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発酵菌及び複合酵素による堆肥化過程で発生する臭気の軽減に関する研究
田 中 尚 道,藤 井 貴 彦
(近畿大学バイオコークス研究所)
白 井 健 治,秋 山 房 雄,梅 沢 道 男
(南魚沼市産業振興部)
石 田 崇
(JA魚沼南)
若 木 利 始
(株式会社en-getsu)
高 田 孝 充
(株式会社CDCインターナショナル)
【緒 言】
近年,畜舎,堆肥舎の悪臭が環境問題となり,地域住 民からの苦情が増えてきている。元来,家畜糞尿や下水 汚泥,農業残渣などは堆肥として農地に還元されること が,持続的農業の基本と考えるが,悪臭の問題で,埋め 立てられたり,焼却されることが多い。
南魚沼市では,平成 17 年から広域有機センターが稼 働しており,1 日 25t の有機原料を受け入れることがで きる。また,南魚沼市では,魚沼コシヒカリや八色スイ カなど,日本でも有数な地域農産物があり,その品質向 上に有機センターの堆肥が一役かっている。広域有機セ ンターの半径 5km 圏内に高速道路のパーキングエリア や新潟県の基幹病院等があり,特にパーキングエリアで 有機センターから放出される臭気が問題となることが報 告されている。そこで,南魚沼市の農業に欠かせない堆 肥生産が臭気によるイメージダウンに繋がらないような 方策を講じる必要性があった。よって,本試験では新た に製造した発酵菌および複合酵素で臭気の低減が可能か について実験を行なった。
【実験手法】
本実験は2014 年 1 月 9 日より2 月 1 日まで,北海道 恵庭市にあるバイオコークス研究所内ビニルハウスで 行った。
南魚沼市広域有機センターの堆肥原料(牛糞・しいた け菌床・モミガラ混合)を用いて,(Photo. 1)の90ℓ
容器に密封し,対照区(無処理区)および発酵菌 + 複 合酵素添加区の2 区を設け,臭気を測定した。対照区
(C0区)は,堆肥原料 10kg を容器に投入し,水 200ml を添加した。試験区(T1 区)は,堆肥原料 10kg を容 器に投入し,発酵菌 1000 倍液 + 複合酵素 10000 倍液を 混合した液を200ml を添加した(Photo. 2)。
臭気測定は,実験開始時および1日後,その後 3 日 間隔でアンモニア濃度および臭気レベルを午後 12 時に 測定した。アンモニア濃度は,北川式ガス検知管を用
Photo. 1 供試容器
Photo. 2 堆肥化の様子
対照区 試験区
田中 尚道,白井 健治,秋山 房雄,梅沢 道男,石田 崇,藤井 貴彦,若木 利始,高田 孝充
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しいたけ菌床臭から発生する独特な悪臭が,南魚沼広域 対比センターから発生する悪臭の主な原因であることが 推察された。国内でも,多くのしいたけ菌床栽培施設か ら同様な悪臭による苦情が多く,不朽菌の放出する腐敗 時の臭気は一種独特な臭気であり,廃菌床の堆肥化方法 の確立が必要であると思われた。
【結 果】
1 . 本実験の結果から,南魚沼市広域有機センターから 排出される臭気は,アンモニア臭よりもむしろ廃菌 床の腐敗臭によるものと推察した。
2 . 本実験の結果から,広域有機センターの臭気を低 減させる方法として,新たに開発した発酵菌 + 複合 酵素を用いた堆肥化が臭気の低減に有効であること が明らかとなった。
3 . 本実験で用いた複合酵素は,東京都下水道局の下水 汚泥から発生する悪臭低減用に2013 年 9 月から採 用されており,下水汚泥の臭気に対しても有効であ る。
4 . 現在,南魚沼市のガス化溶融炉で溶融する生ごみお よび下水汚泥より発生する悪臭が問題になってお り,それの悪臭の低減にも有効であると考える。
い,臭気測定は,フジテック社製 COSMOSXP︲329に て行った。
【結果と考察】
試験開始後のアンモニア濃度の推移を Fig. 1 に示し た。本試験結果より,広域有機センターの堆肥から発生 する悪臭に含まれるアンモニア臭はさほど強くなく,試 験開始後から終了時まで 9~25ppm の範囲であること が明らかになった。
試験区は対照区に比べアンモニア濃度は低く推移する ことが認められ,対照区に比べ平均濃度で約 26%低減 される結果となった。多くの堆肥舎の現場では,アンモ ニア臭が強くこのアンモニア臭が地域住民への不快な臭 いとして報告されることが多いが,南魚沼市堆肥化セ ンターのアンモニア臭は,一般的な堆肥舎に比較して 50%以下であった。
次に,試験開始後の悪臭の推移を Fig. 2 に示した。
悪臭の数値は,気温や発酵の度合いによって変化した。
対照区は40~120という数値となり,臭気レベルとして はやや高い値を示した。試験区では概ね40 程度の値で あり,時には60を示すことがあったが,その他の悪臭 は42%低減されることが明らかとなった。
牛糞,しいたけ菌床および籾殻より発生する腐敗臭や
Fig. ₁ 試験開始後のアンモニア濃度の推移 処理後日数(日)
アンモニア濃度(ppm)
【結果と考察】
試験開始後のアンモニア濃度の推移を図1 に示した。本試験結果より、広域有機センターの 堆肥から発生する悪臭に含まれるアンモニア臭 はさほど強くなく、試験開始後から終了時まで 9
~25ppm の範囲であることが明らかになった。
試験区は対照区に比べアンモニア濃度は低く 推移することが認められ、対照区に比べ平均濃度 で約 26%低減される結果となった。多くの堆肥舎 の現場では、アンモニア臭が強くこのアンモニア 臭が地域住民への不快な臭いとして報告される ことが多いが、南魚沼市堆肥化センターのアンモ ニア臭は、一般的な堆肥舎に比較して 50%以下で あった。
アンモニア濃度(ppm)
処理後日数(日)
図1 試験開始後のアンモニア濃度の推移
次に、試験開始後の悪臭の推移を図2に示した。
悪臭の数値は、気温や発酵の度合いによって変化 した。対照区は 40~120 という数値となり、臭気 レベルとしてはやや高い値を示した。試験区では 概ね 40 程度の値であり、時には 60 を示すことが あったが、その他の悪臭は 42%低減されることが 明らかとなった。
牛糞、しいたけ菌床および籾殻より発生する腐 敗臭やしいたけ菌床臭から発生する独特な悪臭 が、南魚沼広域対比センターから発生する悪臭の 主な原因であることが推察された。国内でも、多 くのしいたけ菌床栽培施設から同様な悪臭によ
る苦情が多く、不朽菌の放出する腐敗時の臭気は 一種独特な臭気であり、廃菌床の堆肥化方法の確 立が必要であると思われた。
処理後日数(日)
図2 試験開始後の悪臭の推移
【結果】
1.本実験の結果から、南魚沼市広域有機センタ ーから排出される臭気は、アンモニア臭よりもむ しろ廃菌床の腐敗臭によるものと推察した。
2.本実験の結果から、広域有機センターの臭気 を低減させる方法として、新たに開発した発酵菌 +複合酵素を用いた堆肥化が臭気の低減に有効で あることが明らかとなった。
3.本実験で用いた複合酵素は、東京都下水道 局の下水汚泥から発生する悪臭低減用に 2013 年 9 月から採用されており、下水汚泥の臭気に対して も有効である。
4.現在、南魚沼市のガス化溶融炉で溶融する 生ごみおよび下水汚泥より発生する悪臭が問題 になっており、それの悪臭の低減にも有効である と考えます。
Fig. 2 試験開始後の悪臭の推移 処理後日数(日)
【結果と考察】
試験開始後のアンモニア濃度の推移を図1 に示した。本試験結果より、広域有機センターの 堆肥から発生する悪臭に含まれるアンモニア臭 はさほど強くなく、試験開始後から終了時まで
9
~25ppmの範囲であることが明らかになった。
試験区は対照区に比べアンモニア濃度は低く 推移することが認められ、対照区に比べ平均濃度
で約
26%低減される結果となった。多くの堆肥舎
の現場では、アンモニア臭が強くこのアンモニア 臭が地域住民への不快な臭いとして報告される ことが多いが、南魚沼市堆肥化センターのアンモ ニア臭は、一般的な堆肥舎に比較して
50%以下で
あった。アンモニア濃度(ppm)
処理後日数(日)
図1 試験開始後のアンモニア濃度の推移
次に、試験開始後の悪臭の推移を図2に示した。
悪臭の数値は、気温や発酵の度合いによって変化 した。対照区は
40~120
という数値となり、臭気 レベルとしてはやや高い値を示した。試験区では 概ね40
程度の値であり、時には60
を示すことが あったが、その他の悪臭は42%低減されることが
明らかとなった。牛糞、しいたけ菌床および籾殻より発生する腐 敗臭やしいたけ菌床臭から発生する独特な悪臭 が、南魚沼広域対比センターから発生する悪臭の 主な原因であることが推察された。国内でも、多 くのしいたけ菌床栽培施設から同様な悪臭によ
る苦情が多く、不朽菌の放出する腐敗時の臭気は 一種独特な臭気であり、廃菌床の堆肥化方法の確 立が必要であると思われた。
処理後日数(日)
図2 試験開始後の悪臭の推移
【結果】