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コンクリート充填鋼管造筋違付きラーメンにおける鋼管とコンクリートの応力伝達に関する研究 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)コンクリート充填鋼管造筋違付きラーメンにおける 鋼管とコンクリートの応力伝達に関する研究 岡本 勇紀 1. 序論  本研究の目的は, コンクリート充填鋼管(CFT)柱を用いた 筋違付き骨組について,鋼管から充填コンクリートへの応 力伝達機構を明らかにし,骨組が合成構造として機能する ための付着設計法を提案することである.  実在の構造物では,柱にかかる軸力は梁端のせん断力や 筋違材の軸力の鉛直成分が柱梁接合部を介し,軸力として 伝達される.CFT柱を有する骨組が合成構造としての剛性 や耐力,及び変形性能を発揮するためには,柱鋼管に導入 された軸力を充填コンクリートに伝達しなければならない. しかし,通常の接合部では梁端のせん断力は柱の鋼管部分 のみに伝達され,充填コンクリートには直接伝わらず,充 填コンクリートへ軸力を伝達させるためには,付着応力も しくは機械的すべり止めによらなくてはならない.  このような背景より,2003年度はCFT 短柱に軸力を載荷 する実験,2004年度はCFT造筋違付き柱梁接合部試験体に 単調加力する実験を行った. - 第 1部 CFT部材における鋼管とコンクリートの応力伝達 機構に関する実験 2. 実験概要 2.1 実験変数  表1に実験変数を示す.変数は鋼管形状,試験体種類,ダ 表 1 部材実験変数 実験変数. 30.3 30.3. RD3.2-R05-F30. 円孔 角形 3.2mm. RD3.2-R15-F30 CD3.2-C05-F30 CD3.2-C15-F30. 円形. RD6-R05-F30. 円孔 ダイアフラム. RD6-C00-F30 RD6-C10-F30. 円孔 角形 6mm. RD6-R15-F30 CD6-C05-F30 CD6-C15-F30. 円形. RA-F60. 角形. CA-F60. 円形. RC-F60. 角形. CC-F60. 円形. RD6-R05-F60. CD6-C15-F60. RD12-R05-F60 CD12-C05-F60 CD12-C15-F60. 29.3. 15mm. 29.3. 5mm. 30. 15mm. 30. 0mm. 29.3. 10mm. 30. 5mm. 30. 15mm. 30. 5mm. 30. 15mm. 変位計. N N 変位計. 変位計. 30 65 65. ゲージ. 65.3. 6mm 円形. 角孔 円孔. ダイアフラム 円孔 角形 12mm 円形. 29.3. 5mm. 押し抜き. 角形. RD12-R15-F60. 10mm. 65. 円孔. RD12-C00-F60 RD12-C10-F60. 29.3. 全圧縮. RD6-R15-F60 CD6-C05-F60. 角孔 円孔. RD6-C00-F60 RD6-C10-F60. 角孔. 0mm. 角孔 円孔. 0mm. 65.3. 10mm. 65.3. 5mm. 65.3. 15mm. 65.3. 5mm. 65.3. 15mm. 65.3. 0mm. 68.6. 10mm. 68.6. 5mm. 68.6. 15mm. 68.6. 5mm. 65.3. 15mm. 65.3. 1D 150. RD3.2-C10-F30. N. 30.3. RD3.2-C00-F30. 3D 450. 押し抜き. ゲージ ゲージ. (a) 全圧縮. (b) 押し抜き 図 1 試験体. 6. 6 hd. hd. (c) ダイヤフラム付き. 6. D. 円形. 30.3. 全圧縮. 0.5D 75 0.5D 75 0.5D 75 0.5D 75 0.5D 75 0.5D 75 0.5D 75 0.5D 75. CC-F30. (N/mm). 2D 300. 角形. 強度. 高さ:hd. 0.5D 75 0.5D 75 0.5D 75 0.5D 75. RC-F30. 孔形状. 20. 円形. 厚さ:td. D. 角形. CA-F30. シリンダー ダイアフラム. D. RA-F30. 種類. 2D 300. 鋼管. 0.5D 75 0.5D 75 0.5D 75 0.5D 75. 試験体名. イヤフラム,コンクリート強度である.また,ダイヤフラ ムは更に厚さ td,孔の形状,鋼管内縁からの高さ hd を変数 とする. 2.2 試験体,加力条件,測定方法  試験体,加力条件,測定方法を図 2に示す.2000kN能力 の試験機で圧縮荷重を作用させた.歪ゲージは図 2に示す 位置に 4 方向貼付した. 2.2.1 全圧縮試験体  全圧縮試験体[図 1(a)]では,上部,下部ともに鋼管と コンクリートを同時に載荷する.これは,後に示す 2種類 の試験体と比較する目的で行ったが,材端条件や乾燥等に より理想となる傾向が得られなかったため,考察からは除 外した. 2.2.2 押し抜き試験体  押し抜き試験体[図 1(b)]では,上部はコンクリートの み,下部は鋼管のみに載荷する.これは,コンクリートの みに加力して鋼管内を押し抜くもので,加力直下のコンク リート断面のみがポアソン効果で膨張するため,高めの付 着強度を示す. 2.2.3 ダイヤフラム付き試験体  ダイヤフラム付き試験体[図 1(c)]では,鋼管とコンク リートとの付着と機械的すべり止め効果の 2つの項目を同 時に検証する.  まず,鋼管とコンクリートとの付着についてはダイヤフ ラムより下の部分で検証する.荷重が小さな段階では,試 験体頂部で充填コンクリートのみにかけられた圧縮力は, ダイヤフラムによって充填コンクリートと鋼管を同時に載. 6 hd. hd. 7. hd. hd. 7. (a) 角形 CFT- 角孔 (b) 角形 CFT- 円孔 (c) 円形 CFT- 円孔 図 2 ダイヤフラム鉛直投影図. 40-1.

(2) 表 2 押し抜き試験付着強度 試験体 R C- F30 R C- F60 CC- F30 CC- F60. Height of gauge(mm). Height of gauge(mm). Height of gauge(mm). 450. 450. 570. 375. 375. 475. 300. 300. 380. 225. 225. 285. 150. 150. 190. 75. 75. 95. 2. P max (kN) P 1(kN) l (mm) φ(mm) τ1(N/mm ) 34.68 34.68 150 557.1 0.415 25.45 25.45 150 557.1 0.305 130.08 69.47 190 559 0.654 116.64 66.00 190 559 0.621. Strain(μ) Strain(μ) Strain(μ) 荷する条件となり,この力を鋼管のみで支持している(こ 0 0 0 0 20 40 60 80 100 0 20 40 60 80 100 0 20 40 60 80 100 120 140 のような荷重条件を以下平押しと呼ぶ).この条件では充 (a) RD6-R05-F30 (b) RD6-R15-F60 (c) CD12-C05-F60 図 3 軸方向歪度の材長方向分布 填コンクリートと鋼管の断面が同時に膨張するため, 付着 Load(kN) Load(kN) Load(kN) 1500 1500 にとっては最も厳しい条件となる.この荷重条件は,骨組 1500 R D3.2- C 10- F 30 R D3.2- C 00- F 30 R D6- C 00- F 30 1200 1200 1200 内で長期荷重を受ける CFT 柱を表現している. 900 900  次に,機械的すべり止め効果の検証をダイヤフラム部分 900 で行う.本研究では,機械的すべり止めは CFT柱と H形鋼 600 600 600 梁の柱梁接合部における通しダイヤフラムを考えている.300 300 300 その孔の形状を図2に示す.その孔径の大小(ダイヤフラム 0 0 0 0 5 10 15 20 25 0 5 10 15 20 25 0 5 10 15 20 25 Di sp.(mm) Di sp.(mm) Di sp.(mm) 高さ hd で調節)も実験変数としている.具体的には,td が小 (a) RD3.2-C10-F30 (b) RD3.2-C00-F30 (c) RD6-C00-F30 さく,hd が大きい試験体ではダイヤフラムのせん断降伏, 図 4 荷重 - 変位関係 逆に td が大きく,hd が小さい試験体ではダイヤフラムとの 3.1.2 平押し試験 支圧面での充填コンクリートの圧壊を想定した.それ以外  平押し試験では充填コンクリートの乾燥収縮等の影響を の試験体は,ダイヤフラムのせん断降伏と充填コンクリー 考慮し,ダイヤフラム直下から下から 2番目までのゲージ トの圧壊が同時に起こることを想定した. で考察する.その区間長をld,その区間での歪差をΔε,求 3. 実験結果 める付着強度を Fa0 とすると(2)式が成り立つ. 3.1 鋼管とコンクリートの付着 E ⋅ A ⋅ Δε Fa0 = s s (2) 3.1.1 押し抜き試験.  押し抜き試験体は荷重全てに対し付着で抵抗するので, 求める付着強度をτとすると(1)式が成り立つ.. τ=. P l ⋅φ. (1). 式中,Pは荷重,l はコンクリート充填部分長さ,φは鋼管 内面の周長である.  表 2に(1)式より求めたτ 1 を示す.表中の P1 は最初の耐 力低下時を採り,その時のτをτ 1 とした.コンクリート 強度による付着強度の差はほとんど見られないが,円形 CFT は角形 CFT の 2 倍程度の付着強度を示した. 表 3 平押し試験付着強度. 試験体 RD3. 2- C00- F30 RD3. 2- C10- F30 RD3. 2- R05- F30 RD3. 2- R15- F30 RD6- C00- F30 RD6- C10- F30 RD6- R05- F30 RD6- R15- F30 CD3. 2- C05- F30 CD3. 2- C15- F30 CD6- C05- F30 CD6- C15- F30 RD6- C00- F60 RD6- C10- F60 RD6- R05- F60 RD6- R15- F60 RD12- C00- F60 RD12- C10- F60 RD12- R05- F60 RD12- R15- F60 CD6- C05- F60 CD6- C15- F60 CD12- C05- F60 CD12- C15- F60. 付着切れ Δε Fao Fao平均 備考 荷重( kN) ( μ) ( N/ mm2) ( N/ mm2) 53 15 0. 122 64 22 0. 181 48 12 0. 103 付着不良 63 9 0. 078 付着不良 0. 144 66 13 0. 111 71 18 0. 152 75 22 0. 187 68 13 0. 109 79 15 0. 101 110 20 0. 137 0. 147 120 30 0. 203 95 6 0. 037 付着不良 65 15 0. 124 66 10 0. 082 付着不良 71 7 0. 061 付着不良 70 32 0. 265 0. 175 52 6 0. 053 付着不良 73 10 0. 086 付着不良 76 16 0. 135 97 11 0. 093 付着不良 22 7 0. 049 付着不良 112 10 0. 064 付着不良 0. 349 212 54 0. 363 160 50 0. 334. ld ⋅ φ. 式中,Es,As はそれぞれ鋼管のヤング率と断面積である.  (2)式より求めた Fa0 を表 3に示す.Δεは表 3の付着切れ 荷重以前での最大値を採った.また,図 3 に軸方向歪度の 材長方向分布を示す.縦軸は歪ゲージの試験体底面からの 貼付高さで,荷重7kN毎の歪の変化をプロットしている.こ の図より,載荷開始当初より付着が切れていたと判断され る試験体を付着不良として示し,Fa0の平均値には算入しな かった. 3.2 鋼管とコンクリートの付着 3.2.1 荷重 - 変位関係  図4に荷重-変位関係を示す.横軸は耐圧板と鋼管上部と の相対変位である. (a)がダイアフラムせん断降伏, (c)がコン クリート支圧破壊を想定していた試験体で,(b)はその中間 である. 表 4 耐力比較条件別平均値 平均. Pmax:最大耐力. P max /P pr ed. P 5mm/P pr ed. P y/P pr ed. 3.20. 2.42. 1.81.  5mm時の耐力. 角形鋼管. 2.97. 2.21. 1.65. Py:試験体降伏耐力. 円形鋼管. 3.58. 2.83. 2.10. 30MPa. 3.41. 2.79. 1.92. 60MPa. 2.62. 2.04. 1.68. 角- 30MPa. 3.14. 2.50. 1.75. 円- 30MPa. 4.12. 3.39. 2.25. 角- 60MPa. 2.52. 1.92. 1.53. 円- 60MPa. 2.77. 2.28. 1.95. P. 1500. 1500. 1000. 1000. 500. 500. P 0. Ps:コンクリート支圧強度 Pd:ダイアフラム  せん断降伏耐力 P :鋼管降伏耐力. s y. Nu:コンクリート. c.  圧縮耐力. y. 2000. 0. Ppred.=mim(Ps,Pd,sPy,cNu)  ・・・(3). P (kN). (kN). max. 2000. 40-2. P5mm:耐圧板沈下量. 全試験体. 200. 400. 600. P. (kN). pr ed.. 800. 1000. 0. 0. 200. 400. 600. (a) Pmax-Ppred. 修正後 (b) Py-Ppred. 図 5 耐力比較散布図. (kN). pr ed.. 800. 1000.

(3) (a) 角形ダイヤフラム (b) 円形ダイヤフラム 写真 1 破壊状況. (c) 鋼管局部座屈.  ダイアフラムのせん断降伏を想定した試験体では,降伏 後に耐力がわずかに低下したが再び上昇し,最大耐力後は 荷重が低下した.一方,コンクリート支圧破壊を想定した 試験体では,そのような耐力低下は見られず,耐圧板の沈 み量で実験を終了させた試験体が大半を占めた. 3.2.2 実験耐力と計算耐力の比較  実験耐力と計算耐力を比較した平均値を表4にまとめる. この値はコンファインド効果によるコンクリートの耐力上 昇の平均値を表す.円形 CFTの方が角形 CFTよりも大きな 値を示し,コンクリート強度30MPaの方が60MPaよりも大 きな値を示した.  また,Pmax と Py と Ppred. との関係を図 5に示す.斜線は表 4 の全試験体平均を表す.ばらつきこそあるがこの斜線の 近傍に集まっているので,提案耐力予測式である(3)式は有 効だと考える. 3.3 破壊状況  写真1に試験体の破壊状況を示す. (a)のように,ダイヤフ ラムはほとんどの試験体で上に跳ね上がる様な変形を示し た.また(b)のように,鉛直方向の変形に加えてダイヤフラ ム直下の鋼管が局部変形した様子も見られる.さらに,鋼 管下部が局部座屈した試験体を(c)に示す. (b)や(c)のが生じ た原因には,コンファインド効果によってコンクリートの 支圧耐力が予想以上に大きくなったことが考えられる. 4. 第 1部結論 (1) 押し抜き試験ではコンクリート強度による付着強度差は ほとんどなかった.また,円形 CFT の方が角形 CFT の 2倍 程度の付着強度を示した. (2) 平押し試験において,角形CFTではコンクリート強度に よる付着強度差は出なかったが,円形CFTでは60MPaの方 が 30MPaよりも大きな付着強度を示した.また,鋼管形状 による付着強度の差は 30MPaでは出なかったが,60MPaで は円形 CFT の方が角形 CFT よりも大きな付着強度を示し 表 5 接合部試験実験変数. R- 1 R- 2 R- 3 C- 1 C- 2. 実験変数 鋼管. 接合部形式. シリンダー強度 孔形状. 外ダイヤフラム 角形 円形. 通しダイヤフラム 外ダイヤフラム 通しダイヤフラム. 角孔 円孔 円孔. σb(N/mm2) 34.94 34.87 32.79 34.94 34.94. (a) R-1 上部. (b) C-1 上部. (d) C-2 下部. (e) R-3 局部座屈 写真 2 破壊状況 表 6 実験耐力. (c) R-2下部. 900. D. 中心. 1800. 試験体名. た. (3) ダイアフラムのせん断降伏を想定した試験体では, 降伏 後に耐力がわずかに低下したが再び上昇し,最大耐力後は 荷重が低下した.一方,コンクリート支圧破壊を想定した 試験体では,そのような耐力低下は見られず,耐圧板の沈 み量で実験を終了させた試験体が大半を占めた. (4) 実験耐力と予測耐力を比較した結果,円形CFTの方が角 形CFTより,コンクリート強度では30MPaの方が60MPaよ りもコンファインド効果は高かった. - 第 2部 CFT造柱梁接合部における鋼管とコンクリートの 応力伝達機構に関する研究 5. 実験概要 5.1 実験変数  表5に実験変数を示す.変数は鋼管形状,接合部形式,及 びダイヤフラム孔の形状である.充填コンクリートの設計 基準強度は 30MPa とした. 5.2 試験体,加力条件,測定方法  図 6 に試験体の側面図,加力方法,測定位置を示す.本 試験体は CFT 柱,H形鋼梁,及び筋違付きの接合部を模し ている.押引 1000kN 能力の油圧ジャッキにより,加力ブ ロック頂部のピンに圧縮力を作用させる.水平荷重の加力 位置が試験体スパンの 2倍の距離に設定されており,柱脚 部分には水平荷重の 2倍の力が導入される.またこの柱脚 部分は,充填コンクリートへの応力伝達をより明確に見る ため,鋼管柱をベースプレートに直接溶接せずに充填コン クリートを延長し,D13の鉄筋を4本配置した RC柱で支持 する形式を採った. 6. 実験結果 6.1 破壊状況  試験体の破壊状況を写真2に示す. (a),(b)はR-1,C-1試験体 の上部で鋼管が沈んだ様子である.この沈み量は試験体下 部で測定した沈み量とほぼ一致することから,載荷の最終 段階まで鋼管とコンクリートの降伏や損傷は小さく,両者 間のずれのみが残留したと言える. (c),(d)は通しダイヤフラ ム試験体(R-2,R-3,C-2)のRC断面の破壊の様子である.この RC断面の圧壊は通しダイヤフラム形式では全試験体で見ら れたが,外ダイヤフラム見られなかった.また,通しダイ ヤフラム試験体では(e)のような鋼管の局部座屈も見られた が,RC 断面の圧壊に先行して起こることはなかった.. 中心 中心. x y z. 試験体. 0.5D 0.5D 0.5D. R- 1 R- 2 R- 3 C- 1 C- 2. :歪ゲージ. :変位計. 図 6 側面図,加力方法,測定位置. 40-3. 1回目ずれ時 付着による伝達力(kN) RC断面部分 RC断面耐力 柱軸耐力(kN) 押し抜き 平押し 最大耐力(kN) (kN) 573.3. 402.1. 139.5. 536.8. 528.9. 118.9. 987.8 1679 1478 1082 1666. 1441 1438 1363 1297 1297.

(4) P(kN) 800. P(kN) 800. 700. ▽RC断面耐力. ▽RC断面耐力. 600. 600. Load(kN) 300. Load(kN) 300. 250. 250. 200. 200. 150. 150. 100. 100. 50. 50. 500 400. 400. 300 200. 200. 100 0. 0. 0.005. R(r ad.) 0.015 0.02. 0.01. 0. R(r ad.) 0. 0.005. 0.01. 0.015. 0.02. 0.025. 0. 0.03. 0. 0.1. (a) C-1 (b) R-2 図 7 水平荷重 - 層間変形角関係. N(kN). 0.3. (a) R-1(0.5D). 0. 0.4. 1600. 1200. 600. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. (b) C-1(1.5D). P(kN) 600. x. y 1.5D. x. 500. 1000. 0.1. 図 9 偏心率. 600. 1200. 0. e/D. P(kN). N(kN). 800. 0.2 e/D. D. 0.5D. 1.5D. y. 400. 400. 300. 300. 200. 200. 100. 100. 0.5D. D. 500. z. 800 400 400 200 0. 0. 2. 4. 6. ずれ(mm). 8. 10. 12. 0. 0 0. 0.5. 1. 1.5. ずれ(mm). 2. 2.5. 3. 0. 100. 200. 300. 400. Str ai n(μ). (a) R-1. (a) C-1 (b) R-2 図 8 柱軸力 - 鋼管ずれ関係. 6.2 荷重 - 層間変形角,軸力 - 鋼管ずれ関係  表 6 に実験耐力を示す.R-1,C-1 試験体で鋼管とコンク リートとのずれが最初に確認されたときの柱軸耐力を「1 回目ずれ時柱軸耐力」と示す.これと「RC断面部分最大耐 力」は,水平荷重の 2倍の力が RC断面部分に軸力として導 入されることより計算されている.また「付着による伝達 力」は,3.1.1-2節の付着強度からの計算値である.接合部 実験ではいずれの部材実験よりも大きい値を示した.  図7に水平荷重-層間変形角関係を示す.外ダイヤフラム 試験体では RC 断面耐力以前に最大耐力を記録したが,通 しダイヤフラム試験体では計算耐力を超えた.また,図 8 に柱軸力 - 鋼管ずれ関係を示す.外ダイヤフラム試験体で は 0.5mm程度のずれで最初の耐力低下を記録したが,通し ダイヤフラム試験体では最大耐力前の耐力低下はなく,最 大のずれも 3mm未満にとどまった.これらより,接合部か らダイヤフラムに伝達された軸力は最小限のダイヤフラム 高さで充分にコンクリートに伝達されている事が分かる. 6.3 鋼管とコンクリートの付着 6.3.1 偏心  外ダイヤフラム試験体について,試験体に導入された曲 げの程度を検証するため,荷重と偏心率との関係を図 9に 示す.(a)は R-1試験体の梁下端ダイヤフラムから 0.5D 離れ た断面,(b)は C-1試験体の梁下端ダイヤフラムから 1.5D 離 れた断面の偏心率を載せた.この断面が R-1,C-1 ともに最 も偏心が大きかった.両試験体ともに載荷初期こそ曲げが 先行したがすぐに収まり,軸力が卓越したことが分かる. 6.3.2 付着動向  図10に歪ゲージを貼付した各断面の歪動向を示す.図中 0.5D,D,1.5Dは梁下端ダイヤフラムからの距離,x,y,zは図 5 に対応する.全試験体共通で,梁下端ダイヤフラムからの 距離が大きくなると歪が小さくなる. (a)R-1では荷重142kN 程度で 1.5D 以外の断面で大きな歪の増分を記録し,(b)C-1 では y,z 断面では 150kN 程度で,0.5D,D 断面では 180kN 程 度でグラフの勾配の変化が見られる.その後,倍程度の荷 重(表6参照)で最初の耐力低下を起こし,ここで全付着が切 れたと考える.  図11に軸方向歪度の材長方向分布を示す.縦軸は歪ゲー. 500. 0. 600. z. 0. 500. 図 10 断面別歪動向. 1000. Str ai n(μ). Hei ght of Gauge(mm) 1200. Hei ght of Gauge(mm) 1200. 1000. 1000. 800. 800. 600. 600. 400. 400. 200 0 -50. 1500. 2000. (b) C-1. 200 Str ai n(μ) 0. 50 100 150 200 250 300 350. 0. Str ai n(μ) 0. 100. 200. 300. (a) R-1 (b) C-1 図 11 軸方向歪度の材長方向分布 表 7 付着強度 試験体. Δε(μ). Fa0(N/mm2). R- 1 C- 1. 77.5 90. 0.737 0.725. 400. 500. ジの試験体底面からの貼付高さを表す. (a)では7kN毎, (b)で は 5kN毎の歪の変化をプロットしている.この図で歪の増 分が増える点で付着が切れたと判断できる. (a)R-1では先に 述べた歪の増加が隙間として表現され, (b)C-1では徐々に点 の間隔が大きくなっている. 6.3.3 付着強度  表 7に R-1,C-1の付着強度を示す.この付着強度は 1.5DD区間での歪差Δεの最大値を基に(2)式により求めた.R1,C-1 両試験体での差はなく,また 3.1.1-2 節のいずれの部 材実験よりも高い値を示した. 7. 第 2部結論,総括  (1)は第 2部での結論, (2)-(4)では第 1部と第 2部を通して 得られた結論を述べる. (1) R-1 では 1.5D 断面以外の付着が同時に,C-1 では y,z 断 面,0.5D,D 断面と順番に切れた.その後その倍程度の荷重 での最初の耐力低下で全付着が切れたと考える. (2) 機械的すべり止めに頼らない試験体の鋼管とコンクリー トのずれの進行に伴う耐力の傾向は,押し抜き試験では最 大耐力後に緩やかな耐力低下を示すが,外ダイヤフラム試 験体では耐力の低下と再上昇を繰り返した.これには曲げ や接合部溶接による影響が考えられる. (3) 機械的すべり止めは最小限で充分な効果を発揮した. (4) 付着強度は接合部実験の方がいずれの部材実験よりも高 かった.これには試験体に導入された曲げの影響などが考 えられる.. 40-4.

(5)

参照

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