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超音波ドプラー法による肝腫瘍診断: 血流情報によ る評価

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Academic year: 2022

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超音波ドプラー法による肝腫瘍診断: 血流情報によ る評価

著者 荒井 和徳

著者別名 Arai, Kazunori

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

巻 平成5年7月

ページ 73

発行年 1993‑07‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/15091

(2)

医博乙第1205号 平成4年12月16日 荒井和徳

超音波ドプラー法による肝腫癌診断一血流情報による評価一 学位授与番号

学位授与年月日 氏名 学位論文題目

島力 林健一 崎逸夫 教授

教授 教授

高小宮主査

副査 論文審査委員

内容の要旨および審査の結果の要旨

肝腫瘍の性状診断に決め手となる病巣内及び周辺のvascularity評価における非侵襲的血流測定検査法 であるドプラー超音波断層法の有用性を検討した。対象は血管造影が施行された62症例82結節の肝腫瘍 (hepatocellularcarcinoma61,focalnodularhyperplasial,adenomatoushyperplasia 8,metastaticlivercancerll,cholangiocellularcarcinomal)で,そのvascularityの多 寡により分類可能な径1.1~16cm(平均3.7cm)のものである。

基礎的検討として64例の非腫瘍部での肝内動脈と5例の肝嚢胞を対象に,肝内動脈の動脈径によるドプ ラー信号の検出能とドプラー信号の検出部位特定における信頼性の検討を先ず行った。その結果,1)3.5 MHzを使用して腹側外側区域枝から信号を検出できる最小の動脈径は0.7mであること,2)門脈左枝臓 部に沿って走行する肝動脈の収縮期最大流速は0.14~0.63m/sec,resistiveindex(RI,収縮期最大 流速一拡張期最低流速/収縮期最大流速)は0.53~0J86であり,0.63m/sec以上の流速あるいは0.52以 下のRIを示す動脈性信号を異常と設定して良いことが明らかとなった。

腫瘍内と辺縁について検討した結果,1)腫瘍内から信号が検出できた28/38結節(74%)で血管造影 上明瞭な腫瘍血管を認め,検出された定常波と拡張した腫瘍血管・血洞との関連性が認められ,原発性肝 癌と診断可能と考えられた。2)腫瘍内から信号が検出され,微細血管径が測定可能なcutfilm法にて血 管造影が施行された18/26結節(69%)で,腫瘍内血管径は0.7m以上であることが分かった。しかし,

信号の発生源は不明であったり,また門脈,肝静脈枝よりの信号と考えられる結節も少なからず存在した。

3)腫瘍径3cm以下の小肝腫瘍では17/55結節(31%)でしか腫瘍内から信号が得られなかったが,それ 以上では21/27繕節(78%)で信号が得られた。4)4結節で内部から動静脈シャントに起因すると思わ れる異常高速血流(>0.63m/sec)が得られたが,血管造影上それは証明できなかった。5)腫瘍辺縁か ら得られるドプラー信号の性状のみによっては腫瘍内部のvascularityを判断するのは困難であった。そ の理由は肝嚢胞の検討で明らかになった如く,実際のsamplevolumeがB-mode上に表示されるものよ りも大きいために信号の検出部位特定における信頼性が低いこと,腫瘍を取り巻く肝動脈の有無と腫瘍内 部のvascularityに相関がないことによる。しかし5cm以上と大きい腫癌では辺縁の肝動脈の収縮期最大 流速と腫瘍内部のvascularity・腫瘍径には相関がみられた。したがって結論として,ドプラー超音波は

肝腫瘍のhypervascularityを推定できるが,その性状診断が困難な場合があり,特に小肝腫瘍での有用

性は低いと考えられた。

以上,非侵襲的検査法である本法は肝腫瘍の性状診断に有用性はあるものの限界のあることも示した価 値ある論文と評価された。

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参照

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