聽 覚 に よ る 方 向 識 別 に 関 す る 研 究(其 の二)
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(2) 432. 田. Fig. 1.. Experimental. び Ⅲ の 主 実 験 に 於 て512〓. 村. 節. 治. 第1表. Set‑up. を 使 用 した.之. は. 前 編 の 結 果 に 基 き 方向 感 度 の 良 い 周 波 数 と し. Fig.. 2.. Variation. of. Distance. て 選 ん だ の で あ る.音 源 の 音 の 大 さ は 本 編 の Ⅰ, Ⅱ の 全 部,Ⅲ. の 主 実 験 に 於 て,被. 外 聴 道 に 於 て60d.. b.(以. 下 単 にd.. 検者 の b.と あ. るのは 総 て 被検 者 の位 置 に 於 け る強 さ で あ る)に. な る よ うに 与 え た.. Ⅰ. 距. 離 実 上 は 略 々 漸 近 線 に 当 つ て い る),音. 被 検 者 が 音 源 に 対 して 近 くに あ るか 遠 くに あ るか,若. し くは 音 源 の 距 離 の 大 小 に よつ て. 両 耳 に 至 る 距 離 をa, (識 別 閾)と. 源か ら. bと す る とa‑b=k. な り,こ の 点 方 向 知 覚 機 転 に 関. 方 向 定 位 が 影 響 を 受 け る や 否 や の 問 題 で,そ. し て 時 差 説 に 有 利 で,音. れ に よ り何 等 か の 変 化 が 起 る とす れ ば 等 閑 に. の 二 乗 に 反 比 例 す る故 両 耳 の 強 差 を 一 定 な ら. 附 し難 い 肝 要 な 問 題 とな る.. しめ る為 に はb/a=kと. (実. 験. な い 筈 で,強. 被 検 者 の 前 方1m,. 2m,. 3m,. 4.5mの4ケ. 所 に 角 度 計 を 置 き,被 検 者 の 前 正 中 線 感 の 範 囲 を 測 定 した.而 置 何 れ も60d.. して 之 等4ケ. b.に な る よ うに 音 源 の 強 さ を. 調 節 し た. 512〓,被 (結. 所 の 音源 の位. 検 者 数9名.. な ら ね ば な らね ば な ら. 差 説 に 不 利 で あ る.. 更 に 詳 細 に この2線. を 観 察 す る と き次 の 事. 柄 に 気 附 く. 5d. b.内 外 の 左 右 聴 力 差 は 正 常 者 の 範 囲 に 属 す る もの で あ るが,か. ゝ る範 囲 内 の僅 か の. 左 右 耳 の優 劣 が あ る場 合,優. 果. 耳 側に於 て直線. に 近 きを 見,劣 耳 側 に 於 て 凹 凸 の 度 が 基 しい. 4種 の 音 源 の 位 置 に 対 す る前 正 中 線 感 の 範 囲 は 第1表. 源 の強 さは音 源距 離. の 通 りで あ る.. とい ふ 事 で あ る.又2線. の囲 む範 囲 内 の音源. 位 総 て 正 中 線 感 を 抱 か せ る の で あ る が,此. の. 距 離 の 増 大 と共 に 前 正 中 線 感 を 与 え る 範 囲. 範囲が客観的前正中線(両 眼か ら等距 離にあ. は 略 々 距 離 に 正 比 例 し て 増 大 して い る.こ の. る点の軌跡 とす)に 対 して聴力の劣れ る耳側. 結 果 は 之 等 の 距 離 に 於 て は 何 れ を 採 つ て も定. に大な る拡 りを有す る故,前 正中線感は聴 力. 位 に 殆 ん ど影 響 が 無 い 事 を 意 味 し て い る.. の優れ る耳側に於て定位は鋭敏であ り,聴 力. 4種 の 距 離 夫 々 に つ い て,. 4個 の 前 正 中線. 感 の 範 囲 の 左 端 の み を 結 ぶ 線 と右 端 の み を 結 ぶ 線 を 仮 想 す る と(第2図),こ 耳 の 位 置 を2つ. の2線. は両. の劣れ る耳側に於 て感度が稍々悪い といふ事 にな る. 前正中線感 を抱 く範囲の劣耳側の定位,優. の 焦 点 とす る 双 曲 線 に 当 り. 耳側の定位の異 る所以は音波が劣耳 ・優耳 の. (両 耳 間 距 離 が 音 源 の 距 離 に 比 し小 な る故 事. 何れに先着す るかの相違 に他ならない.両 耳.
(3) 聴 覚 に よ る方 向 識 別 に 関 す る 研 究. の興奮差に基いて行われ る方向定位ではある が,左 右両耳が刺戟され る順序に よ り僅か乍. 433. 従 来 の 種 々 の 文 献 よ り窮 は れ る. youngはPseudophone. (ThompsonのPseu. ら定 位 に 相 違 が あ る事 は 興 味 あ る事 柄 で あ る.. dophoneと. 相 等 しい 時 差 で あ つ て も左 右 耳 の 刺 戟 順 序. よ うに した 装 置)を 用 い る と,眼 を 閉 ぢ る と. に よ り両 耳 間 の 興 奮 差 が 異 る事 は,優. き は 客 観 的 な 方 向 と左 右 反 対 に 聞 え るが,音. 耳,劣. は 異 る,左 右 方 向 が 逆 に 聴 か れ る. 耳各 々の刺 戟到 着時 か ら最大 刺戟 に達 す る迄. 源 を 眼 で 見 る と き は 客 観 的 な 方 向 と同 一 方 向. の 時 間 の 相 違 が あ る とは 連 続 音 に 対 して は 考. に 定 位 され る と述 べ て い る. Strationは 左 右. え られ ず,又. 逆 に 映 ず る 眼 鏡 を か け 音 源 を 見 乍 ら音 を 聞 く. 神 経 伝 導 速 度 に 変 化 が あ る もの. とは 考 え ら れ な い か ら,優 耳 ・劣 耳 と区 別 さ れ る所 の 興 奮 の 大 さ ・鋭 敏 度 の 相 違 を 問 題 と せ ね ば な ら な い.優. 耳 に 刺 戟 が 達 し て か ら劣. と見 え る 方 向 に 音 を 感 ず る と云 つ て い る. 之 等 に 於 て も見 る如 く,聴 覚 に よ る 方 向 定 位 よ り,視 覚 に よ る方 向 定 位 が 優 位 に あ る と. 耳 に 刺 戟 が 達 す る迄 の 時 間 中 の興 奪 量 は 劣 耳. い ふ 事 に 関 し て は 異 論 は 無 い.従. に 刺 戟 が 到 達 し て か ら優 耳 に 刺 戟 が 達 す る迄. 位 が 可 及 的,先. の 時 間 中 の 興 奮 量 よ り大 で あ り,更 に 鋭 敏 若. は 盲 人 な ら ぬ 限 り,視 界 が 暗 黒 で 無 い 限 り.. し くは 明 瞭 に 認 識 され る の で あ ろ う.. 当 然 の 事 と云 わ ね ば な ら な い.. この 実 験 は 室 内 で 行 わ れ た もの で あ り,従. つ て 方向 定. づ 視 覚 に よ り行 わ ん とす る の. 視 覚 に よ る 音 源 の 定 位 に,聴. 覚 に よ る定 位. つ て 音 源 距 離 に 制 限 が あ り,最 大 で4.5mで. を 一 致 さ せ ん とす る傾 向 は 当 然 起 る事 柄 で,. あ つ た.そ. 視 覚 表 象 の錯 誤 に よ り音 定 位 の 動 揺 す る事 は. こで 更 に 大 な る 距 離 に つ い て 前 正. 中線 感 の 変 化 を 見 る 為,戸. 外 に広 い 場 所を 求. め た.戸 外 で は 反 響 は 全 然 無 い もの と考 え ら れ るが,周. 囲 の 騒 音,風. の影 響が 入 つ て来 る. 推 察 に 難 くな い. Klemmは. 音 を 発 す る 際,強. い光 を 音 源 近. くで 瞬 間 的 に 出 す と方 向 感 に 影 響 す る とな し,. 事 を 考 慮 せ ね ば な ら な い か ら,こ の 点 比 較 的. Allers &. 条 件 の 良 い 日を 選 ん だ.. 方 に 出 し,次 で 眼 を 閉 ぢ さ せ て 音 を 聞 か せ る. 被 検 者 か らの 距 離 を170m迄. 行 つ た 結 果,. Schmiedeckは. 光 の線 を 正面 乃 至側. 音 像 の 偏 倚 す る事 を 認 め て い る. Goldstein &. 近 距 離 に 比 し距 離 が 増 大 す る と前 正 中 線 感 の. Rosenthalは. 範 囲 が 稍 々増 大 す る.(第3図)即. ざ る限 り良 好 で あ る.開 眼 が 成 績 不 良 で あ る. ち距 離 の. 増 大 に よ り方 向 感 度 は 稍 々 低 下 す る. Fig.. 3.. Variation (long. of. Distance. distance). 音 方 向 定 位 は視 覚 表象 の参 与 せ. の は 聴 覚 以 外 の 刺 戟 が 影 響 した も の で あ る と 考 え て い る. 吾 人 の 日常 に 於 て は 音 定 位 に 対 し多 か れ 少 か れ 視 覚 の 刺 戟 を 受 け る事 は 免 れ な い.室. 内. の 明 暗 ・左 右 の 眼 に 受 け る 照 度 の 相 違 に よ り 方 向 識 別 が 影 響 を 被 る とす れ ば 等 閑 に 附 し難 い 問 題 で あ り,閉 眼 に よ り視 覚 表 象 が 排 除 さ れ た と し て も 明 暗 の 度 に よ る視 覚 の 刺 戟 は 亦 免 れ 得 ぬ 事 柄 で あ る. そ こで 閉 眼 に於 て 一 際 の 視 覚 表 象 を 除 去 し, 心 理 作 用 を 払 拭 した 上,両 こ の他 の 結 果 に つ い て は 室 内 実 験 と略 略 同 じで あ る. Ⅱ. 明. 暗. 音 方 向 定 位 が 視 覚 に よ り影 響 を 受 け る 事 は. 眼 の受 け る照 度 の. 如 何 に よ り音 方 向 定 位 が ど の よ うな 影 響 を 受 け る か,前. 正 中 線 感 を 抱 く範 囲 の 明 暗 に よ る. 変 化 に 於 て 之 を 見 ん と した. 〔実 1). 験〕 被 験 者 の 正 し く前 上 方2.3mの. 距 離に.
(4) 434. 田. 村. 節. 治. 80燭 光 の 電 燈 を つ け,被 験 者 に80×1/(2.3)2ル. 点 じ,電 燈 側 の 眼 に48×1/(0.5)2ル. ク ス の 照 度 を 与 え,被 検 者 を 閉 眼 に した 儘急. 度 とな る よ うに し,閉 眼 の 儘 の 左 右 の 眼 に 軽. に 消 燈 し室 内 を 暗 黒 と し,再 び 点 燈 し 元 の 照. く明 暗 の 対 照 を 作 る よ うに し,前 正 中 線 感 の. 度 に 復 し,消 燈 の 際 及 び そ の 前 後 の 点 燈 時 に 於 け る 前 正 中 線 感 の 範 囲 を 測 定 し,比. 範 囲 を 測 定 し た.. 較 し. た.. クス の 照. 周 波 数512で,連. 続 音 に して 使 用 した.被. 検 者9名.. 2). 次 に 被 検 者 の 前 正 中 線 よ り片 側 に45゜. の 角 度 に 於 て0.5mの. 〔成 績 〕 実 験 成 績 は(第2表)に. 距 離 に48燭 光 の 電 燈 を. 示 す 如 くで あ る.. 第2表. 1). 前 正 面 の 電 燈 を 急 に 消 す と前 正 中 線 感. で 一 定 時 間 の 経 過 後 明 所 と変 らぬ 方向 感 度 を. の 範 囲 が 俄 に 左 右 に 増 大 し,再 び 点 燈 し元 の. 獲 得 す る事 は 暗 順 応 の 状 態 に 置 か れ る に 至 つ. 熱 度 に 復 す る と元 の範 囲 に 縮 小 した.こ. た か らで あ る.然. の場. し視 覚 に 於 け る暗 順 応 の経. 合 前 正 中線 感 の範 囲 は 右 方或 いは 左 方 へ偏倚. 過 が5〜10分. す る 事 無 く,凡 そ 左 右 一 様 の 増 大 であ つ た.. わ れ る 事 を 考 慮 す る と,音 方 向 感 度 の 場 合 は. (消 燈 して も 尚 正 中線 感 の 範 囲 の 変 ら ぬ 者 は9名. 中1名. に 過 ぎ な か つ た). 暗 中 の 儘 で1.5〜2分. 最 初 一 次 的 視 覚 の 激 変 が 影 響 し た とい ふ に 止 り,視 覚 の 暗 順 応 経 過 に は 併 行 せ ず,短. 経 過 す る と点 燈 時 と. 側 方 よ り電 燈 を 照 射 し た 場 合,前. 時間. に し て聴 覚 に よ る 方 向 定 位 の 自 主 性 を 獲 得 す る の で あ る.. 変 らぬ 範 囲 に 復 旧 す るの が 見 られ た. 2). で 僅 か に 増 し長 時 間 に 亘 つ て行. 側 方か ら光線 を 与 えた 場 合前 正中線 感 の範. 正中. 線 感 の 範 囲 を 増 大 した 儘 反 対 側 に 偏 倚 さ れ る. 囲 を 増 大 した 儘 反 対 側 へ 偏 倚 した が,範. の が 見 ら れ た.. 増 大 は 照 度 の 順 応 に 至 る 迄 の 一 時 的 の もの で,. この 儘 で 約2分. 間 経 過 す る 事 に よ り,前 正. 囲の. 反 対 側へ の偏 倚 は 主観 的 に は明 所 側 に向 つ て. 中 線 感 の 範 囲 の 増 大 は 縮 小 さ れ た が,偏 倚 角. 方 向 が 偏 倚 し て 聞 か れ て い る筈 で,主. 度 は 元 の 前 正 面 に 復 旧 し な い.. 向 感 の 錯 誤 で あ る.一 定 時 間 の 経 過 後 も尚 こ. 明 所 か ら俄 に 暗 所 に 移 つ た 場 合 は 視 覚 刺 戟. の錯 誤 定 位 の 存 続 す る 事 は,左. 右 眼 の照度 の. に 激 変 を 生 じ,之 に よ り方 向 感 度 に 狂 い を 生. 相 違 に よ り,視 覚 に よ る 前 正 中線(客. じ,悪 転 した も の と解 され,再. 正 中 線)を. び 点 燈 し元 の. 観 的方. 観的 前. 誤 つ て い る もの と考 え られ る.. 明 所 の 状 態 に 復 す る と直 ち に 元 の 方 向 態 度 に 修 復 した事 は そ の時 尚視 覚 が明 順応 の状 態 に あ つ た か ら で あ る と考 え ら れ る.消 燈 した 儘. Ⅲ. 疲. 労. 聴 覚 に 於 け る疲 労 とは 聴 覚 機 能 が 低 下 減 退.
(5) 聴 覚 に よ る方 向 識 別 に 関 す る 研 究. す るを 意 味 し, Banisterに. よ る と4つ の 方 面. に 分 け られ て い る.即 ち 刺 戟 閾 の 変 化,音 現 象 的 強 さの 変 化,定. 位 の 変 化,連. の. 績 的 に聞. え る為 の 臨 界 断 続 数 の 変 化 が 之 で あ る.. H. W. Doveが. 持 続 的 に 刺 戟 され た 耳 の 疲 労. に よ る交 代 性 変 位 と し て観 察 し て い るが,条 件 の 不 備,解. 釈 の 誤 りで あ つ た 事 をSchaefer. が 指 摘 し て い る. Sewall,. Flugel,. 範 囲 の 増 大 の 程 度 に よ り疲 労 度 を 見,音 振 後10分. 源発. に 至 る時 間 的 推 移 を 観 察 した.. (512〓, 次 に10分. 疲 労 が方 向 定 位 に 影 響 を 及ぼ す 事 は 古 く. 435. 60d. b.で 連 続 音 で あ る.) 間 の 刺 戟 後 直 ち に 音 源 を 停 止 し,. 30″, 1.5′, 3.5′ 後 に 於 け る 前 正 中 線 感 の 範 囲 を 測 定 し,疲 労 の 回 復 状 態 を 観 た. 被 験 老 数7名. (実 験 成 績) 音 源 発 振 後 の10分 間 に 於 け る 前 正 中 線 感 の. Bartlett &. Mark,. Pattie. の行つ た ものは 片耳 乃 至 両 耳 に疲 労 生起 音 を 与 え,一 定 時 間 刺 戟 した 後,両. 耳 に 同 じ音 を. 導 き,そ れ ら の 強 さ を 調 節 し て,音. が正 中面. 範 囲 の 変 化 及 び 回 復 に 要 した 時 間 は(第3図) に 示 す 如 くで あ る. 音 源 を 発 振 さ せ て か ら20秒 る迄 は(a→b)前. 〜30秒. 経過 す. 正 中線 感 の 範 囲 は 次 第 に 減. に 定 位 さ れ る よ うに し,そ の 時 に 要 す る 調 節. 少 し て 方 向 感 度 は 次 第 に 鋭 敏 とな る.次 で 一. 量 を 以 て疲 労 の 結 果 を 見 ん と した もの で あ る.. 定 の 期 間(順 応 期)(b→c)を. 左 耳 が 疲 労 さ れ た 時 に は 左 耳 に於 て 遙 か く弱. と どま つ た 後 急 に 感 度 が 鈍 くな り(疲 労 生 起. く聞 え,定 位 は 石 に な さ れ,そ. れ を補 償 して. 正 中 面 に 定 位 さ せ る為 に は 右 耳 の 音 を 著 し く 弱 め ね ば な らな い.こ. の 量 を 以 て 疲 労 度 と見. 期)(c→d),一. の儘. 10分 に 至 つ て い る(d→e). Fig.. Markは. 定 の疲 労 度 に達 す る とそれ 以. 上 疲 労 度 を 増 す 事 無 く(完 全 疲 労),こ. 做 した の で あ る. Bartlett &. 経 過 し,此 値 に. 4.. Auditory. fatigue. 音 像 を長 時 間 結 ばせ. て い る と,之 に 続 く同 種 音 像 が 影 響 を 受 け る. 即 ち次 に与 え られ た 中央音 像 が 反 対側 へ偏 倚 して 聞 か れ る事 を 見 出 した.こ. の反対 側 へ の. 偏倚 は 中央 音像 だけ に 限 る もので無 い 事 は云 う迄 も無 く, Pattie,. Bekesyの. 認 め て いる. 如 くで あ る. か く従 来 の 実 験 で は 疲 労 に よ り生 ず る方 向. 第3表. 定 位 の 変 化 に 対 し方 向 感 の 偏 倚 の み 取 上 げ ら れ て 観 察 され て い る の で あ る が,主 感 とは 一 定 の 拡 り(範 囲)を を 思 え ば,こ. 疲. 労. 観 的方 向. 指 す の で あ る事. の 範 囲 な る もの を 無 視 し て は 方. 向 感 の 偏 倚 は 論 ぜ ら れ な い 筈 で あ る. 前 正 中 線 感 の 範 囲 が 疲 労 を 生 ず る と共 に ど の よ うな 変 動 を 生 ず るか,之. を見 ん として次. の 実 験 を 行 つ た. (実 験 間に. 前 正 中 線 感 の 範 囲 の 中 点 と,両 耳 間 の 距 離. 亘 つ て音 源 を 発 振 し,そ の 間 音 源 を 移 動 させ. の 中 点 とを 結 ぶ 直 線 を 仮 想 し,こ の 直 線 の 矢. 乍 ら被 験 者 の 前 正 中 線 感 の 範 囲 を 絶 え ず 測 定. 状 面 との な す 角 を 偏 倚 度 とす る と,被 験 者7. し続 け た.. 名 中2名. 被 験 者 の 前 方1mの. 距 離 に 於 て10分. 1個 の 音 源 で 「疲 労 生 起 音 」 と. 「検 査 音 」 とを 兼 ね,被. 験 者 の 前 正 中線 感 の. に 於 て は 疲 労 に よ り両 側 に 同 程 度 の. 前 正 中 線 感 の 範 囲 の 増 大 を 示 した か ら,こ の.
(6) 436. 田. 村. 節. 治. 場 合 は 偏 倚 角 度 は 終 始 変 らぬ 略 略0° 附 近 の. 戟 時 間 の 長 い 程 長 い と云 い 得 る の は,順. 値 で あ る が,他. を 終 え た 頃 よ り完 全 疲 労 を 起 す 迄 の 疲 労 経 過. の5名. に於 て は前 正 中線 感 の. 範 囲 が 偏 側 に 向 つ て大 な る 増 大 を 見 せ,疲. 労. 応期. 中(c→d)に. つ い て 云 い 得 る事 で,こ. 生 起 と共 に 漸 次 偏 側 に 向 つ て 偏 疲 角 度 を 増 し,. は2分. とい ふ 可 成 の 個 人 差 ・個 耳 差 の. 完 全 疲 労 に 至 つ て 固 定 さ れ た.. 見 ら れ る期 間 で あ る 上,個. 疲 労 回 復 に よ り前 正 中 線 感 は 漸 次 縮 小 し, 同 時 に 偏 疲 角 度 は 元 の0°. 附 近 に 復 旧 した.. 回 復 時 間 は 刺 戟 停 正 後30秒 不 充 分 で,1分 て 居 り,3分. 半 に於 て5名. に於 て は 未 だ は完 全 に 復旧 し. 半 迄 に 回 復 し た 者2名. 〔考 按,副. を見た. 人 差 に よ り長 さを. 種 種 異 に す る 順 応 期 に 続 く期 間 で あ る.従 来 の 疲 労 時 間 に 関 す る 実 験 成 績 に0.1秒. 〜4分. とい ふ 大 な る 相 違 を 見 る の も,短 い 疲 労 生 起 時 間 で は 之 が 疲 労 生 起 期 に 掛 る か 否 か,又. 完. 全 疲 労 期 に 達 し て い る か ど うか に よ り大 き な. 実験 〕. 順 応 期 の 長 さ は1.5分. 〜4分. の期間. 違 い が あ り,斯 か る種 種 の 結 果 とな つ た もの 〜8分 と見 做 さ れ た. で あ ろ う.疲 労 生 起 音 の 強 さ は30〜60d.. b.. が 此 の 大 な る相 違 は 個 人 差 に 帰 せ られ る.こ. に 変 化 させ て も疲 労 結 果 に 差 が 無 か つ た.だ. の 期 間 は 方 向 感 度 の 最 も良 い 時 期 で,聴. か ら疲 労 は 疲 労 生 起 音 の 強 さに 依 存 せ ぬ もの. 覚検. 査 に 最 も適 し て 居 り,音 感 熟 練 者 は この 期 間 が 延 長 さ れ て 居 り,順 応 期 間 の 長 い もの は 疲. と考 え られ る. Bekesyは. 疲 労 の 際発 生 す る 定 位 変化 は音. 労 度 も少 く,回 復 時 間 も短 く,即 ち 疲 労 時 間. の 強 さ の 変 化 に 帰 せ ら れ る とな し,異 耳 性 音. が 短 い.. 源 で 左 右 両 耳 が 同 時 差,等. 順 応 期 の 大 小 が 個 人 差 に 帰 せ ら れ る如 く, 完 全 疲 労 に 達 す る迄 の 時 間,及. び そ の際 の疲. しい 強 さ に 合 され. る と音 像 は 中 央 に 現 れ る と な し て い る.そ れ 故 両 耳 の 疲 労 度 が 同 程 度 で あ る な らば 当 然 正. 労 量 も亦 個 人 差 に よ り大 き く左 右 され て い る.. し く前 正 中 線 に 定 位 さ れ ね ば な らな い 道 理 で. 疲 労 生 起 音 発 振 し て か ら10分. あ る.然. 後 の 完 全 疲労. し単 に そ れ だ け で 疲 労 時 に 於 け る方. の状 態 に して於 て 直 ち に音源 の周波 数 を 変 更. 向 感 の 範 囲 の 変 化 な る も の を 看 過 す る とす れ. す る と(512〓. ば,左. 化 し た),こ. か ら4,000〜8,000〓. に迄 変. の 異種 周 波 数 の音 源 に 対 し て も. 同 様 前 正 中線 感 の 範 囲 の 増 大 を 見 る.之. より. 疲 労 は 周 波 数 の 如 何 に 関 せ ず 存 す る事 を 認 め る の で あ る.但. 右 耳 同 程 度 の 疲 労 で あ る な ら ば,そ. の. 疲 労 度 が ど の よ うで あ ら う と,疲 労 の 存 せ ぬ 状 態 に 於 け る方 向 定 位 能 と全 然 変 ら ぬ と云 い 得 る事 に な る.. し疲 労 の 存 せ ぬ 状 態 に あ つ て. 本 実 験 成 績 に 見 る如 く,完 全 疲 労 に 達 した. も,周 波 数 に よ る 方 向 感 度 の 相 達 が あ る 事 は. 際 に は,疲 労 の 存 せ ぬ 時 に 比 し,前 正 中 線 感. 既 報 の 如 くで,従. つ て 疲 労 時 も周 波 数 に よ り. の 範 図 が2〜3倍. に 増 大 し て い る の で あ る.. 前 正 中 線 感 の 範 囲 の 大 さ が 稍 々 異 る.高 音 の. 即 ち 疲 労 の 際 に は 聴 覚 に よ る前 正 中 線 と感 ず. 方 向 感 度 の 悪 い 者 に 於 て は,疲. る ものは 極め て広 範囲 を 指す 事 にな るので あ. 労 時 に於 て も. 低 ・中 音 に 於 け る よ り大 な る前 正 中 線 感 の 範 囲 を 抱 くの で あ る.. 被 験 者 を 完 全 疲 労 に達 せ しめ た 後 直 ち に聴. 又 同 一 人 に 於 て 完 全 疲 労 に 達 した5分 に 於 け る 回 復 時 間 と,10分. 間後. 後 に於 け る 回 復 時. 間 を 比 較 す る と,両 者 略 々等 しい 事 を 認 め る. 之 よ り完 全 疲 労 に 達 した 者 の 回 復 時 間 は 略 等 しい 事 に な る. Flugelの. る.疲 労 時 定 位 の 特 色 と云 わ ね ば な ら な い.. 疲 労 生 起 音 発 振15秒. 力 検 査 を 行 つ て み る と聴 力 の 低 下 が 認 め られ, そ れ は 最 小 可 聴 閾 に 於 て5〜10d.. b.前 後 の値. で あ る. 然 し10d.. b.前 後 の聴 力 の 低 下 は 外 耳 道 に. 線 栓 を 施 す 事 に よ り人 工 的 に 容 易 に 作 り得 る 乃 至12分. に. 事 で あ り,そ の 場 合 起 る の は 前 正 中 線 感 の 偏. て は長 い程 疲 労 時 間が 長 い とな してい るの は. 倚 だ け で あ つ て,前. 多 少,吟. 無 い の で あ る.. 味 さ れ ね ば な ら な い.疲 労 時 間 が 刺. 正 中線感 の範 囲 の増大 は.
(7) 聴 覚 に よ る 方 向 識 別 に 関 す る研 究. 437. 右耳. 神経 中枢に達す る迄の時間差が問題にな る断. 同 程 度 の聴 力 の 低 下 に 対 し て は 正 し く前 正 面. 続音 の この両者 に於 て,疲 労課程が軌を一 に. 単 に 聴 力 の 低 下 の み で あ る な らば,左. に 定 位 さ れ,左. 右 聴 力 の程 度 を 異 にす れ ば聴. して い る とす れ ば,疲 労 に 際 し 神 経 伝 導 速 度. 力 の低 下 度 の 甚 しい 側 に 向 つ て 前 正 中 線 は 偏. に 変 化 が 起 りは せ ぬ か,と. 倚 す る(こ の 偏 倚 は 客 観 的 判 断 で あ る)だ け. て よい. で,前. 正 中線 感 の 範 囲 の 増 大 の 説 明 とは な ら. な い.. 方 向 定 位 は 時 差(連. い ふ懸 念 は 除外 し. 続 音 の 場 合 は 相 差),. 強 差 の 両 者 に よ り行 わ れ,時. 被 験 者7名. 中5名. に於 て 疲 労 に 際 し て,前. 差 ・強 差 の 何 れ. の 変 化 に よ つ て も定 位 判 断 は 変 化 す る.(第. 正 中線 感 の 範 囲 の 増 大 が 片 側 に 向 ふ 傾 向,即. 4編 参 照)本. ち 前 正 中線 感 が 片 側 に 僅 に 移 動 す る も の と見. 効 果 は 極 め て 僅 少 と考 え ら れ るか ら,強 差 効. 做 され る 事 は,略. 果 が 影 響 し問 題 とな る とす れ ば,そ. 々相 等 しい 刺 戟 に 対 し左 右. 実 験 の 音 源 位 置 か ら 受 け る強 差. れ は被 験. 耳 の疲 労 の 程 度 を 異 に す る もの と思 わ れ,又 一側耳 のみ に一 定 時 間音 刺 戟 を与 えて一 側 耳. 者 自 身 の 聴 能 の 変 化 で あ る.疲 労 に 際 し,神. の み 聴 能 を 低 下 さ せ 得 る.即 ち 片 耳 の み 疲 労. 被 験 者 自体 の 聴 力 ・局 所 の 興 奮 の 変 化 が 問 題. の生 じ得 る事 よ り,聴 覚 疲 労 に 於 け る 方 向 定. で あ る.. 位 の 変 化 は 中 枢 よ り も局 所 に 於 て 起 る変 化 と 考 え ね ば な ら な い.. 経 興 奮 の 伝 導 速 度 に 変 化 が 起 らぬ とす れ ば,. 1側 耳 の み 疲 労 を 起 さ せ,之. を疲 労せ ぬ他. 側 耳 と比 較 す る と,音 の 大 さ,音 の 大 さ の弁. 本 実験 に於 ては 試 験音 は連 続 音 として使 用 した.一 般 に 音 源 を 断 続 音 に し た 場 合,断. 続. 別 閾(DLI),. Δ1/1に 相 違 を 来 して 居 り,更. に 精 細 に 観 察 す る と,疲 労 耳 に於 て は 弁 別 閾. の前 後 に 於 て 定 位 が 最 も容 易 で あ る事 か ら,. の 単 な る増 大 に 止 らず,動. 定 位 に 対 し時 差 が 主 役 を 演 じ る もの と考 え ら. る.即 ち 疲 労 耳 に 於 て は 音 刺 戟 に 対 す る神 経. れ るが,連 続 音 源 に 対 し て は 時 差 は 考 え られ. 興 奮 が 低 下 す る 事 以 外 に,興. ず,位. 明 瞭 さ,曖 昧 さが 生 じ て い る の で あ る.従. 相 差 に 帰 せ られ ね ば な らな い.連 続. 揺 の 存 す る事 で あ. 奪 そ の もの の不 つ. 音 ・断 続 音 この 両 者 に 於 て 定 位 能 に ど の 程 度. て 疲 労 時 に 於 け る定 位 の 変 化 は 両 耳 或 は 片 耳. の相 違 が あ る も の で あ ろ うか.疲. 労 の 全然 存. に 於 け る興 奮 の 不 明 瞭 さ,動 揺 に 基 き,両 側. しな い 状 態 に 於 て 前 正 中線 感 を 抱 く範 囲 を 比. の 興 奮 を 綜 合 し て 方 向 定 位 を 行 わ ん とす る 中. 較 す る と(第4表)の. 枢 機 能 は 過 大 の 興 奮 差 を 要 す る事 に な り,過. 如 くで あ る.. 大 の 興 奮 差 を 含 め て 前 正 中 線 と判 断 す る事 に. 第4表. な り,か. か る前 正 中 線 感 の 範 囲 の 増 大 を 来 し. た も の と 考 え ら れ る. 音 源 よ り出 る音 波 の 振 幅 ・波 長 ・波 形 とい つ た もの は オ シ ロ グ ラ フを 通 して 吾 人 の 眼 に 方 向 定 位 に 対 し,断 続 音 の 連 続 音 に 勝 る事 は 一 般 に 認 め ら れ た 事 柄 で あ る が,事. 実 測定. 明 瞭 に 把 握 し得 る客 観 的 事 象 で あ り,音 の 強 さ ・位 相 ・音 色 と称 す る も の は 単 な る 聴 覚 に. して み る と こ の 両 者 に 格 別 大 な る相 違 は 無 い.. 対 す る 刺 戟 に他 な らな い.こ. 而 して 完 全 疲 労 に 達 した 際,前. 正 中線 感 の範. 感 受 さ れ た もの は もは や 生 体 自体 の 特 有 の も. 囲 の 増 大 は 連 続 音 源 に 対 して は 本 実 験 の 示 す. の で あ る.同 一 耳 で 等 し い 条 件 下 に 於 て は 同. 如 くで あ るが,試. じ神 経 興 奮 が 惹 起 され るか も知 れ な い が,一. み に 断続 音 に変 更 して測 定. し て み る とや は り範 囲 の 増 大 を 見,略 を 存 せ ぬ 状 態 の 連 続 音,断. 略疲 労. 続 音 に よ る定 位 の. の 刺 戟 に 反 応 し,. 旦 生 体 自体 の 条 件 を 異 に す れ ば 神 経 末 端 に 起 る興 奪 は 異 る の で あ る.厳 密 に 云 つ て,疲. 労. 比 率 が 保 た れ て い る の で あ る.定 位 に 対 し聴. の 存 せ ぬ 場 合 と雖 も左 右 両 側 耳 よ り起 る 神 経. 神 経 末 端 の 興 奮 差 が 問 題 とな る連 続 音 源 と,. 興 奮 は 常 人 に 於 て も同 様 で 無 い で あ ろ うが,.
(8) 438. 田. 村. 弁 別 閾 下 に あ る極 め て 微 小 の 刺 戟 変 化 は 問 題 とな らず,弁. 別 閾 が 左 右 耳 略 々等 し い 事 よ り,. 両 側 の 神 経 興 奮 は 略 略 同 じ も の で あ る と見 做 さ れ る.然 動 し,異. 節. 出 さ れ た 事 柄 は,局. 側 神 経 興 奮 に つ い て も不. 所 疲 労 ・聴 力 の 低 下 に よ. り説 明 され る も の で,従. つ て異種 音 源 に対 し. て も適 用 さ れ る もの で あ る.. し疲 労 に よ り左 右 耳 の 弁 別 閾 が 変. る 以 上,両. 治. 以 上 は 局 所 疲 労 と し て 考 察 し た も の で あ る. 更 に 全 身 疲 労 者 に於 て 本 実 験 を 試 み た 結 果 を. 同 で あ り,定 位 判 断 の 主 観 性 を 一 層 濃 厚 に す. 附 言 す る と,短 い 順 応 期 の 後 急 激 に 疲 労 し,. る.. 完 全 疲 労 に 達 す る傾 向 は 見 受 け ら れ た が,実. 音 の3要. 素 の 強 さ ・位 相 ・音 色 の うち 音 色. 験 時 間10分 間 を 通 じ て,前. の 変 化,即. ち 疲 労 に よ る神 経 興 奮 の 主 観 性 か. 極 め て 大 な る動 揺(大. ら見 て,両. 耳 間 に 僅 か の 音 色‑主. 倚 角 度 が 右 に 或 い は 左 に 絶 え ず 大 き く動 揺 を. 観 的 内容. だ とす れ ば 音 質 と して もい ゝが‑差. の起 る. 事 が 考 え られ る が,僅 か の 相 違 は 大 し た 影 響 を 与 え る も の で 無 い 事 は,異. 耳 性2音. 小)が. あ り,同 時 に 偏. 来 し た 事 は 注 意 を 要 す る 事 で,蓋. し 判 断 力,. 注 意 力 の 減 退 に よ る もの で あ ろ う.. 源が僅. か の 音 色 差 が あ つ て も融 合 さ れ て 見 掛 け 上 の 音 像 が 作 製 され,之. 正 中線 感 の範 囲 に. が 強 さ ・時 差 の 変 化 に よ. Ⅳ. 躁. 音. 躁 音 の 心 身 へ の悪 影 響,噪. 音 の遮 蔽 作用 は. り自 由 に 移 動 さ れ る 事 よ り明 か で あ り,強. 聴 能 を 低 下 させ る も の と考 え られ て い る.噪. さ ・時 差(位. 音 は 吾 人 の 環 境 の 至 る所 に 見 受 け ら れ る もの. 相 差)が. 問 題 とな る所 以 で あ る.. 被 験 者 の 前 正 中 線 と判 ず る 為 に は 左 右 同 一 強 さ で,同. 一 時 差 で あ る事 が 必 要 で あ る.強. さ ・時 差 そ の 何 れ に 変 化 を 来じ て も左 右 何 れ か に 偏 倚 し て 聞 か れ るの で あ る. Banisterは. で あ り,噪 音 を 背 景 と した 音 定 位 に 直 面 す る 事 は 屡 々 で あ る. 噪 音 を 背 景 と した 純 音 方 向 定 位 に 関 して, Langmuir他3名. コル チ氏 器官 の毛 細胞 の 細 毛が. は 純 音 及 び 躁 音 の 両耳 に達. す る 位 相 関 係 に よ り主 観 的 音 像 の 感 じ方 に 相. そ の運 動 の 或位 相 に あ る とき神 経 衝動 が 聴神. 違 が あ る事 をdichotic(異. 経 繊 維 に於 て 惹 き 起 され る とい ふ 憶 説 を 立 て. 耳 聴)の. ゝい るが,か. ゝる 考 え よ りす れ ば,疲. 労時に. 耳 性),. dictic(両. 場 合 に つ い て 報 じ て い る.. 此 所 で は 噪 音 を 純 音 の 背 後 に 置 い た 場 合,. 於 け る動 揺 し不 明 瞭 な る強 さ興 奮 と云 ふ 見 方. 純 音 の定 位 に 対 し感 度 の 良 否 が あ るか ど うか. は, Cilliaの 運 動,. tectoriaと の. 検 した.. 接 触 関 係 が 不 規 則,乃. 至 動 揺 を来 した状 態 に. (実 験). あ る事 が 考 え られ,音. 刺 戟 興奮 が 中 枢へ 伝達. さ れ る時,中. Membrana. 枢 へ 達 す る興 奮 の 間 隔 乃 至 興 奮. 被 験 者 の 前 方1mの. 距 離 に 於 て 周 波 数512,. 50d. b.に 音 源 を 保 ち,こ. の 純 音 々源 よ り更. の 大 さ の 変 動 が 位 相 と し て 知 覚 さ れ る と考 え. に50cmの. ら れ るか ら,疲 労 の 際 位 相 知 覚 も亦 瞹 眛 な も. 純 音 々 源 を 移 動 させ て 噪 音 を 背 景 に し た 前 正. の に な り,左 右 同 一 時 差(相. 中 線 感 の 範 囲 を 測 定 した.. 差)・. 同一 強 差. を 以 て 前 正 中 線 と見 做 さ ん とす る 中 枢 に 於 け る 判 断 を 一 層 困 難 な ら しめ る も の で あ ろ う. 疲 労 直 後 の未 だ回 復せ ぬ 状態 に あつ ては 前 正 中 線 感 の 範 囲 は 疲 労 の 大 な る耳 側 に 偏 倚 し て い る.換 言 す れ ば 疲 労 の 大 な る 耳 側 に 偏 倚. 距 離 にThiratron‑noiseを. 固 定 し,. (成 績) 噪 音 の 強 さ を20d.. b.に した 場 合 に は,噪. 音 の 全 然 無 い 場 合 と変 らず,即. ち噪 音 は無 影. 響 で あ る. 然 るに 噪 音 の 大 さを60d.. b.に 強 くす る と. し て い る 音 源 を 被 験 者 自 身 は 前 正 中線 に あ る. 僅 か に 前 正 中線 感 の 範 囲 の 短 縮 を 見 た.(第. と考 え る故,事. 5表). 実 上 の 前 正 中 線 に あ る音 源 は. 疲 労 度 の 少 い 耳 側 に 偏 倚 して 聞 か れ る の で あ る.前 に 記 したBartlett. &. Markに. よ り見. 之 は 噪 音 が 不 安 定 な る 前 正 中 線 感 に 対 し, 一 つ の 安 定 感 を 与 え ,或 い は 固 定 作 用 と し て.
(9) 聴 覚 に よ る方 向 識 別 に 関 す る 研 究. 第5表. 439. 来 し, 3). 局 所 疲 労 に よ り急 激 に 増 大 を 来 し,. 4). 噪 音 を 背 景 と した 場 合 僅 か に縮 小 す る. こ とを 認 め た . 方 向 感 度 は 方 向 感 を 抱 く範 囲 と,主 観 的 音 像 の 偏 倚 度 の2者. に 分 け ら れ る.音 方 向 定 位. は 左 右 両 側 耳 よ り受 け る2つ. の神経 興 奮 に よ. り中 枢 に 於 て 綜 合 生 成 さ れ る もの で あ り,偏 倚 度 の 増 大 は 左 右 不 等 の 興 奮 差 に 依 り起 り, 働 き,若. し くは 云 わ ば 衝 い 立 て と して 働 き,. 方 向 感 を 抱 く範 囲 の 増 大 は 両 興 奮 の 不 明 瞭 さ. 方 向 感 度 に 良 結 果 を 齎 した もの と思 わ れ る. 結. に 帰 せ ら れ る. 中 枢 に 於 て は 単 な る左 右 両 興 奮 の 比 較 で あ. 論. り,末 梢 興 奮 の 中 枢 へ の 単 な る移 動 で あ り, 耳 軸 を 含 む 水 平 面 上 の 純 音 々源 に つ い て,. 加 ふ るに 中 枢に於 け る両興 奮 の比 較 の瞹 眛 さ. 距 離 ・視 覚 刺 戟 ・疲 労 ・噪 音 附 随 とい ふ 様 な. に よ り,末 梢 の 異 常 刺 戟 に よ り‑そ. 諸 種 の 条 件 で 聴 覚 に よ る前 正 面 の 方 向 感 度 が. え 聴 器 以 外 の 刺 戟 で あ つ て も‑方. ど う影 響 さ れ るか を 観 察 し た.そ. の 結果 前 正. れ が例 向感 度 は. 容 易 に 動 揺 を 来 す の で あ る.. 中線感 の 範囲 は 1). 音 源 距 離 に 比 例 し て 増 大 し,. 2). 視 覚 の 刺 戟,照. 摘筆 に臨 み終 始 御懇篤 なる御指導並 に 御校閲 を賜 りた る林教授 に深 謝す.. 度 の 急 変 に よ り動 揺 を. Synopsis. Sound. localization. (2)•c•cUnder. In localizing the source of the sound the following in the horizontal. plane of the examinee's. The range of localization. various. conditions. was observed under various conditions. ears.. for subjective. median,. 1.. Increased. proportionally. 2.. Increased. by visual stimulus.. 3.. Increased. by auditory. 4.. Decreased. when the intense noise was at the background. The sensitivity of the apparent the latter.. of localizing. to the distance. displacement. range of localization. from the source of the sound.. fatigue. sound is separated. source and the range of localization.. Sound localization. The increased. according. is produced is attributed. to the unclearness. to two sides,. namely. the displacement. There has been few reports concerning. in the centrum to unequal. of the source.. by two auditory. nerve. of nerve excitation.. excitations,. nerve excitation. and the increased.
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