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日本呼吸ケア リハビリテーション学会誌 2018 年第 27 巻第 2 号 慢性閉塞性肺疾患患者の終末期における看護師の緩和ケア実践に関する調査 困難感原防衛医科大学校医学教育部看護学科久宗真理 下西みずえ 松井美帆要旨本研究は終末期 COPD 患者への緩和ケアの実践状況を明らかにし

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日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 2018年 第27巻 第 2 号 174- 179

慢性閉塞性肺疾患患者の終末期における

看護師の緩和ケア実践に関する調査

防衛医科大学校医学教育部看護学科

久宗 真理 ・ 下西みずえ ・ 松井 美帆

要 旨 本研究は終末期 COPD 患者への緩和ケアの実践状況を明らかにし,ターミナルケア態度,困難感との関連性を検 証した.COPD 患者を看護する看護師159名に無記名質問紙調査を実施した.アセスメントの実施率は呼吸困難,咳嗽, 不安で高く,非薬物療法では体位・生活動作の工夫,日常生活の調整,呼吸リハビリテーション,環境整備などが実施さ れていた.緩和ケア院内研修の受講歴は,ターミナルケア態度,困難感尺度の患者・家族を含めたチームとしての協力・ 連携,治療・インフォームドコンセント,環境・システムで,看取り経験は困難感尺度の看護職の知識・技術,COPD 患者看取り経験では患者・家族を含めたチームとしての協力・連携,治療・インフォームドコンセントで有意差を認め た.以上のことから,緩和ケアの研修を行い,スタッフの困難感を取り除き,ターミナルケア態度を高めることにより, COPD の緩和ケアを確立していく必要がある. Key words:慢性閉塞性肺疾患,終末期,緩和ケア,症状アセスメント,非薬物療法,ターミナルケア態度,困難感

  著

緒   言

 慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary dis-ease:以下 COPD)は世界の死亡原因の第 ₄ 位であり₁) わが国における₂₀₁₆年の死亡者数は₁₅,₆₅₄人であった₂) 一方, ₃ 年に ₁ 回行われる患者調査において,₂₀₁₄年の COPD患者数は₂₁₆,₀₀₀人であり,長期の喫煙歴を経て 発症する疾患であることから高齢男性に多い₃).COPD 疫学調査では,₄₀歳以上の₁₀.₉%に気流閉塞が認めら れ₄),当時の人口に換算して推計₅₃₀万人が COPD に罹患 していると報告されている₅)  COPD は緩徐ではあるが進行性の疾患であり,急性増 悪をきっかけに急速に進行する.現在,在宅酸素療法中 の患者の半数が COPD 患者であるが₆),肺癌などの悪性 疾患に比べ,その予後予測は容易ではない.COPD 終末 期の症状は,呼吸困難,咳,痰などの呼吸器症状に加え, 疲労感,睡眠障害,うつ状態,ADL 低下など多彩であ る₅).英国における報告では,COPD 患者の死亡前 ₁ 年 間において,呼吸困難₉₈%,疲労感₉₆%,咳₈₀%,睡眠 障害₇₇%,気分低下₇₇%,疼痛₇₂%が認められており₇) 終末期の症状は患者の日常生活,QOL に大きく影響す る₈).したがって,COPD 患者の終末期の看護において は,個々の患者の症状を的確にアセスメントし,その患 者に合わせた緩和ケアが極めて重要となる.  COPD の非薬物療法は呼吸リハビリテーションが中心 的要素であるが,COPD 終末期では呼吸機能低下が著し く,一部には心不全を併発し₉),わずかな体動でも呼吸 困難感が出現するため日常生活もままならなくなり,呼 吸リハビリテーションの継続は容易ではない.一方で, COPD患者の終末期の緩和ケアとして音楽,リラクセー ション,涼しい風をファンで送る,カウンセリング,精 神心理学的治療などが報告されている₅).終末期がん患 者の呼吸困難感に対する非薬物療法について,緩和ケア 病棟の看護師の支援の状況を明らかにした研究₁₀)では, 呼吸困難感の量的評価を「全くしない」「ほとんどしな い」と回答した者が₇₀.₁%を占め,終末期がん患者の呼 吸困難感に対する支援については「やや困る」「かなり困 る」と回答した者が₉₁.₂%であった.実施されていた支 援は,「タッチングを行う」,「症状が改善する体位を探 し,クッションなどで保持する」,「安心感を与えるよう な声かけをする」,「患者さんの側にいる」,「セミ・ ファーラー位,側臥位などをとる」,「頻回に訪室する」 などであり,マッサージやアロマセラピーなどの補完代 替療法の実施頻度は低かった.  緩和ケアの実践には,看護師のケアに対する態度が影 響するが,がん患者の終末期を看護する看護師を対象に した調査研究₁₁)では,年齢や臨床経験年数,看護組織の チーム力,医師との治療やケアの方向性に対する考えの 共有,医療施設におけるターミナルケア提供体制などが 看護師の態度に関連する要因として報告されている.ま

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査した研究₁₂)では,「十分な病名・病状説明をされてい ない患者への対応」に困難感を感じており,予後予測の 難しい COPD 患者の看護でも同様のことが予測される. そこで,本研究では COPD 患者の終末期における看護師 の症状アセスメントおよび緩和ケアの実践状況を明らか にし,さらに看護師のターミナルケア態度と終末期緩和 ケアの困難感との関連性を検証することを目的とした. 対象と方法 1 .研究施設及び対象者  研究参加に協力の得られた関東地方の大学病院および 地域支援病院₁₀施設の呼吸器科病棟に勤務する看護師₁₅₉ 名を対象とした. 2 .データ収集方法  ₂₀₁₆年₁₁月~₁₂月,郵送法による無記名の質問紙調査 を実施した.研究参加に承諾の得られた施設の看護部長 に質問紙を郵送し,対象病棟への配付を依頼した.対象 者には文書で研究目的を説明し,質問紙の回収は第三者 に回答がわからないよう封筒に入れて施設ごとに回収し, 施設からは郵送で回収した. 3 .調査内容 ₁ )基本属性  対象者の基本属性は,年齢,性別,看護師および調査 病棟での勤務年数,専門・認定・関連資格保有の有無. ₂ )緩和ケアに関する研修への参加  緩和ケアに関する院内・院外研修の受講歴. ₃ )看取り経験  これまでの看取り経験と COPD 患者看取りの経験. ₄ )COPD 終末期の主な症状に対するアセスメントに ついて  「終末期」の定義は,「繰り返す病像の悪化の末に,急 激な症状増悪から死が間近に迫った状態であり治療の可 能性のない状態」₁₃)と質問紙に明記した.COPD 終末期 の症状については,緩和医療学に関する成書₁₄),非がん 疾患の症状出現率に関する先行研究₁₅)を参考に,呼吸困 難・咳嗽・疼痛・倦怠感・食欲不振・悪心・嘔吐・便 秘・下痢・浮腫・不安・うつ・せん妄・睡眠障害・認知 障害の₁₄症状を選定し,アセスメントの実施に関しては, 「 ₄ .よく実施している」~「 ₁ .全く実施していない」の ₄ 段階評価により回答を得た. 施について  各症状への非薬物療法による対応は,緩和ケアの成 書₁₆)を参考に,マッサージ,温罨法・冷罨法,体位・生 活動作の工夫,リラクセーション,アロマセラピー,日 常生活の調整(食事の工夫,清潔:足浴,清拭,睡眠, 排泄),環境整備,精神療法,呼吸リハビリテーション, 音楽療法,その他の療法の₁₁項目とし,各症状に対して その実施の有無を調査した. ₆ )終末期 COPD 患者の看護に対する態度について  終末期 COPD 患者を看護する看護師の態度について は,Frommelt が開発した「Frommelt Attitudes Toward Care of the Dying Scale;FATCOD-B」を中井らが翻訳し た FATCOD-B-J₁₇)を用いた.この尺度は,₃₀項目からな り ₂ つの下位尺度〈死にゆく患者へのケアの前向きさ〉, 〈患者・家族を中心とするケアの認識〉からなる.得点 は,「 ₁ .全くそうは思わない」~「 ₅ .非常にそう思う」 の ₅ 段階評価で,総得点範囲は₃₀点~₁₅₀点である.得点 が高いほど終末期患者の看護に対する態度がより積極的 であることを示す. ₇ )終末期 COPD 患者を看護する困難感について  終末期 COPD 患者を看護する困難感については,笹原 らが開発した「一般病棟の看護師の終末期がん患者のケ アに対する困難感尺度」₁₈)を使用し,本研究では,COPD 終末期の緩和ケアで重要とされる「予後予測・症状緩 和・意思決定支援」の ₃ つのキーワードと関連する「患 者・家族を含めたチームとしての協力・連携」「看護職の 知識・技術」「治療・インフォームドコンセント」「看取 り」「環境・システム」について尋ねた.終末期患者のケ アにあたり看護職が困ったり悩んだりすることが「 ₁ . 全くない」~「 ₄ .非常にある」の ₄ 段階で評価し,ドメ インごとの得点が高いほど,困難感が高いことを示す. 4 .分析方法  対象者の属性,症状アセスメントおよび各症状に対す る非薬物療法の実施状況,ターミナルケア態度得点,終 末期ケアに対する困難感の得点について記述統計量を算 出した.緩和ケア研修受講の有無および看取り経験の有 無と,ターミナルケア態度および終末期ケアに対する困 難感について t 検定または Mann-Whitney の U 検定を行っ た.すべての分析において統計処理ソフトは SPSS を使 用し,有意水準は ₅ %とした. 5 .倫理的配慮  対象者には,調査への協力は自由意思であること,回

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慢性閉塞性肺疾患患者の終末期における看護師の緩和ケア実践に関する調査 答提出をもって同意を得たこととすること等を説明した. 本調査は,防衛医科大学校倫理審査委員会の承認を得て 実施した. 結   果 1 .対象者の基本属性  対象者₁₅₉名のうち₁₃₄名(₈₄.₃%)から回答が得られ 分析対象とした.平均年齢は₃₁.₃(SD₈.₃)歳,看護師 経験年数平均は₇.₈(SD₇.₀)年,呼吸器病棟勤務経験年 数平均は₃.₆(SD₃.₄)年であった.緩和ケアに関する院 内研修の受講歴ありは₅₃.₆%,院外研修の受講歴ありは ₂₃.₈%であった.また,看取りの経験ありは₉₅.₃%, COPD患者の看取り経験ありは₆₉.₈%であった(表 ₁ ). 2 .COPD 終末期の症状アセスメント  COPD 終末期の₁₄症状に対するアセスメント状況は, 「よく実施している」症状は,「呼吸困難」₆₇.₉%,「咳 嗽」₅₄.₅%,「疼痛」₄₇.₀%で,₁₀症状で「よく実施して いる」または「実施している」とした回答が ₈ 割以上で みられた.一方,「あまり実施していない」症状は,「う つ」₃₁.₃%,「下痢」₂₈.₄%,「悪心・嘔吐」₂₄.₆%であっ た(表 ₂ ). 3 .COPD 終末期の症状に対する非薬物療法の実施状況  COPD 終末期の₁₄症状に対する非薬物療法の実施状況 は,「日常生活の調整」はどの症状に対しても高頻度で実 施されていた.また,「体位・生活動作の工夫」は,呼吸 困難(₈₇.₃%),咳嗽(₆₆.₄%),疼痛(₇₂.₄%),倦怠 感(₅₆.₀%)において多く実施されていた.呼吸困難・ 咳嗽に対しては,呼吸リハビリテーションも実施されてい た.「温罨法・冷罨法」 は,疼痛 (₅₄.₅%),便秘 (₄₇.₈%) に対して,「環境整備」は,せん妄(₄₈.₅%),睡眠障害 (₄₃.₃%),認知障害(₄₄.₀%)に対して実施されていた (表 ₃ ). 4 .緩和ケアに関する研修の受講歴とターミナルケア態 度および困難感の関連  緩和ケアに関する院内研修受講歴ありの FATCOD 総 得点の平均は₁₁₈.₈点,なしでは₁₁₂.₆点であり,有意差 を認めた(p=₀.₀₀₃).また,緩和ケアに関する院内研修 表 2  COPD 終末期の症状アセスメントの状況  N=₁₃₄ 症状 よく実施している 実施している あまり実施していない まったく実施していない 呼吸困難 ₉₁(₆₇.₉) ₃₅(₂₆.₁) ₇ (₅.₂) ₁ (₀.₇) 咳嗽 ₇₃(₅₄.₅) ₄₈(₃₅.₈) ₁₁(₈.₂) ₂ (₁.₅) 疼痛 ₆₃(₄₇.₀) ₄₆(₃₄.₃) ₂₂(₁₆.₄) ₃ (₂.₂) 倦怠感 ₄₆(₃₄.₃) ₇₀(₅₂.₂) ₁₇(₁₂.₇) ₁ (₀.₇) 食欲不振 ₄₈(₃₅.₈) ₆₉(₅₁.₅) ₁₅(₁₁.₂) ₂ (₁.₅) 悪心・嘔吐 ₃₆(₂₆.₉) ₆₀(₄₄.₈) ₃₃(₂₄.₆) ₅ (₃.₇) 便秘 (n=₁₃₃) ₄₇(₃₅.₃) ₆₁(₄₅.₉) ₂₁(₁₅.₈) ₄ (₃.₀) 下痢 ₂₉(₂₁.₆) ₆₂(₄₆.₃) ₃₈(₂₈.₄) ₅ (₃.₇) 浮腫 ₅₁(₃₈.₁) ₆₁(₄₅.₅) ₂₀(₁₄.₉) ₂ (₁.₅) 不安 ₅₆(₄₁.₈) ₆₃(₄₇.₀) ₁₄(₁₀.₄) ₁ (₀.₇) うつ ₂₈(₂₀.₉) ₆₀(₄₄.₈) ₄₂(₃₁.₃) ₄ (₃.₀) せん妄 ₄₆(₃₄.₃) ₆₃(₄₇.₀) ₂₂(₁₆.₄) ₃ (₂.₂) 睡眠障害 ₅₃(₃₉.₆) ₆₂(₄₆.₃) ₁₇(₁₂.₇) ₂ (₁.₅) 認知障害 (n=₁₃₃) ₂₇(₂₀.₃) ₇₇(₅₇.₉) ₂₅(₁₈.₈) ₄ (₃.₀) 人数(%) 表 1  対象者の属性 N=₁₃₄ 項  目 n (%) 年齢(歳)(n=₁₂₅)  Mean(SD) ₃₁.₃(₈.₃) 性別(n=₁₃₃)  男性 ₉ ₆.₈  女性 ₁₂₄ ₉₃.₂ 看護師経験年数(n=₁₃₀)  Mean(SD) ₇.₈(₇.₀) 呼吸器病棟経験年数(n=₁₃₀)  Mean(SD) ₃.₆(₃.₄) 緩和ケア院内研修(n=₁₂₅)  受講あり ₆₇ ₅₃.₆  受講なし ₅₈ ₄₆.₄ 緩和ケア院外研修(n=₁₂₂)  受講あり ₂₉ ₂₃.₈  受講なし ₉₃ ₇₆.₂ 看取り経験(n=₁₂₉)  あり ₁₂₃ ₉₅.₃  なし ₆ ₄.₇ COPD看取り経験(n=₁₂₆)  あり ₈₈ ₆₉.₈  なし ₃₈ ₃₀.₂

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表 3  COPD 終末期の症状に対する非薬物療法による対応   N=₁₃₄ 非薬物療法 呼吸困難 咳嗽 疼痛 倦怠感 食欲不振 悪心・嘔吐 便秘 下痢 浮腫 不安 うつ せん妄 睡眠障害 認知障害 マッサージ ₂₄(₁₇.₉) ₇( ₅.₂) ₆₀(₄₄.₈) ₂₆(₁₉.₄) ₆( ₄.₅) ₉( ₆.₇) ₅₆(₄₁.₈) ₁₁( ₈.₂) ₅₁(₃₈.₁) ₂₁(₁₅.₇) ₁₂( ₉.₀) ₁₃( ₉.₇) ₁₉(₁₄.₂) ₁₁( 温罨法・冷罨法 ₆( ₄.₅) ₆( ₄.₅) ₇₃(₅₄.₅) ₂₃(₁₇.₂) ₂( ₁.₅) ₁₅(₁₁.₂) ₆₄(₄₇.₈) ₃₉(₂₉.₁) ₃₅(₂₆.₁) ₁₁( ₈.₂) ₇( ₅.₂) ₅( ₃.₇) ₂₅(₁₈.₇) ₆( 体位・生活動作の工夫 ₁₁₇(₈₇.₃) ₈₉(₆₆.₄) ₉₇(₇₂.₄) ₇₅(₅₆.₀) ₄₃(₃₂.₁) ₅₅(₄₁.₀) ₃₈(₂₈.₄) ₂₀(₁₄.₉) ₆₆(₄₉.₃) ₃₂(₂₃.₉) ₂₃(₁₇.₂) ₃₀(₂₂.₄) ₄₈(₃₅.₈) ₂₇( リ ラクセーション ₄₀(₂₉.₉) ₂₂(₁₆.₄) ₃₉(₂₉.₁) ₃₈(₂₈.₄) ₁₈(₁₃.₄) ₂₂(₁₆.₄) ₁₃( ₉.₇) ₆( ₄.₅) ₁₅(₁₁.₂) ₄₈(₃₅.₈) ₄₄(₃₂.₈) ₃₂(₂₃.₉) ₄₆(₃₄.₃) ₂₇(₂₀.₁) アロマセラピー ₂( ₁.₅) ₂( ₁.₅) ₈( ₆.₀) ₄( ₃.₀) ₃( ₂.₂) ₁( ₀.₇) ₁( ₀.₇) ₁( ₀.₇) ₂( ₁.₅) ₁₀( ₇.₅) ₁₀( ₇.₅) ₆( ₄.₅) ₇( ₅.₂) ₈( 日常生活の調整 ₇₁(₅₃.₀) ₄₄(₃₂.₈) ₇₀(₅₂.₂) ₇₆(₅₆.₇) ₉₁(₆₇.₉) ₈₆(₆₄.₂) ₈₂(₆₁.₂) ₇₆(₅₆.₇) ₆₈(₅₀.₇) ₅₅(₄₁.₀) ₅₃(₃₉.₆) ₇₃(₅₄.₅) ₇₉(₅₉.₀) ₇₁(₅₃.₀) 環境整備 ₅₀(₃₇.₃) ₃₄(₂₅.₄) ₃₉(₂₉.₁) ₂₉(₂₁.₆) ₃₁(₂₃.₁) ₃₈(₂₈.₄) ₁₈(₁₃.₄) ₂₁(₁₅.₇) ₂₂(₁₆.₄) ₄₂(₃₁.₃) ₄₂(₃₁.₃) ₆₅(₄₈.₅) ₅₈(₄₃.₃) ₅₉(₄₄.₀) 精神療法 ₁₆(₁₁.₉) ₆( ₄.₅) ₁₈(₁₃.₄) ₈( ₆.₀) ₆( ₄.₅) ₈( ₆.₀) ₆( ₄.₅) ₂( ₁.₅) ₅( ₃.₇) ₃₇(₂₇.₆) ₃₅(₂₆.₁) ₃₂(₂₃.₉) ₂₃(₁₇.₂) ₂₅(₁₈.₇) 呼 吸 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン ₅₉(₄₄.₀) ₃₉(₂₉.₁) ₁₂( ₉.₀) ₁₁( ₈.₂) ₅( ₃.₇) ₂( ₁.₅) ₄( ₃.₀) ₁( ₀.₇) ₃( ₂.₂) ₅( ₃.₇) ₅( ₃.₇) ₃( ₂.₂) ₉( ₆.₇) ₇( 音 楽 療 法 ・ そ の 他 の 療 法 ₅( ₃.₇) ₁( ₀.₇) ₇( ₅.₂) ₄( ₃.₀) ₂( ₁.₅) ₂( ₁.₅) ₁( ₀.₇) ₁( ₀.₇) ₁( ₀.₇ ) ₁₁( ₈.₂) ₁₁( ₈.₂) ₁₃( ₉.₇) ₁₂( ₉.₀) ₁₆(₁₁.₉) その他 ₄( ₃.₀) ₈( ₆.₀) ₉( ₆.₇) ₃( ₂.₂) ₆( ₄.₅) ₄( ₃.₀) ₈( ₆.₀) ₈( ₆.₀) ₆( ₄.₅) ₁₃( ₉.₇) ₉( ₆.₇) ₇( ₅.₂) ₅( ₃.₇) ₆( 人数(%) 表 4  緩和ケア研修および看取り経験と各尺度との関連 緩和ケア研修 看取り経験 院内研修 a 院外研修 a 看取り経験 b COPD 看取り経験 a 受講あり 受講なし p 値 受講あり 受講なし p 値 あり なし p 値 あり なし ターミナルケア態度 Ⅰ 死にゆく患者へのケアの前向きさ ₆₂.₆( ₇.₇) ₅₈.₅( ₇.₆) ₀.₀₀₄ ** ₆₃.₀( ₈.₁) ₆₀.₂( ₈.₀) ₀.₁₁₁ ₆₀.₉( ₇.₈) ₅₉.₇(₅.₈) ₀.₆₀₂ ₆₁.₁( ₈.₄) ₆₀.₀(₅.₇) ₀.₂₇₀ Ⅱ 患者・家族を中心とするケアの認識 ₅₂.₄( ₅.₃) ₅₀.₇( ₅.₁) ₀.₀₇₇ ₅₁.₈( ₅.₂) ₅₁.₆( ₅.₃) ₀.₈₇₄ ₅₁.₉( ₅.₁) ₅₁.₀(₄.₂) ₀.₆₆₃ ₅₂.₁( ₅.₆) ₅₁.₂(₃.₈) ₀.₃₄₂ FATCOD 総得点 ₁₁₈.₈(₁₁.₁) ₁₁₂.₆(₁₀.₉) ₀.₀₀₃ ** ₁₁₉.₀(₁₁.₆) ₁₁₅.₃(₁₁.₅) ₀.₁₄₉ ₁₁₆.₃(₁₁.₁) ₁₁₄.₂(₇.₀) ₀.₅₇₄ ₁₁₆.₇( ₁₂.₀) ₁₁₄.₅(₈.₀) ₀.₂₃₀ 終末期ケアに関する困難感 患者・家族を含めたチームとしての協力・連携 ₂.₈( ₀.₆) ₂.₆( ₀.₅) ₀.₀₁₈ * ₃.₀( ₀.₇) ₂.₇( ₀.₅) ₀.₁₄₈ ₂.₈( ₀.₅) ₂.₄(₀.₆) ₀.₀₆₂ ₂.₈( ₀.₆) ₂.₅(₀.₅) ₀.₀₁₄ 看護職の知識・技術 ₂.₉( ₀.₅) ₂.₉( ₀.₅) ₀.₆₉₉ ₂.₉( ₀.₆) ₂.₉( ₀.₅) ₀.₈₂₆ ₂.₉( ₀.₅) ₂.₆(₀.₄) ₀.₀₄₅ * ₂.₉( ₀.₅) ₂.₈(₀.₅) ₀.₃₆₉ 治療・インフォームドコンセント ₂.₉( ₀.₅) ₂.₇( ₀.₅) ₀.₀₁₅ * ₂.₉( ₀.₅) ₂.₈( ₀.₅) ₀.₂₉₃ ₂.₉( ₀.₅) ₂.₅(₀.₅) ₀.₁₁₀ ₂.₉( ₀.₅) ₂.₆(₀.₅) ₀.₀₀₂ 看取り ₂.₃( ₀.₅) ₂.₄( ₀.₄) ₀.₂₅₃ ₂.₃( ₀.₅) ₂.₄( ₀.₄) ₀.₁₉₆ ₂.₄( ₀.₅) ₂.₄(₀.₄) ₀.₈₃₀ ₂.₄( ₀.₅) ₂.₄(₀.₄) ₀.₈₉₅ 環境・システム ₂.₅( ₀.₅) ₂.₃( ₀.₄) ₀.₀₃₂ * ₂.₅( ₀.₆) ₂.₄( ₀.₅) ₀.₄₈₄ ₂.₅( ₀.₅) ₂.₃(₀.₆) ₀.₅₄₁ ₂.₅( ₀.₅) ₂.₃(₀.₅) ₀.₀₄₃ Mean ( SD )         a. t検定, b. Mann-Whitney の U 検定      * p<₀.₀₅ , ** p <₀.₀₁

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慢性閉塞性肺疾患患者の終末期における看護師の緩和ケア実践に関する調査 受講歴は,困難感尺度における「患者・家族を含めた チームとしての協力・連携」(p=₀.₀₁₈),「治療・イン フォームドコンセント」(p=₀.₀₁₅),「環境・システム」 (p=₀.₀₃₂)のドメインで有意差を認め,あり群で困難感 の得点が高かった(表 ₄ ). 5. 看取り経験とターミナルケア態度および困難感の関連  看取り経験と困難感尺度の「看護職の知識・技術」 (p=₀.₀₄₅),COPD 患者の看取り経験と「患者・家族を 含めたチームとしての協力・連携」(p=₀.₀₁₄),「治療・ インフォームドコンセント」(p=₀.₀₀₂)等において看取 り群で有意に困難感が高かった(表 ₄ ). 考   察 1 .COPD 終末期の緩和ケアの実施状況  COPD 終末期の症状出現率に関するわが国の報告は少 ないが,本研究では₁₄症状中₁₀症状で ₈ 割以上がアセス メントを行っていた.呼吸困難,咳嗽,不安のアセスメ ントの実施状況は上位であり,頻出する症状に対しては 「日常生活の調整」,「体位・生活動作の工夫」をはじめと する非薬物療法による緩和ケアがなされていたと考える. 一方で,うつのアセスメントおよび緩和ケアの実施率は やや低かった.COPD 終末期の呼吸困難感は,患者の思 考や会話にも影響を与え,患者と十分な対話ができない こともある.そのことが精神面への症状緩和の実施率が 低いことに関係している可能性があると考える.  補完代替療法であるアロマセラピーや音楽療法・その 他の療法の実施率が低かった.これは,COPD 終末期の 症状は緩和困難なものもあり,効果が実証しにくいこと や一般病棟ではアロマセラピーや音楽療法が実施しにく い環境があることが関係している可能性がある.リラク セーションについては,呼吸困難,疼痛のみならず,不 安やうつといった精神面の症状に対しても₃₀%以上実施 されており,がん終末期と同様に COPD 終末期の緩和ケ アにもこれらの補完代替療法が有効であることが示唆さ れる.また,COPD 患者の約₆₀%が不安やうつの診断を 受けていたとの報告₁₉)がある.不安感やうつは呼吸困難 感の増強因子であり,精神面の緩和ケアが不十分な場合, そのことが身体症状の悪化を招き悪循環となることが考 えられる.したがって,身体症状のみならず,精神面へ の緩和ケアの積極的な実施の必要性が示唆された. 2 .緩和ケア研修の受講歴と各尺度との関連  FATCOD-B-J のカットオフ値に関して,下位尺度Ⅰ 「死にゆく患者へのケアの前向きさ」のカットオフ値が ₆₁/₆₂点であったとの報告₂₀)はあるが,総得点を含めて のカットオフ値を明らかにした研究はない.本研究の結 果で,緩和ケアに関する院内研修受講歴ありの FATCOD 総得点が約 ₆ 点高かったことについて,高齢者ケアに関 わるケアマネージャーを対象とした研究₂₁)において,エ ンドオブライフケアに関するセミナー参加者の FATCOD 総得点が高かったとの報告があり,本研究の結果におい ても,研修が緩和ケアの実践に関連することを示唆し, 終末期患者の看護に対する態度がより積極的,前向きで あると考えた.しかし,調査では,緩和ケアに関する研 修の受講経験の有無のみの回答を求めており,本研究で は,研修内容の詳細は明らかにはなっていない.  困難感尺度の「患者・家族を含めたチームとしての協 力・連携」,「治療・インフォームドコンセント」,「環 境・システム」のドメインで緩和ケアに関する院内研修 の受講歴ありで困難感が高かった.これは,研修で知識 は得たが,他者との協力やシステムが不十分であるため に,緩和ケアを実践していくことの難しさを示唆してい る.COPD 終末期患者のケアについては,予後予測が難 しい進行性の慢性疾患であることから,看護師は無力感, 目標の喪失などを感じているともいわれ,スタッフへの ストレス対策を行い,緩和ケアを確立させていくことが 必要である₂₂) 3 .看取り経験と各尺度との関連  介護職員のターミナルケア態度に関連する要因を検討 した研究₂₃)では,「死にゆく患者へのケアの前向きさ」 と総得点において,看取り経験が₁₀人未満に比べて₁₀人 以上の得点が有意に高かったとの報告がある.一方,前 述のケアマネージャーを対象とした報告₂₁)では看取り経 験との関連はみられず,本研究と同様の結果であった. また,「看護職の知識・技術」で看取り経験の有無との関 連を認め,「患者・家族を含めたチームとしての協力・連 携」,「治療・インフォームドコンセント」で COPD 患者 の看取り経験との関連を認めた.これは,COPD は予後 予測が難しく,他者と連携をして緩和ケアを実施するた めの共通理解が得られにくいことも一因と考えられる.  以上のことから,本研究において,COPD 終末期の患 者に対する看護師の症状アセスメントおよび非薬物療法 による対応の実態,緩和ケア研修や看取り経験とターミ ナルケア態度,終末期ケアに関する困難感との関連が明 らかになった.  COPD 患者の終末期の様々な症状に対する緩和ケアの 実践には,的確なアセスメント力や精神面への介入を含

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トレスや困難感への対策,緩和ケアに関する研修を行う ことにより,COPD の緩和ケアを確立していく必要があ る.

 著者の COI(conflicts of interest)開示:本論文発表内容に関 して特に申告すべきものはない.

Nurses' palliative care practice for end-stage chronic obstructive pulmonary disease

Mari Hisamune, Mizue Shimonishi, Miho Matsui Division of Nursing, National Defense Medical College

文   献

₁) World Health Organization: The top ₁₀ causes of death ₂₀₁₇. http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs₃₁₀/en/. Accessed: ₁₅ Jun ₂₀₁₇.

₂) 厚生労働省:平成₂₈年人口動態統計の概況.平成₂₉年 ₆ 月. http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/ nengai₁₆/index.html. Accessed: ₅ Jun ₂₀₁₇.

₃) 厚生労働省:患者調査.平成₂₇年₁₂月.http://www.mhlw. go.jp/toukei/list/₁₀-₂₀.html. Accessed: ₁₅ Jun ₂₀₁₇. ₄) Fukuchi Y, Nishimura M, Ichinose M, et al.: COPD in Japan:

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₂₂) 荻野洋子:慢性終末期患者の呼吸ケアとストレス.呼吸ケ ア  ₉ :₉₂-₉₆, ₂₀₁₁.

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参照

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