技術部活動報告集
著者 福井大学工学部技術部技術部活動報告集編集委員会
雑誌名 技術部活動報告集
巻 19 (2013年度)
発行年 2014‑03
URL http://hdl.handle.net/10098/8795
技術研究会等参加報告
JPCA Show 2013(第 43 回国際電子回路産業展) 参加報告
第三技術室 小林 英一
日 時:平成 25 年 6 月 7 日(金)10:00 ~ 17:00
会 場:東京国際展示場(東京ビッグサイト,東京都江東区有明 3-11-1)東展示棟・会議棟 運 営:一般社団法人日本電子回路工業会(JPCA),他 2 団体および 1 社
後 援:経済産業省,独立行政法人中小企業基盤整備機構 関東本部
1.はじめに
「JPCA Show 2013」(第 43 回国際電子回路産業展)の他,「ラージエレクトロニクスショー2013」,「2013 マイクロエレクトロニクスショー」(第 27 回最先端実装技術・パッケージング展),「JISSO PROTEC 2013」
(第 15 回実装プロセステクノロジー展)など電子回路基板・実装技術に関する 4 つの展示会が 6 月 5 日~7 日の 3 日間に渡って同時開催されており,電子回路業界および関連業界全体の動向を把握する為,
本イベントに参加にした.
2.オープンセミナーの内容(概略)
無料のオープンセミナーも多数開催されており,以下は聴講したオープンセミナーである.
1)部品内蔵電子回路基板規格の最新版 EB01(Edition6),
製品開発で活用できる信頼性試験と検査規格を新たに追加 友景 肇 氏(福岡大学 工学部 電子情報工学科 教授),
浦西 泰弘 氏(JPCA 部品内蔵電子回路基板規格部会 委員)
2)部品内蔵を実現するウェハレベルパッケージ技術 若林 猛 氏(株式会社テラミクロス 技術顧問)
3)エレクトロニクス実装学会部品内蔵技術委員会の活動と技術動向
見山 克己 氏(北海道工業大学 創生工学部 機械システム工学科 教授)
4)熊本県産業技術センターにおける電子技術分野に関する支援紹介 道野 隆二 氏(熊本県産業技術センター)
5)プリント回路業界の最新トレンド
野村 和広 氏((株)産業タイムズ社 半導体産業新聞 副編集長)
6)工具カタログマイニングに基づくプリント基板におけるドリル加工条件の考察 羽根田 尚也 氏(同志社大学大学院 理工学研究科 機械工学専攻)
2-1「部品内蔵電子回路基板規格の最新版 EB01(Edition6),他」
2013 年度版の規格書で大幅な改定があり,製造に関する内容は EB01 に残し,設計に関する内容は EB02 へ分離統合された.その他,検査ガイドや設計・製造ライブラリ作成基準等が追加されていた.
2-2「部品内蔵を実現するウェハレベルパッケージ技術」
WLP(Wafer Level Package)はウェハ状態でパッケージ最終工程まで処理して完成する超薄型・
超小型のチップサイズパッケージ(CSP)であり,ベアチップよりも部品内蔵基板に適している.尚,
欧州の RoHS 指令等により民生用では既に 2006 年頃から本格使用されている鉛フリー半田はエレク トロマイグレーション劣化やウィスカ発生,銅食われなど信頼性における様々な問題があり,完全 置き換えには至っておらず,未だインフラ用途には採用できていないとの余談があった.
2-3「エレクトロニクス実装学会部品内蔵技術委員会の活動と技術動向」
部品内蔵技術は 2000 年代に開発が進み実用化されたが,当時はその実力を評価する物差しがなく,
技術比較を行うことが困難な状況であったため,共通の評価基準作りと技術の標準化を進めている.
2-4「熊本県産業技術センターにおける電子技術分野に関する支援紹介」
熊本県が設置している 5 室 57 名体制の技術支援機関(工業試験所)であり「県内産業の技術部」
と自らを位置付けていた.大学等の研究機関と工場の技術的仲介,トラブルシューティングなどを 行い,PIC マイコンや XBee 等を使った無線環境計測や無線認証システム開発の事例紹介があった.
2-5「プリント回路業界の最新トレンド」
PC 市場は 2013 年第 1 四半期で対前年比-11%と非常に悪い反面,スマートフォンは+36%,タブレッ ト PC は+80%超も伸びると予想される.今年$300~400 で Windows8 搭載の台湾製タブレット PC が発 売される噂があり,現在トップシェアは Apple(iPad)65%だが勢力図に変化があると見ている.国 内基板メーカーにおいては日本メクトロン社が売上首位をキープ,住友電工社など FPC 勢の躍進が 目立ち,スマートフォンやタブレットの心臓部となる FCCSP(フリップチップ CSP)への投資が進ん でいる.海外では台湾メーカーの年 7%成長,並びに中国の基板生産量(全世界で約 20%)が目立つ.
2-6「工具カタログマイニングに基づくプリント基板におけるドリル加工条件の考察」
基板業界で加工用ドリルの規格化が進んでおり,シャンク径は 3.175mm(技術部の加工機 CIP100 も 3.175mm)と 2.0mm の 2 種類に,全長はシャンク径 3.175mm の場合 38.1mm に統一されている.カ タログ値にデータマイニング手法を適用することで導出した切削条件決定式により,加工の非線形 性現象を考慮した加工パラメータを抽出していた.
3.展示ブースの一部抜粋(概略)
3-1 ケンマ―ジャパン株式会社
プリント基板加工用の各種工具(ドリル,ルーター,エンドミル等)を展示していた.CIP100 で 使用する標準の加工ツールに近いものや径 0.025mm という微細径ドリルがあり,見積りを依頼した.
3-2 (財)福岡県産業・科学技術振興財団
三次元半導体研究センターや福岡システム LSI 統合開発センター等を擁し,後者の中の福岡シス テム LSI カレッジは産学官が一体となって設立した全国初のシステム LSI 技術者養成機関である.
4.まとめ
報道発表によると今年の展示会は出展社数:434 社(前回実績 477 社),出展小間数:1,320 小間(前 回実績 1,522 小間)と前年比でやや規模は縮小しているものの,来場者合計(実登録者数)は 34,716 名(前回実績 34,605 名)で昨年同等を維持し,電子回路専門展示会としては世界最大級規模である.
最近の業界動向としては,回路基板の主役はスマートフォン・タブレット PC 向け高密度・薄型基板へ 急速に移行しており,会場全体の印象として,それら基板製造に係る対応および生産性を向上させた 大型製造装置の展示が目立っていた.初心者向け実装体験コーナーやはんだ付けコンテスト日本大会 など多彩な特別企画もあり,また規模は小さいが,大学・公的研究機関が出展するアカデミックプラ ザや研究成果発表セミナーもあり,とても良い刺激となった.今回得た情報を今後の業務に活かして いきたい.
SMC 空気圧技術定期セミナー 参加報告
第一技術室 機器開発・試作班 青山 直樹
日 時:2013 年 6 月 12 日(水) 9:15~17:15 会 場:SMC 株式会社 京都営業所
内 容:空気圧技術定期セミナー“入門コース”
1. 目的
SMC 株式会社が開催している空気圧技術定期セミナーを受講し,空圧機器を用いた装置試作におけ る設計力・製作力の向上ならびに先端科学技術育成センター所有の工作機械で使用されている空圧機器 の保守業務能力向上を図ることを目的とする.
2. セミナー内容
SMC は空気圧機器を軸としてメカトロ機器,流体制御機器,電動機器,温調機器などを製造・販売 している空気圧機器の総合メーカーであり,定期的に空気圧技術のセミナーを開催している.今回,受 講した“空気圧技術定期セミナー 入門コース”は,新入社員や空気圧に初めて接する者を対象に開催 されており,空気圧および空気圧機器の基本知識や使用方法を学習・体験する内容であった.
以下,セミナープログラムを示す.
1) 空気圧の基礎 2) 清浄化機器の働き
3) F.R.L(フィルタ,レギュレータ,ルブリケータ)ユニットの働き 4) エアシリンダの働き ~理論出力~
5) 速度制御弁・方向制御弁の働き 6) トレーニングキット演習
3. 圧縮空気の利用
日常生活において,様々な場面で圧縮空気を用いた機器を利用し,快適な生活を送っている.そこで,
どのような場面で圧縮空気が使われているのか挙げてみる.例えば,自動車で使われているタイヤ,空 圧式の自動ドアの開閉,エアマットレス等がある.“圧縮空気”という言葉だけを捉えると,工場のイ メージが強いと思うが,日々の生活の中でも数多くの圧縮空気を用いた空圧機器を利用している.空気 圧は人間に替わって力仕事などを行ってくれるので,いろいろな場面で利用されている.
圧縮空気は,大気中の空気を資源とし,空気圧縮機(エアコンプレッサ)で作られている.空気を圧 縮しても空気そのものの性質は変わらないので,エネルギーとして安全性が高く,公害とも無縁である.
また,圧縮空気はエネルギーの保存性が良く,容器の中に閉じ込めておくだけで力のエネルギーとして 保持することができる.これらの優れた特徴があるため,現在さまざまな分野で活用されている.特に 工場の生産工程では,自動化や省力化のために数多く利用されている.
4. 所感
受講セミナーは“パスカルの原理”や“ボイルの法則”の理論の説明から始まり,空気圧補助機器や 各種アクチュエータ,速度・方向制御弁の機器構造および使用方法の説明があった.また,実際にトレ ーニングキットを用いて,エアチューブの配管や空気圧機器の操作実習が行われ,非常にわかりやすく 充実した内容であった.(図1)ただ,今回受講したセミナーは初心者向けの“入門コース”であり,
空気圧に関する一般知識や常識を学んだ程度である.福井大学の先端科学技術育成センターが所有して いるNC 工作機械は,複数の空気圧機器が使用されており,一つでも機器が故障してしまうと機械を稼 働させることができなくなる.(図2)機械を稼働させることができなくなると,実験で使用される試験 片や実験装置用部品を製作することが困難になり,大幅な納期遅れが発生してしまう.このような問題 を発生させないように保全技術の向上や空気圧機器に関する知識を深めることは必要不可欠である.
SMC の空気圧技術定期セミナーには初心者向けの“入門コース”だけでなく,機械保全担当者向けの
“保全コース”や,設計者向けの“機器選定コース”がある.工作機械の保全管理や装置試作における 技術支援の業務品質を向上させることを目的とし,他コースの受講を行っていきたい.
講習終了後に,会場傍のショールームを見学させていただいた.空気圧機器を使用した装置の試作例 が並べられており,勉強になるものばかりであった.(図3)また,講師の方にサポート体制に関しお話 を伺ったところ,設計における機器選定や使用方法の提案等を積極的に行っているということであった.
今後,空気圧機器を用いた装置試作の案件があった際には,積極的に連絡を取り合い,より良いものを 製作できるように努めたい.
図1 トレーニングキット 図2 工作機械の空気圧機器ユニット
図3 空気圧機器を用いた装置写真
名古屋工業大学殿主催の設備サポート講習会への参加報告
第一技術室 東郷広一
場所:名古屋工業大学 先進セラミックス研究センター殿(岐阜県多治見市)
日時:平成25年7月25、26日
1.目的
講習会に参加し、微小加工装置:FIB(集束イオンビーム)装置を用いた、微小金属加工技術の習得を行 うこと。
2.報告内容
本講習会は、名古屋工業大学殿主催の設備サポート推進事業の一環として、国立大学法人等の機関お よび研究所等における大型基盤設備の共同利用促進を図ることを目的として、教員および技術職員が、
その職務遂行に必要な専門的知識及び技術等を修得させる事を目的としている講習会である。
本講習会を受講するに当たり、こちらからFIBを用いてやりたいことの提示、ならびに試料を持参す る必要があったため、透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察できる試料作製を行うことを目的として、本講 習会に参加した。また講習会は、下記の日程にて行われた。
・1日目
AM:FIBによる試料片の切り出しと担体部の加工実習
PM:FIBで切り出した試料片をピックアップし、担体部に移し替える実習
・2日目
AM:試料片の載せた担体を再びFIB中に入れ、デポジションにより接合する実習
PM:接合したTEM観察用試料をTEMにて観察
本講習会では、先進セラミックス研究センター殿に設置されているFIB:日本電子製JIB-4500にて研 修を行った。主にFIBを用いた試料片の切り出し作業、切り出した試料片のピックアップ作業、試料片の デポジションによる接合作業などの一連の加工を行い、本研修を通して、FIB を使うときの基本的な考 え方や、使用上の注意点など技術的な知識を得ることができた。また FIB による試料片加工後、TEM 観 察を行い、加工した試料が無事に観察できることを確認することができた。
本講習会は、2日間という研修スケジュールであったが、加工中に加工ビームの条件出し、ビームのド リフト、ピックアップ時に試料が飛んでいってしまうなど、実際に加工してみないと分からないことが 多くあり、当初予定していた時間よりも大幅に遅れてしまい、事前に送付して予備加工をしてもらって いた試料を用いて、何とか研修時間内に作業を終えることができた。
今後、FIB を用いた加工を行う際には、加工時間を十分に検討したうえで、加工を行う必要があると思 われる。
3.謝辞
最後に本講習会を運営してくださった、名古屋工業大学 日比野寿様、瀬戸しずか様、ならびに研修中、
色々とお世話になりました、小澤忠夫様、玉岡悟司様、山本かおり様、荒木規様に感謝申し上げます。また 本講習会へ参加する機会を与えて頂いた関係者の皆さま方に、感謝の意を表します。
図4.担体部への穴あけ加工 図3.ピックアップ作業2
図2.ピックアップ作業1 図1.試料片の切り出し
図5.完成品 切り出した試料片
ガラスプローブ
ガラスプローブ 試料片
FIB で加工した穴 (ピックアップ)
試料片
デポジションにより接合
静岡大学局所排気装置等定期自主検査者養成講習会参加報告 静岡大学局所排気装置等定期自主検査者養成講習会参加報告 静岡大学局所排気装置等定期自主検査者養成講習会参加報告 静岡大学局所排気装置等定期自主検査者養成講習会参加報告
安全衛生管理推逭グループ 安全衛生管理推逭グループ安全衛生管理推逭グループ
安全衛生管理推逭グループ 田畑 田畑田畑田畑 功功,功功,,,岡田文男岡田文男岡田文男 岡田文男
9 月 3 日,4 日に静岡大学が実施した局所排 気装置等定期自主検査者養成講習会に安全衛生 管理推逭グループより2 名が参加したので,そ の内容を報告する.
他の機関で行われている同種の講習会では,
粉じんを対象にした局所排気装置を中心に講習 が実施されているため,大学のような有機溶剤 や特定化学物質を取り扱うドラフトの検査には 向いていない.静岡大学の講習会は,中央労働 災害防止協会の許可を得て,有機溶剤や特定化 学物質用局所排気装置の検査に特化した講義・
実技内容となっている.
我々以外に,静大より3 名(教員),九工大 1 名(教員),三重大1 名,岡崎研 1 名,名古大 2 名(+見学1 名),茨城大 3 名が受講した.
静大産業医の講義では,国立大学は,①教職 員のみならず学生の安全衛生管理も必要である こと,②一国一城瘩な事業所(研究室)の集合 体であること,③化学物質を少量・多品種・非 定常に取り扱っていること,など大学特有な状 況から,現行の法律をそのまま適用することは 難しいことや,学生への意識啓瘠や情報の伝わ り方は担当教員の意識の持ち方一つで左右され ることなど,安全衛生管理に苦労していること などの話があった.化学薬品による学生負傷の 例として,ピペットで26%アンモニア水を口で 吸って唇表癈が腐食したというのがあり,万一 飲み込んで食遈に炎疧を生じた場合は,開胸手 術が必要になるところだったとのことで,化学 系の学生の安全指導の際に引用したい事例であ った.
次に,局所排気装置定期自主検査インストラ クターの資格を持っている技術職員の藤村氏と 楠氏により,日程表に従い講義があった.局所 排気装置の定期自主検査は,ドラフトの性能を 年に1回確認して,メンテナンスや不具合の周 知を行うことで,適正な環境の保持を行うため に法令で定められており,「指針」に従い実施す
る.検査で畩常を認めた場合は直ちに補修する ことが義務付けられており,従わない場合は罰 金による罰則が適用される.検査を行うには,
ベルトの張り具合を調べるためのテンシオメー タ,熱線式風速計,スモークテスター,500V の絶縁抵抗計,非接触式の表面温度計,モータ ーの回転を調べる回転計,静圧計(マノスター ゲージ),ベアリングチェッカー,作業者の安全 確保のためのガス検知器とガス検知管,屋上と 建物内との連絡のためのトランシーバーなどの 機器が必要となる.
1 日目の昼食懇談会では,他大学でのドラフ ト点検の状況について報告があった.名大では 静大と同様な局所排気装置の検査者養成講習を 来年予定しており,講師になれるインストラク ターの資格を 20 名が取ったこと,茨城大は技 術職員が局所排気装置のメンテナンスと検査を 行っていることなどの報告があった.その他,
消防危険物の第4 類第 1 石油類やアルコール類 の廃液については,消防から金属容器で保管す るよう指導されるが,廃液には金属と反応する 物質が含まれている可能性があり危険なため,
10L ポリ容器での保管にせざるを得ないケース があるなどの情報提供があった.
図1 スクラバ散水状態の確認
2 日目はドラフトが設置された実験室で,ド ラフトの構造,点検手順,ドラフト内での空気・
水の流れ等についての講義があった後,実際に 静大で行っている手順に従い,参加者一人一人 が,ドラフト本体及びスクラバの外観検査,ダ クト配管切れ目からのリーク確認,ドラフト開 口部の8 分割風速測定等を行った.排風機がイ ンバータ式の場合は,電源回路に半導体が入っ ているため,絶縁抵抗測定を行うと故障するの で実施してはいけないとの注意があった.この 後,屋上にて排風機モーターの回転方向の確認 や回転速度の実習を行った.
ドラフトの検査に必要な人員としては,ドラ フト本体の点検では,風速測定者と記録者ある いは脚立での作業等で最低 2 名は必要となり,
更に屋上の排風機の点検は危険を伴うため必ず 2 名以上で行うと共に建物内でドラフトを ON/OFF する人も必要なため,最低 3 名は必要 とのことであった.
本学のドラフト定期自主検査については,ド ラフトの専門知識を有する外部業者により適正 に実施されているが,今回の検査者養成講習で は,日常ドラフトを正しく使用するための知識 や毎月の自主点検,ドラフト性能保持のための メンテナンスについての知見についても得るこ
とが出来たため,技術部内のドラフト使用者を 対象に報告会を実施するとともに,将来瘩には 工学部のドラフトユーザーに対しても有用な情 報提供を目指したい.
--- 静大の瘫さんには,内容の充実した講義・実習 を行って頂き,また,会場の準備や資料のご提 供など大変お世話になりました.また,休み時 間には遀用中の薬品管理システムについても快 く見学させて頂きました.末筆ながら,厚く御 礼申し上げます.
平成25 年度静岡大学局所排気装置等定期自主検査者養成講習日程
図2 講習会参加者による記念写真
平成 25 年度 鳥取大学 機器・分析技術研究会報告
宮川しのぶ*,井波 真弓**
1. はじめに
平成25年9月12日から13日の2日間、鳥取大学 において機器・分析技術研究会が開催された。この機 器・分析技術研究会は文部科学省所管の大学共同利用 機関法人、国立大学法人および独立行政法人国立専門 学校機構に所属する技術系職員が技術研究発表、討論 を通じて技術の研鑽、向上を図りさらには相互の交流 と協力により技術の伝承をもふまえ、わが国の学術振 興における技術支援に寄与することを目的としている。
今回は口頭発表とポスター発表が行われ、特に注目す べきは口頭発表が安全衛生分野にのみ限定されていた ことである。法人化10年目を迎えて安全衛生について の取り組み等が口頭で発表されたのち、発表者を含め たパネルディスカッションが行われた。ポスター発表 については分野の固定がなく、さまざまな分野の発表 が行われた。
今回は、技術部で行った大型機器の技術継承のため の専門研修内容をまとめて報告した。その発表概要を 以下に示す。また、裏面に聴講内容を記載する。
2. 発表概要
発表題目:「質量分析装置の測定及び保守管理」
発表概要:有機合成分野で、新規化合物の同定には質 量分析(MS)スペクトル、核磁気共鳴(NMR)スペ クトル、赤外吸収(IR)スペクトル、及び有機元素分 析の測定データが必要となる。中でも質量分析測定は 短時間で有機化合物の分子量が確認できるため、帰属 に有効な方法の一つである。通常は精度が整数値まで である低分解能測定で確認することが多いが、分解能 を上げることで測定値の精度が高くなり、小数点3桁 まで確認することが出来る。この方法で測定したデー タを基に処理を行うことで、可能性のある組成式を絞 り込みすることができ、元素分析の代用として使用す ることができる。
現在、質量分析装置は技術職員がサポートを行っ ており、測定できる技術職員も一人となっている。
そこで技術継承の一環として、技術部専門研修を利 用し、質量分析装置の測定から保守管理までの研修
* 第2技術室 物理計測班
** 第2技術室 化学計測班
を行ったので報告する。
3. 特別講演
「地盤工学としての地盤の液状化現象―原因・被害・
対策―」
鳥取大学大学院工学研究科 清水正喜 教授 地震時に「液状化」と呼ばれる現象が見られ、様々 な被害を生じることはよく知られている。地盤を構成 する材料である土は、個体の土粒子、液体の水、気体 の空気から構成された三相混合体である。液状化に関 わるような土の隙間はすべて水で飽和しているので、
固体と液体の混合体である。
講演では、液体と固体の違いを摩擦という観点から 捉え、地盤が液状化すると起こる様々な現象について 実験を交えながら説明された。また、地盤の液状化可
能性や土の液状化抵抗を調べる方法、液状化に関する 地盤工学的対策についても触れられた。
4. 安全衛生セッション ~法人化10年目を迎えて~
I 「災害・事故事例から学ぶ!! 今後の防災対策につい
て」
II 「各機関の安全衛生における管理・活動体制につ いて」
日頃の機器および研究室等の安全管理、安全教育、
ヒヤリハット、事例研究、経験談、平成16年度の独立 法人化に伴い適用された労働安全衛生法に基づく安全 衛生活動や拡張させた取り組みなど、上に挙げた二つ のテーマで安全衛生に関する発表を聞き、討論を行っ た。法人化10年目の節目として、安全衛生について振 り返り、再考し、問題点を洗い出すとともに他機関の 様子や多岐にわたる取り組み、動向についての情報交 換を行った。
「東日本大震災によるNMR装置の被害・装置更新。
その後の耐震対策について」という東北大学の発表は 非常に参考になる点が多く、当大学でも来春にNMR 装置更新を迎えるにあたって災害対策の必要性を感じ た。また、「横浜国立大学における防災・減災活動の取 組み―棟別防災訓練と防災SD」では、棟別避難訓練は 各建物の設備や状況に合わせて行うことができ、一斉 に行う従来の避難訓練より効果が高いこと、また避難 を誘導したり災害後の組織の復旧をしたりする教員・
職員の研修を行うことが非常に重要であるということ だった。
5. 研究会概要
会 期:平成25年9月12日(木)~13日(金)
会 場:鳥取大学 鳥取キャンパス(鳥取市湖 山町南4丁目101番地)
登 録 者 数:211 名(口頭;6 名 ポスター;74
名)
プログラム:
9月12日(木)13:00~17:00
特別講演 「地盤工学としての地盤の液状 化現象―原因・被害・対策―」
鳥取大学大学院 工学研究科 清水正喜教授
ポスタープレビューⅠ-Ⅰ
ポスタープレビューⅠ-Ⅱ
ポスター発表コアタイムⅠ
9月13日(金)9:20~16:20
特別企画「安全衛生セッション~法人化10 年目を迎えて~」
特別セッションⅠ「災害・事故事例から学 ぶ!!今後の防災活動について」
・東日本大震災による NMR 装置の被害・
装置更新・その後の耐震対策について
・事故・ヒヤリハット事例の概要と活用
・横浜国立大学における防災・減災活動の 取組み-棟別防災訓練と防災SD-
特別セッションⅡ「各機関の安全衛生にお ける管理・活動体制について」
・埼玉大学における薬品管理について
・法人化による安全衛生における変化と、
体制構築の課題
・大学における現場の巡視と安全教育
ポスタープレビューⅡ-Ⅰ
ポスタープレビューⅡ-Ⅱ
ポスター発表コアタイムⅡ(奇数)
ポスター発表コアタイムⅡ(偶数)
PLC 制御の回路技術セミナー受講報告
第一技術室 機器開発・試作班 青山 直樹
日 時:2013 年 10 月 16 日(水)~10 月 18 日(金) 9:00~16:00 会 場:ポリテクセンター福井(福井県越前市行松町25-10)
内 容:PLC 制御の回路技術
1. 目的
装置試作において,機械設計・加工等の機械分野のみならず総合的な技術支援を行うには,機械技術 以外に電気および制御技術も必要である.そこで,PLC(プログラマブルロジックコントローラ)制御 の回路技術セミナーを受講し,PLC 構造を理解すると共に,PLC 外部配線技術やプログラミング技術 を習得し,技術支援の幅を広げることを目的とする.
2. セミナー内容
セミナーは,開講されているPLC 制御セミナーの中では初心者向けの内容となっており,三菱電機 製PLC MELSEC-F,MELSEC-A を使用し,電気配線作業や制御ラダープログラムを作成し,機器を 動作させるという内容であった.また、セミナーは下記日程で行われた.
[1 日目]
・シーケンス制御およびPLC 制御概要
・PLC の構成,電気配線図,制御ラダープログラム基礎
・MELSEC-F および HPP(ハンディプログラミングパネル)を用いた実習 [2 日目]
・MELSEC-A および GX-Developer(プログラム作成ソフト)を用いた実習
・基本制御回路作成(自己保持回路,タイマ回路,フリッカー回路)
[3 日目]
・MELSEC-A および GX-Developer(プログラム作成ソフト)を用いた実習
・基本制御回路作成(セット・リセット回路,カウンタ回路,PLS・PLF 回路)
・総合課題(ベルトコンベアの動作制御)
図1 PLC(三菱電機製)
b) MELSEC-A a) MELSEC-F
3. 所感
セミナーは,主に電気配線作業およびラダープログラム作成で構成され,実践業務に近い内容で行わ れた.私は機械設計・機械加工が専門であり,電気に関する知識は乏しく,電気配線作業時には電気回 路図の読み方がわからず苦労した.電気配線の作業を終えた後に,火入れ(電源投入)と呼ばれる確認 作業を行った.そのとき、大きな火花が飛ぶのではないか,不安でハラハラしていたことが印象に残っ ている.一方で,ラダープログラムの作成に関しては,過去にリレーを用いたシーケンス制御回路を勉 強したことがあり,その経験を活かすことができ,プログラムの作成を円滑に行うことができた.自分 の思った通りに機器を制御できた時には,大きな達成感を得ることができた。今回のセミナー受講は,
私自身にとって新分野の知識習得の試みであり,新鮮な気持ちで実習体験や知識習得をできたというこ とは,とても良かったと感じている.
今後の業務方針として,本セミナーより得た知識・技術を装置試作業務に活かしていくことはもちろ んであるが,設備の保全業務にも活かしたいと考えている.昨今,福井大学工学部付属施設の先端科学 技術育成センターが所有している旋盤やフライス盤などの汎用工作機械において,主軸の切削負荷を計 測する電流計や主軸の回転・停止を制御するリミットスイッチの故障などの電気系統異常が頻発してい る.これらの問題により機械利用や試作業務に影響が及んできている.このような事態に速やかに対処 できるように,職業能力開発促進センターや各種メーカーで開講されている技術セミナーを活用し,技 術・技能を向上させ,業務の円滑化を図っていきたい.
図2 PLC を用いた実習装置
構成:MELSEC-F,HPP,ベルトコンベア 構成:MELSEC-A,PC,ベルトコンベア
図3 GX-Developer を用いて作成したラダープログラム
図1.巻き込み体験
第 72 回全国産業安全衛生大会 2013 in 大阪 参加報告
第一技術室 山森 英智
開催期間:平成25年10月31日(木)~11月1日(金)(分科会)
会場:大阪国際会議場、大阪アカデミア 主催:中央労働災害防止協会(JISHA)
目的
全国の事業所及び各機関の研究発表や事例報告を聴講し、安全衛生に対する意識向上及び情報収集を 行うため参加した。
参加報告
分科会は9つのテーマで複数の会場で同時に開催された。主に「安全管理活動」「安全衛生教育」の分 科会を聴講した。その中で興味深いものや参考になったものを報告する。
「レーザー機器組み込んだ機械操作者向けの安全教育」 (株)ブリヂストン那須工場
ブリヂストン那須工場ではユニフォミティマシンという機械を使用してタイヤ表面の凹凸を検査し ており、クラス3Bのレーザーを用いているが、機械操作者対象に行う安全教育において使い勝手の良 い資料が無い状態であった。そこで、CSR(企業の社会的責任)活動で受け入れていた医学部の実習生に 教育資料を作成して貰った。学生達は「短い」「専門的な知識の省略」「具体的な内容」という3つのテ ーマで資料を作成し、安全教育も行って貰った。受講者対象に行ったアンケートの結果、「分かり易かっ た」「役に立った」等の高い評価が得られ、管理者側からも「新人教育に行いたい」「技能員向けの資料 が欲しい」と言う要望が寄せられ、工場全体としての安全教育に対する認識と理解を深めることが出来 た。
「危険体感訓練を取り入れた安全教育」 (株)近畿日本鉄道 大阪輸送統括部 近鉄ではKY活動やヒヤリハット活動、リスクアセ
スメント、画像・動画による教育等を積極的に推進して きたが、死亡災害、手指の挟まれなどが発生していた。
分析していくと、機械や作業の「本当の怖さ」を知らな いことに寄るものであると考えた。また経験3年未満の 社員が高い事故率である事も判明した。そこで、若年社 員対象に「本当の怖さ」を疑似体験させることにより、
危険に対する感受性の向上を図った。「ボール盤の巻き込 み(図1)」「切粉の切れ味」「玉かけ作業の挟まれ体験」
等、10種類の項目を2時間かけて行った。体験中の受講 者は驚いた表情をしたり、興味深く見入ったりといったよ うな反応で、今までの教育では見られない様子がうかがえ た。アンケート結果では、「切粉の切れ味が鋭いので、注意
して作業する」といった、自分の具体的な作業に置き換えた意見も多くあり、言葉だけでは伝わらない
「何か」を感じ取ってくれた。
「チタン鋳塊の旋盤加工で発生する切粉の形状改善による安全性の向上」 (株)神戸製鋼所 チタン工場では直径約1mの円柱状
のチタン鋳塊を旋盤加工により切り離し ている。加工初期には幅約20mm、厚さ
約1mmの「帯状」の切粉が連続して発
生し、その切粉の取り扱い時には切創の リスクがある。一方、直径が80cm以下 になると「圧縮状」の切粉が発生する。
この切り粉は素手で触らない限り危険は まず無い。そこで、「帯状」からより安全 な「圧縮状」の切粉に変えることに取り 組んだ。検証の結果、「圧縮状」の切粉は
加工した材料の谷間と新しく発生する切粉に挟まれ圧縮されて発生することが分かった。何度もトライ
&エラーを繰り返しながら、工具に洗濯バサミのようなバネを使った開閉する仕組みのジグを取りつけ た。このジグに一定量の切粉が圧縮され溜まってくると開いて、排出されるようになっている。(図2 参照)それにより、全て「圧縮状」の切り粉が発生するようになり、リスク低減できた。また、切り粉 が圧縮されることにより、かさが減り、その結果、運搬、回収の回数が減り、年間30万円の節約にも なった。
まとめ
一見してリスク低減の取り組みを強化し ていくと、生産性が損なわれると思われがち だが、かえって効率が上がり、生産性の向上 やコスト削減に結びついていた。今回、取り 上げた企業の他にも作業における具体的なリ スク低減の取り組みが行われていた。大がか りな装置が必要なところもあったが、中には
「短期間」「低コスト」「簡単に」といったテ ーマで取り組み、十分な成果を上げていると ころも多数見られて大変参考になった。
また、安全教育に関して言葉や文章だけで は知識の詰め込みになってしまい、教育の効 果は薄い。イラストや動画などを含んだ資料 作成し、さらには実演を行ったり、体験をし て貰ったりすることで、高い理解度が得られ、
労働災害の防止に大きな役割を果たすことが 再認識できた。
今後、この経験を技術部グループ業務や育成センター業務に生かし、私自身はもちろん、教職員及び 学生が労働災害に遭わないように努めていきたい。
図2. ジグイメージ
図3. 会場
能力開発セミナー受講報告
~ 旋盤精密加工技術 ~
峠 正範*
1. 目的
先端科学技術育成センターの主業務のひとつ である機器開発や試作では,軸物加工が要求さ れる.これまで,加工実務の技術習得だけで業 務を行っていたが,軸物加工(旋盤作業)の基 礎技能の向上を目的としてセミナーを受講した.
2. 能力開発セミナー概要
セミナーは,ポリテクセンター福井(福井県 越前市行松町 25-10)で開催された在職者訓練
(能力開発セミナー)の加工・組立コースの旋 盤精密加工技術を受講した.実施日程は,2013 年11月19日~22日の4日間で,合計24時間 であった.受講対象者は,カリキュラムに図面 の読み方や各種測定器の取り扱い方法が含まれ ていないため,汎用旋盤作業に従事している方 であった.
概要は,部品加工や冶工具製作における旋盤 作業の技能高度化をめざして,加工方法の検討 や段取り等を通して,実践的な旋盤作業(外径 切削)に関する問題解決能力を習得することで ある.1)
3. 受講内容
セミナーの参加者は,県内企業の加工未経験
~3 カ月の 8 名であった.カリキュラムを表 1 に示す.第1日目は,切削加工概論について 3 時間程度講義があり,以降は,講師による実習 の実技指導と実践を工程毎に行った.精密加工 実習で使用した図面2)を図1に示す.外形(内 径)丸棒削り(図1 (a))は,荒削り→中削り→
仕上げの3工程に分けて行った.荒削りは,長 手方向および径方向を仕上がり寸法に対して 1 mmおよびφ1 mm程度残して切削した.中削り は,仕上がり寸法に対して長手方向に0.2 mm, 径方向にφ0.3 mm程度残して切削した.
* 第1技術室 機械開発・試作班
仕上げは,長手方向および径方向の寸法を 2 回の切削により仕上げた.1 回目は,径方向に
φ0.1 mm程度切削し,最終仕上げ代の確認を行
った.2 回目は,最終仕上げ代分を切削した.
図2に,図1 (a)を上述の手順により加工した結
果を示す.
溝入れ(突切り)作業(図1 (b))は,工作物 を回転軸に対して直角に切断する作業である.
突切りバイトを材料に垂直に当て,径方向に押 し込み(送り)切断した.バイトの操作は,切 屑の排出性を良好にするために送りをステップ 送りで行った.
内径削りは,溝入れ作業で加工した製品を使 用した.図3に,図1 (c)を上述の丸棒削りの手 順により加工した結果を示す.
表1 カリキュラム1) 1. 切削加工概論 (1) 切削加工概論
(2) 切削の3条件 (3) 切削工具及び被削材 (4) 校構成刃先について (5) 熱の影響について 2. 高精度部品の
加工工程
(1) 課題図面の説明 (2) 加工工程の検討 (3) 切削条件の検討 (4) 切削工具の検討 (5) 測定器の選択 3. 精密加工実習 (1) 外形削り
(2) 段付削り (3) ねじ切り (4) テーパ削り 4. 仕上げ面精度の
確認
(1) あらさの規格 (2) あらさの評価 5. まとめ (1) 質疑応答
(2) 内容のまとめ (3) 講評・評価
(a) 段付丸棒削り
(b) 溝入れ(突切り)作業
(c) 内径削り
図1 演習図面2)
ねじ切りは,ねじ切りバイトを材料の長さ方 向に一定速度で送り,ねじを切る作業である.
ねじ山の角度は,バイトの角度が転写されるた め,センタゲージを用いて刃物台に正しくセッ トした.
テーパ加工は,加工長さが刃物台の可動範囲 以下であるため,刃物台をテーパ角度に傾けて,
手動送りで加工した.
精密加工実習の最終課題は,習得した加工方 法を用いて外形・段付削り,ねじ切り,テーパ 加工を行った.図4に習得した成果を示す.
図2 段付丸棒削り
図3 内径削り
図4 精密加工実習の課題
4. まとめ
これまで実務の技術取得だけであったので,
教育を受けられて有意義であったと思う.また,
講師の演習の指導方法と手引き書は,実践的で あり実際の使われ方がよくわかり非常に参考に なった.来年度の機械工作実習の指導にも応用 したいと考える.
本セミナーの受講により,何気なく行ってい た加工の理論的な裏付けが得られ,通常業務で は使用しない条件による加工を経験でき,理解 をより深められたように感じる.
文 献
1) ポリテクセンター福井, 旋盤精密加工技術, 在職者訓練コースガイド, (2013), pp.18.
2) ポリテクセンター福井, <普通旋盤作業>
~旋盤基本作業・要素作業~, 能力開発セミ ナー, (2013), pp.6-14.
能力開発セミナー参加報告
~ マシニングセンタ技術(プログラム~加工編) ~
峠 正範*
1. 目的
先端科学技術育成センターの主業務のひとつ である機器開発や試作において,新規にマシニ ングセンタ作業に従事するにあたり,基礎とし てプログラムの作成及び各種補正の設定・調整 方法などの技能習得を目的としてセミナーを受 講した.
2. 能力開発セミナー概要
セミナーは,ポリテクセンター福井(福井県 越前市行松町 25-10)で開催された在職者訓練
(能力開発セミナー)の加工・組立コースのマ シニングセンタ技術(プログラム~加工編)を 受講した.実施日程は,2014 年1月22日~24 日,30~31日の5日間で,合計 30時間であっ た.受講対象者は,カリキュラムに図面の読み 方や各種測定器の取り扱い方法が含まれていな いため,マシニングセンタ作業に従事している 方や従事しようとする方であった.
概要は,図面要求を満足するためのプログラ ム作成及び各種補正の設定・調整方法等につい て課題加工実習を通して習得することである 1). 3. 受講内容
セミナーの参加者は,当方1名であった.カ リキュラムを表1に示す.第1日目に3時間程 度のマシニングセンタの概要に関する講義があ り,以降はマシニングセンタの NC装置のプロ グラム作成に必要な各種機能とそれらの指令方 法についての解説が行われた.
プログラムの作成方法には,コンピュータの 助けを借りて行う自動プログラミングと,すべ て人の手によって行うマニュアルプログラミン グがある.本セミナーでは,マニュアルプログ ラミングについて学んだ.プログラムの最小単 位は,1 組のアルファベットと数字で構成され るワードである.ワードを複数集めてブロック を構成し,ブロックを並べることによりプログ ラムを構成
* 第1技術室 機械開発・試作班
する.プログラムは,NC 装置により上から順 に読み込み加工を行うため,どのように,どの ような順番で加工するかを設計する必要がある.
すなわち,ブロックの順番が加工工程順となる.
表2にプログラムの基本パターンを示す.左側 にプログラム,右側に解説を示す.■には,各 機能で指定された桁数の数字が入力される.プ ログラムは,初期設定,加工工程1,加工工程2,
終了操作の4工程に分けられ,図面によって加 工工程の数が決まる.初期設定では座標や工具 の準備を行い,加工工程では工具の移動および 加工を行い,終了操作では工具を安全な位置に 移動させ停止する.
初期設定および終了操作の工程は,マシニン グセンタの仕様に依存するため,コードの修正 を仕様に合わせて行う.
表1 カリキュラム1)
1. 概要 (1) マシニングセンタ概要 (2) 切削加工概要 (3) 安全上の留意事項 2. マニュアル
プログラミング
(1) プログラムの作成方法 及び注意点
(2) 主軸・送り・工具・準備・
補助機能
(3) 機械座標系とワーク座標系 (4) 工具長補正・工具径補正 (5) サブプログラム・固定サイクルを 用いたプログラム
3. プログラミング 課題実習
(1) 課題提示及び注意点 (2) 加工工程の検討 (3) 疑問点,問題点の抽出 (4) プログラミング
4. 加工実習 (1) 加工作業の確認と検討 5. まとめ (1) 質疑応答
(2) 訓練コース内容のまとめ (3) 講評・評価
表2 プログラムの基本パターン 図1に本セミナーで使用したマシニングセン タ(キタムラ機械㈱;Mycenter-3XiF)を示す.
NC装置(CNC)は,FANUC 16i-MBである.
図2にプログラミング実習の最終課題を示す.
プログラムは,課題実習で作成した初期設定や 終了操作のプログラムを基礎とし,工具とその 切削条件リストを用いて,工具の加工経路を記 述した.
最後に,マシニングセンタを用いて,段取り および作業方法の実習を行った.
図1 加工実習用マシニングセンタ
図2 総合課題
4. まとめ
セミナーは,プログラミングの技術習得のみ でなく,図面から加工工程,使用工具の選定と 切削条件の決定,プログラムの作成と機械への 登録,オフセットデータの入力,そして自動運 転による加工までの一連の作業を経験でき,教 育効果が高かったように感じる.
高専等では,本セミナーのようなプログラミ ングの実習は行われており,本大学の機械工作 実習などへの展開も検討したいと考える.
文 献
1) ポリテクセンター福井, マシニングセンタ 技術(プログラム~加工編), 在職者訓練コ ースガイド, (2013), pp.21.
O■(Name); プログラム番号
N■(SHOKISETTEI); 初期設定
G17 G90 G40 G49 G80; 平面指定,アブソリュ ート指令,各種補正 等のキャンセル
G91 G28 Z0; Z軸自動原点復帰
T■; 工具呼出し
N■(KOUTEI1); 加工工程1
M06; 工具交換
G■ G90 G00 X0 Y0 S■ T■; ワーク座標系設定,
アブソリュート指令,
プログラム原点へ早 送りで移動,主軸 回転数設定,工具 呼び出し
G43 Z50.0 H■; 工具長補正機能に
よりワーク座標系内 Z50 の位置で刃先 を揃える
X■ Y■; 切削開始点へ早送
りで移動
G01 Z10.0 F2000 M03; F2000 で工作物へ アプローチ,主軸回転
G01 Z■ F■ M08; 切削送りでZ方向
切込み深さまで移 動,切削油ON
}
加工プログラムG00 Z50.0 M09; 早送りで工作物か
ら工具逃がし,切 削油OFF
G91 G28 Z0.0 M05; Z 軸 自 動 原 点 復 帰,主軸停止
N■(KOUTEI2); 加工工程2
M06; 工具交換
}
加工工程1参照G91 G28 Z0.0 M05; Z 軸 自 動 原 点 復 帰,主軸停止
N■(SHURYO); 終了操作
M06; 工具交換
G91 G28 Y0; Y軸自動原点復帰
G53 G90 X-380.0; 機 械 座 標 系 を 使
用,アブソリュート指令,
X-380へ移動
M30; プログラム終了
平成25年度 実験・実習技術研究会 in イーハトーブいわて参加報告
小澤 伸也* 廣木智栄**
1. はじめに
平成26年3月5日から7日までの3日間,岩 手大学にて実験・実習技術研究会が開催された.
研究会は国立大学,高専,大学共同利用機関法 人,私立大学等の技術系職員が,日常業務で携 わっている「ものづくり」を含む「実験・実習」,
「地域貢献」,「環境・安全衛生」等の広範囲な 技術的教育研究支援活動について発表し,情報 交換を通して技術系職員の技術力向上と交流を 図ることを目的としている.研究会は5日と 6 日は口頭発表およびポスター発表がおこなわれ,
7 日は視察会として岩手県沿岸の被災地の視察 がおこなわれた.今回は7日の視察会は定員で 参加できなかったため,5日と 6日の発表を聴 講する形で参加した.
2. 記念講演
「東日本大震災からの水産業復興を支援する 食品加工技術」
岩手大学農学部 三浦 靖 教授
東日本大震災の復興支援として「岩手大学三 陸水産研究センター」で行ってきた取り組みに ついての講演であった.
岩手大学三陸水産研究センターでは,従来の 水産業に科学的根拠に基づく付加価値を加え,
水産業の高度化・三陸水産品のブランド化を目 標としており,数ある三陸水産品の中から干物 に注目し,従来ある天日干しではなく科学的根 拠に基づいた干物生産方法を研究,提案するこ とで水産業の高度化・ブランド化といった事に 成功しているとのことだった.
また,講演では干物の生産方法を変えること に対する地元住民から猛反対を受けたことや反 対する地元住民にどのように説明,納得しても らったか等の研究だけでなく現場における話も 聞くことができた.
* 第3技術室 システム設計班
** 第3技術室 システム制御班
3. 口頭発表
研究会では3会場にて各分野毎の口頭発表が おこなわれた.以下は実際に聴講した口頭発表 の一部である.
3.1「 実験テーマ更新の一例
(教材としてDCモーターは妥当か?)」
3 年前に学生実験の内容を更新したが引き続 きDCモーターを教材として扱うのかは教育内 容として妥当なのかについて,実験内容の更新 を整理,反省点についての発表であった.
技術の進歩により新しい考え方が浸透してき ている中で,別の教材を選定すべきかもしれな いところを教員等とそのような検討をすること なく惰性で決めてしまった.様々な視点をもっ て,もっと遠慮する事なくスタッフとして積極 的に提案すべきだった.そのためにも新しいこ と等の広範囲の予備知識の蓄積が必要であると のことだった.
3.2 「初学者を対象にしたオリジナルマイコン ボードによる組み込み技術教育の試み」
PICマイコンを使ったオリジナルマイコンボ ードを作成し,それを用いた電子工作を制作し,
発表をするという流れで技術教育をおこなった 際の結果についての発表であった.
電子工作の制作を課題として与えるのでは無 く,学生に用意した電子部品を使って制作可能 な電子工作を考えさせることで学生たちが意欲 的に取り組むことを目標としている.実施した
図1 基調講演
結果,学生が自ら創造力を膨らませて企画し,
制作する等,積極的に取り組む姿勢が見受けら れた.しかし,今年度新規導入したテーマとい うこともあり,スケジュールやプログラミング の難易度などで学生からの批判や学生の理解等 の問題もあり,改善点は多々見受けられるとの ことだった.
3.3 「遠隔中継の取り組み」
遠隔中継業務の業務引き継ぎにともなってこ れまでの遠隔中継における試行錯誤の取り組み と,その中で見出したノウハウについての発表 であった.
学内の講義を別会場に中継,他大学の講義を 学内の会場に中継,学内の講演を一般施設等に 中継する等,遠隔中継を学内外の様々な場所で 行っている.普段は別の業務をおこなっている 職員でも,中継依頼が届いた場合は集まり,必 要な場合は事前にテストを行う.関連知識を共 有することでスムーズに作業がおこなえるよう になり,技術部関係の会議や打ち合わせ等でも 利用する機会が増えているとのことだった.
その他トラブル内容も詳しく説明があり,ケ ーブル等の断線,接触不良やシステム間の相性 等について解決策とともに説明があった.
3.4 「小山工業高等専門学校キャンパス無線 LANの設置について」
従来までは有線 LAN でキャンパス内の建物 全体に情報ネットワークを設置していたが,無 線 LAN アクセスポイントを設置する教員室や 研究室が増加しており,無断配置のものや,認 証や暗号化等がなされていないセキュリティ上 問題のあるアクセスポイントが調査により多数 見つかったことから,キャンパス内で利用でき る無線 LAN をネットワーク管理側で設置,管 理したという発表であった.
利用開始直後に学生用VLANに対してDHCP 配布数が不足するなどの問題があったが,サブ ネットマスクが 22 ビットのネットワーク構成 であり,まだ拡張の余裕があったため拡張し,
リース時間も1時間として対応した.新規アク セスポイント設置を防ぐために無線 LAN アク セスポイントを購入できなくする等の対策をし たとのことだった.
キャンパス無線 LAN の設置とそれら対策の 結果,新規アクセスポイントが設置されること は無くなったが,不正に設置されたアクセスポ
イントの検出・撤去は進んでおらず,今後の課 題とのことだった.
4. まとめ
今回の研究会は参加者410名という大規模な もので,発表内容も様々な内容があり日常業務 と関係するものもあれば,自分の専門分野とは 大きく離れたものもあったが,実験のテーマ更 新や設備導入などの日常業務に関する失敗談や その解決方法や教員や学生の反応や実際の利用 状況のデータ等の具体的な発表が多く,専門分 野でない発表に関してもそれら失敗談や解決策 等,今後の業務におきかえて参考になるところ や考えさせられる事が多々あったように思う.
また,発表内容が日常業務に関する事であっ たので他大学,高専等の現状を知ることができ,
大学にない設備やシステムに関することも知る ことができた.
図2 口頭発表
図3 発表会場
化学物質管理システム公開セミナー参加報告
宮川しのぶ*
1. はじめに
平成26年3月5日、東京工業大学において化学物 質管理システム公開セミナーが開催された。この化学 物質管理システム公開セミナーは大学等環境安全協議 会のプロジェクト「大学等における化学物質管理シス テムの運用方法に関する調査」に関連しており、今回 はこれまでのプロジェクトの中間報告を兼ねた公開セ ミナーとなっていた。また、今後さらに有用なものと するために意見討論会も併せて実施された。大学でシ ステム担当になって間もない方から、長年の運用に携 わっている方、システム開発者、企業で管理に携わっ ている方など、様々な分野の方々が参加していた。
また、大学における化学物質管理において多大な貢 献をされた東京工業大学の長谷川紀子教授の講演会も 開催された。
今回は、本学の薬品管理システムの今後の運用につ いて情報を得るためセミナーに参加した。そのセミナ ー概要及び内容を以下に示す。
2. セミナー概要
会期:平成26年3月5日(水)
会場:東京工業大学 大岡山キャンパス 緑ヶ丘地 区 グリーンヒルズ1号館(環境エネルギー イノベーション棟) 1F 会議場(東京都目 黒区大岡山)
参加者数:約 50 名(大学等において化学物質管理 システム運用に携わっている方)
プログラム:
3月5日(木)13:00~17:00
化学物質管理システムの運用における課題 整理 新潟大学 藤井 邦彦
運用担当者のための化学物質管理システム 入門 北海道大学 川上 貴教
総合討論
座長 北海道大学 澤村 正也
大学における化学物質管理のあゆみと今後 の展望 東京工業大学 長谷川 紀子
総括
* 第2技術室 物理計測班
3. セミナー内容
「化学物質管理システムの運用における課題整理」
化学物質管理システムの運用についてはこれまでも 様々な問題が挙げられている。単に運用がうまくいか ないというが、原因はシステム、データベース、管理 体制、運用体制など多岐にわたる。しかし問題につい て整理をすることなく議論のみが行われていたため根 本的な解決策を見いだせずにいた。そこで原因を整理 し、問題に関する情報を共有することで少しでもシス テム運用の問題が解決すればと考えプロジェクトが実 施された。このプロジェクトではシステムの運用に問 題を抱えている機関にアンケート調査を行い、その内 容からプロジェクトメンバーが議論・討論した結果を まとめている。このプロジェクトにより、問題や課題 点が、分類、洗い出し、さらに整理され、明確となっ た。報告の内容はこの分類、洗い出し、整理について の方法及び経過が説明された。
問題・課題点は「運用体制及び運用ルール」、「試薬 マスタ」、「サーバー及びWebプログラム」、「その他」
に大別されていた。これらの問題を整理するツールと してマインドマップを活用していた。マインドマップ とは問題となる概念を中心に置き、そこから連想され るキーワードを枝分かれのある放射状につなげていく 思考・発想法のツールの一つである。マインドマップ から問題の多くが「組織の構築」、「規定・規則の作成」、
「運用体制の構築」、「運用ルールの策定」など特定の キーワードに帰結した。つまり、システムの運用が上
手くいかない原因の分類、洗い出し、整理が出来たと 言える。
つまり、化学物質管理システムは体制の中で補助ツ ールとして位置付ける必要があり、化学物質管理シス テムの運用や活用を適切に行うためには、大学等組織 内での化学物質管理体制作りが必要不可欠であるとい う結論に至った。そしてこの考え方に基づき、マイン ドマップを再構築することで、多くの問題が解決でき、
適切かつ効率・効果的なシステム運用に近づくと報告 された。
「運用担当者のための化学物質管理システム入門」
化学物質管理システムは Web サーバー運用経験の ない人が運用を担当する例が多くある。そのため一般 的な意味で Web サーバーやシステムの運用管理を知 らないが故に発生するトラブルが多くなることもスム ーズな化学物質管理システム運用を妨げる要因となっ ている。今回はシステム運用担当者向けに基本的な仕 組みから運用に関する事項について説明があった。
最初に講師の先生から「化学物質管理システム」で
「化学物質管理」はできません。と説明が始まった。
つまり、管理をするのは人間であり、システムは管理 を効率的に行うためのツールである。化学物質管理の 目的とは、安全上の視点で考えれば、シンプルに「化 学物質に伴うリスクの低減」と言える。つまり局所排 気装置や薬品保管庫、保護めがねなどの道具と同列の 存在であり、局所排気装置が暴露防止によるリスク低 減の道具であるように化学物質管理システムは化学物 質の数量や履歴管理によるリスク低減の道具となる。
ここで疑問として「なぜ運用の難しいシステムを構築 しているのか?」が浮かぶ。研究室単位での管理であ れば、これまで実施している紙の受払簿やEXCELで も十分と言えるが、大学全体で組織的に管理するとな ればその効率化にはシステムが役立つと説明があった。
しかし、化学系及びシステム系の専門分野を同時にカ
バーできる担当者が常にいるとは限らないことから、
様々な分野から協力者を得て運用を行っていくこと、
またシステムにこだわらず効率化にならなければシス テム化から外す部分を作っても良いのではと説明があ った。
「大学における化学物質管理のあゆみと今後の展望」
この講演では廃棄物管理も含めた化学物質管理及び 安全衛生管理について説明があった。
まず東京工業大学での実験廃液処理の経緯、現在の 安全衛生管理組織の状況などが説明された。化学物質 管理と言えば、購入、保管、実験のなかでの数量管理 等がある。しかし、最終的には廃液の処理が安全に行 われて初めて管理されたと言える。廃液には様々な物 が混合されていることから、東京工業大学では廃液の 分析を様々な機器を駆使して行っている。GC-MS、
ICP、原子吸光、イオンクロマトグラフなど、最新鋭 の機器が揃えられている。分析後にはそれぞれの廃液 に成分表付きのイエローカードが配布されており、そ の後外部処理委託される。
システムとしては化学物質管理支援システムと実験 廃液・廃棄物処理申請システムの2種類が同時稼働し ている。それぞれのシステムから必要なデータを取り 出し集計を行っており、PRTR 報告や環境報告等のデ ータとして活用されている。また化学物質管理システ ムの使用量と実験廃棄物システムの廃棄量の差異が大 きい研究室を把握し、指導することもあると説明があ った。
東京工業大学では化学物質に関する様々な学内規則 を設けているが、最近、危険物のうち火災、爆発の災 害に結びつく危険性のある物質について適正管理を検 討した上で、学内規則を制定し運用していると報告が あった。
4. まとめ
今回のセミナーに参加して化学物質管理システムの 運用方法、基本的な仕組み、問題・課題点を把握する ことができた。また、本学以外の機関でも同様の問題 を抱えながらシステム運用を実施していることがわか った。ただ、組織的な体制作りなどについては、運用 担当者ではなく、組織のトップが化学物質管理の重要 性を把握しなければならない事項だと感じた。
本学でも今後、化学物質管理システムの運用につい て技術継承が必要な時期がくる。そのときの参考にな る内容であった。