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Academic year: 2021

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博士課程用(甲)

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(様式4)

学 位 論 文 の 内 容 の 要 旨

阿 部 孝 憲 印

(学位論文のタイトル)

Incidence, risk factors, and dose-volume relationship of radiation-induced rib fracture after carbon ion radiotherapy for lung cancer.

(肺癌に対する炭素線治療後の放射線性肋骨骨折の発生率、危険因子、肋骨の照射線量と照射体積 の関係)

(学位論文の要旨)

[目的]

肺癌に対する炭素線治療後の肋骨骨折の発生率、リスク因子、線量体積関係を解析した。

[対象と方法]

2010年から末梢型I期肺癌に対して炭素線治療を施行し6か月以上の観察期間を有する患者を対象とした。線量

はステージ1Aに52.8 Gy(RBE)/4回、ステージ1Bに60 Gy(RBE)/4回を照射した。経過観察は治療後1年間は3 か月毎にCTを撮影した。骨折はCTによる骨皮質の不連続性とした。患者因子で患者を2群に分け2群間の肋骨 骨折の発生率をログランクテストで比較した。肋骨の照射線量の評価として20 Gy(RBE)以上照射された肋骨に 輪郭形成し、照射線量と体積の指標 (DVH parameter)として肋骨の最大線量 (Dmax)、20 - 60 Gy (RBE) 以 上照射された肋骨の体積(V20 - 60)を算出した。肋骨骨折発生におけるDVH parameterのカットオフ値を受信 者動作曲線(ROC)によって解析した。

[結果]

全18名が対象となり、解析対象となった肋骨は57本であった。年齢中央値は81.5歳で、観察期間中央値は36.5 ヵ月であった。性別は男性12名、女性6名であり、TステージはT1a5名、T1b8名、T2a5名であった。ステー ジ1Aが13名、ステージ1Bが5名であった。骨折発症までの中央期間は14カ月であった。患者因子による骨折発 生率に有意差はなかった。腫瘍と肋骨の距離は骨折を発症した肋骨で有意に少なかった。(骨折群 1.4 ± 0.3 cm vs. 非骨折群 2.5 ± 0.3 cm, p < 0.05)。DVH parameterは骨折群でV30 - V60とDmaxが有意に高かった。

ROC解析ではD1cm3が曲線下面積が最大であった。D1cm3が38.2 Gy(RBE)以上の群で累積骨折率は53%であ り、38.3 Gy(RBE)以下の群で4%であった。

[考察]

肋骨骨折の原発生率は39%であった。Asaiらは腫瘍と肋骨間の距離が2cm以下で骨折が有意に増加すると報告 し、本研究では18人中14人で腫瘍と肋骨間の距離が2cm以下であり、それが比較的高い発生率に寄与している と考えられる。本研究では患者因子と骨折発生に相関は認められなかった。Asaiらは寡分割定位放射線治療で は照射の生物学的効果が高く、患者因子ではなく線量と体積の関係によって骨折発生率は影響を受ける、と述べ ている。炭素線は生物学的効果が大きく、患者因子よりも線量と体積の関係が骨折発生に影響を与えた可能性が ある。骨折と線量体積関係についてTaremiらはD0.5cm3 60 Gyが有意なカットオフ値であると報告し、Asai らはDmax 42.4 Gyが有意なカットオフ値であると報告している。本研究ではD1cm3が最大の曲線下面積を示 し、Dmax 49.7 Gy(RBE)も有意なカットオフ値であった。陽子線治療の報告ではKanemotoらがDmax 53.8

Gy(RBE)を有意なカットオフ値として報告している。炭素線治療後の肋骨骨折に関わる線量と体積の関係は他

治療と相違ないと考えられる。

[まとめ]

肺癌に対する炭素線治療後の肋骨骨折発生率は39%であった。D1cm3が肋骨骨折発生を予測する有用なDVHパ ラメータである可能性がある。

参照

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