 ) に同 じ 。P. 6‑7
ト ラ ン ポ リ ン の 日 本 上 陸 ( 1 959 年)
東 京 都 で の 「公 開 演 技 会 」 の 模 様
▲演技者 はフ ランク ・ラデ ュー選手,左 ▲ 2 名 に よる演技。立位姿 下 の人物 が ジ ョー ジ ・ニ ッセ ン氏 勢 がニ ッセ ン氏,仰臥 ( 空 中)姿勢が ラデ ュー選 手
2 .競 技 会 の ス タ ー ト
我 国で最初 の トランポ リン競技会 は 1 9 63 年 〔 昭 3 8 〕, 日本体操協会 が主催す る「 全 日本 一般体操選手権 大会 」 ( 今 日でい う全 日本新体操選手権 大会 で,体 操委具合 の管轄事 業)において,特殊種 目 ( 21) の 1 種 目として新 たに加 えられ,
『オープ ン競 技会 』 ( 男女 とも)としてス ター トした。競 技規制 は ドイツ体操 協 会 の もの に準 じ,現在 の体操競 技 の規則 に非常 に類似 した もの を適用 した
( 2 1 ) 以前 は体操競技 と同時に,後 に団体 ( 徒 手)体操 と同時 に競 技 されていた種 目で, タ
ンブ リング, インデ ィア ンクラブ, クライ ミング ・ロープ な どをさす‑浜 田靖‑ , 竹
本正 男,小 田敏彰共著 「トランポ リン」不 味堂 出版 1 9 6 8. 7 ,P. 1 2 3
‑ とあ る ( 22) 。 また, この前年 か らニ ッセ ン ・トランポ リン社 との技術提携 に よ り 「 和製 トランポ リン」 の製造 ( 23) が始 まってい る。
1 9 6 4 年 〔 昭 3 9 」 の 「 第 1 7 回全 日本一般体操選 手権 」 ( 大 阪 中央体育館 )にお いて,特魂種 目の正 式 な 1種 目 として位 置づ け られ, この競 技会 が実質 『 第 1 回全 日本 トランポ リン競 技選 手権 大会 』となっている。 ( ※現在 までの全 日 本選 手癌 の大会 回数 は, この大会 を基 としてい る)
ところで,我 国で最初 の トランポ リン競技規則 は, この年 に 日本体操協会 の 「 一般体操委員会 」 にお いて制定 された. その 内客 は体操競 技の規則 に も
とづ いて作成 され,採 点規則 と題 して, A. 競技場 B. 審判部 の編成 C.
競 技種 目 D. 演技 の構成要素 E .採 点上 の一般規則 F. 規定演技. 及び 自由演技 につ いて G. 減 点 H. その他 の規則 ‑の項 目に整理 され, さ らに トランポ リン種 目の難度表 ( 男女共通)が付 記( 2 4 ) されてい る。
ここでみ られ る特 色 は, 1) 審判員数 2) 第 1 演技者へ の復行権 3) 演技の 難度 ・構成 ・実施 に対す る配点 と満点 ( l o貞) 4) 演技構成 の原則 5) 自由 演技 での 1 1 回 目の跳 躍指示 6 ) 演技 の完全 中断 に対 す る減 点 ‑ な どが あ げ られ,正 に体操競 技規則 に準拠 して定 め られて い る内容 と,今 ひ とつ は, 現行 の トランポ リン競 技規則 と比較 し,演技 に対 す る とらえ方 の違 いが大 き
く表 われ てい る内容 ‑ とに大別 で きる。 さらに,種 目難度表 に示 され た種 目 のすべ て に A , B , C の難度が あてはめ られ, これ を基 として演技 の構 成 を 定め てい る。 しか しなが ら,全体 的 な文 章表現や 条項 の整理 の しか た も,体 操競 技の採点規則 に極 め て よ く似 てお り ( 数 ヶ所 にわた って,全 くの同文 で 表現 されてい る) ,簡素化 された規則集 になって い る。
この内, わずか に トランポ リン競技 な らでは‑の項 目 ( 内容 )がみつか る ので あげてお こ う。
¢2 ) ( 9) に同 じ 。 P.8
位3 ) 現在 の セ ノー株 式会社 が国産 トランポ ) )ン第 1 号 会社 ‑( 9 ) に同 じ 。P. 7
( 2 4 ) ( 2 1 ) に同 じ 。P. 1 2 4‑1 2 9
B. 審判部の編成
2) カウンター 1名, カウンター は審判員 を補佐 し,最初 の跳躍後 の 各 躍 ご とにベ ッ ドに 身体 の 一 部 が 着 くた び に, 1 , 2 , 3 ,
・ ‑‑ ‑1 0 , アウ トとカウン トす る。
F. 規定演技及 び自由演技 について 2) 自由演技
( a ) 跳躍回数 男女共 1 0 回 とす る。但 し, 1 1 回 目にス トレー ト・バ ウンス を入れア ウ トとす る。
( b ) 1 0 種 目中 1 種 目以上,背又は腹 よ り跳躍す る種 目を入れ るこ とを 必要 とす る。
( C ) 構成の原則
難 度 男 子 女 子
C 級 ( 最高級難度)種 目 3 種 目以上 2 種 目以上 B 級 ( 中 級 難 度).種 目 4 種 目以上 3 種 目以上 A 級 ( 初 級 難 度)種 目 他 の 3 種 目は 他 の 5 種 目は
( d) 自由演技 に於 ては,実施 の他 に難度 と構成 の 2 つの重要 な採点要 素 がある。 この 2 つ の要素 は演技の価値 を形成 し,汰. の ように配 点す る。
1. 運動の難度 ‑‑‑‑‑ ‑・ 2. 4 1 . 運動 の組合せ ‑‑‑‑ ‑2. 6
1 . 実施 の良否‑‑‑‑‑‑ ‑5. 0 計 1 0 点 G. 減 点
2) 中過失
( a) 著 し く流動性 を欠 いた場合 0. 4‑0. 6
( b) 演技 中身体 の一部 がベ ッ ドの外 に出た場合 ‑
‑‑‑‑ ‑0. 4‑0. 6 3) 大過矢
( a) 演技 中ベ ッ ド内での完全 中断 1. 0
H. その他 の規則
2) 予備跳 躍の回数 は制 限 しないが, ス トレー ト ・バ ウンス に限 る。
演技 が 中断 し,再 開 のための予備跳 躍 も同 じ。
‑以上 の如 く, 演技 に対 す る とらえ方, 中断 に対す る判断基準が今 日と大 き く異 ってい る点 を見逃せ ない。初版 の種 目難度 な らびに 「男女規定演技 内 容 」 は,表 2 , 図 1‑ 1 ・図 1‑ 2 の とお りで あ る。
表 2 初版 「トランポ リン種 目難度表 ( 男女共通 )」
鍾
回 目 ス トレ ‑ ト ーノヾウ 開 シ ‑ ト ‑ 始 ノヽン ズ . ア ン ド .姿 勢 フ ロ ン ト. ( Take of f ) ノヾツ ク .
敬 ン ス ドロ ッ フ○ ドロ ッ フ○ = ‑ ス . ドロ ッ フー ドロ
ッ 7‑ド ロ ッ フ
○宙 返 り 捻 り 前 方 後 方 前 方 後 方 前 方 後 方 前 方 後 方 前 方 後 方 前 方 後 方
0 % 1 1 A A A A B B B B
1 % 2 A B B B C C B C B B
2 % B C C C
ね 0 A A A A A A ‑ A ‑ A A ‑
A A A A A A A ‑ A ‑ A A ‑
1 B A ‑ B A A A 一一 A ‑ A A ‑
2 C B C B C C ‑ C ‑ C C ‑
2y2 C C C C C ‑
% シ 0 ≦ B B A A B B A A A A A A
1 1 C B C B B B B
1 兆 2 ‑ C B C ‑ C B C C ‑ C
ヲ 左 3 0 ( 2 A B A B A B A B A B A B B B ‑ ‑ B B 一一 ‑ ‑ ‑ A B
1
B B B B B B C ‑ C ‑ ‑ B
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C C C C C C C ‑ C ‑ ‑ C
2 C C C C C C ‑ C
1 1 % 0 1 y 2 A B B B A B B B A A B C A A B B A B C C A B B C ‑ B B C B B C C ‑ B B C B B C C B B C C ‑ B B C
2
2% C C C C C C C C ‑ C ‑ C C ‑
2
3 C C ‑ C
1% 1 0 2 B B B B ● B B B B C B ‑ ‑ A ち ‑ ‑ B B B B ‑ ‑
1 B B B B ‑ C ‑ C C ‑‑
1y2 C C C C ‑ C C ‑
2 C C ‑ C C ‑
1 土 昌 % 0 B C B C ‑ C B C B C ‑ C
2
1 ‑ C C ‑
1% 3 0 ( 2 C B C C C C ‑ ‑ C C C C ‑ ‑ ‑ ‑ C C 1
1y2 C C C C
2 % 0 1 C C C C C C C ‑ ‑ C ‑ C C ‑
1y2 2 C C C C
2% 1 0 C C ‑ C C ‑
% 1 C C ‑ ‑ 23 A 0 C C
3 0 C C ‑
※ 浜 田,竹 本,小 田共著 「トランポ リン 」不 味 堂 出版 ( 昭 43) P.128‑1 29 よ り抜粋
図 1‑ 1 昭和 4 1・4 2 年度全 日本特 殊種 目選 手権 大会 トラ ンポ リン規定演技
男子 規 定演 技
※ 浜 田,竹 本,小 田共著 「トランポ リン」不 味堂 出版 ( 昭 43 )P.1 3 5 よ り抜粋
図 1‑ 2 昭和 41・4 2 年度全 日本特殊種 目選手権 大会 トラ ンポ リン規定演技
女 子 規 定漬 技
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̲ I ; ‑ 1 攣 , I ‑ I ‑ 叛 き
1 . ‑
幸 三
⑳ ̲