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ごあいさつ

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第 13 巻 第 1 号 2017

間質性膀胱炎研究会誌

Journal of Interstitial Cystitis

第 16 回日本間質性膀胱炎研究会抄録集 (2017 年 1 月 15 日、東京)

日本間質性膀胱炎研究会

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第 16 回 日本間質性膀胱炎研究会 会長 南里正晴 医療法人 南里泌尿器科医院 (佐賀市)

ごあいさつ

日本間質性膀胱炎研究会も、お陰様で第 16 回を迎えました。 当研究会は5 人の幹事の先生方が持ち回りで会長となってい ましたが、今回からは評議員も研究会を企画・運営することに なりました。私が地方在住で、またこのような大役は初めての 経験でしたので、準備や連絡など行き届かないところがありま したことをお詫びします。 さて本研究会では間質性膀胱炎に対する漢方治療と膀胱水圧 拡張術の手技をテーマとしました。 間質性膀胱炎にはいまだに効果的な治療薬はなく、日常診療 で苦労しているのが現状です。漢方薬も治療手段のひとつとし て有効だという報告がありますが、漢方薬を使い慣れていない 医師にとって、どのような患者にどの漢方薬を選ぶべきか迷う ことや、漢方薬は何に作用しているのかなどその理論に疑問を 持つことがあると思います。そこで今回は間質性膀胱炎を含め、 泌尿器科疾患の漢方治療の経験がたいへん豊富である、福岡市 の平田ペインクリニック 平田道彦先生をお招きして、「泌尿 器科領域の漢方治療」についてご講演いただくことにしました。 また平成22 年に膀胱水圧拡張術が保険収載されたものの、 その手技や手順には標準化されたものがなく、各施設の経験に 基づいて行われているのが現状です。さらに麻酔科標榜医が必 要であるという厳しい施設基準を含む様々な問題が膀胱水圧拡 張術を敷居が高いものとしていると考えています。今回は膀胱 水圧拡張術の経験が豊富な3 施設から各施設の手技について提 示して頂き、参加した会員の皆様と安全で効果的な手技につい て議論する予定にしています。 実り多き会となりますよう、また皆様の活発なご討議を期待 してご挨拶とさせていただきます。

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第 1 6 回日本間質性膀胱炎研究会のお知らせ

期日: 平成 28 年 1 月 15 日(日) 12 時 55 分から 17 時 00 分 場所: 京王プラザホテル 新宿 【 あけぼの ( 本館 47 階 ) 】 〒160-8330 東京都 新宿区 西新宿 2-2-1 Tel. 03-3344-0111(代表)

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参加者へのお願い

1.参加費は 2,000 円です。 2. 抄録集はお送りしたものを必ず 持参してください。 当日は印刷したものを何部かご用意いたしますが,数に限りがありますのでご容赦ください. 発表者へのお願い 1. 発表は、一般演題は講演5分、討論3分とさせていただきます。 2. 発表はPCプレゼンテーションでお願いします。 3. 会場には、Power Point 2010、Windows7 のパソコンを用意しております。 M a c i n t o s h など のご利用を希望される場合は、PC本体をご持参ください。動画を使用される場合も、ご自身のPCをお 持ちください。 ・ データはUSBメモリーに保存して、当日お持ちいただき、受付にて演者であることをお声かけください。 ・ 発表の 30 分前までに、実際の壇上の PC で試写を行います。 ・ PCを持参される場合は、ACアダプタも必ずお持ちください。 ・ プロジェクターとアナログD-Sub15 ミニピン(オス)のケーブル( )をご用意します。 これに合わない形状の出力端子の場合は、変換アダプタをご用意ください。 ・ なお、機器の不調でスライド表示が不能となりえることを予め御了承ください。 その際はスライドな しでご発表をお願いします

座長の先生方へのお願い

1.発表は講演 5 分、討論 3 分で行います。時間は比較的余裕があると思いますが、要領のよい進行 をお願いします。 2.機器のトラブルでスライドが映写されない場合には、スライドなしでの発表をご指示下さい。

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― プログラム ―

12:55-13:00 開会の挨拶 会 長 南里正晴 (南里泌尿器科医院)

1.招請講演 (

13:00~13:45)

司会 武井 実根雄(原三信病院泌尿器科)

「 泌尿器科領域の漢方治療 」

平田ペインクリニック(福岡県糟屋郡;麻酔科・漢方内科) 平田 道彦 先生 共催:株式会社 ツムラ

2.一般演題 (13:50~15:00)

座長 伊藤貴章(田村クリニック泌尿器科) 井川靖彦(東京大学医学部コンチネンス医学講座) 1.間質性膀胱炎患者における尿中炎症性サイトカインの経時的変化 古田 昭1、鈴木康之、頴川 晋1 (東京慈恵会医科大学泌尿器科1、東京都リハビリテーション病院泌尿器科 2.間質性膀胱炎患者における血液中炎症性マーカーの有用性の検討 松尾朋博、中村裕一郎、安田拓司、大庭康司郎、宮田康好、酒井英樹 (長崎大学病院 泌尿器科・腎移植外科) 3.膀胱痛症候群をはじめるとする尿路系疾患を合併する線維筋痛症患者検討 関口由紀1,2,3、中村綾子1,3、二宮典子2、矢尾正祐3 (LUNA 骨盤底トータルサポートクリニック1、女性医療クリニックLUNA 心斎橋2 横浜市立大学泌尿器科学講座3 4.当院における間質性膀胱炎の治療の現況と問題点 酒本貞昭1、松原孝典、戸高雅広、村本将俊2 (中村病院泌尿器科1、玄々堂泌尿器科 5.麻酔下水圧拡張術においてしばしば気になる事象についての検討 中島 のぶよ、鍬先 晋平、増田 克明、中島 啓二、安東 定、高山 一生、尾本 徹男 (邦生会 高山病院 泌尿器科) 6.麻酔下膀胱水圧拡張術を施行した間質性膀胱炎の検討 山本恭代、津田恵、安宅祐一朗、宇都宮聖也、大豆本圭、楠原義人、森英恭、 新谷晃理、布川朋也、山口邦久、福森知治、高橋正幸、金山博臣 (徳島大学 医学部 泌尿器科) 7.膀胱水圧拡張術時におけるハンナ病変の膀胱内圧別形態学的変化 梶原 充、西田健介、武本健士郎、中原 満 (県立広島病院 泌尿器科) 8.ハンナ型間質性膀胱炎症例におけるアミトリプチリン投与後のトラマドール製剤の臨床効 果に関する検討 大岡 均至 (独立行政法人 国立病院機構 神戸医療センター泌尿器科)

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休憩

3.総会 (15:10~15:30)

本間之夫(東京大学医学部泌尿器科) ※会計報告の他、平成29 年度の厚労科研(難治性疾患等政策研究事業)や間質性膀胱炎 認定医制度についての報告もあります。

4.パネルディスカッション (

15:30~16:40)

「膀胱水圧拡張術」

司会 上田朋宏 (泌尿器科 上田クリニック) 南里正晴 (南里泌尿器科医院) 1) 「膀胱水圧拡張術の現状と問題点」 南里正晴 (南里泌尿器科医院) 2) 「膀胱水圧拡張術の手技と落とし穴」 新美文彩 (東京大学附属病院) 相島真奈美(原三信病院) 玉置雅弘 (日本赤十字社和歌山医療センター) 3) 総合討論

5.その他 (

16:40~16:50)

研究会賞授与 南里泌尿器科医院 南里正晴 事務連絡 次期会長の挨拶

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招請講演

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泌尿器科領域の漢方治療

平田ペインクリニック 平田道彦 どこに行っても治らなかった痛みが,漢方治療によって驚くほど解消することは, もはや疼痛漢方医にとって日常的なこととなりつつある.近い将来,痛みの治療の体 系は漢方を組み込んで,現在より遥かに効果的なものとなるであろう.と,演者など は期待するが,現実はなかなかそうはいかないだろう. さて,痛みが解消した患者さんが,ついでのように「先生,夜,小便に何回も起き て困るんですが」と,泌尿器関係の相談をされることがよくある.演者の泌尿器系の 解剖・生理に関する知識は学生レベルか,それにも及ばないほどであるが,なんとか あれこれ考えて漢方治療を行なっている.効果のほどは,痛みの治療のそれに比較し て6割程度であろうか. 一般に夜間頻尿に対してよく処方されているのが牛車腎気丸であるが,夜間頻尿が この処方で軽減する確率はそれほど高くない.牛車腎気丸が効く患者の特徴は,下半 身,特に下腿に冷えを感じており,脛骨前面などに若干の浮腫傾向があることである. 八味地黄丸の場合はこの浮腫傾向がない.夜,何回も小便に立つが,尿量は決して多 くない. あくまで私見であるが,高齢になって体に発生する熱量が低下し,下半身からその 影響を受けて,体温が維持しにくくなる.特に睡眠中に体温が下がるために,少しで も水分を外に出して身体の容量を減少させようとする結果,尿量が増え,加えて膀胱 の粘膜の被刺激性が亢進しているために,排尿反射が誘発され夜間頻尿となると考え られる.八味地黄丸や牛車腎気丸は下半身の熱量をあげるようなイメージで捉えると 良い. しかし,夜間頻尿の原因には,膀胱の被刺激性亢進や尿の保持力の低下などの要因 を絡むので,それらを抑制あるいは維持するように工夫する必要がある.麦門冬湯や 補中益気湯の併用はその意図を持つ. 同様な考え方で,間質性膀胱炎にも対処している.すなわち膀胱粘膜の被刺激性を 抑制する目的で,八味地黄丸と麦門冬湯,さらに補中益気湯や四物湯の併用を試みる. さらに熱感や冷感の有無,心身の疲労や交感神経系の異常興奮などに配慮しながら方 剤を工夫している. 症例を提示しながら,漢方治療の実際を紹介したい.

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9 略歴 1958 年 福岡県出身 1984 年 佐賀医科大学医学部医学科卒業 1984 年 佐賀医科大学医学部附属病院 麻酔科医員(研修医) 1985 年 佐賀医科大学医学部附属病院 麻酔科助手 1993 年 唐津赤十字病院 麻酔科部長 1998 年 佐賀医科大学医学部附属病院 麻酔科蘇生科助手としてペインクリニックを研修。 2003 年 大分県済生会日田病院 麻酔科部長、救急部長 2009 年 8 月 17 日 平田ペインクリニック院長 漢方歴 2000 年より織部和宏先生(大分市、織部内科クリニック)に師事。 2004 年よりは山田光胤先生に師事。山友会門下生となる。 2009 年 東洋医学専門医取得 2009 年から 2013 年 4 月 東洋医学会福岡県部会 会長 テーマは疼痛性疾患と漢方治療。 資格・役職 麻酔標榜医 日本ペインクリニック学会認定 ペインクリニック専門医 日本東洋医学会認定 漢方専門医 日本疼痛漢方研究会 常任世話人 漢方浪漫倶楽部 キャプテン 著書 • 今日から実践「痛みの漢方治療」|医歯薬出版|共著 • 西洋医学的難治症例に対する漢方治療の試み|たにぐち書店|共著 • 運動器のペインマネジメント (整形外科臨床パサージュ) |中山書店|分担執筆 • 「冷え」と漢方治療 織部和宏編|たにぐち書店|分担執筆

• 痛みの Science & Practice 2 "痛みの薬物治療” 漢方薬 選択の参考所見 |文光堂|分担執筆

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1.間質性膀胱炎患者における尿中炎症性サイトカインの経時的変化

古田 昭1、鈴木康之、頴川 晋1 東京慈恵会医科大学泌尿器科1、東京都リハビリテーション病院泌尿器科2 【目的】今回われわれは間質性膀胱炎(IC)に対する膀胱水圧拡張術あるいは 電気焼灼術前後における尿中炎症性サイトカインの経時的変化を検討した。 【方法】ハンナー型IC(HIC)群:10 例、非ハンナー型 IC(NHIC)群:10 例、コントロール群:10 例より、治療前に尿と膀胱組織をそれぞれ採取した。 NHIC 群には膀胱水圧拡張術、HIC 群には電気焼灼術を施行し、6、12 ヶ月後 にそれぞれ尿を採取した。同時に、IC 質問票(OSSI、OSPI)と VAS スコア を尿採取時に回答してもらった。MIPPLIPLEX immunoassay kit を用いて、 41 種類の尿中マーカーを測定した。また、膀胱組織中の IL-1 受容体拮抗物質 (IL-1Ra)の発現を免疫染色で評価した。

【結果】治療前において、尿中VEGF と IL-1α が HIC 群と NHIC 群で、

CXCL8 と CXCL10 が HIC 群で、それぞれコントロール群と比較して有意に上 昇していたが、HIC 群と NHIC 群間ですべての尿中マーカーに有意差は認めら れなかった。IL-1Ra は主として膀胱上皮に発現しており、HIC 群では NHIC 群ならびにコントロール群と比較して、その発現が有意に低下していた。治療 前と比較して、HIC 群と NHIC 群ともに尿中 IL-1Ra が治療 12 ヵ月後で有意 に上昇していたが、その他すべての尿中マーカーに有意な経時的変化は認めら れなかった。OSSI、OSPI、VAS スコアは治療前と比較して治療 6、12 ヵ月後 でそれぞれ有意に低下しており、NHIC 群でこれらスコアと尿中 IL-1Ra レベ ルの間にそれぞれ正の相関が認められた。 【結論】IL-1 の体内産生拮抗物質である IL-1Ra は主として膀胱上皮に発現し ており、頻尿や膀胱痛との関連が示唆された。また、膀胱水圧拡張術や電気焼 灼術はIL-1Ra 産生を増加させ、頻尿や膀胱痛を軽減させる可能性が示唆され た。

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2.間質性膀胱炎患者における血液中炎症性マーカーの有用性の検討

松尾朋博、中村裕一郎、安田拓司、大庭康司郎、宮田康好、酒井英樹 長崎大学病院 泌尿器科・腎移植外科 【背景】 間質性膀胱炎の診断において、膀胱鏡による肉眼的所見および膀胱生検による 病理組織学的所見は非常に重要な位置づけを占めるとされる。特に非ハンナ型 (N 型)およびハンナ型(H 型)の病変の鑑別は患者の予後にも影響する場合がある。 しかしながらこの2 つの異なる病変に関する、簡便で有用なバイオマーカーは 十分に検証されていない。 近年、慢性炎症や悪性腫瘍の領域では血液中の炎症性マーカーが疾患予後と関 連があるとの報告が散見される。そこで間質性膀胱炎の患者を対象に、N 型・ H 型の鑑別における各種炎症性マーカーの有用性を検討したので報告する。 【対象と方法】 2007 年 4 月から 2016 年 9 月までに当院で間質性膀胱炎と診断された患者を対 象とした。術中膀胱鏡による肉眼的所見にてN 型、H 型の 2 グループに分け、 術前に採取した血液中の炎症性マーカー(好中球/リンパ球比:NLR、単球/リン パ球比:MLR、血小板/リンパ球比:PLR、C 反応性蛋白:CRP)を 2 群間で比 較検討した。 【結果】 解析可能な患者は42 名(うち男性 13 名)で、平均年齢は 62.7±10.7 歳であっ た。 NLR (N 群 2.4±1.4、H 群 2.5±1.7、P=0.834)、MLR (N 群 0.22±0.13、H 群 0.19±0.07、P=0.834)、PLR (N 群 161.9±74.8、H 群 142.8±75.6、P=0.573) では2 群間で有意な違いはなかった。しかしながら CRP においては N 群 0.05 ±0.05 mg/dl、H 群 0.15±0.12 mg/dl と 2 群間で有意差を認めた(P=0.005)。 【結論】 術前の血中CRP は N 型、H 型の鑑別に有用な可能性があると考えられた。し かしながら、今回の我々の検討ではNLR、MLR、PLR に関しては間質性膀胱 炎患者における病変鑑別のマーカーにはなっていなかった。

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3.膀胱痛症候群をはじめるとする尿路系疾患を合併する線維筋痛症

患者検討

関口由紀1,2,3、中村綾子1,3、二宮典子2、矢尾正祐3 LUNA 骨盤底トータルサポートクリニック1、女性医療クリニックLUNA 心斎橋2、横浜市立大学泌尿器科学講座3 【はじめに】線維筋痛症は、全身の痛みに加えて、種々の自律神経失調症状が 出現することが知られている。この自律神経失調症状のうち、下部尿路不定愁 訴を合併する患者に関して検討した。 【方法】2016 年 1 月~3 月に LUNA 骨盤底トータルサポートクリニックを受 診した線維筋痛症患者を、カルテから後向きに抽出し、その患者の尿路不定愁 訴の有無を調べ、尿路不定愁訴のある患者の泌尿器科的病名を調べた。さらに 尿路不定愁訴有群と無群の治療効奏率を調べた。治療効奏率に関しては、カル テ上の記載を参考に主治医が、効果あり・効果なしを判定し、効果ありの割合 とした。 【結果】2016 年 1 月~3 月間に LUNA 骨盤底トータルサポートクリニックを 受診した、線維筋痛症患者は、82 例であった。このうち下部尿路不定愁訴を訴 える患者は、29 例(35%)であった。その内訳は、膀胱痛症候群/間質性膀胱 炎 16 例(65%)、非神経因性過活動膀胱 8 例(27%)、神経因性過活動膀胱 2 例(7%)であった。下部尿路不定愁訴のない線維筋痛症の痛みに対する治療 効奏率は、62%。下部尿路不定愁訴がある線維筋痛症の治療効奏率は、83%で あった。下部尿路不定愁訴がある線維筋痛症患者のほうが、痛みの治療に対す る薬物療法の効果があったが、痛みがよくなると下部尿路不定愁訴が悪化する シーソー現象を認めた。 【まとめ】下部尿路不定愁訴を合併する線維筋痛症患者は合併しない患者より、 比較的痛みのコントロールが良好であった。

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4.当院における間質性膀胱炎の治療の現況と問題点

酒本貞昭1、松原孝典、戸高雅広、村本将俊2 中村病院泌尿器科1、玄々堂泌尿器科2 【目的・方法】 間質性膀胱炎(IC)は診断基準はあるものの外来では確定診断に至らないこ とが多い。 また確定診断がついても確証のある治療法が現在なく治療に困窮する例も多 からずみられる。今回当院で確定診断をうけたIC の現況と問題点を検討した 【結果】 平成22年以後のIC 患者は平成22年度(22年4月1日から23年3月3 1日)は8名、23年度は31名、24年度26名、25年度19名、26年 度29名、27年度28名で、合計141名、年平均24名弱の確定IC 患者数 であった。男性41名、女性100名で男女比1:2.5であった。 当院の治療方針: IC 疑い患者に対してはガイドラインなどによる説明後、まずは治療を兼ねる 膀胱水圧拡張術を勧め短期入院してもらい、膀胱水圧拡張術を行いガイドライ ンの診断基準に従い診断を行った。膀胱水圧拡張術後1か月は経過観察とし無 症状であれば経過観察。一時的な鎮痛後IC 症状が出現すれば、漢方薬、抗うつ 剤、そば発酵エキス製剤を投与している。 問題点はIC が確定した後、経過観察中 CIS が発見された患者が3名あり、う ち1名は膀胱痛、萎縮膀胱症状などにより膀胱全摘除術回腸導管形成術を余儀 なくされた。 診断、治療、CIS 合併などについて検討を行う予定である。

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5.麻酔下水圧拡張術においてしばしば気になる事象についての検討

中島 のぶよ、鍬先 晋平、増田 克明、中島 啓二、安東 定、高山 一生、 尾本 徹男 邦生会 高山病院 泌尿器科 【緒言】当院では平成18 年 12 月より 10 年間にのべ 87 例の麻酔下膀胱水圧拡 張を行った。その中で漠然と気になった事象について検証を行った。 【背景】患者51 名のべ 87 回。年齢 23-85 歳、男女比 5:46、単回 38 例・複 数回13 例、拡張のみ 38 例・+ハンナ病変焼灼 49 例であった。 【手術成績】全体87 例では改善 65 例(74.7%)やや改善 7 例(8.0%)改善な し15 例(17.2%)であった。水圧拡張のみ 38 例では改善 21 例(55.3%)や や改善5 例(13.2%)改善なし 12 例(31.6%)と奏効率が減少した。 【検討】①単回症例は圧倒的にハンナ病変なしが多いという認識について確認 した。38 例のうちハンナ病変ありは 4 例(10.5%)であり、残りの 34 例 (89.5%)はハンナ病変がない症例であった。 ②注入量が多い症例は効果が悪いかという疑問については拡張のみの症例で検 討した。平均注入量は改善群で626.5ml、やや改善群で 700ml、改善なし群で 689.2ml であり、一定の傾向は見いだせなかった。 ③所見のグレードが低いと効果が低いかどうかについて拡張のみの症例で検討 した。Grade0 の症例においてはすべて改善なしであった。Grade1-3 に変化が 進むにつれ、症状改善率が上昇した。 ④麻酔効果と手術成績について検討した。麻酔が効きにくかった症例は8 例で あり、このうち拡張のみの3 例では改善例はなかった。しかしハンナ病変の焼 灼を行った5 例では麻酔が効きにくかったにもかかわらず改善が 4 例あった。 ⑤反復症例は膀胱が小さくなっていくという認識については、5 回以上反復の 症例において注入量が少なくなってくる現象がみられた。 【結語】麻酔下膀胱水圧拡張をおこなう中で気になった事象について、当然予 測できる傾向ばかりであったが、改めて検証することで再確認できた。

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6.麻酔下膀胱水圧拡張術を施行した間質性膀胱炎の検討

山本恭代、津田恵、安宅祐一朗、宇都宮聖也、大豆本圭、楠原義人、森英恭、 新谷晃理、布川朋也、山口邦久、福森知治、高橋正幸、金山博臣 徳島大学 医学部 泌尿器科 【目的】当院で膀胱水圧拡張術を施行した間質性膀胱炎症例の臨床的特徴につ いてハンナ型と非ハンナ型とで検討した。 【方法】2004 年 12 月より 2016 年 8 月までに当院で麻酔下膀胱水圧拡張術を 施行した41 名(男性 7 名、女性 34 名)、合計 60 例(2 回以上施行が 10 名、

1 回が 30 名)を対象とした。術前後の排尿日誌、O'Leary & Sant の症状スコ ア、問題スコアを用いて、評価した。 【結果】ハンナ型が24 例、非ハンナ型が 33 例、不明が 4 例であった。ハンナ 型と非ハンナ型では、有意にハンナ型が高齢(54-82 歳中央値 72 歳 v.s. 17-81 歳、中央値61 歳、p<0.05)であり、ハンナ型に女性が多かった(女性 23 例 (96%)vs 25 例(76%)、p<0.05)。主訴は頻尿、蓄尿時の膀胱部痛、外陰部痛 の順に多く、両群で差はなかった。治療前の症状スコア、問題スコア、1 日排 尿回数、平均1 回排尿量、最大 1 回排尿量や水圧拡張時の膀胱容量、有害事象 についても両群で違いは見られなかった。再発に関しても違いはなかった。ハ ンナ型、非ハンナ型ともに水圧拡張術前後で1 日排尿回数、平均 1 回排尿量、 症状スコア、問題スコアが有意に改善していた(p<0.01)。水圧拡張術後の治療 法は、トシル酸スプラタスト内服、三環系抗うつ薬、プレガバリンなどの内服、 膀胱内注入療法(ヘパリン・リドカイン・重炭酸水素ナトリウム混合溶液が3 例、DMSO が 1 例)で、両群に違いはなかった。ハンナ型の 20 例、非ハンナ 型の22 例が症状の再発を生じ、差はみられなかった。 【結論】当院で水圧拡張術を施行した間質性膀胱炎の検討では、ハンナ型の症 例の方が高齢で、女性の割合が多く、治療前後で両群ともに症状の改善がみら れた。水圧拡張術は有効であるが、単独では治療の限界があり、病態の解明、 補助療法についての検討が必要であると思われた。

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7.膀胱水圧拡張術時におけるハンナ病変の膀胱内圧別形態学的変化

梶原 充、西田健介、武本健士郎、中原 満 県立広島病院 泌尿器科 【背景•目的】ハンナ型間質性膀胱炎(HIC)の治療には、ハンナ病変の電気焼灼 (TUC) が広く用いられているが、水圧拡張におけるハンナ病変部の変化につい ての報告は少ない。今回、TUC に対する膀胱水圧拡張術の安全性を検討する目 的で、膀胱水圧時におけるハンナ病変の膀胱内圧別形態学的変化を調査した。 【方法】対象は、2015 年 4 月以降、腰椎または全身麻酔下に膀胱水圧拡張術お

よびTUC を施行した HIC 例。膀胱水圧拡張前に TUC/生検施行例、非ハンナ

型(NHIC)例、外来手術例は対象から除外した。麻酔下で膀胱内観察後、40 cmH2O での水圧拡張後、60 (一部 80) cmH2O で水圧拡張を行い、ハンナ病変 の膀胱内圧別の形態学的変化をレトロスペクティブに観察した。

【結果】研究期間中に11 例の HIC に対して TUF が施行された(女性 9 例、男

性2 例)。40 cmH2O での水圧拡張で、全てのハンナ病変から拡張後粘膜出

(MBAD; Mucosal Bleeding After Distension)を認めた。また、60 (一部 80) cmH2O へと膀胱内圧が上げるにつれ、ハンナ病変部の粘膜は完全にはがれ、 その範囲、深度は拡大し、一部は破裂を来した。また、40、60 (一部 80) cmH2O 時の麻酔下最大膀胱容量(平均値)は高圧になるにつれ増加していったが、 統計学的有意差を認めなかった。 【結論】HIC 例のハンナ病変部は水圧拡張の圧が上昇するにつれ、広く、深く 拡張し、なかには破裂する症例も認めた。拡張圧と治療効果との関連性につい ては不明であるが、TUC を追加することを考慮すれば、HIC 例に対する水圧 拡張は不要、または40 cmH2O 程度の低圧での施行が安全性からは有用と考え られる。

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8.ハンナ型間質性膀胱炎症例におけるアミトリプチリン投与後のトラマ

ドール製剤の臨床効果に関する検討

大岡 均至 独立行政法人 国立病院機構 神戸医療センター泌尿器科 【目的】アミトリプチリン(TCA)内服後のハンナ型間質性膀胱炎(H)症例 に対するトラマドール製剤への切り替え後の臨床的有用性につき検討する。 【方法】当科でフォロー中のH 20 症例。年齢は 58.6±2.7(平均値±標準誤 差)、罹病期間4.6±0.4 年、切り替え前の TCA 内服量 68.8±7.0mg。2 群に ランダムに割り付けられ、10 例(A 群)はトラマドール塩酸塩を 1 ヶ月かけて 漸増し150mg(25-50-25-50)4 週間投与後に評価、他の 10 例(B 群)はトラ ムセット(1 錠中トラマドール塩酸塩 37.5mg、アセトアミノフェン 325mg) を2 錠から 1 ヶ月かけて漸増し 4 錠・4 週間投与後に評価した。評価項目は、

O’Leary & Sant の症状スコア・問題スコア(以下 OSSI, OSPI)、尿意切迫

感(以下U: VAS scale 0;なし、9;とても)、膀胱痛・骨盤痛(以下 P: VAS

scale 0;なし、9;とても)、 subjective QOL index(0;大変満足、6;大 変不満)の変化を検討した。

【結果】2 群間の年齢、罹病期間、TCA 投与量・投与期間、ICSI, ICPI, U, P, QOL index のトラマドール製剤投与前値に有意差は認めなかった。A 群ではす べての評価項目に関して有意な改善が認められた(P:6.1⇒4.1, p<0.0001)。B

群においてもICSI 以外は有意な改善が認められたが、A 群と B 群の改善率に

関しては評価項目すべてにおいて有意差は認められなかった。

【結論】placebo 対照研究ではないが、H 症例に対してアセトアミノフェンは 有効性が低く、トラマドール塩酸塩の有用性が示唆された。

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パネルディスカッション

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総論 「膀胱水圧拡張術の現状と問題点」

南里泌尿器科医院 南里正晴 南里正之 南里和成 平成22 年の診療報酬改定で間質性膀胱炎に対する膀胱水圧拡張術が保険収載さ れた。しかし、その実施には以下に示すような施設基準を満たす必要がある。 (1)泌尿器科の経験を 5 年以上有しており、膀胱水圧拡張術を、当該手術に習 熟した医師の指導の下に、術者として、5 例以上実施した経験を有する医師が 配置されていること。 (2)当該保険医療機関が泌尿器科を標榜しており、当該診療科において常勤の 医師が配置されていること。 (3)麻酔科標榜医が配置されていること。 (4)緊急手術が可能な体制を有していること。 「麻酔科標榜医は非常勤医師でも可」という追加通知がでたものの、この条件 は診療所や中小病院にとっては厳しく、間質性膀胱炎を疑っても膀胱水圧拡張 術を行うことを躊躇させる一因となっている可能性がある。さらに保険点数は その後の改定で引き下げられ、平成28年現在では6,410 点となっている。こ れは施設基準がない経尿道的電気凝固術の9,060 点よりも低い点数である。 また膀胱水圧拡張術には確立した手順や手技がない。そのため、それぞれの 施設がその経験に応じた方法で行っているのが現状である。国内外のガイドラ インを調べても、①80cm 水圧で拡張すること、②ハンナ病変は凝固(もしく は切除)することは推奨されているが、その詳細や手順については言及されて いない。 今回のパネルディスカッションでは、膀胱水圧拡張術の経験が豊富な3 施設 の演者より、各施設で実施している膀胱水圧拡張術を動画で提示してもらい、 1)麻酔の方法、2)手技・手順、3)合併症とその対策についての解説を依 頼している。膀胱水圧拡張術の標準化まで言及することはできないが、安全で 効果的な手技を共有することを目的とした。

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膀胱水圧拡張術の手技と落とし穴(1)

膀胱水圧拡張術およびハンナ病変切除・焼灼

-191 例の後ろ向き解析から得られた知見を踏まえて

東京大学医学部泌尿器科学教室 新美文彩 間質性膀胱炎(以下IC)は、いまだ原因不明とされ、根治療法がないのが現状 である。症状の緩和を目的とした治療の中で一定の効果があり、唯一間質性膀 胱炎の病名で保険適応があるのが膀胱水圧拡張術である。 膀胱水圧拡張術はIC の診断と治療の両者を兼ねている。当科では IC を疑う症 例全例に対して、まずは診断を目的として麻酔下での膀胱鏡によるハンナ病変 の確認および80cm H2O での水圧拡張による膀胱容量の確認、および膀胱水圧 拡張術後の点状出血や五月雨状出血の有無などの評価を行っている。これによ りハンナ型、非ハンナ型、および過知覚膀胱の3 病型へと分類する。膀胱粘膜 生検については、上皮内癌の除外および炎症所見や上皮の剥離の組織学的評価 を目的に行っている。生検を行うタイミングは一般的に膀胱破裂の危険性があ るため「水圧拡張の後」に行うことが多いとされているが、当科では組織学的 評価を厳密に行うため、「水圧拡張の前」に行っているが、現在までに明らか な合併症は出現していない。 治療としては、ハンナ病変があれば切除焼灼術を行っているが、非ハンナ型で は膀胱水圧拡張術のみ施行する。これにより平均17 か月の一時的な症状緩寛を 得ることができる。 膀胱水圧拡張術およびハンナ病変切除(ないしは焼灼)について既存の文献で は数々の方法が提唱されてきている。疾患の特異性からエビデンスレベルの高 いRCT が行われておらず、施設毎に水圧の条件や手技にばらつきがあるのが実 際である。 今回は当科で行った膀胱水圧拡張術 191 例の後ろ向き解析の結果を踏まえつつ、 実際の手術動画を供覧しながら手術手技および今後の展望について考察する。

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膀胱水圧拡張術の手技と落とし穴(2)

原三信病院 泌尿器科 相島 真奈美、武井 実根雄、一倉 祥子、原 律子、山口 秋人、 内藤 誠二 【目的】間質性膀胱炎の診断と治療を兼ねた処置である膀胱水圧拡張術の手技とその落と し穴、対策について検討した。 【対象と方法】当院では1980 年代から膀胱水圧拡張術を施行しているが、今回 2008 年 1 月から2016 年 9 月に当院で膀胱水圧拡張術を受けたのべ 773 例における術式と工夫、合 併症、結果を検討した。 【結果】患者の平均年齢は60.1 歳、初回拡張は 609 例、2 回目 106 例、3 回目 38 例、4 回 目18 例、5 回目 5 例であり、通常脊椎麻酔と鎮静下に施行している。非ハンナ型の場合ま ず膀胱鏡で観察しながら注水を行い、女性では尿道脇から生理食塩水が漏れるまで、男性 では生食が滴下しなくなるまで拡張し、その量での内圧を延長チューブにて測定後、除水 しながら出血の程度を確認し、注入量も計測する。その後、シリコン製透明の留置カテー テルに変更し、先に測定した量と圧を参考に50ml ずつ注入、その都度圧の測定を繰り返 し、量か圧が目標に達した時点でカテーテルを抜去し再度膀胱鏡で除水しながら観察する 方法で行っている。通常注入量は600‐800ml 程度、圧は 80‐100 ㎝ H2O を上限として いるが 状況によってはその限りではない。ハンナ型の場合にはまずハンナ病変部を過不足 なく焼灼してから上記方法をとる。焼灼してから拡張するとその部位で穿孔が起こるリス クを軽減できる。生検は初回症例では必ず施行し、2 回目以降の症例は前回との期間やそ の間の尿細胞診の変化などにより判断している。非ハンナ型では拡張後に、ハンナ型では 凝固前に施行している。約1%の症例で CIS が検出される。合併症は主に膀胱穿孔で、 773 回の拡張のうち 9 例(1.16%)で起こっており、初回例が 8 例、4 回目の症例が 1 例で あった。最初の膀胱鏡での観察中に起こった症例が1 例、その他はカテーテルでの拡張中 であり、全例カテーテルの留置期間延長にて問題なく退院している。カテーテルで注入す る方法であるので圧が下がる手ごたえや圧測定での急激な下降があることで穿孔を早めに 発見し、それ以上の注入は行わずすぐに膀胱鏡にて確認し必要時は凝固する。穿孔が起こ った症例でも術後の症状改善や経過にはほとんど差がなく、項目によってはより改善した 症例もみられた。退院後に再入院を要した症例は、脊椎麻酔後頭痛2 例(脊椎麻酔針を 27G に変更後はなし)、術後出血 2 例、尿閉 1 例、急性前立腺炎 1 例、疼痛 1 例、退院後 腹痛にて穿孔が判明した1 例であった。術後出血のうち 1 例で再凝固を要したが、その他 の症例は保存的加療にて軽快した。 【結論】膀胱水圧拡張術のほとんどの症例は安全に施行できたが、一部起こりうる合併症 について、内容とその対策を知った上で施行する必要がある。

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膀胱水圧拡張術の手技と落とし穴(3)

日本赤十字社和歌山医療センター 泌尿器科 玉置雅弘 膀胱水圧拡張術は、間質性膀胱炎の診断および治療的意義のある手技であり 重要な位置を占める。当科では、膀胱の不快感や違和感などが主体で疼痛が比 較的軽度な場合は、外来にて膀胱鏡検査の延長として簡易的水圧拡張術を施行 している。一方、膀胱痛が強い場合や、Hunner 病変がある症例は、入院の上 麻酔下に膀胱水圧拡張術を実施している。間質性膀胱炎の診断は疑うことが重 要であることは勿論であるが、時に膀胱癌(特に CIS)が潜在する症例もあり、 尿細胞診は事前に必ず行うべきである。 当科の膀胱水圧拡張術の手技は、以前J Urol, 172: 945-948, 2004 にて報告し た方法と大きく変化はないが、Hunner 病変がある場合には同時にレーザー焼 灼を追加している。すなわち、60−80cm 水柱に開始するが、Filling Phase で は、あまり溜めすぎない段階で一時注水を中断し膀胱粘膜全体を、特に膀胱癌 やHunner 病変の有無を注意深く観察する。灌流液の滴下が鈍ったら5−10 分 程度そのまま観察を続けた段階で、注水を中止し膀胱鏡のChannel を開き EmptyingPhase に移行する。観察すべきターゲットを充満から Emptying Phase まで定点観測し写真やビデオに連続記録する。手技上の注意点としては、 女性では特に麻酔下では尿道周囲からの灌流液のリークが多く、注水途中で膀 胱壁から出血し以後の観察に支障を来すため膣前壁を用手的あるいはタンポン ガーゼで圧迫しておく。また、注水段階で生検を行う場合は、Filling Phase の 比較的早い段階で行い、後の穿孔を予防するため浅い生検に止める。さらに、 Hunner 病変に対するレーザー焼灼を行う場合は、一度水を抜くと出血のため 焼灼ターゲットが不明瞭化するため、可能な限り初回のFillig Phase で注水を ゆっくり行いながら実施する。 麻酔に関しては、腰椎麻酔の場合、開始前に最低Th10 レベルまで効いている ことを確認すべきであり、全身麻酔でも拡張と同時に疼痛のため頻拍や血圧上 昇を来す症例もあり、麻酔医と十分連携をとることが重要である。

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日本間質性膀胱炎研究会 会則

第1条(名称)

1. 本研究会は、日本間質性膀胱炎研究会(以下「本会」という)と称する。

2. 本会の英文名称は、Society of Interstitial Cystitis of Japan と称し、略称を SICJ と称す る。 第2条(目的) 1. 本会は、間質性膀胱炎に関する研究を幅広く行い、もって間質性膀胱炎のよりよい 治療法を探り、患者の QOL の向上を図ることを目的とする。 第3条(事業) 1. 本会は、第 2 条に掲げる目的を達成するため、以下の事業を実行する。 (1)学術集会、研究会等の開催 (2)学会誌、その他出版物の刊行 (3)研究及び調査 (4)内外の関連学術団体等との連絡及び協力 (5)その他本会の目的を達成するために必要な事業 2. 本会は、会員に対して1年に1回以上の事業報告を行う。 第4条(会員) 1. 会員は、本会の目的および趣旨に賛同する個人・団体とする。 2. 会員には個人参加の正会員と団体参加の賛助会員を設ける。 3. 本会への入会は、幹事会の承認を得る事とする。 第5条(会費) 1. 会員は会費を納めるものとする。 2. 会費の運用細則は、別に定める。 第6条(役員) 1. 本会には次の役員をおく。 代表幹事 1名 幹事 若干名 会計監事 1名 顧問 若干名 2. 評議員 会員数の 5%程度役員に係る運営細則は、別に定める。 第7条(幹事会) 1. 本会の議決機関として幹事会を設ける。 2. 幹事会の運営細則は、別に定める。 第8条(会計) 1. 本会の会計年度は、毎年1月1日に始まり 12 月 31 日に終わる。 2. 本会の運営費は、会費、寄付金、利子その他をもって当てる。 3. 会計監事は、年1回会計監査を行い幹事会に報告し承認を得る。 4. 本会の予算および決算は、幹事会の議決を要する。 5. 本会は、会員に対して1年に1回以上の会計報告を行う。 6. 本会の会計報告については総会で決議を経る。 第9条(入会・退会等) 1. 入会を希望する者は、所定の手続きに従い事務局に届け出るものとする。

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25 2. 退会する会員は、所定の手続きに従い事務局に届け出るものとする。 3. 連続して2年間会費を納付しない会員は、幹事会の決議により退会したと認定する ことができる。 4. 以下の各号に該当する会員は、幹事会の決議を経て除名することができる。 (1) 本会の名誉を傷つける行為をした会員 (2) 本会の目的に沿わない行為をした会員 (3) 本会の活動を誹謗中傷した会員 (4) その他社会的に許容されない行為等をした会員 第10条(会則改定・施行) 1. 本会則を改定するには、幹事会の決議を必要とする。 2. 本会則に定めのない事項は、幹事会において協議され決議する。 第11条(事務局) 1.本会の事務局・連絡先は以下の施設に置く。 2.事務局には事務局員を若干名置くことができる。 〒113-8655 東京都文京区本郷 7-3-1 東京大学附属病院泌尿器科内 TEL: 03-5800-8753 FAX: 03-5800-8917 e-mail: sicj-office@umin.ac.jp URL: http://sicj.umin.jp/ 2001 年 4 月 17 日:発効 2002 年 5 月 17 日:改定 2014 年 1 月 19 日:改定

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日本間質性膀胱炎研究会 運営細則

第1条(会費) 1. 正会員の年会費は 2,000 円とする。 2. 賛助会員の年会費は 50,000 円とする。 第2条(役員) 1. 代表幹事は幹事の互選で選ばれ、本会を代表する。 2. 幹事は本会の運営に関する事項を協議し決定する。 3. 会計監事は幹事以外の正会員とし、本会の会計を監査する。 4. 顧問は本会運営に関して助言を行う。 5. 評議員は本会運営を助成する。 6. 役員は幹事会の推薦によって定められる。 7. 任期は 2 年とし、再任を妨げない。 第3条(幹事会) 1. 幹事会は代表幹事の召集により開催される。 2. 幹事会は幹事と会計監事で構成される。 3. 幹事会は幹事の過半数(委任状を含む)の出席で成立する。 4. 幹事会の意思決定は出席者の過半数の賛成で成立する。 5. 幹事会に評議員の出席を求めることができる。 6. 評議員は幹事会で意見を述べることはできるが議決権は有しない。 第4条(会員) 1.会則に定める賛助会員は、学会刊行物の配布、および若干名分の学術総会参加証の 供与を受けることとする。 第9条(入会・退会等) 1. 入会希望者は幹事会(通信審議も可)の承認をもって入会を認める。 2. 会員は原則として医療関係者に限る。 3. 退会届の提出または幹事会の退会決議をもって退会認定とする。 4. 退会にあたっては、退会認定までの会費(最大 2 年分)を支払う。 補則 1. 製薬会社の社員が正会員を希望する場合についての申し合わせ(2002/7/9) 希望者が本会の目的と趣旨に賛同しており、その所属する会社が賛助会員になっ ていれば、幹事会の承認を経て正会員となることができる。 2. 研究集会の参加は本会会員に限定する。 3. 診療に応じる医師リストに掲載する医師は会員に限る。

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役員名簿 (2016 年 1 月より)

顧問 山田哲夫、吉村直樹 代表幹事 本間之夫(事務局担当) 幹事 上田朋宏(国際会議担当) 幹事 武井実根雄 幹事 巴ひかる 会計監事 伊藤貴章 評議員 南里正晴 梶原 充 関口由紀 玉置雅弘 野宮 明 井川靖彦 古田 昭 2001 年 4 月 17 日:発効 2002 年 5 月 17 日:改定 2014 年 1 月 19 日:改定 2016 年 3 月 11 日:改定

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間質性膀胱炎研究会誌 投稿規程

1. 日本間質性膀胱炎研究会(以下本会)の事業として、間質性膀胱炎研究会誌 (Journal of Interstitial Cystitis)(以下本誌)を発行する。

2. 投稿先は日本間質性膀胱炎研究会とし、連絡先は事務局とする。 3. 当面は、編集委員会は設けず、幹事会がこれを代行する。 4. 本誌には間質性膀胱炎に関連した論文・記事を掲載する。論文は、総説(幹事会 からの依頼による)、原著論文、症例報告、特別投稿(上記以外の内容)とする。 5. 論文の筆頭著者は本会会員であることを要する。 6. 投稿の際には、1)連絡先、2)原稿は発表済でもなく他の雑誌に投稿中でもない、 3)採用の際は日本間質性膀胱炎研究会へ著作権を委譲する、4)論文の内容の雑 誌およびホームページの掲載を了承する、の 4 点を明記した手紙をつける。 7. 投稿原稿は 2 名以上の査読者の審査に基づいて幹事会で採否を決定する。なお、 審査の結果、原稿の修正を求めることがある。 8. 原稿は、原則は日本文とするが、英文でも受け付ける。ただし、英文の校正につ いては著者の責任で行うものとする。 9. 原稿の構成は、原著論文は、表題、所属、著者名、要約(400 字以内、5 個以内の キーワード)、緒言、方法、結果、考察、文献、図表、図の説明の順とする。症 例報告は、表題、所属、著者名、要約(200 字以内、5 個以内のキーワード)、緒 言、症例、考察、文献、図表、図の説明の順とする。それ以外は、特に定めない。 10. 表題、所属、著者名、要約については英文もつける。英文の原稿の場合は、要約 の和文もつける。 11. 原稿の長さは、和文原稿は全てを含めて 400 字原稿用紙で 50 枚以内とする。図表 は 1 つが 400 字に相当する。英文原稿は全てを含めて 5000 語以内とする。図表は 1 つが 200 語に相当する。 12. 文献は、本文中の引用順に[1]のように示し、他の点は例に従う。 (雑誌和文) 東京太郎, 大阪花子 間質性膀胱炎に対するヘパリン膀胱内注入 日 本泌尿器科学会雑誌 2004; 12: 23-25.

(雑誌英文)Tokyo T, Osaka H. Intravesical instillation of Heparin for interstitial cystitis. Asian Urol 2004; 12: 23-25.

(書籍和文) 東京太郎, 大阪花子 間質性膀胱炎に対するヘパリン膀胱内注入京 都次郎編集 間質性膀胱炎の治療 日本医学出版 東京 2003: 213-225.

(書籍英文) Tokyo T, Osaka H. Intravesical instillation of Heparin for interstitial cystitis. In Kyoto J, editor. Therapy of interstitial

cystitis. Tokyo: Nihonigakushuppan. 2004: pp. 213-225.

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29 14. 投稿費用は不要であるが、別刷りを希望する場合は、その経費は著者の負担とな る(別途見積もる)。 投稿先 〒113-8655 東京都文京区本郷 7-3-1 東京大学医学部泌尿器科内 TEL: 03-5800-8753 FAX:03-5800-8917 e-mail:sicj-office@umin.ac.jp URI:http://sicj.umin.jp/

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間質性膀胱炎研究会誌

第 13 巻 第 1 号

2017 年 1 月 5 日発行 編集・発行:日本間質性膀胱炎研究会 〒113-8655 東京都文京区本郷 7-3-1 東京大学医学部泌尿器科内 電話:03-5800-8753 Fax:03-5800-8917 URL:http://sicj.umin.jp/

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