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都市景観シミュレーションと景観評価に関する研究

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

都市景観シミュレーションと景観評価に関する研究

有馬, 隆文

https://doi.org/10.11501/3120511

出版情報:Kyushu University, 1996, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

第4章 景観モンタージュ画像を用いた注視実験による景観評価

(3)

第4章 景観モンタージュ画像を用いた注視実験による景観評価

4 - 1 . はじめに

2章では、 景観画像により、 景観を評価する上での客観的な物理指標を提案してき た。 人間は画像を見るときに、 果たしてどの景観要素を知覚し評価するのか、 明らか でない。 画面上での人の視線の動きを明らかにする必要がある。 困難な課題である が、 画像上での目の動きが明確にならない限り、 景観画像に対する人間の心理的評価 は不十分である1)2) 3)。

本章では、 景観の構図や景観の構成要素の変化に伴って、 人聞が景観を認識する行 為、 すなわち人間の注視行為とその評価はどのように変化するのかを評価する実験手 法を提案する。

実験手法としては、 まず景観要素の変化を表現する手段として、 画像モンタージュ の手法を応用した。 画像モンタージュとは、 実写の画像に操作をおこない、 擬似的な

景観画像を作成することである。 そして、 景観構成要素である樹木、 看板の視覚的な 量、 路面の舗装を操作して、 疑似景観画像を作成した。

ついで景観に対する注視行為の特性を把握するために、 アイマークレコーダー(以 下EMRと略す)を使用した 。 本装置は、 超小型ビデオカメラにより眼球の瞳孔位置 の変位量を計測し、 視点の位置とその軌跡、 注視時間などの注視行為の特性を数値 データとして検出できる。 このEMRを装着した被験者に、 画像モンタージュを施し た景観画像を提示し注視実験をおこなった。 また、 それと同時にモンタージュ画像に 対する全体印象の評価を形容詞対の7段階評価により調査した4)5)D

既往の研究として、 アイマークレコーダーを用いた論文をレヴューすると、 森保に よる「広島基町高層住宅棟型ファサードモデル形態の視知覚的把握の被験者別特性に ついてJ 6)、 村川らによる「河川景観の画像特徴量と被験者注視点の関連J 7)が挙げら れる。 両者とも、 視対象となる集合住宅のファサードや河川景観の画像を被験者に呈 示して、 画像の特徴および被験者の注視行為と評価の関連を把握している。 またモン タージュの技術を応用し、 景観の評価実験を行った事例として、 川上らによる「景観 シミュレーションシステムを用いた眺望景観の評価法J 8)が挙げられる。

本章の構成は、 2節で実験の方法を述べ、 3節では既往の実験上での改善点を示

し、 4節で得られた実験結果の考察を述べ、 5節で本章をまとめている。

(4)

4 - 2. 実験の方法 以下に実験方法を示す。

ストリートフアニチャーを操作し、 それによる 評価分析の フローを図4 - 1に示 す。 まず画像モンタージュの手法により現状の景観画像にストリートフアニチャーの 付加 ・ 削除を行い疑似景観画像を作成する。 その操作対象は、 街路樹、 看板、 路面の 舗装であり、 これらの画像に占める割合、 テクスチャーなどを変化させた。

次に現状の景観画像と6種のモンタージュ画像を用いて、 EìvI Rによる注視実験と 形容詞対の7段階評価による実験を行い、 それらの結果から考察をおこなう。

( 1 )モンタージュ画像の作成

まず大分市中心市街地で撮影して きた スライドを画像データとしてコンビュータの ディスクに入力し、 次に画像処理機(Graphica/M508)を使って景観要素を付加 ・ 削除 することにより景観操作を行い、 そして出来上がったモンタージュ画像をモニターに

写し出し、 それを再びスライドに 撮影した。

その操作としては、 「樹木Jでは画面全体に対する見かけの面積(緑視率)を0

%、 5%、 200/0、 300/0 に、 「看板Jでは同じく見かけの面積(看板率)をo 0/0、 5

%、 10%にシミュレートし、 また「道路 舗装」についてはアスフアルト舗装 と石畳の 2種類を作成した。 実験スライドの操作概要を表4 - 1に、 スライド画像を図4 - 2

~図4 - 8に示す。 なお景観要素の画像上にお ける面積は、 デジタルプラニメータを 用いて3回計測しその平均値とした。

( 2 )アイマークレコーダー ( E M R)による注視実験について

前述した景観モンタージュ画像を使用 し、 EìvI Rを装着した被験者 に提示して、 注 視実験をおこなう。 EMRは、 被験者の視点位置、 その軌跡、 視点の注視時間の計測 が可能であり、 人間の視覚行為を定量的に分析することができる。

提示したモンタージュ画像のスライドはランダムに)1慎序を入れ換え、 ダミースライ

ドを混入して実験した。 これは景観モンタージュ スライドの変化が段階的に並ぶと それに従い評価も段階的に変化し被験者が変化を予測したよう な結果になってしまう のではないかと判断した ため である。 スライドの 提示方 法は、 図4 - 9に示すよう に、 被験者の眼前90cmの位置に透過スクリーンを吊るし、 その裏側からプロジェク

(5)

ターで投影する方法をとった。 各スライドの提示時間は30秒間であり、 そのときの注 視画像をビデオ、 視点位置等の座標データをコンピュータのディスクに格納した。

被験者は大分大学工学部建設工学科学生10名(男子7名、 女子3名)である。 また 実験は暗室でおこない、 被験者にはスクリーンの投影画像しか目に入らないように考

慮、している。

( 3 )形容詞対7段階評価による景観評価実験について

EMRによる実験に引き続いて、 同じ被験者による景観評価実験をおこなった。 ス ライド提示の順番はEMR実験と同じ順番である。 形容詞対の評価は7段階でおこな い12の形容詞対に対して回答してもらった。 実験に使用した形容詞対を表4-2に示 している。 なお、 各スライドを評価する時間は特に制限していない。

4-3 実験手法の改善

本研究で特に工夫した点は、 EMRデータの集計方法である。

注視回数の分布を集計するため、 まずスライド画像をメッシュに分割し、 景観要素 番号をつけた。 メッシュの分割数は縦横30x 30である。 1つのメッシュに2つ以上の 要素が存在する場合は、 メッシュ内で最大の面積を占める景観要素を選出している。

この作業を各スライドごとに行い、 データとしてコンビュータに入力し、 E NI Rデー タの集計に使用した。 この「画像メッシュデータ」及び景観要素番号の索引の例を図 4 -10に示す。

この画像メッシュデータを利用して、 注視回数及び注視点の分布を集計するプログ ラムを新たに作成した。 これはナック社のíENIR-V データ解析ソフト」から得 られる注視点のデータと画像メッシュデータを対応させ、 注視される景観要素とその 回数及びその分布を集計するものである。 これにより画面上での注視点が座標として

明示され、 視線の動きが分析可能となった。 注視点とスライドごとの注視回数を集計 したメッシュデータを出力した例を図4 - 11に示す。 また各要素ごとの注視回数の合 計とその割合を集計し、 まとめたものが表4-3'"'-'表4 - 5である。

(6)

4 -

4. 分析結果

( 1 )構図と注視との関係

まず提示した画像の構図と被験者の注視行為の関連を明らかにするため、 各注視回 数の画像メッシュデータを集計し、 合計注視回数のメッシュデータを作成した。 図4

- 12はその結果である。 図をみるとメッシュの左に注視回数の偏りが見られ、 街路の 奥行き方向に注視点が集中している。 また、 視点に近い路面や建物の上層部などの見 下げ、 見上げを必要とする注視点は、 ほとんど注視されていないことが伺える。 この

ことから、 注視行為はスライドの構図が大きく影響しているといえる。

( 2 )視対象の変化と注視との関係

表4 - 3の樹木の注視回数に着目すると、 樹木の割合が増加するに従い、 その注視 回数も増加しており、 樹木の画像に占める割合と注視回数の割合を比較すると、 注視 回数の害IJ合が非常に高いことが伺える。 看板の視覚的量ど注視回数について表4 - 4 をみると、 看板率100/0の注視回数が最も大きいことが伺えるが、 看板率5 0/0と看板率

1 0 0/0の注視回数の割合にはほとんど差がなく、 視覚的な看板の量の変化と注視回数

の変化に は顕著な関係はみられない。 表4 - 5の道路舗装に関しては、 変化させた

「路面Jの注視回数に変化がなく、 建物、 看板への注視が多いことが伺える。

( 3 )視対象の変化と心理評価

次に、 形容詞対7段階評価による結果を集計し、 各形容詞ごとに評価者全体の平均 を算出した。 これをグラフに示したものが図4 -13'"'-'図4 -15である。

図4 -13の樹木を操作した場合、 樹木の割合が増加するにつれて、 評価も「単純な

→変化にとんだJ í静的→動的J í印象的でない→印象的Jへと変化した。 しかし、

その他のほとんどの形容詞対において、 樹木の割合がo "-' 2 0 0/0までは樹木が増加する につれて評価も良くなる傾向にあるが、 300/0になると多くの形容詞対の項目で評価が 低下している。 図4 -14の看板量の変化にともなう評価の変化をみると、 各モンター ジュ画像における評価の差が大きい形容詞対 は「整然とした-雑然としたJ í変化に とんだ-単調なJ í動的な-静的な」の3対であった。 そ して総合評価を示すを思わ れる「好ましい一好ましくなしリ では看板率5 0/0の場合が最も良い評価を受けている ことがわかる。 道路舗装に関しては、 石畳の路面のほうがアスフアルトより良い印象

(7)

を被験者に与えていることが分かる。 差が現れていない形容詞は「動的な-静的な」

だけであった。

( 4 )まとめ

注視実験手法の改善により、 景観画像における注視点の分布を詳細に把握すること ができた。 つまり見通すことができる道路景観の構図では、 その奥に向かつて視線が

集中していくことが明らかになった。

さらに、 代替案の景観画像を被験者に提示し、 その画面上の構図の中の注視回数と 被験者に対する心理評価から、 望ましい代替案の要素とその規模を把握することがで きた。

4 - 5. 第4章のまとめ

本章では、 景観の構成要素の変化に伴って、 人間の注視行為とその評価はどのよう に変化するのか、 画像モンタージュを用い、 これをアイマークレコーダーを使用し注 視実験をおこない、 その関連を明らかにした。 結果をまとめると以下のとおりであ る。

( 1 )注視回数の分布をみると、 街路の状態(モンタージュの状態)に左右されるこ

となく、 街路の奥行き方向に集中が見られることから、 注視行為は景観画像の構図に 大きく影響を受けていることが明らかになった。

( 2 )画像操作による緑視率、 看板率と注視回数の関係をみると、 緑視率が増加する

と注視回数も増加したが、 看板率では注視回数との相関は見られない。 したがって、

景観要素の量と注視回数の関係性は薄い。

( 3 )樹木の視覚的な変化による評価の変化は大きく、 良好な街路環境を形成する上

で、 樹木は重要な景観要素である。

( 4 )景観の総合的評価である形容詞対の「好ましい一好ましくなしリをみると、 街

路景観の評価は、 その景観要素の視覚的な量と関係が深いと言える。

(8)

参考文献

1 )和田陽平、 大山王、 今井省吾、 「感覚・知覚ノ\ンドブックJ、 誠信書房、 1969 2)篠原修、 「土木学会編 新体系土木工学59 土木景観計画」、 技法堂出版、 1982 3) Gibson, J.J, "The Perception ofthe Visual World", Riverside Press, 1950

4)村川三郎, 西名大作, 村田浩之, í河川景観画像の呈示方法による被験者評価実験の比較一一

コンピュータ画像処理による河川景観評価に関する研究その1 一一J , 日本建築学会計画系論文報 告集, No.426, pp.45・55, 1991

5)稲見成能, 三村翰弘, í景観とその評価に関する研究(その2)一一景観要素の面積と評価へ の影響力に関する実験的研究一一J , 日本建築学会大会学術講演梗概集F, pp.239・240, 1994

6 )森保洋之 , í広島基町高層住宅棟型ファサードモデル形態の視知 覚的把握の 被験 者別特性についてJ , 日本建築学会計画系論文報告集, No.425, pp.55・65, 1991

7 ) 村 川三郎 , 西名 大 作, 植木雅浩, í 河 川 景 観の 画 像特徴量と 被験 者 注 視点の関 連J , 日本建築学会計画系論文集, No.479, pp.55・65, 1996

8 )川上光彦, 竹田恵子, 後藤孝臣, í 景 観 シ ミュレーシ ョ ン シ ス テ ムを 用 い た眺望 景観の評 価法J , 日本建築学会大会学術講演梗概集F, pp.137・l38, 1991

9)石田稔浩, 佐藤誠治, 有馬隆文, í都市景観シミュレーション画像の注視実験による都市景観 の評価に関する研究J , 日本建築学会第15回情報システム利用技術シンポジウム論文集, pp.197・20 2, 1992

10)手島勝, 佐藤誠治, 有馬隆文, í画像処理機を用いた容積率操作による都市景観評価に関する 研究J , 日本建築学会第15回情報システム利用技術シンポジウム論文集, pp.203・208, 1992

(9)

景 観 画 像

画像モンタージュ

・街路樹を付加

(樹木が画像に占める割合0%,

.看板を付加

(看板が画像が占める割合0%,

.路面のテクスチャーを変更

(アスフアルト, 石畳) 疑 似 景 観画 像

ー-疑似景観画像の作成 -ー-1

5 010, 20%, 30010) 5010, 10%)

図4-1 ストリートファニチャー操作による景観評価分析のフロー

(10)

図4-2 実験スライドNO.l 図4-3 実験スライドNO.2

図4-4 実験スライドNO.3 図4-5 実験スライドNO.4

(11)

図4-6 実験スライドNo.5

図4-8 実験スライドNo. 7

(12)

固定台

スライド投影機 90cm

図4-9 実験装置

(13)

7 7 7 7 7 7 7

7 7 7 7 7 7 7

7 7 7 7 7 7 7

7 7 7 7 7 7 7

7 7 7 7 7 7 7

7 7 7 7 7 7 7

7 7 7 7 7 7 7

7 7 7 7 7 7 7

7 7 7 7 7 7 2

7 7 7 7 7 7 2

7 7 7 7 7 7 2

4 7 7 7 7 7 2

4 7 7 7 7 2 2

4 8 8 7 7 2 2

4 8 7 2 2 4 2

4 8 7 2 2 4 2

4 2 4 2

2 4 2

7 4

5 5

5 5

5 5

5 5 5

5 5 5

5 5 5 5 5

5 5 5 5 5

5 5 5 5 5

5 5 5 5 5

7 7 7 7 7 7 7 7 2 2 2 2 2 2 2

7 7 7 7 7 7 7 2 2 2 2 2 2 2 2

7 7 7 7 7 7 7 2 2 2 2 2 2 2 2

7 7 7 7 7 7 2 2 2 2 2 2 2 2 2

7 7 7 7 4 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2

7 7 7 7 4 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2

2 7 7 2 4 2 2 2 2 2 2 2 4 2 2

2 2 2 2 4 2 2 2 2 2 2 2 4 2 2

2 2 2 2 4 2 2 2 2 2 2 2 4 2 2

2 2 2 2 4 2 2 2 2 2 2 2 4 2 2

2 2 2 2 4 2 2 2 2 2 2 2 4 2 3

2 4 2 2 4 2 2 2 2 2 2 2 4 2 2

4 4 2 2 4 2 2 2 2 2 2 2 2 2

4 4 2 2 4 2 2 2 2 2 2 2 2 2

4 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2

2 2 2 2 2 2 2 2 2 2

4 2 4 2 2 2

4 2 2

3

3 6

3 5 5 6

5 5 5 5 5 5 6 5 5

5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5

5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5

5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5

5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5

5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5

5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5

5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5

1 :樹木 3 :人物

4 :看板

2 :建築物

5 :路面 6 :車・ バイク

7 :空 8 :その他

図4一10 画像メッシュデータ例 (実験スライドNo.3)

2 2 2 2 2 2 2 2

2 2 2 2 2 2 2 2

2 2 2 2 2 2 2 2

2 2 2 2 2 2 2 2

2 2 2 2 2 2 2 2

2 2 2 2 2 2 2 2

2 2 2 2 2 2 2 2

2 2 2 2 2 2 2 2

2 2 2 2 2 2 4 4

2 2 2 2 4 4 4 4

4 4 4 4 4 4 4 2

4 4 4 4 2 2 2 2

2 2 2 2 2 2

2 2 2 4 4 4

2 2 2 4 4 4

2 2 2 2

2 2 2 2

2 2 2

2

3 3

3 3 3

3 3 3 6 6 6

3 3 3 6 6 6 6

3 3 3 6 6 6 6

3 3 3 3 6 6 6 6

3 3 3 3 6 6 6 6

5 3 3 3 6 6 6 6

5 5 5 5 5 5 5 5

5 5 5 5 5 5 5 5

5 5 5 5 5 5 5 5

(14)

2

41qvTB 円ノιハノ』111』

内ノ』41噌14l

2 2

2

3 2 2 4 11内正?』円ノ』qu'' 2

内dFhunt

A『41つι101,n,ι

414lquel『M41

2

2 2

qU4lnノ』

-a1e円dphu 2

2 2

4i司Lqu内LP34la斗

2 T,内Jι1'n4U

41nJι41内正

4

1243141111

A『勺ι司un41l内4

内ノ』門ζ11内ノιqu唱115

内4凋斗TIt--lqunJι

2 2

注視分布メッシュ例 図4 -11

(15)

ハUハu nununuハUハυハunu--11内正訓斗1,11司411RU司vqJV司LnU1EハUハυハUハUハUハUハU ハUハuハuハununuハuハUqunuqV11hbっιnun4UA『内LRU司Lつ叫1・・nuハυハununu--ハUハV

ハununvハυハυハUハvt,内ノ』nJιλ『qu

nvハununvnunuハunυnU1'qu民叫

nununununununuハU4lnノ』凋斗

000000000635-00 - 内4内正 田 000000000023文43 - 2 5 丁I z -- - nノ』円ζ

ハunuハuハUハunuハununununuにd

-

qunu

:

円UnunununU内unununU内Ununv1,円LRM

3 9以下

口注視回数3

0以上、

口注視回数1

0以上、

注視回数4

0以上

口注視回数2

0以上、

2

9以下 1 9以下 注視点分布図

図4 -12

(16)

評価の平均値

-3 -2 2 3

士山内斗;11

。樹木5%g樹木0%

変化叫んだ 単純な

可rJ今?

会樹木20%日樹木30%

洗練されたーやぼったい 潤いのある-潤いのない 明るい一日音い 動的な-静的な 美しい-醜い 快い-快くない

印象的一時的でない

... . ... ....�..

,� イ \

..

. . m(

C( � , 、 、

落ち着く-落ち着かないト…ー…�

••••••• •••••• ;...tf( ... ì-u] .

.g'...;

•.•....••

...�

好ましい一好ましくないトーー

図4 -13 評価平均グラフ(樹木)

評価の平均値 -3

整然としたー雑然とした

のびのびした-窮屈な 変化にとんだ-単純な 洗練されたーやぼったい

-2

-si

0 1 2 3

.>..0.

包看板率0%

。看板率5%

会看板率10%

明るい-暗い

一一一一 二一

一712

-.

.�

潤いのある-潤いのない

i正〉

美しい-醜い

似 臥/ • 1111

動的な一静的な

快い-快くない 印象的-印象的でない 落ち着く-落ち着かない 好ましい一好ましくない

/ yF

\ \

図4 -14評価平均グラフ(看板)

fo 門/

(17)

qu -2 評価の平均値

-1 0 1 2 3

明るい-暗い 整然とした-雑然とした のびのびした-窮屈な

図アスファノレト

。石畳

変化にとんだ-単純な 洗練されたーやぼったい 潤いのある-潤いのない

動的な-静的な 美しい-醜い 快し、-快くない

印象的-印象的でない 落ち着く-落ち着かない 好ましい一好ましくない

図4 -15評価平均グラク(道路舗装)

(18)

表4-1 スライド操作状況

スライド番号 樹木 看板 路面テクスチャー

1 2

3 4 5 6 7

0% 5%

5010 5%

20% 5%

アスフアノレト

30% 5%

0% 0010

0% 10010

0% 5%

表4-2 形容詞対一覧

整然とした 一一 雑然とした のびのびした 一一 窮屈な 変化にとんだ一一単調な

洗練された 一ー やぼったい 潤いのある 一一 潤いのない

明るし、 一一 暗し1 動的な 一一 静的な 美しい 一一 醜い

快い 一一 快く如、

印象的 一一 印象的でない 落ち着く 一一 落ち着か如、

好ましい 一一 好ましくない

�ヨ三

(19)

表4-3 注視回数集計表(樹木)

スライド番号

1

スライド番号 2 スライド番号 3 スライド番号 4 看板率5% 看板率5% 看板率5% 看板率5%

樹 木0% 樹 木5010 樹 木20% 樹 木30010

アスフアノレト舗装 アスフアノレト舗装 アスフアルト舗装 アスフアルト舗装

注視回数 害IJ合% 注視回数 割合% 注視回数 割合% 注視回数 害IJ合%

樹 木 o.

0 60 20. 1 152 50. 1 210 70. 1

建築物

172 65. 4 146 49. 0 70 23. 1 40 13.5

人 物

6 2. 3 13 4. 4 12

4.

0 7 2. 3

看 板

43 16. 3 35 11. 7 27 8. 9 24 8.0

路 面

23 8. 7 13

4. 4

26 8. 6 17

5.

8

車・ バイク

9 3.4 16

5.

4 7 2. 3

o.

3

1

o.

4 4 1.3 6 2.0

o.

0

その他

9 3.

5

11 3. 7 3 1.0

o.

0

lb

言十

263 100. 0 298 100.0 303 100.0 299 100. 0

(20)

表4-4 注視回数集計表(看板)

スライド番号 5 スライド番号 l スライド番号 3 看板率0% 看板率5% 看板率10%

樹 木0% 樹 木0% 持:t 木0%

アスフアノレト舗装 アスフアルト舗装 アスフアルト舗装

注視回数 割合% 注視回数 割合% 注視回数 室ロ 1] 会8'%

樹 木 O. 0 O. 0 O. 0

建築物 196 73. 1 172 65.4 148 50. 2

人 物 15 5. 6 6 2. 3 14 4. 7

看 板 。 O. 0 43 16.4 48 16.3

路 面 27 10.0 23 8. 7 42 14.2

車・ バイク 9 3.4 9 3. 4 25 8. 5

工ロ 20 7.5 O. 4 6 2. 0

その他 O. 4 9 3. 4 12 --1. 1

メ口b

言十 268 100.0 263 100. 0 303 100. 0

(21)

表4-5 注視回数集計表(道路舗装)

スライド番号 l スライド番号 7 看板率5010 看板率5%

樹 木0% 樹 木0%

アスフアノレト舗装 石畳舗装

注視回数 割合% 注視回数 宝口 1] ノL与:i%

樹 木 0.0 o. 0

建築物 172 65.4 131 43. 0

人 物 6 2. 3 21 6. 9

看 板 43 16. 4 105 34. '-1

路 面 23 8. 7 24 7. 9

車・ バイク 9 3. 4 11 3. 6

l O. 4 O. 3 その他 9 3.4 12 3. 9

メ口263 100.0 305 100.0

(22)

第5章 国土数値情報を用いたマクロスケールの都市の景観構造分析

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第5章 国土数値情報を用いたマクロスケールの都市の景観構造分析

5 - 1 . はじめに

4章まで に個別の都市内の小地区の画像を中心に取り上げて、 景観画像の分析手法 を明らかにしてきた。 また画像上の構図に対する注視実験について検討してきた。

本章では、 地理的条件によって形成される広域的な景観の特性を解析的に分析する 手法を提案し、 九州内の7 6都市を対象として、 都市景観の比較分類を行った。

都市内や都市周辺部、 更には隣接市には、 山や海が配置されている。 これらは、 当 該の都市の景観に影響を与える。 隣接した都市にある高い山は、 たとえ遠くにあって も当該市町村にとって日常見る山でありうるし、 これらは、 中景要素や遠景要素とし て都市の景観整備に活用できる。 事実これらの景観要素は、 都市の景観構造に大きな 影響を与えているとされている1)。 つまり、 マクロな都市の景観構造を明確にすること

が重要である。

本章の目的は、 広域的景観の空間的特性(可視領域、 空間的開放性)、 視覚的特性

(山並みスカイライン)を明らかにする手法を開発し、 都市がもっている潜在的な景 観構造を明らかにすることである。 具体的には国土地理院発行の国土数値情報の標高 データを活用し、 コンビュータグラフィックスにより仮想3次元空間に広域の都市環 境をシミュレートし、 それらの情報をもとに景観の特性を把握する。 3次元コンビ ュータグラフィックスを用いる利点は、 景観の特性を数値データとして定量的に表現 できることである。

このような地理的スケールに着目した既往の研究をみると、 3次元コンビュータグ ラフィックスの手法を用いて都市周辺の地理的な景観特性を定量的に分析した論文と して、 飯塚による「市街地から見た山の可視部分の計量化とその分布図の作成J 2)、

í 3次元モデルによる多点群可視不可視判定計算方法の研究」等3)4)が挙げられる。 ま た、 萩島らは、 標高と景観要素をメッシュデータ化し、 「絵になる風景」の視点場を ある一定地域の中から解析的に探索している5)。

しかしながら、 多数の都市を研究の対象とし広域的景観の特性を定量的に分析し、

比較類型化をおこなった事例はみられない。

本章の構成は、 まず第2節で本研究に使用したデータについて述べ、 第3節で研究 の方法を提示する。 第4節では、 可視領域分析、 地理的開放性分析、 スカイライン分

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析をおこない、 スカイライン分析の結果より都市を類型化し、 第5節で本章をまとめ ている。

5 - 2. データについて

使用したデータは、 国土地理院発行の国土数値情報より得られる九州全域の標高の みのデータである。 これらのデータ形式は「標準地域メッシュ」と呼ばれるメッシュ 状の2次元配列により表現され、 4ランクの段階的なデー タで全国を分割している。

本分析に用いたランクは第4ランクの「分割地域メッシュJと呼ばれるもので、 いわ ゆる250mメッシュである。

5 - 3. 分析の方法

250mメッシュの標高データを用いて、 九州全域を3角形ポリゴンによりCGで表現 することによって、 地形の表現が可能である。 九州全域の中で分析の対象とした都市

は、 76都市である。 また、 視覚的環境を測定するためには、 視点場を決定する必要が

ある。 本研究では、 都市を代表する地点として市役所のある地点の緯度、 経度を視点 場として設定した。 以上のデータにより「可視領域分析」 、 「地理的開放性分析」 、

「スカイライン分析Jを行っている。

まず「可視領域分析」においては、 各都市において、 どれくらいの範囲が可視範囲 であるのかの測定をおこなった。 解析の手法としては、 図5 - 1の様に、 各都市中心 部(市役所の位置)の地上高10mに視点を設定し30km圏内の各メッシュへ線分を伸ば し、 その線分が他の地形メッシュに阻害されることなく、 線分を結ぶことが可能かど うかの判定をおこない、 可視領域メッシュ数を算定した。 またここで半径30kmの範囲 と限定している理由は、 空気遠近法の効果から経験的に鑑みて、 30km上のデータを除 外しでも問題はないと考えたためである。 また市街地内では高層建築物も立地してお り、 標高のみで可視領域を判定することは不十分である。 しかしながら、 地形の起伏 から見た都市の景観の構造、 つまり潜在的に都市が有している景観のポテンシヤルを 明らかにするためには、 コンビュータを用いた本手法は有効であると考えている。 な お図5 - 2は可視領域の範囲を地形メッシュ上に示したものである。

次に「地理的開放性分析」においては、 この可視領域のデータを応用して地理的ス ケールにおける都市の空間的開放性について解析をおこなった。 分析の手法は、 可視 領域のデータを角度別に集計し、 その割合を極座標上にプロ ットし、 その形状につい

- 84-

(25)

て考察す る。 図5 - 3は別府市の可視領域を 角度別に示したものである。 図をみる と、 東方向において可視領域の高い割合が見られ、 東側に別府湾を望む別府市の地理 的条件に照らし合わせると、 空間の開放性と可視領域の割合は相関があると仮定でき る。 また、 可視領域割合が高い方角では、 遠いメッシュまでの遠望がきき、 都市の空 間的な広がりを表すものと考えられる。 そこで、 突出した可視領域を抽出するため、

ある関値以上の数値を有する可視領域の角度の幅を算出し、 その角度を開放角とし、

都市空間の開放性と、 その方向について分析をおこなった。

最後に、 「スカイライン分析Jを行った。 ここでは「ビジュアルスクリーン」とい

う概念を用いて分析を行った。 このビジュアルスクリーンとは、 視点より一定距離離 れた位置にスクリーンを用意し、 そのスクリーンに視点から見える山並みの形状を投 影するものである。 図5 - 4に示すとおり視点より半径30kmの位置に円筒上のビジュ アルスクリーンを準備する。 このスクリーンには、 高さ200m、 幅l047.1m(2度刻 み)の間隔でメッシュ状の点が用意されている。 山並みの投影形状は、 これらのメッ シュ状の点が地形に阻害されることなく視点の点と線分を結ぶことができるかどうか の判定により抽出した。 図5 - 5は、 山並みを投影したビジュアルスクリーンを切り 開き、 縦方向を5倍に強調したものであり、 図5 - 6は、 本データからスカイラインの 線を抽出したものである。

ここで抽出されたスカイラインを形態的に見るならば、 それらは山(ピーク)と谷

(ボトム)の連続である。 したがって、 これらの個数と並びがその形態的特徴を明確 に示すといえる。 そこで波形のピークとボトムを以下の手順でコンビュ ータにより判

定した。

①スカイラインの波形には微細なノイズがあるため、 スムージング処理を施し波形を 平坦化する。

②スカイラインの最低点が端部にくるようにビジュアルスクリーンを切り開く。

③波形の極点をピークとボトムの候補として抽出する。

④波形の平均値と標準偏差の値を計算する。

⑤隣合う凸極点と凹極点の高さの差分が標準偏差/2より小さければ、 周囲の状況に より、 凸極点、 凹極点あるい は両方の極点をピー クとボトムの候補より除外する。

(微細な波形の変化を取り除く。 )

⑥凹極点の高さが平均値よりも大きいものは、 ボトムの候補より除外する。 (ボトム の高さが平均よりも高いものは谷と言えないため。 )

(26)

このような処理をおこない、 波形データからピークとボトムをコンビュータを用い て定量的に 抽出した。 図5 - 6の波形上のO印が極点であり、 P、 Bが抽出された ピークとボトムである。 これらのピークとボトムを各都市ごとに 計算し比較分析し た。

5 - 4. 分析

( 1 )可視領域分析

計算結果を表5 - 1の左側に示す。 可視領域は当該市域の全 メッシュに占める可視 領域メッシュの割合で表現され、 海を除く陸域のみの可視領域も提示した。 またさら に、 可視領域の順位づけをおこなった。 なお表中の下線がついた数字は、 可視領域と 陸域のみの可視領域が等しいものである。 表の可視領域の順位の上位と下位の特徴に ついて着目してみると、 上位の1位が柳川市の60. 98%、 2位が大川市の 59.1 90/0、 3 位が佐賀市の52.66 0/0であり、 九州で最も大きい平野である筑紫平野に位置する3都市 の可視領域が非常に大きいことが伺える。 また上位の4位"'-' 1 0位までの殆どが海に近 接した都市であり、 全可視領域と陸域の可視領域との差(海の可視領域)が非常に大 きい。 そのなかでも、 中津市、 串木野市、 豊前市らが大きく、 広大な海への眺望を形 成し ていることを反映している。 可視領域の下位のデータをみると、 下位10位以内 に、 可視領域と陸域のみの可視領域が等しいもの、 つまり、 海が全く見えない都市が

6都市あり、 全体を通し て下位の方に海が見えない都市が多い。

( 2 )地理的開放性分析

図5 - 7は、 上記の別府市の極座標のグラフを分かりやすく平面座標系に置き換え て表したものである。 250/0のラインが、 ここで用いた関値 であり半径15km範囲の全 メッシュが可視ライ ンである。 この関値をこえるグラフの開放角を計測すると、 20'"'-'

25度と45度"'-'105度である。 このように全都市において、 開放角、 その総和、 開放角の

方向、 開放性について示したものが、 表5 - 1の右側である。

開放角の方向は、 東西南北8方向別に表示した。 また隣合う開放角同士の角度差が 30度以上ある開放角については2つの方向を与えた。 開放性については、 開放角の総 和に応じて3段階に表示した。

表をみると、 開放角の総和が非常に大きいものが、 大川市と柳川市であり、 360度 の視界の広 がりをもっ都市であることが伺える。 3方向の広がりをもつものは、 宇土

- 86-

(27)

市1つであり、 2方向の開放性をもつものは久留米市、 指宿市、 熊本市、 鳥栖市な ど、 計12都市である。 視野域の広がりが小さな都市も多く、 方向性をもたない都市は 20都市で、 その多くは海と近接していない都市であるが、 全体的に1方向の広がりを もった都市がほとんどである 。 また特徴的な点は、 熊本市と八代市の開放角の個数が 多く、 断片的な視野の広がりが見られる。 なお、 図5 - 8 、 図5 - 9、 図5 - 10は代 表的な視野域の方向を表したものである。

( 3 )スカイライン分析6)

76都市のスカイラインのピークとボトムの抽出結果をまとめたものが表5 - 2であ る。 表の項目を日向市を例に挙げて説明すると、 「コンビュータによる初期判定jが コンビュータ解析によって判定されたボトムの数であり、 日向市は4ボトム型に類型 化されている。 r連山」の項目は、 図5 -11のように1つのボトム聞に複数の大きな ピークをもっ「山の連なり」であるかを判別したもので、 日向市においては、 連山が あることが読み取れる。 rピークなし」の項目は、 図5 - 12にように1つのボトム間 でピークが抽出されない場合があり、 日向市では、 ピークをもたないボトム聞が2つ あることを示している。 r平均値Jと「標準偏差Jは、 スカイラインの波形から計測 したものである。 これらのデータより中間類型パターンを判定した。

中間類型パターンは「ボトム数Jと「ボトム問に連山をもつものか1つピー クをも つものか」を基準として判別した。 中間類型パターンの「ボトム数」は、 「コンビ ュータによる初期判定Jのボトム数より「ピークなしJのボトム数を引し、た値を中間 類型パターンのボトム数として算出した。 これは、 ピークをもたない2つボトムは、

ほぽフラットなスカイラインであることから、 1つの大きなボトムと見なすことがで きるからである。 例えば、 日向市では「コンビュータによる初期判定Jのボトム数が 4であり、 「ピークなし」のボトム数が2であるので2ボトム型、 また「連山」があ るので、 � 2ボトム連山型』となる。 また「連山Jがない場合は、 そのときのピーク 数を記した。 このようにして中間判定を行なった結果、 九州76都市は9個のパターン に類型化された。

しかし、 実際のスカイラインの図を比較したところ、 スカイラインの標準偏差が 3.00以下の都市の� 3ボトム連 山型』以降のボトム数が多い類型では、 スカイライン の波形がなだらかであり、 「連山の谷」なのか「ボトムJなのか判別が難しく、 それ

(28)

らのグループを『偏平型』としてまとめ直し 、 最終的に8類型にパターン化した。 表 5 - 3がその結果である。

( 4 )まとめ

最終的に類型化された中から特徴的な都市をいくつか挙げると、 川内市、 多久市、

島原市がI 1ボトム1ピーク 」型において非常に高い1ピークのスカイラインを描 き、 特に島原市では急勾配な山の形状が抽出された。 r 2ボトム2ピーク型Jでは平

均値が最も大きい佐世保市がみられ、 都市のすぐ背後に非常に高い山々をもつことが 認識できた。 また鹿児島市を代表する桜島もきれいなスカイラインで 表現された。

r 4ボトム4ピーク型」の長崎市では、 稲佐山を中心とした山々の連なりがみられ、

谷間の都市であることが確認できた。 また「偏平型」の都市は、 福岡 ・ 佐賀 ・ 熊本県 の都市がほとんどであり、 なだらかな地形であることが表現された。 なお図5 - 13"-'

図5 - 19は各類型ノミターンの代表的スカイラインを示したものである。

5 - 5. 第5章のまとめ

本論文は、 都市がもっている潜在的な景観ポテンシャルを、 可視領域算定のアルゴ リズムを開発することによって定量的に明らかにした。 r可視領域分析J r地理的開 放性分析J íスカイライン分析」を通して、 以下のことが挙げられる。

( 1 )都市中心部からの可視領域を計測した結果、 筑紫平野に位置する柳川市、 大川

市、 佐賀市、 海と近接した中津市、 豊前市、 荒尾市などの可視領域が大きく、 視覚的 に開けた地理特性をもっていることが定量的に把握できた 。

( 2 )都市の開放的な方向性を分析すると、 全方向に開けた都市が大川市、 柳川市、

東西南方向に開けた都市が佐賀市、 3方向に開けた都市が宇土市、 2方向に開けた都 市が久留米市を始めとして計12都市、 1方向に開けた都市が40都市、 開放的な方向性 をもたない都市が20都市であった。

( 3 )山並みスカイラインの形状から九州の76都市が8つに類型化された円

(29)

参考文献

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1994

9)有馬隆文, 佐藤誠治, 1 �数値地図』を用いたCGによる地理的スケールの都市景観分析J , 日本建築学会第17回情報システム利用技術シンポジウム論文集, pp.325・330,1994

10) Seiji Sato, Satoshi Hagishima, T品位負uni Arima, et al., "Using G.I.S Topographic Data for Quantitative Landscape Analysis of Ciりr Hall Views in 76 Kyushu Cities", Fourth International Conference on Computers in Urban Planning and Urban Management, Volume One, pp.303・312,Melbourne Australia. 1995

(30)

図5-1 別府市を中心とした地形データ

図5-2 可視領域図(兄IJ府市)

(31)

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図5-3

角度別可視領域割合(兄IJ府市)

(32)

図5-4 ビジュアルスクリーン概念図(長崎市)

図5-5 ビジュアルスクリーン展開図(長崎市)

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・標準偏差\

ボトム間

図5-6 ピークとボトム(長崎市)

(33)

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図5-7 角度別可視領域割合(兄IJ府市)

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図5-8 可視領域図(大川市) 図5-9 可視領域図(久留米市)

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図5

-10

可視領域図(宇土市)

(34)

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ボトム

ボトム間

ボトム 図5 -11 r連山Jのスカイライン例

ピークなし

ボトム

ボトム問

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図5 -12 rピークなし」のスカイライン例

(35)

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図5 -13 1ボトム1ピーク型(J 11内市)

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図5 -14 1ボトム連山型(宇佐市)

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図5 -15 2ボトム2ピーク型(平戸市)

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図5 -16 2ボトム連山型(本渡市)

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図5 -17

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(37)

表5-1 可視領域と開放性について

宮指熊崎宿本市

鹿枕鹿宇 豊玉後崎児名島 四

小甘延 別国 郡木

俣問 水間 野 久 早 橋

小中林間 日田 太大えび口の市

宰内市府市

鹿j伊11西宗屋都像市市市市市市

竹牛武雄深田 加山世田 田市 市 平戸

可視領域分析

域可視領 陸視領地域可 59. 19 42. 05 60. 98 40. 45 52. 66 38. 47 37. 38 11. 18 46. 53 13. 27 48. 09 11. 69 52.41 13.90 43. 52 33. 78 38.81 37. 58 40. 17 14. 94 41. 56 4. 08 31. 55 10.48 24.31 10. 69 23. 35 13.08 40.44 11.47 19.79 8. 44 20. 93 19. 94 30. 03 24. 19 24. 08 24. 08 28. 54 5. 63 26.12 17.47 28.48 6. 02 25.75 1. 92 23. 90 6. 91 23. 55 10.65 21. 93 8.93 23. 87 23.87 20.49 20. 49 15.34 9. 02 24. 00 5.81 20. 80 6. 3 9 16. 13 2. 08 14.75 7. 86 17.40 5. 93 13.03 4. 33 12.83 4.94 23.43 13. 27 8.28 3. 08 13.74 7. 98 12. 60 3. 36 12. 39 5.94 18. 38 9. 49 15. 59 10. 15 13. 30 5. 06 10.59 4. 01 9. 90 2. 36 9.51 7. 38 9. 07 1. 95 7.45 1. 13 14. 15 14. 15 4. 75 2. 70 3.78 1. 23 rT 9 寸苦 6百言 1-

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開放性分析 順位 開放角

2 16Ç30,35、-15,50"'105,14Ç155 1 170"'30, -15"80

3 35~557 ,60、255,80"'285,300"'310 12 350"'175

6 160"'335

5 300"'105, 115"120 4 295"100

7 80"'95,200"350 11 10"'85, 195"280 10 190"'345

8 150�300 13 29Ç85 19 190"'315

26 360�5. 20"-10. 210"'220. 230"'255 26Õ"' 265,-27Õん275,285ん290,320ん35 9 45�155

31 5�40, 75�135, 355"'360 28 55�60, 65-70, 75-100, 135-160

165"'170, 190ん205,210-215,225-23 14 220-305, 320-330

20 �Q:l?�, 160"165, 180-205 15 305-35

17 20-55, 155-165,295-340 16 285"'10

18 125"'210 22 55~7O5 ,120~190 24 45-12

27 175 -250

23 75~~85 90~13~0 200~22。~5

30 125�150, 210�215,220�245, 250�27 36 160"'230

21 80�145 29 20"'25,45"'105 34 55~v657,80~852-125~170 37 255 -275. 300 -340 33 360"10,310-355 41 185�230, 245�250 42 305-355

25 300�315, 320-350 54 280�320

39 305�345

43 125~140,o 1-75~200 44 55�85. 90�95 32 45"'55,60"'80, 90-95 35 320"'355

40 95-1 25 46 10-30,45、55 47 40�65, 70-75 4 9 1ls"'120, 315-335 52 90�115

57 350"'5, 340"345 38 315"'325.330"'335 62 55 -65

63 65"'75

48 90"'95, 130-135 50 135"'140 71 170-175 72 215-220 45 51 。 53 。 55 。 56 。 58 。 59 。 60 。 61 。

64 。

65 。 66 。 67 。 68 。 69 。 70 。 73 。 74 。 75 。 76 。

-97-

総開放角 開放角

和 ーセント 方向 開封〈性

325 90. 277 全全方方向向南 大大大大

255 70. 833

230 63. 888 東東西 方向 185 51. 388

175 48. 611 西 170 47.222

北北北 165 45. 833

165 45. 833 -南

160 44. 444 東・南西

155 43.055 南北南 西西 150 41. 666 150 41. 666

125 34. 7 2 2 大大

110 30. 555 北西

110 100 30. 555 27. 777 東 ・・ 大大大 95 26. 388

95 26. 388 西 大大中

95 26. 388 ・南

90 25. 000

90 25. 000 北東・南・ 北西

85 23. 611 南 西 中中

85 23. 611

85 23. 611 中

80 22. 222 75 20. 833

75 20. 833 -南 西

75 20. 833 南・ 西南

70 1 9.444

65 18. 055

65 18. 055

60 16. 666 -東

60 16. 666

55 15. 27 南北西西

50 13. 888 50 13. 888

45 12.500 西

40 11. 111 西

40 11.111 40 11. 111 南西・南 35 9. 722 35 9. 722 35 9. 722

30 8. 333

30 8. 333

30 8. 333

25 6.94

25 6.944

20 5. 555

15 4. 166 北北東西 10 2.777 10 2.777

東東 東 南 な南西東南

10 2.777

5 1.388

5 1.388

5 1. 388

。 O. 000

。 O. 000 ななし

。 O. 000

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。 O. 000 なななし

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。 O. 000 なし

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参照

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