八 % 冊説 ︶
手形保証の付 従性 ・独立性・ 有 因性
猫協法学第一八二号別刷︵
二 00 三年一二 日ハ ︶柴崎
暁お i @ ま
じめに 手形 保 ‑ 証の付 従性 と独立性
A 手形法三二条とセ集との関係1手形保証の特殊 ︐吐
B 手形保証のけ 従性 とその限界
︵ー︶フランス法における いつ p‑ の法的取扱
︵ 2 ︶ 付従 性の限界づ け とその根拠Ⅱ詩合の法理
手形保証の有田 性
A ﹁保証﹂﹁講会﹂﹁手形保証﹂の客観的原因︵ npEm ︶
B ﹁の 3%qe 仁 ﹁判決と人的担保の客観的原因
わりに
︵ め 冊 説 ︶ 手形保証の付徳性・独立性・ 有 因性
柴崎
暁一 l 一
濁協 法学第 62 号 (2003 年 12 月 ) 抗される事例であるとみる立場︵いずれもが 昭 和 四三年と四五年とを同一の原理で説明する︶ と ︑手形保証の構造
の 特殊性を捉え︑いずれかといえ ぼ それは 付従性 を 本質とするものであると解する立場とが主張 されてきた︵河本
‑j‑ 一郎Ⅱ上例克朗読︶︒本稿は後 説 に立脚しつつ︑ さらなる手形保証の法律行為論的構造の解明をは かろうとするも 学説は︑大別すれば︑ 最判 昭和四三年一二月二 五日︵ い わゆる﹁後者の抗弁﹂の事例︶ とのア ナ ロジーによって ‑2‑
この事案を捉え︑手形所持人による﹁権利濫用﹂ の事例とするか︑﹁二段階創造 説 ﹂を前提に﹁ 軸 一 権利の抗弁﹂が 対 手形保証に関する手形法三二条は︑一項におい て ﹁保証人 ハ 保証セラ ン タル考ト同一 ノ 責任 ヲ 負フ ﹂として
おきながら︑二項においては︑﹁方式 ノ暇疵ヲ除キ 他ノ 如何ナル事由二国リテ無効ナルトキト雄モ﹂手形 保証人はこれを 援 用 できないとしている︒一項の規定に手形保証 の付従 性の名が︑二項には手形保証の独立性の 名 が与えられて ぃ る ︒本稿の目的は︑あたかも 相 矛盾するこのふ たつの原理の調整はいかにしておこたわれるべき かを探求すること である︒この問題を考える上で参考になる事案が ︑昭和四五年の最高裁判決である︒
最判 昭和四五年三月三一日は ︑ 主たる手形債務 者︵ A ︶が実質関係正負担することのあるべき請負 契約不履行に基
づく損害賠償義務を担保すべく注文主︵ X ︶に 差
せず︑手形保証人 Y に手形 金 支払を請求したとい 入れた約束手形に︑振出人のためにする手形保証
ぅ 事例に関するものである︒裁判所は︑損害賠 償 義務不発生とい 人 ︵ Y ︶が署名し ︑
請負の履行が完了して︑損害賠償債務が不発生 に 確定したにもかかわらず︑受取人 X が言を左右 にして手形を返還
‑l‑ ら 事情︵原因債権の不発生︶を手形 保 ‑ 証人が手 形 抗弁として援用することを許した︒
一 2 一
はじめに
手形保証 V
ものであるとする︒かつての判例はこの立場で あり︑手形保証人は手形保証という手形行為によ って独立に手形上
の 債務を負担するものであるから︑約束手形振出 人のために手形保証した者は︑振出人が受取人 に 対して有する人 ‑6‑ 的 抗弁をもって受取人に対抗することはできた いとしていた︵ 最判 昭和三 0 年 九月二二日︶︒量一 局裁は ︑昭和四五年
三月三一日判決によって ︑みぎ三 0 年 判決を変 更 して手形保証人に﹁権利濫用の抗弁﹂の対抗 を許したものであ
る ︒手形保証は実質的手形厳正を帯びた制度では あるが︑﹁手形保証に限って﹁無用の利得循環 を ﹁不経済口であ @7@ るとして排除すべきでな い ﹂とする︒
ところで︑権利濫用の抗弁とは︑実質関係の欠 扶から自動的に導かれる抗弁なのでなく︑それは 外の特段の事情
3 独 う には解していない︒ ︐性 @5‑ それどころか︑通説の無 因論は ︑手形保証は無 国行為であって︑もともと原因関係に基づく抗弁 を 援用できない 侍従
血性・有国 性 ( 柴崎 )
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猫協 法学第 62 号 (2003 年 12 月 )
A 手形法三二条と セ条 との関係1手形保証 の 特殊 桂
通説は︑三二条一項の﹁同一 ノ 責任﹂を︑実質 的に同一という意味ではなくて︑手形保証人の債 務は主たる債務
者のそれと同一の手形 ヒの 記載の形式を利用し た 債務負担であるという意味に解している よう である︒したがっ
て︑ 主たる債務者が ︑ 例えば手形行為の実質的な 有効性を欠くことや︑人的抗弁を対抗し得る地 位 にあるにとどま
り ︑方式の暇疵を援用し得るのでない場合には 抗 弁の援用ができないと解していることになる︒ また︑実質的に同
一 たることを要求しないということは︑三二条 二 頃 における抗弁の援用不能は︑手形法 セ 条の規 建 する手形行為 独 @ ㎎ ‑ 立の原則を単に確認する規定であって︑本来は虹 一 用の規定であると理解することになるであろう ︒実際︑手形法統
一連動の過程の一入八八年ブリュッセル万国商法 会議決議においては︑独立の原則の適用の結果 として手形保証も
当然に主たる債務から独立的であるという発言
しかしながら︑七条と三二条とは︑﹁一般原則 | 確認規定﹂の関係ではなく︑むしろ︑ある部分で は 抵触しあ ぅ規
定 と読める余地がある︒七条で定めた独立の原 則が ︑手形保証には適用されないのではないかと いう 疑念が残るの
である︵二段原則1例外規定﹂︶︒というのも︑ セ 条では︑手形上に﹁偽造﹂の署名があっても︑ 他の署名の効力が
一 4 一
‑9‑ ‑8‑ の証明を要求している︒ところが︑四五年の事例 は︑ 主たる債務者である請負人に よ り工事が相 手 方に引き渡さ
ね ︑請負人が免責された 場 ムロであって︑被保証 手形債務の原因関係である損害賠償債権の不発生 という事実から 直
ちに︑他に何らかの事情の証明を要求することが く 権利濫用を対抗できるという結論が正当化 されているのであ
る ︒この点が︑ 最判 四三年の事案における権利 濫 用と ︑四五年の権利濫用とは︑一見類似するも のの︑その本質に
おいて異なった原理に基礎付げられるのではない かとの疑い な 抱かせる︒
一 5 一
手形保証の付 従性 ・独立性・有国 性 ( 柴崎 )
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の 偽造との関係で独立の原則が作用するとしても ︑ 少なくとも三二条二項の文理からいっても︑ また︑手形保証が あくまで﹁保証﹂の一つであるという観念によ っても︑被保証人である裏書人の署名の偽造ある ときは︑これを 援 用 し得べきものと解する余地があり︑またかく 解 さほ げれば︑ 再 遡求の可能性を前提に債務負担 する保証人の地位
を 危うくすることにはならないであろらか︒
田中耕・手形法小切手法概論︵一九四 0 年 ︶は ︑ ﹁各種の手形付 篇に 通じて法の要求する 所 のものは署名
︵ C ま % お 年日・の 仔コ曲ここ ‑ の仔 コ % 巨 ﹁の︶である︒ 手 形付篇は通常は署名以外に他の意思表示が篇 さ るること︵例えば 胡 裏書とか引受とかに 付て ︶を要するのであ るが︑然し法が其の意思表示が特に篇さるるを 要せずとも他の事情ょり 年 して 其 れが推知し得らるるものと認むる 場 ムロ又は 意思表示の相手方に多少自由の範 茸を興 ふる 必 要 ありと認むる 場 ‑ Ⅱ ‑
6
麟 もい う べき署名は﹁氏名又は商號の自署﹂ という形式を要求されている︒しかし署名とい 3 行動は︑かかる形式の 脇 充足自体をさすのではなく︑署名者におい て 自己に署名の法律効果を発生させるという 意 思を外部に表示する行動 であるところ︑偽造は︑外形としてほ署名らしき 像 の頻出を伴 う ものの︑当該名義人は一切行為 しておらず︑他方 外形 顕 出行動をなしたる者は自己にも本人にも 手形上の権利義務に関する法律効果を発生させる という意思を持っ ていない︒偽造とは︑手形行為の方式のなかでも 最も本質的な部分である署名を欠く現象であっ て︑ 最も重い方式 の 鞍鹿 によ る無効というべきなのではなかろうか 統一法によって初めて﹁手形行為独立の原則﹂を 導入した締約国法の一であるフランス法におい ては︑偽造を方 式 の 暇 疵の場 ムロ に同視しうるかという問題に付 き︑抜殻 院は ︑統一手形法導入以前より︑一見方 盾 した態度をとっ
り P 仁ご ︒ココの @ のコヰの 一 種であると定義されている︒ ‑ 乃 @ ︵ お @ 問題は単なる用語の異同にとどまらない︒制度 の 取扱︑即ち民法 用語法は︑そのような趣旨に出でたものではな い ︒むしろ︑フランス法の文献を参照すると︑ 古 来い セ p‑ とは即ち
手形保証の付 従性 ・独立性・有国 性 ( 柴崎
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一 7 一
てきた︒一八八二年三月二 0 日 ︵審理部︶ ‑ @g@1 をはじ め ︑﹁振出人の署名のみを担保するために約束手 形 上になされた 手 形 保証は ︑ 主たる債務者の身元をいっわる偽造 によって︑ 暇 疵を帯びる﹂とする一九 0 九年六月 一四日︵ムロ同部︶ ‑ 四 @ など︑援用肯定説判決があらわれる一方で︑これ を 否定する判決も見られた︒ある論者︵ 0 ロ ︵の 田 Z ロ内力の日オ︶は ︑
﹁統一法採用後は︑前説を維持することは困難で あるかに思われる﹂としつつも︑結論としては︑ 現在のフランス ぬ 説である﹁偽造Ⅱ方式の暇 疵 ﹂説を是とする @2‑2 この ょう な解釈を採用しても︑偽造概念が著 しく無権代理に接
一九世紀には︑手形保証に付いても 付 徳性を強力 に 主張する思考が支配的であった︒の め ︵のⅡ Z い Ⅱ オ Q Ⅱ由に よ れ
ぼ︑ ポ ー 控訴院判決一八五四年一月一四口は @33 ︑ 手形保証人は︑為替手形の構成要素ではなく︑ 取 引 に加入してい 規定の手形保証への適用の可否という価値判断 0 基礎でもある︒現代でも︑手形保証に民法の保 証 に関する取扱を
ゑ ぼす解釈が支配的︵判例・学説︶である︵ベル ギ 1 法 ︑ @ @8‑2 ま 反対︶︒ フランスの手形保証は ︑ 例えば ディマンド・ギャ ‑ 打 ‑
ランティ | などよりま民法保証 @ . 二化︑ こ 近く︑ ‑ ︒ ‑2 付徳性 あ る 人的担保と考えられている︒
商法典起草関係者の発言はこのことを裏付ける とともに︑手形保証の付徳性 を ︑民法の保証に 関 する規定に直接
根拠付けようとさえする︒
ro の力 吋 ︵ 宙 ︒ コは ︑一八 0 七年商法典一四二条の 解釈として︑主たる債務者である為替手形の振 田人や裏書人が M ︶ 享受する︑拒絶証書の作成を解怠した所持 人 における失権の利益を︑手形保証人が援用で きることを述べる パッ 昨 セージで︑その根拠を民法典 二 0 二六条 に 求めている谷のまのに附着した抗弁︶︒ 口亨 しの枝のに ‑ 田の コり 0 Ⅰの 由臣 の ‑ の 笘 0 ココ の に ⅠでⅠ 0 片 @ 持の由の団 宙ひリ アか曲目りのの C つ し @ のの曲 仁 ︵目の目Ⅰの 目 P 由 Ⅹの二ロ 0 の㏄の 岸
Ⅰ ㏄
‑ ヰ倖 由井ので P Ⅱ ゴ ㊦ 第 学 つ 0 Ⅰ ヰ 0 年Ⅰ ロ ・ い せ or Ⅰ吟曲 ‑ 付 一のつⅡ 0 目ひヰ W 目の ヨ での年神二の・ り笘
の ‑ の㏄のⅩのの つゴ 0 コの 法 協 ニ目一ドでで 肛 Ⅱ︵ ‑ のココ の串田 ゆ 目印 ひヴ 舌の E Ⅱ つココい ‑ で p‑ の田口 仁 ‑ mo 巨ぎ薫恭き勒 申 さ隠 〜〜 e. なおまたしたがって ︑保証人は ︑所 濁 特大が適切な期間内に拒絶証書を作成しなかっ 訳は柴崎による︒原文中イタリックは出典どお 人は債権者に対して主たる債務者に属する抗弁
り ︶︒ たことによって振出人裏書人が得る失権の効果を および債務に付着した抗弁を対抗し得るものなれ 受益する︑保証 ばなり︵日本語
一 8 一
形 保証の 付 徳性 立 ・ 性 有国 性 ( 柴崎 )
いるようには見受げられず︑ 付従性 否定説の @5‑ 統一法が導入されてからは︒フランス法に
五 0 年代になって︑一時的ながらフランスの
取扱のすべてが手形保証に適用されるのでは ‑ 叩 ‑ 利益﹂は︑手形保証には適用されないとする
決定的な論拠としては不十分というべきであろ ︵ @ ノっ
おいてさえ︑事情が異なってくる︒ Q 四の③ Z 巾由 下 の田刀 にょ れば︑一九
判例には︑ドイッ 法 ・イタリア法の影響の下︑付 徳性を制限しょう と
即ち︑保証の付 従 性は手形保証に適用されず︑ 同 様に︑保証における
ないとしたのである︒例えば︑民法典 二 0 三セ 灸所定の﹁訴権譲渡の
理解が採用され︑そのことが手形保証の本質を 反映した帰結と考え ろ るという状況によって構成要素となっているにと どまり︑いかなる 場ムロ においても自らが担保 する署名者の写像 ‑ ㌍ ‑ 亡息㊤︶としてしか考慮されない﹂と述べてい る ︒主たる債務の存在は保証債務存立の第一の 要件であるといえ
る ︒ Q 由 ︶の 目 2% 已オ Q 円刃 は ︑ドイッ法の理論が付 従 性を否定する点でフランス 法 との対立を来すも のとして紹介して
いる︒かかる対立の結果︑一九三 0 年 手形法統一 条約の成立に際しても︑同じ三二条の文言が ︑ それぞれの理解か
ら 違った読まれ方をするという︒ドイッ法的理 解によ れば︑同条が制定された理由は︑手形保証 の付 徳性の作用す
る 範囲を︑方式に 暇疵 ある 場ムロ に限定するためで あり︑三二条二項は当然の事柄を︑一項は手形 保証の方式が主 た
る 債務の方式を借りるということの帰結として 捉 える︒他方︑フランス法的理解に ょ れば︑同条 が 制定された理由
は ︑手形保証の独立性を︑方式の暇 疵 以外の主 た る 債務の成立の暇 疵 ある 場 ムロに限定するためだ ということになる のであるから︑一項が原則で二項は例外という @ ﹂とになる︒なお︑統一法の形成過程では︑ 別 証 保証 c‑p づ 田口目 ︵ お @ 一 ‑pn ︵のれ 審 ﹁ か ︶の許容の問題を除いては︑あまり 議論は豊富ではないが︑手形行為の独立性の当然 の 帰結として手形 @ 糾 @ 呆 証も独立的であると考えられていた よう であ る ︒しかし︑起草過程において十分に抗弁の類型 毎に考察を加えて
一 9 一
﹁事実︑手形保証と民法上の連帯保証との間には 相違が存在している︒その相違のいくつかは 純 枠 に形式上の @ 乾 @ る ︒したがって︑今日では次のような考察が可能 である︒ 法学
とする︒しかし︑このことを確認したからとい って︑この処理が他の事
出 に拡張されるのではない︑と︒
結局︑状況は再び一転し︑ 破穀院は 一九五七年 一月五日の判決で︑右の判例を変更し︑民法典 二 0 七三条が手形 @M‑ 保証にも適用があることを認めるに至った︒ そ して︑これは学説からも支持され︑下級審もこ れにしたがって い
第 62 号 [2003 年
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ハリ 控訴院判決一九五 0 年 一 0 月三一日は︑伝統 的なフランス法にしたがい︑手形保証人は ︑商 法典九三条の商 事 共同連帯債務者としての地位と︑民法典 二 0 一 二セ 条の訴権譲渡の利益を認められる民法上の保 証人としての地位 とを兼ね備え持つとの理解をとっていた︒ところ が ︑その僅か二年後︑この理解を変更して︑ 破 殺焼 判決一九五二 年一 0 月 二八円は︑商法典一四九条の償還請求 の 規定が民法典の規定を排除するものと解して︑ 訴権譲渡の利益の @ ㏄ ‑ 援用を拒んだ︒学説は可能な限り抵抗した︒ Q Ⅱ 〜の 田之 ロ口 刃 Q 巳オは ︑吸殻 院 のこの変更の理由付け が 商法一四九条の 存在することにもとめられる以上︑手形保証の 取扱の変更は︑その他の問題には拡張されるべ きでないと見てい
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手形保証の
最後に︑被保証手形債務の原因 nPuse に関する 抗 弁は ︑手形保証人においても援用し得る抗弁と して認められて @ ㎎ ‑ いる︵ 破殴院 商事部判決一九七一年一月三八日︶ ︒他の主たる署名の実質的無効原因の援用が認 められていないに ‑ コ ‑ も杓 わらず︑被保証債務の nP 拐の不法による無効 の 援用︑ nP 拐の欠 訣 による無効・後発的失効の援 用 が認められてい
手形保証債務の原因の欠 訣 であるという手形 保 証の構造の帰結で ‑ 詔 ‑ あると考えるべきであろう︒これは項目を改めて 後述しよう︒ @ 触 @ 他方︑統一法三二条二項所定のとおり︑方式の暇 疵 以外の無効︵ 取消 ︶原因は援用を禁じられる ︒これに加え︑
主たる債務者の責任を解除するにとどまり債務 そのものを破壊しない制度に関しては︑保証人に よ る援用は許され
付従
時効期間そのものに基づいて手形保証人はこれを 援用できる︒
性 ・ な
人は義務を依然負 う ものであるが︑手形保証にお いては︑手形時効が固有の制度として規定され ︑ 主たる債務者の ‑ ㎎ ‑
一 1
珪 立たる手形債務者の時効完成については︑ 主 たる債務者が責任を負わない︵自然債務化する ︶だけであるから︑保証
Ⅰ ‑ 一 こうした経緯で獲得された現代フランス手形法の 学説・判例の説くところを要するに次の通りと なる︒手形保証 @ 蛉 ‑ ‑ 卸 ‑ 崎 柴人は︑被保証人のあらゆる抗弁︑とりわけ ︑ 主たる手形債務者の時効完成︑倒産手続にお ける債権の届出 解怠 にょ ‑7‑ 4 ‑ 邸 ‑
手形上遡求義務者の債務であるとき︑拒絶証書 作成手続 辮 怠も援用可能
有 である︒さらに︑弁済・更改・相殺など債務一般 の 消滅原因に関しては︑広く援用を認めること で 争いがない︒ 主 ものである︒いくつかは実質的に債務負担行為の 効果を修正するものである︒しかし︑これらの 相違は手形保証
が 行われる手形法的枠組みの帰結である︒これら の 相違は本質的なものとは考えられず︑債務 負 担 行為の本質を ‑ ㌍ ‑ 変更するものではない︒﹂
濁協 法学第 62 号 (2003 年 r2 月 )
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の種類ではなく ているのの︵︵の︵債務︶と同 0 ヴ 二 mP 巳 o コ の種類であると考えられていた よう である︒担わ れる客体である 監 二のに 塞 き 主 債務者が主張し得 る 事由は︑保証人 もまた主張できて当然である︵例えば︑金額︶︒他 方 において︑担 う 主体である 主 債務者の人の属 性 等に根拠をおく 事由は or 鯨 a ︵ @0 コ 0 部分にのみ影響を与えるにと どまり保証人の援用し得べきものではないこと になる︵典型が行 為 無能力︶︒基本的には い 0 己の 0Z 下し巳も同様の 思想に立脚してした ︑︑︑ ‑0@7 ‑ ︒
独立性
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このようにして理論の変遷が要請されたのは︑ ︐ ﹂のような﹁保証﹂人は︑保証人一般が負う無資 力の リスク以上 に ︑本人による取消のリスクという別のリスクを 負 う ことが強く意識されたからであろう︒
ヱ
フン ス ではともか く ︑日本でほこれに加えて︑民法四四一八条の規定 と 自然債務の保証の観念が抵触するというとこ ろにも根拠 づ げら れるであろう︒主たる債務に訴権が伴わず︑ 従た る 債務に訴権が伴うということは許されず︑ そ の 体様は主たる 債 務 にあれせて﹁縮減﹂されるべきである︒即ち 自 然 債務の保証は自然債務でしかありえないので ある︒このようにして民法四四九条においては︑﹁無能 力者の保証﹂は ︑ 主たる債務者による取消がなか った 場合には 保 証 ︑取消があった場合には﹁独立の債務﹂を 負 損 する混合契約として構成されるに至った︒
そこで翻ってかんがみるに︑手形保証が︑ある面 で付従 的な人的担保でありながら︑それは一定 の 限度において 者︵本人︶に よ る承諾を促す取引である︒もし 本 人の承諾が得られなければ自らが契約当事者と なって履行の責め
︶明に任ずるというものである︒ 二 0 一二条の 場 ム口には︑保証人は︑無能力者が追認し取消を しないときには本人の資
轄力
を担保し︑追認せず取消しをなすときに は 自ら義務を負 う ︒ここには保証人としての 地 位と請 舎人としての地位 ㎝が並存するといらのである︒そのような 契 約は ︑不法の目的を持たぬ限り有効なものとし て 扱われて よ いであろ 日方l4 一
ところが︑日本新民法成立の過程で︑自然債務の 観念が廃棄されてしま い ︑かっ︑体様における 付 徳性を規定す る 四四六条が導入されたため︑﹁自然債務の保証 ﹂という説明は不可能になってしまう︒したがっ て ︑ 旧 財産 編 九条 @n‑ 二五条の改正法たる四四九条は新たな理論的基 礎を別の観念に求めたければならなかった︒
その頃︑フランス法でも同様の問題につき﹁自然 債務の保証﹂とⅠ ︑ ぅ 理解を改め @2@@ ︑ ﹁保証 と請合 ︵ 口 0 ﹁︵の・︵ 0 ︵この 並存﹂としう観念による説明 @ @@ 力 普及しはじめる ︑ 0‑,‑7 講会とは︑詩合人が︑相手方に申込の意思表示 をなさしめ︑第三
W n 手形保証の有国 性 有
許されることになってしまう︒通説はそれゆえ に 権利濫用という︑一見 以上のように︑手形保証を︑民法四四九条の構 造 に準え︑主たる債務者の資力ならびに方式の暇 疵を除く無効 原 ‑ Ⅰ @ :i 5
危険を担保するという趣旨を定型的な内容とす る 法律行為と考えると︑ @ 巧 ‑ 性 モ形保証の独立性を抽象︵ 無因 ︶性に基礎付ける 必要はなくなる︒日本民法四四九条やフランス 民法にいう三市 付従
手形保証についても同様に考える︒通説の説くよ う に手形保証も実体法的な意味における抽象 債 務 であり︑手形 保証に手形法 セ 条が当然のこととして適用され︑ 債務負担行為の効力ほ手形外の事情から影響を 受 げないものであ
‑@‑ 7 不明確な内容の手形抗弁を想定しなければならな くなる︒しかし︑手形保証をそのようにとらえ ず ︑日本民法四四
であったのは︑手形保証という意思表示の定型的 な 内容が ︑ 右の混ムロ契約と同様に ︑ 主たる債務 者の資力ならびに方式の暇疵を除く無効原因に よ り債務そのものが 存在しないことの危険を担保するという趣旨に あるから︑と説明
保証の独立性は︑これ以上のものではない︒手形 保証人は ︑ 主たる
手形行為の偽造を援用できるだけでなく︑担保 とい分目的のなかに依然としてその存在理由を見 出す︒その点が 純
崎 ︶ 枠 な単純約束と異なる点なのである︒
柴
として以来この﹁考慮﹂説を採る︒手形保証にと つても原因 cau ののとは︑ 主 債務者・債権者間の取 引への﹁考慮﹂で
債務負担行為の原因︵ここでは客観的 ppu ののにあ たるもの︶をいかに定義するかについては︑狭義 の ﹁保証 目 ﹁ 請
合 ﹂︑﹁手形保証﹂を︑共通の性質をもつものとし
法 保証 ca 亡巳 0 ココ の・ @ ㎝ ‑‑ あ @ ヨの 巨に付いては︑一九 セ 二年の ド の ヨロ の﹁ 0% ﹁判決 が ︑原因 cau ののとは︑ 主 債務者・債権者間の取引 への﹁考慮﹂である
6
第 ぼが同時に手形体証人にとっても原因である との理解をとっ て 抗弁の援用を認める︒ @‑‑‑ ︒ ‑8 この 議 論 に示唆を得るにして ‑ Ⅱ @ 脇も ︑ではそこで何が手形保証人の義務の原 因 にあたるのか︑そもそも定型的に手形保証の 原因を確定し ぅ るのかを
九条やフランス民法にいう﹁講会﹂と同様に 捉︐ ぇ れば︑四五年判決の事案は権利濫用ではなく︑ 別の根拠で説明し
ぅる 余地が開かれることになるであろう︒
フランス手形法の理解によると︑手形の振出人と 受取人との間では︑手形債務は実質的に無因の ものではないか
ら ︑原因関係 欠 訣の場合には︑無効原因の対抗の 如何とか ぅ 問題になるはずであり︑三二条二項 がい う 実質的無効
原因に︑原因の欠畝も含められるとするならば︑ それは援用不能ということになってしまう︵ 日 本法の通説的見解
では︑原因の欠訣は人的抗弁事由となるにとどま るから︑三二条の文言からはいずれとも言い難 い ことになるが︑
M ︶ おそらくは無効原因以上に援用できないと 考えるのが通説の立場からいえば︑合理的であ ろう︶︒しかし︑振出人と 拝受取人との間における原因関係の欠 訣が︑ 手形保証そのものにとっても同時に原因の欠 訣 を 意味するならば︑それ
手形保証の付 従性 ・独立性・有国 性 ( 柴崎 )
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一 17 一
A ﹁保証﹂﹁講会﹂﹁手形保証﹂の原因⑧笘のの
ある金銭給付義務を負担する行為を締結するに おいて︑当事者には︑この約束が ︑
を 獲得せしめうる自由がある︒しかし︑この﹁ 自由﹂は無制約なものなのではない︒ 外部の事象に依存しない性質 例えば︑人的担保と称して用
者の不利益について︑﹁本人﹂に帰責性がないた めに﹁本人﹂には賠償請求できない場面が想定 されている︒した
がって︑そこには仮設的かつ倫理的には﹁本人﹂ の年の︵︵のが存するともいえるであろう︒このよ うな仮設的 & の ︵目のに
仮託して語られている事柄とは︑要するに︑ 債 務 負担行為が果たす﹁担保というはたらき﹂ そ のものを指してい
る ︒講会にしても手形保証にしても︑この点にお いて︑単純な支払約束と異なる︒﹁本人﹂がいな ぃ 天災や第三者の
行為から生じた損害の填補を目的とする損害保 険 契約の場合には︑保険料と危険負担との交換と い う 構造を有し︑
本人の繍二のを想定し得ない状況を前提にしてい る ︒本人の信用増強という機能を担 う ことを類 型 的に必須としな ‑ あ ‑ 胡 いので︑損害保険や ︑ 何らこういった機能 と 無関係に成立する抽象︵ 無囚 ︶債務を負担す る 単純約束のごときもの ここにいう機能こそが︑フランス私法学において は ︑客観的原因 盆ど のの 0 ヴ 一の ct@ お ︶の名で語ら れる法律行為の 8 申万 % 有効性に必要な条件である︒人的担保で︑ 右の機能と無縁に成立するものは存在しない︒ ︐ ﹂こで想定される保証の 群 客観的のの二ののは︑主たる債務の存在そのも のではなくて︑主たる債務者が︑担保の存在に よって債権者から引き出
脇し
得る有利な地位に対する︑担保義務者の 貢献への意思といらことができるであろう︒客観的 ca 二ののが︑数個の契約類型を範時に括る 基 準 として作用するときに︑それは c の二のの nP 乙 mo 舌 二の︵ 範埼的原
因 ︶の名で呼ばれる︒ np 拐の ca ︵か的 0 ﹁一口仁のは︑ 典 型 契約・有名契約の一個の契約類型に共通して 定義 づ げられてお
り ︑それはしばしば︒桂のの︵ ぎ 日の︵目的因︶ とし て 合意の有効性の要素となっている③拐の 0 三のの ︵ 一 くの︵客観的原因︶
と 定義上かさなりあ い ︵ 範 肩を決定する基準に なる cau ののが︑有効性を条件付けろり当のの とズレ 6 場合もあると 考
えられている よう であるが︶︑同時にそれは訴の 原因たりうる cau ののの︵ 卜一 n@ の コ ︵の︵債務発生原因・ 充 定田︶の 名 と同じ
数 だけ存在することになる︒この三種の︵ 範傭的 目的的・充足的︶のの二ののは︑同じ概念を︑その 働きや視点を変え
手形保証の付 従性 ・独立性
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一 19 一
性 おそらく︑われわれは︑狭義の保証と︑講会 や 手形保証とを 総 ムロする人的担保制度の npu のの 0 三の り ︵ 一 くのを想定する 因 有 ことができる︒ ‑,‑s て 定義しただけのものといえるであろう︒このり ピ ののは︑とりわけ片務契約においては︑その 債 務 負担行為が いか
なる機能を担 う かを決する基準となり︑機能の喪 失 がその効力を奪 う との帰結をもたらす︒債務 負担行為それ自体
に暇疵 がなくとも︵法律行為の成立時に判断され る ︶︑債務の内容自体にとっては外部的な︑後発 的な事情で債務 負
担 行為が失効し︑しかも︑その失効という帰結 が 当該契約類型の常態であるとき︑それはもはや ︑契約自由によっ
崎 ︶ て 千差万別であり得る﹁目的物︵ 0 三ユ︶﹂ や ﹁条件︵ no コ臼由 ︒ し ﹂の作用なのではなく︑定型 的な nPu ののの作用以外に
紫根拠を求めることができない︒
濁協 法学第 62 号 (2003 年 12 月 ) 的 ぃ 依 れ
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一 20 一
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@ ㏄ ‑ B ぎョ ヌ R 目判決と人的担保の客観的原因
フランスの判例は︑保証の ca ロ ののを︑主たる債務 者に対する債権者からの 与 信開設のように︑﹁ 債 権者が相関的に
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一 21 一
う 間に対する答としての ca 二ののとしては︑殆ど﹁ 保証債務を負ったからだ﹂と答えるようなもの だからである︒﹁ 保 証人によって追求される目的は︑実際には︑ 担 保 ではない︒担保は︑手段でしかない︒保証人が 債務を負うのは︑
通常︑債務者の要請にしたがってであるとすれ ば ︑それは︑債務者に債権者からの信用またはそ の他の利益を得せ @ ㏄ 肖 ℡ ‑ しめるためである﹂︵ 臼まァ 日下︶︒
②第二の批判として︑判旨は︑双務契約に認め られている客観的 opus のの定義をそのまま庁務契 約 に押し付けた 崎柴 もので︑必要的に動機 竺 ]@ 及 せさるを得ず ︑この事実によって客観的 ca 巳の︵契約の類型 ご とに一定の債務負担の理 剛士をいい︑その実在性がない 場 ムロにムロ意の 無効原因になる︶と主観的 npus の︵契約ごとに 千 差 万別の債務負担の理由 有 をいいムロ意の内容に採り込まれることによ って動機から ca 二ののにひきあげられる︑その 適法性がない 場 ム口
得︑これが保証の npcm のである︒
何が保証の 8 仁ののであるかの定義は ︑
めたか ? ﹂との問いに対する解であっ したがって︑﹁保証人が︑いかなる考慮の対象で ある有利な地位を獲得せし
て︑ ﹁いかなる理由によって保証人が自分以外の 者のためにこの有利な地位 る︑ 主たる債務者が債権者から 与 信を開設しても らうという利益を享受する︑ この有利な地位︵ ミの耳り 的の︶の 獲 保証人による債務負担行為から︑もっと直接に もたらされる帰結︑すな ね ち︑保証の設定を条 件 として得られ 行為をしているのである︒担保義務者が追求し た事実︑一層個人的な目標︵ 由コ 0 三のの︵ 一 ︵ 口一 us 口の ニ 0 ココ 匹 ︶は︑担保 ‑ Ⅶ ‑ のための債務負担行為の有効性にとっては︑ ど ぅ でもよい事柄である︒﹂ 月 昨 客観的 cau" のは︑一般的に︑債務負担 意 思の正当性のコントロールの手段にすぎない︒ 双務契約であれば︑この
た者にとっても何らかの利益をもたらすことを 確認すれば論理的当然に
約 である担保契約の場合にほ︑かかるコント ロ 1ル は 同様の形式では 作
ぼ勤
しない︒確かに︑保証人自身の利益︑ た とえば保証料の支払がムロ 煮 されている場合があ ることは否定できない︒協 しかし︑保証委託の際に︑報酬が同意されるか どうかは︑ 場 ムロにより区々であり︑したがって ︑ 保証人の受ける 自 猫 分 自身の利益は︑担保たる債務負担行為の直接 0 日 的 ︵ こす仁 二ョ ョひ臼 P ︵︶とされることはあり︐ て ない︒
一 22 一
的 かつ有効なる説明を有する︒ひとは︑﹁配慮の ある﹂︵の け ︵の コ ︵ @ 〜︶︵そういってよいなら﹁分別の ある﹂合の コ の か ︶︶ 的 目的︵︵ @ コ生 ︵ か ︶は ︑
く ︑債権者と債務者と
っ 債権者から獲得する 結局︑担保義務者と債務者との間の交換でも︑ 担 保 義務者と債権者との間の交換でもな
の 交換にある︒しかるに︑担保義務者が︑債務者 0 期待する有利な地位を債権者に欲しか 時点で︑それは充足される︒すな ね ち︑ひとは︑ cau ののを有する︒ひとは︑債務負担のムロ 理