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平成 30 年度 学内研究助成金 研究報告書

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Academic year: 2022

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平成 30 年度 学内研究助成金 研究報告書

研 究 種 目

□奨 励 研 究 助 成 金 □研究成果刊行助成金

□21世紀研究開発奨励金   (共同研究助成金)

■21世紀教育開発奨励金   (教育推進研究助成金)

研 究 課 題 名 キラルなルミネッセンス化学に基づくイノベーション創出と人材育成

研究者所属・氏名 研究代表者:理工学部応用化学科・今井喜胤

共同研究者:理工学部応用化学科・北松瑞生、副島哲郎

1.研究目的・内容

ルミネッセンス(発光)には、左回転・右回転2種類の円偏光発光(CPL)が存在する。本研究の 目的は、応用化学科研究クラスター「キラリティー材料と円偏光発光(CPL)とのベストミックスフ ィールドの創出」(研究代表:理工学部応用化学科准教授  今井喜胤)の有機化学(今井喜胤)、 無機化学(副島哲郎)、生化学(北松瑞生)の異なる3分野の研究室に所属する学生間の研究交流・

共同研究を核に、新しいルミネッセンス・イノベーションの創出・人材育成を目指す。

2.研究経過及び成果

1. 光学活性ペプチド-ピレン有機発光体の円偏光発光(CPL)チューニング

単一の光学活性ペプチド−ピレン有機発光体において、用いる溶媒の種類を変えることにより、円 偏光発光(CPL)の回転方向を制御することに成功した。2 つのピレン

間の炭素数が4である、光学活性ペプチド−ピレン有機発光体(L2-C4) を用い、その溶媒依存CPL特性について検討した。興味深いことに、

クロロホルム(CHCl3)溶液中では、左回転である正(+)のCPLを観測し たのに対し、メタノール(MeOH)、ジメチルホルムアミド(DMF)溶液中 では右回転である負(-)のCPLを観測することに成功した。

  さらに、L2-C4のペプチド主鎖にピペリジンユニットを導入したペ プチド-ピレン-ピペリジン有機発光体を用い、その溶媒依存CPL特性 について検討した。その結果、L2-C4で見られた、溶媒によるCPLの 回転方向スイッチング現象は、発現しなかった。この研究により、ペ プチド-ピレン有機発光体にピペリジンユニットを導入することで、

CPLのチューニング特性を制御することに成功した。

[Org. Biomol. Chem., 2018, 16, 6895 (Cover Picture)]

2.ペリレンジイミドを基軸とする凝集誘起円偏光発光(CPL)制御

本研究では、有機半導体等に使われるペリレンジイミドPDIを基盤に、光学活性ユニットとしてキ ラルアミン類を導入し、ナフタレンの置換位置を変える事で、

その凝集螺旋様式を変化させ、それに伴うCPLの回転方向の 制御に成功した。この発光体は、希薄溶液中では、CPL 特性 を示さなかったが、ポリマーマトリックスにドープすること により、大きな円偏光特性を示すことに成功した。さらに、

ポリマーマトリックス中にドープする事で、固体状態よりも 量子収率、異方性因子の向上に成功した。

[Tetrahedron, 2019, 75, 2944.]

Non-Switching CHCl3

(+)-CPL MeOH

(+)-CPL DMF (+)-CPL

NH HN O

HN N H O

O O

O HN HN O

O HN O

NH H2N

O NH2

6 6

L

L CHCl3

(+)-CPL MeOH

(-)-CPL DMF

(-)-CPL

O N

H

O H

N O

HN N H O O O

H2N NH2

6 6O

L

L

(2)

3.本研究と関連した今後の研究計画

2018年度近畿大学東大阪キャンパスにおいて、色材研究発表会、有機結晶プレシンポジウム、

有機結晶シンポジウムを開催した。当研究プロジェクトに参画した研究室学生は、これらシンポ ジウムに、自身の研究発表のみならず、企画・運営でも参画し、多くの研究者、学生と交流を深 めることができた。本教育推進研究助成の成果として、この色材研究発表会において、総合理工 学研究科物質系工学専攻今井研究室  楫大輝君が優秀講演賞を、奥田晃史君、高村健也君が優秀 ポスター賞を受賞した。また、総合理工学研究科物質系工学専攻今井研究室  原伸行君が、有機 結晶シンポジウムにて、最優秀ポスター賞・RSC(イギリス化学会)の"CrystEngComm Poster Award"

を受賞した。

  今後は、このプロジェクトで成長した学生と共に、新しいキラルルミネッセンス化学を生み出 したい。具体的には、光学活性ペプチド円偏光発光(CPL)体を用いた、CPLを用いる分子認識シス テムの開発。ぺリレンジイミドCPL体を用いた、CP-CLEDの開発などを行う予定である。

4.成果の発表等

発  表  機  関  名 種類(著書・雑誌・口頭) 発表年月日(予定を含む)

Elsevier 雑誌 Tetrahedron,2019, 75,

2944-2948.

Wiley 雑誌 ChemistrySelect, 2018, 3,

9970-9973.

RSC 雑誌 Org. Biomol. Chem., 2018, 16,

6895-6901.

日本化学会 雑誌 Chem. Lett.,2018, 47, 1200-1202.

Elsevier 雑誌 Tetrahedron,2018, 74,

4471-4475.

日本化学会 雑誌 Chem. Lett., 2018, 47, 894-896.

Elsevier 雑誌 Tetrahedron Lett., 2018, 59,

1619-1622.

Wiley 雑誌 ChemistrySelect, 2018, 3,

3576-3581.

RSC 雑誌 Org. Biomol. Chem., 2018, 16,

1093-1100.

参照

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