熱間押出 し加工 と機械的性質
小 林 義 一*
1 . 緒 言
6063
合金の熱問押出 し加工を行な うにあた り問題 となるのは,押出し加工性の改善および 得 られた押出 し材の機械的性質が適当であるか とい うことにあると思われる. この両者すな わち押出 し加工性を向上 させることと押出し材の機械的性質を向上させ ることは相反す る性 質を示 し,た とえば鋳塊を均質化処理後炉中冷却 した り,鋳塊の合金元素の量を少な くす る ことは押出 し加工性の向上 とい う立場か らすれば良い効果を示すが,逆に押出 し材の機械的 性質は著 しく低下す る.そ こで この両者を考えあわせて最適な条件を見出す必要がある.
押出し加工性の良否は押出し可能な荷重を加えた ときに押出 し速度を どれだけ向上させ る ことができるか とい う問題であるが,一般には押出 し可能な最高押出し圧力が低いほ ど押出 し速度が上昇す るので, この最高押出 し圧力の大小を もって押出 し加工性を知 る目安 とす る 場合が多い.熟問押出 し加工の場合には, この最高押出 し圧力におよぼす因子は,押出 し温 皮,加工度,押出 し速度, ダイスの形状,潤滑剤の有無,鋳塊の化学成分 と熱処理な ど非常 に多 くあ り, これを理論的に導 くことは非常に困難である.そこで個々の因子が押出 し圧力 におよぽす影響を実験的に求めて, これ らを総合 して最高押出 し圧力に関す る実験式を導い ている
(1)(2).一方押出 し材の機械的性質は
Mgと
Siの量, 鋳塊の均質化処理,押出 し条件 および押出 し後の熱処理な どに よって大 き く影響 され るが
,6063合金が多量に使用 されてい るわ りにはこれ らの点に関する報告は少ない( 3 ) .そ こで筆者はこれ らの点に関す る基礎的研 究を進めてお り,すでに押出 し速度が比較的遅い場合に つ い て の結果を報告 した
(4
)(5 ) . しか し押出 し速度が速 くなると材料 の変形抵抗が変化す ることや加工中に発生す る熱が多 くなる ことな どの影響により,押出 し加工性や押出し材の機嫌的性質 も当然変化す ると思われ るの で,今回はカムブラス トメータを利用 して実際現場操業に近い押出 し速度の もとに
,Mgと Siの量を種 々変えた
6063合金の熱問押出 し加工を行ない, そのときの押出 し圧力を調べ, あわせて押出 し材の機械的性質を調べて,低速押出 しの場合 と比較検討 した.
2.
試料の調製 と実験方法
2‑1試料の作成
試料 としては化学成分の押出 し加工性および機械的性質におよぼす影響をみ るために
, Si 0.・2,0・35および
0・5%, また
MgO・
2,0.5および
0・8%を組み合わせた
9産額の合金を作成
した.
*機械工学科
30
長野工業高等専門学校紀要 ・第
5号
使用地金は9
9.9%Al(SiO.04%,FeO.06%,CuO.00%含有), Aト24.9%Si(Feo.3%,Cu o.00%含有)および99.9%Mgを用い, 内面をアル ミナで内張 りした黒鉛るつぼによ り溶解
した.溶湯の温度は7
60oCで鋳込温度は7
20oC,金型温度はほぼ1
20oCとした.なお金型は直 径45
mm長 さ
160mmのものを使用 した.金型鋳造後5
60oC, 8hrの均質化処理を行な っての ち,表面の柱状晶の影響を除去す るために鋳塊の表面を丸削 りしてビレッ トを作成 した. ど レッ トの寸法は押出 し装置の関係で,押出 し速度が速い場合のものは直径3
0mm長 さ
50mm, また押出 し速度が遅い場合のものは直径4
0mm 長 さ
50mmとした. 表
1は試料の配合成分 と その分析結果を示す.
表
1試料の配合値と化学分析値 ( %)
化 学 分 析 値
Si l
M
g Si I M g過剰
Sil過剰
Mg0.80 1 0.07
0.2 1 0.38
0
.2 4 1 0.06 0.5 1 0.30 0.051 〟0.35 1 0.8 1 0.35 0.06l 〟
0.06l 〟
0.5 1 0.52 1 0.47 0.07 l 〝
80
50
9 0.50 1 0.68 1 0.05l 〟
2‑2
鋳塊の均質化処理
鋳塊の顕微鏡組織は,た とえ
MgとSiの量が同じ試料で も均質化処理後の冷却速度の大小に よって大 きな違いが生 じ, この違いが押出 し加工性や押出し材の壊枕的性質に大 きな影
響をおよぼす と考え られ るので, 9 種類の合金を5
60oCで
8hr加熱後炉冷,空冷および
OoCの水に急冷 した場合の組織を光学顕徴鏡および電子題徴鏡で調べた.
1例 として
6063合金の
標準組成に近い試料
6を光学顔徴鏡および電子顔徴鏡で観察 した結果を写真
1に示す.なお
組織観察は試料を燐酸6
2∝,硫酸1
4cc,水24 c c , クロム酸1
5.5gの混合液で電解研摩 し,その
後0.
5% HF水溶液で40 s e cェ ッチソグしてか ら行ない,電顕観察は t /プ リカ法に よった. こ
れ らによると均質化処理後炉冷の場合には粒界近傍の無析出帯
(PFZ)を除けば
Mg2Siが結
晶粒内に均一に全面析出 している. 水冷の場合には粒界にそ ってわずかに
Mg2Siの析出が認め られ るものの粒内には析出物は全然認め られず,ほ とん ど全部の
Mg2SiはAl 地に固溶
しているものと思われる.一方空冷の場合には粒界に析出物がわずかに認め られ るほかは粒
内にほとんど析出物が認め られず,本合金は均質化処理後空冷のみで大部分の
Mg2SiはAl
地に固溶するものと考え られ る.そ こで本実験においては均質化処理後空冷 した ものにら い
て熱問押出し加工を行な った.写真
2ほ本実験に用いた
9種塀の試料を5
60oCで8hr加熱後
光学顔徴鏡
l y p ;. 守, { ‥∫
・ :: ' r リ . t . i ‑ うJ ( . . ヽ
ヽ:・‑ 諺 ,?.
電子顕微鏡
1
.5 ・[: ・・i:..・・ ・''・ .̲ " I .' ㌔ .・:I ,‑; I.呈 [[+. 〟
a 簿 隼 ⁚・,]1 ⁚∵ ・ ・・・/ i.∵ T I. .JJA ・̲ ] 胤..i .J. .:,〟 .j l ・
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A̲̲̲̲J
6/I L̲̲̲̲̲.一
(a)
560oC.8hr加熱後炉冷 0)) ,/ 空冷 (C)
〟水冷
写真
1鋳塊の均質化処理と顕微鏡組織空冷したときの原敬鏡組織を示す(写真の番号は試料番号を示す) . また図1にはそのときの 鋳塊の冷却曲線を示す . 冷却曲線は鋳塊の中心部と外周部(表面より
3mm入った位置)に勲 問対をさし込んで測定したが ,中心部と外周部における冷却曲線の遭いは認められなかった.
2‑3実験方法 押出し温度および押出し速度が押出し加工性や押出し材の機械的性質におよはす影響をみ るために,押出し温度を
400,440,480および520oCの4種族に変え, 押出し速度は押出さ れてでてくる押出し材の速度で
15m/min(ラムの移動速度で1.2m/min)および0
.4m/min(ラムの移動速度で32mm/mjn) の2種短とした . なおダイス穴の形1封土円形で加工度は
92%(押出し比は
12.5)と一定にした.
32
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I長野工業高等専門学校紀要 ・第
5号
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8 9
写真
2ビレットの顕微鏡組織
(10×10×0.64)(560oC,8hr加熱後空冷)
600 500 a 400
注
ぎ300 監
200 100
20 40 60 80 100 120
叫 lin(I/))
図
1均質化処理後空冷したときの 鋳塊 の冷 L ・ 1 ) 曲線
1
コソテナー 4
ラム
2
ダイ ス
5押 板
3
ビレット
6熱電対
図
2押出し装置
押 出 し装置 としては,押 出 し速度が速い場 合は
35tonカムブラス トメー タを使用 し, 焼入熱間 ダイス鋼 で作成 した内径
30mmの コソテナーの中に ビレッ トを入れ,電気炉にて加熱検温 し所定 の温度 に連 してか ら試験機‑移 して押 出 し加工を行な った.なお押 出 し圧力は荷重
‑ ス トロー ク曲線 を
2現像 シンクロス コープで
35mm フ イル ムに記録 して求めた.図
2には
この押 JJ . し装際を示す. また押出 し速度が遅 い場 命には5
0tonI )‑ レ型 万能試験激を使用 し,
コソテ. ナ‑の中に ビレッ トを括人後試験機に取 り付け,管状電気炉で コンテナー もろ とも加 熱 し所定の温度に達 してか ら
15min保持 して押 出 した.なお潤滑剤には黒鉛を使用 した.
押出 し材の機械的性質は押出 し材か ら直径
6mm標点距
匪40mmの試験片 を切削加工 し,
イソス トロン型引張試験機に よ り引張速度
2mm/mi nで引張試験 を行な った. またかた きは 押 出 し材中央部の組織が安定 してい るところか ら切 り出 した試料 の縦断面をェメ リーベーパ と′くフで仕上げてか ら
0.5%HF水溶液に浸漬 して表面 の加工層を除去 して, マイ クロビッ カース硬度計 ( 荷重
500g)で測定 した.
3.
実験結果 とその考察
3‑1押 出 し圧力
図
3は
9種類の試料を押出 し速度
15m/minと
0.4m/minで押出 したときの押出 し圧力 と押 出 し温度の関係を半対数方眼紙上に表わ した ものであ る. これに よると押出 し圧力は化学成 分の違 いおよび押 出 し速度の大小に よ り異なるが,いずれ も押出 し温度の上昇につれ て直線 的に減少 しているので,押 出 し圧力および押出 し温度をそれぞれ
P,Tとすれば
p‑Ae l T
‑‑・ ・ ・ ( 1 ) ( A
,)は定数)LL. )
02
2(Zヨ\叫1)trTJJ
..F]. dz
j400 440 480 520 押出し温度 (℃)
図
3押出し圧力と押出し温度の関係
34
長野工業高等専門学校紀要 ・第
5号 とお くことができる.(
1)の関係は
Schishokin(6)および
Peason( T )の示 した関係 と一致す る. そ こで この 1の値 を図 3か ら各試料について計算 した結果を表
2に示す. これに よると,押出 し 速度が速い場合には化学成分 と 1倍の間には特 別の関係は認め られずほぼ
0.004‑0.005の間に あるが,押出し速度が遅い場合には
Mgの革が 増えるにつれて 1値は小さ くなる傾向を示す.
そ して平均値は押出 し速度が速い場合には
0.00 48とな り, この値は麻田 ら( 8 )が300t
on押出し機 を使 って求めた値の
0.004とほぼ一致 した. 普 た押出 し速度が遅い場合の 1倍の平均は
0.0066とな り
,Peason(7 )が
Al合金で求めた値 の
0.00 64とほとんど一致 した.
また( 1 ) 式において )の値が小さ くなると P が 大 き くなる.す なわち
Mgは押出 し圧力を高め
表
21 の 値
1 0.0040 l o.0081 2 0.0050 I o.0069.
3 0.0049 0.0054 4 0.0044 1 0.0080 5 0.0045 l o.0061 6 0.0048 l o.0054 7 0.0051 l o.0081 8 0.0049 l o.0061 9 0.0055 卜 0.0054
平
均 0.0048 0.0066て押 出し加工性 を減ずる傾向を示す と思われ るので, この点を くわ しく調べ るために,押出 し圧力が
MgとSi の量に よって どのように変化す るかを調べた.その結果を図
4に示す. こ れに よると押出 し速度の大小お よび押出 し温度の高低に よって押出 し圧力の値は異なるが,
いずれ もMg の量が増えるにつれて押出 し圧力が上昇 し, とくに押出 し速度が速い場合に こ
‑ ' ‑ 押出 し速度
15m/min〃
0.4∩/millq押出 し温度
400℃
x
, ,
440℃
▲ 〃 480
℃
〃 520
℃
(NtutnJB1)常世]召監
㌦ 一・・一
一 ■
2 0I‑
一
一/▲
15
▲
一一一一‑J
r,
ノ 1
0
●
̀■0.2 0.5 0.8
Mg( %)
Si0.35%
/
i ・‑I̲::‑; :
ノ
ー
一一一A′
′ A, ▲一
一一一′●
▲′ ノ
●一′
0.2 0.5 0.8
Mg( 紘)
45 40 35 30 25
2 0
15 10
0.2 0.5 0.8
Mg( %)
図4 押出し圧力におよはす
Si,Mgの影響の傾向が著 しい. しか し
Siの量が増えた場合には押 出 し速度 が速 い場合に押 出 し圧力が若干 上昇す るものの,押 出 し速度が遅 い場合にはほ とん ど押 出 し圧力わ上昇は認め られない.
つ ぎに押 出 し速度 と押 出 し圧力 の関係については
Peason(9),Singer a q ,竹 内
(1
), 掘 ら
ODに よ って,押 出 し速度が増加す るにつれて押 出 し圧力 は高 くな り,両者の関係を両対数方眼紙 に か くと直線関係を示す と報告 され てい る. す なわち押 出 し圧 力を P ,押 出 し速度をγ とす る と
p‑CV n(C,nは定数) の関係にあ る. そ こで今回の
9種類の試料について押 出 し圧力 と 押 出 し速度 の関係を両対数方眼紙 にかい てみた.
1例 として図
5に試料
6の場合を示す. こ れ らの図か らn の値 を計算 し,9 種類の試料の平均値を求め ると
440oC押 出 しの場合は0.
19,
480oC押 出 しの場合は0.
20そ して52
0oC押 出 しの場合は0.22とな り,押 出 し温度 の上昇につれ て
n値 は高 くな ったが, これ らの値は竹内 ら( 2 )が
600tonたて型熱間押出 し機を使用 して求めた値 よ り若干大 き くな った. この理 由は,竹 内 らも指摘 してい るよ うに,押 出 し速度 の 変化に対 して押 出 し圧力の変化は小 さいか ら 〃値 の誤差 が大 き くな りがちであ ることお よび 押 出 し速度 を
2種持 しか変えていない こと
な どに よるもの と思われ る.
3‑2
押 出 し材 の機械的性質
図
6‑図
8は
9種類の試料 を押 出 し速度
15Ⅰム/minと0.4m/minヤ, 押 出 し 温 度 400,440,480お よび5
20oCで押出 した ときの押 出 し材 のかた さ, 引張強 さ
, 0.2%耐力 お よび伸びを調べた結果を示す.図
6は
15m/mi nお よび0.
4m/minで押 出 した押 出 し材 のかた さにお よぼす
SiとMg の影響 を
(>)杓rJtGE 5040302
0
to(zLuuJJ
B1 )
TtFJ]TT11(宅一 一 一 一 ■ 一 一̲ 一 一 一 一一 一 一 ●▲
+ , ̲‑‑
I̲一小
I‑lx押.
一. ■ 一
一一 一
▲ 一し温一
一ケ
ケ IiE445248000 0.3 0.5 1 2 5 10 1520押出 し
速増(
rTl/m≡n)図
5押出し圧力と押出し速度の関係
( 試料‑‑ 6)
̲ ̲ ̲ + ̲ ̲ ̲
。 0.4m/min X 9080 70 60 50
10 30 20 10
0.2 0.5 0.8 0.2 0.5 0.8
ME!(%) Mg(%)
押
出し温
Jfg520℃
F, 480℃
ク 440℃
rJ 440℃
9080
70 60 50
40
30
20 10
0.2 0.5 0.8 Mg(%)
図 6 押出し材のかたさにおよはす
Si,Mgの影響36
長野工業高等専門学校紀要 ・第
5号
示 し
, 1点は
5‑1 0ヶ所 の平均値である.図
7は
15m♪ni
nで押出 した押出し材の引張試験の 結果,そ して図
8は
0.4m/minで押出した押出 し材の引張試験の結果である.これ らによる と押出し材のかたさは,押出 し速度の速い場合の方が遅い場合 よりも明 らかにかたい.また 引張強さも
Mgおよび
Siの量が多い場合には,押出 し速度が速い場合の方が遅い場合に比較 して高 くなっている. しか し押出し速度が速い場合で も押出 し温度が
400oC以下で押出した 場合および押出 し速度が遅い場合には
440oC以下の温度で押出 した場合には
,Mgおよび
Siの量が増加 して も引張強 さはほ とん ど変化せず値 も一様に低い.一方伸びは押出 し速度が速 い場合の方が遅い場合に比較 して 5% ほ ど大 き くなっているが
,Mgおよび Siの量による変 化はあまり認め られない.このように
Mgと
Siの量が多い試料において,押出 し温度が高 く なるほど強度が上昇するのは
,6063合金の硬化要素である
Mg2Siが温度が高 くなるほど
Al地に多 く固溶す るためであ り,逆に
Mgおよび
Siの量が少ない試料は
Mg2Siの絶対量が少な いので
,Mg2Siの固溶に よる強度の増大はほとん ど期待できず,加工硬化の影響により押出 し温度が低い場合の方が強度は高 くなっている.また押出 し速度が速い方が加工中に発生す る熱が大 きいので
,Mg2Siが よ り多 く
Al地に固溶す るために強度は上昇す るもの と思 わ れ る.
・ ‑‑‑ ‑ ・ 押出
し温
唇520℃
ムー一一一一 〇 480℃x X ,J 440
℃
EL ‑I‑...ヰ rJ 400
℃
W.
(a tutD
JB1)仙澄yfrW
rob .( Ztm
JB1)q遍%3.09.(%)・
n萱0.2 0.5 0.8 0.2 0.5 0.8
Mg(%) Mg(%)
/ ..言「 . E 、
0.2 0.5 0.8 Mg(%)
図
7押出し材の機械的性質におよはす
Sj
,Mgの影響
( 押出し速度
15m/min)・一一‑‑・押出し温
Ijf520℃
ふ‑ I‑
°
,J 480℃
x x ,' 440
℃
E‑ ・I‑4 ク 400
℃
gL)・
(l ‑ J
B1)芸藷 一.(.
1'OL)'(
N⁝\B1)rFJ・唱%m
Ct(%).n
r宇0.2 0.5 0.8 hlg(%)
052
0.2 0.5 0.8 0.2 0.5 0.8 1Tg(%) h
l
g( %) 図
8押出し材の校按的性質におよはす
Si,Mgの影響
( 押出し速度 0. 4m/mi n)
以上のように押出 し材の機械的性質は押出 し速度,押 出し温度お よび
Mgと
Siの量に よっ て大 きく影響 され,良好な機械的性質を得るためには
, SiO.3%以上で
MgO.45%以上の合 金を押出 し速度
15m/mi nの場合には
440oC以上の温度で, また押出 し速度
0.4m/minの場合 には
480oC以上の温度で押出す ことが必要であることがわか った.
4.
結 論
Mg
および
Siの量を変えた
6063合金を,カムブラス トメータを使用 して,実際現場操業に 近い押出 し速度のもとに
400‑520oCの範囲で熱問押出 し加工を行ない, そのときの押出 し 圧力の変化を調べ,かつ押出 し材のかた さ測定や引張試験を行なって,低速押出 しの場合 と 比較 した ところつ ぎのようなことがわか った.
( 1 ) 押出し圧力
Pと押出 し温度
Tの関係
p‑Ael T において,スの値は押出 し速度が
15m/min
のときは平均値で
0.0048であった.また押 出し速度が
0.4m/minのときは平均値で
0.0066とな り
,Mg量が多 くなるにつれて 1倍は小さ くなる傾向を示 した.
38
長野工業高等専門学校紀要 ・第
5号
(2)
押 出し速度 V と押出 し圧力 P の関係 p‑C
V nにおいて
, nの平均値は 押 出 し温 度 が
440oCのとき
0.19,480oCのとき
0.20そして
520oCのとき
0.22とな り,温度が高 くなるにつれ て n 値はわずかに大 き くなった.
(3)
押出し加工性 と
Mgおよび
Siの関係は,Mg の量が増加す ると押出 し圧力が高 くな り押 出 し加工性は著 しく低下 したが,Si は押出し加工性をそれほ ど低下 させなか った.
( 4 ) 押 出し材の琉枕的性質は押出 し速度,押出 し温度および
MgとSiの量によって相互に影響を受 け,良好な横枕的性質はSi
o.3%以上でMgO.45%以上の試料を,押出 し速度15m/minの場合には440oC以上の温度で,また押出 し速度が0.4m/minの場合には480oC以上の
温度で押出す ことに よって得 られた.そ して押出 し速度が速い場合の方が遅い場合よりもか た さや引張強 さが大 き くな りかつ伸びも大き くな ったが, これは押出し速度が速いほ どMg
2Si
が
Al地に多 く固溶す るためであると考え られる.
終 りに本実験を行な うにあた り,東京工業大学高橋恒夫教授には試料の作成 とその化学分 析等に御援助を賜わ り, また カムブラス トメータの使用については富山大学時沢貢助教授の 御援助を賜わ りましたことを付記 して深 く感謝の意を表 します.
参 考 文 献
(1)
竹内寛司,小林啓行,菊地隆士 :軽金属
,Vol.15(1965),p.340. (2)竹内寛司,草野拓男 :軽金属
,γol.22(1972),p.28.(3)
寺井士郎,馬場義雄 :住友軽金属技報
,γol.1(1960),p.196.( 4 ) 小林義一 :長野工業高等専門学校紀要,第
3号
(1969),p.45.( 5 ) 高橋恒夫,小林義一,小島陽 :軽金属
,γol.19(1969),p.189.(6) W.P.Schishokin :Zhur.Priklad.Khim
i
i,Vol.2(1929),p.663. (7) C.E.Peason,A
.N.Parkins:TheExtrusionofMetals,p.193.(8)
麻田宏,田中英八郎,小池書歳,森本三郎 :日本金属学会誌
,γ
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