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組込みシステムにおける割り込み制御に関する研究

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

組込みシステムにおける割り込み制御に関する研究

南角, 茂樹

https://doi.org/10.15017/1441262

出版情報:Kyushu University, 2013, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

(2)

(別紙様式2)

氏 名 :南角 茂樹

論文題名 :組込みシステムにおける割り込み制御に関する研究

区 分 :甲

論 文 内 容 の 要 旨

組込みシステムは,現実世界の変化に対応して,予め定められている制約時間以内に処理を行う というリアルタイム性を保証できることが重要である.そして,現実世界の変化を捉えるために各 種センサを利用する.センサは現実世界の変化を検出すると,ハードウェア割り込み(以後割り込 み)を使用して,CPU へ変化の発生を伝える.そして,割込みにより CPU ハードウェアから呼び 出される割り込み処理によって,変化に応じた処理が実行される.

現実世界のさまざまな変化に対応するため,割り込みには優先度がつけられ,割り込み処理実行 中に,より優先度の高い割り込みが発生した場合は実行中の割り込み処理を一時停止して,より優 先度の高い割り込み処理に制御を移すという多重割り込みを利用した多重割処理によって並行処理 を実現する.

並行処理を行う場合にはクリティカルセクション(以後 CS)の排他制御が必要である.CS とは,

同時に実行すると,データの一貫性が失われるなどの不具合が発生する可能性がある一連の命令区 間のことであり,CSの排他制御とはデータの不整合が生じないように,複数の並行処理がCSを同 時に実行しないように制御するである.

また,約30%の組込みシステムは,割り込みレベルの少なさ,コスト面,ノイズに対する耐性,

メモリ搭載量,そしてホワイトボックス化によるリアルタイム性確保の点からリアルタイムOS(以

RTOS)を使用せず,割り込みを利用して並行処理を実現している.

RTOS使用時は,タスク間のCSの排他制御にはセマフォが使用され、RTOS不使用時は,割り込 み処理間のCSの排他制御には全割り込み禁止(Disable Interrupt、以後DI)と全割り込み許可(Enable

Interrupt、以後EI)が使用される.しかし,セマフォの排他制御の影響が,関連するセマフォを利用

しているタスク間に限定されるのに対し,DI/EI による割り込み処理の排他制御は、排他制御に無 関係の部分や優先度が高い無関係の割り込み処理の実行までも阻害し,組込みシステムがリアルタ イム性を満足できない場合がある.

たとえば,業務用のエアコンでは1台の室外機で10台以上の室内機の温度設定や冷媒の送出のた めのコンプレッサーの制御などをRTOSなしで行っている.室外機で割り込みによって行わねばな らない制御は

・冷媒の送出制御(コンプレッサーの制御)

・全室外機動作の制御

(3)

・温度,湿度など外部条件のチェック

・通信のチェック

・設定データの反映

・電源低下のチェック

EEPROMの書き込みタイムアウトのチェック

など多岐に渡る.現実に,RTOSを使用しない業務用エアコンの室外機は15種類の割り込みによ り処理を行っており,排他制御のための DI により,制約時間以内に高優先度の割り込みに応答で きず,リアルタイム性の満たせないための不具合が発生した.

また車に100個以上使用されるECU(Electric Control Unit)においても,ほとんどRTOSは使用 されず,割り込みを用いて並行処理を実現する.ECUにおいては,バスからの割り込みが多数ある ため,排他制御に苦労している.

これらの問題を解決するためには,排他制御の影響が関連する割り込み処理間のみに限られ,低 優先度の割り込み処理が高優先度の割り込み処理の実行を阻害しない,排他制御方式の実現が必要 となる.そこで本研究では、特別な割り込みを追加せずに,RTOS のセマフォと同等の機能を組み 込んだ、割り込み処理間のCSの排他制御を実現する方式を提案した.

RTOS がタスクに対して提供しているセマフォと同等の機能を割り込み処理が従来使用できなか ったのは,各割り込み処理が固有のコンテキストを持てず,割り込み処理が待ち状態を持てなかっ たためである.そこで各割り込み処理に固有のコンテキスを持たせることにより,待ち状態を持て るようにした.そしてそれを利用して,割り込み処理がセマフォと同等の機能を利用できるように して,組込みシステムのリアルタイム性を向上させた.

この仕組みをREMON(Real-Time Embedded Monitor)と名付けた.さらにREMONには,ハードウ ェア割り込み優先度を利用してソフトウェアの実行を減らすことによる,平均処理速を向上させる 機能,メモリマネジメントユニット(MMU)を使用しないスタックオーバーフローの発生を検出す る機能も持たせた.

最後に,REMONおよびRTOSを同じCPUボードに実装して実装して,処理速度の測定,比較を 行い,REMONの有用性を確認した.

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