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フラクタル次元分析による景観評価法の実効性

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Academic year: 2022

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(1)IV‑057. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). フラクタル次元分析による景観評価法の実効性 国土交通省. 正会員. 井出. 康郎. ㈱ジオスケープ. 正会員. 須田. 清隆. 北海道開発土木研究所. 正会員. 井上. 勝伸. ㈱ジオスケープ. 正会員. 本田. 陽一. 1.目的 筆者らはこれまでに景観画像のフラクタル次元分布を解析することにより景観的特性量の抽出を試み、象徴 感や調和感との関連や、都市部や山間部といった地域的景観特性との関係について検討してきた。ここでは、 これまでの結果を踏まえ、アンケートにより得られる感性情報とフラクタル次元分布との相関からフラクタル 次元による景観分析の有効性評価を試みた。 2.方法 (1)景観特性調査 北海道内のダムや橋梁等の5つの構造物を対象として、それらの構造物を近景および遠景として眺望できる 10 地点からの撮影画像を利用した。まず、景観を構成する要素と感性情報との関係を調べるために、現地に て撮影した 10 視点の画像についてそれぞれ、構造物の形態、構造物質感、防護策等の付帯施設、前景、背景 等といった景観要素をフォトモンタージュにより変更し、合計 90 枚の画像を作成した。これら画像ごとに東 京在住の 30 名を対象に、調和感・違和感・好感・嫌悪感・美しさ・醜さ・自然的・人工的・機能的・象徴的・ 安心感・安定感の 12 項目について、5 段階評価でアンケートを実施した。 (2)フラクタル次元解析 フラクタル次元には多くの定義があるが、ここでは濃淡分布を扱うことができ、 図形の通常の次元とも一致する、一般次元の定義(式(1))を用いた。 N. log iΣ pi =1 1 Dq = rlim →0 q –1 log r. log. q. N. Σ. i=1. pi q. ……式(1). ここで、Dq は一般次元、r は被覆領域サイズ、q は確率次数モーメント、p は確率、. Nは被覆領域の数である。ここでは q=2とした。画像中の一部分づつ計算領域を. log r. 図1 Dq の推定. 切り出し、輝度値を 0〜1に正規化して確率 p にあてはめた。この時、輝度値をそのまま用いれば地が黒で、 図が白の図形を考えることになる。また輝度値を逆転させれば白地に黒い図となる。被覆領域 r はこの切り出 した計算領域内において 1 画素を最小とし、平均操作により 2 倍ずつ拡大していく。これにより式(1)の分子 と分母の勾配を最小2乗法により推定し、Dq を求める(図 1 参照)。画像サイズは 1024×702 画素であり、 今回示す結果は計算領域を 64×64 画素としたものである。 3.結果 アンケートの結果を画像毎に平均し、因子分析を行った。得られた因子負荷量のプロット図を図 2 に示す。 調和感・違和感・好感・嫌悪感・美しさ・醜さが第1因子となり、機能的・象徴的は第2因子、自然的・人工 的・安心感・安定感は中間的な傾向となった。 次に、フラクタル次元解析の結果を示す。図 4 は第1因子で調和感・好感・美しさの得点が高い画像(A,B) と違和感・嫌悪感・醜さの得点が高い画像(C,D,E)を選び、フラクタル次元分布とそのヒストグラムを示した ものである。 今回解析の対象とした画像では、景観的評価の高い画像(第1因子得点が大きい)においてヒストグラムの 分布範囲が比較的まとまっており、また、輝度値を反転させた場合にもヒストグラム分布が大きく異ならない 傾向がみられた。また、周辺と大きく異なるフラクタル次元を持つ部分はいわゆる目立つ部分となり、景観的 キーワード. 感性評価,景観評価,フラクタル次元. 連絡先. 〒107‑0061. 東京都港区北青山 2‑5‑8. (株)ジオスケープ. ‑113‑. TEL03‑5410‑2366.

(2) IV‑057. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 3. 機能的. 1.0. 安定感. 人工的. 2. 象徴的. 安心感. .5. 美しさ. 嫌悪感. 0.0. 第2因子. 1. 違和感. 因子 2. 調和感 好感. 醜さ. -3. C. 自然的. -.5. E -2. D. B. 0. -1. 0. 1. 2. 3. -1. A -2. -1.0 -1.0. -.5. 0.0. .5. -3 第1因子. 1.0. 因子 1. 図2. 因子負荷量のプロット 画像. 図3 白:図. 因子得点分布. 黒:図. ヒストグラム 18. 白(0) 黒(0). 16. 度数(%). 14. A. 12 10 8 6 4 2 0 1 .7. 18 14. 度数 (%). 2 .0. 白(0) 黒(0). 16. B. 1.8 フラ クタル次元 1.9. 12 10 8 6 4 2 0 1 .7. 18 14. 度数(%). 2 .0. 白(0) 黒(0). 16. C. 1.8 フラ クタル次元 1.9. 12 10 8 6 4 2 0 1 .7. 18 14. 度数(%). 2 .0. 白(0) 黒(0). 16. D. 1.8 フラ クタル次元 1.9. 12 10 8 6 4 2 0 1 .7. 18 14. 度数(%). 2 .0. 白(0) 黒(0). 16. E. 1.8 フラ クタル次元 1.9. 12 10 8 6 4 2 0 1 .7. 1.8 フラ クタル次元 1.9. 2 .0. フラクタル次元凡例:. 図4. フラクタル次元分布およびその度数分布. 評価が低くなる傾向にあった。したがって、フラクタル次元分布を景観評価の指標のひとつとして構造物の形 状、質感等の景観要素を変更することにより印象度の向上を図る設計手法として活用の可能性がある。なお、 手摺の変更などごく一部分の要素が全体の印象度に影響を与える場合には、その部分の画像全体に占める割合 が小さいためにヒストグラムへの影響も小さく、ヒストグラム分布を指標とする場合には注意が必要である。 4.今後の課題 今後は、定量性の確保による信頼性の向上、他の指標との関連性確認および組み合わせ等を行うことにより 実効性を高め、設計問題への展開を図って生きたい。 参考文献. 1)須田ら:ダム空間の景観デザインについて、ダム工学、第 7 巻 4 号、p.217-224、1997 2)井上ら:フラクタルを用いた耐候性鋼材橋梁の景観評価手法に関する一検討、第 56 回年講. ‑114‑.

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