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感染可能細胞の糖鎖解析

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(1)

厚生労働科学研究費補助金(肝炎等克服実用化研究事業(B型肝炎創薬実用化等研究事業)) 平成26年度  分担研究報告書

HBV 感染可能細胞の糖鎖解析

研究分担者  栂谷内 晶  産業技術総合研究所 糖鎖創薬技術研究センター 主任研究員 研究分担者  梶 裕之  産業技術総合研究所 糖鎖創薬技術研究センター 研究チーム長 研究分担者  伊藤 浩美  福島県立医科大学 医学部 生化学講座 助教

研究分担者  安形 清彦  産業技術総合研究所 糖鎖創薬技術研究センター 招聘研究員 研究分担者  尾曲 克己  名古屋市立大学大学院 医学研究科 病態医科学(ウイルス学)助教 研究協力者  飯島 沙幸  名古屋市立大学大学院 医学研究科 病態医科学(ウイルス学)助教

研究要旨:B型肝炎ウイルス(HBV)の感染機構は受容体も含めて不明であり、

現在の所HBVの持続感染系は構築されていない。宿主肝細胞側の糖鎖合成系 はそのままHBVの糖鎖修飾を担うこともあり、肝細胞表面の糖鎖関連分子と 共にHBVの感染に深く関与していると考えられる。本研究の目的は、HBVの 感染や複製における糖鎖の役割を明らかにし、B型肝炎の新規治療薬の開発を 目指す事である。そこで本研究では、HBV感染可能細胞である肝細胞と感染出 来ない肝癌細胞株との糖鎖合成系の違いまた細胞表面に発現する内在性レクチ ンなどの糖鎖関連分子の違いを明らかにすることを第一の課題としている。肝 細胞株をグライコプロテオミクス解析・糖鎖構造解析し、さらに肝細胞株と初 代肝細胞(肝臓)での糖鎖遺伝子発現についてqRT-PCRアレイ及び次世代シ ーケンサを用いて解析した。さらに得られたデータからバイオインフォマティ クス技術により内在性レクチンの検索などを行った。また、ヒト肝臓化キメラ マウスの肝細胞における糖鎖プロファイルの変化について解析を行った。ヒト 肝臓キメラマウス由来培養肝細胞の糖鎖をレクチンアレイによって解析し、経 時的・感染後の宿主肝細胞の糖鎖プロファイルの変化を見出した。次世代シー ケンサによるトランスクリプトーム解析から、HBV感染に関与する内在性レク チンの候補分子をリストアップした。

A. 研究目的

糖鎖はインフルエンザウイルスなど様々なウ イルスの接着・侵入や粒子形成・分泌に関わっ ている事が示唆されている。現在日本には約 150万人のB型肝炎ウイルス(HBV)保有者が いると考えられ、従来型の母子感染に加え水平 感染によっても広がりつつある。同様に肝炎を 起こすC型肝炎ウイルスでも糖鎖-レクチンを

介した接着や侵入するシステムが示されている。

ところが、HBVは持続感染系が構築されていな いこともあり、肝細胞表面上の受容体は不明な ままである。また、HBV感染における宿主肝細 胞側の糖鎖の役割や感染後の糖鎖合成系の変化 なども研究されていない。HBV上の糖鎖合成は 宿主である肝細胞が担っていることもあり、

HBVの感染過程における宿主側肝細胞の糖鎖

(2)

を解析することは、HBVワクチンや抗HBV薬 を効率的に開発する上でも重要な課題である。

本研究では、糖鎖遺伝子解析技術・グライコ プロテオミクス技術・レクチンアレイ技術など の糖鎖機能解析技術により、HBV感染可能細胞 と非感染可能細胞の糖鎖プロファイリングを行 う(図1)。

図1

B. 研究方法

  HBV感染機構における肝細胞側の糖鎖の役 割を明らかにするために、以下の解析を進めて いる。解析対象の試料としては、各種の肝臓細 胞株を始めに実施し、次いでヒト肝化マウス組 織・細胞(±HBV感染)を対象とした、より詳 細な糖鎖解析を進めていく。

(1) 解析に必要な試料の準備と調製を行う。特に 同一の試料にて各種解析を平行して行うために、

肝細胞株、初代培養肝細胞なども大量に培養し、

同一ロットによる試料を調製するなどした。

(2) 産総研保有の糖鎖遺伝子定量システム

(qRT-PCRアレイ)や次世代シーケンサを用い て、糖鎖遺伝子と、内在性レクチンを含む糖鎖 関連遺伝子に特化して発現解析し、HBV感染に 必要な糖鎖関連分子の発現とHBV感染に伴う 宿主細胞の変化を解明する。今年度は肝細胞株 での糖鎖遺伝子の発現をqPCRアレイにより解 析するとともに、次世代シーケンサによる解析 も行い、この両者の比較を行うなどした。

(3) 産総研独自のグライコプロテオミクス技術、

糖鎖構造解析技術により糖鎖プロファイリング を行う。具体的には、質量分析器(MS)による 糖鎖構造解析およびレクチンアレイによる高感 度糖鎖プロファイルを進め、宿主細胞の糖鎖発 現を解析する。また、種々の試料でプロテオー ム解析とグライコプロテオーム解析を行う。今 年度は肝細胞株の糖鎖構造をMSにより解析し た。また、同細胞株における(グライコ)プロ テオーム解析のデータを基にして、糖タンパク 質あるいはレクチン様タンパク質の発現の調査 を実施した。

(4) HBV感染と宿主肝細胞の糖鎖発現との関連 について解析を行う。ヒト肝臓化キメラマウス

(PXBマウス)より初代培養肝細胞を調製・培 養し、これに患者血清由来のHBVを感染させ、

その前後での糖鎖プロファイルの変化を解析し た。また同様に、キメラマウス由来肝細胞を経 時的(1週〜6週まで)に培養し、宿主肝細胞の 経時的な糖鎖糖鎖プロファイルの変化を解析し た。また、次世代シーケンサによる網羅的な遺 伝子発現解析を行い。糖鎖関連遺伝子の変動に ついて解析した。

(倫理面への配慮)

組換えDNA実験および動物実験を行う場合に は、カルタヘナ条約などの法令・規定を遵守し、

また、産業技術総合研究所ライフサイエンス実 験に関する倫理及び安全管理規程に従って実施 している。

動物を使用する実験については日本省庁の指針 や法律を遵守する。使用する動物個体数に関し ては、動物愛護のため、極力最少になるように 努めている。

ヒト由来試料の提供・使用に関しては、産業技 術総合研究所をはじめ、各機関で倫理審査を受 け、その承認のもとに行っている。また、文部 科学省・厚生労働省・経済産業省「ヒトゲノム・

課題2: 宿主細胞の糖鎖解析

遺伝子解析  超微量糖鎖遺伝子発

定量解析システム、 

次世代シーケンサー 

・糖鎖関連遺伝子 

・内在性レクチン様遺 伝子  感染可能細胞と不可能細胞との比較による解析 

Kaji, H. Nature Biotechnol. 2003 Ito H, Narimastu H. J Proteome Res. 2009 Ito, H Narimatsu H. Angew Chem Int Ed Engl. 2005 Ito, H Narimatsu H. Nature Methods. 2007 Narimatsu H. Anal Chem. 2005 Ito, H Narimatsu H. Methods Mol Biol. 2009 Kuno, A. Nature Methods 2005

HBV感染可能細胞 

HBV感染 不可能細胞 

HBV感染に関わる 宿主側糖タンパク質

の検索 

(グライコ)プロテオミクス解析

 

 

・宿主細胞表面レセプター    レクチン様分子の探索 

・宿主細胞の糖鎖構造と    HBV(HBs)との関連性 

 

糖鎖解析 宿主細胞側糖鎖

(MS)

(レクチンアレイ) 

   

基礎情報 として 

(3)

遺伝子解析研究に関する倫理指針(平成16年 文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1 号)」、遺伝医学関連10学会より提案された「遺 伝学的検査に関するガイドライン」、厚生労働 省・文部科学省「疫学研究に関する倫理指針」

を遵守して研究を行っている。

C. 研究結果

  本研究における結果については以下の通りで ある。今後は詳細な遺伝子解析やヒト肝化マウ スを使用した様々な条件下での解析を平行して 進めていく予定である。

(項目1) 肝臓細胞株、ならびにヒト肝化マウス 組織・細胞を対象とした糖鎖遺伝子の発現解析、

糖タンパク質の(グライコ)プロテオーム解析、

糖鎖構造解析を行うための試料調製を進め、一 部解析を行ってきた。始めに、ヒト肝臓細胞株 であるHuh7細胞とHepG2細胞などの試料を 採取し、実験毎に適した調製を行った。また、

市販のヒト肝臓細胞(初代培養)を培養し、同 様の解析をするための試料調製を行った。

(項目2) qRT−PCR(糖鎖遺伝子qRT-PCRアレ イシステム)による糖鎖遺伝子発現解析の結果、

肝細胞株2種(HuH7細胞、HepG2細胞)にお ける約190種類の糖鎖遺伝子の発現プロファイ ルを得た。それらの糖鎖遺伝子群を高発現(約 80遺伝子)と低発現あるいは発現無し(約100 遺伝子)の2群に分け、他課題(糖鎖改変のHBV の増殖・感染能への影響)の解析のための基礎 情報とした。HepG2およびHuH7のqRT-PCR アレイ解析の結果、感染可能である肝細胞と同 様な発現レベルの遺伝子もあれば、異なる遺伝 子もあり、糖鎖構造の結果同様細胞に依る差が 明らかになった。

また、HepG2およびHuH7のRNAとともに、

市販のヒト肝臓由来RNAあるいは培養したヒ ト肝臓細胞(初代培養)から抽出されたRNA よりそれぞれcDNAを合成し、これを用いて次

世代シーケンサによる遺伝子発現解析を行った

(図2)。

図2

糖鎖遺伝子と、内在性レクチンを含む糖鎖関連 遺伝子に特化して発現解析した。糖鎖遺伝子の 発現プロファイルの結果については、図3に示 した。

図3

次世代シーケンサから得られる遺伝子発現情報

(例:全体で約400万Read、そのうち240万 Readが約4.7万個の遺伝子にマップされる)は 非常に膨大なため、そのデータをそのまま使用 するのは非常に困難である。そこで、バイオイ ンフォマティクス技術により、従来我々が構築 してきた糖鎖遺伝子のデータベース(GGDB)

などのデータを有効利用し、これらデータベー スとの比較抽出などの作業によって糖鎖遺伝子 のみを抽出・解析を行った。

N orm al hum an liver  AFP 

ALB  AFP 

ALB 

HuH7  HepG2 

Comparison of gene expression between normal human liver cells and HCC cells, HuH7 (left) and HepG2 (right) 

h.#liver HuH7 HepG2 h.#liver HuH7 HepG2 h.#liver HuH7 HepG2 Glycosyltransferase expression in human liver cells and

hepatocellular carcinoma cell lines

(4)

前述のデータとの比較なども行ったが、次世代 シーケンサのデータと糖鎖遺伝子発現定量シス テム(リアルタイムqRT-PCR)のデータには基本 的に相関性があると思われ、課題4に向けて抽 出された糖鎖遺伝子プロファイルには問題無い ことを確認した。また、内在性レクチンについ ては宿主細胞におけるHBV受容体として機能 している可能性が考えられるため、同様に次世 代シーケンサの遺伝子発現情報から、内在性レ クチンの発現情報を抽出した。方法は糖鎖遺伝 子の時とほぼ同様に、従来我々が構築してきた 内在性レクチンのデータベースを有効利用し、

これらデータベースとの比較抽出などの作業に よって内在性のレクチン様ドメインを有するタ ンパク質(約240種類)のみを抽出し、解析を 行った。ここから得られた発現情報は課題3へ 利用された。

(項目3) 肝臓細胞株7種類について、膜画分や 可溶性画分を用いたプロテオーム解析とグライ コプロテオーム解析(IGOT解析)のデータを 保有していたことから、これを用いて内在性レ クチンの検索を行った。プロテオームのデータ では、平均して約2000〜3000種類のタンパク 質、グライコプロテオーム解析では平均して約

600〜850種類の糖ペプチドが登録されており、

これを検索した結果、候補レクチン様タンパク 質を見出し、これを他課題(HBV-宿主細胞にお ける糖鎖の役割)の基礎情報とした。これらの 一部の試料については既に糖鎖遺伝子解析

(qRT-PCR)、および質量分析による糖鎖構造 解析(N-結合型/ O-結合型糖鎖解析)を行った。

[質量分析装置を用いた糖鎖構造解析]

現在までに実施した、質量分析装置を用いた HepG2細胞およびHuH7細胞、初代肝細胞、

HBV粒子:SVP (subviral particles)の糖鎖構造 解析については以下の通りである。

平成24年度に2種類の細胞株(HepG2と HuH-7)、平成25年度に肝細胞(hNHeps)および HBV SVP試料について質量分析計を用いたN- 結合型およびO-結合型糖鎖構造解析を行った。

解析手順は以下の通りである。培養細胞(HepG2、

HuH-7、hNHeps)については、それぞれ細胞ペ レットから疎水性画分を抽出し、還元アルキル 化・透析・トリプシン消化を、SVP試料につい ては、還元アルキル化・エタノール沈殿・トリ プシン消化を行ったのち糖鎖の切り出しを行っ た。N-結合型糖鎖についてはエンドペプチダー ゼFにより酵素学的に、O-結合型糖鎖について は還元β脱離により化学的に処理し、N-とO- 結合型糖鎖の遊離を行った。次に、N-ならびに

O-結合型糖鎖は、MALDI測定の際のイオン化

の感度および安定性を向上させるため、完全メ チル化処理にてすべての水酸基ならびにカルボ ン酸をメチル化した(ただし、N-結合型糖鎖につ いては酵素にて切り出された糖鎖を還元し、糖 アルコールにしてから完全メチル化処理を行っ た)。得られたN-およびO-結合型糖鎖の完全メ チル化体は、MALDI-多段階タンデム型質量分 析計を用いてそれぞれの糖鎖構造についてシグ ナル強度にて比較解析を行い、それぞれの糖鎖 構造解析結果については図4にまとめた。横軸 は糖組成(Hexの数-HexNAcの数-Fucの数 -NeuAcの数の順)で記載し、縦軸はそれぞれの MS結果で最も強度のある糖鎖シグナル強度を 100%とした相対強度で表示した。行った2種類 の細胞株の結果では、N-結合型糖鎖については、

両細胞間の糖鎖構造は類似しており、ほとんど がハイマンノース型であった。一方、O-結合型 糖鎖については両細胞間で観測された糖鎖構造 のほとんどがシアリル化糖鎖であったが、その 相対量は図4 (HepG2:赤とHuH-7:青)に示し た通り異なる結果となった。

次に行った2種類の試料(図4  hNHeps:緑と SVP:紫)の結果では、hNHepsのN-結合型糖

(5)

鎖については、

んどがハイマンノース型であったのに対し、

SVPではほとんどがコンプレックス型という結 果であった。

かったSVP や5402) れた。O

HuH-7では糖鎖構造のバリエーションが

類と多かったのに対し、

SVPでは

ており、詳細な糖鎖構造についても HuH-7に比べ

4下段の

の構造に近い結果であった。

図4

(項目4) HBV

関連について解析を行った。ヒト肝臓化キメラ マウス(

製した。具体的には非感染ヒト肝臓キメラマウ スの肝臓をコラゲナーゼ潅

後に10cm dish cells)。これを

一枚)に、患者血清由来の 感染させ、その後

回収した(図

HBV非感染のものを同様に培養して、感染開始 時と感染後

用いて膜糖タンパク質を抽出して(図 鎖については、HepG2

んどがハイマンノース型であったのに対し、

ではほとんどがコンプレックス型という結 果であった。HepG2

SVPのおもな糖鎖構造 5402)についてhNHeps

O-結合型糖鎖については、

では糖鎖構造のバリエーションが 類と多かったのに対し、

では3種類と構造のバリエーションは減っ ており、詳細な糖鎖構造についても

に比べhNHeps

下段の1101)が主成分となっている点で の構造に近い結果であった。

4) HBV感染と宿主肝細胞の糖鎖発現との

関連について解析を行った。ヒト肝臓化キメラ マウス(PXBマウス)より初代培養肝細胞を調 製した。具体的には非感染ヒト肝臓キメラマウ スの肝臓をコラゲナーゼ潅

10cm dishにまいた(

)。これをDay0 一枚)に、患者血清由来の 感染させ、その後12

回収した(図5A)。陰性コントロールとしては 非感染のものを同様に培養して、感染開始 時と感染後12日目で回収した。それらの細胞を 用いて膜糖タンパク質を抽出して(図

HepG2やHuH

んどがハイマンノース型であったのに対し、

ではほとんどがコンプレックス型という結 HepG2やHuH-7

のおもな糖鎖構造(

hNHepsでは微量だが確認さ 結合型糖鎖については、

では糖鎖構造のバリエーションが 類と多かったのに対し、hNHeps

種類と構造のバリエーションは減っ ており、詳細な糖鎖構造についても

hNHepsではシアリル が主成分となっている点で の構造に近い結果であった。

感染と宿主肝細胞の糖鎖発現との 関連について解析を行った。ヒト肝臓化キメラ

マウス)より初代培養肝細胞を調 製した。具体的には非感染ヒト肝臓キメラマウ スの肝臓をコラゲナーゼ潅流して肝細胞を分離

にまいた(1枚につき約 Day0とした。これらの細胞(

一枚)に、患者血清由来のHBV (genotypeC) 12日間の培養を行ったのちに

)。陰性コントロールとしては 非感染のものを同様に培養して、感染開始

日目で回収した。それらの細胞を 用いて膜糖タンパク質を抽出して(図

HuH-7と同じくほと んどがハイマンノース型であったのに対し、

ではほとんどがコンプレックス型という結 7では観測されな

(図4上段の では微量だが確認さ 結合型糖鎖については、HepG2や では糖鎖構造のバリエーションが10

hNHepsでは5種類、

種類と構造のバリエーションは減っ ており、詳細な糖鎖構造についてもHepG2

ではシアリルT構造 が主成分となっている点でSVP

感染と宿主肝細胞の糖鎖発現との 関連について解析を行った。ヒト肝臓化キメラ

マウス)より初代培養肝細胞を調 製した。具体的には非感染ヒト肝臓キメラマウ

流して肝細胞を分離 枚につき約1×

とした。これらの細胞(

HBV (genotypeC) 日間の培養を行ったのちに

)。陰性コントロールとしては 非感染のものを同様に培養して、感染開始

日目で回収した。それらの細胞を 用いて膜糖タンパク質を抽出して(図5B)、同

と同じくほと んどがハイマンノース型であったのに対し、

ではほとんどがコンプレックス型という結 では観測されな 上段の5401 では微量だが確認さ

や 10種 種類、

種類と構造のバリエーションは減っ HepG2や

構造(図 SVP

感染と宿主肝細胞の糖鎖発現との 関連について解析を行った。ヒト肝臓化キメラ

マウス)より初代培養肝細胞を調 製した。具体的には非感染ヒト肝臓キメラマウ

流して肝細胞を分離

×10^7 とした。これらの細胞(dish

HBV (genotypeC)を 日間の培養を行ったのちに

)。陰性コントロールとしては 非感染のものを同様に培養して、感染開始

日目で回収した。それらの細胞を

)、同

量ずつレクチンアレイ解析に供した。

前後での糖鎖プロファイルの変化を解析した結 果

鎖プロファイリングが変化した、及び

感染によって大部分のシグナルが増加傾向にあ った、ことが明らかとなった。しかしながら、

感染の前後の比較では幾つかのレクチンシグナ ルは増減が認められたが、これらに大幅な変動 は見られなかった。

そこで、キメラマウス由来肝細胞を経時的(

週〜

な糖鎖糖鎖プロファイルの変化を解析すること とした。

大幅に落ちてくるという知見から、感染能の変 動に伴う(経時的

の変化が認められるのかについて解析を進めた。

非感染ヒト肝臓キメラマウスの肝臓をコラゲナ ーゼ潅流して肝細胞を分離後に

いた(

Day の

後までの培養を行い、その経過として

とにサンプルを回収した。陰性コントロールと しては

を同様に培養して回収した。それらの細胞を用 いて膜糖タンパク質を抽出して

#1

#2

#3

250 150

75 100

50 37 25 20 15 kD

10

B)

量ずつレクチンアレイ解析に供した。

前後での糖鎖プロファイルの変化を解析した結 果(図5C)、(1)

鎖プロファイリングが変化した、及び

感染によって大部分のシグナルが増加傾向にあ った、ことが明らかとなった。しかしながら、

感染の前後の比較では幾つかのレクチンシグナ ルは増減が認められたが、これらに大幅な変動 は見られなかった。

図5

そこで、キメラマウス由来肝細胞を経時的(

週〜6週まで)に培養し、宿主肝細胞の経時的 な糖鎖糖鎖プロファイルの変化を解析すること とした。2〜3

大幅に落ちてくるという知見から、感染能の変 動に伴う(経時的

の変化が認められるのかについて解析を進めた。

非感染ヒト肝臓キメラマウスの肝臓をコラゲナ ーゼ潅流して肝細胞を分離後に

いた(1 well

Day 0とした。これらの細胞に、患者血清由来

のHBV (genotypeC)

後までの培養を行い、その経過として

とにサンプルを回収した。陰性コントロールと してはHBV非感染のもの(

を同様に培養して回収した。それらの細胞を用 いて膜糖タンパク質を抽出して

1) 培養 0 日 500 ng 2) 培養 12 日 500 ng 3) 培養 12 日 HBV (+) 500 ng

250  150 

75  100 

50  37  25  20  15  kDa 

10  1 2  細胞膜   3 

) 

量ずつレクチンアレイ解析に供した。

前後での糖鎖プロファイルの変化を解析した結 1) 培養環境(経時的)の変化で糖 鎖プロファイリングが変化した、及び

感染によって大部分のシグナルが増加傾向にあ った、ことが明らかとなった。しかしながら、

感染の前後の比較では幾つかのレクチンシグナ ルは増減が認められたが、これらに大幅な変動 は見られなかった。

そこで、キメラマウス由来肝細胞を経時的(

週まで)に培養し、宿主肝細胞の経時的 な糖鎖糖鎖プロファイルの変化を解析すること

3週にかけて宿主細胞への感染能が 大幅に落ちてくるという知見から、感染能の変 動に伴う(経時的な)糖鎖発現のプロファイル の変化が認められるのかについて解析を進めた。

非感染ヒト肝臓キメラマウスの肝臓をコラゲナ ーゼ潅流して肝細胞を分離後に

wellにつき約5×

とした。これらの細胞に、患者血清由来 HBV (genotypeC)を感染させ、その後 後までの培養を行い、その経過として

とにサンプルを回収した。陰性コントロールと 非感染のもの(

を同様に培養して回収した。それらの細胞を用 いて膜糖タンパク質を抽出して

Day 0 HBV (-) 

Day 12 H 非感染キ 灌流・collag 5 days

A) 

C) 

量ずつレクチンアレイ解析に供した。

前後での糖鎖プロファイルの変化を解析した結 培養環境(経時的)の変化で糖 鎖プロファイリングが変化した、及び

感染によって大部分のシグナルが増加傾向にあ った、ことが明らかとなった。しかしながら、

感染の前後の比較では幾つかのレクチンシグナ ルは増減が認められたが、これらに大幅な変動

そこで、キメラマウス由来肝細胞を経時的(

週まで)に培養し、宿主肝細胞の経時的 な糖鎖糖鎖プロファイルの変化を解析すること

週にかけて宿主細胞への感染能が 大幅に落ちてくるという知見から、感染能の変

な)糖鎖発現のプロファイル の変化が認められるのかについて解析を進めた。

非感染ヒト肝臓キメラマウスの肝臓をコラゲナ ーゼ潅流して肝細胞を分離後に6 well

×10^5 cells

とした。これらの細胞に、患者血清由来 を感染させ、その後 後までの培養を行い、その経過として

とにサンプルを回収した。陰性コントロールと 非感染のもの(primary hepatocyte を同様に培養して回収した。それらの細胞を用 いて膜糖タンパク質を抽出してSDS

細胞膜分 (0.5 ug/mL)  Day 12

HBV (-)  Day 12 HBV (+)  キメラマウス肝臓  genase処 

量ずつレクチンアレイ解析に供した。HBV感染 前後での糖鎖プロファイルの変化を解析した結

培養環境(経時的)の変化で糖 鎖プロファイリングが変化した、及び(2) HBV 感染によって大部分のシグナルが増加傾向にあ った、ことが明らかとなった。しかしながら、

感染の前後の比較では幾つかのレクチンシグナ ルは増減が認められたが、これらに大幅な変動

そこで、キメラマウス由来肝細胞を経時的(1 週まで)に培養し、宿主肝細胞の経時的 な糖鎖糖鎖プロファイルの変化を解析すること

週にかけて宿主細胞への感染能が 大幅に落ちてくるという知見から、感染能の変

な)糖鎖発現のプロファイル の変化が認められるのかについて解析を進めた。

非感染ヒト肝臓キメラマウスの肝臓をコラゲナ well dishにま cells)。これを とした。これらの細胞に、患者血清由来 を感染させ、その後6週間 後までの培養を行い、その経過として1週間ご とにサンプルを回収した。陰性コントロールと primary hepatocyte を同様に培養して回収した。それらの細胞を用

SDS-PAGEお

: day 0  : day 12  : day 12 + HBV 

感染

(2) HBV

週にかけて宿主細胞への感染能が

の変化が認められるのかについて解析を進めた。

にま

週間

primary hepatocyte)

(6)

よび銀染色法にて解析するとともに(図 量ずつレクチンアレイ解析に供した。

SDS-PAGE

動に大きな差は特に認められなかった(一部の バンドには多少の変動は認められた)。

図6

HBV感染後の経時的な糖鎖プロファイルの変 化を解析した結果

変化で幾つかのレクチンによる糖鎖プロファイ リングが変化することが明らかとなった。

図7

また、経時的な感染細

の変化について、次世代シーケンサによる網羅 的な発現解析を行った。糖鎖遺伝子と、内在性 レクチンを含む糖鎖関連遺伝子に特化して発現 解析した結果、特に一部のレクチン(様)タン パク質の遺伝子において、発現プロファイルの 減少が認められるものが存在していた(図 よび銀染色法にて解析するとともに(図 量ずつレクチンアレイ解析に供した。

PAGEの結果では、タンパク質の発現の変 動に大きな差は特に認められなかった(一部の バンドには多少の変動は認められた)。

感染後の経時的な糖鎖プロファイルの変 化を解析した結果(図7)

変化で幾つかのレクチンによる糖鎖プロファイ リングが変化することが明らかとなった。

また、経時的な感染細

の変化について、次世代シーケンサによる網羅 的な発現解析を行った。糖鎖遺伝子と、内在性 レクチンを含む糖鎖関連遺伝子に特化して発現 解析した結果、特に一部のレクチン(様)タン パク質の遺伝子において、発現プロファイルの 減少が認められるものが存在していた(図 よび銀染色法にて解析するとともに(図 量ずつレクチンアレイ解析に供した。

の結果では、タンパク質の発現の変 動に大きな差は特に認められなかった(一部の バンドには多少の変動は認められた)。

感染後の経時的な糖鎖プロファイルの変 7)、培養環境(経時的)の 変化で幾つかのレクチンによる糖鎖プロファイ リングが変化することが明らかとなった。

また、経時的な感染細胞における遺伝子の発現 の変化について、次世代シーケンサによる網羅 的な発現解析を行った。糖鎖遺伝子と、内在性 レクチンを含む糖鎖関連遺伝子に特化して発現 解析した結果、特に一部のレクチン(様)タン パク質の遺伝子において、発現プロファイルの 減少が認められるものが存在していた(図 よび銀染色法にて解析するとともに(図6)、同 量ずつレクチンアレイ解析に供した。

の結果では、タンパク質の発現の変 動に大きな差は特に認められなかった(一部の バンドには多少の変動は認められた)。

感染後の経時的な糖鎖プロファイルの変

、培養環境(経時的)の 変化で幾つかのレクチンによる糖鎖プロファイ リングが変化することが明らかとなった。

胞における遺伝子の発現 の変化について、次世代シーケンサによる網羅 的な発現解析を行った。糖鎖遺伝子と、内在性 レクチンを含む糖鎖関連遺伝子に特化して発現 解析した結果、特に一部のレクチン(様)タン パク質の遺伝子において、発現プロファイルの 減少が認められるものが存在していた(図8

)、同

の結果では、タンパク質の発現の変 動に大きな差は特に認められなかった(一部の

感染後の経時的な糖鎖プロファイルの変

、培養環境(経時的)の 変化で幾つかのレクチンによる糖鎖プロファイ

胞における遺伝子の発現 の変化について、次世代シーケンサによる網羅 的な発現解析を行った。糖鎖遺伝子と、内在性 レクチンを含む糖鎖関連遺伝子に特化して発現 解析した結果、特に一部のレクチン(様)タン パク質の遺伝子において、発現プロファイルの 8)。

図8

また、

の減少が認められるほか、レクチン(様)タン パク質の遺伝子においても、同様に

後から発現プロファイルの減少が認められるも のが幾つか存在していた(図

図9

D. 考察

  現在までに、基本的な情報を取得するための 下地が整い、肝細胞および培養細胞株の遺伝子 発現や糖鎖構造、内在性レクチン様ドメイン含 有タンパク質などの情報が得られている。宿主 細胞との関連を見るために、一部

とも関連)なども糖鎖構造解析を行っている。

また、感染前後あるいは経時的な宿主細胞の変 化などにおいて、糖鎖の発現プロファイルの変 化を解析した結果、

時的な糖鎖発現の変化との関連性が認められた。

さらに多くの糖鎖関連遺伝子・内在性レクチン

(様)遺伝子の発現の変化(特に

0.0 20000.0 40000.0 60000.0 80000.0 100000.0 120000.0

0 100 200 300 400 500 600 700 800

RPKM

また、NTCPでも

の減少が認められるほか、レクチン(様)タン パク質の遺伝子においても、同様に

後から発現プロファイルの減少が認められるも のが幾つか存在していた(図

考察

現在までに、基本的な情報を取得するための 下地が整い、肝細胞および培養細胞株の遺伝子 発現や糖鎖構造、内在性レクチン様ドメイン含 有タンパク質などの情報が得られている。宿主 細胞との関連を見るために、一部

とも関連)なども糖鎖構造解析を行っている。

また、感染前後あるいは経時的な宿主細胞の変 化などにおいて、糖鎖の発現プロファイルの変 化を解析した結果、

時的な糖鎖発現の変化との関連性が認められた。

さらに多くの糖鎖関連遺伝子・内在性レクチン

(様)遺伝子の発現の変化(特に

00#

00#

00#

00#

00#

00#

00#

D ay$7$

0"

0"

0"

0"

0"

0"

0"

0"

0"

NTCP ASGR1 Gene1

でも3週間経過後から遺伝子発現 の減少が認められるほか、レクチン(様)タン パク質の遺伝子においても、同様に

後から発現プロファイルの減少が認められるも のが幾つか存在していた(図

現在までに、基本的な情報を取得するための 下地が整い、肝細胞および培養細胞株の遺伝子 発現や糖鎖構造、内在性レクチン様ドメイン含 有タンパク質などの情報が得られている。宿主 細胞との関連を見るために、一部

とも関連)なども糖鎖構造解析を行っている。

また、感染前後あるいは経時的な宿主細胞の変 化などにおいて、糖鎖の発現プロファイルの変 化を解析した結果、HBV感染と宿主細胞側の経 時的な糖鎖発現の変化との関連性が認められた。

さらに多くの糖鎖関連遺伝子・内在性レクチン

(様)遺伝子の発現の変化(特に

W eek$3$

qRT-PCR

ASGR2 LGALS1

Lectin genes

Gene2 Gene3

週間経過後から遺伝子発現 の減少が認められるほか、レクチン(様)タン パク質の遺伝子においても、同様に3週間経過 後から発現プロファイルの減少が認められるも のが幾つか存在していた(図9)。

現在までに、基本的な情報を取得するための 下地が整い、肝細胞および培養細胞株の遺伝子 発現や糖鎖構造、内在性レクチン様ドメイン含 有タンパク質などの情報が得られている。宿主 細胞との関連を見るために、一部SVP(課題 とも関連)なども糖鎖構造解析を行っている。

また、感染前後あるいは経時的な宿主細胞の変 化などにおいて、糖鎖の発現プロファイルの変 感染と宿主細胞側の経 時的な糖鎖発現の変化との関連性が認められた。

さらに多くの糖鎖関連遺伝子・内在性レクチン

(様)遺伝子の発現の変化(特に経時的な遺伝

W eek$5$

LGALS4 LMAN2 L

genes

Gene4 Gene5 G

週間経過後から遺伝子発現 の減少が認められるほか、レクチン(様)タン 週間経過 後から発現プロファイルの減少が認められるも

現在までに、基本的な情報を取得するための 下地が整い、肝細胞および培養細胞株の遺伝子 発現や糖鎖構造、内在性レクチン様ドメイン含 有タンパク質などの情報が得られている。宿主

(課題1 とも関連)なども糖鎖構造解析を行っている。

また、感染前後あるいは経時的な宿主細胞の変 化などにおいて、糖鎖の発現プロファイルの変 感染と宿主細胞側の経 時的な糖鎖発現の変化との関連性が認められた。

さらに多くの糖鎖関連遺伝子・内在性レクチン 経時的な遺伝

hSLC10A1$

hASG R1$

hASG R2$

Gene#1#

Gene#2#

Gene#3

LRP10

1W # 3W #

Gene6

(7)

子発現の減少)が明らかとなった。

また、本研究で得られる宿主細胞における糖鎖 遺伝子/糖鎖関連遺伝子の発現解析の結果は、他 課題(課題1や課題3:HBV-宿主細胞における 糖鎖の役割、課題4:糖鎖改変のHBVの増殖・

感染能への影響)研究の基礎知見となると考え られる。今後、上記の観察された糖鎖変化が機 能的にどのようにHBV感染と関連するのかに ついて、課題3あるいは課題4と連携して解析 を進めていく予定である。

E. 結論

  肝臓細胞株における遺伝子解析、糖鎖構造解 析(糖鎖プロファイル解析)、ならびにグライコ プロテオーム解析データを利用したレセプター 候補探索などを行った。また、感染前後および 経過とともに、宿主細胞の糖鎖構造(糖鎖プロ ファイル)が変化していることが観察された。

基本的な糖鎖の構造情報、糖鎖関連遺伝子の発 現情報および細胞表面タンパク質の発現情報な どを得ることが出来た。これらの知見を基に、

統合的にHBV感染の糖鎖合成への影響を捉え ていきたいと考えている。

F. 健康危険情報

  特記すべき情報なし。

G. 研究発表 1. 論文発表

  特記すべき情報なし。

2. 学会発表

1) Togayachi A, Ocho M, Kaji H, Kuno A, Iio E, Sogabe M, Tanaka Y, Ikehara Y, Mizokami M, Narimatsu H. Glycoproteomic Discovery of Serological Biomarker for Hepatitis Virus Infection-associated Chronic Liver Disease. 2014 TASL-Japan Hepatitis B Workshop (Second).

Taipei (Academia Sinica), 19-20 Apr. 2014.

2) Angata K, Ito K, Togayachi A, Sato T, Ito H, Ocho M, Yoneda M, Narimatsu H. Glycosylation of HBsAg and Its Role in Secretion Pathway. 2014 TASL-Japan Hepatitis B Workshop (Second).

Taipei (Academia Sinica), 19-20 Apr. 2014.

H. 知的財産権の出願・登録状況(予定を含む。) 1. 特許取得

  B型肝炎ウイルス分泌阻害剤     出願:1件(特願2015-83726)

2. 実用新案登録   該当事項なし。

3. その他

  該当事項なし。

参照

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