• 検索結果がありません。

(様式6

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "(様式6"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博士課程用(甲)

- 1 -

(様式6-A)A. 雑誌発表論文による学位申請の場合

藤原 千紗子 氏から学位申請のため提出された論文の審査要旨

題 目 Suppressive Regulation by MFG-E8 of Latent Transforming Growth Factor β–Induced Fibrosis via Binding to αv Integrin: Significance in the Pathogenesis of Fibrosis in Systemic Sclerosis

(全身性強皮症において、分泌蛋白質MFG-E8はインテグリンαv結合を介して不活性型TGF-βによる 線維化を抑制する)

Arthritis & Rheumatology 71:302-314, 2019 Chisako Fujiwara, Akihito Uehara, Akiko Sekiguchi, Akihiko Uchiyama, Sahori Yamazaki, Sachiko Ogino, Yoko Yokoyama, Ryoko Torii, Mari Hosoi, Chiaki Suto, Katsuhiko Tsunekawa, Masami Murakami, Osamu Ishikawa, and Sei-ichiro Motegi

論文の要旨及び判定理由

全身性強皮症は、組織の線維化による皮膚硬化やさまざまな臓器の線維化、血管異常によるレ イノー現象や指尖部潰瘍、自己免疫異常などが絡み合って発症する疾患であるが、その機序はいま だ充分に解明されていない。分泌蛋白質MFG-E8は、N末端領域にインテグリンαvβ3/5との結合に 重要なRGD配列が含まれ、MFG-E8は、このRGD配列を介して、インテグリンαvβ3/5と結合すること や、C末端領域はフォスファチジルセリンや1型コラーゲンと結合するため、アポトーシス細胞上 のフォスファチジルセリンとマクロファージ上のインテグリンの間に結合してアポトーシス細胞 の貪食を促進させることが知られている。さらにMFG-E8の主要な産生細胞がペリサイトであるこ とやインテグリンαvβ3/5との結合を介して血管新生を亢進させること、MFG-E8 KOマウスでブレ オマイシン誘導性肺線維化が亢進することや、喘息患者の気道周囲平滑筋細胞のMFG-E8発現量は 低下しており、MFG-E8 KOマウスでは気道周囲の線維化が亢進し、喘息が増悪することなどが報 告されている。さらにMFG-E8 KOマウスは、加齢に伴い抗核抗体の上昇や糸球体腎炎をきたすこ とから、その発現異常が自己免疫疾患の発症に関与している可能性が報告されてきた。しかしな がら、強皮症の病態におけるMFG-E8の役割は未だ検討されておらず、本研究は強皮症におけるMF G-E8の役割を解明することを目的として行われた。

強皮症皮膚では、ペリサイトや血管周囲の4型コラーゲン量が低下することが報告されている。

本研究の検討では、免疫染色で、強皮症皮膚では健常人皮膚と比較し、血管周囲のMFG-E8の発現 が少なく、また、血清中MFG-E8量も低下していた。その原因として、血管障害によって生じたペ リサイトや血管平滑筋細胞数や機能の低下が関連している可能性が示唆された。

不活性型TGF-βは、RGD配列を介してインテグリンと結合し活性型となり、TGF-β受容体と結合 すると、細胞内でSmad2/3のリン酸化が起こり、コラーゲンなどの遺伝子の転写が開始されるた め、線維化に重要な因子である。強皮症線維芽細胞ではインテグリンαvβ5の発現の亢進による TGF-βシグナルの増強が報告されている。そこで、MFG-E8が同様のRGD配列を持っていることに 注目し、強皮症線維芽細胞では、MFG-E8の発現が低下すると不活性TGF-βとインテグリンとの結 合が増加しTGF-βシグナルが亢進するのではないか、という仮説をたて検討が行われた。まず、

強皮症患者由来線維芽細胞において、1型コラーゲンやCCN2、Smad2のリン酸化は不活性型TGF-β の刺激で亢進したが、MFG-E8の添加により抑制された。しかし、RGD配列をRGEに変えたRGE-MFG- E8-Igを用いた同様の実験では抑制できなかった。この結果より、強皮症線維芽細胞において、M

(2)

博士課程用(甲)

- 2 -

FG-E8はRGDを介してインテグリンαvと結合し、不活性型TGF-β刺激による線維化を抑制すること が明らかになった。次に強皮症モデルマウスであるタイトスキンマウスとブレオマイシン誘導線 維化マウスにおいて、MFG-E8を欠損させた場合に線維化が亢進するのかを検討したところ、両モ デルマウスにおいて、MFG-E8 KOマウスではWTマウスに比べて皮膚肥厚、肺の線維化亢進がみら れた。また、タイトスキンマウスにおいて、MFG-E8 KOマウスではWTマウスと比較し、血清中の 抗核抗体や抗トポイソメラーゼI抗体価の上昇もみられた。さらにブレオマイシン誘導線維化マ ウスでは、MFG-E8投与が皮膚肥厚やコラーゲン量の抑制効果を示した。これらの結果から、強皮 症では血管周囲や血中のMFG-E8の量が低下しており、これが血管機能低下を反映していることが 示唆された。また、MFG-E8の産生低下によって、インテグリンとMFG-E8の結合が減り、逆に不活 性型TGF-βとインテグリンの結合が増加するため、活性型TGF-β量が増えて皮膚の線維化が亢進す ることが示唆された。以上の結果から、MFG-E8のようにインテグリンと不活性型TGF-βとの結合 を阻害するような抗体や蛋白が強皮症の線維化に対する治療に応用できる可能性を示した。本研 究は、強皮症における分泌蛋白質MFG-E8の役割を解明し、治療への可能性に言及した初めての論 文であり、博士(医学)の学位に値するものと判定した。

(令和2年2月3日)

審査委員

主査 群馬大学教授(医学系研究科)

生化学分野担任 南嶋 洋司 印

副査 群馬大学教授(医学系研究科)

循環器内科学分野担任 倉林 正彦 印

副査 群馬大学教授(医学系研究科)

内分泌代謝内科学分野担任 山田 正信 印

参考論文 特になし

(3)

博士課程用(甲)

- 3 -

(様式6, 2頁目)

最終試験の結果の要旨

強皮症における血管障害の意義およびTGF-βファミリーの種類について 試問し満足すべき解答を得た。

(令和2年2月3日)

試験委員

群馬大学教授(医学系研究科)

皮膚科学分野担任 石川 治 印

群馬大学教授(医学系研究科)

循環器内科学分野担任 倉林 正彦 印

試験科目

主専攻分野 皮膚科学 A

副専攻分野 循環器内科学 A

参照

関連したドキュメント

後 7 週齢前後からアトピー性皮膚炎を発症するコンベンションナル NC/Tnd マウスで は、皮膚炎の発症に伴って経皮水分蒸散量や皮膚

細胞実験の結果からは、内因性のCD36発現食道扁平上皮癌細胞は、脂肪酸のβ酸化を増殖およ

アルツハイマー病(Alzheimer's disease: AD)では脳内にアミロイドβ蛋白(amyloid-β: Aβ) が蓄積する. 11 C-labeled

TGFBIはTGF-βシグナルの活性化によって分泌される蛋白としても知られ、コラーゲンやフィブロネクチン、ラ

筆者はこのような一過性の効果に加えて、ピロカルピンの長期投与が、照射による障害を受けた腺

ペリサイトは MSC 由来の細胞であることから、マウス骨髄細胞由来MSCにおける MFG-E8の発現を調べた結 果、骨髄由来 MSC

CTCs陽性患者は有意に無病増悪期間(PFS)が短く( p=0.0107 )、特に MET 陽性CTCsを有する患者で、有意なPFSの短

分血糖値が空腹時血糖値を下回るため、 Insulinogenic indexがマイナスとなった。そこで、このグル ープⅠを除外した Matsuda index、 Insulinogenic