第５学年 算数科学習指導案
５年２組 １ 単 元 名 分数をくわしく調べよう ２ 単元について 算数的活動への取組み 他とのかかわりの様子 子 供 の 実 態 ・ １学期の「小数のかけ算とわり算を考えよう」では、 小数×整数の答えを求めるために、具体物(手作り目盛 り付きペットボトルと水)を用いたり、小数を整数に置 き換えて計算したりするなど、様々な考え方を出し合 った。単元の最後に行った発展的な課題に対しても、 既習事項を応用して、自分なりに考えた方法で意欲的 に問題に取り組み、解決することができた。 ・ 小数のかけ算、わり算の筆算を学習した時は、形式 的な反復練習だけではなく、小数点を打つ意味や位取 りの考え方について話し合い、筆算の仕方とその意味 の理解を深めてきた。話合い活動を重ねていくうちに ３.６を３６に置き換える時に、「小数点を取って･･･」 という表現が減り、「１０倍して３６にする」といった、 数の関係 を明確にした説 明ができるようになってき た。 ・ 算数に対する苦手意識が強い子供が数名おり、思考 を要する課題になると「分からない」と言って投げ出 してしまうことがある。しかし、自分なりに解決方法 を見付けた時や理解できたときには、その喜びを素直 に表現し、学習に前向きに取り組んでいる。 ・ 分数を単位分数のいくつ分とイメージすることが難 しい子供には、具体物や図を使って分数に対するイメ ージをもてるようにしている。 ・ 「小数のかけ算とわり算を考え よう」では、自分なりの解決方法 を発表し合った。発表をしたり聞 いたりする中で、自分の考えを道 筋を立てて、友達に分かりやすく 伝える 工夫をすることができる ようになってきている。 ・ 授業後の感想では友達の考え方 に驚いたり、それを自分の考えに 取り入れようとしたりするなど、 友達の 発表のよさにつ いても述 べる姿が見られた。互いに認め合 ううちに、問題解決の楽しさや満 足感を味わう子供が増えている。 教 材 の 価 値 ・ 子供たちは、４年生で分数の意味、真分数、仮分数、帯分数の概念や相互関係、同分母分 数の大小比較について学習をしている。本単元では、分母は違っていても大きさの等しい分 数（同値分数）があることや、同分母分数の加法、減法を学習する。また、分数を小数に、 小数や整数を分数に変換する方法について学習を進める。それらの学習をもとに、異分母分 数を扱うゲーム「分数ジャンケンゲーム」を行う。分母が異なる分数を同じ分母の分数に置 き換えることで、組み合わせたり、分けたりすることができることを感覚を通して知り、前 時までに学習したことの理解を深め、基礎的・基本的な事柄が、より確かなものになる。 ・ 本時では、分数ジャンケンゲームの流れの中で、単位となる分数シート（ 6 1 3 1 2 1 ， ， ）のやり とりをしたり、得点を合計したりする際に、目的に応じて、分数の大きさを比較したり、置 き換えたりする必要があり、子供たちは、積極的に対象に働きかけ、基礎的な知識や技能を 生かしながら、算数を学ぶ楽しさや充実感を感じ取ることができると考える。 数についての感覚を豊かにし、自分の考えを表現する子供を目指して 育 て た い 子 供 の 姿 ・ 経験や既習事項を生かして自分の考えをつくりあげ、考える楽しさを味わいながら主体的に 追究することができる子供 ・ 体験的な算数的活動を通して友達とかかわりながら、友達の考えのよさを認めることができ る子供第５学年 算数科学習指導案
５年１組 １ 単 元 名 分数をくわしく調べよう ２ 単元について 算数的活動への取組み 他とのかかわりの様子 子 供 の 実 態 ・ 「小数のかけ算とわり算を考えよう」では、小数×整数、小 数÷整数という新しい課題に対して､具体物（手作りの目盛り付 きペットボトルと水）を使ったり、イラストやテープ図を描い たりしながら、自分たちで考えた「小数の整数変身」（小数を整 数に変換すること）の方法を用いて、多様な考えを出し合った。 小数を整数に変換する方法としては、１０倍変身、㎗変身、0.1 何個変身と主に３種類の変身（変換）方法を考え出し､共通の財 産として使っている。また、その過程で、その子供なりの方法 で経験や既習事項を生かす姿が見られた｡ ・ 小数のかけ算、わり算の筆算の仕方については、基本的には、 整数の筆算と同じ手順で計算を進めることで、大半の子供が、 正確に処理をすることができる。 ・ 本単元に入る前の段階で、子供たちは、具体物を用いると１ つのものを何等分したいくつ分ととらえることができる。しか し、抽象的な１という数の等分となると、１０等分するという 小数の概念が強く、それ以外の等分のイメージが描きにくいよ うである。そこで、形式的な数の操作だけでなく、具体的な場 面を想定して、具体物や図、数直線などを用いて分数の仕組み や、その意味を考えさせる。 ・ 「小数のかけ算とわり 算を考えよう」では、小 数を操作することのイメ ージを自分なりの表現方 法（イラスト・図や半具 体物､容器類など）で工夫 し、考えの道筋を友達に 分かりやすく伝えること ができた。 また、友達の考えとの 類似点や相違点などにも 気付き、友達の考えや取 組みのよさを認める姿が 見られ、問題を解決して いく楽しさや、満足感も 味わえる子供が増えてい る｡ 教 材 の 価 値 ・ 子供たちは、４年生で分数の意味、真分数、仮分数、帯分数の概念や相互関係、同分母分 数の大小比較について学習をしている。本単元では、分母は違っていても大きさの等しい分 数（同値分数）があることや、同分母分数の加法、減法を学習する。また、分数を小数に、 小数や整数を分数に変換する方法について学習を進める。それらの学習をもとに、異分母分 数を扱うゲーム「分数ジャンケンゲーム」を行う。分母が異なる分数を同じ分母の分数に置 き換えることで、組み合わせたり、分けたりすることができることを感覚を通して知り、前 時までに学習したことの理解を深め、基礎的・基本的な事柄が、より確かなものになる。 ・ 本時では、分数ジャンケンゲームの流れの中で、単位となる分数シート（ 6 1 3 1 2 1， ， ）のや りとりをしたり、得点を合計したりする際に、目的に応じて、分数の大きさを比較したり、置 き換えたりする必要があり、子供は、積極的に対象に働きかけ、基礎的な知識や技能を生かし ながら、算数を学ぶ楽しさや充実感を感じ取ることができると考える。 数についての感覚を豊かにし、自分の考えを表現する子供を目指して 育 て た い 子 供 の 姿 ・ 経験や既習事項を生かして自分の考えをつくりあげ、考える楽しさを味わいながら主体的 に追究することができる子供 ・ 体験的な算数的活動を通して友達とかかわりながら、友達の考えのよさを認めることがで きる子供３ 研究主題との関連 指導目標の明確化と評価の工夫 教材開発と単元構想の工夫 算数的活動及び学習過程の工夫 ○ 基礎・基本の内容の明確化 基礎・基本の内容を、明確に学 習の中に位置付ける。 ・ 整数の除法の商は、分数を用い て常に１つの数として表せるこ とが分かる。 ・ 同じ大きさの量を分数で表すと きに、単位分数をいろいろに変え ることに着目して考えることが できる。 ・ 分数を小数に、小数、整数を分 数に直すことができる。 ・ 同分母分数の加減計算の仕方 を、単位分数の個数の計算と考 え、整数と同じように処理できる ことが分かる。 ・ 自分の考えを相手に分かるよう に、根拠を明確にして表現する。 ・ 既習の内容をもとにして、筋道 を立て考えをつくり上げていこ うとする。 ○ 評価の工夫 算数的活動の中で、活動の足跡 や思考の流れを、ワークシートや 算数日記に書き留めるようにす る。そうすることにより、教師は 一人一人の歩みを知り、より適切 な支援を行うことができるよう にする。 また、子供は、自分の取組みや 考え方を振り返る。そこから、自 分や友達の考えのよさに気付き、 次の学習の見通しや意欲につな げることができる｡ ○ 一人一人 の追究意 欲がふく らむ単元構想の工夫 ・ 本単元では、抽象的な分数を より身近なものとし、整数や小 数と同じ ように数として 見ら れるよう にすること がねらい である。そのために、子供一人 一人が分 数をイメ ージできる ように、具体物、半具体物など を使う操 作活動を十 分に取り 入れていく。 ・ 分数を視覚的にイメージしや すくした分数シートを用いて、 分数ジャンケンゲームを行う。 その中で、既習事項を生かし、 課題を解 決してい く追究意欲 をふくらませる。 ○ 考える楽 しさが味 わえる発 展的な教材 ・ 分数ジャンケンゲームでは､ 異分母分数について、単位分数 を変えて、同分母分数に置き換 える。そこから、既習の同分母 分 数として 大小関係や相等関 係を考える。さらに、生活経験 を生かして、「おつり」や「両 替」的な発想が生まれ、分母を そ ろえて考 えるとい う通分に 通 じるアイ デアも考 え出して いくことが予想される。このよ うなゲームを設定することで、 必然的に基礎的・基本的な事柄 を用い、十分に活用していくこ とを通して、学ぶ楽しさや充実 感を味わうことができる。 ○ より よ い考 えを 生 み 出す算数的活動 ・ 分数 シ ート を 重ね た り､並べたりしてゲーム をしながら､イメージす る こ と が 難 し い 分 数 の 世界を視覚的にとらえ、 分 数 の 大 小 関 係 や 相 等 関係、加減計算の方法に ついて考えたり､試した りする。このような算数 的 活 動 を 取 り 入 れ る こ と で 主 体 的 に 課 題 に 取 り組むことができる。 ○ 学習過程の工夫 ・ 必要に応じてペア、グ ループなどの学習形態、 あ る い は 全 体 の 話 合 い の場面を設定する。特に ゲ ー ム な ど の 算 数 的 活 動の場面では、子供たち が ゲ ー ム を 続 け ら れ な くなったり、合計点を計 算 で き な く な っ た り す ることも考えられる。そ の時に、互いの状況や解 決方法など、友達の取組 み や 考 え と か か わ り 合 えるようにする｡ ４ 単元の目標 ○ 分数の意味や表し方についての理解を深め、分数、小数、整数の関係について理解する。 ○ 同分母分数の加減計算（真分数と真分数の加法と、その逆の減法）の仕方を理解し、それを用いる 能力を伸ばす。 ・ 整数についての除法の商は、分数を用いると常に１つの数として表すことができることのよさが 分かり、進んで分数と小数、整数の関係を調べようとする。（算数に関する関心・意欲・態度） ・ 同じ大きさの量を分数で表すときに、単位の分数をいろいろに変えることに着目して考える。 （数学的な考え方） ・ 同分母分数の加減計算をすることができる。 ・ 分数を小数に直したり、小数、整数を分数に直したりすることができる。 （表現・処理） ・ 同分母分数の加減計算の仕方を理解する。 ・ 分数を小数に、小数、整数を分数に直す方法を理解する。 （知識・理解） 自ら数量事象に働きかけ、問題を解決しながら、考える楽しさを味わう子供の育成を目指して ―考える楽しさ、学ぶ楽しさを味わう教材や算数的活動のあり方―
６ 本時の学習（１１／１２時 ５年２組） （１）ねらい 分数ジャンケンゲームを通して、同分母分数の加減計算を単位分数の個数の計算と考えたり、 計算の仕方を工夫したりして、同分母分数の加減計算への理解を深めることができる。 （２）展 開 学習活動と子供の動き 支援と評価の観点（方法） １ 分数ジャンケンゲームⅠのルールを知り、ゲームをする。 ① ペアになり、 6 1 ポイントシートをそれぞれ１ ２枚持つ。 ② ジャンケンで、勝った方が相手からシートをも らう。 ③ ５回戦をし、最後の手持ちのポイントで勝敗を 決める。 ・ １を６等分したから、１枚が 6 1 ポイントだよ。 ・ パーで勝ったから、 6 1 ポイントが３枚もらえるよ。 ・ 合計点を求めよう。 ・ ６角形のかたまりが２つ分とシートが１枚だから、合計点 は 6 1 2 ポイントだよ。 ・ 6 1 ポイントが１１枚だから、 6 11 ポイントだよ。１１ポ イントではないよ。 ２ ５回戦分の経過を式に書いて計算をし、シートの枚数と合っ ているかを確かめる。 ・ ＋ − − ＋ ＝ （ ） 6 1 2 6 13 6 2 6 1 6 1 6 3 6 2 6 12 -・ 分母は１を６等分したという意味だから、たさずに分子だ けをたすよ。 ・ 6 1 のいくつ分と考えて、整数と同じように計算するよ。 ・ 式を並び替えて、たし算とひき算をまとめて計算するよ。 ・ 1 回戦から５回戦までの計算してから、 6 12 にたすよ。 ・ 「＋ 6 1 」と「− 6 1 」はシートをもらって、もどすことだ から、０と考えればいいよ。 ３ 今日の学習の感想を書く。 ・ ６つの分数が並んだ式でも、整数と同じように考えればい いよ。 ・ 友達の計算の仕方はとても分かりやすくて、簡単にできる と思ったよ。 ・ 様々な計算の工夫があることに気付いた。 ・ 各自が１ポイントのシートを ６等分し、切り取ったシートに 6 1 と記入する作業を通して、 6 1 ポイントへの意識付けと量 感をつかめるようにする。 ・ 数回、試しのゲームをしてル ールの確認をする。 ・ ５回勝負を行い、１回ごとの ポイ ン トの増減をワー ク シー トに記録する。記録用紙の説明 を演示で行い、ゲーム中の記録 の仕方について確認する。 ・ 計算で求めた合計点と 6 1 ポ イン ト シートの枚数が 一 致す るか ど うかを確かめる よ うに 助言する。 ・ 計算 の仕方や工夫を話 し合 い、計算についての考え方を深 める。 ・ 整数と同じように計算してい る場合は、なぜそのように考え られ る のかを話し合え る よう に助言する。 （３）視 点 同分母分数の加減計算の習熟を図ったり、単位分数の個数の計算と考えれば整数のように計算 できることのよさに気付いたりするための、ゲームの設定や手立ては適切であったか。 同分母分数の加減計算につ いて理解し、計算の仕方につい て考えている。 （ワークシート、発言） 友 達 の 意 見 を し っ か り 聞 き、自分の考えとの違いやよ さに気付く。（つぶやき、ワーク シート） 6 3 ポイント 6 2 ポイント 6 1 ポイント パーで勝つ グーで勝つ チョキで勝つ
計算の仕方を考えよう
分数ジャンケ ンゲームⅠ６ 本時の学習（１２／１２時 ５年１組） （１） ねらい 分数ジャンケンゲームを通して､異分母分数でも、同分母分数に置き換えることで、組み合わせ たり、分けたりすることができることを知る。 （２）展 開 学習活動と子供の動き 支援と評価の観点（方法） １ 分数ジャンケンゲームⅢのルールを知り試しのゲームをする。 ２ 約束したルールでジャンケンゲームⅢして合計得点を比べる。 ・ 分母が違っていても、シートのやりとりができるよ。 ・ クラスのチャンピオンは誰かな。 ・ 2 1と 6 1と 3 1 の３つの分数でも合わせられるね。 ３ 今日の学習の感想を書く。 ・ 2 1と 3 1 でも 6 5と１つの数で表せるんだね。分母が違う分数も 合わせたり分けたりできるね。 ・ これからは分母が違っていても計算できそうだな。 ・ 4 1ポイントのシートがあったらどうなるのかな。 ・ 前時までの学習内容（同値 分 数や 同分 母 分 数の 加減 計 算などのポイント）を掲示し ておく。 ・ 考えをつくりあげる過程 を大切にし、既習内容の生 かし方のみならず、つまず いた点などについても、紹 介するように助言する。 ・ ゲームの経過をワークシ ートに記入することで、足 跡を残し、戦績や合計得点 の振り返りができるように する。 ・ 話し合われた内容を生か して、合計得点の計算をし、 見た目だけではなく、ポイ ント数をクラス全体で比べ る。その際、ペアで共に計 算し合うようにし、自分の 考えややり方に不安がある 友達を手助けできるように する。 ・ ゲームへの取組みの意欲 が高まれば、たけのこタイ ム（基礎・基本習熟の時間） や課外の活動で補うように する。 （３） 視 点 異分母分数でも同分母分数に置き換えることで、組み合わせたり分けたりすることができるこ とに気付くためのゲーム設定や手立ては適切であったか。 両替 2 1は、 6 1が３つ分と同じ大きさ。 2 1は 6 3と考えられる。 おつり 2 1の中に 3 1 が 1 つ分と 6 1が１つ分があると考えられる から、 2 1 わたして 3 1 もらえば 6 1 を渡したことになる。 本時の課題を理解し、異 分母分数の操作の方法を既 習事項を生かして、自分な り の 方 法 で 考 え よ う と す る。（発言、態度） 異 分 母 分 数 を 同 分 母 分 数に置き換えて、取り替え たり、差し引きしたりする 操 作 方 法 を 考 える こ と が できる。 （ワークシート、発言）
