Q & A
Q
: アースがあると電位が
0 Vになるところがよくわからなかった。
A
: 最初にアースの説明をしておきます。アース(
earth)は右の写真 のように、地球に電気的に接続することで、接地、グランドともいい ます。回路の電位の基準点(電位が
0 Vの点)は、アースがある 場合は通常、接地してある部分の電位を
0 Vと
します。
0 Vになるのではなく
0 Vにする
(基準点とする)のです。電位差のみを考える 場合は、電位が
0 Vはどこかは気にしなくてよい です。(例:抵抗の両端の電位差)
教科書では、左の図のように、電位の絶対値 は意図的に避けているようです。電圧降下の 値は、電位の基準点がどこでも関係ありません。
アースは実習でも出てくるので説明しました。
①
アース線の色は 緑/黄のストライプ
または緑
Q
: もし、人がピカチュウの
10万ボルトを体験したらどうなりますか。皮膚にオームの 法則が成り立つとすると、
V = RI , 100000 = 1×
106×
I , I = 0.1 Aの電流が流れるは ずです。かなり痛いと思うのですが、死ぬことはないと思います。
A
: 前回、人間の抵抗は
1 MWくらいといいました。テスターで抵抗を測定すると、数 百
kWから
1 MWくらいの値がでます。ちなみに、今回の質問にあたって、手を水で 濡らしてテスターで抵抗を測定したら
70~
100 kWくらいまで下がりました。ですので、
夏、ちょっと汗ばんでいるような状態なら
100 kW程度と考えた方がよいです。また、
テスターで抵抗を測定する際は、テスターに内蔵されている電池で電圧をかけて流 れる電流を測定しますが、その電圧は数
Vです。前回の質問では、電池を触った際に、
人間に流れる電流に関する質問でしたので、テスターの示す抵抗値を信じてよいの ですが、人間にオームの法則は通用しません。さらに、
1000 V以上の電圧になると、
皮膚が破壊され、内部組織のみの抵抗(
500 W)となってしまいます。ですので
10万 ボルトの電圧だと、流れる電流は
200 Aとなり、おそらく死にます。
Q
: キルヒホッフの第2法則⑦ページで
b → eのとき電圧降下しているのに
+になっ ているのはなぜですか。
A
: 授業中に気づいて訂正しましたが、指摘のように-が正解です。ホームページで 掲載しているものは訂正しておきました。
Q & A
②無反応 有害な 生理的 影響なし
心室細動 の確率が
50%
超 心室細動の確率
が
50%超まで 心室細動の確率
が
5%超まで
③
Q & A
Q
: 眠気をとったり、抑えたりするために電気に関連したグッズなどはありますか?
(身体に電流を流してビリっとさせる,眠気を抑えるツボ(あるのか知りません)に電流 を流す等)
A
: 「
STEER」(運転するの意)という商品があります。運転するときに腕に装着して使い ます。心拍と皮膚の電気抵抗を測定し、必要に応じて、バイブレーション、電気ショッ クでドライバーに警告します。動画参照。(注意:交通事故の映像を含みます。)
④
19.4
電流と仕事 (
p238)
電位
0 [V]起電力
V電位
V [V] I =電球
DQDt左の回路において、時間
Dtに電荷
DQが流れた とすると、その間に起電力
Vの電池は、内部で
DQの電荷を負極から正極に運んでおり、
DW = VDQ
の仕事をしている。
電池の仕事率(単位時間あたりにする仕事)は、
P = = = = VI [J/s] [W]
(ワット)
VDQDt
DWDt IDtV Dt
P = VI
電源が単位時間あたりにする仕事を電源の 仕事率,パワー という。
⑨
電流の行う仕事率も P = VI
電子のドリフト速度
電源のした仕事は、回路を流れる電流が行ういろいろなタイプの仕事になる
電流の仕事率を 電力 という。
ジュール熱 (電流が行う仕事の例)
電池の両端に導線をつなぐと、導線(有限の電気抵抗を持つ)内に電場が発生し、
電流が流れ、導線の温度が上昇する。例:電球、電熱線(ニクロム線)
+
+ + +
+ +
+ +
+
+
+
+ + +
+
+
電子の軌跡は、実際には 放物線を描き加速される。
E, I
導線(金属線)内に電場が存在すると、
導線内の自由電子は電気力を受ける。
自由電子の運動エネルギーは
衝突と衝突の間に平均すると大きくなる。
増加した運動エネルギーは、
正イオンとの衝突の際に正イオンの熱運動 に転化し、導線の温度が上昇する。
⑩
(つづき) 導線の中で時間
tに発生する熱量
Qは
Q = Pt = VIt = RI
2t 単位はジュール
[J]発生する熱を ジュール熱 という。
電流のする仕事は 電力量 という。(
W = Pt,単位は
J) 電気代など、実生活では電力量の単位として 1キロワット時(記号
kWh)
(
1 kWの電力が1時間にする仕事)を使うことが多い。
hは
hourの
h1 kWh = 1000 W × 3600 s = 3.6 × 10
6J
問題:電気代は
1 kWhあたりいくらか?
(基本料金等は無視せよ。)
10081 / 440 = 22.9 ・・・≒ 23 円(/ kWh )
⑪
問題:前回豆電球の実験をしました。電池(単3×2)の電圧は
3 V、
電球に流れた電流は
0.3 Aでした。① 電池の仕事率(パワー)はいくらか?
②豆電球の消費電力はいくらか。(電球以外の抵抗は無視)
③豆電球を1分間点灯するために消費される電力量を求めよ。
問題:この教室の蛍光灯の消費電力は1本あたり
Wです。
90分の授業で消費される電力量と電気代を求めよ。
⑤
P = VI = 3 × 0.3 ≒ 0.9 W
P = VI = 3 × 0.3 ≒ 0.9 W
Pt = 0.9 × 60 ≒ 54 J ( 5 × 10
1J )
電力 = [W] × [ 本 ] = W
電力量 = [W] × 1.5 [h] = Wh = kWh
電気代 = [kWh] × 23[ 円/ kWh]= 円
シャープペンの芯を用いたジュール熱の実験
黒鉛(炭素)と粘土等からできている(導体)
炭素の融点:3800K
タングステン(電球のフィラメント)の融点:3700K どちらも温度が高くなって光っても融けにくい。
エジソンが最初につくった電球は炭化させた 京都の竹のフィラメントを用いている。
下の写真は複製したもの。電球にはアルゴン などの不活性気体が封入してある。
浅田電球製作所製
実験では芯は燃え尽きる(酸化する)が、
真空中や不活性ガス中(酸素無)では光り続ける。
実験:スライダック(変圧トランス)を使ってシャープペンの芯に電流を流す。
⑥
19.5
CR 回路
p239回路中にあるキャパシターに蓄えられた電荷
Q ,極板間の電位差
V,電流
Iの関係
Qと
Vの関係:
Q = CVi Q f
-Q
I I
(右の図で
Q > 0なら充電中、
Q < 0なら放電中)
キャパシターを流れる電流:
I = = DQ Dt dQdt
Q
と
Iの関係:
DQ = IDt(電荷
Qの時間変化率が電流)
⑦
CR
回路 :下の図のような、キャパシター
C,抵抗器
Rを含む回路
V V
R R
C C
I(t)
Q(t)
-Q(t) Q = 0
Q = 0
I(t)
I(t) =dQ(t) dt t < 0 t = 0
でスイッチオン
t > 0キャパシターの充電
抵抗器の両端の電位差:
RI(t)、キャパシターの極板間の電位差:
Q(t) C上の2つの合計が電源の電圧
Vに等しい
(キルヒホッフの第2法則で考えてもよい)
V = RI(t) + Q(t) C
⑧
(つづき)
V = RI(t) + Q(t) C
変数を
Qに統一:
V = R + Q(t)この微分方程式を解く
CdQ(t) dt dQ(t)
dt = -1 ( Q(t)-CV ) CR
dQ
Q -CV = -
∫ ∫
CRdtQ
を左辺に集め、変数分離型 微分方程式(
C,R,Vは定数)に
ln | Q -CV | =- t + c c
は任意定数
CR(注)数学ではないので 微分方程式が
解けるかは あまり重視しない。
負:
Qは次第に増加し最終的に
CVになる。
ln (CV -Q ) =- t + c CR
t = 0
のとき
Q = 0なので
c = ln (CV ) ln ( CV-Q ) =-CV
t
CR
真数に戻すと
1- Q = e-t/CR CV
Q = CV(1-e-t/CR)
(このままでは解けない)
⑨e = 2.71828
・・・
(1-e-1)≒0.632
e = 2.71828 e-1≒ 0.368 Q = CV(1-e-t/CR) V
R
C I(t)
Q(t)
-Q(t) I(t)
CR
回路の時定数:
CR時定数:変化に要する時間の目安
= (-CVe-t/CR) = I(t) Q
を
tで微分すると
dQdt
d dt
I(t) = -CV (- 1 ) e-t/CR = e-t/CR CR
V R
電荷
Qの変化も 電流
Iの変化も 時定数
CRの時間が経過すると 変化の
63% (1-e-1)が終了し、
残りの変化は
37% (e-1)である。
0.632 CV
0.368 V R
I(t) = eV -t/CR R
e -CRt
⑩
これで中間試験範囲の19章まで終わりました。
20章は磁場の話です。
磁場と電場は対応関係があり、
19章までの内容とリンクさせて
十分に中間試験対策となるような内容に
しますので真面目に聞いて下さい。
20章 電流と磁場 ( p242 )
(北
Northを向く極)
N極
北極は
S極
S極 (南
Southを向く極)
南極は
N極 棒磁石
N
極
S極
N極
S極
棒磁石を2つに分離すると、切り口に
S極と
N極が現れて2個の磁石になる。
単磁極(
N極だけとか
S極だけ)は取り出せない。
これは、電場中に置いた誘電体の表面に現れる分極電荷に似ている。
電場中で誘電体を分離しても、やはり切り口に分極電荷が現れ、
正の分極電荷や負の分極電荷を単体で取り出せない。
+ + + + + +
- - - - - -
+++++++++++
-----------
+ + + + + +
- - - - - -
+++++++++++
-----------
+ + + + + +
- - - - - -
キャパシタの極板 分極電荷 誘電体
分極した誘電体:小さい電気双極子(分極した原子等)の集まり
磁石 :小さい磁気双極子(小さい磁石)の集まり(後で勉強します)
似ている理由
⑪
磁荷 :磁極の強さ(電気力における電荷に対応) 記号
Qm磁荷
電気力 磁気力
F ∝QQ’
r2 F ∝ QmQm’
r2
電気力の大きさは
互いの電荷の積に比例し、
互いの距離の2乗に反比例する。
磁気力の大きさは
互いの磁荷の積に比例し、
互いの距離の2乗に反比例する。
(
N極の磁荷を正、
S極の磁荷を負とする)
Qm Qm’
-Qm -Qm’
F F
Q Q’
F F
N
極の磁荷:プラス
S極の磁荷:マイナス
⑫
磁場 B
高校では磁束密度
Bといったが、この授業(教科書)では磁場
Bという 後で出てくる磁場の強さ
Hも、この授業(教科書)では磁場
Hという
これらは、同じもの(呼び方が異なるだけ)で、記号も意味も同じ。
試験で、高校での呼び名を用いても正解です。
電気力 磁気力
F = QE
(真空中)
(電気力
F,電荷
Q,電場
Eの関係)
電場
Eの単位:
V/m , N/CF = QmB
(真空中)
(磁気力
F,磁荷
Qm,磁場
Bの関係)
磁場
Bの単位:テスラ(記号
T)
= A
・
mである ことを後で説明 磁荷の単位:
N/Tテスラは、後で別の方法で定義 電荷の単位:
C⑬
磁力線 :磁場の様子を図示する線
各点での接線が、その場所の磁場の向きになるような曲線 電場の様子を図示する電気力線に対応
電気力線 磁力線
N極で始まり S極で終わる
磁力線も目に見えないが、
砂鉄を使うと磁力線の様 子を観察できる。
+ -
⑭
プラス電荷で始まり
マイナス電荷で終わる
[ 実験 ] 磁性流体で遊ぼう
児玉幸子さんの磁性流体アート
磁性流体:磁石につく細かな粒子を液体に 均一に溶かした(混ぜた)もの
イメージ:なめらかな液体になった砂鉄
スパイク現象:磁力線に沿って右図のように 突起が現れる現象。砂鉄でもできるが、
磁性流体の方が美しい。
砂鉄で磁場の 模様ができる のと同じ原理
↓
突起の方向は 磁場の方向
⑮
参考:地磁気(地球の磁気,磁場)
北極点:北緯90度の地点,自転軸と地球表面が交差する点
磁北極(磁極):N極が真下を向く点(局所的な磁場の乱れの影響を受ける)
地磁気北極(地磁気極):地磁気を地球中心にある双極子による磁場
(双極子磁場) で近似したときのその双極子の軸と地表との交点
日本から見ると磁北極は
北(北極)よりも少し東よりだが 磁場の局所的な乱れのため 日本では、磁針は北より 数度(偏角)ほど西を指す。
富山では約7度
http://wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp/poles/polesexp-j.html
⑯
へんかく
磁束 F
B(
p244)
(磁束
FBと磁場
Bの関係は、電気力線束
FEと電場
Eの関係と同じ)
面積
A一様な電場
EE
電場
Eと平面S は垂直
平面S
一様な磁場
BB
磁場
Bと平面S は垂直
平面S
面積
Aファイ
平面Sを貫く電気力線束
FE = EA単位面積あたりの電気力線の数を
Eとすると、
電気力線束
FEは平面Sを貫く電気力線の数
平面Sを貫く磁束
FB = BA単位面積あたりの磁力線の数を
Bとすると、
磁束
FBは平面Sを貫く磁力線の数
(電気力線は
1m2あたり
E本)
(磁力線は
1m2あたり
B本)
ファイ
磁束
FBの単位:
T・
m2 = Wb(ウェーバー)
FB = BA
⑰
B n
磁場 B と平面Sが垂直でない場合
平面Sの
単位法線ベクトル 平面S
面積
A平面Sを貫く磁束
FB = BA cosq = BnA(
Bnは磁場
Bの平面Sの法線方向成分)
Bn = B cosq
q B
B cosq
= Bn
曲面Sを貫く磁束は面積分を使って表すと
FB =sBndA FE =
sEn dA
∫∫
∫∫
(対応)
FE = EA cosq = EnA , En = E cosq⑱
q
磁場 B のガウスの法則
∬ B
ndA = 0
電場
Eのガウスの法則 磁場
Bのガウスの法則
Qin
閉曲面S
E
En
は電場
Eの閉曲面Sに対する 法線方向成分
Q
ine
0B
閉曲面S
磁力線は、始点も終点もなく 途中で途切れない閉曲線
(閉曲面に入った磁力線は必ず出ていく)
磁気単極子(分離した磁極)は存在しない
∬
SE
ndA =
Sこの授業の最終目標である4つのマクスウェル方程式のうちの2つ 実際は3次元
(モノポール)
⑲
磁力線は、N極で始まりS極で終わるのではなかったのか?
答:磁石の外部はそうだが、内部は以下のようになっており、
磁力線は閉曲線である。詳しくは
20.6節
⑳
20.2
長い直線電流の作る磁場
右ねじの規則
磁場の向き:右ねじの回る向き 電流の向き:右ねじの進む向き
BI
右ねじ(一般的なねじ)
(時計回りに回すと閉まる)
B I
磁力線は電線を中心とする円 始点も終点もない閉曲線
無限に長い
直線電流
Iの作る磁場
B B = [T] m0I2pd
公式として導入するが 後で別の法則から導く
d:電流からの距離
m0
: 真空の透磁率
磁場
Bの強さは、電流
Iに比例し 電流からの距離
dに反比例する
m0 = 4p
×
10-7 [T・
m/A]㉑
問題:下の図のように電池の両極を導線でショートさせたら、
2 Aの電流が流れた。
導線から
1 cm離れた場所の磁場
Bの強さはいくらか?
V
導線
+
-
電流
2 A1 cm
導線の長さに対して 導線からの距離が 十分に小さければ、
長い直線電流の式が 近似的に使える。
B = = m
0I = 4 × 10
-5[T]
2 p d
4p × 10
-7× 2 2p × 0.01
参考: 富山の地磁気 磁場の強さ:
4.8×
10-5 T伏角(水平となす角):
51°
ふっかく
2 m
㉒
電気パンの実験
ジュール熱でパン(ホットケーキ)をつくる
ステンレスの電極
牛乳パックの下の部分 ステンレスの電極を
コンセント(
100 V)に接続 回路図
ここに生地 を入れる。
スタート時刻: 電流: 電力:
終了時刻: 電流: 電力:
問題:消費した電力量:
~
A
パン生地
(抵抗に相当)
交流電源
電流計
交流は21章 今は直流と 考えて下さい。
㉓