‑ M.Sc hmi e de r
の主張‑松 本 康一郎
序
本稿 は,いわ ゆ る資本理論 的貸借対照表
( kapi t al t he or e t i s c heBi l anz )
にお け る経済 的利益( 6konomi s c he rGe wi nn)
の算定 に際 して不 可 欠 の計 算 要 素 で あ る割 引利子率( Di s kont i e r ungs f akt or )
1)
につ いて,それ の役 割 , 意 味 お よび選択 され るべ き適切 な利子率 を考察 す るための手 がか りを提示 す る もので あ る。経済 的利益算定 を巡 る諸 問題 につ いて は,これ まで に数 本 の拙 稿
2 )
を示 して きたが,上記 の課題 っ ま り割 引利子率 問題 に関 して は,言及 を殆 ど控 えて きた。その理 由 は,次 の点 にあ る
。
す なわち,これ までの論者 ,と くに分 配 可 能 利 益 計算 と して経済 的利益算定 を捉 え る論者 た ちは,割 引利子率 の選択 問題 につ い て,計算利子率( Kal kul at i o ns z i ns f l l B)
っ ま り資 本 市 場 にお け る一 般 利 子 率( 1 ande s ubl i c he rZi ns f uB)
の適 用 (い わ ゆ る計 算 利 子 率 法 ) を主 張 して き*
本稿は,ドイツ連邦共和国のT i i bi nge n
大学における文部省在外研究員 としての研 究成果の一部である。
本稿の作成 に先立 っては,当地での受入教授であるPr of .
D
r.M.Sc hwe i t z e r
か ら多 くのご教示を頂 き,いくつかの疑問点 を解消す ること ができました。 ここに記 して,感謝申 し上げます。 もちろん,本稿 においてあ りうる誤 りは,松本のみの責任である。
1)経済的利益をごく簡単に定義すれば,それは,期首時点における企業全体の収益価 値についての利子部分
( Zi nsaufEr t r ags we r t )
として算定 される。なお,ここで の収益価値は,将来の各会計期間について見積 られた収支流列 (ネット・キャッシュ・フロー)の割引現在価値を意味する。詳 しくは,拙稿
( 1 9 8 3 )
を参照。2 )
本稿の参考文献 リス トを参照。〔 11 3〕
た
3 ) 。
けれ ども,これの適用 に際 して,説得性 のあ る論 拠 が示 され て きた とは 必ず しも言 い難 いのであ る。
な るほど,何 らかの資本市場利子率 を適用 す る こ とは,当該利子率 と同等以上 の収益率 を有 す る投資 プロジェク トが当該企 業 に 存在す ることを,企業経営者 が投資家 に表 明す るもの と解 され る。
しか し, こ うした見解 は,割引利子率 の選択 に際 しての主観的判 断 の介入 とい う批 判 に対 して積極 的 に答 えた もの とは言 い難 いであろ う4 )
。 さ らに,計 算利 子 率 法 の適 用 に際 して,これ まで前提 とされて きた完全資本市場 な らびに完全情報 とい う 状況 か ら離 れ,よ り現実的状況 への接近 を図 ろ うとすれば,選択 され た一 般 利 子率 に対 す る何 らか の附加計算' ( Zus c hl Z i ge n)
を余儀 な くされ る5)。
もっとも,こう した附加計算 お よびそれの結果 としての (経済 的)利益算定 が,よ り良 い 分配可能利益情報 を投資家 に もた らすか ど うか は疑 問であ る
。
なぜな ら,附加 計算 を含 めた経済 的利益算定 は,その計算過程 をよ り複雑 な もの と し,ひ いては,主観 的判断 の介入余地 を さ らに大 き くす る恐 れを伴 うか らであ る
。
以上 の ことか らすれば,経済 的利益算定 に際 して,計算利子率 法 に固執 す る ので はな く,新 たな視点 か ら割 引利子率問題 を検討 す ることが,
1
つ の賢 明 な 解決 と言 え るか もしれない。 この ことにつ いて,興味深 い見解 を示 して い るの が,M . Sc hmi e de r
で あ る。
彼 は,博 士 論 文( Di s s e r t at i on)
『資本価 値 に よ る 貸借対照表作成』 にて6),内生 的利子率( e ndoge ne rZi ns f uB)
を経済的利益算 定 の割 引利子率 と して適用す ることを提案 してい る。3 )
周知のように,こうした見解に立っ主導的論者としては,D. Sc hne i de r
が挙げ られ る。4 )
むしろ,経済的利益算定への批判的見解に対する,開き直 り的な返答 と言えるか も しれない。事実,Sc hne i de r ( 1 9 7 3 )
において,そのような見解が見 られる。 なお, 経済的利益算定に対する否定的諸見解の概要については拙稿( 1 9 8 9 )
を参照。5 )
例えば,実際の消費引出としての経済的利益と,そのときの収支流列 との差額 につ いて行われる,不完全資本市場での資本市場取引に伴 う,利子負担/効果について は,拙稿( 1 9 8 3 ) p . 1 1 0
においてその算定式の提示を試みた。さらに,この種の附加 計算としては,不確実性下におけるリスクを割引利子率に附加することなどが考えられる。
6 )
本書は,1 9 8 4
年2
月に,JohannWol f gangGoe t he ‑ Uni v e r s i t atFr ankf ur t
の経 済学部にて,博士号取得論文として受理されたものである。原著名等については, 本稿の参考文献 リス トを参照。本稿では,上掲書 の とくに第Ⅴ章を跡づけることで,彼の主張す る内生 的利 子率適用の意味を明 らかに し,それによって,経済的利益算定 に際 しての割 引 利子率選択問題 に対す る答えを兄い出す手がか りとしたい7 ) 0
資本理論的貸借対照表 (割引計算)の必要性
Sc hmi e de r は,経済的利益を算定 目的 とす る資本理論的貸借対照表作成 の必 要性 について,会計 目的の点か ら次のように説 いている8 )0
会計 ( Re c hnungs we s e n) 9 ) とは,経営事象 を写像す ることである。現実 の状況 な い し現実 の推移 につ いてのどんな写像 もそ うであるよ うに,会計 もまた,現実 を総 て にわた って詳細 に" 原形 に忠実 に表わす もので もなければ,同形 的 に表 わす もので も な く,それ は,断片的で単純化 された粗 い
1つの像で しか ない "。 どの よ うな部分局 面 を写像す るのか は,当該会計 を もって追求 され る目的 に従 う 。 どのよ うな事柄 に関 して情報 が集 め られ,かっ,これ らの情報が計算作業 のなかで どの よ うに変換 され る のか ( つ ま り,どのよ うな写像規則が基準 となるのか) は,当該写像 の 目的 を通 じて 決定 され る。
最終財産価値 の最大化 ( Maxi mi e rungde sVe r m' dge ns e ndwe r t e s ) とい う目標 設定 の達成度 を測定す る会計 は,意思決 定 計算 ( Ent s c he i dungs re c hnung ) で あ る 7 ) したが って,本稿 で は ,Sc hmi e de r の見解 を跡づ けることに専念す る。 それ ゆえ,
論説 とはせず 「 研究 ノー ト」 として提示す るものである。 もちろん,筆 者 ( 松本 ) 自身 による検討結果 について は,いずれ稿 を改 めて示す ことにす る。 なお,以下 に おいて ,Sc hmi e de r( 1 9 8 4) の訳 出部分 は活字 ポイ ン トを小 さ くして示す こと とす る。 さ らに,当該訳 出部分 にお ける挿入文 ((… )で示 され る箇所) お よび脚 注 は,訳者 ( 松本) による補足である。 また,当該訳 出部分 において " " で示 さ れ る箇所 は,原著 における引用文であ り,下線 を付 した箇所 は,原著 にお け るイ タ
リック体 を意味す る。
8 )Sc hmi ede r( 1 9 8 4)pp.1 3 3 ‑ 1 3 4 0
9 ) " Re c hnungs we s e n" を 「 会計 ( 計算)制度」 と訳す場合 もあ るよ うだが ( 松 本 剛 ( 1 9 9 0)p.7 ) ,本稿 で は,たんに 「 会計」 と訳 す。 ただ し ,Sc hmi e de r にお い て も, " Re c hnuns l e gung" ( 会計報告) とは区別 して用 い られている。例えば,そ れは,年度決算書作成 目的に言及 した以下 の論述か らも明 らかで あ る ( Sc hmi e de r ( 1 9 8 4)p.1 3 ):
" 会計報告 " .とは,既 に実現ない し計画 された決定処置の財務的諸結果 につ いて
情報伝達 を行 うことを意味す る。 と くに,情報受容者の目標観 が,どの程度 実現 さ
れたかについて情報 を伝達す ることを意味す る。 その際 ,会 計報 告 は,企業外 部 の
第三者 に対す る弁明 ( Re c he ns c haf t ) に役立っ と共 に,企 業 内部 へ の 自己情報 伝
達 ( Se l bs t i nf or mat i on) に も役立っ。
と同時 に統制計算 ( Kont r ol l r e c hnung) で もあることが求 め られ る。 したが って, そのよ うな会計 は,最大 の最終財産価値へ と導 くプロジェク トを選択す るだけでな く, この意思決定 を後で改訂 しなければな らないのか どうかを統制す るか,あ るい は,若 干の適合措置が必要 なのか ど うかを統制す るもので もなければな らない 1 0)0
( 途中略)
分配可能利益 を算定す る貸借対照表 ( 商事貸借対照表 ( Hande l s bi l anz )) が作成 され る場合 には,名 目的資本 を減少 させ ることな しに企業か ら最大限い くら引 き去 る ことがで きるのか,とい う疑問が前面 に置かれ る。 これに対 して,成 果 ( ‑最 終財 産 最大化 とい う目標設定の実現度) を測定す る貸借対照表 の場合 には,当期 に行 われ た 決定処置 ( Di s pos i t i on) l l ) を通 じて企業 の財産が どのよ うに変動 したのか, とい う 疑問が取 り沙汰 され る。 この貸借対照 表 が実 際 の状況 を措 くの は,将来 の収 支流列
( zahl ungs re i he )1 2 ) に与え る意思決定 の総 ての影響が当該貸借対照表 において反 映 されてい る場合だけである。成果測度 ( Er f ol gs maB) の結果 は,"企業 ( 企業 経営
1 0 ) したが って,経済的利益算定 な らび に資本理論 的貸借対 照 表 に関す る Sc hmi e de r の考察 は,最終財産価値最大化 を企業 ( 会計) の目標設定 と した上 で行われている 。
この ことの妥 当性 について,彼 は,第 Ⅱ章 の後半 ( Sc hmi e de r ( 1 9 8 4)pp.5 4‑ 6 3) および第Ⅳ章 ( pp.1 0 5 ‑ 1 31 ) において論及 している 。Sc hmi e de r によ る これ らの 論及 について は,いずれ稿 を改 めて検討す る。
ll )本稿で は, " Di s pos i t i on" を 「 決定処置」 と訳す。 この ことについては,以下 の定 義 を参照 ( Bi bl i ogr aphi s c he sl ns t i t ut( 1 9 7 4 )p.77 4):
Di s pos i t i on とは,経済的 には,労働力 , 機械 および原材料 の投入 に関す る ( 一般 的には,生産諸要素 の利用 に関す る)処置 ない し意思決定 を意味す る。
1 2 ) 彼 は,第 1章第 3
節( Sc hmi e de r( 1 9 8 4)pp.1 6 ‑ 2 0) にて,使 用 す る重要 な基礎 概念 を定義づ けている 。 それ によれ ば,収支流列 は,以下 の よ うに ( Sc hmi e de r ( 1 9 8 4)p.1 7 ) ,収支 フロー ( Zahl ungs s t r om) と区別 して用いることが意 図 され ている :
収支 ( Zahl unge n) とい う場合 には,連続的な収支 フローか もしくは,割 り引 か れた収支 フローが取 り扱 われ る。
投資計算 の諸 目的 には,割 り引かれた収支 フローが想定 され る 。 計画 区間 は,敬 期間 に細分 され る。
. ‥ 収支 は,特定 の期間に割 り当て られ る。 その際," 期間毎 の金額全 部 ( 支 出 な い し収入 ,筆者)が,期首 もしくは期末 に支払われ る"とい う仮定か ら出発 され る。
この仮定か ら出発す ることで,収支 フローが収支流列 に変換 され る。 そ うす れ ば, 投資計算 および資金調達計算 の諸方法 の助 桝 こよ って,異 なる収支 流 列 を比 較 す る ことがで きる。支 出は,マイナス値 によ って,収支 はプ ラス値 によって表 わされ る。
したが って,資本価値貸借対照表作成 に際 しては,実際の収支 フ ローが計算対象
とな るので はな く,それ ら収支 フローを各会計期間の期首 または期 末 のいずれ か に
位置づ けた上 での収支流列 が計算対象 とされ る。
者,筆者) の活動結果が比較的有益であ ると判定 され うるな らば,それ に応 じて,よ り高 い値 を想定 しなければな らないであろう"。 もし,将来 の損失 しか顧慮 されず将 来の利益が排除 され るのであれば ( 商事貸借対照表 のよ うに) ,その場 合 に は,投 資
プロジェク トや資金調達 プロジェク ト 1 3 ) が不完全 に しか写像 されないことになる。
したが って ,Sc hmi e de r は,最終財産価値最大化 を前提 と した意思 決定 ・統 制 計 算 を会 計 目的 とす る限 りに お い て ,取 得 原 価 主 義 お よ び収 益 ・費 用 概 念 に 基づ くこれまでの貸借対照表以外 に,将来の収支流列 を写像対象 とす る新 たな
1 3 )Sc hmi e de r( 1 9 8 4 ) において述べ られ るプロジェク ト ( Pr oj e kt ) とは,個 々の投 資計画 ない し資金調達計画 を意味 し,それ ら各計画か ら構成 され る何 らか の全体 計 画 は,プログラム ( Pr ogr a mm) と呼んで区別 されている。 また,彼 によれば,義 適 な投資 ・資金調達 プ ログ ラム は,いわ ゆ る同時 的計 画設定 ( s i mul t anePl an‑
ung) に基づ いて作成 され ねば な らな い。 以 上 の ことは,次 の論述 ( Sc hmi e de r ( 1 9 8 4 )p.2 3,pp.3 6 ‑ 3 7 ) か らも明 らかである :
本章 ( 第 正章)で は,∴ (原則 として)個 々の投資 プロジェク トや資金調 達 プ ロジェク トの選択 しか行 わない資本価値法や内部利子率法か ら出発 して, (その 後)投資 ・資金調達 プログラムを計画設定す るための同時的な計算手 法 が述 べ ら れ る 。
( 途 中略)
資本価値法および内部利子率法 は,いずれ も,パ‑ シャルモデルで ある。 … こ れ ら 2 つ の手法 にあ って は,投資可能性 や資金調達可能性 の不足 部分 が,計 算利 子率 を通 じて表わ され る。
その際 には,完全資本市場が想定 され る。
( 途中略)
資本底値法および内部利子率法が… 適用で きるの は, 1 つ の計算利子 率 が導 出可能 な場合だけである。
( 途中略)
投資決定 に際 して は,投資 プロジェク トの収支流列 だけで な く,資金調達 プ ロ ジェク トの収支流列 も ( 併せて)考察 されねばな らない。
( 途 中略)
"したが って,投資決定 に対 す る需要 は,資金調達 の種類が周知 の場合 に初 めて 決定す ることがで きる。 また,資金調達手段 に対す る需要 は,投 資 プ ログ ラムが 周知であ るときに初 めて指示す ることがで きる"。 この ことか ら,同時 的計 画設 定 の必要性が生 まれ る。
なお,彼 は,同時的計画設定 の適用 に際 して ,Kr us c hwi t z( 1 9 7 8 ) に基 づいて
( ただ し,筆者 ( 松本)が直接手 に したのは ,Kr us c hwi t z( 1 9 8 7 ) である),その
具体的手法を展開 しているよ うであ る。
貸借対照表 を作成す る必要性 を主張 しているのである。 しか し,そ の際 に は, 見積 られた収支流列 を直接表示す るので はな く,当該収支流列 を割 り引 くこと が必要 となる 。 この点 について,彼 は,次 のよ うに述べている 1 4 ) 0
最終財産価値最大化 とい う目標設定 を達成 しかつ統制 しうるに は,( 期待 され る) 将来 の総 ての収支が,考案 の中に含 め られねばな らない。すなわち,この ことは,‑
前章 にて示 されたように‑ 投資 プロジェク トや資金調達 プロ ジェク トの収支流 列 に ついての現在価値 ( Bar we r t ) を貸借対照表上 に計上す ることによって行われ る。
もし,現有 の財産対象および債務 の ( 取得)価額 しか,貸借対照表 に計上 され ない とすれば,それは,企業 の財産 を不完全 に しか把握 していないことにな る。 そ こで は, 将来 の収入 および支 出の うちの一部 しか,貸 借対 照表 に計上 されて いな い。 最 終 的
( 清算時) には,個 々の財産対象 の価額 も,それ らの収支 を通 じて決定 され る 。 つ ま り,( 清算価値 ない し収益価値 を計上す るときの)将来 の ( 期待 され る) 収支 を通 じ てか,あるいは,( 実際の)過去 の収支 ない しそれの うちの一部 ( 叡得原価 ない し一部 分減価償却 された取得原価)分 を通 じて,もしくは,仮定 的な現在 の収 支 ( 再調 達価 額) を通 じて決定 され るのである 。
したが って,最終財産価値最大化 とい う目標 の達成度 を測定す るもの と して の貸借 対照表 は,現有 の財産対象 を写像す るので はな く,割 り引かれた収支流 列 を写像 す る
のでなければな らない 。
貸借対照表 日における財産の価額 は,貸借対照表 日に割 り引かれた収支流列 と貨 幣 在高 とか ら構成 され る。
彼 は,以上 の貸借対照表を現在価値貸借対 照表 ( Bar we r t bi l anz) ない し資 本価値貸借対照表 ( Kapi t al we rt bi l anz ) と呼ん で い る1 5) 。 それで は,こ う し
た資本価値貸借対照表 の作成 に際 して,将来 の収支流列 が何故 に割 り引かれね ばな らないのであろ うか。彼 によれば,この割引計算 の必要性 は,次 の点 にあ る 1 6 )0
1 4 )Sc hmi e de r( 1 9 8 4)p.1 3 5 0
1 5 ) ただ し,彼 は,現行 の企業 において不可欠 の財産 目録作成機能 ( I nv e nt ar i s i e r ungs ‑ f unkt i on) は,資本価値貸借対照表 の作成 を通 じて は満 たす ことがで きな い ことを 認 め,いずれにせ よ ( 会計制度上)作成 されねばな らない商事貸 借対 照表 が, この 機能 に供す ると述べている ( Sc hmi e de r( 1 9 8 4 )pp.1 35 ‑ 1 3 7 ) 0
1 6 )Sc hmi e de r( 1 9 8 4 )pp.1 37 ‑ 1 3 8 0
異 なる期間における同額の収支 は,同 じ重みを持 ちえない。現在 により近 い収支 は, よ り強 くウェー トづ けられ,より遅 い収支 は,よ り弱 くウェ‑ トづ け られね ばな らな い。 ゆえに,異 なる時点 に生 じる収支 は,割引計算 を通 じて比較可能 にされる。
割引計算要素 ば 7 ) ,時間選好の表現である。時間選好 は,個 々の効用観 を通 じて, つま り,収支を評価す る者の個々の消費選好を通 じて決定 され る。 したが って,割 引 計算要素 は,個人 ごとに個別 に算定 されねばな らないであろう。 というの も,誰 もが, 他人 とは異なった選好 を持 ち うるか らである 。 もっとも,こうした算定 は,困難 な企 てであろう。
この ジレンマは,資本市場を通 じて解決 される。 なぜな ら,経済行為者 は,消費 ま たは投資のための自身 の貨幣需要 を,資本市場で満 たす ことがで きるか らで あ る。 資 本市場 とは,国民経済 の構成員 たち個 々の時間選好 を
,1つの全体 的時間選好 へ と変 換す るものである。現在か ら比較的遅 い収支 は,資本市場での借入 を通 じて補償 す る
ことがで きる。か くして,資本 コス ト ( 支払利子率) とは,支出が遅 れて行 われ るこ とに対するコス トであ り,それゆえ,この利子率 は,他人資本 の借入 が引 き起 こす よ うな,遅れて行われる支 出に適 した割引計算要素であろう。
逆 に,比較的早 く生 じる収入 は,資本市場 に投下す るか,その他 の プ ロジェク トに 投資す ることがで きる。 こう‑ したケースでは,割引計算要素 は,機会原価 を顧慮 しな ければな らないであろう。つまり," 将来 のその時々の会計期 間 において投 資家 が, 次善の資本投資か ら稼得 しうるであろう利子"でなければな らないであろう。 したがっ て,割引計算要素 は,以上 のようなさまざまな収支発生が他人資本 の借入 へ と導 くの か,それ とも,資本市場への貨幣投資へ と導 くのか ということに依存 して い る。 資本 市場が不完全であることによって,支払利子率 と受取利子率 とが異 なって い るのが普 通である。
以 上 の こ とか ら も明 らか な よ うに,見 積 られ た将 来 の収 支 流 列 を割 り引 く こ とは,当該 収 支 流 列 に対 す る時 間選 好 を表 現 す る こ とに な る 。 も っ と も, そ の 際 ,当該 企 業 そ れ 自体 に と って の そ の時 々 の 時 間選 好 ,つ ま り,割 引 利 子 率 を いか に して計 上 す るの か が 問 題 とな る 。 この こ と に つ い て ,Sc hmi e de r は,先 ず初 め に,次 の よ うな整 理 を行 って い る1 8) 0
1 7 ) 割引現在価値算定 に際 して用い られ る割引利子率 は,さまざまに呼ばれる 。Sc hmi e ‑ de r( 1 9 8 4 ) にあ って は,割 引計算要素 ( Di s kont i e r ungs f akt or ない し Abz i n
‑s ungs f akt or ) と呼ばれることが多 い。 なお,本稿で は , 「 利子率」 を Zi ns f uB とし て統一的に示す。
1 8 )Sc hmi e de r( 1 9 8 4 )pp.1 3 8 ‑ 1 3 9 0
文献では,割引計算要素 の算定 に関 して,以下のような異 なる 2 つ の傾 向が見 られ る。
1.割引計算要素の基本 は,それが外部的計算量である点で あ る 。 す なわ ち,割 引計算要素 は ,1 つの基礎利子 ( Bas i s z i ns ) と附加計算 ( Zus hl age n) か ら算 出され る。附加計算を通 じて,基礎 ( 利子) と個々の企業 との差異 が埋 め られるべ きで あ る. 基礎利子 と して は,"一般利子率 ( 1 ande s i i bl i c he r zi ns f uB) "," 株式収益率 ( Akt i e nr e ndi t e ) ",産業部門別収益率 ( Br an‑
c he nr e ndi t e ) , あるいは一般利子率 と産業別収益率 との中間値 が用 い られ る。 その次 に,この基礎利子率が,さまざまな附加計算分だ け広 げ られ る。
例 えば,流動性の附加 または リスクの附加 といった具合 にである。
2. 割引計算要素 は,経営体 の内部的計算量である。割引計算要素 とは,投資代 替案 の内部利子率であ り,修正 は必要ない。 というの も,総 て の要素 が (当 該内部利子率 にて)既 に顧慮 されているか らである。
基本的には,両者の概念 は同 じことを望んでいる。すなわち,両者 は,当該経 営体 独 自の割引計算要素 を算定 しようとしているのである。 この目標へ と向か う道 が,一 方 (1) では,‑ 一般か ら特別へ と‑ 間接的に追求 され,他方 (2) で は,当該経 営体の内部的値を通 じて直接的に追求 されるのである。
以上の分類 に関 して,前者 ( 1)は,いわゆる資本価値法 において適用 され る 割引利子率を指 し示 し,後者 (2) は,いわゆる内部利子率 ( i nt e r ne rZi s f l 1 8) 法 において使用 され る割引利子率を意味す る。前者 にあって は,資本市場 にお
ける何 らかの一般利子率 が,基礎利子率 と して選択 させねば な らな
い。Sc h‑
mi e de r によれば,この一般利子率 は,次のような見地か ら選択決定 されねばな らない 1 9 )0
" 殆 ど総ての考察が,次の ことか ら出発 している。すなわち,リスクフ リーな貨幣 投資にとっての基礎利子が,考察 の基礎 に置かれねばな らない… " ということか ら出 発 している 。 けれども,全 くリスクフ リーな貨幣投資 というものは存在 しない。 それ ゆえ,一般利子率 は
,1つの "モデル概念" である。一般利子率 として は,最低 の リ スクを伴 った利子率,つま り,準確実 ( ql l aS i ‑ s i c he r ) な投資 (の利子率) が決定 さ れる。具体的にどのような投資が選択 され るべ きかについては,見解が分かれている。
一般利子率 は,以下の 3つの要件を満た していなければな らない。:
1.債務者 の支払能力が間違 いな く存在 していなければな らない。 つ ま り,当該
1
9)
Schmieder (1 9 8
4)pp
.1
39
‑ 14 00
信用および利子を返済す るについての リスクが,極めて低 い状態 で なければ な らない。
2. 上記 の リスクが,公 けに手 に入いるものでなければな らない。 す なわ ち,秤 価者 は,当該 リスクを知 りえなければな らない。
3. いずれの企業 も,上記 の投資を購入 しえなければな らない。
以上 3つの条件が与え られるのは,国債や州債な らびに市町村債券の場合であ る 2
0)。こうした一般利子率 は,国民経済の資本市場状況を反映 している。 この利子率 は, 可能な最低利子を指 し示 してお り,したが って,割引計算率の下限を表 わ して い る。
このような投資 は準確実であ り,その結果 ,この利子率 を下回 ってはな らない。
ただ し,一般利子率 は,企業 の行 う資本投資の可能性 に関 して は,あ ま り言 明 して いない。 いずれの企業 も,‑ 資本市場 と同 じよ うに‑ 固有の資本供給や資本需要 を 有 してお り,そ うした供給および需要を通 じて,当該企業で は,資本 の使途 につ いて
1 つの壁 が‑ 資本市場のときと同様 に‑ 形成 される.
一般利子率 は,割引利子率 の下限 とい う機能 しか有 してお らず,さ もなけれ ば, こ の利子率 は,割引計算要素を算定す るのに適 していない。
以 上 の よ うに,一 般 利 子 率 と して の要 件 を満 たす の は,何 らか の 公 債 利 子 率 とい う こ とにな る。 た だ し,この利 子 率 は,あ くまで基 礎 利 子 率 で あ り,個 々 の企 業 へ の適 用 に際 して は,何 らか の附 加 計 算 が行 わ れ ね ば な らな い。 この附 2 0 )Sc hmi e de r は,さらに,産業部門別収益率や株式収益率 を一般利子率 と して適 用す
ることについて ,He l bl i ng ( 1 9 7 9 ) によるスイスの状況に基づいて,次のよ うな否 定的論拠を示 している ( Sc hmi e de r( 1 9 8 4 ) pp. 1 4 3 ‑ 1 4 4 ):
国債の収益率 は,産業部門別収益率 よ りも高 いのが普通である。
( 途中略)
もし,産業部門別収益率が,割引計算要素 として用い られ た とす れば,国債 の場 合の リスクは,企業への資本投資の リスクよりも大 きい,とい う考 え に等 しくな る であろう。 このことか らも,次のような答 えが引 き出され る。 す なわ ち,産業部 門 別収益率を通 じては,当該部門固有の リスクが含 め られ てお らず,逆 に,そ こでの リスクが,国債 の リスクよ りも低 く評価 されているのである。 したが って,産業部 門別収益率 は,割引計算要素 として使用不可能である。
以上の局面 の下で株式収益率を も考察すれば,国債の収益率を株式会社 の平 均収 益率 と比較 したとき (いずれ も所得税徴収前) に,以下のような姿 となる。
( 途中略)
産業部門別収益率 (の適用) に対 して述べ られたの と同 じ反対論拠 が,株式収益
率について も妥当す る。すなわち,( 総ての年度 ‑ ( 1 9 7 4‑1 9 7 8 年) の)総ての株式収
益率が,国債 の収益率を下回 っているのである。
加 計 算 を施 す こ と につ い て ,Sc hmi e de r は,次 の よ うに述 べ て い る2 1 ) 0
基礎利子率 は,企業 リスクや資本流動性 ( Mobi l i t atde sKapi t al ) 2 2 ) お よび貨 幣 価値下落 に対処す るための附加計算 を通 じて,個 々の企業への適合が図 られ る。
( 企業 リスクの附加計算 について‑) " 経営経済上 の リス クは,それ の収益 や維 持 ( 還元流入 も)が不確実 な企業 に資本が投入 される,とい う状況 か ら生 まれ る"。 割 引 計算 を通 じて比較可能 にされ る収支 フローが確実なの は,例外的なケースにお いてで しかない。 しか し,た とえそ うであると して も,企業所有者 は,将来 の期 間 につ いて の収入 フローおよび支 出 フローを見積 ることを余儀 な くされ るのが普通である 。 当該 収入 フローが よ り遠 い将来 に及べば及ぶ ほど,誤 った見積 りの起 き る恐 れが,よ り大 きくな る。 もし,例 えば州債利子率 ( Lande s 去 i ns f uB ) とい った基礎利子率か ら出発 され るな らば,当該基礎利子率 を引 き出 した ときの収支 フローと ( 実際 の)投 資 の収 支 フローとの間には,収支 フローの発現す る確実性 につ いて,異 な った度合 いが存在 す ることになる。 もし ,2 つの投資が比較 され るな らば,その比 較 に際 して,両 者 の 投資の リスク差額が含 め られねばな らな い 。 この リスク差額 を顧慮す るにつ いて,吹
の 2 つの方法 が示 され る 23 ) 0:
1. リスク差額 は,収支流列 の算定 に際 して既 に顧慮 されている。
2. リスクの附加分 だけ,割引計算要素が引 き上 げ られ る。
( 流動性 の附加計算 につ いて‑ →) " 企業 (ない し長期的投資,筆 者) 内 に投下 され るべ き資本 は,長期的に拘束 され る。 それ は,よ り有利 な投資可能性 が認知 され えな いことに困 る"。 それゆえ,さまざまな著者 によって,流動 性 の附加 が提案 され て い る 。Di e z( Di e z( 1 9 5 5 )p.5 ) は,いずれの投資家 について も ,5 0% の附加が顧慮 さ れ ることを望んでいる 。
ここで は,計画区間の最終時点以後 に生 じる収支 を含 める際 に起 きるの と同 じ問題 が,存在す る。 いずれのケースにおいて も,現時点では入手 して いな い情報 を,意思 決定 に際 して顧慮す ることが求 め られて いる。 もし,意思決定 に際 して,よ り良 い投 資可能性や資金調達可能性 が既知であれば,そ うした可能性が含 め られ て いた筈 で あ
る。
(イ ンフ レーシ ョンの附加計算 について‑) "̀ 固定利子 '付 の投 資 の場 合 ,イ ン フ レーシ ョン時で は,毎年 の流入 は,̀ 名 目的'には等額 であるが,̀ 実質 的'( す なわ
2 1 )Sc hmi e de r( 1 9 8 4 )pp.1 4 4 ‑ 1 4 6 0
2 2 )Sc hmi e de r は,ここで は,流動性 を Mobi l i t at と呼んで論述 しているが,この後 に 示 され る内生的利子率 の決定 にとって必要 な流動性制約条件 を述 べ る際 に は ,Li ‑ qui di t at と呼んでい る.
2 3 ) 前者 の手法 について は,例 えば拙稿 ( 1 9 8 5 ) において も ,Sc hi l dbac h ( 1 9 7 5 ) の見
解 に基づ いて,その展開が示 された。
ち購買力的) には下落 している。 これ とは逆 に,企業持分 ( 配 当) の場 合 に は,次 の よ うな機会が存在す る。すなわち,毎年 の流入が ̀ 名 目的'に はイ ンフ レ率分 だ け増 えて行 き,したが って,̀ 実質的'には同額 のままか,いずれにせよ下落 しな い とい う 機会である"0
企業 内への投資‑ とりわけ実物投資‑ の場合,イ ンフ レーションは,収支 フロー の実質 的価値 に対 して何 ら影響 を与えない。 とい うの も,イ ンフ レ率 に即 して,収入 余剰が, (当該投資 プロジェク トの取得)価格 を上 回 っているのが普通だか らである。
資本市場での固定利子付 の金融投資 の場合 には,将来 の収入 が,"名 目的" に は一定 不変 のままである‑ したが って,貨幣価値下落時には," 実質 的" には減少す る‑ 0
この ことについて,多 くの著者が次 のよ うに述べている。すなわ ち,それ ゆえ に貨 幣価値下落 も ( 可能 な限 り)既 に見越 されている,つま り,一般 利子 率 は,貨 幣価値 下落 とい う前提 を既 に含んでいる,と述べているのである。
このよ うな一般利子率が企業持分 の割引計算 に適用 され る場合 には,一般利子率 は, このよ うに見越 された貨幣価値下落前提分だけ高過 ぎることになる。州債利 子率 が基 礎利子率 として適用 され るな らば,イ ンフレ前提分 を改 めて差 し引かねばな らな い。
貨幣価値下落 は,収支 フローを算定す るときに顧慮 され るべ きであろ う 。 なぜ な ら, 当該投資 ( 州債) は," 特別 に ̀ 利得を受 ける'こと もあ るが,̀ 損害 を被 る' こと も あ り" うるか らである。 イ ンフ レ率 は,その他 の要素 と同 じく,収支 フロー に作 用 す るものである。 それゆえ,イ ンフ レ率 は,収支 フローを計算す るときに含 め られね ば な らない。
以上 の言明か らも明 らかなよ うに,一般利子率を出発点 として何 らか の附加 計算を施す ことは,本来 は収支流列 の見積 りに際 して顧慮 され るべ き事柄 で あ るか,あるいは,意思決定計算時点で は不明の事柄 を顧慮 しなけれ ばな らない ことにな る 。 したが って,割 引利子 率決 定 のた めの第 1 の手 法 は ,Sc hmi e ‑ d e r の次 の要約 によれば 2 4 ) ,適用不可能で あ りかつ否定 され ることとな る 。
以上 のよ うな基礎利子率 は,考察 の外枠 しか形成 しえない。株式収益率 や産業部 門 別収益率 は,既 に問題外である。 なぜな ら,これ らの収益率 は,算 定 しえ な いか らで ある。一般利子率 は,割引計算要素 の土台を指 し示 している (に過 ぎない)。 それ ゆ え,我 々は,割引計算要素 を間接的に算定す るとい う ( 第
1の) 考 え を,否 定 す る も のであ る。
2 4 ) Sc hmi e de r ( 1 9 8 4 ) p. 1 4 6 0
次 に,Sc hmi e de r は,第 2 の手法 ,つ ま り,いわ ゆ る内部利子 率 を もって割 引利子率 とす る考 えにつ いて,具体的には M註ns t e r mann ( 1 9 6 6) の提案 を次 のよ うに捉えている2 5 ) 0
Mh ' ns t e r mann によれば," 他の場所‑の投資が行われ るときに く当該投資 の)購 入者が 自らの資本を稼得 しうるような将来 の内部利子率が,割引計算率 を"提供する。
他の場所‑の投資 として は," 最大収益率を示す"投資が基礎 に置かれねばな らない。
したが って,割引計算率 は," 機会原価を顧慮 している"0
Mi i ns t e r mann は,実行 されえない ( 訳者傍点)最良の投資 プロジェク トにつ いて の内部利子率 を用いて,投資 プロジェク トの有利性を測定 しているのである。
要す るに, Mh ' ns t e r mann の提案 による内部利子 率 は,限界投 資 プ ロジェ ク トが実現 されない ことによって生 じる機会原価 しか含 めていない。 そ こで は, 限界資金調達 プロジェク ト ( の コス ト)が含 めてお らず,さ らには,投資 プ ロ
ジェク トと資金調達 プロジェク トとの関連性 も顧慮 されていないことにな る 。 Sc hmi e de r によれば,以上 の要件 を満たす割引利子率 ( その意味で は広義 の内 部利子率 と言 え るか もしれない) こそが,内生的利子率 なのである。
内生的利子率の計上
Sc hmi e de r の主張 は,この内生的利子率 に基づ いて資本価値貸借対 照表 を作 成す ることにあ る 。 すなわち,最終財産価値最大化 とい う目標設定を統制 しう
る資本価値貸借対照表 は,将来 の各期間 における,投資 プロジェク トや資金調 達 プロジェク トの収支流列が,当該各期間の内生的利子率 によって割 り引か れ
た上で,作成 され るものでなければな らない。
したが って,この内生的利子率 は,外部的計算量 としての ( 一 般利子率 の よ うな)計算利子率で はな く,また,限界投資 プロジェク トしか顧 慮 して いな い 内部利子率であ って もな らない。 それ は,限界投資 プロジェク トと共 に限界 資 金調達 プロジェク トを も顧慮 した ものでなければな らない。
そ うした内生的利子率 は,いか に して計上 され,また,どの よ うな意 味 を有
25 ) Sc hmi e de r( 1 9 8 4 ) p. 1 4 6 0
す る もの な の で あ ろ うか. この こ と につ い て ,彼 は ,次 の よ うに述 べ て い る2 6 ) 0 内生的利子率 は,流動性制約条件 ( Li qui di t at s r e s t r i kt i one n) について の補助変 数 ( Hi l f s v ar i abl e n) の シャ ドープライス ( Sc hat t e npr e i s e ) を通 じて決定される 2 ㌔ 2 6 )Sc hmi e de r( 1 9 8 4 )p.1 4 8.
2 7 ) 要す るに,資本供給 ( 資金調 達 ) 関数 と資本需 要 ( 投 資) 関数 との交点 ( De an ( 1 9 5 2 )p.6 3 による " c ut ‑ of f ‑ poi nt ")が,内生 的利子率 なので あ る 。 また,と く に多期間投資の意思決定 に際 して の内生 的利子 率 の算 出 は ,Sc hmi e de r によれ ば ( Sc hmi e de r( 1 9 8 4 )pp.5 0 ‑ 5 3 ) ,線型計画法を通 じて得 られ る シ ャ ドー プ ライ ス に基づいて行われ る。 この線型計画法 の適用 に際 して,示 され るべ き制 約 条件 お よ び目標関数 について,彼 は,次 のよ うに述 べ て い る ( Sc hmi e de r ( 1 9 8 4)pp.5 0 ‑ 5 1 ):
1
期間 モデルの ときと同様 に,多期間 モデルにおいて も,財務 的均衡 の保 持 が, 当該 モデルの存続 にとって必須 の制約条件 である
。1期間のケースで は,この こと は, 資本供給関数 と資本需要関数 とを対象 させ ることによ って保障 された0 ( 多期 間の) ケースでは,この制約条件が,いずれの期間 (いずれ の収支 時点 t) にお いて も満 たされねばな らない。 すなわち,前期か ら出発すれば次 のよ うにな り,
貨幣在高 ( G卜1 ) +時点
tにおける総ての収支 合計 一時点
tにお け る引 出 金 ‑時点 t直後 の貨幣在高
そ して,この ( 時点 t直後の)貨幣在高 は,支払困難 を回避 す るため に,ゼ ロ以 上でなければな らない。:
1
Gt ‑ i + ∑ z t 。 X 。+f t ・E ‑G t ≧O i ‑0, . . . ,n
p ‑ 1
Gt 時点 t ( 直後 の)貨幣在 高 ,Gt ‑ 1 ‑AG く 開始貨幣在高)
Z t。 時点
tにおける,投資 プロジェク トまたは資金調達 プロジェク トの収支 Xp プロジェク トPについての係数
f t ・E 時点
tにおける,引出 ( f t < 0) ない し内部留保 ( f t > 0) E 引出 ( 内部留保)水準, E> 0
プロジェク トの係数 には,下限が設 け られ る。つ ま り,この係数 は負 で あ って はな らない。 プロジェク トの遂行 は,中止す ることだけがで きる。 つ ま り,負 の 遂行 はあ り得ないのである。
しか し,上限 も考え られ る。 それゆえ,上限を伴 った プ ロジェク トにつ いて は, 以下 のよ うな副次的制約条件が掛酌 されねばな らない。:
0 ≦X 。 ≦b。 bp プロジェク ト P の上限
上述 の流動性制約条件 に際 して,指数
tに替 えて n とす れ ば,以下 の よ うな 目
標関数 が得 られ る。:
この内生的利子率が,プラス値 となるのは,任意の額 の資本をコス トをか けず に用立 てることはで きない,ということだけに関わ っている。内生的利子率 は,稀少要素 で ある資本の利用価格を指 し示 しているのである 。 もし,( 将来 の収支 を内生 的利子率 で割 り引いたときの)資本価値が,意思決定規準 と して用 い られ るな らば,次 の こと が避 け られる。すなわち,当該期間の内生的利子率 によるときよりも低 い利子 (率) を有す るプロジェク トに資本が拘束 される,といった ことが避 け られ る。 なぜ な ら, このよ うな場合 には,資本価値がマイナスとな り,当該 プロジェク トは実現 され ない であろうか ら。 この場合,内生的利子率 は,( 稀少)要素である資本 にとっての経営内 部的な計算価格 とい った機能 を引き受 ける。 こうした内生的利子率 は,最終財産価値 の最大化 という目標設定 の意味において可能な最良の使途へ と財務的資金を導 くもの である ( 指導機能 ( Le nkungs f unkt i on ))0
した が って ,この 内生 的利 子 率 に基 づ いて ,投 資 プ ロ ジェ ク トな い し資 金 調 達 プ ロ ジ ェ ク トの資本 価 値 が貸 借 対 照 表 計 上 され るな らば ,それ は,当 該 プ ロ
ジ ェ ク トにつ いて の 1 つ の意 思 決 定 論 的 ( ge r undi ve) 2 8 ) 価 値 を 表 わ す こ と に な る 。 もち ろん ,こ こで は,そ の と きの所 与 の 目標 設 定 は,最 終 財 産 価 値 の最 大化である 。
以 上 の こ とか ら も明 らか な よ うに ,Sc hmi e de r に よ る資 本 価 値 貸 借 対 照 表 の 基 本 構 造 は ,Si l be r mayr ( 1 977) に見 られ るの と同 様 に 2 9 ) , (次 貢 ) 図 の よ う
な シ ェ‑ マ とな る 3 0 ) 。
I
Gn ‑ 1 + ∑ zn 。 X。 +f n ・E ‑ G。
p‑1
時点 t 。における貨幣在高,つ まり総ての収支が完了 した後 の貨幣在高 は,最終 財産価値 ( YEW) に等 しい。 … 流動性制約条件の最終時点 ( t‑n ) の ものが,
モデルの目標関数であることが判 る。
ただ し,以上 の定式化の後 に示 された (シンプ レックス ・タブローによる) 解法 ( sc hmi e de r ( 1 9 8 4 ) p. 5 3 ) は,引出ない し内部留保を一時的に考察外 に置 いて い る。
2 8 ) ここでの意思決定論的価値 とは,所与の目標関数 ( 最終財産価値の最大化) に対 す る当該財産対象 ( 各 プロジェク ト)の優先性 ( Vor z i e he ns wi i r di gke i t ) を表 わ し ている ( Sc hmi e de r ( 1 9 8 4 ) p. 1 4 9 を参照) 0
2 9 ) Si l be r mayr ( 1 9 7 7 ) における資本理論的貸借対照表の基本構造 につ いて は,拙稿 ( 1 9 8 1 )を参照。
3 0 ) この貸借対照表 は ,Sc hmi e de r ( 1 9 8 4 ) p. 1 5 2 におけるシューマを若干整理 して示
した ものである。
貸借対照表
資 産 自己資本
‑ 積極 的現在価値 負 債
‑ 貨幣在高 ‑ 消極的現在価値
この資本価値貸借対照表 において,純財産 の期中増加額 として計上 され るで あろ う利益 について,Sc hmi e de r は,次 のよ うに述べている 3 1 ) 0
" 利益が,企業経営者 ( 投資家, 筆者) によって行 われ た努 力 に対 す る測定 尺度 で あるべ きだ として も,利益 の表示 は,業務管理者が投資 に対 して何 らかの考えを抱 き, かつ,投資 の市場機会 を認識 した,当該期間 において行 わねばな らない" かあ るいは, 当該意思決定 の下 された期間 において表示 されねばな らないであろう。
したが って,ある投資 プロジェク トの余剰 は,当該 プロジェク トにつ いて意 思 決定 が下 された期間に割 り当て られねばな らないであろう。 … けれ ど も, この原 則 的言 明 は,以下 のよ うに制限 されねばな らない。すなわち,
以上 の結論が正 しいのは,投資 プロジェク トが 自己資本で資金 調 達 され,かつ, こ の資金 を他 の場所へ利子 を求 めて投下 す ることがで きない場合であろ う。 も しくは, 当該投資 について他人資本で資金調達 され るケースでは,この他人資本 が無利 子 で用 立て られた場合であろ う。
( 途中略)
もし,投資 プロジェク トの資金調達 が他人資本で行 われ るな らば,この投資プロジェ ク トの利得 は,当該投資 プロジェク トの収入余剰 と当該資金調達 プロジェク トの支 出 超過 との,差額分 となる。 すなわち,投資 プロジェク トの利益 は,資金調達 コス ト分 だけ減 じられねばな らないのである。 内生的利子率 は,プロジェク トの有利性 につ い ての識閥を表わ してい る。 なぜな ら,拘束資本が当該期間の内生的利子率 よ りも高 い 利子 を生 み出すよ うな投資 プロジェク トが存在す るか,ない しは,用 立 て られ る資本 が当該内生的利子率 ほどにはコス トがかか らないよ うな資金調達 プロジェク トが存 在 す る,とい った場合だけが最終財産価値 を高 めるか らである。
それゆえ,意思決定 の行 われた期間において利子 として生 じるの は,収入余 剰 の現
在価値 と資金調達 コス トの現在価値 との差額‑ 資本価値‑ だ けである。 そ して, こ
の差額だ けが,投資家 ( 企業経営者) の行 った努力の成果である 。 この差額 は,資本
3 1 )Sc hmi e de r( 1 9 8 4 ) pp. 1 5 0 ‑ 1 5 1 0
価値利益
( Ka pi t al we r t ge wi nn)
と呼ばれる。自己資金が他の場所へ投下されたときに稼得されるであろう利益,あるいは,当該 自己資金が調達されなかったときに稼得されるであろう利益が,当該投資プロジェク
トの存続期間にわたって分割される。この利益 は,正常利益
( Nor mal ge wi nn)
と 呼ばれる。以上 のよ うに
,Sc hmi e de r
にあっては,投資 ・資金調達 プ ログラムにつ いて の利益 は,2
つ の利益概念 に分 け られ る。
そ の1
つで あ る資本価値 利益 は,「(当該) プロジェク トについての意思決定が行 われた時点 で発生 す る
」
もの であ り,それ は,
「当該投資 プロジェク トや資金調 達 プ ロジェク トにつ いて の 将来の各期 の収支流列 を,当該各期 の内生的利子率 によって,意思決 定 時点 の 下で割 り引いた ときの資本価値 (現在価値差額)」
に相当す る。 いま1
つの利 益概念である正常利益 (損失) は,
「少 な くとも1
つ の プ ロジェク トの1
つ の 収支が行 われ る時点以後 において初 めて生 じる」 もので あ り,それ は,
「当該 期間に拘束 され る自己資本 につ いての,当該各期 の内生的利子率 に よ る,利 子 部分 と して」算定 され る32 )。
資本理論的貸借対照表の作成
以上 において
,S c hmi e de r
による資本理論的貸借対照表 の位 置 づ け,な らび に,それの作成 に際 して重要 な役割を演 じる割 引利子率 としての内生的利子率 に関 して,彼 の主張を見て きた。 それで は,彼 の理解 に基づ く資本価 値貸借対 照表 は,具体的 にどのよ うに作成 され るのであろ うか。 また,その際,内生 的 利子率 は,いか に して決定 され るのであろ うか。 この ことにつ いて,彼 は,具 体的な設例 に基づいて,その作成例 を示 している。
本稿で は,以下 にお いて, 彼 によって示 された多期間モデルの作成例 を見 ることにす る33)03 2 )
これら2
つの利益概念に関する以上の整理は,Sc hmi e de r( 1 9 8 4 )p.1 5 1
を参照。3 3 )
以下に示す多期間モデルは,Sc hmi e de r( 1 9 8 4 )pp.1 5 8 ‑ 1 7 1
における設例を要約 整理 し,かつ,補足説明を施 したものである。なお,彼 は,これに先立 って 1期間 モデルを提示 しているが,本稿では省略する。【多期間設例つ く
3
期間 のモデル)以下 の投資 プロジェク トが選択 され る ( 下記 ) 0 :
プロジェク ト 収 支 時 点
t
o
tl t2
t3
Ⅹ1 ‑8 0 0 +2 0 0 +2 0 0 +5 3 0
Ⅹ2 ‑2 0 0 +2 0 +2 0 +2 0 0
余剰額 は ,4% の利子で無制約 に投資す ることがで きる。 この ことは,以下 の収支 流列 を通 じて把握 され る ( 下記)0 :
Ⅹ3 ‑1 0 0 +1 0 4
Ⅹ4 ‑1 0 0 +1 0 4
Ⅹ5 ‑1 0 0 +1 0 4
資金調達 に関 して は ,DM5 0 0 , ‑ ‑ の額で 自己資本 が用立て られ る ( 開始貨 幣在 高)0 さらに,以下 のよ うな収支 フローへ と導 く他人資本 プロジェク トを実現 させ る ことが で きる ( 下記)0 :
Ⅹ6 +4 0 0 ‑2 0 ‑2 2 0 ‑2 1 0
いずれの期間において も,それの存続期間が
1年ずつの信用を借 り入れることによっ て,追加的な資本需要 を補 うことがで きる。 この信用借入 のための利子 率 は 1 0% で あ
り,この信用借入 について上限制約 はない く 下記)0 :
Ⅹ7 +1 0 0 ‑1 1 0
Ⅹ 8 +1 0 0 ‑1 1 0
Ⅹ 9 +1 0 0 ‑1 1 0 総 てのプロジェク トは,任意 に分割す ることがで きる。
以下 のプロジェク トについて は,上限が設 け られ る3 4 )0 :
Ⅹ 1 ≦ 1 Ⅹ2
≦ 1Ⅹ6
≦ 1個 々の投資 プロジェク ト間 において,な らびに,個 々の投資 プロジェ ク トと個 々 の 資金調達 プロジェク トとの間 には,一切関係がない。
(シンプ レックス法 による)開始 タブローと最終 タブローが,以下 の
2頁 にお いて 表 わ され る3 5 )。
3 4 ) すなわち,投資機会 ない し資金調達機会 が 1 回以上存在 しない ことを意味す る。
3 5 )Sc hmi e de r( 1 9 8 4 ) pp. 1 6 0 ‑ 1 61 において,これ ら 2 つ の タブ ローが示 されて い る
が,ここで は,最終 タブローだけを以下 に示す。:
最適解 は,以下 のよ うになる
3 6)
0 :Xト l X' 2 ‑ 1 X+ 3 ‑0 X' . ‑0 , 9 X' 5 ‑0, 9 3 6 X* 6
‑ iX' 7 ‑ 1 X' 8 ‑0 Xも ‑0
以上 の投資 ・資金調達 プログラムについての財務計画 は、以下 の収支か ら構成 され
る 。
:プロジェク ト 収 支
時 点
to t l t
2t3
開始貨幣在高 1 +5 ‑8 0 0 0 0 +2 0 0 +2 0 0 +5 3 0
2 ‑2 +4 0 0 0 0 +2 0 +2 0 +2 +9 0 0 7, 3 4 4
5 ‑9 ‑2 0 0 +9 ‑9 3, 3, 6 6
6 ‑2 2 0 ‑21 0
7 +1 0 0 ‑1 1 0
現 金
0′ 0 0 6 1 7, 3 4
最終財産
開始貨幣在高 +6 ‑5 0 1 7, 0
,3
‑4
※ [ 訳者注]
・プロジェク ト4
の収支 フロ‑について :9 3, 6‑9 0 × 1. 0 4 9 7, 3 4‑9 3, 6×1, 0 4
・プロジェク ト
7
の収支 フローについて :1 1 0
,‑‑‑1 0 0 × 1. 1 Xl
x2Xa X4 Ⅹ5
Ⅹ6X
TⅩ8
Ⅹ9YI Y
2Y3 Go G
IG
2C3 bi
1 1
0 , 0 6 1 ‑ 1 ‑6 , 8 ‑2 4 , 2 0 , 0 1 1 0 , 0 1 0 , 9 0 , 0 5 8 4 1 0, 0 6 ‑ 1 ‑5 , 4 ‑0 ′ 6 4 8
2 , 1 5 2 0 , 0 1 1 40 , 0 1 0 41 0 , 9 3 6
‑ 1
1 8 2 ‑4 ‑0 , 01 1
1 1
1 1 1
1
6 , 4 9 6 , 2 4 6 2 , 5 1 2 4 , 4 8 1 5 . 4 7 2 1 , 1 8 9 7 6 1 . 0 8 1 6 1 , 0 4 1 6 1 7 . 3 4
3 6 )
上述 の個 々のプロジェク トについての当初支 出/収入額 に,これ らの最適解 を乗 じ た結果が,実現 され るべ き最適 な個々のプロジェク トを指 し,それ らの全 体 が,1 つの最適 プログラムとなる。今や我 々は,どのプロジェク トが い くらの加重係数 を もって実施 されね ば な らな い かを (シンプ レックス法 による最終 タブローにおける係数 b. を通 じて)承 知 して い る 3 7) 。実現 され るべ き以上 のプロジェク トを貸借対照表 に計上 しうるに は,当該 プ ロ ジェク トの資本価値 を算 出 しなければな らない。 この ことのためには,計画 区間 内 の 個々の期間 についての内生的利子率 が,既知でなければな らない。
我 々は,最終財産価値最大化 についての トータルモデルによって,最適 な投 資 ・資 金調達 プログラムを計算 して きたので,補助変数 ( G) の シャ ドー プ ライ ス は,先 に 示 した最適 タブローか ら読 み取 ることがで きる3 8) 。 これ らの シャ ドープライス (S
.)か ら,個 々の期間についての内生的利子率 (e
i)杏,次 のよ うに して算 出す ることが で きる 。 :
e i= Si
S l.1
我 々の最適 プログラムにとって は,以下 の シャ ドープライスが基準 となる o
S。 ‑ 1, 1 89 7 6 S 1 ‑ 1, 0 81 6 S2 ‑ 1, 0 4 S3 ‑ 1 この ことか ら,次 のよ うな内生的利子率が生 まれ る。 :
1, 1 8 9 7 6
e 2 =
〜 1‑ 0, 1 ( 期間 1 の内生的利子率)
‑ 1‑ 0, 0 4( 期間
2の内生的利子率)
‑ 1‑ 0, 0 4( 期間 3 の内生的利子率)
各期間の内生的利子率 は,以下の通 りである。
期間 1 ‑ 1 0% 期間 2 ‑ 4% 期間 3 ‑ 4%
これ らの内生的利子率 によって,多期間の投資 ・資金調達 プログラムにつ いて の資 本価値が,次 のよ うに算出 され る 3 9 )0
3 7 )前述 の最適解が,ここでの bi である。
3 8) ここでの シャ ドープライスとは,本稿 の脚注35 で示 した最終 タ ブ ローにお け る,各 補助変数列 (G 。 , . ‥ , G3 ) の最下行 における値 を示す。
3 9)以下 の算式 は ,Sc hmi e de r ( 1 9 8 4 )pp.1 6 3 ‑ 1 6 4 に け る算 式 に,訂 正 ・補足 を加 え
た ものである。
I P1 ‑‑8 0 0十2 0 0( 1
,1
)1 +2 0 0( 1
,1 )1( 1 , 0 4 )1 +5 3 0
(1,1 )1( 1, 0 4 )1
‑‑8 0 0+1 8 1 , 8 2+1 7 4, 8 2+4 4 5, 4 7‑ +2, l
l(‑採用)I
P
2‑‑2 0 0+2 0
(1,1
)1 +2 0
(1,1
)1
(1 , 0 4 )1 十 2 0 0( 1
,1
)‑1
(1 , 0 4 )1
‑‑2 0 0+1 8, 1 9+1 7, 4 8+1 6 8, 1 0‑+3, 7 7
(‑採用)I P3 ‑‑1 0 0+1 0 4( 1
,1
)1 ‑‑1 0 0+9 4, 5 4‑‑5 , 4 6
く‑却下)I P4 ‑‑1 0 0( 1
,1
)1 +1 0 4
(1,1 )1
(1 , 0 4 )1 ‑‑9 0, 9 0+9 0, 9 0‑0
(‑採用) IP5 ‑‑1 0 0 ( 1
,1
)1
(1 , 0 4)1 +1 0 4
(1,1)1
(1 , 0 4)1‑‑8 7 , 41十8 7, 4 1‑ 0
(‑採用)
FP6 ‑+4 0 0‑2 0( 1 , 1 )1 ‑2 2 0( 1 , 1 )1
(1, 0 4)1‑2 1 0
(1,1
)‑1
(1 , 0 4)1
(1 , 0 4)1
‑+4 0 0‑1 8, 1 811 9 2, 3 1‑1 7 6, 5 1‑+1 3, 0 0
(‑採用)FP7 ‑+1 0 0‑1 1 0
(1,1 )1 ‑+ 1 0 0‑1 0 0‑ 0
(‑採用)FP8 ‑+1 0 0( 1, 1
)1 ‑1 1 0( 1
,1 )1( 1 , 0 4 )1 ‑ 十 9 0, 9 0‑9 6, 1 5‑ ‑5, 2 5
(‑却 下)FP9 ‑ +1 0 0
(1,1)1
(1, 0 4 )1 ‑1 1 0
(1,1)‑1
(1 , 0 4 )‑1
(1 , 0 4)1‑+8 7, 4 1‑
9 2, 4 5‑ ‑5, 0 4
(‑却下)プロジェク ト
1, 2
および6
は,完全実施 され る。 プロジ ェク ト4, 5
お よび7
は,限界 プロジェク トであ り,それゆえ,部分的 に しか実施 されない。個 々の投資 プロジェク トおよび資金調達 プロジェク トの収支 が,当該 内生 的利子率
(ei
) で割 り引かれ るな らば,"最適 プログラムに属す るプロジェク トは,総 て,非 負 の資本価値 を有 し,そ して,却下 され るべ きプロジェク トは,総 て,マ イ ナスの資 本価値 を有 している"01期間設例 の ときと同様 に,個 々のプロジェク トについての資本価値 が貸借 対席表 計上 され る。投資 ・資金調達 プログラムに関す る意思決定前 の現金在高は
,DM5 0 0
,‑‑ (自己資金)であ った。意思決定前 の貸借対照表 は,以下 の様子 となる (下記)0 : 意思決定前 の貸借対照表
意思決定後 の貸借対照表 には,現金在高 と共 に,当該投資 プロジェク トお よび資金 調達 プロジェク トにつ いての資本価値 が含 まれ る。 この ときの貸借対 照衷 も,再 び,
時点 t
。での貸借対照表 と呼ばれ る4
0)04 0 )
以下 において示す貸借対照表 および各勘定での略記号 は,次 のよ うな内容である。 :
IP.
投資 プロジェク トAB
期首在高時点
t
。での貸借対照表ⅠPI DM 2, l l
ⅠP2 DM 3, 7 7
ⅠP4 DM O
ⅠP5 DM O
現 金
FP6 FP7 DM DM DM 5 0 1 0 3, O,‑‑
: Ge
自己資本wi nn DM DM 5 1 0 8, 0, 8 ‑ 8 ‑
期首 には,この貸借対照表 が,再 び,個 々の勘定 に細分 され,その ときの期首 在高 は,その ときの貸借対照表 に計上 されて いる資本価値である。tlにおける期間利益 は, 拘 束 され て い る 自己資金
( 51 8, 8 8
‑ 自己資本5 0 0+
時 点 t。に お け る資 本 価 値 利 益1 8, 8 8 )
についての,内生的利子率( 1 0%)
による,利子 部分( 51, 89‑5 1 8, 8 8× 0 , 1 )
に相当す る
。
投資 プロジェク ト1
AB DM 2 , l l Aus z. DM 8 0 0
,‑‑Ge w. DM 8 0, 21 EB DM 8 82, 3 2
現 金
AB DM 5 0 0
,‑‑ⅠPI DM 8 0 0
,‑FP6 DM 4 0 0
,‑‑ⅠP2 DM 2 0 0
,‑‑FP7 DM 1 0 0
,‑‑EB O
資金調達 プロジェク ト
6
投資 プロジェク ト
2
AB DM 3 , 7 7 Aus z. DM 2 0 0, ‑
Ge w. DM 2
0,38EB DM 2 2 4, 1 5
資金調達 プロジェク ト
7
FPi
資金調達 プロジェク トEB
期末在高Aus z.
支 出Ge w.
当該.プロジェク トについての利益Ei nz.
収入Ge wi nn
意思決定時点 ない し当該期間の利益経常利益 および費用 は,損益勘定 に集 め られ る。
損
益FP6 DM 3 8, 7 0 ⅠPI DM 8 0, 21
FP7 DM 1 0
,‑‑Ge wi nn DM 51 , 8 9 ⅠP2 DM 2 0, 3 8
時点
t
lにおける貸借対照表で は,自己資本が,t
。における利益分( 1 8, 8 8 )
だ け既 に増加 している( 5 1 8, 8 8 )
0tl直前 の貸借対照表
ⅠPI DM 8 8 2, 3 2
自己資本DM 51 8, 8 8
ⅠP2 DM 2 2 4, 1 5 FP6 ] ⊃M 4 2 5, 7 0
現金DM O FP7 DM 1 1 0, ‑ ‑
Ge wi nn DM 5 1, 8 9
期間 t2の期首 において も,再 び,上記貸借対照表が個 々の勘定 に細分 され る。
投資 プロジェク ト
1
投資 プロジェク ト2
投資 プロジェク ト
4
現 金ⅠPI DM 2 0 0
,‑‑ⅠP 4 DM 9 0, ‑ ‑
ⅠP2 DM 2 0
,‑‑FP6 DM 2 0
,‑‑FP7 DM 1 1 0
,‑‑資金調達 プロジェク ト
6
揺
益
FP6 DM 1 6, 2 3
Ge wi nn DM 2 2, 8 3 ⅠP I DM 2 7, 2 9
ⅠP2 DM 8, 1 7
ⅠP4 DM 3, 6 0
(ここか ら第
3
期間)投資 プ ロジェク ト
1
投 資 プ ロジェク ト
4
金
ⅠP I DM 2 0 0 , ‑ ‑ FP6 DM 2 2 0 , ‑ ‑ I P2 DM 2 0, ‑ ‑
ⅠP4 DM 9 3, 6 0 ⅠP5 DM . 9 3, 6 0
資金調達 プ ロジェク ト
7
t2直前 の貸借対 照表
ⅠP I DM 7 0 9, 61
自己資本5 7 0, 7 8
ⅠP2 DM 2 1 2, 3 2 FP6 DM 4 21, 9 3
ⅠP4 DM 9 3, 6 0 Ge wi nn DM 2 2, 8 3
投資 プ ロ ジェク ト
2
投 資 プ ロ ジェク ト
5
資金調達 プ ロジェク ト
6
損 益
F P6 DM 8, 0 7
Ge wi nn DM 2 3, 7 4 ⅠP. DM 2 0, 3 9
ⅠP2 DM 7 , 6 8
ⅠP5 DM 3 , 7 4
(ここか ら清算)
投資 プロジェク ト1
投資プ ロジェク ト
5
資金調達 プロジェク ト
6
t3直前 の貸借対照表
ⅠPI DM 5 3 0 , ‑ ‑ 自己資本 5 9 3, 6 0
ⅠP2 DM 2 0 0 , ‑ ‑ FP 6 DM 2 1 0 , ‑ ‑
ⅠP5 DM 9 7, 3 4 Ge wi nn DM . 2 3, 7 4
投資 プロジェク ト
2
覗