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Academic year: 2021

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博士課程用(甲)

(様式6-A)A. 雑誌発表論文による学位申請の場合

多 田 紘 恵 氏から学位申請のため提出された論文の審査要旨

題 目 Molecular profiling of circulating tumor cells predicts clinical outcome in head and neck squamous cell carcinoma.

(循環癌細胞の遺伝子発現プロファイルは頭頸部扁平上皮癌の予後を予測する)

Oral Oncology 102: 104558, 2020

Hiroe Tada, Hideyuki Takahashi, Yuki Kuwabara-Yokobori, Masato Shino, Kazuaki Chikamatsu

論文の要旨及び判定理由

リキッドバイオプシーのバイオマーカー候補として循環癌細胞(circulating tumor cells: CTCs)が注目されて いるが、CTCsの遺伝子発現プロファイルと臨床因子との関係は、いまだ明確ではない。今回、多田らは頭頸部扁平上 皮癌患者を対象に、CTCsの同定とその遺伝子発現解析を行い、予後を含む臨床因子との関係を明らかにした。44名の 頭頸部扁平上皮癌患者の末梢血からmicrofilter法によってCTCsを濃縮し、RT-qPCR法を用いて上皮系マーカー(EPCAM, MET, KRT19, EGFR)の発現を調べた。少なくとも1つの上皮系マーカーが陽性の場合にCTCs陽性と判断し、CTCsの有無 や各上皮系マーカー発現と臨床因子との関係を解析した。さらにCTCs陽性のサンプルについては、cell growth関連遺 伝子(PIK3CA, CCND1)、EMT関連遺伝子(SNAI1, VIM)、cancer stemness関連遺伝子(CD44, NANOG, ALDH1A1)、

immune regulation関連遺伝子(CD47, CD274 ,PDCD1LG2)の発現を解析し、臨床因子との関連について検討を行った。

44例中28例(63.6%)でCTCsが陽性であった。CTCs陽性の患者は、有意に初期治療への抵抗性と局所再発を示した

(初期治療抵抗性, p=0.0363 ; 局所再発, p=0.0151)。また、遠隔転移も多い傾向にあった(p=0.0891)。さらに、

CTCs陽性患者は有意に無病増悪期間(PFS)が短く(p=0.0107)、特にMET 陽性CTCsを有する患者で、有意なPFSの短 縮を認めた(p=0.0426)。28例のCTCs陽性例における遺伝子発現解析では、各患者間でのheterogeneityを認めた。各 遺伝子発現と臨床因子との解析では、CD274 陽性CTCsを有する患者は、CD274 陰性CTCsを有する患者より、有意にPFS と全生存期間(OS)が長かった(PFS, p=0.0346 ; OS, p=0.0378)。頭頸部扁平上皮癌患者のCTCsにおけるCD274 (P D-L1)発現は予後良好因子であり、CTCsが原発巣のtumor immune microenvironmentを反映している可能性が示唆され た。また、CD274 ,PDCD1LG2 を除く8遺伝子発現を基に高発現群と低発現群の2群に分けて臨床因子との関係を解析し たところ、進行病期(stage III-IV)では遺伝子高発現群が有意に多かった(p=0.0228)。以上のことから、本論文 は頭頸部扁平上皮癌におけるCTCsの解析が治療効果や予後を予測できる有用なバイオマーカーとなる可能性を示した ものであり、博士(医学)の学位に値するものと判定した。

(審査年月日)令和 2年 7月 7日 審査委員

主査 群馬大学教授(医学系研究科)

消化管外科学分野担任 佐 伯 浩 司 印

副査 群馬大学教授(医学系研究科)

病理診断学分野担任 小 山 徹 也 印

副査 群馬大学教授(医学系研究科)

顎口腔科学歯科口腔・顎顔面外科学分野担任 横 尾 聡 印

(2)

博士課程用(甲)

(様式6-A, 2頁目)

最終試験の結果の要旨

リキッドバイオプシー検査の利点についておよび頭頸部扁平上皮癌のPD-L1発現とTILsについて 試問し満足すべき解答を得た。

(審査年月日)令和 2年 7月 7日

試験委員

群馬大学教授(医学系研究科)

耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野担任 近 松 一 朗 印

群馬大学教授(医学系研究科)

病理診断学分野担任 小 山 徹 也 印

試験科目

主専攻分野 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 A 副専攻分野 病理診断学 A

参照

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