第5学年 国語科学習指導案
1 単元「説明のしかたの工夫を見つけ、話し合おう」(「天気を予想する」光村図書5年) 2 指導観 〇 本単元は、小学校学習指導要領(平成 20 年)の第5学年及び第6学年「C読むこと」の指導事項 「ウ 目的に応じて、文章の内容を的確に押さえて要旨をとらえたり、事実と感想、意見などとの 関係を押さえ、自分の考えを明確にしながら読んだりすること」「オ 本や文書を読んで考えたこと を発表し合い、自分の考えを広げたり深めたりすること」を受け設定した。本単元では、文章を読 みながら筆者が何を理由に、どのような例を根拠にして、読み手に分かりやすいように述べている かを捉え、筆者の主張やその述べ方を評価することを通して自分の考えを明確にしながら読むこと をねらいとする。教材文「天気を予想する」は、児童にとって身近でありながら、予想の仕組みに ついてはどのように調査されているかよく知られていない天気予報を題材としている。中1(事例 1)では、予報の的中率について科学技術の進歩、国際的な協力の面から述べられている。中2(事 例2)では、科学技術の進歩によっても予測しづらい事実があることを挙げ、中3(事例3)では、天 気を予想するために、先人の知恵や経験から天気を予想することの大切さを述べた説明文である。 本教材には、全体を覆う一つの大きな問いは存在せず、一つの問いに対する答えの中から新たな問 いが生まれるという関連性をもって、問いと答えが3回繰り返される構成となっている。また、文 写真・図表の効果的に使っている説明文でもある。主張やその述べ方について評価したことを他者 との関わり合いを通して、根拠や理由を見直し、自分の考えを明確にしていくことが主な指導内容 となる。また、述べ方に対して三つの観点から考えていく活動を繰り返し取り組むことで、高学年 説明的文章の読み方を身に付けることに適した教材ともいえる。 〇 本学級の児童は、これまでに説明的な文章を読み、文末表現や接続語に着目して中心となる語や 文を捉えて段落相互の関係や事実と意見の関係を読み取る学習を行っている。また、文章からキー ワードを見付けたり、キーワードを基に要点にまとめたり、中心となる語や文をとらえて、段落相 互の関係や事実と意見を考えて読んだりする学習も行っている。説明的文章の「読むこと」に関し ての実態調査からは、新しい情報(内容)を知ること、絵図や写真のことといった内容や資料の使 われ方について高い興味・関心があることが分かる。一方で、自分の考えをもつこと、友達と考え を比較して自分の考えを明確にしていくことを苦手と感じている児童が多いことが分かった。その 原因として、説明的文章の読み方やそのよさや面白さを実感できていない児童が多いということが 考えられる。また、グループや全体の交流では、自分の意見を伝えるだけで終わることが多く、相 手の評価や根拠から推測して考えた理由を、自分の考えた理由と比較し、付加しながら、自分の考 えを強めたり変えたりして明確にするまでには至っていないと考える。 〇 本単元の指導にあたっては、最初の自分の考えをつくらせた上で、他者の視点を取り入れたグル ープ対話活動を仕組む。その後、全体交流を通して筆者の意図を解釈したことを基に、自分の考え に付加して、まとめさせる。ここでの読みの観点とは、筆者が主張を読者に納得させるために、写 真や図表などの資料の使い方が事例の内容を分かりやすくしているか、主張や問いに対する事例の 内容が伝わりやすいか、筆者の主張へ導くための事例の順序は伝わりやすいかの三つである。その ために、単元を「つかむ」「つくる」「まとめる」の三つの段階で構成する。まず、つかむ段階では、 筆者の主張の内容を評価させ、その根拠や理由の違いから述べ方に着目させた学習課題をつかませ る。次に、つくる段階では、まず、三つを読みの観点ごとに、全体で「何が」「どのように」書かれ ているか全体で確認し、その後、グループ対話活動①で、自分の考えをつくったり、他者の評価、 根拠、理由から自分の考えとの共通点や相違点について考えさたりさせる。次時では、まず、グループ対話活動②を仕組み、グループ内の友達に向けて説明したり、話し合ったりしながら筆者の意 図について考えさせる。その後、グループで出なかった根拠や理由について気付かせるために全体 交流を設定する。最後に、グループ哀話活動②や全体交流で話し合った筆者の意図について自分の 考えをまとめさせる。まとめる段階では、つかむ段階での学習シートを生かして、再度、筆者の主 張を評価させる(再評価)。このような一連の活動を仕組むことで、自分の考えを明確にしながら読 む児童が育つとともに、説明的文章の読み方を身に付けることができるようになると考える。 3 単元の目標 ○ 筆者の主張とその述べ方から筆者の意図を想定し、自分の考えをつくったり、根拠や理由を見 直したりして自分の考えを明らかにしようとする児童 【関心・意欲・態度】 ○ 筆者の主張を納得させるための事例の内容、効果的な資料の活用の仕方、事例の順序について 表現の効果や段落の役割などから筆者の意図を想定しながら、自分の考えをつくることができる。 【C読むこと-ウ】 ○ 筆者の意図についてペアやグループで対話的に交流することで、自分の元々の考えに他者の考 えを付加し、見直すことで、自分の考えを明確にすることができる。 【C読むこと-オ】 4 単元計画(8時間) 1 教材文を通読後、筆者の主張を評価し、その根拠や理由を出し合い、述べ方についての学習課 題をつかむ。〈つかむ段階〉 【1時間】 2 述べ方を三つの観点から課題をつかみ、筆者の意図をグループ対話活動や全体交流を通して話 し合い、自分の考えをまとめる。※一観点につき、2時間で取り組む〈つくる段階〉 【6時間】 (1) 事例の内容を効果的に伝えるための写真や図表は、分かりやすいか。「読みの観点㋐」2時間 (2) 主張を納得させるための事例の内容には、説得力があるか。「読みの観点㋑」2時間 (3) 主張を納得させるための事例の順序には、説得力があるか。「読みの観点㋒」2時間…本時 3 読みの観点ごとの学習シートを生かし、筆者の主張を再評価する。〈まとめる段階〉 【1時間】
5 本時 ◯ 展開(6/8) ◯ 主眼 筆者の主張を納得させるための順序について、「何が」「どのような」順序で述べられているか全員 で確認した上で、自分の考えをつくるとともに、ペアシートを交換し他者の評価、根拠、理由から自 分との共通点や相違点について考えることができる。 ◯ 準備 児童…学習シート、事例ごとに拡大したカード、学習の流れ図、質問はてなカード 学習活動・内容 学習形態 ○ 主な手立て ◆ 評価基準(評価方法) 導 入 展 開 終 末 1.本時の流れを確認し、学習の見通 しをもつ。 ・グループ対話活動②のねらいを確認 すること 2.三つの事例の順序について、「何が」 「どのような」順序で述べられてい るか確認する。 ・何が、どのような順序で述べられて いるか知ること 3.筆者の事例の順序について自分の 考えをつくる。(最初の評価) 〈グループ対話活動①〉 ・筆者の考えた事例の順序に対して、 自分の考えをつくること 4.ペアシートを交換し、他者の評価 と根拠、理由について考える。 ・自分の根拠や理由との共通点や相違 点に気付くこと 5.本時を振り返り、次時の見通しを もつ。 全 全 個 個 (グループ内) 全 〇 本時で行う学習の見通しをもたせ るために、学習の全体の流れを確認さ せる。 ○ 事例の内容と順序を確認し、筆者の 事例の順序をつかませる。 ○ 事例ごとにまとめられた拡大カー ドを正しく並べ替えさせることで、事 例の順序とどんな事例で展開されて いるか学級全体で確認させる。 ○ 読みの観点㋒に関する問題に焦点 化するために、中2の拡大カードを取 り外しながら、発問する。 ◯ 課題について、学級全体の評価の傾 向を見るために、全員に挙手させる。 ◆ 課題に即した自分の根拠や理由を 書くことができる。 (学習シート) ○ 自分なりに考えた理由を使って、次 時にグループ内で説明することを確 認する。 〇 ペアシートを交換させ、他者の根拠 や理由から、自分の考えとの共通点や 相違点を考えさせる。 3 15 17 7 3 課題 中2が武田さんの主張を読者にとって伝わりやすいものか、考えてよう。 ぼくの理由と同じだな。 でも、根拠がちがうな。 めあて 武田さんの主張を納得させるための事例の順序について考えよう。
◯ 展開(7/8) ◯ 主眼 ペアシートを基に、グループ対話活動②や全体交流を通して筆者の意図を解釈し、根拠や理由を付 加して自分の考えをまとめることができる。 ◯ 準備 児童…学習シート、事例ごとに拡大したカード、学習の流れ図、質問はてなカード ◯ 学習の過程 学習活動・内容 学習形態 ○主な手立て ◆評価基準(評価方法) 配時 導 入 展 開 終 末 1.グループ対話活動②の流れを再 確認する。 2.ペアシートを基に、グループ内 の友だちに向けて説明する。 〈グループ対話活動②〉 A児 C児 D児 3.グループ内で出し合った根拠や 理由から筆者の意図について話し 合う。 ・筆者の意図について考える 4. 全体で交流をする。 ・グループで話し合った筆者の意図 について知る。 ・二つの面から筆者の意図を解釈す る。 5.読みの観点の課題について、 自分の考えをまとめる。(再評価) ・グループ対話活動や全体交流で出 された根拠や理由を付加して、自 分の考えを見直し、まとめること 5.本時を振り返り、次時への学習 の見通しをもつ。 全 グループ 全 個 個 ○ 前時までの学習内容を想起させ、 グループ対話活動②の流れを再確認 する。 ○ 説明させることで、自分との根拠 や理由との共通点や相違点について 考えさせる。 ○ ペアが互いに説明し終えたら、も う一つのペアと変わり、同じ活動を 繰り返させる。 ○ 交流の視点に沿って話し合われて いるか確認するために、適時、机間 指導をする。 〇 グループの評価によって、考えに 差異が生じるため、また話し合いを活 性化し、筆者の意図に迫らせるために 「質問はてなカード」を配布する。 【「とても」の評価が多いグループ】 ○ グループで出なかった筆者の意図 に気付かせるために、全体でも話し 合わせる。 ○ 筆者の意図について解釈できるよ うに、意図的に板書の構造化を行う。 ◯ グループや全体で出た根拠や理由 を自分の元々の評価に付加し、考え を強化、修正する。 ◆ 他者やグループとの交流を通して 自分の理由を見直し、付け加えて、 考えを強めたり変えたりした考えを 書くことができる。(学習シート) ○ 次時の見通しをもたせるために、 観点③について学習することを確認 する。 3 10 8 10 10 4 Bさんは、そんな根拠 や理由を考えていた んだな。 Bさんは、〇〇や△△と根 拠や理由を考えていたよ 筆者の意図に迫らせる。 話し合いを活性化させる。 グループ間の差違を埋める。 ①事例同士、主張と事例のつながりから ②中2の事例が果たす役割や効果から 評価が大きく変わって… 理由が付け加わって…等 「質問はてなカード」の中の発問 中2がないと、読者に何がつたわ らないのかな。