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佛教大學研究紀要 75号(19910314) L047森山清徹「後期中観派の唯心説と二諦説 : 三種の唯心解釈〈勝義、ヨーガ行者の世俗、凡夫の世俗〉」

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Academic year: 2022

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(1)後 期 申観 派 の唯 心説 と二諦 説 三 種 の唯 心 解 釈 〈勝 義,ヨ ー ガ行 者 の 世 俗,凡 夫 の世 俗 〉一一. 森. 目 略. 山. 清. 徹. 次. 号. 序 1.後. 期 中 観 派 の 唯 心 解 釈 と修 道 論. 1.唯. 心 解 釈 を 巡 る論 議. 2.Kamalas31aの 3.外. 唯 心説 と ヨーガ 行者 の修 道 論上 の世俗. 皿.世. 界 の 対象 の 吟 味一 間 の 人k(loka)と. 1.世. 間 の 人kの. 2.二. 種 の 実世 俗. 丁 α伽 α54勉g7読. 常 識(prasiddha)と. ヨーガ行 者 の 知. 2‑1.世. 間 一 般 の 人kの. 2‑2.ヨ. ーガ行 者 の修道 論 上 の実 世俗. 皿.三. 種 の 厂中 」 一. 1.唯. 識派の. 常 識 と して の 実世 俗. 三種 の勝 義 観. 「中 」. 2.Bhavavivekaの. 「中 」. 3.iSantaraksita,Kamalas31aの N.異. 「中 」. 種 の唯 心解 釈. 1.6ubhagupta:の 2.Shavavivekaの 3.Candrakirtiの. 唯 心 解 釈(1) 唯 心 解 釈(1) 唯 心 解 釈(1). 4.Bhavaviveka,Subhagupta,Candrakirtiの V.Kamalaァilaの 結. 拙 稿. 唯 心 解 釈(2). 総括. 論. V【.資 料Mal解. 略. σch.XXIII.巳. ヨ ー ガ 行 者(yogin). 読一. 号 〔1〕:Kamalasilaの. 唯 識 思 想 と修 道 論 一. 唯 識 説 の 観 察 と超 越. (佛 教 大 学 人 文 学 論 集 第19号,1985.Dec・)pp.43‑77. ‑47一.

(2) 佛 歡 大 學 研 究 紀 要 通 卷75號 拙稿. 〔2〕:後. 期 中 観 派 の 学 系 と ダ ル マ キ ー ル テ ィ の 因 果 論Catuskot・ yutpadapratisedhahetu(佛. 教 大 学 研 究 紀 要 通 巻 第73号,. 1989.Mar.)pp.1‑47. 〔3〕:後. 期 中 観 派 と ダ ル マ キ ー ル テ ィ(2)「. 空 」 を 巡 る 論 争:. LaksanasunyataとSvabhavanupalabdhi(同. 上,第74. 号,1990.Mar.)pp.27‑64. 〔4〕:後. 期 中 観 派 と ダ ル マ キ ー ル テ ィ(3)無 (anumana)(佛. 自 性 論 証. と推 理. 教 大 学 人 文 学 論 集 第24号,1990・Dec・). pp.7‑33. 〔5〕:後. 期 中 観 派 の"勝 稀 記 念 論 集. 〔6〕:カ. 義"の. 解 釈 と プ ラ マ ー ナ 論(久. 下 陞教 授 古. ・仏 法 と 教 育 の 森). マ ラ シ ー ラ の 無 自 性 論 証 と ダ ル マ キ ー ル デ ィ の 因 果 論(佛 教 大 学 研 究 紀 要 通 巻 第71号,1987)PP.19‑73.. SDNS(1):カ. マ ラ シ ー ラ の5α7呶4加 研 究(1)(佛. 厂叨 α"ψ3抛6肋. 汐α3認4痂. の 和 訳. 教 大 学 大 学 院 研 究 紀 要 第9号,1981.Mar.)PP.. 60‑100. SDNSIV:AnAnnotatedTranslationofKamalasila'sSDNS(佛. 教. 大 学 研 究 紀 要 通 巻69号,1985)PP.36‑86. SDNS解. 説:KamalasilaのSDNS解. 説(佛. 教 文 化 研 究 第33号,1988). pp.1‑24.. AAPV:Haribhadra,AbhisamayalamkaralokaPrajnaparamita‑ vyakhya,ed.byU.Wogihara.1973. BhKI:Kamalasila,Bhavanakrama,1VlinorBuddhistTextI& II,ed.byG.Tucci,1978. BhKII:TheTibetanTextofTheSecondBhavanakrama,ed. byK.Goshima. BhKIII:ibid,chIII,Serie●rientaleRoma,Vol.XLIII.ed.byG. Tucci,1971. BSGT:BLOGSALGRUBMTHA'parK.MIMAKI.ZINBUN KAGAKUKENKYUSYO.UNIVERSITEDEKYO‑ To,19s2. D:thesDedgeedition,preserved"attheFacultyofLetters, UniversityofTokyo.. ,・. ノ.

(3) 後期中観派 の唯心説 と二諦説 ロ Ichigo:M.Ichigo,MADHYAMAKALAIVIKARA,1985. KP:TheKasyapaparivartaoftheRatnakuta,ed.by,BA‑ RONA.VONSTAEL‑HOLSTEIN,1977. LAS:Lankavatarasutra,ed.byB.Nanjo. MAK,MAV:≦antarak§ita,Madhyamakalamkara‑karika,‑vrtti,c£ Ichigo. Mal:Kamalasila,Madhyamakaloka(P.No.5284.Vol.101.Sa 143b2‑275a4,D.No.3887.DBUMA,Vol.12.Sa133b4‑ 244a7) MAP:Kamalasila,Madhyamakalamkarapanjika,cf.Ichigo. MAv:Candrakirti,砿. α4勿. α脚. 勉 抛 伽. α,publiee,parLouisde. laValleepoussin,BibliothecaBuddhica.IX.1977. MAnVBh:Vasubandhu,Madhyantavibhaga‑bhasya,ed.byG.M. Nagao. MAnVT:Sthiramati,Madhyantavibhaga‑tikes,ed.byS.Yamagu‑ chi. MHK,MHVT:Bhavaviveka,Madhyamaka‑hrdaya‑karika,‑vrttitarka‑ jvala,D.No.3856.DBUMA,Vol.3. P:thePekinedition. Prase:Candrakirti,Prasannapada,ed.byLouisdelaVallee Poussin. SDK,SDV:Jnanagarbha,Satyadvayavibhanga‑karika,‑vrttiD.No. 3881,3882. SDP:Santaraksita,Satyadvayavibhangapanjika,D.No.3883.. ノ. TS,TSP:TattvasangrahaofSantaraksita,panjikaofKamalasila, ed.byS.D.Shastri. 戸 崎(上),(下):戸. 崎 宏 正r仏. 教 認 識 論 の 研 究 』 上 巻(1979),下. 巻(1985). 序. 中 観 派 の 中 で も,唯. 心 説 の 取 り扱 か い を 巡 っ て 相 違 の あ る こ と が 知 ら れ て い ノ. る 。 そ の 代 表 的 な 例 は,BhavavivekaとSantaraksitaの 「唯 心 」 を 外 界 否 定 を 意 味 す る と は 解 釈 せ ず,異 一49一. 見解 で あ る。前 者 は 教 徒(tirthika)の. 想 定 す る.

(4) 佛歡大學研究紀要通卷75號 行 為 者(karts)と し,後. 享 受 者(bhoktr)を. 者Santaraksita及. (bhavana)の. 否 定 す る 為 で あ る とす8。. びKamalasilaは,ヨ. 実 践 を 通P,無. 戯 論,法. そ れY'対. ニ ガ 行 者(yogin)が,修. 界,一. 習. 切 法 無 自性 の 直 観 に 至 る 直 前 の 段. 階 の 「信 解 行 地 」,「順 決 択 分 」 の う ち,忍 位. 唯 心(cittamatra),世. 第一法位. 所 取 ・能 取 の 形 象 を 離 れ た 無 二知(grahyagrahakakararahitamadvaya血 00. jnanam)と. の 位 置 付 け を 与},唯. 識 派 の 「入 無 相 方 便 相 」 に 相 当 す る 段 階 に. 「唯 心 」 へ の 悟 入 の 達 成 が あ り得 る とす る 。・端 的 に 言 え ぽ,前 人k(10ka)の. 常 識(prasiddha)に. 適 う視 点 か ら の. し,後 者 は,ヨ ー ガ 行 者 が 聞,思,修 を 断 っ プ ロセ ス の 視 点 か ら,換. tmya)の. 者 は,世. 間の. 「唯 心 」 解 釈 で あ る に 対. の 実 践 を 通 じ,虚 偽 な も の(alika)へ. 言 す れ ば,人. ゐ執 着. 法 二 無 我(pudgaladharmanaira‑. 悟 入 へ の 必 然 的 契 機 と して の 視点 か らの 「唯 心 」 解 釈 を示 して い る。. す な わ ち,後 者 は唯 識 派 の修 道 論 と哲 学 の体系 に基 本 的 に沿 った 「唯 心」 理 解 を 示 す に 対 し,前. 者 は,唯. Candrakirtiは,前. 識 派 とは 全 く異 った 「唯 心 」 解 釈 を 示 ず 。 な お,. 者Bhavavivekaの. 「唯 心 」 解 釈 に 近 い 。 と こ ろ で 問 題. ノ は,Santaraksita,Kamalasilaの. 以 上 の 「唯 心 」 解 釈 は,世. 位 置 付 け られ る 点 で あ る 。 こ の 場 合 の 「世 俗 」 と は,無 (prasiddha)と e外. 論,世. 察(vicara)を. 加iC.,唯. と 観 察 し,克. 服 し,さ. ー ガ 行 者 は,よ. ら に 無 戯 論,法. 味 考. 二 知(advayajnana)さxも 界,無. 自性 の. 理. 無意 味 とな るか ら. り勝 れ た 見 地 か ら(paramarthatas)吟. 心(cittamatra),無. 「道 」 を 向 上 し て 行 く 。. ①:〉. 常識. し て の 「世 俗 」で は な い 。な ぜ な ら,彼 等 の 体 系 に よれ ば 〈唯 心. で あ る 。そ の 場 合,ヨ. 「世 俗 」. 「勝 義 」(paramartha)へ. こ こ で のparamarthatasは,「. 道 」 と し て の,「. の 勝 義. 本 稿(129). 拙 稿KamalasYsilaとHaribhadra〔2〕‑Haribhadraの maI‑(仏 教 論 叢 第33号1989年)p.9.. ③Cf.早 ④. 間 の 人kの. 界 の 対 象 の 無 〉 と世 間 の 人 々 が 知 り得 る な ら,最 初 か ら 真 理(tattva)は. 解 さ れ る こ と に な り,ヨ ー ガ 行 者 の 修 道 論,「 道 」(marga)は. ②. 俗(samvrti)と. 島 理r唯. 識 の 実 践 』(講 座 ・大 乗 仏 教8唯. 引 用 す るBhaanakra‑ 識 思 想)p.150£. 見 道 初 地 の 段 階 で 人 法 二 無 我 の 直 観 が あ り得 る 。 本 稿(302b)拙 〔5〕(10c)C£. 前 掲(2). ⑤. ⇒. 本 稿(130)(129). ⑥. ⇒. 本 稿(66)(91e) ‑50一. 稿. 〔1〕p.71,拙. 稿.

(5) 後 期 中観 派 の唯心 説 と二 諦 説 に 相応 しい 」 勝 義 一 法 界,無. 勝 れ た 智 慧 の 見 地 と し て の も の で あ る に 対 し,無. 自 性 と し て のparamarthaは,真. 実(tattva)を. 戯 論,. 本 質 とす る 勝 義 で あ. 0. る 。 この 点 を 「勝 義 」 の 解釈)'Y関 して考 慮 し な くて は な らな い。 そ して世 間 の 人kの 常 識(prasiddha)と. して の 「世 俗 」 とヨ ー ガ行 者 が 修道 論 上,「 唯 心 」. 「無 二 知 」 を も 「世 俗 」と判 定 し,克 服 を 図 る段 階 で の 「世 俗 」とは レ ヴ ェルが 相 違 す る こ とに注 意 を 要 す る。 そ の相 違 は,凡 夫 の直 接 知 覚 と ヨー ガ行 者 の直 接 知 覚 の 直 観 内容 の相 違 として 現 わ れ る 。こ の二 点 が,後 期 中観 派 の 「唯心 」解 釈 を 理 解 す る鍵 と思 わ れ る。 本 稿 は この点 を唯 識 派 の 「唯 心 勝義 説 」 と後 期 中 観 派 の 「唯 心 世 俗 説 」 との 論 争 の分 析 を通 じ,解 明 し よ うとす る もの で あ る。. 1.後. 1.唯. 期中観 派の唯 心解釈 と修道論. 心 解 釈 を 巡 る論 議. こ こで は,Madhyamakaloka(Mal)前. ・後 主 張 の 内 容 の 吟 味 を 通 じ中観. 派 と唯 識 派 との争 点 を 明確 に し,後 期 中 観 派 の 思 想 を把 握 し よ う とす る。 まず 前 ・後 主 張 の 内容 を 端 的 に ま とめ て お こ う。 く つ. 〔Ob‑1〕 は,唯 識 派 が,根 本 典 籍 とす るr楞 伽 経 』r十 地 経 』r解 深 密 経 』r密 厳 経 』 を 典 拠 と して 〈唯 心 は 勝 義 〉 で あ る との 見解 を提 示 し,中 観 派 の 〈一切 法 無 自性 〉 の不 成 立 を 指 摘 す る もの で あ る。 く の. 〔Ob‑2〕 は,r宝. 積 経 』 の 中 道 の 説 を 根 拠 に 識(vijnana)が,常. ・断,有. の 両 極 端 を 離 れ た,説. き示 され る こ との な い(anidarsana),確. の な い(apratistha)等. の 特 性 を 具 え た 勝 義 と し て の 実 在 で あ る,と. 中観派の. ・無. 定 され る こ と 提 言 し,. 〈一 切 法 無 自 性 〉 を 極 端 な 見 解 とす る も の で あ る 。 くの. こ れ に 対 し,中 ⑦. 観 派 は,後. 主張. 〔An‑1〕 〜 〔An‑3〕. 拙稿 〔5〕(3e)《39),図A,B.. (1)⇒ (2)⇒. 本 稿(201) 本 稿(202). (3)⇒. 本 稿(301)〜(303) ‑51一. で そ の反 論 に 答論 す るの.

(6) 佛歡大學研究紀要通卷75號 で あ るが,そ の 答 論 の 仕 方 に特 徴 的 な もの が 見 出 され る。 全 体 と して の答 論 の 仕 方 は,唯 識 派 の 〈唯 心 勝 義説 〉 に 対 し,〈 唯心 世 俗 説 〉 を 展 開 す る。 そ の 答 論 と して の 〈唯 心 世 俗 説〉 に は,後 期 中観 派 の立 場 か らな (4)(5)(6). さ れ た も の と,他. の 諸 論 師,中. 観 派 のBhavaviveka,Candrakirtiさ. ら に は,. s<9). 中観 派 外 のSubhaguptaの. 見解 等 を 活 用 し唯 識 批 判 を提 示 す る こ とで,〈 唯 心. 勝 義説 〉 を 崩 し,〈 唯 心 世 俗説 〉 へ と導 くもの とが あ る。 ゆ. く の. また. 〔Ob‑2〕 に 対 し て は,〔An‑2〕 でr宝 積 経 』 の 中 道 に 関 す る 説 を 法 界 く ユ の (dharmadhatu)と し て 解 釈 し,後 期 中 観 派 の 「中 」(dbuma,madhyama) く ぬ. の 解釈 こそが そ の意 義 に適 って い る こ とを 示 して い る。 そ の 「中 」 の解 釈 に, (12)(13). 三 種 を 列挙 し,第 三 の後 期 中観 派 の 「中」 こそ が,第 一 の唯 識 派 の もの,第 二 (14). のBhavavivekaあ. る い はCandrakirtiの. も の と考 え られ る も の に 勝 れ,本. 来. の も の で あ る と導 い て い る 。 C15)s. こ の 〔An‑1〕 〜 〔An‑3〕 Bhavavivekaの. の 全 体 と し て の 構 造 は,Santaraksitaが,自. 「世 俗 」 の 解 釈 一. 唯 心 説 に対 す る解 釈. 論 上 の 観 点 か ら,《 異 教 徒 の 自 我(Atman)の. 説 と. を 列 挙 し,修. 道. 見解 の克 服 → 無 形 象 知 識 論 に よ. (16)(17). る外 界 の対 象 の 吟 味克 服→ 有形 象知 識 論 に よ る外 界 の対 象 の 吟 味克 服 → 推 理 に くユの. よる外 界 の対 象 の 吟 味克 服 → 唯 心 説 に よる外 界 の対 象 の吟 味克 服 → 唯 心 説 の 無. く ゆ. 自 性 の 観 察 → 一 切 法 無 自 性 へ の 悟 入 》 を 示 す 一 連 のMAVadMAK91‑92 (4)⇒. 本 稿(301)〔An‑1〕. (5)⇒. 本 稿(303c)一(303e)〔An‑3‑2〕. (6)⇒. 本 稿(303f),(303j)〔An‑3‑3〕. (7)⇒. 本 稿(303a)一(303b),(303i)〔An‑3‑1〕. (8)⇒. 本 稿(202). (9):〉. 本 稿(302). (10)⇒. 本 稿(302b)(302c). (11):〉. 本 稿(302h). (12)⇒. 本 稿(302d)(302f)(302h). (13):〉. 本 稿(302h). (14)⇒. 本 稿(302f),そ. (15)⇒. 本 稿(301)〜(303). 〔An‑3‑5〕 〔An‑3‑4〕. の 根 拠 は(302g). (16)TS(2050)⇒. 本 稿(52)(53a). (17)TS(2050)⇒. 本 稿(52)(53c). (18)TS(2050)⇒. 本 稿(52a). (19)MAVadMAK91‑92pp.29014‑29415 因 果 関 係 を 主 張 命 題(pratijna)と. す る こ とで,あ 一52一. らゆ る悪 しき 議 論 を 答破 しよ うと.

(7) 後 期 中観 派 の唯 心 説 と二 諦 説 に等 し い。. す る者 に と って,世 俗(samvrti)と な らな し・(vicarayet)。. い う事 柄 は,何. か とい うこ とを 吟 味 しな くては. 〔 世 俗 とは 〕 心 と心所 を本 体 とす るに 過 ぎな い も のな の か,あ るいは,外 界 を も本 体 と す る ので あ るか 。 そ の うち,あ る者(Bhavya)は 後者 に基 づ い て, 論 書 に 唯 心 と説 か れ るのは,行 為 者 と享 受者 を否 定 す る為 で あ る(MH.5.28cd) と述 べ る よ うに。 〔 以上 と〕 別 な考 え は, 因果 〔 関 係〕 にあ る もの も,知 に他 な らず,自 る。 〔MAK91〕. ら成 立 す る ものは,知. と して確 定 され. 〔1〕 自 ら成 立 す る本性(全 く眼 に 見 え ない もの,atyantaparoksa)① と別 な知 の本 性 は 構 想 され た もので は な い 。 自 ら成 立 す る 自性 を有 す る もの 〔 常 住 な知 〕 も,夢 や 幻 等 の 色(rupa)の よ うな 〔 無 常 な もの 〕 で あ る。 〔Atmanの 無 存在 〕 〔H〕 色 等 が 外界 に存 在 す る と主 張す る者 〔 外 界 実 在 論者 〕達 が,知. とは 別 に 〔色等 が 〕. 実 在 す る と思 い巡 らす と して も,眼 等 の よ うに は,同 時 と異時 に,極 め て近 い(prat‑ yasatti)② 原 因が 無 い故,知 覚 され る こ とは ない 〔 無 形象 知 識 論 の克 服〕。 した が って, (宗)そ. れ(色)等. の知 覚 とは,〔 知 と〕 別 で な い青 等 の 形 象 を知覚 す る こ とで あ る。. (因)知 覚 を 本 性 とす る もの であ る故 に。 (喩)夢 や 幻 等 の知 覚 の よ うに。 〔 有形 象 知 識 論 〕 〔皿〕 仮 に,知 の形 象 を生 起 させ る別 の 対象(artha)が 結 果(知)と は 別V'存 在 す る と 推 理 す る な ら,そ うで あ って も,直 接 知 覚(pratyaksa)と して 成 立 して い る ので は な く,推 理(anumana)に. 過 ぎない 。 そ うで あれ ぽ,こ れ(知. と別 な 対 象)は 無 で あ. る と証 明 され る。 〔 外 界 の 無存 在 〕 〔N〕 等 無 間 縁 は,確 か に 存 在す る し,原 子(anu)等 は,否 定 され るか らで あ る。 し た が って,『 密厳 経』 やr解 深 密経 』 等 に 示 され るあ らゆ る と事柄 〔 我kの 見解 と は 〕 等 しい 。 〈唯識 派(Vijnanavadin)がr解 深 密 経 』 に 説か れ る こ と と 関 係付 け る こ とを 実 世 俗 と して述 べ るか ら矛盾 は ない 〉③r楞 伽 経』 に,「 外 界 に色 は 存 在 しな い。 自己 の心 が,外 界 と して顕 現 す る」 と説 かれ る。 これ も,巧 み に説 か れ て い る と 考 え る。 〔 唯 心世 俗 説 〕 〔V〕 知(buddhi)の 力が 劣 っ てい な い 〈諸 仏,世 尊 〉 と大 いに 精進 す る 〈諸 の 凡夫 と 諸 の菩 薩 〉 も,そ の心 に関 して,一 ・多 の 自性 とい う点 で 考 えれ ば,勝 義 と して,本 質 を見 な い故,実 な る もの と主 張 しな い。 そ れ 故,唯 心 に 依 存 して,外 界 の 事 物 は存 在 しな い と知 らな くて は な らな い。 この理 論 〈一 切法 無 自性 〉 に依 存 して,そ れ 〈唯 心 〉 に 関 して も,無 我 であ る と知 らな くては な らな い 〔MAK92〕. 〔 唯 心 説 の 克 服→. 無 自性 へ の悟 入〕 唯 心 とい う理 論 に 依 存 して,相 応 した もの(心 所)を 有 す る心 の外 に あ る と主 張 され る我(atman)と. 我所(atmiya)〔1〕,そ. して所 取 と能 取 〔皿,m. 等 は無 自性 で あ る と,難 な く知 られ る。 この理 論(唯 心)〔 】V〕とい うも のは,自 立 的 存在 者(svaya血bhの は存 在 しな い故,そ の 心 は無 自性 と知 ら れ る 〔V〕 け れ ど も,あ らゆ る極 端 を 断 じた,こ の 中道 が 知 られ るな ら,一 ・多 の 自性 を欠 く点 で 無 自 性 で あ る と熟 知 され る ので あ る。 〔以下,本 稿(302h‑2)と 引用 が 続 く〕 ①MalD219b6fで はisvara等 以上 のMAVedMAK91‑92は,一. 同 じr出 世 間 品』 か らの. を 指す 。 ②PVIII(324d)(325)③ ⇒ 本 稿(36) 連 の も ので あ り,修 習 の次 第 の 前 半 と後 半 一53一.

(8) 佛教 大 學 研 究紀 要 通 卷75號 しか し 〈唯 心 世 俗 説 〉 故,中. 唯識 批 判. 観 思 想 の 理 解 に は,い. の 方 法 と して,Mal前 Kamalasilaの. を 巡 る 問 題 は,二. ま な お,検. 諦 説 の問 題 で あ る. 討 され 明確 に され る必 要 が あ る。 そ. ・後 主 張 を 克 明 に 分 析 す る こ と が 必 要 で あ り,ま. み な ら ずJnanagarbha,きantarak§itaの. た,. 見 解 を理 解 す る為 に も. そ の 問 題 の 検 討 は 重 要 で あ る と考 え られ る 。. 〔An‑1〕. の分 析 ゆラ. この. 〔An‑1〕 特 に. 〔An‑1‑A〕. に 端 的V'示. され る. 〈唯 心 世 俗 説 〉 と. 〔An一. く ゆ 3‑1〕〜 〔An‑3‑5〕 の も の は,「. で 示 さ れ る 〈唯 心 世 俗 説 〉 と の 根 本 的 相 違 は,〔An‑1‑A〕. 唯 心 は 世 俗 と し て 立 脚 さ れ る も の(gnaspa,pratistha,sthana) くの. と す る に 対 し,外. 界 の 対 象 は,世. 〔An‑3‑1〕 〜 〔An‑3‑5〕. は. 俗 と し て も立 脚 さ れ な い 」 と す る に 対 し,. 「世 俗 と し て,世. 間 の 常 識(prasiddha)と. して,識 くの. (vijnana)も,外. 界 の 対 象(bahyartha)も. る 。 こ の 相 違 点 の 理 解 が,後. 立 脚 さ れ る も の(gnaspa)」. とす. 期 中 観 派 の 二 諦 説 と修 道 論 を 知 る 上 で 極 め て 重 要. で あ る。 そ こで 蝋. 〔An‑・(24)‑A)の 見 鰯,確. 見 解 と 言 い 得 る の か,を. 検 討 す る に,ま. か にSant。,aksita,K。m。1。s,1。. ず検 証 しな くて は な らない 事 柄 は 次 の. も の で あ る 。 §antarak§ita,Kamalasilaが 上 の 事 柄 つ ま り,ヨ り,聞,思,修. の. ー ガ 行 者(yogin)の. 「唯 心 説 」 に 言 及 す る の は,修 修 習(bhavana)の. 道論. 実践 と してであ. を 実践 して い る の で は な い世 間 一 一般 の 人k(10ka)の. 知 や,世. 間. く あラ. 的 日常 的 常 識(prasiddha))'Y関 界 の 対 象(bahyartha)の na)の. し て 言 及 す る場 合 で は な い と い う こ と,ま. 吟 味 考 察 も,直. プ ラ マ ー ラ(pramana)に. 接 知 覚(pratyaksa)と. よ っ て,つ. を表 わ してい る。 これ は,KamalasilaのBhkで. た外. 推 理(anuma‑. ま り世 間 一 般 人 の 日常 的 な 直 接 は,四. 善 根位 の 煖(人. 無 我),頂. (法 無 我),忍(唯 心 へ の悟 入)世 第一 法位(無 二知 へ の 悟 入),さ らに 見道 初地(一 切 法 無 自性 の 直 観)へ と修 道 論 の 階梯 が 明示 され る。Cf.拙 稿 〔1〕 (20):〉 (21):〉. 本 稿(301e) 本 稿(303). (22)⇒ (23):〉 (24)⇒. 本稿(301e) 本稿(303)特 本 稿(301e). (25):〉. 本稿(40)(41)(80). に 〔An‑3‑1〕,〔An‑3‑2〕. ‑54一.

(9) 後 期 中 観派 の唯 心 説 と二 諦 説 くの. 知 覚 や 推 理 では な く,論 書 の プ ラマ ー ナ論 の 聞 ・思 ・修 を経 た 者 に よって な さ れ るの で あ(27)oこ の 点 が,ま ず §antarak爭i偽Kamalasilaの. 〈世 俗 唯 心 説 〉. を 理 解 す る上 で 了 解 され て お か な け れ ば な らな い。 彼 らは,唯 心説 を 勝 義 に 悟 入 す る直 前 の極 め て高 度 な段 階 に 位 置 付 け る の で あ る。 しか しそ れ は,無 論 世 間 一 般 人 の 常 識(prasiddha)の. 世 界 で は な く,か と言 っ て勝 義 で は な い。 勝 義. に 悟 入 す る直 前 の 四善 根 位 の うち の 「忍 位 」 「世 第 一 法 位 」,す なわ ち唯 識 派 の く ゆ 〈入 無 相 方 便 相 〉(asallaksananupravesopayalaksana)に. な 「世 俗 」 と して 位置 付 け られ 翳. 僻. 相 当 す る,最. に とって は,世 間 搬. も高 度. 人 の常 識(pra一. く ヨの. siddha)と. し て 整 合 性(avisaxnvadaka)を. 第一法位」. 〈入 無 相 方 便 相 〉 ま で が. 有 す る 事 柄 か ら,ヨ 「世 俗 」 で あ り,そ. ー ガ 行 者 の 「世. れ は,聞,思,修. の向. く ヨつ. 上 的 段 階 を も 含 ん で い る 。 そ れ に 対 し 「勝 義 」 は 見 道 初 地 以 上 の 聖 者 の 修 道 (bhavanamarga),及 さて. 〔An‑1〕. び 仏 の 境 界 とい う こ とに な る。 が,修. 道 論 上 の 観 点 か ら の 答 論 で あ る こ と は,〔An‑1‑A〕. 直. (32)(33). 前 のr楞. 伽 経 』 の 典 拠 がBhavanakrama〔BhK〕. で,Kamalasilaの. 展 開 す る 根 拠 で あ る こ と か ら も 明 ら か で あ ろ う し,段. 修道論を. 階的 な吟 味 克 服 とい う. 〔An‑・ 〕 の 図 式 か ら も 知 ら れ よ(34)」o敵 知 こ示 した よ うに,Sant・. ・ak§it・の. ヨの. 修 道 論MAVadMAK91‑92に 2.Karnalasilaの Kamalasilaの. 等 し い 点 か ら も 知 られ る ・ 唯 心説 と ヨ ーガ 行 者 の 修 道 論 上 の 世 俗. く唯 心 世 俗 説 〉 の 典 拠 を 他 に 求 め て み よ う。. Kamalasilaは,MAPで,§antarak§itaが. 修 道 論 上 の 観 点 か らの 唯 心説 の. ヨの. 展 開 を 示 すMAVadMAK91を. (26):〉 (27)⇒. 解 釈 す る に,次. の よ うに 述 べ て い る。. 本 稿(77a)(93)(97)(98)(99)(100)(101) 本 稿fn(58). (28)長. 尾 雅 人r中. (29)勝. 義 へ の 悟 入 は 見 道 初 地 と 考 え られ る 。 ⇒. 観 と 唯 識 』P.78,89,216,258,MAnVBh1.6,⇒. (30)⇒. 本 稿(93)(97)(98)(99). (31):〉. 拙稿. (32):〉. 本 稿(301d). (33)⇒. 本 稿(39)(40). 〔5〕,(10)(11)Cf.本. (34)⇒. 本 稿(301)esp.(301a)〜(301d). (35)⇒. 本 稿(19). 稿(75). ‑55一. 拙稿. ・本 稿,序 〔5〕 の 〔2.1〕. ②.

(10) 佛 教 大 學研 究 紀要 通 卷75號 唯 識 派(Vijnanavadin)がr解. 深 密 経 』 に説 かれ る こ と と関 係付 け る こ と. を,実. して. 世 俗(tathyasamvrti)と ロ. 〔我k中. 観 派 も〕 述 べ る か ら 〔我kの. 側. くヨの. に 聖 教(Agama)と. の〕 矛 盾 は な い 。. ノ. そ し てSantaraksitaがMAVadMAK93で,Nagarjunaのr六. 十 頌 如. く ヨ の 理 論 』 で の 知(jnana)に. 関 す る 言 及 を 釈 し てKamalasilaはMAPで く ヨむ. 唯 心(cittamatra)は,世. 俗(samvrti)と. して述 べ られ る。. と 〈唯 心 世 俗 説 〉 を 明 示 し て い る 。 次 に 「唯 心 」 で あ る と の 吟 味 考 察 及 び 「外 界 の 対 象 」 の 否 定 は 修 道 論 上,ヨ ー ガ 行 者(yogin)の. 考 察 の対 象 で あ る点 を 示 そ う. 。. Kamalasilaは,BhKIで,止(samatha),観(vipasyana)の 法 を 示 し,さ. ら にr瘍. 修 習 の実 践. 伽 経 』 の 智 慧 の 修 習 の 階 梯((39)prajnabhavanakrama)を. 挙 げ て い る 。 そ の 解 釈 の 中 で,ヨ. ー ガ 行 者 の 唯 心(cittamatra)の. 観 察 と超 越. に関 して く るひ コヒ. ま ず 第 一 に,ヨ hyartha)と. の に 関 し て,吟 も の は,知 度,夢. ー が 行 者(yogin)は,他. の 人 々 に よ っ て,外. して 構 想 さ れ て い る(parikalpita)物 味 し な くて は な ら な い(vicarayet)。. 識(vijnana)と. 別 で あ る の か,あ. 界 の 対 象(ba‑. 質 的 な(rupin)諸 こ れ 等 の(物. の も 質 的 な). の 知 識 こ そ が,丁 ゆの の 中 で の よ う に そ の よ う に 顕 現 し て い る の で あ る の か,〔 と ま ず 吟 味. し な け れ ば な ら な い 。〕 そ の うち,知. る い は,そ. の 外 に と い う な ら,原. 吟 味 し な く て は な ら な い(vicarayet)。 察 し て い る ヨ ー ガ 行 者(yogin)は,そ. 子 と い う点 か ら,. ま た 諸 の 原 子 を 部 分 と い う点 か ら 観 の 諸 の 対 象 を 見 な い 。 そ の(諸. の対 象. (36)MAPp.29310‑13 SDNSでKamalasilaは. 次 の 見解 を 示 し て い る。 「世尊 は,r解 深 密 経 』 等 に,識 (vijnana)等 は,有 で あ る と説 かれ て い る,そ の こ とも勝 義 と してで は な い と理 解 す べ きで あ る。 ⇒ 亊 出稿 〔1〕pp.46f(6). (37)『 六十 頌 如 理 論 』K°21,34,MAVp.302① p.185 (38)MAPp.3031 (39)BhKI〔210〕7f (40)BhKI〔210〕is〜 (40a)Cf.本. 〔211〕i,Cf.SDV12b2f⇒. 稿(51a)(304) ‑56一. ② 一 郷 正 道r中 観 荘 厳論 の 研 究』. 本稿(70).

(11) 後 期 中観 派 の唯 心 説 と二 諦 説 を)見. な い ヨ ー ガ行 者 に と っ て は,次. 唯 心(cittamatra)で. あ っ て,し. の よ うな. 〔考 え が 〕 起 こ る 。 全 て は,. か も,外 界 の 対 象 は 存 在 し な い(cittamatram ゆの. evaitatsarvamrlapunarbahyo'rthovidyate)。. ていた。. 「唯 心 に 到 達 して,外. そ れ が 次 の よ うに 言 わ れ. ゆの. 界 の 対 象 を 構 想 し て は な ら な い 」(LAS,X‑. ヨの. 256ab) さ らに,KamalasilaはBhKIIで,上Y'示 習 の 次 第,人. した の と 同 様,ヨ. 無 我 → 法 無 我 → 唯 心 の 過 程 を 示 す 上 で,凡. ー ガ行 者 の 修. 夫 の 知 と ヨ ー ガ行 者 の. 知 とを 対 比 して示 して い る。 くレ. 無 始 以 来,誤. っ た 色 等 に 執 着(abhinivesa)す. て 見 ら れ る 色 等 が 顕 現 す る が 如 く に,諸 く心 が,色. 等を外に. る こ と に よ っ て,夢. の 凡 夫(Bala)に. 〔心 と は 〕 別 個 な も の の よ う に,顕. り勝 れ た 見 地 か らす れ ば(paramarthatas),こ (akara)と 彼(ヨ. は 別 に は,存. ー ガ 行 者)は,そ. る 」 と考 え て,彼(ヨ (dharma)は,心. の 中 に於. と っ て は,ま. さ し. わ す の で あ る が,よ. の 場 合,色. 等 は,心. の形象. 在 し な い と 吟 味 しな くて は な ら な い(vicarayet)。 の よ う に,「. ー ガ行 者)は,そ. こ の 三 界 は,唯 の よ うに,構. に 外 な ら な い と 確 定 し て,そ. の(心)を. 心(cittamatra)で. あ. 想 さ れ た あ らゆ る 法 観 察 し た 場 合 に は,. ゆり 一 切 法 の 自性 が 観 察 され る のだ か ら,心 の 自性 を 観 察す る の で あ る。. 以上 か ら して,「 唯心 」 の観 察,外 界 の 対 象 の否 定 は,ヨ ー ガ行 者 の 修 道 論 く むの. 上 の事 柄 で あ り,こ の 観 点 か ら,〈 唯 心 世 俗説 〉 は示 され て い る。 他 方,「 外 界 の対 象 」 を,心. とは独 立 した もの の如 くに 想 定す る の は凡 夫 であ る。 この 凡. 夫 の知 と修 道論 上,吟 味検 証 を 行 うヨ ー ガ行 者 の知 の レ ヴ ェル の相 違 を 峻 別す る こ とは,後 期 中観 派 の二 諦 説,特 に 〈世 俗 〉 を解 明す る点 で 重 要 で あ る。 と ころ で 「唯 心 」と 「外 界 の対 象」 との 〈世 俗〉 と して の成 立 基 盤 を 問 うて い くの た のが. 〔An‑1‑A〕. adMAK80〔. で あ る が,そ. れ と 同 内 容 の 論 述 が,KamalasilaのMAP. 外 界 の 事 物 の否 定〕 に見 出 され る。. (40b)BhKI(21022f (40c)本. 稿(301d),MAVp.296エ5f. (41)BhKIIp,ggs‑is‑BhKIIInote(46)(47),Cf.本 (41a):〉 (42)⇒. 稿(91a),fn(58). 本 稿(25) 本 稿(301e) ‑57一.

(12) 佛 教 大 學研 究 紀要 通 卷75號 ,その 〔MAK80c〕 事 物,す. 外 界 の 事 物 は,否. な わ ち,知(jnana)の. 否 定 さ れ る け れ ど も,そ の も の と し て,自. 把}ら. 本 体 は,勝. れ は,世. 義 の 観 点 か らは(paramarthatas). 俗 とい う点 で は(samvrtya)照. 明す る本 体. ら 〔外 界 の 事 物 に 依 存 す る こ と な く 自 己 認 識 と し て 〕 成 立. す る(grubpa)か の で あ る か ら,自. くヨの 定 し終 っ て い る か ら で あ る 。 内 的 な 諸. ら で あ る。 一 方,外. 界 の 〔事 物 〕 は,無. ら 成 立 こ と(grubpa)も. れ 得 な い か ら,他. 感 覚(jada)な. な い し,知(vijnana)に. に よ っ て も,成. 立 しな い。 そ れ 故. 常 に 成 立 し な い も の(magrubpariid)で. も. よっ て. 〔外 界 の 事 物 は 〕. あ る か ら 〔知 と〕 区 別(visesa). リ ヨラ. が あ る。 こ こで は,〈 知 は 世 俗 として 自 ら成 立 す るが,外 界 の事 物 は,知 世 俗 と して も,自. と区別 され,. と して も他 に よって も成 立 しな い→ 外 界 の事 物 と想 定 され て. い る もの も,知 の形 象 に過 ぎ な い〉 との 意 が表 明 され て い る故,〔An‑1‑A〕 !(43b). は,Santaraksita,Kamalasilaの. 見 解 で あ る と の 根 拠 が 得 ら れ よ う 。 し か し, ロの. 上 に 示 し た く唯 心 世 俗 説 〉 の く世 俗 〉 と は,無 点 か ら(paramarthatas)の. 戯 論 な 法 界 で あ る 〈勝 義 〉 の 観. ヨ ー ガ 行 者 の 修 道 論 上 の 〈世 俗 〉 で あ っ て,世. 間一. く あラ. 般 の 人 々 に と っ て の 常 識(prasiddha)と 聞,思,修 な い,牛. し て の く世 俗 〉 で は な い 。 な ぜ な ら,. の 実 践 の 畜 積)'Yよ り獲 得 さ れ る 直 観(pratyaksa)力 飼 い の 妻 に 至 る ま で の 世 間 一 般 の 人 々 が,唯. や推 理 力を 有 さ. 心 に 悟 入 し得 る な らそ も. く るの. ぞ も,修. 道 論 は 成 立 し な い わ け で あ る 。 ま た,世. (43)MAPp.2618‑14:>C£ (43a)TS(2050)⇒. 間一 般 の 人. の プ ラマ ー ナ と. 本 稿(22)(301e) 本 稿(52)(53). (43b)こ の 点 に 関 し て 注 目 さ れ る の は,Malの 注 釈(dbumasnanba'ibrjedtho)を 著 わ し たbsTandar(1835‑1915)の 解 説 で あ る 。 こ の 注 釈 書 の 存 在 を 筆 者 は,一 正 道 残 の チ ベ ッ ト学 会(1990年11月 Series.Vo1.291)6855‑6883で く世 俗 と し て は,識 比 され. と 同 様,外. 〔Cf.本 稿fn(19)〕. 界 の 対 象 も 存 在 す る 〉 〔Cf.本 稿(303a)〕 そ のiSantaraksitaの. して い る 。 ま たMAK91‑92を で のNagarjunaのr六. 十 頌 如 理 論 』(K°21,34)の. 本 稿(302b). 稿. 〔5〕(4),本. との 見解 が対. 〔An‑1‑A〕. 稿(91e) ‑58一. とを 同一 と. ら にMAVadMAK93. 引用 を そ の まま挙 げ. 〈唯 心 世 俗 説 〉 を 示 し て い る 。. (45):〉(23)(303) (46)Cf.拙. 見解 と問題 の. 一 連 の も の と し て 扱 い,さ. (37)(38)〕,Santaraksita,Kamalasilaの (44):〉. 郷. 仏 教 大)で の 発 表 で 知 り得 た 。 そ の 書(Satapitaka は,Santaraksitaの 〈唯 心 説 〉 とBhavavivekaの. 〔⇒. 本稿.

(13) 後期中観派 の唯心説 と二諦説 修 習 を 重 ね,論 書 の プ ラ マ ーナ 論 に熟 知 した ヨー ガ行 者 のそ れ とは,質 的 な相 ゆラ. 違 が あ る 。 した が っ て 〈世 俗 〉 に も,〈 ヨ ー ガ 行 者 の 修 道 論 上 の 世 俗 〉 と 〈世 間 一 般 の 人kの. 常 識 として の 世 俗〉 との二 重 構 造 が 予 測 され る. 述 す る が,こ. こ で は,「 外 界 の 対 象 」 を 常 識(prasiddha)と. 吟 味 考 察 す る 見 地 と が 対 比 さ れ るKamalasilaの. 。 この点 は後 に詳 位置付 ける ことと. 見 解 を 挙 げ,前. 述 した 事 柄 の. 根 拠 の 一 つ と し よ う。KamalasilaはSDNSで, ロひ コ. 色(rupa)等. も,外. れ ど も,吟. 界 の 対 象(bahyartha)と. 味 し た な ら ば,プ. し て 常 識(prasiddha)で. あ るけ. ラ マ ー ナ に よ っ て 拒 斥 さ れ 得 る 。 そ の よ うに,. こ こ で も 常 識 と い う も の が,虚. 偽 な(a13ka)自. 性 を も つ こ とが あ り 得 る か. サ ロコゆ. ら,吟. 味 す る こ とは妥 当 な の であ る。. こ の 常 識(prasiddha)を ロきの6 4で 示 し て い る が,ま あ ら ゆ る 世 間 の 人kに. 「世 俗 」 で あ る とKamalasilaはMAPadMAK たMalで. も,. と っ て,常 識 で あ る あ ら ゆ る 事 柄(artha)が,ま. さし. ほ の. く世 俗 で あ る と認 め られ る。 した が っ て,《 世 間一 般 の人kの 常識=外 界 の対 象 を 実在 視 す る知=世 俗》 とい う図 式 が考 え られ る。 他 方 《ヨ ー ガ行 者 の勝 義 の観 点 か ら(paramarthatas)の. 世 俗=唯 心 》 と考x. ノ. られ る 。 こ の 点 に 関 し て,さ 裏をなす. らに,Santaraksita,Kamalasilaは. 〈外 界 の 対 象 の 否 定 〉 を 凡 夫 で は な く賢 者 の プ ラ マ ー ナ と し て の 直 接. く ゆ 知 覚 と 推 理 に よ っ て 検 証 す る こ と をTSの. 3.外. 論 述 で 確 認 し て お こ う。. 界 の 対 象 の 吟 味Tattvasaritgrahach・XXIII. TSch.XXIIIは,表 あ る 。 そ こ で は,プ. (47)拙. 〈唯 心 〉 と表. 稿. 題 の 如 く,外. ラ マ ー ナ に よ る 外 界 実 在 論 の 論 破 に よ り唯 識 性(vijnapti・. 〔3〕pp.59‑64,r後. (48)SDNS(1)p.622‑s,Cf.本 (48a):〉. 界 の 対 象 の 吟 味(bahirarthapariksa)で. 期 中 観 派 の 二 諦 説 とpramana』(印. 度 学 仏 教 学 研 究39‑1). 稿(77c)(77d). 本 稿(101). (48b)Malp.256as,D230a3 (49)TSX2083) 表 象 の み(vijnaptimatrata)で も の(正. あ る とい う証 明 は,知. し い も の)と した 。我kは,そ. 恵 あ る 者(dhimat)達. が無 垢 な る. うい う方 法 で,勝 義 の 確 定 へ と進 ん で 来 た の で あ る 。 ‑59一.

(14) 佛教大學研究紀要通卷75號 ゆの matrata)が が,そ. ノ. 論 証 さ れ て い る 。 し か し 中 観 派 で あ るSantaraksita,Kamalasila. れ を な す 目 的 は,TSch.XXIIIの. 結 論 部 分 で 表 明 され る 通 り,勝. 義 の くの. 確 定(paramarthaviniscaya)一. 一 切 法 無 自性. Santaraksita,Kamalasilaが,そ. こ で 〈唯 心 〉 説 に 立 ち,さ. の 不 成 立 を 直 接 知 覚(pratyaksa)に Kamalasilaは,TSP冒. を 目指 し て の こ と で あ る 。 らに外 界 の対 象. よ っ て 検 証 し て い る 点 を 明 示 し よ う。. 頭 部 分 でTSch.XXIIIr外. 界 の 対 象 の 考 察」 の. 狙 い を 要 約 して い る 。 く ル コ ロ. 〔反 論 〕 こ の 縁 起(pratityasamutpada)と tmaka)と. す る の で あ る か,あ. セま,外 る い は,唯. 界 の 対 象 を 本 質(bahirartha‑. 心 を 本 質(cittamatrasarira)と. す. (51a). るの で あ る か。 〔1〕 〔答 論 〕. 〔そ れ は 〕 映 像 等 の よ うで あ る 。(TS4b). こ の こ と に よ っ て,〔 縁 起 と は 〕 ま さ し く唯 心 を 本 質(cittamatratmaka)と し て い る,と. い う こ と を 知 ら しめ て い る 。 とい うの は,次. る 。 な ぜ な ら,丁. 度,映. (gandharvanagara)等 に,こ. れ(縁. 像(pratibimba),旋 が,唯. 起)も,〔. 火 輪(alatacakra),蜃. の よう. 唯心 を本 質 として 〕 あ るの で あ る。 世尊 に よ って 次 夫 達 が,構. 対 象 は 存 在 し な い 。 習 気 に よ っ て,か くユの る の で あ る 。 〔LAS,X.154cd,155ab〕. き 乱 さ れ た 心 が,対. の(縁. 気楼. 心 を 本 質 とす る も の で あ る よ う に,そ. の よ うに 言 わ れ て い る。 な ぜ な ら,凡. ま た,こ. の よ う に 述 べ られ. 起 は 唯 心 を 本 質 とす る)こ. とが,「. 想 し て い る よ う に,外. 界 の. 象 の如 くに顕 現 す. 外 界 の 対 象 の考 察」 で示. ロリサ らユラ. さ れ る こ とで あ る 。 ノ. この. 〈唯 心 〉 の 論 証 を 遂 行 す べ くSantaraksitaはTS(2050)で,直. 覚(pratyaksa)に. よって 外 界 の対 象 の不 成 立 を検 証 して い る。. (49a)Kamalasilaは,自 ribhirasmabhir)と. ら を 「我k唯 識 派 の 論 理 に 従 う者 」(vijnanavadanyayanusa‑ 呼 ん で い る。(TSPp.49121EedTS1355‑6). (50)TS(2083)⇒ る。. 本 稿(49),「. (51)TSPp.193‑8,渡 (51a)Cf.本 (51b)⇒. 接 知. 辺 照 宏r摂. 稿(304),拙. 稿. 勝 義 の確 定 」 とは 中観 派 に とって は 一 切 法無 自性で あ 真 実 論 序 章 の 研 究 』(東 洋 学 研 究2,1967)p.21. 〔4〕. 本 稿(201b)(201c) ・1.

(15) 後期中観派 の唯心説 と二 諦説. 咥3知 こ白等 の形象蒋 して,そ. 在 しない(無 形象知 の)場 合. れ(外 界 の 対 象)を 知覚 し よ うか 。2)知. その(知)が,ど. う. に 白等 の形 象 が 存 在 す る くお の. (有 形 象 知 の)場 の)ど. 合,外. 界 の 対 象(bahyo'rthah)は,(直. の 確 実 な 認 識 手 段(pramana)に. Kamalasilaは. そ のTSPで. 接 知 覚 か,推. ゆの. よ っ て 証 明 さ れ る の か 。 〔TS2050〕. 次 の よ うに 解 説 し て い る 。. 跡 界 の 対 象 が 実 在 す る な ら〕 直 接 知 覚(pratyaksa)に 理(anurnana)に. 理 か. よ っ て,外. よ っ て,あ. る い は推. 界 の 対 象 が 証 明(bahyarthasiddhi)さ. 他 の 確 実 な 認 識 手 段(pramana)が. あ る と し て も,そ. に 含 ま れ る か ら で あ る 。 そ の うち,ま. ず,直. の(二. れ よ う。. つ のpramana). 接 知 覚 に よって. 〔外 界 の 対 象 は. 証 明 さ れ は 〕 し な い 。 と い うの は,直 接 知 覚 を 意 味 す る1)無. 形 象(nirakara). 知 に よっ て. 直 接 知 覚 と して. 〔外 界 の 〕 対 象 を 把 握 す る の か,あ. の 〕 有 形 象(sakara)〔. 知 〕 に よって. る い は2)〔. 〔 把 握 す る 〕 の で あ る か 。 ま ず,. く おの. 〔2‑1〕無 形 象 〔の 直 接 知 覚 〕 に よ っ て は,〔 外 界 の 対 象 を 把 握 し 得 〕 な い 。 璽 て 近 く に あ る こ と(pratyasatti)と. い う 〔 知 覚 成 立 の 〕根 拠 が 無 い か らで あ る 。. 知 に 白 等 の 形 象 が 存 在 し な い 場 合,そ. の 知 が,ど. う し て,そ. 璽 対象を知覚 し. く お の. よ うか 。. 〔知 覚 し 得 〕 な い と,以. 前 に述 べ た。. く お の. 〔2‑2〕. も し,有. な ら,そ は,全. 形 象. の 場 合,知. 〔の 直 接 知 覚 〕V'よ. 外 界 の対 象 が 把 握 され るの 〕. に 属 す る 一 つ の 青 等 の 形 象 が 認 識 さ れ る 故,外. く 眼 に 見 え ず,直. 観 さ れ な い も の(parok§aeva)〔=推. あ ろ う 。 〔そ う で あ れ ぽ,外 な ぜ な ら,二. っ て,〔. つ の 青 は,決. 界 の 対 象. 理 の対 象 〕 で. 界 の対 象 の 成 立 は〕 直 接 知 覚 に よって で は な い 。 し て 知 られ は し な い 。. 知 の 映 像(jnanapratibimbaka)と. し て,他. 〔二 つ の 青 と は 〕 一 つ は,. は,そ. の(形. 象)を. 授 け る も の. 識 の 対 象 に 関 す る 考 察(下)』(佐. 賀龍 谷 学 会 紀. (52)TS(2050) (52a)TS(2052)一(2055),太. 田 心 海r認. 要 第17号,1970)P.33 (53)TSPp.70016‑23Cf.MAVadMAK91:〉 (53a)Cf.SDVadSDK13拙 fn(19)〔 皿〕 ①. 本 稿fn(19) 稿. 〔2〕p.10(35)1),PVIII(324d)(325)⇒. 本稿. (53b)TS(1998) anirbhasaxnsanirbhasamanyanirbhasamevaca/ vijanatinacajnanambahyamarthamkathancana// (53c)Cf.SDVadSDK13拙. 稿. 〔2〕P。10(35)2),⇒ ‑61一. 本 稿fn(19)〔. 皿〕.

(16) 佛教大學 研究紀要通卷75號 〔=外 界 の 対 象〕 と して の も ので あ る。 まず,直 接 知 覚 に よ って は,〔 外 界 の めむ の 対 象 は 〕 成 立 し な い 。(napratyaksatahsiddhih). 〔特 に̲ゐ. 部 分 と,dSant。,ak婁it。. のMAV'〔II〕. 髑. 。dMAK9・. のその. 部 分 と は 同 一 表 現 と い え よ う。〕 以 上 の,TSch.XXIIIの. 賢 者(dhlmat)の. プ ラ マ ー ナV'よ. る 「外 界 の 対 象 ゆの. の 吟 味 」 の うち 論 述 し く,ま. た論 述. 〔1〕の 典 拠r楞. 伽 経 』 め 引 用 はMal〔Ob‑T〕. の もの に 等. 〔2‑1〕 無 形 象 な 直 接 知 覚 に よ る 外 界 の 対 象 否 定,〔2‑2〕. 有形. くゆ. 象 な直 接 知覚 に よる外 界 の対 象否 定,後 続 の推 理 に よる外 界 の 対 象否 定 は,構 おの. 造 上 もMAVadMAK91に. ゆの. 等 し い 。 こ れ は,賢. 否 定 → 唯 心 の 論 証 も,ヨ. ー ガ 行 者(yogin)が. 者 の プ ラマ ーナ に よる 外界. 修 習(bhavana)の. 実 践 〈入 無 相. 方 便 相〉 と して の外 界 の対 象 の克 服→ 唯 心 の観 察→ 唯 心 の 克 服 と帰 を 一 に して お り,哲. 学 と 修 習 の 一 致 が 確 認 さ れ る 。 そ し て 〈外 界 の 対 象 の 否 定 〉 も,賢. の プ ラ マ ー ナ を し て な さ れ る こ と で あ り,世 る と こ ろ で は な い,こ. プ ラマ ー ナ の 関す. と も 知 られ よ う。. II・ 世 間 一 般 の 人 々(loka)と. 1.世. 間 一 般 の 人kの. 者. ヨ ー ガ 行 者(yogin). 間 一 般 の 人 々 の 常 識(prasiddha)と. 世 間 一 般 の 人kあ. る い は 凡 夫(bala)と. ヨ ーガ 行者 の知. ヨ ー ガ 行 者 と の 相 違 は,聞,思,修. くゐ. の 実 践 の 畜 積 の 有 無 に あ る 。 世 間 一 般 の 人kは,世 (53‑1)⇒Cf.本. 間 で よ く 知 ら れ た 事 柄,常. 稿(19). (54),(51b)̲(201b),(201c) (55),(53a)(53c)(52a) (56)⇒. 本 稿(53a)(53c),fn(19). (57)TS(2083)賢. 者,知. 恵 あ る も の(dhimat)⇒. 本 稿(49). (58)Santaraksitaは,SDP〔38b4‑39ai〕adSDK20‑21で, 〔反 論 〕 も し,そ う(不 生)な ら,ど う して 人k(jana)は,色(rupa)等 の,生,住,滅 に 依 存 し て い る と い う諸 の 世 間 的 習 慣(vyavahara)を. の 諸事物 設 け られ るの. で あ るか 。 〔答 論 〕 〈特 徴 を 把 え る こ と(nimittagraha)〉 習 気(vasana)② (tattva)を. ① に,無. 始 以 来 入 っ て い る,顛. か ら生 起 し た 事 物 に 執 着(abhinivesa)し. 考 察(pariksa)す. る こ とを 忘 れ て い る か ら,諸 一62一. て い る 故,事. 倒 した 物 の 真 実. の 無 知 な る者 が,凡. 夫.

(17) 後 期 中観 派 の 唯心 説 と二 諦説 識(prasiddha)に. 基 づ い て,整. 合 性 を 有 す る も の を,実. な る も の(tathya),'. く らの. そ う で な い も の を 邪(atathya)と. 判 定 す る 。 他 方,ヨ. よ り 獲 得 し た プ ラ マ ー ナ),r̀.よ り,吟 般 人Vrと. っ て の. 思 修 に. 察(pariksa)を. 厂実 な る も の 」 に 対 し て も,誤. (bala,prthagjana)な. 加 え,亠. 謬 性 を 見 出 し 克 服 し,〈. の で あ る 。 聞(sruta),思(cinta),修(bhavana)の. よ っ て 知(buddhi)を 示 され る。. 味(vicara)考. ー ガ 行 者 は,聞. 起 こ し て い な い 人k③. 〈無 な る も の 〉,つ. 次第に. の よ うに. 〔世 間 的 習 慣 が 〕. い る 色(rupa)等. の諸 の無 な る. あ る と 〔凡 夫 は 〕、 執 着(abhinivesa)す. るこ とに よ. ま り,生. も の に 対 して,実(samyak)で. に 対 して,そ. 勝 義 〉・. 起 等 を 具xて. っ て 世 間 的 習 慣 が 設 け られ る 。 顕 現 す る が ま ま ④を 本 性 とす る か ら(SDK21a)と. い うの は,吟. 味 しな けれ ぽ素 晴 し. い も の だ か らで あ る。 こ の 世 俗(samvrti)を,吟. 味(vicara)し. は な い。. 述 し た 吟 味(vicara),す. 〔SDK21b〕. こ の(世. 俗)に. 対 し て,前. 世 俗 で あ る 因 果 関 係(karyakaranabhava)は,有. ま た,同. に よ っ て 一 が 作 ら れ る の で あ る か,あ. 云k〔SDVadSDK14〕. 察す ること な わ ち,. 形 象 知(sakarajnana)に. ら れ る の で あ る が,云k〔SDVadSDK13〕 さ れ た 通 り,多. て,考. と い っ た こ と(吟. 様 に,こ. れ(世. よって知 俗)は,主. 張. る い は多 が作 られ るので あ るか. 味)は,〔. こ こ で の 〕 立 場 とす る と こ ろ. で は な い 。 依 り所 で は な い 。 〔反 論 〕 ど う し て で あ る か 。 〔答 論 〕 とい うの は,前 (badha)は,負 で あ る。. 述 の 如 き,吟. 味 をす れ ぽ. 処(nigrahasthana,そ. 〔SDK21c〕. れ を 犯 せ ば,論. そ の(世. 俗 の)拒. 争 に 敗 れ る こ と)と. 斥. な るか ら. 〔反 論 〕 ど う し て で あ る か 。 〔答 論 〕 別 の 目 的. 〔勝 義 の 確 定 とい う こ と〕 に な っ て し ま う故. は,状. 況 下 に あ る 目的. ら,と. い う意 味 で あ る 。. 以 上 のSantaraksitaの. 〔世 俗 の 確 定 〕 を 捨 て る な ら,別. 述 べ る コ ン テ キ ス トか らす れ ば,吟. も の(avicaraikaramaniya)と 実 践 を 通 じ る こ と な く,ま. い う世 俗(samvrti)の. 晴 しい. な し 得 な い 凡 夫(bala). ー ガ 行 者 に と っ て の 厂世 俗 」 と. よ っ て,そ. の 吟味 に 耐 え 得 な い もの. 心(cittamatra),無 二 知(advayajnana)・ 因 果関 係 を指 示 ー ガ 行 者G'と っ て も,「 顕 現 す る が ま ま の も の 」e「 吟 味 しな. い 限 り素 晴 しい も の 」 も ま た,凡 ヨ ー ガ 行 者 と の 相 違 は,執. 味 し な け れ ば,素. た そ の 英 知 に よ る 吟 味(vicara)を. 聞 」 「思 」 「修 」 を 通 じた 吟 味(vicara)に. (vicaraksamatva)唯 し て い る 。 と は い},ヨ. と い うの. 規 定 は ・ 「聞 」 厂思 」「修 」 と い う. V'対 す る も の で あ る と い う こ と が 知 られ よ う。 他 方,ヨ は,「. 〔SDK21d〕. の 論 争 に 基づ くこ とに な るか. 夫 の 場 合 と 同 様,「. 着(abhinivesa)の. 世 俗 」 で あ る。そ の場 合 の 凡夫 と. 有 無 に あ る 。 ⇒ 本 稿(91a),(41). QISDV10as,SarvabuddhavisayavatarajnanalokalamkaraSutraM.D.Eckel,Jna‑ nagarbha'sCommentaryontheDistinctionbetweentheTwoTruths,p.137. note103.Q2viparyasavasanaBhklp,(211)(21217aa̲5AAPVpp.64024‑6411, MAK74,750Cf.MalP255b2f,D229b2,正 る 知(jnana)は の(知)が,勝 拙稿. し い 聞,思,修. れ た 意 味(対. 象)を. 有 し て い る(paramo'syartha)か. 〔5〕注(5)④yathadharsana. (59)SDK12:〉. か ら生 起 した あ ら ゆ. 顛 倒 な き 対 象 を 有 し て い る か ら勝 義(paramartha)と. 本 稿(97)(99) ‑63一. 言 われ る。 そ ら で あ る。 ⇒.

(18) 佛 教 大 學 研 究 紀要 通 卷7ら號' へ と洞 察 力 を 深 め 高 め て 行 く。 ま た 執 着(abhinivesa)の. 有 無 に よ り,一. い. と ヨ ー ガ 行 者 で は,直 に は,見. 接 知 覚(pratyak§a)の. 能 力 も 異 な る 。or人. られ た ま ま に(yathadarァanam)外. ー ガ 行 者 の 直 接 知 覚 に は ,聞 の 非 実 在 を 悟 り,唯. 般人. ゆ ラ. の直 接 知 覚. 界 の 対 象 も 把 握 さ れ る に 対 し,ヨ. 思 修 に よ り深 め られ た 直 観 力 に よ り,外 界 の 対 象. 心 へ と悟 入 し得 る 。 さ ら に は 所 取 能 取(grahyagrahaka). ゆラ を 離 れ た 無 二 知(advayajnana)さ. れ も 克 服 の 対 象 と な る 。Haribhadraは,. そ の 幻 の 如 き 無 二 知(mayopamadvayajnana). ,さえ 実 世 俗(tathyasamvrti). くの. を 本 性 と す る と 位 置 付 け て い る 。 こ の 聞 思 修 に 裏 付 け さ れ た ヨ ー ガ 行 者 の 〈唯 心 世 俗 〉 や 実 世 俗 と し て の 無 二 知 と,聞 の 人kの. 常 識(prasiddha)の. 思 修 を 十 分 に 実 践 し て い な い 世 間 一・ 般. 範 囲 で の 因 果 効 力(arthakriyasamartha)と. い う. くむ. 点 で 整 合 性(avisamvadaka)を. 有 す る(実)世. は 考 え られ な い 。 同 じ く<世 俗(samvrti)〉. 俗 とが,同. 一 の基 準 にあ る と. と 呼 ば れ て も,or人. に とって の 世. く ゆ. 俗 と勝 義 の 観 点 か ら(paramarthatas)の て は な らな い。. ヨ ー ガ 行 者 の 世 俗 と は,区. 問 題 の 唯 心(cittamatra)説. Kamalasila,Haribhadraの. 別 され な く. ノ. は,Jnanagarbha,Santaraksita,. 体 系 で は,ヨ. ー ガ 行 者(yogin)の. 聞思 修 に よ る吟. くらラ. 味(vicara)に (prasiddha)の が世 間 yaksa)と ゆ. よ り,勝. 義 へ と 克 服 さ れ る 世 俗 で あ っ て,世. 領 域 の 事 柄 で は な い 。 こ の 点 を 検 証 す る に,ま. ゜rの人kの. 直 接 知 覚(pratyaksa)と. 常識. ずKamalasila. ヨ ー ガ行 者 の 直 摘 知 覚(yogiprat・. を 峻 別 す る 点 を 見 て み よ う。. ココロ. ゜r人 の 直 接 知 覚(pratyaksa)と. は. ,勝. い う こ と で は な い 。 さ も な け れ ば,あ (60)⇒. 間 の 人kの. 本 稿(66)(91a)才. 出稿. 義 に 関 し て,無. ら ゆ る 人 々 が,ま. 迷 乱(abhranta)と さ し くヨ ー ガ行 者 と. 〔3〕p.59(203d)(203f). (61}BhKI(21814f 無 二 知(advayajnana)す (62):〉. 本 稿(89)(91b). (63):〉. 本 稿(93)(99),fn(58). (64):〉. 本 稿(40)(89)(90),才. らも顕 現 しな い知 識 だ けが 生 じて い る。. 出稿. 〔1〕pp.66‑67. yogisaxnvrtiを は,天 野宏 英. 世 間 一 般 人 の 世 俗 で も な く,ま た 勝 義 で も な い と し て 注 目 さ れ た の 『ハ リ バ ドラ の 二 諦 説 』(印 度 学 仏 教 学 研 究13‑2)pp.176‑181,esp.178. 以 下 。Malに. もyogisaxnvrti(rna1'byorpa'ikunrdzob)〔P175b1,D161a4〕. う表 現 は 見 出 さ れ る 。 (65):〉. 本 稿fn(19),(40). (66)MalP196a4‑s,D179a1‑bl ‑64一. とい.

(19) 後期 中観 派 の 唯心 説 と二諦 説 くゆ ラ 慧 劣 っ た 者(aparadarsana)で は な くな る 。 ヨ ー が 行 者. な る の で あ っ て,智. の 直 接 知 覚(yogipratyak§a)と う故,世. 一一般 人 の 直 接 知 覚 に 区 別 が な く な っ て し ま. 間 的 習 慣(vyavahara)に. (prasiddha)通. よ っ て,夢(svapna)等. り の 対 象(artha)に. だ け か ら,そ. れ(一. の よ う に 常識. 関 し て 整 合 し て い る こ と(avisamvadaka). 般 人 の 直 接 知 覚)は. 無 迷 乱(abhranta)で. あ る とされ る. りや の. に過 ぎな い。 めの. ゆの. こ こ で はSDK8.12,MAK64に 般 の 人kの し,そ. 示 さ れ る 実 世 俗 の 基 準 と 同 じ く,世. 常 識(prasiddha)に. 間 一・. 関 し て 整 合 し て い る こ とを 凡 夫 の 直 接 知 覚 と. れ に 対 し ヨ ー ガ 行 者 の 直 接 知 覚 の うち. 「声 聞 の 直 接 知 覚 」 は,人. 無我. く がの. (pudgalanairatmya)に. 関 し て の み 整 合 性 を 有 し,「. 仏,菩. 薩 と い う偉 大 な ヨ. にの. 一 ガ行 者 」 は一 切 法 無 自性 が直 観 され 得 る とし,取 の直 接 知 覚 」 が,あ. らゆ る真理(tattva),勝. り分 け,「 世 尊,如 来 だ け. 義 に 関 して 無 迷 乱 で あ る と規 定 さ. (70) れ る。 こ の 点 か らす れ ば,法 る ヨ ー ガ 行 者 と は,大. 無 我(dharmanairatmya),唯. 心,無. 二 知 に 悟 入 し得. 乗 の ヨ ー ガ行 者 す な わ ち 菩 薩 とい う こ とに な る 。 し た が. っ て 唯 心(cittamatra),無. 二 知(advayajnana)が. 「世 俗 」 無 論. 「実 世 俗 」 で. く アつ. あ る と さ れ る の は,大. 乗 の ヨ ー ガ行 者 に と っ て の 「実 世 俗 」 で あ っ て,世. 間一. 般 の 人kの 殊 に. 常 識(prasiddha)と し て の 「実 世 俗 」で は な い 。 以 上 か ら 〔An‑1〕 く ゆ ノ 〔An‑1‑A〕 は 大 乗 の ヨ ー ガ 行 者 の 世 俗 で あ る 。 そ れ が,Santaraksita,. Kamalasilaの. 修 道 論 上 の 世 俗,四. 善 根 位 の 忍 位(唯. 心 へ の 悟 入),世. 第一法. く ア の. 位(無. 二 知 へ の 悟 入)一. (66a)Cf.PVIII(218)戸 (67):〉 (68):⇒. 唯 識 派 の入 無 相 方 便 相 に 相 当 す る もの で あ る。 この. 崎 宏 正r仏. 教 認 識 論 の 研 究 』 上 巻p.316. 本 稿(93)(97)(98)(99) ・本 稿(100)(101). (68a)MalP196asf,D179blf (69)MalP183b4f,D168b2,P184a2f,D168b6f:〉. 拙稿. 〔3〕p.55f本. 稿(91d). (70)MalP196a6‑bl,D179b1'4 (71)⇒. 本 稿(91b). (72)⇒. 本 稿(301e). (73)BhKI〔223〕24b3‑〔224〕25a4≒AAPVpP.6323‑649,P.9603‑8⇒ malas31a・ とHaribhadra〔2〕‑Haribhadraの (仏 教 論 叢 第33号,1989)P.9 ‑65一. 拙稿 引 用 す るBhavanakramaI‑』. 『Ka・.

(20) 佛 歡大學硫究紀要通卷75號 ノ. Santaraksita,Kamalasilaの. 唯 心 解 釈 は 修 道 論,哲. 学 として も 基 本 的 に は 唯. く ゆ. 識 派 の も のに 沿 って い る。(こ の 点 は 〔An‑3〕 以下 の唯 識 派 とは全 く異 な る ノ. Subhagupta,Bhavaviveka,Candrakirtiの. 唯 心 理 解 と 対 比 さ れ る 。)な. お 唯識. ノ. 派 と異 な る 点 は,Santaraksita,Kamalasilaの. 体 系 で は,一. 切 法 無 自性 の直 観. おラ. を. 「見 道 初 地 」 に 位 置 付 け る 点 で あ る 。 世 間 一 般 の 人. 者 の 直 接 知 覚(yogipratyaksa)の. の 直 接 知 覚 と ヨ ー ガ行. 相 違 及 び 無 二 知(advayanana)が,「. 世俗」. ノ. と し て 位 置 付 け られ る 点 をJnanagarbha,Santaraksita,Haribhadraの. 論述 の. 上 に 跡 付 け よ う。 (76)♂. 先 のKamalasilaのSDNSで. の 論 述 の よ う に,そ. の 先Santaraksitaに. っ て 外 界 の 対 象 は 顕 現 す る が ま ま の も の(yathadarsana),常 と規 定 さ れ,さ う。 かコ コ 汝(瑜. ら に 無 二 知(advayajnana)も. 伽 行 派yogacara)の. す な わ ち,遍. 識(prasiddha). 「世 俗 」 と さ れ る 点 を 見 て み よ. 見解 に あ っ て も. 計 さ れ た 自 性 を 有 す る も の(parikalpitasvabhava)つ. 能 取 を 相 とす る も の は,い 瑜 伽 行 派(Yogacara)が. よ. か な る 原 因 に も,全. ま り所 取. く依 存 し な い 。(SDK'24ab). 主 張 す る 目的 に 合 わ せ る と. 〔 遍 計 され た もの は〕 常. に 無 と な る か らで あ る 。 〔反 論 〕. 〔 遍 計 され た もの は 〕 無 で あ るか ら 〔 原 因 に〕 依 存 し な い。. 〔答 論 〕. 〔汝 の 見 解 は 〕 直 接 知 覚(pratyaksa)と. 取 ・能 取(grahygrahaka)は,遍 も,そ. の 二 も,ま. (prasiddha)と (74)⇒ (75)拙 (76)⇒. 対 立 す る こ と に な る。 所. 計 さ れ た 自性 を 有 す る も の で あ る と し て. さ し く直 接 知 覚 と し て,彼. ら あ らゆ る 人 々 に と っ て の 常 識. ロアの し て の プ ラ マ ー ナ に よ っ て 周 知 さ れ て い る こ と で あ る 故,そ. 〉 本 稿(303) 稿. 〔5〕,注(10)(11)Cf.本. 稿(31). 本 稿(48). (77)SDVIOb7‑lla2,SDP40b2‑41b2 (77a)所 取 ・能 取(grahyagrahaka)カ い も の と は,依 他 起(paratantra)を る 色 等 の 体,す. ミ遍 計 さ れ た も の で あ る),Yl̲.対 し,遍 本 体 とす る,識 の み(vijnanamatra)の. な わ ち 自 己 認 識(svasamvedana)さ. 計され て いな 顕現であ. れ る もので あ る。 ⇒. 本 稿(80),. (118)C£PVIII(218),戸 崎(上)p,316 そ して 〔識 が 所 取 ・能 取 の 形 象 を 欠 い て い る と い う〕 そ の 真 実(tattva)は,あ 愚 か な 者(aparadarsana)達. に よ っ て は,知 一66一. ら れ な い 。 彼 等 に は,所. 取. らゆ る. ・能 取 の 錯 乱.

(21) 後 期 中 観派 の唯 心説 と二 諦 説 れ を 断 じ る な ら,直. 接 知 覚 と対 立 す る こ と は 避 け 難 い 。. 〔 反 論 〕 無 明(avidya)に. よ っ て,混. ・. 乱 さ せ ら れ た 知 が そ の よ う に,所. 取 ・能. 取 の 自 性 と し て 知 る の で あ る 。 二 に 対 し て 執 着 し て い る 習 気(vasana)に っ て 目覚 め て い な い 眠 りに あ る 人kの. 眠 りで 捕 え ら れ た(akranta)諸. よ 種 の. (77b). 心 で 理 解 す る よ うに 知 る の で あ る 。 〔 答 論 〕 論 理(nyaya)を る も の を,汝. 展 開 す る こ と に よ っ て 答 え よ う。 知 覚 と 対 立 して い. に は,否. 定 す る も の が,何. 外 に(pharolna)顕. か あ る の で あ る か 。 色(rupa)等. 現 す る本 性 の も の で あ る と,そ. は,. の よ うに知 覚 す る こ と. (77c). が,常. 識(prasiddha)で. あ る 。 も し,汝. が,そ. 取 ・能 取 の 自性 が 知 られ,遍 計 さ れ た も の 故,所 考x,あ. らゆ る 世 間 の 人k(loka)に. の よ う に(無. 明 に よ っ て,所. 取 ・能 取 は 常 に 無 で あ る と). と っ て 常 識 と な っ て い る(prasiddha). 対 象 を も 断 じ る な らそ の 時,そ う い っ た 自 分 の 無 知 さ,す な わ ち 自 ・他 に よ っ て 知 覚 さ れ て い る も の と 対 立 す る 言 語 表 現(vyavahara)を の 人k(loka)に 〔反 論 〕 夢 等,幻,蜃. よ っ て,全. そ の も の が,そ. (grahyagrahakaviplava)な PVIII(330)(331)(332ab)戸. 色 等 が 〕 見 られ る 。. 等 で も識(vijnana)に. 等 が 顕 現 す る が ま ま に 見 られ る よ うに,ま よ っ て 汝 に は,識. 間. く疏 遠 な も の で あ る と否 定 さ れ る 。. 気 楼 と し て な ら,〔. 〔答 論 〕 そ の 通 りだ とす れ ば,夢. 示 す 汝 は,世. た,悪. 属 さ な い,色(rupa) し き 執 着(abhinivesa)に. の よ うV'知 る と,誤. っ て 顕 現 す る が,〔. 所. しに 〔 識 は 〕 あ り得 な い か らで あ る。 崎(下)pp.14f. 拙 稿 〔6〕P.42〔1〕MalP180bs〜,D166a1〜 「 所 取 能 取 の形 象 を 欠 い た 別 な真 実 で あ る知 は,凡 夫 達 に よ って知 覚 され る こ とは ない 。 」 所 取 ・能 取 を伴 った 直接 知 覚 とは,世 間一 般 の 人kの 直 接知 覚 で あ り,〈 識 の み〉 とし て の 直接 知 覚 とは ヨーガ 行者 の直接 知 覚 と言 え よ う。Cf.本 稿(66) Santaraksitaは,常 識(prasiddha)を プ ラマ ーナ と認 めて い る。Kamalasilaも,「 常 識 とい うも の は,直 接 知 覚(pratyaksa)と 推 理(anumana)と は 別 な プ ラマ ー ナで も ない 」(MalP251a5f,D226a5)と 同 じ 見 解 を示 し てい る。 そ れ に対 し,Candrakirti は,世 間 の 人k(10ka)が,プ ラマ ー ナを 有 す る こ とは な い。(入 中論VI,30)と,、 Santaraksita,Kamalas31aの プ ラマ ー ナ論 とは 見解 を異 に して い る。 (77b)Cf.PVIII(217),戸 崎(上)P.315. 無 明 に よっ て 乱 され た 自己 に とって は,各kで 縁 に相 応 して非 真 実 な形 象(vitathakara) を 有 した 識 が 生起 す る。 眼病 等 の よ うに。 PVIII(336)(337)戸 崎(下)pp.19‑21,PVIII(353)(354)戸 崎(下)pp.40‑42 (77c)⇒. ・本 稿(48),手. 出稿 〔6〕P.46〔1‑3‑9〕 ‑67一.

(22) 佛教大學研究紀要逋卷75號 取 ・能 所 の〕 二 に よって 巓倒 して い な い状 態 の場 合 の よ うに,そ の(夢 等 の) 場 合 に も,そ の よ うに(所 取 能 取 が)知. られ るな ら,外 界 の 色 等,顕 現 す る ロアの. が ま ま の も の(yathadarsana)は. ま さ し く存 在 す る 。 C77e). 〔 反論〕 〔 外 界 の色 等 は〕,論 理(nyaya)的. に不 合 理 で あ る。. 〔 答 論 〕 ま さ し くそ れ 故 に,〔 外 界 の 色等 は〕 吟 味 さ れ な け れ ば 素晴 しい か ロアの. ら,ま. た 考 察 と い う吟 味 に 耐 え 得 な い か ら,世. 俗(samvrti)で. あ る,と. され. (77g). る。 二 に よっ て顛 倒 して い な い状 態 に あ る識(無 二 知)も,ま. さ し くそ の よ. く がゆ. うに(吟 味 に耐 え得 ず,世 俗 と して)あ る。 そ れ(無 二 知)も,不. 生 である. ロコ ヴの. と証 明 さ れ て い る か らで あ る。 こ こ で 注 目す べ き 事 柄 は,Jnanagarbhaに 自 性 を 有 す る も の で あ る と し て も,そ と し て 常 識(prasiddha)で. よ り,〈 所 取 ・能 取 は 遍 計 さ れ た. の 二 も,ま. さ し く直 接 知 覚(pratyak§a). あ る 〉 〈遍 計 さ れ た も の(所. す る 瑜 伽 行 派(yogacara)の. 考}x方. 取 ・能 取)を. 常 に無 と. は 直 接 知 覚 と対 立 す る〉 と さ れ る 点 で あ. (78). る。 これ は,常. 識 に 関 して整 合 して い る凡 夫 の直 接 知 覚 を 指 示 し て い よ う。. ノ. さ らにSantaraksitaに 界 の 色 等 も,無. よ っ て,〈. 外 界 の 色 等 は 顕 現 す る が ま ま の も の 〉 〈外. 二 知 も 吟 味 し な け れ ば 素 晴 し く,吟. 味 に耐 え得 な い か ら 世 俗. く ゆ. (samvrti)〉. と規 定 さ れ る 。 つ ま り,吟 味(vicara)を. kの 常 識(prasiddha)で は,顕. は,遍. 計 さ れ た も の で あ る 所 取 ・能 取,外. 現 す る が ま ま の も の(yathadarsana)と. 他 方,「. 聞,思,修. 味(vicara)を. 加 え な い,世. 間 一・ 般の人 界の色等. し て 世 俗(samvrti)で. 」 を 通 じ た 知(buddhi)を. あ る。. 起 こ して い る ヨー ガ行 者 の吟. 加 え る 点 か ら は,. くひ コ. 遍 計 さ れ た も の(所. 取. ・能 取)を,否. 定 す る こ と は 論 理 に 適 っ て い る 。(SDK. 30ab). (77d):〉. 本 稿(48). (77e)Cf.TSPadTS(2050)⇒ 18f.. 本 稿(53),C£PVIII(334)(335)戸. (77f)Cf.MAVadMAK91:〉 (779)C£SDP47b6「 (77h)⇒Cf.本. 本 稿 注(19)冒. 頭 部分 。. 無 二 とい うの は 唯 識 派(vijnanavadin)の 稿(91b). (78),(77)前. 半(77a). (79),(77)後. 半(77d)一(77g) ‑68一. 崎(下)PP.. 見 解 で あ る」.

(23) 後 期 中観 派 の 唯心 説 と二 諦 説 直 接 知 覚(pratyaksa)等. と対 立 す る 誤 りが な い か ら で あ る。. 遍 計 さ れ て い な い も の を 否 定 す る こ とは,自. らに対 して拒 斥 を なす こ とに 恋. ろ う。(SDK30cd) 概 念 知(kalpana)の. 誤 謬 に よ っ て 汚 さ れ て い な い,因. と縁 に 依 存 して 生 起 ゆ の. す る 故,依. 他 起(paratantra)を. 現 で あ る 色(rupa)等 茲,否. 本 体 とす る,識. の 体(kaya)は,自. 定 し 得 な い の み で な く,否. (pratyaksa)等 こ れ は,先. の み(vijnanamatra)の. 己 認 識((80b)svasamvedana)さ 定 す れ ば,否. ロ ゆの. 関す る 見解. れ る. 定 す る 者 に は,直. に よって 後 に 必 ず や 拒 斥 が 起 こる。 〔 一 のSDK24abに. 顕. 接 知覚. 部 分 はSDP〕. す な わ ち 《世 間 一 般 の 人kの. 直接. く ゆ. 知 覚 》 に 対 比 され る 《ヨ ー ガ行 者 の直 接 知覚 》 を 指 示 して い よ う。 す な わ ち 〈依 他 起 を 本 体 とす る識 の み(vijnanamatra)の. 顕 現 で あ る色 等 の 体 は,自 己. く ゆ. 認 識 さ れ る 〉 とい う も の で あ り,そ. れ は,ヨ. ー ガ行 者 が 四善 根位 の うち. 位 」 で 到 達 す る直 観 の 世 界 に 等 し い 。 さ らにSDK35で. 「忍. は 〈顕 現(abhasa)そ. くの. れ 自体 に も 疑 義(sarhdigdha)が 唯 識 論 者 の 無 二(advaya)知. あ る〉 と,外 が,論. 界 実 在 論 者 の 原 子(paramanu). 理(nyaya)に. よ っ て 吟 味 さ れ,そ. の 問 題 点 が 指 摘 さ れ て い る 。 そ して 無 自 性(nihsvabhava)は. れ ぞれ. 論 理(nyaya) ねの. を 具}て お り,プ ラマ ー ナ に よって 拒 斥 され な い 旨が 示 され て い る。 以 上 か ら して 「世 俗 」 とは,世 間 一 般 の 人kの 外 界 の色 等 を 認 め,常 識 に 関 く きみ し て 整 合 し て い る 直 接 知 覚 か ら,四. 善 根 位 の う ち,「. (80)SDV12b2f,SDP45a4‑blCf.BhKI〔210〕16〜. 忍 位 」 で の 唯 心(citta・. 〔211〕2⇒. 本 稿(40). (80a)Cf.AAPVp.88474grahakakaralaksanamvijnaptimatratam (80b)SDP45blCf.MAPadMAK92p.29923E,一. 郷正道. 自己 認 識(svasamvedana,svasamvid)も,牛. 『中 観 荘 厳 論 の 研 究 』p.65. 飼 い の 者 に 至 る ま で 成 立 し て い る か ら,. 論 難 す る こ と も不 合理 で あ る。 MAVadMAK91p.29011E 自己 認 識 も 世 俗 の 真 実(samvrtisatya)に う点 で 考 察 に 耐x得. 属 す る とい うそ の こ と は,一. (81)⇒. 本 稿(77a). (82)⇒. 本 稿(80a)(80b). な い か ら(vicaraksamatvat)で. ・多 の 自 性 とい. あ る と 確 定 し終 っ て い る 。. (83)SDP48a3 (84)SDP48a3‑7,拙. 稿rカ. マ ラ シ ー ラ の 唯 識 批 判 と ダ ル マ キ ー ル テ ィの:経 量 部 説 』(仏. 教 大 学 研 究 紀 要 第72号,1988)pp.9‑11fn(22) ‑69一.

(24) 佛 歡大 學 研 究 紀要 通 卷75號 matra),「. 世 第 一 法 位 」 で の 無 二 知(advayajnana)と. 接 知 覚(yogipratyaksa)に. して の ヨー ガ行 者 の 直. 至 る ま で の 幅 を 有 し て い る 。 そ の 「世 第 一 法 位 」 の くの. 直 後 に一 切 法 無 自性 を直 観 し,無 戯 論,法 界 に悟 入 す る 「見 道 初 地 」. 勝義. おの. に 相 応 し い(paramarthanukula),「 Haribhadraも. 道 」 と して の勝 義. ヨ ー ガ 行 者 の 無 二 知(advayajnana)を. が 位 置 す る。 同 じ く 世 俗 的 な も の(samvrta). と して示 して い る。 Haribhadraは,〈. 思 慮 深 い 人(preksavat)に. 執 着(satyalikabhinivesa)カ. ミ除 き 難 い 故,ど. と っ て は,真 実 と虚 偽 に 対 す る う し て,あ. ら ゆ る 顛 倒(viparyasa). ゆの. を 断 じる こ とが あ ろ うか〉 との反 論 に対 し,次 の 答論 を示 して い る。 ゆ. ココ コ. 存 在 と無存 在 とい う二 つ の分 別 に よっ て,あ 能 遍(存 は,あ. 在 と無 存 在 とい う分 別)が. らゆ る分 別 は包 括 され る か ら・. 無 い と きV'は,所. 遍(あ. らゆ る分 別). り得 ない か ら,真 実 と して,存 在 と無 存 在 とい う固執 を 離 れ,吟 味 し. ゆの な け れ ば 素 晴 し い(avicararamaniya),内. と外 に 芯 を 欠 い て い る 芭 蕉 の 幹 の. 如 き,あ. 慧 の 眼 を 具}た. らゆ る 存 在 を,以. 上 の よ うに,智. 現 観(sarvakarajnatadyastabhisamaya)の 〔ヨ ー ガ 行 者 〕 に は,修. 次V'よ. 習(bhavana)の. 一 切 相 知 性 等 の八. っ て,精. 査 し て い る人. 力 が 完 成 し た 時,あ. る人 々に と っ. て の 宝 石 や 銀 等 の 知 の 如 く,あ. ら ゆ る 迷 乱(bhranti)の. し る しを 離 れ た真 実. の プ ラ マ ー ナ こ そ が,自. 実 の ま ま の 対 象(yathabhutartha)を. くお の. ら,真. る 性 質 が あ る か ら,清 浄 に し て,世. 俗 的 な(samvrta)原. 把握す. 因 か ら生 起 し た,幻. の 如 き無 二 知 を 本 体 とす る 認 識(mayopamadvayajnanatmasamvedana)が, あ らゆ る 顛 倒 を 断 じ て い る 故,大 悲 と智 慧 を 本 性 とす る,世 俗 的 な(samvrta) 智 の 光(jnanaloka)と ゆの dadharmata)の (85):〉. 起 す る 。 縁 起 な る 法 性(pratityasamutpa一. 故 に 。 例 え ば,概. 念 知 と い う種 子(kalpanabija)が,も. は. 本 稿(66). (86)見 (87)韭. し て,生. 道 初 地 で 一 切 法 無 自性 は 直 観 さ れ,勝 出稿. 義 の領 域 に 悟 入す る。 ⇒. 本 稿fn(302b). 〔5〕. (88)AAPVp.640i‑s (89)AAPVp.6405‐ia (89a)厂 253(46). 世 俗 」 を 意 味 す る ⇒ 本 稿(77f)(100),Cf.{.0島. (89b)Cf.NBI,II (89c)Cf.縁. 起 を 理 由(prat3tyasamutpadahetu) ‑70一. 恵 教r中. 観 思 想 の 展 開 』P・.

(25) 後 期 中 観派 の唯 心 説 と二 諦 説 の サ もの や,現. わ れ な い よ うに 。. さ らに 反 論 者 は 〈如 来 の 知 が,中. 観 派 に と ら て,世. 俗 的 な も の(samvrta) ゆラ. な ら,無. 明(avidya)が. 断 ぜ られ ず,そ. の 限 り,『解 脱(mukti)は. 旨 を 詰 問 し て い る 。 こ れ に 対 し,Haribhadraは,ヨ を 執 着(abhinivesa)の. あ り得 な い 〉. ー ガ 行 者 と凡 夫 と の 相 違. 有 無 に よ っ て 示 し,さ. ら に 無 二 知 の 実 世 俗 な る こ とを. 述 べてい る。 ゆ ト コゆ ユま り. な ぜ な ら,彼. 等(ヨ. ー ガ 行 者 達)は,摩. 常 識(prasiddha)だ. 術 師 の よ うに,幻. け の 非 真 実(asatyata)な. も の と熟 知 し て い る か ら,真. 実 か ら し て 諸 存 在 に 執 着 し な い 。 そ れ 故 に,彼 と言 わ れ る 。 一 方,凡 と し て,執. 等 は,ヨ. れ 等 の幻 を 真 実. うい っ た 存 在 に も巓 倒 し執 着 す る 故,凡. で あ る と言 わ れ る 。 し た が っ て,全. コ の ユの. ー ガ 行 者(yogin). 夫 異 生 の 如 く(balaprthagjanavat)そ. 着 し て い る 人 々 は,そ. (bala)達. を あ りの ま ま に,. て は,対. 夫. 立 し て い な い(avi・. ruddha)。 した が っ て,ま. た,論. 理(Yukti)と. 聖 教(Agama)に. た 幻 の 如 き 無 二 な る心(mayopamadvayacitta)を. よ っ て,理. 具 え,真. 実 と非 真 実 を 悟. る こ と に 専 ら とな っ て い る 知 恵 を 有 し て い る(ヨ (tathyasamvrti)を. ー ガ 行 者 達)は,実 ゆゆ 本 性 とす る 無 二 な る 幻 の 如 き心 こ そ を,聞,思. て 形 式 さ れ た(srutacintamaya)知. に よ っ て 確 立 し て,縁. (pratityasamutpadadharmata)の て,熱. 心 に,間. 断 な く,長. 故 に,一. 分 別 の 集 ま り を,幻 traprabandha)に. は,有. 世 俗 に よっ. 起 で あ る法 性. 切 相 智 等 の 八現 観 の 次 第 に よっ. 時 間 に 亘 る 勝 れ た 修 習(bhavana)に ゆの. 習 し て い る ヨ ー ガ 行 者 の 王(yogisa)達. 解 され. よ っ て,修. に 結 び つ い て い た,あ. らゆ る. の 如 き 無 二 知 の み の 相 続(mayopamadvayavijnanama・ 至 ら し め る 。 そ れ こ そ が,本. 来 的 な 対 治(pratipaksa)で. (gp)AAPVp.64015‑1s (91)AAPVpP.64114‑6421⇒ (91a)こ. の 部 分 のMal,BhKIと. 本 稿(62) の 一 致 は,拙. とHaribhadra〔2〕Haribhadraの 1990)P.8.C£ へ の 道 』p,166. 稿 〔3〕p.59(203d)(203f),PKamalasila. 引 用 す るBhavanakramaI』(仏. 本 稿(41),Bodhicaryavatara(Santideva)ch.IX‑5,金. (911〕):〉(71) (91c)Cf.MAK75,Nyayabindutika(Vinitadeva)D17a2 ‑71一. 教 論 叢 第33号, 倉 円 照r悟. り.

(26) 佛教 大 學 研 究紀 要 通 卷75號 『 あ る 。 一 方,最 は,そ. れ(本. 初 の 幻 の 如 き と い う言 葉(abhijalpa)を. 来 的 な 対 治)に. 伴 った 知 識 の確 定. 相 応 しい も の(anuguna)で. る も の で は な い 。 と い う の は,外. あ る が,対. 治 とな. 界 の 対 象 の 教 義(bahyarthanaya)に. おい. ゆ の. て,人. 無 我(pudgalanairatmya)等. 性(vasturupa)を は,無. を 修 習 す る こ と(bhavana)も,事. 心 に 確 定 し て(avasthapya)行. うの で は な い 。 事 物(vastu). 分 別 知 の 三 昧(nirvikalpajnanasamadhi)に. あ る か ら。 ま た,L最 初 に,そ. れ(幻. お い て理 解 され るべ き で. の 如 き無 二 知 の み の 相 続)は,あ ゆユ. い か らで あ る 。 あ る な ら,修. 物 の 自. り得 な. ラ ゆの. 習 が 無 意 味 と な る か らで あ る 。. 他 方 でHaribhadraは,Jnanagarbhaの. 見 解 通 りに. 「 世 間 の 人kの. 知 識. ゆ ラ. (10kapratiti)が,世. 俗(saxnvrti)で. 以 上 のHaribhadraの は 幻(maya)を る に 対 し,後. あ る と言 わ れ る 。」 と述 べ る 。. 論 述 か ら,ヨ. 常 識(prasiddha)だ. ー ガ 行 老 と凡 夫 の 相 違 が 知 ら れ る。 前 者 け の 非 真 実(asatyata)な. も の と熟 知す. 者 は 幻 を 真 実 で あ る と執 着 す る 。 さ らに そ の ヨ ー ガ 行 者 は 幻 に 比. せ ら れ る 無 二 知(advayajnana)に 知 は 実 世 俗(tathyasamvrti)に. 修 習(bhavana)に. よ り到 達 す る が,無. 二. 位 置 付 け られ て い る 。 つ ま り,無 二 知 は ヨ ー ガ. 行 者 が 聞 思 修 の 実 践 に よ り至 り得 る 知 で あ り,凡 夫 の 及 ぶ と こ ろ で は な い 。 勝 義 に 至 り得 る に は そ の 無 二 知 さ え も 克 服 さ れ な け れ ば な ら な い 。 こ の 意 味 で, 無 二 知 は 「実 世 俗 」 に 位 置 付 け られ る 。 こ の 段 階 が 四 善 根 位 の 「世 第 一 法 位 」 で あ り,入 無 相 方 便 相 に 相 当 す る 。 こ の ヨ ー ガ 行 者 の 修 道 論 上 の 「世 俗 」 と世 間 一般 の 人kの. 常 識 として の. 「世 俗 」 と を 峻 別 す る こ と は 後 期 中 観 派 の 二 諦 説. を理 解 す る に不 可 欠 な要 件 で あ る。 世 間 一 般 の 人k(loka)と *《 世 間 一 般 の 人k〔 1)顛. ヨ ー ガ 行 者 と の 相 違 を 対 比 して 示 す と,. 日常生 活者 〕 の 知》. 倒 した 習 気 か ら生 起 し た 事 物 に 執 着 して い る 故,事. を 考 察 す る こ とを 忘 れ て い る 2)聞,思,修. 物 の 真 実(tattva). 、. の次 第 に よって 知 を 起 こ して い な い. (91d)⇒ 本 稿(68a) (91e)⇒ 序⑥,(46) (92)AAPV9763E=SDVga2f ‑72一.

参照

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