• 検索結果がありません。

当院における虚血性心疾患患者の 糖尿病および耐糖能異常についての現状

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "当院における虚血性心疾患患者の 糖尿病および耐糖能異常についての現状"

Copied!
29
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

当院における虚血性心疾患患者の

糖尿病(DM)および耐糖能異常(IGT)

についての現状

財団法人津山慈風会 津山中央病院 心臓血管センター 循環器科

(2)

おめでとう!!なでしこジャパン

宮間 選手

(3)

当院循環器科の医療圏

県北医療圏人口(人)

津山市 10万

美作市 3万

真庭市 5万

苫田郡 1.4万

久米郡 2万

勝田郡 1.7万

佐用郡 2万

新見市 3.6万

計 28.7万

(4)

当院当科における虚血性心疾患

に対する治療件数(

2000-2011

)

0 50 100 150 200 250 300 350 63 53 101 130 95 156 171 166 185 204 183 222 37 33 57 86 141 107 105 95 89 125 87 111 緊急PCI 待期的PCI 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 (年) (件) (PCI: Percutaneous Coronary Intervention)

(5)

HbA1cのみ 糖尿病型

新しい糖尿病診断基準に基づく臨床診断のフローチャート

糖尿病型:血糖値(空腹時≧126mg/dL、OGTT2時間値≧200mg/dL、随時 ≧200mg/dLのいずれか) * HbA1c ≧6.5% (NGSP)(HbA1c(JDS)≧6.1%) 血糖値とHbA1c ともに糖尿病型 血糖値のみ 糖尿病型 HbA1cのみ 糖尿病型 糖尿病の典型的症状 確実な糖尿病網膜症 のいずれか

糖尿病

再検査

(血糖検査は必須)

再検査

3~6ヶ月以内に血糖値・HbA1cを再検査 血糖値とHbA1c ともに糖尿病型 血糖値のみ 糖尿病型 いずれも 糖尿病型でない

糖尿病疑い

糖尿病

HbA1cのみ 糖尿病型 血糖値とHbA1c ともに糖尿病型 血糖値のみ 糖尿病型 いずれも 糖尿病型でない HbA1cと血糖値の同時測 定を推奨 1回の検査で糖尿病と診 断できるものを大幅に増 やし、早期診断・早期介 入を促進 有り 無し なるべく 1ヶ月以内に

糖尿病疑い

糖尿病

直ちに DM内科へ 相談!! そもそも AMIなんで 高血糖だろう。 経過観察! Lost follow 何かDM薬を 始めなきゃ

(6)

背景

(7)

目的

当院における虚血性心疾患のDMおよび

IGT罹患の頻度についての把握

(8)

対象および方法

<対象>

評価期間:2011年1月~2012年1月

対象:

対象条件:

・急性冠動脈症候群(ACS)

・労作性狭心症で待期的治療目的(Elective PCI)

HbA1c(JDS) 6.1%未満の糖尿病の

治療および診断のされていない患者

ACS患者

29人(男性: 24人、女性:5人)

Elective PCI患者

13人(男性:12人、女性:1人)

ACS患者

→ 200m負荷が可能になった時期

Elective PCI患者→ 治療翌日

75gOGTTを施行し、耐糖能の評価

<方法>

(9)

評価項目

• HOMA-R

空腹時の血糖値とインスリン濃度から求める、インスリン抵抗性の程度 を示すとされる指数。インスリン分泌が比較的よく保たれている軽症の 糖尿病患者さんのインスリン抵抗性を把握する方法として利用される。 この数値が大きいほどインスリン抵抗性が強いと考えられる。 HOMA-R=空腹時血糖値×空腹時インスリン濃度/405 正常HOMA-R≤2

• HOMA-β

HOMA-βは、空腹時血糖値と空腹時インスリン値で推測される インスリン追加分泌能力の程度を示すとされる指数。 HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/mL)/(空腹時血糖値(mg/dL)-63) 正常HOMA-β>40-60

• 空腹時、負荷2時間後血糖

• インスリン分泌指数

インスリン追加分泌第1相を見ている。 II=(30分インスリン値-空腹時インスリン値)/(30分血糖値-空腹時血糖値) 正常値 ≧0.4

(10)

Patient characteristics

年齢

65±12

身長

162.7±7.6 cm

体重

63.9±11.3 kg

BMI

24±3.1

kg/m

2

病変数

1.4±0.7

HbA1c(JDS)

5.4±0.4

%

入院時血糖

152±46.7

mg/dL

負荷前空腹時血糖

98±13

mg/dL

中性脂肪

140±99.6

mg/dL

総コレステロール

179.8±39.9 mg/dL

LDL-cho

106.8±38.9 mg/dL

HDL-cho

44.0±12.2 mg/dL

L/H比

3.1±2.5

(11)

14% 54% 32% <140 140-200 ≧200

負荷後120分血糖値(75gOGTT)

15% 54% 31% <140 140-200 ≧200 14% 54% 32% <140 140-200 ≧200

ACS+Elective PCI

ACS

Elective PCI

(mg/dL) (mg/dL) (mg/dL)

(12)

空腹時血糖値および75gOGTTによる判定区分

(ACS+elective PCI)

140 200 110 126 (mg/dl) (mg/dl)

負荷後2時間血糖値(静脈血漿値)

漿

(13)

HOMA-IR

ACS

Elective PCI

2% 17% 81% >2.5 1.6-2.5 <1.6

ACS+Elective PCI

0% 21% 79% >2.5 1.6-2.5 <1.6 9% 8% 83% >2.5 1.6-2.5 <1.6

意外にもインスリン抵抗性が尐ない!?

(14)

HOMA-β

7% 34% 59%

<20

20-40

≧40

ACS

8% 17% 75%

<20

20-40

≧40

Elective PCI

7% 31% 62%

<20

20-40

≧40

ACS+Elective PCI

インスリン分泌能障害が比較的多い!?

(15)

インスリン分泌指数

37%

63%

<0.4 ≧0.4

ACS+Elective PCI

インスリン追加分泌第1相の障害患者が比較的多い!?

(16)

0 50 100 150 200 250 300 350 インスリン(前) インスリン30分 インスリン60分 インスリン120分

IRIおよび血糖の推移

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 血糖 前 血糖 30分 血糖 60分 血糖120分

明らかに正常と比較して

インスリン分泌遅延が認められる

(mg/dL)

インスリン分泌遅延に伴い

食後高血糖およびその後の

低血糖が認められる。

(μU/ml) 75gOGTT負荷血中インスリン濃度 75gOGTT負荷血糖 負荷3時間後 血糖 45mg/dL

(17)

負荷時IGTを認めた患者の特徴

14%

54%

32%

<140 140-200 ≧200

ACS+Elective PCI患者の負荷後

120分血糖(75gOGTT)分布

(mg/dL) HT+HL併存 (25%) HT併存 (50%) HL併存(63%)

IGT+DM以外の基礎疾患併存の割合

(18)

米国白人および日本人のインスリン分泌比較

(19)

350 300 250 200 150 100 50 血糖値 ( m g / d L ) 250 200 150 100 50 0 相対量 糖尿病 発症 前糖尿病期 (IFG,IGT) 糖尿病と診断

2型糖尿病の自然経過

Kendall DM(IDC,Minneapolis) et al : Am J Med. 2009 Jun;122(6 Suppl):S37-50. DM発症時 機能は半減 126 mg/dL (診断基準) 細小血管合併症の出現

境界領域

(食後高血糖)

糖尿病領域

(空腹時高血糖) -15 -10 -5 0 5 10 15 20 25 30 動脈硬化の進展(脳卒中、心筋梗塞) 門脇 孝:生活習慣病記者セミナー2005年9月16日, 東京. Haffner S.M. et al.:JAMA,263,2893-8,1990. 今回経験した 症例群

(20)

第一選択薬群 DPP-4阻害薬 BG薬 チアゾリジン薬

α-GI

SU薬 α-GI (グリニド薬) あ り な し

DM

IGT

ボグリ ボース

DPP

-4阻害薬 高 血 圧 ・ 脂 質 異 常 症

新しい薬剤を含めた経口糖尿病薬の使い分け

門脇 孝;月刊糖尿病 2010;Vol.2 No7: 4-15.(一部改変) STEP 1 低血糖を起こしにくい薬剤の単独処方 STEP 2 第一選択薬群同士の併用 低血糖を起こしにくい薬剤 の併用処方 STEP 3 第一選択薬群の 薬剤は尐なくとも 1剤残し、尐量の 分泌系薬から 併用

チアゾリジン薬

(ビグアナイド薬) ① ②

(21)

総死亡 心筋梗塞 脳卒中

0

-25

(%)

-50

-10

%

p=0.095

-16

%

p=0.027 総死亡 非致死性心筋梗塞 脳卒中 下肢切断 急性冠症候群 PCI/CABG 下肢血行再建術

-28

%

p=0.045

-47

%

p=0.008

Dormandy JA. et al.: Lancet,366,1279,2005. Erdmann. E. et al.: JACC. 49, 1772, 2007. Wilcox R. et al.: Stroke,38,865,2007.

心筋梗塞 脳卒中

ハード

エンドポイント

プライマリー

エンドポイント

心筋梗塞

再発

脳卒中

再発

ピオグリタゾンの心血管イベントに対する効果

-PROactive試験(観察期間3年)より-

心血管イベントに対する2次予防の効果

についてのエビデンスはこれのみ

(22)

第一選択薬群 DPP-4阻害薬 BG薬 チアゾリジン薬

α-GI

SU薬 α-GI (グリニド薬) あ り な し

DM

IGT

ボグリ ボース

DPP

-4阻害薬 高 血 圧 ・ 脂 質 異 常 症

新しい薬剤を含めた経口糖尿病薬の使い分け

門脇 孝;月刊糖尿病 2010;Vol.2 No7: 4-15.(一部改変) STEP 1 低血糖を起こしにくい薬剤の単独処方 STEP 2 第一選択薬群同士の併用 低血糖を起こしにくい薬剤 の併用処方 STEP 3 第一選択薬群の 薬剤は尐なくとも 1剤残し、尐量の 分泌系薬から 併用

チアゾリジン薬

(ビグアナイド薬) ① ②

(23)

考察(75gOGTT施行時期の妥当性)

(Tenertz, et al: Diabetes, insulin resistance, and the metabolic

syndrome in patients with AMI with out previously known diabetes.

Diabetes care 26: 2770-2776, 2003)

(24)

当院での亜急性期における糖負荷試験にて、新規に

耐糖能異常患者が多く認められた。

その成因のとしてはインスリン抵抗性は比較的尐なく、

分泌能の障害が多く認められた。

耐糖能異常の認められる患者の多くが、脂質異常症

や高血圧を合併していた。

早期からの経口血糖降下剤による2次予防を

インスリン分泌パターンによりオーダーメイドで

行う必要性があると考えられた。

結語

(25)

心臓リハビリテーション

2010年7月21日から心大血管リハビリテーション(Ⅰ)を開始。

心リハスタッフ

心リハスタッフ:

専任NS(1)

専従PT(2)

薬剤師(2)

栄養士(1)

臨床心理士(1)

ソーシャルワーカー(1)

医師(2)

生理検査技士(1)

(26)

• 急性心筋梗塞、心臓血管手術はパスに準じ、

早期に開始し、離床促進。

• 病棟での個別リハ後、6分間歩行で運動

耐容能を評価し、集団リハビリへ移行。

(27)

入院中に栄養指導、服薬指導、運動処方、カウンセリング等について

コメディカルからの教育的指導を心筋梗塞パスを用いることにより、

ほぼ100%の患者あるいはその家族に提供している。

iPADを用いて栄養指導を家族を交えて説明。

(28)

スタッフ紹介

井 田 潤 岡 岳 文 吉 川 昌 樹 岩 崎 淳 研 修 医 棏 平 将 太 吉 川 和 歌 子 大 学 院 生 大 澤 和 宏 永 井 正 浩

(29)

参照

関連したドキュメント

果から日本糖尿病学会の「科学的根 拠に基づいた糖尿病診療ガイドライ ン」(JDS2004) 4) で は,血

Shunichi Yoda, Misa Hayase, Yusuke Hori, Kanae Ikegami, Takashi Mineki, Takumi Hatta, Yasuyuki Suzuki, Naoya Matsumoto, Atsushi Hirayama. Association between Early

Taniguchi R, Sato Y, Tasuku Y, Yamada T, Higuchi H, Ooba M, Kimura T, Matsumori A, Kita T, Measurements of Serum Cardiac Troponin T and plasma Brain Natriuretic Peptide

○ 小川  みなさま,こんにちは.毎年のことです が,いよいよ最終講義を伺う日になりました.今年 度末で定年退任される

特定健診は脳・心血管疾患予防を目的としており、それらの危険因子を用いたリスク評価および指導介

別表第四 健康を支え、守るための社会環境の整備に関する目標 項目 策定時の現状 データソース (H26年5月現在)

つ いてtotal EF, basilar half EF,... 術前心機能

し.minimalmodelによる解析から求めたp3とp2の比(p3/p2)から計算した。