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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 農 学 ) 孔    凡 江

     学位論文題名

    Functions of Theobroxide on

    Jasmonic Acid Biosynthesis in Plant

(植物中でのジャスモン酸生合成におけるセオブロキシドの機能)

学位論文内容の要旨

  植 物病 原 性糸 状菌Lasrbdiplodia theo孰聊 餾の 代 謝産 物で あるセオブロキシドはジャ ガイモ

(R廟サ1黼觚ぬm舛鰄L)のマイク口チューバ一形成やアサガ才ヤ功aめ鹹ゞ′めの在費司彡成を誘導する。

ジャ ガイ モ やア サガ オ葉 面に セ オブ ロキ シド を噴 霧 する と、 非誘導条件下でも、ジャガ イモの 塊茎 やア サ ガ才 の花 芽が 形成 す る。 また 、セ オプ ロ キシ ドは アサガオやホウレンソウ僻 眦辺 砒mcぬL)の 茎伸 長を 阻 害す る。 本研 究は、セオプロキシド のこのような植物の分化誘導 や茎伸 長への効果カtジャスモ ン醸 A)やジベレリン(GA)生合成の制御によって弓Iき起されることを明 らか にし た 。ま た、 アサ ガオ 中 でセ オプ ロキ シド に よっ て誘 導され、かつ、JA合成に関 与する 酵素 を分 析 し、 アレ ンオ キシ ド 合成 酵素(A(均がJA合成に おいて重要な役割を果たレて いるこ と を 明 ら か に し た 。 さ ら に 、 ア サ ガ オAOCのd)N Aを ク口 ーン 化 し、AOCの構 造と 機能 を明 らかにするとともに、葉緑体における局在性を証明した。

  (1)  セオ プロ キシ ド によ るジ ャス モ ン酸 およ びジ ベレ リ ン生 合成 制御 によ る アサガ オとホ ウレ ンソ ウ の茎 伸長 阻害

    セオ ブ ロキ シド は、 短日 あ るい は長 日両 条件 下 で、 短日 植物であるアサガオの茎伸 長を阻 害 し 、 開 花 を 促 進 す る 。 こ の よ う な 効 果 は 、 セオ プ口 シキ ドに よ るジ ャス モン 酸OA)生 合成 の誘 導と 深 く関 係す る。 ジャ ス モン 酸生合成の阻害剤であるsalicylhydroxamic acid (SHANDや 植物 ホル モ ンで ある ジベ レリ ンGへの 添 加はJAの 内在 レベ ル を減 少さ せ、 結果 と してセ オブロ キシ ドの 茎 伸長 抑制 効果 を阻 害 した 。ま た、 セオ プ ロキ シド は、 短 日、 長日 両条 件でGAi生合 成を 阻害 し た。 これ らの 結果 は 、セ オブ 口キ シド や 光周 期で 量的に制御される内在性JAは茎伸 長 に 対 し 負 に 働 く こと 、セ オプ ロキ シ ドは アサ ガ才 のJAGA生 合成 を制 御 する こと によ って 茎伸 長を 制 御し てい るこ とを 示 唆す る。 セオ プロ キ シド の茎 伸長に対するこの様な作用 は、長 日植 物で あ るホ ウレ ンソ ウで も 観察 され た。

(2)  セ オ プ ロ キ シ ド に よ っ て 誘 導 さ れ る ア サ ガ オ 中 で のJA生 合 成 に お け るAOCの 役 割     生 育7日 目 のア サガ オ実生にセオプロキシド溶 液を継締約(二日に一度) に噴霧し、短日、

長 日 両 条 件 下 で 生 育 さ せ た 。 セ オ ブ ロ キ シ ド 処 理 開 始1週 間 お よ び2週 間 後 、JA量を(MS で 定量 分析 し、JA生 合 成に 関与 する 主要 酵 素を免 疫プロット法て汾析した。 その結果、短日、

‑ 182

(2)

長 日 の 両 条 件 で 、 セ オ ブ ロ キ シ ド 処 理 に よ ル リ ポ キ シ ゲ ナ ー ゼ(LOX)、 ア レ ン オ キ シ ド 合 成 酵 素(AOS)及 びAOCカ 堵 濯 噌 謝 け ゛ る こ と が 明 ら か に な っ た 。 ま た 、 セ オ プ ロ キ シ ド に よ るAOC 夕 ン パ ク 質 量 の 変 化 を48時 間 観 察 し た 結 果 、 ´ `0Cの 増 加 ぼ 二 段 階 的 に 起 こ り 、 内 在 性JA量 と 同 調 的 に 増 減 す る こ と が 明 ら か に な っ た 。 最 め のACxニ 量 の 増 加 は セ オ プ ロ キ シ ド 処 理 後30分 以 内 で 起 こ り 、 二 段 階 目 の 増 加 は 長 日 条 件 で は6時 間 後 、 短 日 条 件 で は2時 間 後 開 始 し た 。 一 方 、AOS及 びuX夕 ン パ ク 質 量 はAOC夕 ン パ ク 質 よ り も 遅 く 増 加 し た 。 こ の こ と か ら セ オ プ 口 キ シ ド に よ っ て 誘 導 さ れ るJAの 初 期 生 成 に お い てAOCが 決 定 的 な 役 割 を 果 た し て い る こ と が 牙 竣 さ れ た 。AOCの 二 鬨 蓍 ・ 目 の 増 加 はJAに よ る 正 の フ イ ー ド パ ッ ク 制 御 の 結 果 で あ る と 推 定 さ れ る 。 更 に 、 花 芽 形 成 誘 導 物 質 で あ るKODA生 成 に 関 与 す るAOS夕 ン パ ク 質 も セ オ プ ト キ シ ド と 短 日 条 件 の 両 者 の 協 奏 的 な 効 果 に よ り 著 量 蓄 積 す る 。 こ の こ と か ら 、AOSは ア サ ガ オ の 花 芽 形 成 に 重 要 な 役 割 を 果 た し て い る と 考 え ら れ る 。

  (3)ア サ ガ オAOC遺 伝 子 の 分 離 と 性 質 お よ び 機 能

  シ ロ イ ナ ズ ナ や ト マ ト のAOC遺 伝 子 に コ ー ド さ れ て い るDNA配 列 を 有 す る プ ラ イ マ ー を 用 い て 、 ア サ ガ オAOC遺 伝 子 をRACE法 に よ ル ク ロ ー ン 化 し た ( コ ー ド す る タ ン パ ク 質 をPnAC と 名 付 け た ; Gennkア ク セ ス 番 号DB14585) 。RHCを コ ー ド し たdNA領 域 は735叩 か ら 顔 り 、245残 基 の ア ミ ノ 酸 配 列 を コ ー ド し て い た 。 コ ン ピ ュ ー タ ー 解 析 に よ り 、n汎 〇C夕 ン パ ク は55番 目 と56番 目 の ア ミ ノ 酸 残 基 間 の べ プ チ ド 結 合 が 切 断 し た 後 、 葉 緑 体 内 へ 移 動 す る と 予 想 さ れ た 。nDCAOC夕 ン パ ク 質 を 含 む こ と 確 き 謬 ず る た め に 、 葉 緑 本 シ グ ナ ル ・ ベ フPチ ド の 欠 損 し た 断 片 を 大 腸 菌 内 で 発 現 さ せ 、211IXの タ ン パ ク 質 が 大 腸 菌 内 で 新 た に 生 成 し た こ と を 確 認 し た 。 こ の タ ン パ ク 質 を 抗 ト マ トAOCポ リ ク ロ ナ ー , 凵 亢 体 を 用 い て 免 疫 プ ロ ッ ト 分 析 し 、AOC夕 ン パ ク 質 で あ る こ と を 確 認 し た 。 ア サ ガ オnnCの ア ミ ノ 酸 配 列 は 他 の 植 物 か ら のAOCと 高 し ゝ 相 同 性 を 示 し た 。AOCの 葉 緑 体 局 在 を 確 認 す る た め に 、 抗AOC抗 体 を プ ロ ー プ と し て ア サ ガ オ 葉 切 片 を 免 疫 螢 光 法 に よ り 顕 微 鏡 観 察 し た 。AOCは 葉 の 維 管 束 鞘 の 葉 緑 体 内 に 存 荏 す る こ と が 確 認 さ れ た 。 ア サ ガ オ ゲ ノ ム で のAOC遺 伝 子 の コ ピ ー 数 を 明 ら か に す る た め に 、 A洫 ワ CdDNA配 列 を プ ロ ー プ と し て サ ザ ン プ ロ ッ ト 分 析 し た 。 そ の 結 果 、AOC遺 伝 子 は ゲ ノ ム 中 で 多 重 遺 伝 子 族 と し て 存 在 す る こ と が 明 ら か に な っ た 。nnCの 発 現 パ タ ー ン を 知 る た め に 、 セ オ プ ロ キ シ ド 処 理 あ る い はJA処 理 し た ア サ ガ オ 葉 か ら 全 心 愼 を 分 離 し 、AnCの 完 全 長dNAを プ ロ ー プ と し て ノ ザ ン プ ロ ッ ト 分 析 し た 。 そ の 結 果 、 セ オ プ ロ キ シ ド 処 理 やJA処 理 に よ っ て 、nnC発 現 カ 闘 靆 尊 さ れ る こ と を 証 明 し た 。 ア サ ガ オ を セ オ ブ ロ キ シ ド 処 理 す る と 、 30分 以 内 でnnCの 発 現 カ 鯆 さ れ る こ と カ 繊 さ れ た が ヽ こ の こ とIま 免 疫 ブ 口 ッ ト 法 で 得 ら れ た (2) の 結 果 と 一 致 す る 。

:O

セオブロキシド   ジャスモン酸JA

     −183 −

(3)

学位論文審査の要旨

     学位論文題名

    Functions of Theobroxide on

    Jasmonic Acid Biosynthesis in Plant

(植物中でのジャスモン酸生合成におけるセオブロキシドの機能)

  

植物病原性糸状菌

Lasiodiploc

´′a めe06mmae の代謝産物であるセオブロキシドはジャガ イモ(SO ´anum 舳e ′恥弸L .)のマイクロチューバ一形成やアサガオ(尸カa め艢′めの花芽形 成を誘導し、また、茎伸長を阻害する。本研究では、セオブロキシドのこのような効果が、

ジャスモン酸(JA )やジベレリン(GA )生合成の制御によって引き起されることを明らかにし た。更に、アサガオ中でセオプロキシドによって誘導される、JA 合成に関与する酵素を分 析し、アレンオキシド合成酵素(AOC )が重要な役割を果たしていることを明らかにした。

ま た 、 ア サ ガ オ

AOC

cDNA

を クロ ーン 化し 、AOC の構 造と 機能 を明 らか にす ると とも に 、 葉 緑 体 に 韜 け る 局 在 を 証 明 し た 。 研 究 成 果 は 以 下 の よ う に 要 約 さ れ る 。

  1

.セオプ ロキシドは、短日あるいは長日両条件下で、短日植物であるアサガオの茎伸長 を阻害し、開花を促進する。このような効果は、セオブロシキドによるジャスモン酸(JA ) 生合成の誘導と深く関係する。ジャスモン酸生合成の阻害剤であるsaIicylhydr0 髑micadd

(SHAM ) や植 物ホ ルモ ン であ るジ ベレ リン

G

ん の添 加 はJA の内 在レ ベル を減 少さ せ、

結果としてセオプロキシドの茎伸長抑制効果を阻害した。また、セオブロキシドは、短日、

長日両条件でGA1 生合成を阻害した。これらの結果は、セオブロキシドや光周期で量的に 制御される内在性JA は茎伸 長に対し負に働くこと、セオブロキシドはアサザオのJA や

GA

生 合 成 を 制 御 す る こ と に よ っ て 茎 伸 長 を 制 御 し て い る こ と を 示 唆 す る 。

  2

.生育7 日目のアサガオ実生にセオプロキシド溶液を継続的に噴霧し、短日、長日両条 件下 で生 育さ せた 。セ オ プロ キシ ド処 理開 始1 週間 お よぴ2 週間後、JA 量をGC ‐MS で定 量分析し、JA 生合成に関与する主要酵素を免疫ブロット法で分析した。その結果、短日、

長日の両条件で、セオブロキシド処理に よルリポキシゲナーゼ(LOX )、アレンオキシド 合成 酵素 くAOS )及 びAOC が著 量蓄 積す るこ とが 明ら かに なっ た。 また 、

AOC

の増 加は 二段階的に起こり、内在性JA 量と同調的 に増減することが明らかになった。。一方、AOS

    

―184 ー

助 士

純 幸

憲 哲

   

田 原

部 浦

授 授

授 授

   

   

(4)

及 びLOX タ ンパ ク質 量は

AOC

タ ンパ ク質 より も遅 く増 加 した 。このことからセオブロキ シ ドに よっ て誘 導さ れる

JA

の 初期 生成においてAOC が決定的な役割を果たしていること が 示唆 され た。

AOC

の二 段 階目 の増 加はJA による正のフイードバック制御の結果である と 推 定さ れる 。更 に、 花芽 形 成誘 導物 質で ある

KODA

生成 に関 与す るAOS タン パク 質も セオプトキシドと短日条件の両者の協奏的な効果により著量蓄積する。このことから、AOS は ア サ ガ オ の 花 芽 形 成 に 重 要 な 役 割 を 果 た し て い る と 考 え ら れ る 。

  3

. シロ イナ ズナ やト マト のAOC 遺伝 子に コー ドさ れて いる

DNA

配 列を 有す るプ ライ マ ー を 用 い て 、 ア サ ガ オ

AOC

遺 伝 子 を

RACE

法 に よ ル ク ロ ー ン 化 し た 。

PnAOC

を コ ー ド した

cDNA

領域 は735bp か らな り、

245

残基 のア ミノ 酸 配列 をコードしていた。コンピ ユ ー ター 解析 によ り、

PnAOC

タン パク は55 番目 と56 番目 の アミ ノ酸 残基 問の ペプ チド 結 合が 切断 した 後、 葉緑 体内 へ移 動すると予想された。PnA 〇C がAOC タンパク質を含む こ と確 認するために、葉緑体シ グナルペプチドの欠損した断片を大腸菌内で発現させ、

21KDa

のタ ンパ ク質 が大 腸 菌内 で生 成したことを確認した。このタンパク質を抗トマト

AOC

ポ リク ロナ ール 抗体 を 用い て免 疫ブ ロッ ト分 析し 、AOC タンパク質であることを確 認 した 。ア サガ オPnAOC の アミ ノ酸 配列 は他 の植 物か らの

AOC

と高い相同性を示した。

AOC

の 葉緑 体局 在を 確認 す るた めに 、抗

AOC

抗体 をプ ロ ーブ としてアサガオ葉切片を免 疫螢光法により顕微鏡観察 した。AOC は葉の維管束鞘の 葉緑体内に存在することが確認さ れ た。 アサ ガオ ゲノ ムで のAOC 遺伝 子の コピ ー数 を明 らか にす るために、PnAOC のcDNA 配列をプローブとしてサザ ンブロット分析した。その結果、AOC 遺伝子はゲノム中で多重 遺 伝子 族と して 存在 する こと が明 らかになった。PnAOC の発現パターンを知るために、

セ オ プ ロ キ シ ド 処 理 あ る い は

JA

処理 した アサ ガオ 葉か ら 全RNA を 分離 し、

PnAOC

の完 全 長cDNA をプローブとしてノザ ンブロット分析した。その結果、セオブロキシド処理や

JA

処理によって、PnAOC 発現が誘導されることを証明し た。

  

これらの成果は、theobroxide によって活性化される

JA

合成をタンパク質及び遺伝子レ ベルで解明したものであり 、今後花芽や塊茎誘導機構解明の一助になると考えられる。よ って審査員ー同は、Kong Fanjang が博士(農学)の学位を受けるのに十分な資格を有する ものと認めた。

‑ 185

参照

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図2に実験装置の概略を,表1に主な実験条件を示す.実