Japanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service
Japanese Physioal Therapy Assooiation理 学 療 法 学 第
39
巻第8
号488
〜
490
頁 (2012
年 )総 括 シ
ン ポ
ジ
ウ
ム
プ
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新
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る
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ジ
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良
勲
1
)八
木 範 彦
2
) は じ め に2012
年5
月25
〜
27
日の問,
第47
回 日本 理 学 療 法 学 術 大 会 が 神 戸 市で開催 され た。
そのテー
マ は,
「プロ フェ ッ ショ ン1
新た な るステー
ジへ 」で あっ た。
そ し て,
テー
マ に 関 連 し た シ ンポ ジ ウム1
,
ll
.
皿 お よ び そ れ ら を受け て 総 括 シンポ ジ ウム が 企 画 さ れ た。
本 論は そ れ ら を 総括的 に ま と め た もの で ある。
Professions
(専門 職 ) は,
中世ヨー
ロ ッパ における医 者,
弁 護lr
,
聖 職 者の3
分 野ではじ まっ たとされている。
その意 味の 由 来は,
“
それぞれの専 門 職に5一
え られた権 限 を 民 衆の利 益 を優 先 的に行使 することをprofess
する (誓 うこと)”
こと にあっ た。
その後,
professions
と呼ば れ る専門職は社 会の進 展に伴っ て増 え,
その中のひとつ とし て 理学 療法 士 も含 まれ る ようなった。
H
本 で は1965
年に 「理 学療 法士 及 び作業療法 士 法 」 〔法 律137
号) が 制定さ れ,
1966
年に 最 初の国 家 試 験 が 実 施 さ れ て 養 成 校 卒 業者と特 別 経 過 措 置に よ る理 学 療 法士,
183
人 が 誕 生 した。 同 年7
月17
日に は,
llO
人の有 志によっ て日 本 理 学 療 法 士 協 会 (以.
ド,
本 会 ) が 設立さ れた。 そ れ 以 来,
50
年 近 く の年 月が経 過 し.
2011
年10
月 現 在.
理 学 療 法 士 免 許 取 得 者 は 延べ 約97
.
000
人 (退 職者,
故 人 を含む ).
本会の会員数 は約76
,
人 で あ る。
Professions
の条 件
Professions
として の最 低 条件は,
¢.
高 度 な 教 育 水 準.
.
法 的・
社 会 的承 認,
利 他 主 義 的 態 度 〔専 門 職 倫 理 ),
愈 公 共へ のサー
ビスである。
こ の4
項 目 をピ ラ ミッ ドの4
面の錐 体に例 えると.
ゆ るぎな きprofessionalism
は.
雄 大 なピ ラ ミッ ド を 創る ご ときでも ある (図1
)。
1989
年 (平 成元年) 以来,
本 会 はマ ス ター
プ ランを掲 げてその実 現に向けて活 動 してき た。
つ ま り,
ピ ラミッ ドの ご と く,
バ ラン ス の とれ た専門職の構 築 を 目指し てきたのである.
につ い て は
,
理学療法
士養 成が専
門学
校と し て は じ ま り,
現在は総 数の約33
% は大学
教育
とな り.
かつ博
十 課程 を含
む大 学 院教育
も実現 し てい る。
しか し,
今
後は最低
でも4
年
間 教育
,
さ ら に6
年間教 育 を 視野 に 入 れ て おくことが望 まれ る。
また,
科 学 とし ての理学 療 法学 あるい はエ ビ デン ス に基づい た 理学 療 *
Professiena
且Revotution
for
the Future Physica且Therapy l} 金城 大 学 学 長〔〒
924
−
8511
石 川 県 白 山:ti
笠 間 町1200
) Isao Nara,
PT,
PhD :Kinjo University2 ) 甲南 女 子 大 学 教 授
Norihiko Yagi
,
PT.
MS:
Konan Women,
s Unlversityキ
ー
ワー
ド:
理 学 療 法lt
,
プロ フェ
ッション,
理 学 療 法の定 義 図1
プロ フェ
ッ ショ ンの構 築は4
原 則 が ピラ ミッ ドの4
面の錐 体 を満たすこ と に例 え ら れる 法の探 究 も教 育 水準 と並 行して 展 開する こ と が求め ら れ る。
につ い て は
.
法 的 に承認 さ れ た専門 職 で は あ る が,
その核 と な る 理学 療 法 定 義の再 考と選択 権の拡充につ い ては,
名 称 独 占 か ら業 務 独 占 を含 む抜 本 的 な法 改 正 が 必 要 と な る。
国 民の理 学 療 法に関 す る認 知 度 は 高 ま りつ つ あるもの の,
未 だ 「訓 練 」,
「リハ ビリ」 など として呼ばれてい ることは,
「理 学 療 法 」 が 名 実ともに十 分に認 知さ れて いる と はい え ない。
につ い て は
,
本会の倫理 規程に準じ た行 為が 順守さ れる こ と が最 小限の 目標と な る。
し か し,
選 択 権の行 使が国 民の利 益 を優 先せず,
そ れに抵 触 する理学 療 法士も散 見 されると聞 くこ と か ら,
今 後 生命 倫 理はもと より,
根 源 的 な 哲 学・
倫 理 学 的 感性の啓 発 が 求め られる。
につ いて は.
理 学 療 法サー
ビスが地域や社 会 的 立 場に 関係 な く国民に満 遍 な く提 供さ れ ることで満た さ れ る。
その 条 件の ひとっ は,
少 子 社 会 が 進 む 中で社 会の要 請に応 え得る理 学 療 法 士 養 成の質 量の確 保であ る が,
多 様 化 する保健・
医療・
福 祉 領 域の状 況.
卜.
に おいて,
理 学 療 法 士 とし てのア イ デンティティと 役 割お よび 科 学 とアー
トとしての技 能の拡 充 を図 り な が ら 地域 包 括ケ アシ ステム の中 でも活 動 すること が求め ら れ る。
本学術大会で は
,
その テー
マ に沿っ たシ ンポ ジ ウム1
(国民 か ら期待
さ れ る 理学療 法
士 ).
H
(ヘ ル スプロ フェ
ッ ショ ンと し て の 理学療 法
士 の 可能性 ),
皿 (理学療
法十 教育
の あ るべき 未 来 像 )と そ れ ら を 総括 する シンポ ジ ウム が 企 画 さ れ た。
本 会は第
1
回 か ら第35
同 まで の 間,
「日 本 理学療
法士学 会 」 と 称 し て.
学 術 的 集 会 を開催 して き た。
しか し,
学会の名 称は 学 術 集 団の名 称 で あ る こ と や 理 学 療 法 士 だ け に 限 定 さ れ た 集 会 で あっ た こ と か ら,
第36
回 以 降 は 「日 本 理 学 療 法 学 術 大 会 」 (広 島 ) と し て.
理 学 療 法 士 以 外の専 門 職 に も オー
ブンに し て き た.
ち なみ に,
第19
回日本理学 療 法士学 会 (1984
年,
金沢・
学 会 長;奈 良 勲 )の テー
マ は,
「理 学 療 法tt
学”
の確 立」であ り.
N工 工一
Eleotronio LibraryJapanese Physical Therapy Association
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Japanese Physioal Therapy Assooiationプロ フェ ッ ショ ン
1
新た な るステー
ジへ489
表11965
年に制 定さ れ た法 律上の理 学療法の定 義 表3
地 域 包括ケア シ ス テ ム構 築のた めの提 言理 学療 法
の
定 義
理 学 療 法 士 及 び 作 業 療 法 士 法 律第 2条⇒ [理学 療 法 とは、
身 体 に 障害のある 者 に対し、
主 と して そ の基 本 動 作 能力 の 回復を 図 る た め、
治療 体 操、
そ の他の運動 を 行 わ せ、
及 び、
刺 激、
マ ッサー
ジ、
温熱その他の物理 的 手 段 を 加 え る こ と を い う 」 〈地 域 包 括 ケアを支 え るサー
ビス の在 り方〉・
地壊 包 括ヶアを実 現す る た めのケア マネ ジ ル ト・
適 切 な ケ ア の 明 確 化・
専 門家に よ るケア根 準 化に関 する合 意・
保 護 型 介 護 か ら 自 立 支 援 型 介 護・
予 防 型 介 護・
自 立支 援に向ナた目的 志 向 型ケ アプラ ン の 作 成・
専 鬥 職 に よ るケ アプ ラン の 評 価・
複 合型 事業の導入・
「専 門 職 に よる 自 助・
互 助 の 支 援 と普 及亅を 追 加表
4
理 学 療 法の定 義の私 案 表2
理 学 療 法の定 義の私案理 学
療
法
の定
義
の 再考
℃F
に準 じた私 案⇒ 「理 学 療 法 とは、
b
身 の 機 孅・
身 体 櫞 遣に甕 蜀のある 者 に対し、
そ れ ら の 回復 を図 るた め、
運動、
治療体 操、
捷 手 的治喪 お よ び 電 気、
温熱 な どの物 理 的 介入 を適 用 して、
活 融と生活観艙の自上 を図 ると と もに健 霞 菱増 違し、
社 会9
加 を支 援 する こと をいう」 〈自 助 〉 運 動 や 生 活 剛 る理 学 擦 法・
リハビリテー
シH ン的 視 点 か らの風 ±づくり 個々 に対 する適 切 な理鞍 法’
リ’ヒ1丿テー
ション 〈互 助 〉 自 治 会 等の活 動 での専 円 的耐 旨導と魯発 〈共 助〉 医擦 保険’
介護 保験におけ る 理学撮 法の 更なる充 実 訪 問’
通 所 丿Jt一
リテー
ション の充 実 〈公 助 〉 政 策 決 定・
政 策 実 行 閾 階への閲 与強 化 サ ブ テー
マ は 「理 学 療 法にお けるプロフェ ッ ション の条 件 」で あっ た。
このと き,
は じ め て サブテー
マ に沿って学 会 長 基 調 講 演が 企画さ れ,
そ れ 以来継承
さ れ てい る。
その後30
年 近 くを 経て,
再び 「プロ フェ ッ ショ ン」が テー
マと なっ た が,
今回 は 多 様 化 する社 会情 勢の中に おける 「新た な るス テー
ジへ 」の飛 躍となるべ く格 段と具体 的 な議 論が展 開さ れ た。
総 括
シンポジ ウ
ムでの発 言 内容
1
.
理学 療法の定 義一
ICF
に準 じた法 律 上の理 学療 法 定 義の再 考 奈 良 (金 城 大 学 学 長 ) は,
1965
年 に 制 定 さ れた時の理 学 療 法の定 義 (表1
)の実 態に そぐわない 内 容になっ て い る こ と を 指摘し,
ICF
に準じた 私案 (表2
) を提 言 してきた。
定 義の内 容 は 理 学療 法の核 とな るもの であ り,
理 学 療 法士の アイデ ン ティティ の基 軸 とな ることか ら,
その再 考 を促 が して い る。
近 年,
日本に お け る社 会保
障の基 盤づ く りと して地 域 包括ケ アが ますます 国 民に期待
さ れ て お り,
そ れぞれの専 門職の連携 が 格 段と 重要と なっ ている こ と か らも,
新た な る時 代に向 けて自 ら のプロ フェ ッ ショ ンとし てのあ り方の見 直し が求 め られる。
2
.
国 民へ のサー
ビス向 上 を 視 点に した 学 術・
教 育の展 開内山 (名 古屋 大学教 授)は
,
国 民へ のサー
ビス向 上 を学 術と 教 育 面か ら 洞察した。
医 療 に 対 す る 国 民の共通の期 待は,
健 康 寿 命の延伸に あ る。
理 学 療法士 と し てこ の期 待に応 えるため には,
障 害の予 防社 会 参 加 (復帰 ) の実現 に集 約さ れ る
。
そのためには,
学 校・
産 業・
地 域で の保 健活
動と ともに.
活 動/参 加 を促 す 治 療・
介 入を体系
化 すること が求
め ら れ る。
同 時 に,
社 会 貢献と職 業復 帰に対 する 理学療
法 評価
と介
人をよ り具 体 化 する こと が求め られ る と 述べ た。
臨 床 実 習は
,
学生 が社会
貢献
を実感
し専門職 とし ての倫 理 を涵 養 する絶 好の機 会であ る。
ま た.
学 習の初 期 に接す る指 導 者の非 公 式 な 潜 在 的カ リ キュ ラム (hidden
curriculum )の影 響
は計 り知
れない。
正 統 的 周 辺 参 加 (legitimate
peripheral
participation
)に基づ く発 達の最 近 接 領 域 (zone ofproximal
development
)での学 習を 推進す る 必 要 が あ る。
今こそ,
根 拠に基づ く教 育 (evidence
based
education )に よ る帰 結を重 視し た学 習 支 援 体制 を 強 化 すべ きである。 このこ と は