数学 を学生が どうと らえてい るか
(ア
ンケー トによる調査
)鳥取大学教育学部数学教室 後 藤 和 雄 *1 岡山市立京山中学校
内 藤 啓 子** ′鳥取大学教育学部数学教室 富 田 純 代 *
How do college students understand卜 lathematics i
山[athematical thinking and its application
(A research based On a questionnaire)
Kazuo GOTO*,Keiko NAITO**,and Sunliyo TOMITA*
1.要
旨 この論文で4年
制の教育学部学生 と3年
制の短期大学生 とを調査 し,彼
らは 日頃「数学 を どうい う学問であると考えているかJ,「数学的に考えるという事 を どうとらえているか」 という事を調べ た。その結果 を考察 した。「 考える力,数
学的に考えるJと
は どういうことなのか,の
意見を述べ 情報を分析す るために数学の素養が必要 なことを述べた。2.調
査 方 法1)調
査対象 と時期 調査時期 :1996年 4月 対象:£取大学教育学部生
2, 3年
生数理統計学概論受講生44第 (以下大学生 という), 川崎医療短期大学医療技術科1年生65名 (以下短大生 という)を
対象に した。2)調
査方法 質問項 目をあげて自由記述式 により回答を してもらった。 質問項 目1
数学 とは どういう学問 (学科)だ
と思 っていますか2
「 数学的に考える」は どんなことだと考えていますか3
数学が使われ ていると感 じられ るものは何があ りますか*IJepartment of h/1athematics, Faculty of EducatiOn,Tottori University 半*Kyoyama Lo■ver Secondary SchOOl, Okayama City
234 後際和雄・ 内藤啓子・富田純代:数学を学生が どうとらえているか (この質問は教育学部生 に対 してだけおこなった。)
3.結
果 と考 察 この情報化社会の中で働 く人材 となる学生に対 し,「数学 とは どういう学問か?J「数学的に考え るとは,
どういうことか?」 という質問の回答を通 して,数
学の重要性を どのように理解 している のかまた どうと らえているかを調べたいと思い,ア
ンケー トを実施 した。 自由記述式 に したのは, 本当にどのようにと らえているかをみたいか らである。結果 をまず ながめてみ る。 アンケー トの記述式回答 (最後 に資料 として載せてある)を
同 じ様 な項 目でわれわれが主観的に 分類 した表が表1から表5で
ある。いろいろな意見が出ていたので「 その他」が多か った。 これは, 各 自の数学に対す る考え方の多様性 によるものであ り,当
然 の結果である。 表1から短大生は「 数学を答が1つしかない学問」,「問題を解 くといったもの」 ととらえている。 大学生 も「 解いた り,式
や数字で問題を解決 してい くことJで
あるととらえている。 「 数学的に考え る」 という質問には,「順序 を立てて1つ 1つ考えてい くJ,「機械的に解 くJと
いった「 解 く」 ことに短大生は重点が置かれている。大学生は「筋道を立てて解 く」といったとら えかたを している。 しか し,「数字 を使 って解 くものである」 と考えているものが20%い
る。数学 を「 数字 も しくはそれを使 って解 くものである」 と思 っていることがうかがえ る。本当の数学は ど のようなものであるかの認識がされていないようである。 短大生は, 1の
質問については,「解けだす と楽 しい」「 難 しい問題が解けだす と問題を解 くのが 楽 しくなる学問J「セ ンスやひ らめき」「物事の見方や考え方を広 くす る学問Jと
とらえている一方, 「 文字 ばか りで て くる」「 意味のない学 問J「べつ に数学 なん てや らな くても人生や っていけ る」 「 イヤだJと
いう回答があり,65人
中の5人
で全体の8%で
あるが,将
来 自分 にはまった く無意味 だととらえている人がいる。2の
質問「 数学的に考えるJこ
とは,「社会 に出て本当に役 に立つの かと思う」「 感情がない考え」「 機械的にす ることJと
とらえていることは注 目に値す る。大学生 も 1の 質問については,「世間と切 り離 された感 じで,そ
のつ なが りが見えないJと
いう意見が見受 け られ る。 表3で
大学生 は数学 を「世の中の物事 などの多 くのことを数字を使 って表現す る学問」「順序だ てて考える学問」 ととらえている意見が多か った。大学生 と短大生 との認識 には違いがみ られ る。 大学生は数学的に考えることを「 順序だてて (筋道を作 って)考
える」 という認識を半数が してい る。面 白いことに「 数学的に考える」 ことは「 数字を使 って考え る」 という意見が20%も
ある。文 字を使 ってとは書いていない。 表5の
「 数学の使われているものは」 という質問には,「パ ソコン50%J,他
には「 買い物,家
計 簿,時
計,暦
,建
築,土
木や測量」 とい った 目に見える身近か なものをあげてお り,大
学生は,現
実にいろいろな 目に見えない場所 にいろいろな数学が使われていることを認識 していないようであ る。いろいろな職業 に就 く生徒 を教え る教員の教養や常識,深
い専門知識 の欠如 となる。不安 は 「 教員になるには,高
校 までの数学でよい。 なぜ大学で専門の数学 を しなければな らないのか」 と いった考え持つ学生がいることである。 以上を要約す ると,数
学 という学問に対 し短大生は「 答が1つ しかない学問J「解 いた り証 明す るものJと
とらえ,大
学生 は「 数字や記号を用いて表 し,論
理的な思考で問題 を解決す るJ「数字 と計算Jと
いうイメージが多いことがわかる。 また「 数字を使 って世の中の物事を表現す ることと鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第38巻 第
2号
(1997) 考える人」 もいる。「教学的に考え る」を「 非常に難 しい考え方である」「 形式通 り堅苦 しく考える というイメージがあ るJ「筋道 をたてて解 くJか
らも分か るように「 複雑で難 しく,あ
まり楽には 考え られ ないと思 っている人」が多いことが両学生 に共通 している。 また,「数学的に考えること」 は,「教字を使 って考えることJと
いう回答が大学生 に20%も
あるということは, この調査におい て,注
目すべき点であろう。短大 。大学両学生は数学 を「 問題を解 いた り,証
明す ることJと
思 っ ている。「 数学は役 に立つのかJと
いう人 も少数だがいる。短大生の中には「 解けた らうれ しいJ と思 っている学生がいる。何か しら魅力的なものと映 っているのであろう。大学生の多 くは「論理 的な思考で問題を解決 してい く」 ことだ と思 っているものがいる,反
面「 単 なる数字で表現す るも のJと
少 なか らず と らえている。驚 くべ きことは教育学部学生で,「高校以上の レベルは必要 な人 以外は学ばなくてもよい」 という意見があ った ことである。高校数学 またはそれ以上の大学・ 大学 院 レベルの数学が実際,い
ろいろな所で使われ ていることの認識がないことを示 している。現実の 数学を知 らない数学 を学んだ卒業生 になる可能性がある。また,全
体 を通 して両学生 とも単 なる受 け身で数学を学ぶ姿勢が現れ ている。 表1:数
学 とは どうい う学問だ と思 うか?(短
大生) 答 えが一つ しか ない学 問16/65人
25夕 `公式、法則などを使って
,問
題を解いたり
,証
明したりする
9/65人
14%
解 けた らうれ しい,も
っとわ か りたい学 問7/65人
11%
数学は役に立つのだろうか?数
学は苦手で,イ
ヤだ 5///65ノ八、8%
解 き方 は、人 の数 だ け い く通 りもあ る 3//65ノ代5%
そ の他25/65人
38%
表2:数
学 的 に考 える とは どうい うことか (短大生) 順序立てて,一
つ一つ考えてい くこと 24///65ノヘ、 37リイ 機械的に考えること 6///65ノく9%
考え方や解 き方は,い
ろいろあるが,答
えが1つである 5//65ノ代8%
公式 をうまく使い,一
つの答えを導 く4/65人
6%
その他26/65人
38%
236
後藤和雄・ 内藤啓子・ 富田純代 :数学を学生が どうとらえているか 表4:数
学 的 に考 える とは どうい うことか (大学生) 表5:数
学 が使われて いるものは?(大
学生) パ ソ コ ン 22///44ノ八、50%
日常生活でのもの (買い物,家
計簿,時
計,暦
) 15//イ44メ、34%
4.考
え方 の 自由性 で数 学 は 自由な学 問 ここでは数学 は どういう学 問であ るのか考える。数学(Mathematics)は
自由な学問であ りそ の内容 も多岐にわた っている。ギ リシャ語 (μαθημα,Mathema)│よ
学科 を意味す る。その複数 形が数学であり,
ピタゴラス教団 (万物は数であるという教えの教団)で
は和声学,天
文学,数
論, 幾何学を意味 していた。 その時代か らいろいろな学問と結びついていたのである。数学が学問に役 に立 っているのは,記
述 す る言葉 と して,道
具 と して活用 され るか らである。他 の分野 との交流を通 して,数
学 と しての間 題が発生 し数学発展の動気づけがなされ る。 表3:数
学 とは どうい う学 問だ と思 うか?(大
学生) 世の中の物事 などを,多
くのことを数字や記号を用 いて表 し,論
理的 な思考で問題を解決 してい く13/44人
30%
世の中の物事 などを多 くのことを数字を使 って表現す ること7/44人
16%
“算数"は
日常生活の計算で役 に立 っているが,“数学",特
に,高
校 以上の レベルは必要以外の人は学ばなくてもいい 2///44ノヘ、5%
計 算す る学 問2/44人
5%
数の性質 について研究す る 2//44メ、5%
答 えは一 つで あ る1/44人
2%
そ の他 17ノ//44ノ代、 39リイ 筋道を作 って,順
序立てて考えていく 22ノ //44ノ代50%
数字 を使 って考 え る 9ノ//44ノ代20%
そ の他13/44人
30%
農取大学教育学部研究報告 教育科学 第 38巻 第
2号
(1997) その考え方の 自由性によ り,「数学は自由な学問であるJと
いわれ る。 不可思議に思える自然・ 社会 。生命現象 などを解 明す る際,モ
デルを必要条件 と して (現象の近 似 と して)導
くことが大切である。 また数学的手法に基づいて,現
象についての理解 を得 ることも 大切である。 しか し, このような教育はあまり行われていない。ただ事実を暗記す る学生が多 くなっ たようである。 このことは,こ
のアンケー トか らもその一端を読み とることができる。 「 何事にも,不
思議だ な?」 という感動が失われ て来 ているようである。また,情
報や視覚情報で しか考え られなくなり,言
葉 など抽象的なものか ら頭の中でイメージを想像 した り膨 らませ るとい っ た ことが苦手 な学生が多 くなってきている。最近数学離れを起 こ している学生生徒が多 くな ったと いう報告がいろいろなところで報告 され るようになった。数学はすべての学問の基礎であるといわ れている。その思考法や論証・ 論理 などによって学問が進んでいる。その論証や推論 な どの力が急 速 に低下 している。 また,計
算力においてもであ る。[2]の調査 による全国の大学 のア ンケー トで は,10年
前か ら5年
前 にかけて大学生の能力の低下が顕著になり,現
在 も低下が続 いている。詳 し く述べ ると,「ベーシ ックな能力 :読 解力,表
現力 な どの 日本語の能力,想
像力,直
感力,幾
何的 能力,思
考力,問
題解決力,応
用力などが低下が31%」,「数学的 な考え方 :抽 象的な概念が理解で きないまま拒絶反応 を起 こす。抽象的思考力,論
理的思考力が低下 し,証
明・ 論証が苦手が58%」, 「 計算力がないが20%J,「
知識が身についていないが17%」 などである。 論文でのア ンケー トの回答 と比較 してみても,そ
のような傾向がは っきりと読み取れ る。[2]で
はその低下の原因と して次 のように述べてい る。「 高校 までの教育」を挙げた回答が45%と
最 も多 く,学
習指導要領や数学の授業時間の減少 などに問題があるとの声が強い。 また,セ
ンター試験や 暗記型の勉強など「 大学入試のあ り方」が原因とす る回答が33%,「
学生のメンタ リテ ィー (心理)」 とす る回答が30%と
分析 している。5.考
え る力 最近,「思考力の低下」「 考える力の低下」がいろいろなところでいわれている。 この「 考え る力J とは どういうことかを考える。 与 え られた問題 を解 くよりも,問
題 を設定 し,自
ら考 える力を養 う。 これが,学
習指導要領の改正の 目玉であ った。「 新 しい学力観」が登場 した。画一的 な評価 はや める。その一方で,「意欲」や「 興味・ 関心度Jも
「 学力」 と考えて,評
価 しようというのである。 問題 は,現
実 にどう評価す るかである。何 らかの基準を設けなければならない。そ こか ら現場では 混乱が生 まれた。 1992年 に小学校の間で,あ
る教材が引 っ張 りだ こにな った。「 や る気Jや
「 関心度」 を判定す る ペーパーテス トである。6年
生の問題で「2万
枚 を超えるハ ガキを どうや って教えるか」 というも のである。答を通 して,「意欲」を判定 しようというわけである。 「 お母 さんが働いている郵便局の自動読み取 り装置を借 りるJ「 (中小メーカーの経営者 を父に持 つ子供は)パ
ー トを雇 って数えるJと
書いた。いずれ も子供たちの生活の中か ら生 まれた解答であ る。教師はユニークだと思 って「 学級だよりにJに
載せたが,後
で知 った採点基準に準 じれば,そ
れぞれ1点, 0点
である。配点は2点
である。比例の授業で出す問題 なので,重
さを1枚
のハ ガキ の重 さで割 る。「 比例Jを
意欲的に使 った ら満点。「 機械で数える」 などというのは,数
理的 な考え を していないため1点。「 だれかに頼む」は考える意欲がないと判断され, 0点
となる。以上が[1]
である。 これは,お
か しい。多様 な考え,や
り方があ ってよいのである。独創性 とは,人
の考えつ後藤和雄・ 内藤啓子・富田純代 :数学を学生が どうとらえているか かないことを考えるところか ら生 まれ るのである。 また
, 1つ
の価値判断のみを正 しいと した り, 誘導す る (マイン ドコン トロールによる)教
育は,悲
惨 な結果 を生む ことになるのではないか。 現実にはお札の計算は一枚一枚,パ
チ ンコの玉 は1個 1個
数えている。決 して比例を使 っていな い。形・ 重量・ 材質 といった何か違 うものが入 っているかも知れ ないか らそれをチ ェックす る必要 があるためである。 「 自分で考える力」 をつけ,「人 とは違 った考え方 を尊重す る人Jを
養てる必要があるのでは な いだろうか。最近,
自分か ら数学を含めていろいろな問題 を考えた り,本
を読んだ りしない受け身 の学生が多 くなっているように見受け られ る。 思考力を通 して大学や一般社会で必要 となる「 数学的基礎力や発想を身 につけていない。その能力 が著 しく低下 している。分か らないことは,ま
ず 自分か ら考えず,研
究 も調べ もせず に人にす ぐに 聞 く学生が多 くなってきた。問題 を自分で解 いて,理
解 を深め ようとす る学生は少 な く,「数学 の 学習は記憶だ」 と理解 している学生が多い。考えな くなった。大学の教育内容に問題があるのか。 小中高の教育の結果であろうか。 考える力について面 白い例を挙げる。 九州にICチ
ップを作 る工場があ った。同 じ会社の他の工場 より不 良品のでる率がその工場 は高 い。技術者が調べてもよ く分か らない。一人の女子工員が社員食堂で友人 と食事を していた。す る と工場か らかなり離れたところをJRの
長距離列車が通 った。彼女は「 あのせいではないか」 と言 っ た。 コ ップを見たが,ゆ
れ ていない。「関係 ないん じゃないか」 と友人は言 った。気になったので 上司にそのことを (報告・ 連絡・ 相談)話
す。技師たちが調べ ると,や
は り列車がお こす振動が大 地を伝わ って,精
密機械 に影響を与えることがわか り,工
場 と鉄道の間に水濠を掘 ることで,振
動 を吸収 して不 良率を低減 した。 この教訓は,工
場の不 良率 と近 くを通 る鉄道の列車とに関係がある かも しれないという,そ
の発想力である。誰 も気がついていない2つ
の事象 に,関
係があるのでは ないか と疑 うことが,真
の創造力につながる。6.数
学 的 に考 え る とは これ をうま く定義す ることは難 しい問題である。明確 な定義はない 「数学的に考える」 というこ とばを,次
のように著者は考える。1,事
実,大
前提,公
理 を明確に し,そ
れ らに基づいて,数
学で使われ る推論方法,三
段論法, 背理法,対
偶 の同値性 な どの道具を用いて,結
論や予想す る結論 を証明す ること2.思
いこみを持 っていてもよいが,正
しい推論の結果が 自分の予想 と違 っていた とき,そ
れを 受け入れ る態度。論証 によりいろいろと考えること 3。 また,
自分のあや まりは どこに誤 りがあるかを発見 し, 自己修正ができる。 「数学的に考える」 というのは指導要領 にもその大切 さを教えることになっているが,数
学的に 考えるという事は どういう事かを教えてはいないのではないだ ろうか。数学者は,数
学 を研究す る ことで 日頃か ら数学的に考えている。数学者は必ず しも厳密 な態度で まず問題を理解 し,発
見す る のではない。証明は厳密にす るが,理
解は各 自いろいろな解釈を している可能性がある。 また,定
理 (予想)は
「 こうなっているはずだJと
か「 類推や経験により」 これが もっとも らしいとか思い。 それを証明 しようとす る。試行 (思考)錯
誤 によりその定理 (予想)を
修正 した り,条
件をつけ加 えた りす るのである。その方法はPolya[3]の
名著がある。 数学的な見方 とは,「物事 に矛盾がなく,物
事の関係 を論理的に考えること」「 物事の事実の真偽鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 38巻 第
2号 (1997) 239
のほ どを自分で確かめ,数
学的な推論方法で感情や先入観を持たず に結論を導いた り,証
明す るこ と」であろうか。 この数学的に考えることは,経
営判断を した り,経
営 システムを構築す るときに必要であると日 経 ビジネス誌に出て くる企業の トップがよく述べている。数学の証明方法のスタイルや考える力が, 論理的に物事を考える場合 に必要であるとも述べている。 「 予備校 などでは証明を始めるとノー トを閉 じて しまい,そ
の講師の人気は1回毎に1%づ
つ低 下す るJと
いう統計がある。「 証 明なんて面倒。その結論だけ覚えれ ばいい」,証
明を複数す ると 「 どの証明が一番 よいか,そ
の証明のみを教えてくれJと
いう受験生が多 くなっている現状がある。 文明が発達す るほ どそれ に依存す る人間は考えることをやめ退化す るのであろうか。 1つの問題 にはいろいろな証明があるのが 自然であ り,そ
れ ら証明には優劣はない。 どのような 道具や方法で解決できるかを味わえなければ本当に理解 した ことにはならない。解答は複数あるこ と,ま
た,い
ろいろな考え方があること,そ
のすば らしさが数学的 なものの見方の1つではなかろ うか。 また論証能力は,デ
ィベー トをす るときも必要である。その方法は,定
理,証
明とい った数学的 論証の方法と同 じである。まず結論をいい,そ
れか ら理 由をデータを示 しなが らのべ るか らである。 さらに論理的な思考力や直感力,そ
れ らに基づ く判断能力も重要 となって くる。7.最
後 に 就職 に関 しては,現
在,数
学的思考法 を身 につけた学生が有名企業か ら引 っ張 りだ こである。 コ ンピュータの普及だけではな く,新
しいプロジェク トを始めた り,予
想 も しなか った問題が生 じて, 数学の柔軟な思考力・センスが必要 とされ る場面が多いか らである。発想が豊かで問題解決ができ る数学的能力を持 った人が求め られ る。 最近の教育は,「なぜかJと
いうことを自分で問うた り考える数学的思考 よりも言われた ことを覚 える暗記型やHow toの
教育が重視 され ているように思われ る。論理的思考法が身についていない (訓練 されていない)学
生が多い。 自らの意見を論理的にまとめて表現 (representation)す る能 力の訓練がなされていない。高校 までの学習に問題の本質があると考え られ る。 参 考 文 献[1]技
術大国の不安一学校が明 日の人材 をつぶす― :日経 ビジネス1993年12月 6日号,12-27.[2]西
森敏之・ 浪川幸彦:数学基礎教育WG便
り(6)基礎教育 ア ンケー ト調査報告 (速報),数学, 日本数学会編 集,第48巻 第3号,311-315,1996 [3]Polya著 柴垣和三雄 訳:数学 におけ る発見はいかになされ るか, 1
帰納 と類推,丸善,1959,Abstract
ln this paper、ve investigate that "how do college students usually think h/1athematics", and "ho郡 ′do they
240
後藤和雄・ 内藤啓子・ 富 田純代:数学 を学生が どうと らえているか 資 料 (ア ン ケ ー ト回 答,原
文 の ま ま)*1の
質問の回答 (短大生) 計算をす る学問 暗記は通用 しない学問であると思う とても苦手科 目である。公式が覚えに くい 実際の生活 にはあまり必要でない科 目だけ ど,仕
事 などには必要だ と思 う科 目,理
屈的でむずか しい学問 物事 を科学的に解 明 しようとす るときに不可欠なもの,暗
記ができない 易 しい問題は易 しいのに難 しい問題 は難 しいといろいろなので,侮
れ ない学問と思う 数学 という学問は,数
字や文字を使 って,今
まで解釈 されていないものを証明や計算 な どによっ て,よ
り正確 に理解 しようとす る学問だ と思う 自分の感情を一切 なくして,決
まった答えがあり,そ
れに従 ってひたす ら解 く学問 一般の 日常生活には,ほ
とん ど必要 とされ ない科 目だと思う。私 にとっては,高
校 の授業では, 他の科 目よりは好きだ った。理 由は,最
後 には,き
ちんと答がでるか ら。 数学 とは,数
字で物事 を表 し,規
則性があ り,計
算 などを して,絶
対的 な答えを求め るもの。答 えは人によってそれぞれ違 うものではな く,決
まっている。 解けると楽 しく,解
けないとや る気をな くす科 日,答
が一つ しかない「 かたい」学問 いろいろな解 き方があるけれ ど,答
えが一つ しか存在 しない,非
常には っきりと した性格を持つ 科 日だ と思う。 解き方は,何
通 りかはあるが,最
終的に答えは一つ。難 しいが簡単であると言えば簡単。 自分は, 苦手科 目です。 必ず答えがで る学問。答えが一つ しかない学問。 国語 などのように答えが多 くあるのではな く,最
終的には一つのきちんと した答えがでて くる学 問 数学はある一つの答え しか出せ な く,正
確 さを求める学問である。 正解が一つ しかな くて,人
によって答えが違 うということがない。一つの答えに向か って,計
算 や証明を してい くものだ と思います。理系の科 日は特に,数
学が基本 となっているなと思います。 数学学者が導きだ した理論や法則を学び,そ
れをもとに して,一
つの問題 に対 していろいろな法 則や方法や式を使 って一つの答えを導き出す学問。 答えは必ずあ り,一
つ しかない現実的であ り,科
学的に証明できる学問であると思 う。 難 しくて,や
や こ しい。いろいろな解き方があるが答えは一つだけ しか ない。 一つの間に対 して,答
えが一つ存在 し,答
えがはっきりと している学問だ と思 う。解 き方が一つ ではない。 計算す る,嫌
いな人が多い,答
えが一つ しか ない,公
式のある科 目だ と思う。 かな,漢
字では解けない,数
字で考えるもの。ち よっとの ミスで全然違 う。国語 などと違 って一 つ しか答えがない。公式が多 くて覚えるのが大変だけ ど,違
う問題でも公式に当てはめれば簡単 な ものもある。 中学 までは一つのものか ら一つの答えがでてきて, 1+1=2と
いった決まりきったものだと思 っ ていたけれ ど,高
校 に入 って,虚
数解 とか,あ
いまいなものがで てきて,複
雑で,国
語 とかのよう鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第38巻 第
2号
(1997) 241
1
な感 じに思 っています。 十数学 は一つ しか ない よ うに思われが ちだ け ど
,い
ろん な解 き方が あ り,い
ろん な面 を も ってい る 面 白い分野だ と思 う。 ―数 を分析す る。 数 を奥深 く追 求す るもの。計算 し
,問
題 を解決す ることで思考力 を養 う。ただ計算 して解 くこと が数学 ではない。答 えの出 し方 は,一
つ しか ないわ けではな く,何
通 りもあ る。 それ を 自分 な りに 考 え る ことで,新
しい発 見,満
足感が得 られ ると思 う。 論理,順
序 を立 て,公
式 な どを順番 をお って考 えてい く学 問。 「 ∼ の定理,∼
の法則Jを
順序 だてて考 えてい き,そ
れ を使用 して,新
た なものを といてい く。数 字 とい う文字 を使用 し,出
来 るだけ明確 に表現 してい こうとい う考え。 い ろいろな公式,計
算式,ま
た は図形 を使 って,未
知数 を出 した り,早
く数字 を出す ことがで き る学 問。 人間が生活 してい くうえで,か
かす ことのできない学問。学問の基礎。 個人的に分か りたい学問です。公式だけでは理解 しに くいものであ り,授
業 に一回お くれた らも う分か らなくなる学問であると思う。 数 について勉強す る学問だと思 う。たまに,「数学 は社会 に出て本当に役 に立つのだ ろうか?J
と思 うことがある。 人の数だけ解 き方があるわ りと自由な学問。公式 とその使 い方 さえ理解できれば,す
んなりと間 題が解けて しまう。明るいか暗いかの どちなか しか先生がいない学問。 コツだけ。 解 き方がきまっている学問。 未知の世界を追求す る学問と しか言いようが ない。円周率は どこまでつづ くのか とか,虚
無数 を 作 りあげた り,対
数を使 った り,直
角三角形が なんでもピタゴラスの定理に当てはま った りして,奥
暦
皇
ほ
笞
傘
法
と
η
,檀
雰
霰
g撫
号
皇
鵠
だ
と
ゎ
か
っ
た
。
数
を
つ
か
っ
た
も
の
を
ま
な
ぶ
学
問
。
わ
か
れ
ば
楽 しい学問。│
どういう応、うに解けばいいかと考えて,考
え る力をつける。数学そのものは,あ
とあと役立た な いような感 じ。 生活の中で使 う数字を,い
ろいろな公式や法則 を使 うことによって,よ
り簡単に分か りやす く解 き,役
立ててい く学問。 探究心+計
算力十反復 十運 十かん (←セ ンターのマーク式の数学の場合)十
努力十根性 昔の人が,建
て物や道 などを作 るのに必要だ った計算が発達 したもの。必要 に応 じて,公
式や計 算で問題 を解決 してい く学問…だ と思う。 何かを導 くものだと思 う。普通一般 には必要 ないものだけ ど,空
間とか建物を見 ると数学 と密接 した関係があると思 う。見えない所で,私
たちとどこかでつなが っている学問だ と思 う。みえない 物,立
体的なものを紙の上で表す学問だと思 う。 数学は,頭
で考え,ひ
らめきを与えて くれ る。楽 しい学問であ った り,分
か らない時は,
くや し く思 った りす る。1
数学 というものの中に,い
ろいろな種類のものがあわさった他の科 目とち ょっと違 った科 日,規
1
則性があるもの。1
覚えた ことを応用,ま
たは組みあわせ て問題 を解 き,そ
の答えにいたるまでの課程での考え方を242
後藤和雄・内藤啓子・富田純代 :数学を学生がどうとらえているか 学 び,一
種 の考 え方 と して 自分の中で作 り上 げ て い く学 問だ と思 う。 公式を使 ってあ らゆることを解いた り,証
明す るもの。 別 に数学 なんてや らな くても人生や っていける。数学は頭を使 うだけのイヤなものだと思 う。 物事の見方や考え方を広 くす る学問。 証明 した事柄 をもとに問題をといてい く。問題が とけた時は大変 うれ しいが,と
けないとイライ ラす る。 また,何
通 りも別のとき方があ りわか ると楽 しい。 あるものの長 さや体積,面
積や質量を理論を交えなが ら,公
式を使 って,そ
の数値 を求めた り, 証明 した りす ること。 ある物体の長 さ,面
積,体
積や量を計算す ること。数字や記号を使 って計算す ること。 数学 は,英
語のように覚えた りす るのではなく,公
式を使い,解
を導 く学問だ と思 う。頭 を使 っ て,悩
んだ り,考
えた りす る。公式を使 いなが ら,基
本か ら応用 まで答えてい く,な
どなど…。あ と,計
算 した り,証
明 した り,す
ることrだと思います。 文字ば っか り出て くる。意味のない科 目。 考える学問である。難 しい問題 を解けた時の喜びを味わ う学問だろう。決 して,公
式の暗記では ないと思 う。 思考を膨 らます もの。正確性を高めるもの。 違 った ものを,同
じものとみな して考える学問。 理系の中心科 日であ り,数
学で学おミ計算や計算方を使 って,化
学や物理 にも活用できる,基
本的 な科 目である。難 しい問題は,何
度か繰 り返 しや り,パ
ターンと解 き方のコツを覚えれば,解
けて くると思 う。難 しい問題が,
しだい解けだ して くると, 自信がつき,数
学の問題 を解 くのが楽 しく なる科 目だと思 う。 公式を暗記,問
題のパ ターンの暗記。 自分が もつ知識で考えた上で,わ
か らないものは答 えをみ る。い くら考えても,数
学はわか らないものはわか らない。 分か って,解
けた ら面 白いが,分
か らなくて,解
けないとイライラ して嫌になる。 数学 とは,い
ろいろな問題を公式 という形で証 明す るものだ と思う。 計算を して,正
確 な答えを,簡
単に速 くだせ るようになるための学問。 いつか必ず答えが出て くる学問であ り,知
識 というよりも,セ
ンスやひ らめきの必要 な学 問だ と 思います。 単純 に考えると,生
活 してい く中でのち ょっと した計算ができるように,で
も時には, こんなこ とまで学ばなくても,必
要 ないのではないか と思 っている学問で もある。*2の
質問の回替 (短大生) 数字で物事を考える。 非常 に難 しい考え方である。 理論的に考えるということによく似ていると思 う。おおまかに考えるのではな く正確 に考える。 物事を細か く考え,理
解す る。 答えはただ一つ しかないということ。 数学 の問題を解 くようにあれや これや と考えて,一
つの方法に定 まっていない考えだ と思 う。 「数学的に考える」や「 数学的思考法Jと
いうのは,物
事をは じめか ら順序立てて, こうだか ら│
こうなるという風に考えてい って,答
えが一つ明確 に出る考え方のこと。 │鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 38巻 第
2号
(1997) 243 物事を順序だてて一つずっ考え答えを出 し,ま
た,他
に解 き方がないか考えること。 数学的に考えるというのは,証
明のように,物
事の順序 をお って,考
えてい くというものだ と思 う。でも,数
学のように, 0か
1(○
か ×か)と
か,量
の多い少 ないということ じゃないの ?と い う人 もいて,実
際のところよ くわか らない。 事実を示 して,組
立て式に “ここが こうだか らああなる"と
順番 に考えてい くこと…だ と思 う。 「 数学的に考えるJは ,他
の物 を考えず,省
いて一つの過程が終わ った ら,次
の過程 に進み,一
本道を歩 くかのような考え方だと思います。 また,他
の人の意見を聞かないで決まった経過 をた どっ てい く考え方のようにも思います。 一つ一つllkを追 って解 いてゆ く方法。 順序だ って (三段論法のように)物
事を考える。 証明,つ
まり問題があ り結果を仮定 して,そ
して,一
つ一つ誰で も分かるように証明 して,最
後 にきちんと した結果 を出す。 数学ではないけれ ど,数
学のように順 々に考えてい く。 形式通 りにとか,か
た くる しく考えるというイメージがある。 数学→問題→考え る→解決 というような回路で頭 を働かせ るというような考え方。いろいろなも のの考え方。セオ リー通 りではない違 った考え方。 何か一つ課題が与え られていたと した ら,一
っずっ順序 よ く考えてい くのではな く,
どこか らか 近道を見つけてきて, どっちかといぅとクイズみたいに答えを出 していく考え方が,数
学的 な考え 方だ と私は思います。 一つの間に対 して,一
つの答えをもつ。「 国語のように答えはた くさんあった りしないJと
思 う ので,「あ っさ り考えるJと
いうことだと思います。あと…あまり良い事ではないけれ ど,「機械的」 に考える事。ひたす ら,答
えに向か って,努
力す ること!?。 そ して,最
後に一つの答えを出す こと だと思います。 機械的に一定の法則に したがうことと,理
論的に答えをみちびきだす ことだと思う。 機械的にただ数字だけで考えるの じゃなくて,理
論的に考える事だ と思 う。数学の世界の中での 考え。 一つの答えに向か って,「これはこうだか らこう しよう。」 と機械的に考えることだと思う。 機械的な考え, 自分の感情 と関係 な しに考えること。 よ り簡単にや ること。あるいは,機
械的にや ること。 公式があ って,そ
れに数をあてはめるとこうなるという数学のように,一
つ一つの ことを理論的 に解 明 してい って結果 に結びつける。 理論的に考える事。空想の世界の考え方のように思える。(例,四
次元の図形) 理論的な考えばか りのおも しろ くない考え方。 数字 を使 った りして,結
局はっきりした答えがでるみたいな感 じ。理論的に説明す るような感 じ。 理論をたてて考えた り,あ
る答えに対 してどう してそうなるのか,そ
の答えか ら理論だててい く ような考え方。 物事 とその対象を理論づけて考えること。 夜空 に浮かぶ月や火星,流
れ星などを見て,何
年 に一度の周期で地球に近づいて くるとか,数
学 をつか って考えること。公式 などをきちんと証明す ること。 全て数字で考えそのうえ意味が分か らず難 しい。244
後藤和雄・ 内藤啓子・ 富田純代 :数学を学生が どうとらえているか1
警
雰
ば
詈
琵
二
F:家
な
り
に
問
く
こ
と
だ
と
思
う
。
難 しい問題 などを,い
かに簡単に解 くか,理
解す るか ということ,ま
たは,一
つの問題 をいか に 自分流でユニークに解 くか ということだと思う。 公式を上手に使 う。ひ らめきで思いついた方法で とく。一番簡単で,式
が少ない方法で問題 をと く。わか らない問題,わ
か らないとわ りきって答えをみ て,そ
の答えを上か らみ るので な く下か ら みなが ら順 々に上へみてい く。 一種の「 ヒラメキ」だと思う。 ある公式に数字や文字をあてはめて一つの答えを導 くものだと思う。 数学の公式や計算なども頭 に入れたうえで学ぶ。 数学的に考えるとは,そ
の問題 について,言
葉だけでな く,数
字や教式 を使 って分か りやす くす ること。 論理だて,順
番に解いてい く考え方。いろいろな知識 (公式)を
組み立てて,証
明を解 いてい く ような考え方だ と考えてい る。「 ∼だか ら∼だ。だか ら∼ こうだ。」 というように,解
明 してい く ものだ と思 っている。 公式のように決 まった ものに当てはめて考えること。 答えは必ずあるはずだ と答えをさがす ような考え方や,き
まりに従 って何かを考えるのが「数学 的に考えるJと
いうことではないかと思う。 「数学的に考える」「数学的思考法」 と聞 くと,あ
る公式 にあてはめて考え,答
えがあ るか ない か,YESか
NOか
, どち らかはっきりした答えを出す というイメー ジが します。あまりというか, まった くこのような言葉 にふれた ことがないので,よ
くわか りません。 一つの問題 に対 し,そ
れを展開 し変形 させてい くことによって答えを求めてい くこと。 考え方や解 き方は何通 りもあるが, 自分の解 き方 を誰が見てもわかるように,示
す こと。「 この 値は○○だJと
いうふ うに答えが決 まっていること。 書き方や解 き方は何通 りかあるが,答
えは決 まっていること。 解答は一つであるが,手
段は何通 りもあるものだ。 現実的に,か
たい考え方や,い
くつか答えや考え方があ ったと しても,何
か一つに しぼろうとす る考え方。 よ くわか らないけ ど,物
をちがう面か ら見た り,考
えた りす ることのようだと思 った。 「理づめJで
物事を考えてい くことだと思う。 「 数学的思考法Jと
は,「数学的に考えるJと
いうものを,思
った ことや考えた りした ことをつ け くわえて書きなが らとくこと。 感情が ない考え。計画的にす ること。 仮定がきちっと していて,か
ならず答えが出る 。解け るということだ,と
思う。 与え られた ことを規則的に解いてい くこと,や
り方はただ一つだけという考え。│
一つの答えを求めようとす ること。 「 数学的に考える」 とは「 自分の考えJで
はな く,絶
対的なことを考えること。 根拠 に基づいて考えること。1
計算す ること。1
白黒は っき りつけて,中
間が ない考え方。鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 38巻 第
2号 (1997) 245
この世の中のものか ら,は
ず して考えるという事。頭を使 って考え るという事。違 った次元で考 えるという事。物理 と似 ているような感 じがす る。 ある一つの物事をもとめてい くうえで必要 なときかたや考え方。*1の
質問の回答 (大学生) 数学を学ぶ ことによって,物
事を論理的に考え,計
画立てて (機能的に)処
理す る能力を身につ ける学問。 は っきりしている,難
しい。 学問すべてに言えることだが,
日常生活で必要なものさえ出きれば良いと思 っている。地球上に は多 くの人間が住んでいるのだか ら,学
問を必要 と している人が学べばよい。必要以上の学問を地 球上の人間すべてに学ばせ るのは押 しつけだ。 論理の学問。論理 を体糸的にまとめたもの。論理 と して矛盾がなければ正 しいとす る学問だと思 う。 定理 などを証明 し,明
らかに して,そ
れ らを使 って問題を解 いてい く学問。以前は計算す ること だと思 っていた。 数学 とは身の回 りの物事 を数を用 いて論ず る学問である。また,使
用す る数をも考える学問であ る。 数字や記号を用 いて,問
題 を機械的に解 くこと。明確 な解答を求め るもの。中学校 に入ると嫌で も学ばされ るもの。多 くの人が聞いただけで頭が痛 くなるもの。 順序だてて,物
事をみてい く学問。そ して,物
事をみてい くとき,か
たよった方向か らでなく, 様 々な角度か ら観察 してい く。頭の中で,い
ろいろ想像 しなが ら,形
づ くってい くもの。 数学 とは,い
ろいろな現象 などを,数
学を使 って,明
確 に表す ことができる学問であると思いま す。明確 とい っても短 くというわけではなく,順
序だてて,物
事を考え,表
してい く,と
いう意味 です。 こういうことか ら,私
は,数
学を比較的ス リムな学問だと思 います。 パズルのような学問。抽象的な事柄を,具
体的に表 してい くもの。 証明す ること,あ
た りまえだと思 っていること等について。 ある一つの問題 に対 して,論
理的な思考で問題を解決 してい く学 問。「 数学」 と言われ ると,
ど う しても,証
明などの課程 をイメー ジ して しまう。「 算数」が結論を求めるもの。「 数学」は結論 を導 き出す ものの様 な感 じがす る。 どの分野でも計算 などとい った形で,数
学は利用 されてお り,応
用 。発展のある学問だ と思う。 また,数
学での証明のように, どんな人にも納得ができる説明力をつけることができる学問。 数を扱 う学問。つま り,人
数や金額,時
間といった身近かなもののほか,文
字に数を代入 して考 えることのできる学問。 ゴール地点は,す
でにどこかに存在 していて,
どうすれば,ス
ター ト地点か ら,そ
こにた どりつ けるか,を
考えてい くもの。 世の中を数字や記号にかえて,あ
らゆる事例に対応できるよう整理 されたもの。 絶対に (論争に)負
けない理論。1+1=2の
ように,あ
た り前 にとらえ られている定義をあ ら ためてとらえなおす,あ
るいは,逆
に, もっと複雑に発展させ る学問。確かなものがない世の中で, 数などの中象的概念によって,絶
対的法則制を見い出そうとす るもの。 数字を使 った り,計
算 した りす ること。答えがでる。解けた らうれ しい。246
後藤和雄・ 内藤啓子・ 富 田純代:数学 を学生が どうと らえているか ある程度,み
んながいきつ く答えが決 まってお り,正
解,不
正解 のは っき りでる学問。 いろんな規則 ごとのある学問 (公式 などの こと)。 昔の有名 な人が発 見 した ことを,何
百年,何
千年 も後になっても続けてや っているので,新
しい発見はあまりない。 定理を証明す ること。物事をより難 しく考えること。宇宙のように無限の拡が りがあるもの。 ある定義や,約
束 にそ って,物
事を数字や文字 などにおきかえて,論
理的に解析 してい く学問。 数学 とは,現
象を具体的にではな く,抽
象的に考え,示
す学問。一般性がある学問。世間と切 り 離された感 じの学問。(→実際は切 り離 されていないと思うが,つ
なが っている所が 日に見えない) 数学 とは,身
のまわ りのもの事の事象を数字や数式 などを用 いることによって,論
理的に明 らか に してい く学問であると思う。 順序だてて考 えていけば,必
ず答えを導 き出せ るもの。 しか し,あ
る人に,「0*0は
0で
0*
1も0だ
けど, どう して?Jと
尋ね られて答え られなか った。数学ではあた り前のようなことがす ごく難 しいように思えた。 小学校で学ぶ「 算数Jは
,
日常的な計算 などに役立つ勉強で,中
学校 レベルの数学は,そ
れをも とに少 し応用 されたもので,
どこかで生活の役 にた っていると思 うけ ど,高
校以上の数学は別 に知 らなくてもいいと思う。でも,数
学は理科の分野の計算や コンピュータに深 くかかわ っているので 偉い人は知 ってお く方が 良いと思う。数学は,現
在のように発達 した社会 を作 るのに重要 な学問だ と思うけれ ど,知
らないか ら生活できないという学問ではないと思う。 論理学。 物事か ら受け とることができる。数値や形 を徹底的に分析す る学 問。答えのある学 問。(真偽が は っきりできる学問。) あいまいさがない学問。すべてのことに定義を与え,証
明でその存在を明 らかに してい く学問。 とっつきにくいけれ ども,好
きになればとことん好 きになれ る学問。数字を色 々とあやつ る不思 議な学問。 世 の中の流れや動向などを,数
字をバ ロメーターと してよんだ り,設
計 など社会生活のための基 礎学問。 全ての科学の基本 となるもの。 数や数に関す ることの証明を行 うもの。 いろいろなことを理論的に考えることので きる学問。 ものごとを理論づけて考える学問だと思う。 また,正
確 さや法則 な どが問われ る。 世の中で最 も格好 いい学問で,私
自身が常に正 しくありたいと思え る空間である。他人の述べて いることを理解 したいと思い, 自分の述べたいことをより正確 に伝え られ る可能性がある。問題が 解けた り,証
明がわか る瞬間は,プ
ロのサ ッカー選手が絶妙のパス,シ
ュー トをキメた瞬間を見た 時,プ
ロの将棋指 しが絶妙の一手を指 した時,若
の花がモノスゴイバランスで投げ飛ば した瞬間や,blurの『
STEREOTYPE』
,STONEROSESの
『BEX.ING YOU』
,剛
N ISII『EXTRA』
の気持ち良さ はその瞬間の気持ち良さに似 ている。 数 という概念を使 い,数
の性質 について研究す る学問。 数字を使 って解決す る学問。正誤がは っき りしている。途中で誤 りがあると,後
までひきず って 結局もう … 。 計算す ることを学ぶ。むずか しい。た くさんの公式などがある。物理 などの学問でも必要である。 ある程度の記1臆 力があれば,あ
とは,セ
ンスがあるものほ どできそ う。あまり記憶 に頼 りす ぎる鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 38巻 第
2号
(1997) 247
と,わ
けのわか らない問題,初
めてみ る問題 などにあた った とき,な
にもできなくな って しまう。 一つの問題にい くつ ものとき方をもってお り,い
ちばんスマー ト1こ解ける解 き方を見せ 出せ るよう になれればす ごいと思 う。 様 々な定理や定義があ り,そ
れをもとに して,い
ろいろな問題 を解いてい くもの。 「 なんとな く,そ
んな気がす るか らJが
許 され ない学問。難 しくなるにつれて, これが社会にで て どういう応、うに生活の中で役 に立つのだろうと常に考えて しまう学問。 人か ら出されたパズルをといてい くような学問。 論理的に物事を考え,順
序だてて解明 してい く学問,物
事 を数字,記
号,表
などで表す。*2の
質問の回答 (大学生) 論理的にす じ道を立てて考え,能
率的,機
能的に処理す ること。 理屈が通 るように考えること。 必要以上に論理立 てをす るもの。 日常生活でも複雑 な問題が多 々あるが,数
学みたいに論理 を立 てて解釈できる問題ばか りとは思えない。 す じ道を立てて論理的に考えること。論証 してい くこと。定義や定理をもとに して物事を考える。 い くつかの方法で物事を解釈 しようと試み る。 数学 とは,理
科のように実験や採取によって物事を思考 し論ず るのではな くどち らか と言えば, 紙面の上のみで論理 を展開 し合 う学問である。理科のように事柄を重視す るのではな く,数
を重視 している。 定義や定理,公
式に基づいて,問
題を解いてい くこと。数や量について調べて考えるだけで なく, 今そこにないもので も想像 して考える。イメー ジを豊かに しなが ら,論
理的に考えてい く。 また, 正確 さということも必要 とされていると思 う。 国語のように個人個人で違 う感 じかたがあるというわけではな く,あ
いまいでな くす じ道 を通 し て結果 にた どりつ く,そ
して,そ
の結果には,明
かな理 由がある考え方 なのではないか と思います。 論理的で機械的な考え方。道筋立てて順序 よ く考えてい くこと。よ リハ ッキ リしていて,具
体的 な考え方。 物理的ではな く,理
屈的に考えること。悪 くいえば,現
実はそうでな くても,頭
の中,想
像,空
想の中で成立すればいいという考え方。 いろいろな考え方 を,か
き集めて,一
つの大 きな定義づけを して行 く。最終的に頂上 に辿 り着 く ために, 自分で一つ一つ階段を作 り,道
を切 り開き行 くような考え方。その考え方の中には一つの 矛盾 も許 されず,完
璧でなければならない。 「教学的に考える」「数学的思考法Jと
は,い
ろんなことを理論だてて考え,矛
盾 な どが生 じな い結論を導き出す,い
わば,理
論をたてて考えること。 トランプや麻雀,あ
らゆるかけにおいて確率的に考えることが一番多い。また, 1対 1対
応で も のを考えることもあることはある。 様 々な選択の中か ら,そ
の事柄にあ ったものを選択 し,対
処 してい く。一つのものを,応
用 し使 用 してい く方法。 車の燃費を計算 しようとす ること。マー ジ ャンで捨パ イか ら相手の役 を考えること。 一つの物事を考え るのに,い
く通 りもの方法を考え られ る。そ して,そ
の方法に論理的あや まり がないこと。「何が (確かに)言
えるかJ「何で (自分の証明 したい事が)言
えるかJを
直感的に感248
後藤和雄・内藤啓子・富田純代:数学を学生がどうとらえているか│
じること。考えを,統
計的に理論だて られ ること。1
計算 などをす る。数がでて くる。l
順序だてて,理
屈 をもって説明 し,解
決 してい くこと。 もののかかわ りあいを,具
体的ではな く│
て,任
意的に考えてい くこと。│
いろいろな見方ができること。形式的に動 くこと。 さまざまな現象を,数
字 。文字におきかえ,過
去の経験か ら求め られた約束 ごとにそ って理論的 に解 く。│
「 数学的に考えるJ「数学的思考法Jと
は,抽
象的でかつ一般性を帯びた考え方, も しくは,理
論的な考え方。 自分で独創性をもって考えること。 誰で もわか るように数字 とい ったような記号を用 いて,す
っきりと表 していけること。 まずは, 抽象的なものが表す ことができて,そ
こか ら,具
体例がみちび くことができるような考え方だ と思 ′う。 考える上の課程で
,何
でそうなのかという理 由づけを し,理
論的に考えること。 筋道が通 っていてこういうことか らこういう結果がでる,と
いう応、うには っきり証 明ができるよ うな考え方だ と思う。 深 く考えない, こだわ らない,単
純 に考え る。数字だけで考える。 ある答えにた どり着 くのに,順
序立てて,理
論的に考えてい くこと。す じ道を通 った考え方のこ と。 理論だてて考えてい くこと。直感でいきなり答えをださないこと。 物事 を理論立てて考えること。 まわ りくどくな く要点だけをまとめ ること。 物事 を自分の感情 などを入れずに,客
観的 。定量・ 定数的に考えること。 数字 を使い,数
式を利用 して考える。 論理的 。現実的。数学的証明術で考えてい くこと。 数値 によっていろいろなものを表 した りす ることだ と思う。(偏差 など) 数字 というものを頭 において,物
事を統計的に見た り,物
事 に法則性をとり入れて考え るや り方。 「 一定のルー ルやある方向性に従いつつも,よ
リラジカルに自身の欲求を満たそう」 とか,与
え られた課題 (他人か らではなくても)に
対 して,真
しに答え る姿勢のこと。 論理的なものの考え方。理づめで硬 い考え方。 問題 を数字 におきかえて数式によって理論か ら考えようとす る方法。 十数式を使 って考えること。
│
い くつ もの例をあげて,だ
んだん正解の的を しば ってい く。帰納的な考え方,解
き方はた くさん│
あ っても,答
えは一つ しかない。 教字だけで単純 に考えること。 数学 といえば数字がでて くる し,数
学 と「 考え方Jの
関係で思いつ くのは,確
率が一番最初 に頭 に浮かんだ。 またデー タをもとに,そ
れか らいろいろなことを考えてい くもの。1
順番 に考えること。難 しく考えること。理屈 っぽ く考えること。理論的に考えること。│ *3の
質問の回答 (大学生 ) 時計,コ
ンピュー タ,机
など (四角形 なもの),ボ
タンなど (丸いもの),建
物 など (高さのある もの)鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第38巻 第