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海 面 反 射 性 能 低 下
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海面反射による VOR の性能低下改良法 の研究
S t u d y on Performance Improvement o f VOR D e g e n e r a t e d by Sea S u r f a c e R e f l e c t i o n
山 本 憲 夫
Kazuo YA
お1A
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L 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 コ │
概 要
本論文は, V 0 R (VHF Omnidirectional Range)局 が 海 岸 近 く に 設 置 さ れ た と き , 海 上 の 航 空 機 で 観 測 さ れ る 受 信 信 号 の レ ベ ル 変 動 を 低 減 す る 方 法 と , レ ベ ル 変 動 に と も な う 方 位 情 報 変 動 の 発 生 機 構 を 明 ら か に し , そ の 変 動 の 低 減 法 を 求 め る こ と を 主 な 目 的 と す る .
受 信 レ ベ ル 変 動 低 減 の た め , 海 面 へ の 放 射 成 分 が 少 な い 環 状 平 板 型 ア ン テ ナ を 考 案 し , そ の ア ン テ ナ の 放 射 特 性 に つ い て , U T D (Uniform GTD)を 用 い て 解 析 し た . 縮 尺 模 型 実 験 お よ び 実 寸 に よ る 飛 行 実 験 に よ っ て こ の ア ン テ ナ の 性 能 に つ い て 評 価 し た 結 果 , 海 面 反 射 波 の 影 響 軽 減 効 果 が 明 ら か と な っ た .
ま た , 周 辺 地 形 の 遮 蔽 効 果 を 利 用 し た 受 信 レ ベ ル 変 動 の 低 減 法 を 検 討 し た . こ の た め , 地 形 の 影 響 を 含 め た
VOR
ア ン テ ナ の 垂 直 面 放 射 特 性 を2種 類 の 地 形 モ デ ル と U T Dを 用 い て 計 算 し , 飛 行 実 験 結 果 と 比 較 検 討 し た . そ の 結 果 , 地 形 の 利 用 に よ り 海 面 反 射 波 の 影 響 を 大 幅 に 低 減 でき る 見 込 み が あ る こ と を 示 し た .
ド、ツプラ
‑VOR(DVOR)
ア ン テ ナ 系 の 影 響 で 引 き 起 こ さ れ る 固 有 の 方 位 誤 差 に つ い て , そ の 発 生 機 構 と 精 度 よ い 予 測 計 算 法 を 研 究 し た . そ の 結 果 , 誤 差 の 主 要 な 発 生 源 は SSB,D S B両 方 式 で 異 な る こ と を 明 ら か に す る と 共 に , 両 方 式 の 固 有 誤 差 が 精 度 よ く 表 現 で き る よ う に な っ た . こ の 検 討 を も と に , 海 面 反 射 の 影 響 に よ る 方 位 変 動 に つ い て 研 究 し た . こ の 方 位 変 動 は 固 有 誤 差 に 関 係 し て い る と 考 え , 海 面 反 射 波 が 固 有 誤 差 に 与 え る 影 響 を 解 析 し た . そ れ を も と に , い く つ か の 局 の 方 位 変 動 の 計 算 に 固 有 誤 差 の 予 測 計 算 法 を 適 用 し , 飛 行 実 験 に よ る 測 定 結 果 と 比 較 検 討 し た . そ の 結 果 , 方 位 変 動 は 主 に 海 面 反 射 に よ る 固 有 誤 差 の 変 動 か ら 引 き 起 こ さ れ , そ の 大 き さ は 提 案 し た 計 算 法 で 精 度 よ く 予 測 で き る こ と が 明 ら か と な っ た . ま た こ れ は , カ ウ ン タ ポ イ ズ 拡 大 な ど の 対 策 で 低 減 でき る 見 込 み が あ る こ と も 示 し た
目 次
1 序 論 1
1.1 は じ め に .• •
1.2 V 0 Rの 歴 史 と 従 来 の 研 究 状 況 .• • • • • • • • • • • • • • . • • •• 2 1.3 研 究 の 目 的 と 概 要 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 5
2 V 0 Rの 概 要 7
2.1 は じ め に .• • •
2.2 V 0 Rの 動 作 原 理 と 構 成 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •• 9
2.2.1 C V 0 Rの 動 作 原 理 .• • • • • • • • • • • • • • • • • . • • • •• 9 2.2.2 C V 0 R地 上 装 置 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • " 11 2.2.3 D V 0 Rの 動 作 原 理 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 14 2.2.4 D V 0 R地 上 装 置 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •• 16
2.3 C V 0 Rア ン テ ナ の 垂 直 面 放 射 特 性 .• • • • • • • • • • • • • • • • 20 2.3.1 放 射 特 性 の 計 算 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • " 20 2.3.2 縮 尺 模 型 実 験 結 果 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 23 2. 4 受 信 装 置 .• • • • • . • • • • . • • . • • . • • • • • • . . . • . • • . • . 25 2.5 仕 様 と 運 用 基 準 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •• 27
2.6 海 面 反 射 波 の 影 響 評 価 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •• 28
2.7 飛 行 実 験 装 置 と 精 度 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 30
2.8 ま と め .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •• 33
3 環 状 平 板 型
V O R
ア ン テ ナ 343.1 は じ め に .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •• 34 3.2 環 状 平 板 型 ア ン テ ナ の 構 成 と 垂 直 面 放 射 特 性 .• • • • • • • • • • 35
U
3.2.1 環 状 平 板 型 ア ン テ ナ の 構 成
3.2.2 放 射 特 性 の 計 算 一 幾 何 光 学 成 分 と 回 折 成 分 3.2.3 放 射 特 性 の 計 算 ー 導 波 管 通 過 成 分 .• • 3.2. 4 総 合 放 射 特 性.• •
3.3 縮 尺 模 型 実 験 と 飛 行 実 験 結 果 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • 42 3.3.1 縮 尺 模 型 環 状 平 板 型 ア ン テ ナ の 放 射 特 性 .
3.3.2 海 面 反 射 波 の 影 響 予 測 43 3.3.3 実 寸 ア ン テ ナ に よ る 飛 行 実 験 結 果 .• •
3.4海面反射波干渉特性の簡易評価法..• • • ..
3.5 環 状 平 板 型 ア ン テ ナ の 方 位 誤 差 特 性 ‑ ・ ・ ・ ・ ・ ・ .. . .. .. .. .. .. .. ..
3.5.1 ア ン テ ナ 試 験 塔 に よ る 方 位 誤 差 の 測 定 . 3.5.2 飛 行 実 験 に よ る 方 位 誤 差 の 測 定 . 3.5.3 垂 直 偏 波 誤 差 . . .. .. .
3.6 ま と め • • • • • • • • • • • • • • • •
4 U T Dに よ る 2重 回 折 波 の 一 様 表 現 法 4.1 は じ め に .
4.2 2重 回 折 問 題 の 従 来 の 解 析 法 .• 4.2.1 基 本 回 折 波 成 分 の 計 算 法 . 4.2.2 Slope回 折 波 の 計 算 法 .• 4.3 仮 想 波 源 法 .• •
4.3.1 基 本 成 分 ‑・・・・・・.. . . ... . . .. .. .. .. .. .. .. ・・・・・.. . .. ... ... . ..
4.3.2 Slope回 折 成 分
4. 4 他 の 解 析 法 と の 比 較 検 討 • 4.5 数 値 計 算 結 果 と 実 測 結 果 .
4.5.1 数 値 計 算 結 果 .• 4.5.2 実視IJ結 果 .• • 4.6 ま と め
III
vh
u p h
u
口 ︒
q d q J q d
5 地 形 を 利 用 し た 海 面 反 射 の 影 響 低 減 法 5.1 は じ め に .•
5.2 設 置 地 形 の モ デ ル 化 と そ の 放 射 特 性 .
223
00
o o n
ku
42 5.2.1 地 形 モ デ ル 1. . . .. 83 5.2.2 実 測 結 果 と の 比 較 検 討 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • •• 87 5.2.3 地 形 モ デ ル 2 . . . .. 89 5.2. 4 宮 古 , い わ き 局 の 垂 直 面 放 射 特 性 .• • • • • • • • • • • • " 92 5.3 飛 行 実 験 結 果 と 考 察 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • " 93 5.3.1 モ デ ル 1を 適 用 し た 局 の 海 面 反 射 波 干 渉 特 性 .• • • . • • 93 5.3.2 モ デ ル 2を 適 用 し た 局 の 海 面 反 射 波 干 渉 特 性 .• • • • •• 95 5.4地形モーデ ル の 適 用 範 囲 • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 96 5.5 地 形 を 利 用 し た 海 面 反 射 の 影 響 低 減 法 .• • • • • • • • • • • • • • • 99 5.5.1 地 形 の モ デ ル 化 と 干 渉 特 性 .• • • • • • • • • • • • • • • • •• 99 5.5.2 地 形 に よ る 干 渉 低 減 効 果 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • •• 100 5.5.3 実 験 結 果 と 検 討 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 102 5.6 ま と め .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • " 103 42
円h u n δ n u t i p O
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5 5 6 6 6 6 6 6 7 7 7 7 8
6 ド.ップラー
V O R
の 固 有 方 位 誤 差 の 解 析 105 6.1 は じ め に .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •• 105 6.2 D V 0 Rア ン テ ナ の 構 成 と 動 作 原 理 .• • • • • • • • • • • • • • •• 106 6.3 カ ウ ン タ ボ イ ズ の 影 響 に よ る 固 有 誤 差 .• • • • • • • • • • • • • • • 109 6.3.1 側 波 帯 ア ン テ ナ の 回 転 に よ る レ ベ ル 変 動 .• • • • • • • • • 109 6.3.2 カ ウ ン タ ポ イ ズ に よ る 方 位 誤 差 .• • • • • • • • • • • • • •• 112 6.4デ、ィストリビュータの影響による固有誤差 .• • • • • • • • • • • • • 115 6.4.1 デ、ィストリビ、ュータの側波帯信号への影響 .• • • • • • • • • 1156.4.2 ディストリビ、ュータによる方位誤差 • • • • • • • • • • • " 117 6.5 ア ン テ ナ 素 子 間 の 相 互 結 合 に よ る 固 有 誤 差 .• • • • • • • • • • •• 118 6.5.1 側 波 帯 ア ン テ ナ 聞 の 相 互 結 合 .• • • • • • • • • • • • • • • •• 118 6.5.2 搬 送 波 , 側 波 帯 ア ン テ ナ 聞 の 相 互 結 合 .• • • • • • • • • " 123
lV
6.5.3 側 波 帯 ア ン テ ナ 聞 の 結 合 に よ る 誤 差 • • • • • • • • • • •• 125 6.5. 4 搬 送 波 , 側 波 帯 ア ン テ ナ 聞 の 結 合 に よ る 誤 差 • • • • • • 127 6.6 総 合 誤 差 .
6.7 ま と め
7 海 面 反 射 に よ る ド ッ プ ラ ー V O Rの 方 位 変 動
128 131
133 7.1 は じ め に .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •• 133 7.2 海 面 反 射 波 の V O R信 号 へ の 影 響 .• • • • • • • • • . • • • • • • " 134 7.2.1 側 波 帯 成 分 へ の 影 響 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • " 135 7.2.2 搬 送 波 成 分 へ の 影 響 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • " 137 7.2.3 副 搬 送 波 の F M復 調 信 号 へ の 影 響 • • • • • • • • • • • • •• 138 7.3 飛 行 実 験 結 果 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •• 139 7.3.1 実 験 の 概 要 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •• 139 7.3.2 S S B方 式 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • " 140 7.3.3 D S B方 式 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • " 143 7.4考察.• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •• 145 7.4.1 三 宅 島 局 の 方 位 変 動 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • " 145 7.4.2 方 位 変 動 の 低 減 法 .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •• 149 7.5 ま と め
8 結 論
謝 辞
文 献
V
150 152 155 156
第 1 章 序
1 . 1 は じ め に
王子A
a
岡V 0 R (VHF Omnidiredional Range : 超 短 波 全 方 向 式 無 線 標 識 ) は , 有 効 距 離 内 の す べ て の 航 空 機 に 対 し , 磁 北 を 基 準 と し た 方 位 情 報 を 連 続 的 に 与 え る 民 間 航 空 用 の 無 線 施 設 で あ る . こ れ は , 方 位 情 報 の 伝 達 に 全 方 位
同 一 位 相 の 基 準 位 相 信 号 と , 受 信 方 位 に 応 じ て 位 相 が 変 化 す る 可 変 位 相 信 号 を 含 むV H F波 を 使 用 し て い る .VORは , 距 離 を 与 え る DM E(1)
( Distance Measuring Equipment : 距 離 測 定 装 置 ) と 併 用 す る と , 局 を 基 準 と し
た 航 空 機 の 位 置 を 決 定 で き る た め , 短 距 離 航 行 援 助 用 の 世 界 標 準 施 設 と し て , 航 空 路 の 基 準 点 、 や 空 港 へ の 進 入 用 に 世 界 で 使 用 さ れ て い る
我 が 国 で は , 近 年 の 航 空 需 要 の 大 幅 な 増 加 に 伴 い , 航 空 便 数 の 増 加 や 機 体 大 型 化 の 要 望 が 強 ま っ て い る . こ れ に 対 応 す る た め , 空 港 の 拡 張 や 新 空 港 の 建 設 , 航 空 路 の 増 設 , 複 線 化 等 が 進 め ら れ て い る .VORは , こ れ ら の 施 策 実 施 に 必 須 の 施 設 の 一 つ で あ る た め 増 設 が 進 み , 1992年 現 在 約 1
o
0局 が 設 置 運 用 さ れ て い る(2) こ の た め , 現 在 我 が 国 の 主 要 航 空 路 で は V O Rを 用 い た 計 器 飛 行 を 行 う こ と が で き , 航 空 の 安 全 と 運 航 効 率 の 向 上 に 役 立 っ て い る .V O R局 が 海 岸 近 く に 設 置 さ れ る と , 海 上 の 航 空 機 で 受 信 さ れ る 信 号 は , 直 接 波 と 海 面 反 射 波 の 干 渉 に よ っ て 航 空 機 の 移 動 に 伴 い 変 動 す る . 受 信 レ ベ ル の 変 動 と 共 に 方 位 情 報 も 変 動 す る こ と が 多 い . 我 が 国 で は 多 く のV O R局 が 海 岸 近 く に 設 置 さ れ て お り , レ ベ ル 変 動 の た め に 受 信 レ ベ ( Tc距 離 測 定 装 置 と し て , DMEと 共 用 性 の あ る 軍 用 の 航 行 援 助 施 設 TA C A N
Tactical Air Navigation system ) の 距 離 測 定 部 を 利 用 す る 方 式 も あ り , V O R T A Cと呼 ば れ る .
1
ル が 受 信 機 の 最 低 受 信 レ ベ ル 以 下と な っ た り , 方 位 変 動 の 幅 が 規 定 を 超 え た り し て , 何 ら か の 運 用 制 限 を 受 け てい る 局 は 20近 く に の ぼ る . こ の た め , 海 面 反 射 波 の 影 響 を 軽 減す る 方 法 の 研 究 や , 海 面 反 射 の 影 響 を 受 け に く い 設 置 場 所 の 選 定 方 法 の 確 立 が 望 ま れ て い る . ま た , 海 面 反 射 に よ る 方 位 変 動 の 発 生 機 構 を 明 ら か に し , そ の 大 き さ の 予 測 と 低 減 法 の 研 究 が 要 望 さ れ て い る . さ ら に , 新 し い 航 空 路 の 設 定 や , エ リ ア ナ ビ ゲ ー ション(3)( 広 域 航 法 ) な ど 新 し い 航 行 方 式 の 導 入 が 検 討 さ れ て お り , そ れ ら に 応 じ る た め
VOR
の 精 度 , 信 頼 性 向 上 が 望 ま れ て い る .本 研 究 で は , こ れ ら の 要 望 に 応 え , 海 面 反 射 に よ る 受 信 レ ベ ル や 方 位 の 変 動 に も と づ く
VOR
の 性 能 低 下 を 改 良 す る 方 法 を 明 ら か に す る . 海 面 反 射 に よ る‑レ ベ ル 変 動 を 減 ら す に は , 海 面 へ の 入 射 成 分 を 直 接 波 成 分 に 比 べ て 小 さ く す る 必 要 が あ る . こ の た め ,VOR
ア ン テ ナ の 放 射 特 性 を 改 善 し , 海 面 反 射 波 成 分 を 低 減 で き る 新 型 ア ン テ ナ の 開 発 と , 局 周 辺 の 地 形 を 利 用 し て 海 面 へ の 入 射 成 分 を 遮 蔽 す る 方 法 に つ い て 提 案 を 行 う.こ れ ら の 方 法 に よ る ア ン テ ナ の 設 計 や , ア ン テ ナ 設 置 位 置 の 評 価 を 容 易 に す る た め , ア ン テ ナ 放 射 特 性 の 精 度 良 い 解 析 方 法 に つ い て 研 究 す る .
一 方 , 海 面 反 射 に よ る レ ベ ル 変 動 は 許 容 範 囲 で も , 方 位 変 動 が 大 き く 運 用 基 準 を 満 た せ な い こ と が あ る . こ の た め , 海 面 反 射 に よ る 信 頼 性 低 下 を 防 ぐ に は , レ ベ ル 変 動 の 低 減 だ け で は 不 十 分 で , 方 位 変 動 の 発 生 機 構 を 明 ら か に し , こ れ を 低 減 す る こ と も 必 要 で あ る . そ こ で , 方 位 変 動 の 原 因 に つ い て 検 討 し , こ れ に 関 連 が あ る と 予 想 さ れ る
VOR
の 固 有 方 位 誤 差に つ い て そ の 発 生 機 構 の 解 析 を 行 う . そ の 結 果 を も と に , 海 面 反 射 に よる 方 位 変 動 の 機 構 解 明 と そ の 低 減 方 法 に つ い て 検 討 す る .
1 . 2 V 0 R の 歴 史 と 従 来 の 研 究 状 況
現 在 の
VOR
の原理はアメリカで開発され, 1940年 こ ろ 提 案 さ れ たVH F
全 方 向 式 ビ ー コ ン か ら 始 ま る . こ れ は , 従 来 のND B ( 4 ) (
全 方 向 式 ビ ー コ ン ) を 利 用 し た 淑JI位 と 比 べ , 高 い 精 度 の 方 位 情 報 が 得 ら れ る こ と か ら 民間航空用に広く使われ, 1949年 国 際 民 間 航 空 機 関 (1 C A 0 ) の 標 準 方2
式 と し て 採 用 さ れ た .
VOR
の 普 及 に 伴 い , そ の 性 能 向 上 の た め の 研 究 が ア メ リ カ を中 心 に 進 め ら れ た . 最 初 に 実 用 化 さ れ , 現 在 も 使 用 さ れ て い る コ ン ベ ン ショナルV 0 R
(5) ( ConventionalVOR
,以下CVOR
と 呼 ぶ ) は , 周 辺 反 射 物 の影 響 で 方 位 情 報 に 誤 差 が 生 じ や す い(6) こ れ を 改 善 す る た め , 可 変 位 相信 号 の 発 生 に ア ン テ ナ 回 転 に も と づ く ド 、 ツ ブ ラ ー 効 果 を 利 用 す る 全 方 向式 無 線 標 識 がHanselにより 1953年 に 提 案 さ れ た(7) こ の 原 理 を も と に , 従 来 の CVOR
と信号の共用性があるド、ップラーVOR(
以 下DVOR
と呼ぶ)の 開 発 が CA A (アメリカ FA A ( 連 邦 航 空 局 ) の 前 身 ) を 中 心 に 行 わ れ た(8) この
DVOR
はS S B
方 式 と 言 い , 基 準 位 相 信 号 を 含 む 搬 送 波 と , 可 変 位 相 信 号 を‑含 む 上 側 波 帯 か ら な るVHF
波 を 放 射 す る .DVOR
の開 発 に よ り , 周 辺 反 射 物 な ど に よ る 方 位 誤 差 がCVOR
の5
分 の1
程 度 と な り , そ の 設 置 条 件 が 大 幅 に 緩 和 で き る よ う に な っ た .しかし,
S S B
方 式DVOR
は 固 有 誤 差 が 比 較 的 大 き く , 信 号 ス ベ ク ト ル がCVOR
の そ れ と 完 全 に は 一 致 し な い た め , 受 信 機 で 生 じ る 誤 差 も 増 加 す る 傾 向 が あ る . こ れ ら に よ る 誤 差 低 減 の た め , 可 変 位 相 信 号 の 伝 送 に 上 下 両 側 波 帯 を 用 い るDS B
方 式DVOR
の 研 究 が ア メ リ カ や 我 が 国 で 行 わ れ て い る(9)‑‑... (11)VOR
の 方 位 精 度 を 大 幅 に 向 上 さ せ る た め , 精 密V0 R
(PrecisionVOR
, 以 下PVOR
と 呼 ぶ ) の 研 究 も 行 わ れ た . 例 え ば , 従 来 の 方 位 情 報 に 加 え , 精 密 方 位 情 報 も 同 時 に 伝 送 す る マ ル チ ロ ー プ 方 式 のPVOR
が 提 案 さ れ , そ の 性 能 が 報 告 さ れ た(12) ま た , 基 準 位 相 信 号 の 変 調 法 を 変 え る FM/FM
方 式 や(13), デ ジ タ ル 技 術 を 応 用 し たV0
R(14), さ ら に , ア ン テ ナ 開 口 を 拡 大 し たVOR
が 提 案 さ れ た(15) しかし,PVOR
は 高 精 度 情 報 を 利 用 す る た め 機 上 受 信 装 置 の 変 更 ま た は 改 良 を 要 し , 主 に 経 済 的 な 理 由 か ら 実 用 化 に は 致 っ て い な い .VOR
の 信 頼 性 を 向 上 さ せ る た め の 研 究 も 盛 ん で , 我 が 国 で 行 わ れ た 主 要 な 研 究 と し て , 次 の も の が 上 げ ら れ る .DVOR
で は 方 位 情 報 を 発 生 さ せ る た め , 円 形 状 に 配 置 さ れ た 多 数 の ア ン テ ナ に 電 力 分 配 器 ( 以 下3
仁 一一一三三三て三三竺三で T 竺 二二 一一一一一一一一一 二
デ、ィ ス ト リ ヒ 、 ュ ー タ と 呼 ぶ ) を 用 い て 順 次 切 換 え 給 電 し , 疑 似 的 に ア ン テ ナを回転させるが,このデ、ィストリビ、ュータとして,信頼性の高い固体式 デ、イストリビ、ュータが田中らにより開発され(16), 現 在 我 が 国 で は す べ て の 局 で こ の 方 式 が 用 い ら れ て い る . 最 近 の 電 子 装 置 の 信 頼 性 や 位 相 制 御 技 術 の 向 上 に 伴 い , 全 国 体 化 さ れ , 変 調 方 式 な ど が 工 夫 さ れ た DS B方 式 DVORが 開 発 さ れ(17), 我 が 国 で は こ の 方 式 が 増 加 し つ つ あ る . ま た , 装 置 監 視 精 度 を 向 上 し , 運 用 の 信 頼 性 を 上 げ る た め の モ ニ タ の 研 究 や(18),V
O R信 号 か ら 不 要 高 調 波 を 減 ら し , 他 局 と の 干 渉 を 低 減 す る 方 法 に つ い て 研 究 が 行 わ れ た ( 川 . さ ら に , 受 信 装 置 に お け る 方 位 情 報 処 理 方 式 や , 信 号 ひ ず み が 受 信 機 に 与 え る 影 響 な ど も 研 究 さ れ た(20),(21)
局 周 辺 の 建 造 物 や 電 線 , 森 林 な ど で の 電 波 散 乱 に よ る 方 位 情 報 の 変 動 現 象 に つ い て , 解 析 的 研 究 が 積 極 的 に 行 わ れ て い る . 例 え ば , 局 周 辺 の 電 線 に よ る C V O Rの 方 位 変 動 に 関 す る 解 析 結 果 な ど がAndersonとKearyに よ り 報 告 さ れ た(22) 森 林 な ど に よ る 方 位 変 動 の 実 験 的 研 究 や , 有 限 長 の 電 線よる方位誤差解析も行われている(刈,(24) ま た , こ れ ら 散 乱 体 の 影 響 を 減 ら す た め , ア ン テ ナ の 放 射 特 性 を 改 良 す る 研 究 が 主 に C V O R用 ア ン テ ナ に 対 し て 行 わ れ , 無 給 電 ル ー プ ア ン テ ナ や , 多 段 ス タ ッ ク ア ン テ ナ が 提 案 さ れ た(25),(26) し か し , こ れ ら の ア ン テ ナ は 一 般 に 構 造 が 複 雑 と な り , 方 位 誤 差 特 性 や 信 頼 性 に 不 安 が あ る た め , 実 用 と な っ て い な い
こ れ ら の 研 究 を も と に , 我 が 国 で は 1958年 に 最 初 の VOR(CVOR) が 設 置 さ れ て 以 来 設 置 数 は 増 加 し , 1970年 ま で に 約 2 0局, 1990年 に は
9 0局 以 上 が 設 置 運 用 さ れ て 国 内 の 主 要 航 空 路 は ほ と ん ど V O R化 さ れ た . こ の う ち 約 10局 が C V O Rで , 他 は 日 本 の 地 形 条 件 に 適 し た D V O Rである.また,今後は, D S B方 式D V O Rが 我 が 国 の 標 準 方 式 と し て 運 用 さ れ る こ と に な り , 最 近 そ の 設 置 数 が 増 加 し て い る . こ れ に 対 し て アメリカでは, 1988年 に は 約 950局 の V O Rが 運 用 さ れ(27),そのうち,
DVORは60局 ほ ど で 大 部 分 がCVORである.
以 上 の よ う に 従 来 の 研 究 は , V O R装 置 の 基 本 性 能 や 信 頼 性 お よ び 方 位 精 度 の 向 上 を め ざ し た も の , 局 周 辺 の 建 造 物 な ど に よ る 方 位 誤 差 の 解
4
析 や , そ の 防 止 法 の 検 討 な ど が 多 い . し か し , 海 面 反 射 の 影 響 に よ る信 号 の 劣 化 や , そ の 対 策 に 関 す る 研 究 は 従 来 あ ま り 行 わ れ て い な い . ま た ,
D
S B方 式 D V O Rに 関 す る 固 有 誤 差 の 解 析 や , 海 面 反 射 の 影 響 な ど に つ い て の 研 究 も ほ と ん ど 見 当 ら な い . こ れ は , こ れ ま で の 研 究 の 中 心 で あっ た ア メ リ カ で は , 一 般 に 局 周 辺 に 広 い 空 間 を 確 保 し や す く , 海 面 反 射 な ど に よ る 問 題 が 起 こ り に く い た め と 考 え ら れ る . ま た , 今 日 で も C V O R が大多数を占め, D V O Rに 関 す る 研 究 は 要 望 が 少 な い よ う で あ る . し か し , 我 が 国 で は 地 勢 上 の 理 由 か ら , 厳 し い 設 置 条 件 に も 対 応 し や す い D V O Rが 大 部 分 で , ア メ リ カ と は そ の 運 用 条 件 が 大 幅 に 異 な っ て い る . こ の た め , 海 面 反 射 に よ る V O Rの 性 能 低 下 の 改 善 や , D V O Rの 誤 差 解 析 は 我 が 国 独 自 の 問 題 と し て 取 り 組 む 必 要 が あ る .
海 面 反 射 の 電 波 伝 搬 へ の 影 響 に つ い て は , 衛 星 通 信 の 普 及 な ど に 伴 い 研 究 が 進 み , 多 く の 報 告 が あ る(28),(29) こ の 影 響 低 減 の た め , ア ン テ ナ 特 性 を 改 良 す る 研 究 が レ ー ダ ア ン テ ナ に つ い て 報 告 さ れ て い る(30) V 0 R用 にもスタックアンテナの利用が検討されたが〈31),(32), ア ン テ ナ の 構 造 が 複 雑 で 実 用 化 に は 至 っ て い な い . 一 方 , 海 面 反 射 に よ る V O R方 位 変 動 に つ い て , 現 象 的 に は 知 ら れ て い た が , そ の 発 生 原 因 の 究 明 や , 低 減 法 に 関 す る 研 究 は ほ と ん ど 見 当 ら な い .
そ こ で , 本 研 究 で は 海 面 反 射 に よ る V O Rの 性 能 低 下 に 関 連 す る ア ン テ ナ 放 射 特 性 の 改 良 法 , 固 有 方 位 誤 差 の 検 討 と , 方 位 変 動 の 発 生 機 構 解 明 を 中 心 と し て 研 究 を 進 め る .
1 . 3 研 究 の 目 的 と 概 要
V O R局 が 海 岸 近 く に 設 置 さ れ た と き , 海 面 反 射 の 影 響 で 受 信 信 号 レ ベ ル や 方 位 情 報 が 変 動 し て , V O Rの 性 能 が 低 下 す る . 本 研 究 は , こ の 性 能 低 下 を 防 ぐ た め , 海 面 反 射 に よ る レ ベ ル 変 動 を 低 減 す る 方 法 の 開 発 と , 方 位 変 動 の 発 生 機 構 の 解 明 , お よ び そ の 除 去 法 を 明 ら か に す る こ と を 主 な 目 的 と す る .
ま ず , レ ベ ル 変 動 低 減 の た め , 海 面 へ の 入 射 波 を 大 幅 に 少 な く で き る 新
5
L 一 一ーで二三二竺て一一一 一 正 一 一 一 一 一 一 一 一 二 二 二 二 孟 孟
型 ア ン テ ナ を 開 発 す る . 周 辺 地 形 の 電 波 遮 蔽 効 果 を 利 用 し て 海 面 反 射 の 影 響 を 低 減 す る 方 法 につ い て 研 究 す る . ま た , ア ン テ ナ の 放 射 特 性 や , 地 形 の 電 波 伝 搬 特 性 へ の 影 響 に 関 す る 精 度 良 い 計 算 法 を 求 め る .
次 に , 方 位 変 動 の 発 生 機 構 お よ び そ の 除 去 法 を 明 ら か に す る た め , ま ず, D V O Rの 固 有 誤 差 の 定 量 的 な 予 測 計 算 法 を 考 え る . 次 い で , こ の 誤 差 に 対す る 海 面 反 射 の 影 響 を 解 析 し , そ れ を も と に 方 位 変 動 の 発 生 機 構 を 仮 定 す る と 共 に , 変 動 の 大 き さ を 予 測 す る 方 法 を 研 究 す る.こ の 仮 定 の 妥 当 性 を 実 験 に よ り 確 認 す る . ま た , こ の 方 位 変 動 を 低 減 す る 方 法 に つ い て 提 案 す る .
以 上 を 研 究 の 目 的 と し て , 本 論 文 は , 次 の 8章 か ら な る . ま ず 第 2章 で は , 方 位 情 報 の 発 生 原 理 や ア ン テ ナ 放 射 特 性 の 計 算 法 , 信 号 復 調 方 法 , そ し て 運 用 条 件 な ど V O Rの 慨 要 に つ い て 述 べ る . ま た , 海 面 反 射 の 影 響 評 価 法 や , 本 研 究 で 用 い る 実 験 装 置 の 概 要 を 紹 介 す る .
第3章 で は , 海 面 反 射 に よ る V O R信 号 変 動 の 低 減 を 目 ざ し た 新 型 ア ン テ ナ の 動 作 と そ の 放 射 特 性 の 解 析 , お よ び そ の 性 能 評 価 の た め の 実 験 結 果 な ど を 中 心 に 論 じ る .
第4章 で は , ア ン テ ナ の 放 射 特 性 や 地 形 の 影 響 を 解 析 す る と き に 現 わ れ る
2
重 以 上 の 多 重 回 折 成 分 の 計 算 精 度 を 向 上 さ せ る た め ,U T D
(U niform GTD)を も と に し た 一 様 表 現 法 に つ い て 論 じ る .第5章 で は , 周 辺 地 形 が ア ン テ ナ 放 射 特 性 に 与 え る 影 響 の 解 析 と , 地 形 の 遮 蔽 効 果 を 利 用 し て 海 面 反 射 成 分 を 低 減 す る 方 法 と そ の 効 果 に つ い て , 飛 行 実 験 結 果 な ど を も と に 検 討 す る .
第6章 で は , 海 面 反 射 に よ る 方 位 変 動 解 析 の 基 礎 と す る た め , ド 、 ツ プ ラ ‑ V O Rの 固 有 方 位 誤 差 に つ い て , そ の 発 生 機 構 と 大 き さ の 予 測 法 を 研 究 する.
第
7
章 で は , 海 面 反 射 に よ る 方 位 情 報 の 変 動 発 生 機 構 を 明 ら か に す る と 共 に , そ の 大 き さ の 予 測j計 算 法 を 求 め る . ま た , 変 動 の 低 減 策 に つ い て 検 討する.第8章 で は 研 究 の 結 論 と , 残 さ れ た 課 題 な ど に つ い て 述 べ る .
6
第 2 章 V O R の概要
2 . 1 は じ め に
V O Rは 搬 送 波 周 波 数108‑‑118MHz ,出力 100‑‑200 W で 運 用 さ れ,その 信 号 に は , 方 位 情 報 の 伝 達 に 用 い ら れ る 基 準 位 相 信 号 , 可 変 位 相 信 号 の 他 に , 局 識 別 符 号 , 音 声 信 号 が 含 ま れ て い る . 図
2 . 1
は,基準位相信号,可 変 位 相 信 号 と 受 信 点 、 の 方 位 と の 関 係 を 示 す . こ れ ら の 信 号 は 30Hz正 弦 波 で , 基 準 位 相 信 号 に 対 す る 可 変 位 相 信 号 の 位 相 遅 れ は , 磁 北 を基 準 に 時 計 廻 り に 測 定 し た 受 信 点 の 方 位 と 一 致 す る .V O Rで は , こ れ ら の 30Hz信 号 を 互 い に 混 変 調 を 受 け る こ と な く 送 信 するため, 2種 類 の 変 調 法 を 併 用 し て い る . ま ず , 基 準 ( ま た は 可 変 ) 位 相 の30Hz信号を送るため, 9960Hzの 副 搬 送 波 が 使 用 さ れ る . こ の 副 搬 送 波 は30Hz信 号 で 周 波 数 変 調 さ れ , 搬 送 波 は こ の 副 搬 送 波 で 振 幅 変 調 さ れ る . ま た , も う 一 方 の30Hz信 号 は , 搬 送 波 を 直 接 振 幅 変 調 し て 送 信 さ れ る.図
M. N. Reference Phase
V ヘ ¥ / ヘ ¥
¥J
A J A Y ¥ /
へVariable P11j;euu
〆 ¥ J
ign叫 ん
1MJ1350V¥ /
' t " に / ¥ J
φ=2500
ん ¥J
25ド 〆 ¥ ¥)
図
2 . 1
基 準 位 相 信 号 と 可 変 位 相 信 号 の 位 相 関 係7
L 一 一¥ 二三二二二三 二 二 山 二 二三一一一一一一
M.N.
30Hz FMSB
F園 、 『
30Hz
; AM SB Carrier
•
f‑9960 f‑30 f f+30 f+9960 図2.2 V 0 R信 号 の ス ペ ク ト ル
2.2にV O R信 号 の ス ペ ク ト ル を 示 す . こ れ は , 搬 送 波 (f) と そ の 両 側 に 30Hz離 れ た 側 波 帯 , お よ び 搬 送 波 か ら 土9960Hz離 れ , 別 の30Hz信 号 で 周 波 数 変 調 さ れ て い る 側 波 帯 ( 副 搬 送 波 ) の 合 成 と な っ て お り こ れ ら
2
つ の 30Hz信 号 に 基 準 お よ び 可 変 位 相 情 報 が 含 ま れ る .現 在 , 世 界 で 運 用 さ れ て い る V O Rは, C V O R (コ ン ベ ン シ ョ ナ ルV
o
R)と, D V O R (ド、ツプラー V 0 R)の2種 類 に 大 別 さ れ る . さ ら に , D V O Rには S S B,D S Bお よ びA S Bの 3方 式 が あ る . こ れ ら は 信 号 発 生 法 や 変 調 法 , ア ン テ ナ 系 の 構 成 な ど が 互 い に 異 な る が , い ず れ の 方 式 で も 信 号 に 共 用 性 が あ り , 正 し い 方 位 情 報 が 得 ら れ る よ う に 工 夫 さ れている.航空機では, V O R信 号 を 基 準 位 相 信 号 と 可 変 位 相 信 号 に 分 離 し , こ れ ら の 位 相 差 を 測 定 す る こ と に よ り 自 己 の 方 位 を 知 る .本 章 で は , 主 に V O Rの 動 作 原 理 や 構 成 , ア ン テ ナ 特 性 な ど に つ い て 述 べ る . ま ず 2.2では C V O RとD V O Rに 分 け て 方 位 情 報 の 発 生 法 , 地 上 送 信 装 置 や ア ン テ ナ 構 成 な ど を 紹 介 す る .2.3では C V O Rの 垂 直 面 放 射特性について,
U
TD
(U niform geometrical Theory of Diffraction :一様幾何光 学 回 折 理 論 ) を 用 い た 計 算 法 を 紹 介 す る2 . 4
で は 受 信 機 で の 信 号 処 理 , 復 調 方 法 に つ い て 述 べ る 2.5では, V O Rの 仕 様 と 運 用 基 準 に 関 し , 本 研 究 に 関 係 す る 項 目 を 中 心 に 簡 単 に 紹 介 す る .2 . 6
で は , ア ン テ ナ を 海 岸 付 近 に 設 置 し た と き の 海 面 反 射 波 の 影 響 評 価 法 に つ い て 述 べ る .2 . 7
で は , 本 研 究 で 使 用 さ れ る 飛 行 実 験 装 置 や そ の 精 度 な ど に つ い て 紹 介 す る .1 S S B方 式DVORで は , 搬 送 波 よ り 9960Hz低 い 側 波 帯 は な い .
図2.3 C V 0 Rア ン テ ナ 摸 式 図
2 . 2 V 0 R の 動 作 原 理 と 構 成
2 . 2 . 1 C V 0 R
の 動 作 原 理図2.3は, C V O Rの 信 号 発 生 原 理 を 説 明 す る た め の ア ン テ ナ 模 式 図 で あ る . こ れ は , 水 平 面 内 全 方 向 性 ( 図 の 破 線 の パ タ ー ン ) の ア ン テ ナ 素 子 と, 8の 字 状 の 放 射 特 性 ( 図 の 実 線 の パ タ ー ン ) を 持 つ ア ン テ ナ 素 子 か ら な り , か っ こ れ ら の 波 源 は い ず れ も O点 に あ る 仮 想 的 な ア ン テ ナ で あ る . さ ら に , 後 者 は 時 計 方 向 に 1800rpmで 回 転 し て い る と す る . こ の ア ン テ ナ の 全 方 向 性 ア ン テ ナ 素 子 に 9960Hz副 搬 送 波 に よ り 振 幅 変 調 さ れ た 搬 送 波 を供給し,
8
の 字 特 性 を 持 つ ア ン テ ナ 素 子 に は 無 変 調 の 搬 送 波 を 供 給 す る.このとき, 0点 か ら 距 離 dで , 磁 北 (M.N.)と の な す 角 ゅ の 遠 方 受 信 点 R に お け る 電 界 を 考 え る . な お , こ れ ら ア ン テ ナ の 垂 直 面 放 射 特 性 は 一 様 と す る .ま ず , 全 方 向 性 ア ン テ ナ 素 子 か ら の 成 分 Ezは 次 式 で 表 せ る .
ρj(ωt‑kd)
Ez = = C
1{ l + q
cos(ρ1t +
m f cosp t ) } ν d
1lム ︑J︑E︐ ︐つ ん
〆'EE︑
8 9
こ の 式 に 含 ま れ る 係 数 は 次 の よ う に 規 定 さ れ て い る .
C1 定 数
: 振 幅 変 調 指 数 ( 副 搬 送 波 ) : 周 波 数 変 調 指 数
: 副 搬 送 波 角 周 波 数
: 変 調 角 周 波 数 ( 基 準 , 可 変 位 相 信 号 ) :高JI搬 送 波 周 波 数
: 搬 送 波 角 周 波 数 :搬送波周波数 :伝搬定数
この式の中括弧内は, 30Hzで 周 波 数 変 調 さ れ た 副 搬 送 波 に よ っ て 搬 送 波 が 振 幅 変 調 さ れ て い る こ と を 表 す . 最 後 の 項 は , 搬 送 波 の 位 相 , 距 離 項 で あ る.副搬送波(こ含まれる 30Hz信 号 は 受 信 方 位 ゆ に 関 係 し な い た め , 全 方 位 同 一 位 相 の 基 準 位 相 信 号 と な る .
次に, 8の 字 特 性 を 持 つ ア ン テ ナ 素 子 か ら の 成 分 Eyは 次 式 と な る .
T o A n t e n n a s
ρj(ωt‑kd)
E
y二C
2sin(ρtーゆ υ ) d
州側¥
向 山 間
"
q=
0.3mf=
16P l =
2πムfP=
27r X 30ム
f
= 9960Hz ω = 2πff=
108 rv 118MHzk=
ω/(3 X 108)阿 川
J
(2.2)
図2.4 C V 0 R送 信 装 置 2.2.2 C V 0 R地 上 装 置
図 2.4は
CVOR
送 信 装 置 の 系 統 図 と 各 部 の 信 号 波 形 で あ る . 送 信 装 置 は , 変 調 器 , 送 信 機 , 変 調 除 去 器 (ModulationEli町山ator), ゴ ニ オ メ ー タ(1)( Goniometer) , ト ー ン ホ イ ル(l)(ToneWheel)そ し て 高 周 波 ブ リ ッ ジ(RFBridge) な ど か ら な る . ト ー ン ホ イ ル は , 30Hzで 周 波 数 変 調 さ れ た9960Hz副 搬 送 波 を 発 生 す る . 変 調 器 は , 副 搬 送 波 と 標 識 符 号 (ID)お よ び 音 声 で 送 信 機 か ら の 搬 送 波 を 振 幅 変 調 す る . 変 調 除 去 器 は 搬 送 波 電 力 を 分 割 し , そ の 一 部 か ら 振 幅 変 調 分 を 除 去 し て ゴ ニ オ メ ー タ へ 供 給 し , 残 り は そ の ま ま 高 周 波 ブ リ ッ ジ へ と 供 給 す る . こ れ に よ り , 搬 送 波 は 位 相 関 係 を 保 っ た ま ま 2 分 割 で き る . ゴ ニ オ メ ー タ で は 搬 送 波 を 位 相 が900 異 な る 2種 類 の30Hz包 絡 線 状 波 形 に 変 形 さ せ る ( 図2.4の 波 形 参 照 ). ゴ ニ オ メ ー タ と 高 周 波 ブ リッジは, 4個 の 固 定 ア ン テ ナ を 利 用 し て 図2.3の ア ン テ ナ と 同 じ 放 射 特 性 と , ア ン テ ナ 回 転 を 得 る た め に 使 わ れ る .
ここで, C2は 定 数 で あ る .sin(ptーゆ)は,このアンテナが 1秒 あ た り 30回 転 し て お り , そ の 位 相 項 に 方 位 情 報 ゆ が 含 ま れ て い る い る こ と を 示 し て い る . ま た , こ の 成 分 はf士30Hzの 側 波 帯 の み か ら な る 平 衡 変 調 波 と な っ て いる.
VOR
信 号 は 式 (2.1 ) と (2.2 ) の 合 成 波E 5
と な り , 定 数 を 省 略 す る と 次 式 で 表 せ る .ρj(ωt‑kd)
E F
二{ 1‑
ma sin(ptーゆ
)+qcos(Plt+mfcospt)}ed ( 2 . 3 )
こ こ で maは EyとEzの振幅比で, 30Hz振 幅 変 調 指 数 と も 考 え ら れ , 一 般 に0.3に 規 定 さ れ る . こ の 式 は , 搬 送 波 が 方 位 情 報 併 を 含 む30Hz信 号 , お よ び 一 定 位 相 の 30Hz信 号 を 含 む 副 搬 送 波 に よ っ て 振 幅 変 調 さ れ て い る こ とを示している.したがって,
CVOR
で は 基 準 位 相 信 号 は 副 搬 送 波 に 含 ま れ , 可 変 位 相 信 号 は30Hz側 波 帯 に 含 ま れ る .圃凶弘
To RF Bridges
凶 h h
図 2.5 C V 0 Rア ン テ ナ 上 面 図
図 2.5は C V O Rア ン テ ナ の 上 面 図 で , 一 般 に ア ル フ ォ ー ド ル ー プ ア ン テ ナ(33)が 互 い に 隣 接 し て 4個 取 り 付 け ら れ た 構 造 と な っ て い る . ア ル フ ォ ー ド ル ー プ ア ン テ ナ は 一 種 の 多 点 給 電 ル ー プ ア ン テ ナ で , 水 平 面 内 全 方 向 性 で 水 平 偏 波 を 放 射 し , 垂 直 面 放 射 特 性 は 8の 字 と な る . 4個 の ア ン テ ナ は , 磁 北 を 基 準 に 北 西 , 南 東 , 北 東 , 南 西 位 置 に 設 置 さ れ , そ れ ぞ れNW (North West以 下 同 様)SE,N E,S Wア ン テ ナ と 呼 ば れ る . こ れ ら ア ン テ ナ の 極 性 は , N倒IJとS側 が 互 い に 逆 と な る よ う 設 定 さ れ て い る . ま た , 水 平 方 向 以 下 へ の 放 射 を 低 減 す る た め , こ れ ら の ア ン テ ナ は カ ウ ン タ ボ イ ズ と 呼 ば れ る 半 径 約
15‑‑‑‑‑25m
の 円 形 反 射 板 上 に 高 さ 約 1 .3m
で 設 置 さ れ る 図2.6は , 現 在 運 用 さ れ て い る C V O Rア ン テ ナ 系 の 外 観 で あ る . こ の 局 で は カ ウ ン タ ポ イ ズ と し て 地 面 と 金 属 板 を 併 用 し て い る .
C V O Rア ン テ ナ は 左 の ド ー ム 内 に 格 納 さ れ て い る .
副 搬 送 波 な ど に よ る 振 幅 変 調 波 と , 2種 類 の 30Hz包 絡 線 波 形 状 の 搬 送 波 は こ れ ら の ア ン テ ナ に 供 給 さ れ , 前 者 は す べ て の ア ン テ ナ か ら 同 相 で 放 射 さ れ , 後 者 は 正 弦 波 成 分 , 余 弦 波 成 分 と も そ れ ぞ れ 2個 の ア ン テ ナ か ら 逆 相 で 放 射 さ れ る た め , 合 成 ノ 〈 タ ー ン は 常 に 8の 字 型 と な る . さ ら
ー一部 の 局 で は こ の 反 射 仮 と し て , 滑 ら か に な ら し た 地 面 を 代 用 し て い る .
図 2.6 C V 0 R ア ン テ ナ 外 観 ( 御 宿 V 0 R)
に , こ の パ タ ー ン は ゴ ニ オ メ ー タ に よ っ て 等 価 的 に 1秒 あ た り 30回 転 し て , 原 理 的 に 式 (2.2) と 同 じ 方 位 情 報 を 含 む 平 衡 変 調 波 が 得 ら れ る .
但 し , 実 際 の ア ン テ ナ は 有 限 の 大 き さ を も つ た め , 個 々 の ア ン テ ナ の 中 心 と C V O Rア ン テ ナ の 中 心 O点 と は 一 致 せ ず , い ず れ も
r c C
竺 57cm)離 れ て い る ( 図2.5参照). そ こ で , 副 搬 送 波 で 振 幅 変 調 さ れ た 搬 送 波 Eらと,ゴ ニ オ メ ー タ で 平 衡 変 調 さ れ 高 周 波 ブ リ ッ ジ を 介 し て 4個 の ア ン テ ナ か ら放射された側波帯成分 E~ はそれぞれ次式で表される.
ρj(ωt‑kd)
E~ 二 C3{1
+ q
COS(P1t +
mfc o s ( ρt+
χ) ) } C
z(ゆ ) V d ( 2 . 4 )
ρj(ωt‑kd)
E~
= = C
4s i n ( ρt ‑up)C y( ゆ ) ν ( 2 . 5 )
dこ こ で ,C3, C4は定数, χは 位 相 設 定 の た め の 補 正 角 ,Cz(ゆ), Cy(ゆ)は 4 個 の ア ン テ ナ の 放 射 中 心 が O点 と 異 な っ て い る た め に 生 じ る 水 平 面 内 の 指 向 性 関 数 で , 文 献 (1)に 与 え ら れ て い る . ま た ,
E L
に 含 ま れ る 位 相 偏 移Upは 次 式 で 与 え ら れ る .
u
".,= = t a n
‑1s i n ( k r c s i n ( ゆ +π/4))
p ‑
… s i n (
krc c o s ( ゆ +π/4)) ( 2 . 6 )
図
2 . 7
に 受 信 方 位 併 に 対 す る Up,式 (2.4 ) , (2.5)のCz(ゆ,) Cy(ゆ)の計算例を示す•
u
pは, ゆとは450 の 位 相 ず れ が あ り , 小 さ な 4周 期 の 変 動 も 重 畳 し12 13
に 一一一一一一一一一一一一一 つ ら よ ーて一一一一一て 二孟孟孟
R
2
﹀ヨ 刀三 c a o f=117.9MHz
I G
z(ゆ 1 )
rc =57cm,
( d
360e g )
240 Up
120
DVORア ン テ ナ 原 理 図 図2.8
中 心 と す る 半 径 r(::: 6.5m)の 円 周 上 を 反 時 計 四 り に 毎 秒30回 転 し な が ら 澱 360 O
( d e g )
O O
お よ び 搬 送 波 周 波 数 ‑9960Hzの 下 側 波 帯 を 放 射 す る ア ン テ ナ ALからなる.
Acか ら 距 離 dで , 磁 北 (M. N.) と の な す 角 ゅ の 遠 方 受 信 点 R に お け る 搬 送 波 Ecは , ア ン テ ナ 放 射 特 性 を 等 方 性 と す る と 次 式 で 表 せ る . 送 波 周 波 数 +9960Hzの 上 側 波 帯 を 放 射 す る 上 側 波 帯 ア ン テ ナ Au, 240
CVORア ン テ ナ 水 平 面 指 向 性 関 数
AU '
120 図
2 . 7
Cy(ゆ)はいずれも 4 Cz(ゆ),
て い る が , ほ ぼ 両 者 は 比 例 関 係 に あ る .また,
( 2 . 7 )
ρj(ωt‑kd)
Ec
==C
s( l ‑
mαSlllρt)~こ の 変 動 の 影 響 を このため,
そ の 振 幅 は 小 さ い . 周期の変動が生じるが,
そ れ ぞ れ 全 方 位 向 ー 無 視 す る と , 式 (2.4 ) , (2.5)に 含 ま れ る 30Hz信号は,
Eらと E~ の 30Hz
信 号 が 磁 北 で 岡 本 目 と な る よ う に 調 整 し , 振 幅 比 な ど を 正 し く 設 定 す る と , したがって,
位 相 の 基 準 位 相 信 号 と 可 変 位 相 信 号 に な る .
ア ン テ ナ AuとALか ら の 上 下 側 波 帯 の 合 成 波 Esは 次 式 と な る . ej{ωlt‑k1d+k1T∞s(ρt+ゆ)} pj{ω2t‑k2d‑k2T cos(pt+ゆ)}
Es
==C
6{q u ‑
rl+ q /
V J }一方,
( 2 . 8 )
式 (2.3)と同じ V O R信 号 が 得 ら れ る .
:定数
: 上 側 波 帯 , 搬 送 波 振 幅 比 : 下 側 波 帯 , 搬 送 波 振 幅 比 :上側波帯角周波数
:下側波帯角周波数 :上側波帯伝搬定数 :下側波帯 伝 搬 定 数 こ の 式 で 新 た に 現 れ る 係 数 な ど は 次 の よ う に 規 定 さ れ る .
0.3 ( S S B方 式 ),0.15 ( D S B方 式 )
o (
S S B方 式 ), 0.15 ( D S B方 式 ) 2π(f+
ムf)2π(f ‑ムf)
ω1/(3 X 108)
ω2/( 3 X 108) Cs, C6
qu
=
q/
=
い)1=
μ)2
=
k1 = k2 = まず;図
2 . 7
の 曲 線 UpにおCVORに お け る 固 有 誤 差 に つ い て 考 え る .
これは,図 2.5の ア ン テ ナ 配 置 に お い いて 4周 期 の 方 位 変 動 が み ら れ る .
て , 理 想 的 に は 一 致 す べ き 基 準 点 と ア ン テ ナ 中 心 聞 が 距 離rc離 れ て い る Cy(ゆ)により搬送波,側波帯に本 こ の 他 ま た , 指 向 性 関 数Cz(ゆ),
た め に 生 じ る .
来 は 存 在 し な い レ ベ ル 変 動 が 加 わ る こ と に よ っ て も 誤 差 が 生 じ る .
ア ル フ ォ ー ド ル ー プ ア ン テ ナ の 水 平 面 放 射 特 性 が 正 確 に 一 様 と な っ て い な い た め に 生 じ る 誤 差 な ど が 知 ら れ て い る .
ア ン テ ナ の 回 転 に よ る ド ッ ブ ラ ー 効 果 で 周 波 数 変 調 さ れ,その 位 相 は 受 信 方 位 に 対 応 し て い る .
こ の 式 は 次 の よ う に 書 き か え る こ と が で き る . 側波帯は,
D V O Rの 動 作 原 理 2.2.3
C 6 { ( q u + q / )
COS(Plt +
krC O s ( p t + ゆ ) ) Es
ごD V O Rの 信 号 発 生 原 理 を 示 す ア ン テ ナ 系 の 模 式 図 で あ る . こ れ を 図2.8は,
これは, 30Hzで 振 幅 変 調 さ れ た 搬 送 波 を 放 射 す る ア ン テ ナ Acと,
15 14
ρj(ωt‑kd)
+
j( q u ‑q , )
si叫ん t+
か cos(ρt+ ゆ ) ) ヒ }
d (2.9) こ こ で ,k1 ~ k2 ~ kと し て い る .こ の 式 の 中 括 弧 内 は , 方 位 情 報 を 含 む 30Hzで 周 波 数 変 調 さ れ た 9960Hzの 副 搬 送 波 と な る . こ の た め ,Esは 副 搬 送 波 で 平 衡 変 調 さ れ た 搬 送 波 と み な す こ と が で き る .受 信 点 で 得 ら れ る V O R信 号
E P
は ,EcとEsの 合 成 と な り , 次 式 で 表 せる.E P
2 {l‑mαsinp t + ( q u + q l )
COS(Plt +
krc o s ( p t + ゆ ) )
pj(ωt‑kd)
+ j ( q u ‑q , )
sin(ρlt+
kr cos(ρt+ ゆ ) )
}εd (2.10)こ こ で , か を 式 (2.1)のmfと同じく 16とするとへ DSB方 式 で は qu
=
qlのため, こ の 式 は CVORか ら の 信 号 式 (2.3) と 同 じ 形 と な る . 但 し , 式 (2.3 )は第 2項 が 可 変 位 相 信 号 , 第 3項 が 基 準 位 相 信 号 と な る の に 対 し , こ の 式 で は 第 2項 が 基 準 位 相 信 号 , 第 3項 が 可 変 位 相 信 号 と な り , C V O RとD V O Rで は 基 準 , 可 変 位 相 信 号 の 変 調 方 法 が 逆 に な っ て い る .な お, S S B方 式 で は 副 搬 送 波 に 900 位 相 が 異 な る 成 分 ( 中 括 弧 内 第 4項 ) が 残 る た め , 信 号 に 位 相 変 調 成 分 が 含 ま れ る こ と に な る が こ れ は 他 の 成 分 よ り 小 さ い た め , 近 似 的 に は
DS B
方 式 と 同 じ 信 号 と み な せ る42.2.4 D V O R地 上 装 置
図2.9は, 最 近 の DSB方 式 DVOR送 信 装 置 の 構 成 お よ び 信 号 波 形 で ある(11) 送 信 装 置 は , 変 調 信 号 発 生 器 (Mod. Signal Generator) , 搬 送 波 送 信 機(Ca江 Generator), 側 波 帯 送 信 機(SBGenerator) , そしてデ、イストリヒ、ュータ な ど か ら な る . こ の 装 置 の 搬 送 波 変 調 方 式 は , 従 来 と は 異 な り 直 接 変 調 方 式(34)を 採 用 し て い る . 変 調 信 号 発 生 器 で は , 基 準 位 相 信 号 と な る 30Hz 信 号 や 副 搬 送 波 と な る 9960Hz信 号 お よ び 標 識 信 号 な ど を 発 生 す る と 共 に , 搬 送 波 送 信 機 , 側 波 帯 送 信 機 や デ ィ ス ト リ ビ 、 ユ ー タ な ど の 位 相 周 期 を 行 う た め の ク ロ ッ ク 信 号 を 発 生 す る . 搬 送 波 送 信 機 で は , 変 調 信 号 発 生 器 か ら
: ア ン テ ナ 回 転 半 径 rは こ の 関 係 を 満 た す た め 約6.5mと な る .
( 2
λ 註 1 1 宅 ? t L 1
が 受 信 機 の 特 性 に よ っ て は 誤 差 を 引 き 起 こ す 場 合 が あ り , 文 献16
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Carr. Antenna S8 Antennas
. 岡
Control Signal
図2.9 DVOR送 信 装 置
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DVORア ン テ ナ 配 置 図17
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図2.11
DVOR
ア ン テ ナ 外 観 ( 関 宿V0 R)
の30Hz信 号 や 識 別 符 号 な ど で 振 幅 変 調 さ れ た 搬 送 波 を 発 生 す る . 側 波 帯 送 信 機 は , 上側 波 帯 用 と 下 側 波 帯 用 か ら な り , そ れ ぞ れ , 搬 送 波 周 波 数 と
土9960Hz異 な る 信 号 を 発 生 す る . こ れ ら は , デ ィ ス ト リ ビ ュ ー タ を 経 由 し て 側 波帯 ア ン テナ へ 供 給 さ れ る .
図2.10に 実 用 さ れ て い る
DVOR
の ア ン テ ナ 配 置 を 示 す . こ れ は , 級 送 波 ア ン テ ナ Acと , そ れ を 中 心 と す る 半 径 rの 円 周 上 等 間 隔 に 設 置 さ れ た 5 0本 の 固 定 側 波 帯 (S B ) ア ン テ ナ か ら な り デ ィ ス ト リ ビ ュ ー タ で こ れ らに順次側波帯信号を供給する構造となっている.なお • Au. ALは,円周 上 を な め ら か に 回 転 す る 仮 想 ア ン テ ナ で , 図2 . 8
の 側 波 帯 ア ン テ ナ に 対 応 す る . 搬 送 波 , 側 波 帯 ア ン テ ナ に は 一 般 に ア ル フ ォ ー ド ル ー プ ア ン テ ナ が 用 い ら れ る . ま た , 下 方 へ の 放 射 を 低 減 す る た め , ア ン テ ナ 下 部 に は カ ウン タ ポ イ ズ が 設 置 さ れ る . 図2.11に 現 在 運 用 さ れ て い る
DVOR
局 ア ン テナ系の外観図を示す.デ ィ ス ト リ ビ 、 ュ ー タ は , 従 来 静 電 結 合 に よ り 固 定 側 波 帯 ア ン テ ナ に 機 械 的 に 側 波 帯 電 力 を 切 換 え 給 電 す る 構 造 と な っ て い た が8) 我 が 国 で は 現 在 信 頼 性 の 高い固体化デ、ィストリビュータに置き換えられている.このデ、イ
図‑2.12 側 波 帯 切 換 え 波 形 と タ イ ミ ン グ チ ャ ー ト
ストリビ、ュータは,給電時に生じる高 調波 雑 音 を 低 減 す る た め .1800rpmで 回 転 す る 仮 想 ア ン テ ナAu. ALを は さ む そ れ ぞ れ 2本 の 固 定 ア ン テ ナ が 常 に 給 電 状 態 に な る よ う 設 計 さ れ て い る . 図2.12にディストリビュー タ に
供給される側波帯信号波形(以下切換え波形と呼ぶ)と,デ ィストリビュー
タ 駆 動 信 号 の タ イ ミ ン グ チ ャ ー ト 等 を 示 す . こ れ ら ア ン テ ナ へ の 給 電 電 圧 は , ア ン テ ナ 回 転 を 模 擬 す る た め , 時 間 と 共 に 正 弦 波 状 に 変 化 す る . こ の 給 電 電 圧 変 化 と . 2個 の ア ン テ ナ か ら の 放 射 波 の 干 渉 に よ り , 時 間 の 経 過
と 受 信 方 向 の 変 化 で 側 波 帯 レ ベ ル が 変 動 す る(35)
DVOR
に は こ こ で 紹 介 し たSS B
方 式 とDS B
方 式 の 他 に , 上 側 波 帯 と 下 側 波 帯 を 交 互 に 切 換 え 給電 する A S B方 式 が あ り(9) ヨーロッパ等 を 中 心 に 運 用 さ れ て い る . そ の 特 性 は D S B方 式 に 近 い が , 我 が 国 で は 使 用 さ れ て い な い の で そ の 詳 細 に つ い て は 省 略 す る .DVOR
の 固 有 誤 差 と し て は , カ ウ ン タ ポ イ ズ の 影 響 が 最 も よ く 知 ら れ て い る . 側 波 帯 ア ン テ ナ は カ ウ ン タ ポ イ ズ と 同 心 円 状 に 配 置 さ れ て い る た め , ア ン テ ナ の 回 転 に 伴 い , ア ン テ ナ か ら 見 た カ ウ ン タ ボ イ ズ の 大 き さ が 変 化 し , そ れ に 応 じ て 側 波 帯 レ ベ ル も 変 動 す る . 即 ち , 側 波 帯 信 号 は30Hzで 振 幅 変 調 さ れ る こ と と な り , こ れ が 基 準 位 相 信 号 の30Hzと 混 変 調18 19