沖縄県宮古島における地下水管理と持続的な水利用
新 見 治
目 次
1 .
はじめに2 .
沖縄県における水問題と地下水資源3 .
沖縄県宮古島における地下水資源の利用と管理 4. おわりに1 • はじめに 用、節水型施設・機器の普及、雨水利用、海水 (1)研究の背景と研究目的 淡水化など、水供給拡大策や水需要抑制策など
「 2 1
世紀は水の世紀」というようなことばで の技術的・対症療法的な方策に限定されがちで 水問題の重要性、緊急性を表現するまでもなく、 ある。今日求められているのは、特定地域の水 水資源の獲得と保全に関わる問題は長い人類の についての水文学・地理学研究の成果に立脚し、歴史のなかで常に最重要課題の一つであり続け かつ地域社会が連綿として築いてきた伝統的水 た 。 利技術やこれを支える水の思想を踏まえたっ又、 . .. 持続可能な水利用(sustainableuse of w~ter) での科学的論議であり、将来の持続的な水利用 という現代的課題を達成するには、それぞれの を可能とする水文環境の保全と管理のあり方を 地域における水文環境と水利用の特性を解明し、 展望しうるような、基本的かつ具体的方針の提 水文環境を保全し適正に管理するための具体策
を講じる必要がある。しかし、都市化・工業化 社会を迎えた20世紀後半(特に最近30年間)の 日本においては、全国的規模で都市活動や工業 生産に大きな障害をもたらす渇水が頻発してい る。渇水被害の発生は、都市の成立基盤である
示である。
このような問題認識に立って、本稿では、地 下水資源の保全と管理に積極的に取り組んでき た先進的地域の一つである沖縄県宮古島を主た る研究対象地域とし、現地での資料収集、面接 聴取、観察等の調査を通して、水資源の特性を 水供給システムの脆弱さを露呈することになり、 把握し、水利用• 水管理の方法とこれを支える 水利用のあり方をめぐって様々な議論が展開さ 思想と文化を追究する。本研究は、理念として れている。渇水発生の要因として、異常少雨、
水需要の増大、不適切な水管理などが指摘され てはいるが、これらは一般論にとどまるきらい がある。節水型社会への移行は共通の課題と認 識されてはいるものの、水資源開発、下水再利
ではなく、水資源の有効利用とその管理を進め ている先進的地域の取り組みに学び、広く現代 日本の水利用と水管理のあり方について考察す るものである。とりわけ、次世代においても持 続可能な水利用の基本方針として、地下水と地
一︐9
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新 見 ︑ > ︑ . ム 口
流 域
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↑ 貯水池 河川
河川\、¥、
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第 1図 流域変更を伴う水資源システム(模式図)
第 1表水資源の特性一水源の種類と地理的位置一 地表水 (SW) 地下水 (GW)
流域内 (Ri) 多量、変動、 少量、安定、
利用容易 利用容易
流域外 (Ro) 多量、変動、 利少量、 安定、
利用困難 用困難
表水の統合 (integration
. o f
ground and surface waters) を踏まえた水資源の利用と保全のあり 方を探求する一歩としたい。(2)都市用水の安定供給と水源開発
現代都市において渇水発生の要因やメカニズ ムを解明し、持続的な水利用のあり方を考察す るには、まず都市が依存する水資源の持つ特性
を明確にしておく必要がある。都市の水道事業 が依存する水源は、その種類と地理的位置から 次の特色を持っている(第
1
図,第1
表)。水源の種類には、地表水 (SW) と地下水 (GW)がある。湿澗気候にある日本では、地 表水は量的には豊富であるものの、降水変動の 影響を大きく受けやすく洪水と渇水を繰り返す 安定性を欠く水資源である。一方、地下水は涵 養量を超えて過剰な開発を行えば枯渇するもの の、降水変動の影響を余り受けずに渇水時にも 利用可能な安定性のある水資源といえる。
都市と水源の地理的関係からみれば、都市が 立地する流域内の水資源 (Ri)と、都市が立地 する流域外の水資源 (Ro) に区分される。前 者については、既得の水利権を侵害しないよう 新規に水資源を開発すれば取水は可能である。
第
2
表 水道水源の組み合わぜからみた現代都市のタイプ①〜⑦とその特色① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ 水 利 用 体 系 の 規 模 流域内完結型の水利用 流域変更を伴う広域的な水利用
地表水 (SW)
゜ ゜ ゜ ゜
流域内 (Ri)
地下水 (GW)
゜゜ ゜゜
流域外 (Ro) ,地表水 (SW)
゜゜゜゜
渇 水 時 の 水 源 安 定 度 △
゜゜
▲ △゜
◎水利用・水管理のコスト ◎ ◎
゜
△ △ △ ▲注:流域外の水源のうち、地下水については省略した。
渇水時の水源安定度、水利用・水管理のコストの相対評価は以下のようにした。
渇水時の水源安定度・・・・・・[◎安定 〇やや安定 △やや不安定 ▲不安定]
水利用・水管理のコスト・・[◎小さい 〇やや小さい △やや大きい ▲大きい]
沖縄県宮古島における地下水管理と持続的な水利用
後者については、流域変更(分水)を前提とす る水資源開発計画を行うには他流域の自治体や 住民の同意が不可欠であるので、実現するには 長期間に及ぶ交渉を要し、多くの困難を伴なう。
都市が依存する水道水源の組み合わせに着目 してみれば、現代都市はおよそ
7
つのタイプ①〜⑦に区分される(第2表)。タイプ①〜③は 流域内完結型の水利用体系であり、タイプ④〜
⑦は流域変更を伴う広域的な水利用体系である。
また、渇水時における水源としての安定性と、
水利用・水管理に要する様々なコストを 、それ ぞれ
4
段階で相対評価した。本研究の調査対象地域は、自然環境と水利用 に関して次のような特色を有している。沖縄本 島南部には石灰岩が広く分布し、流域内の地下
水• 河川水と流域外の河川水に依存している
, (流域変更を伴う広域的な水利用体系、水源の
などの一部の市町村に水道が布設されていたが、
ほとんどの地域では生活用水を井戸、泉、天水 等 に 依 存 し て い た 。 地 下 水 を 利 用 す る 井 戸 は カー、ガー、ジャーなどと呼ばれ、様々な形態 を持っている(長嶺, 1992)。
戦後になって1958年9月には米国民政府に よって琉球水道公社が設立され、水源開発や水 道施設の整備が進められた結果、水道普及率は .1971年には85%に達した。 1972年の本土復帰後 は、沖縄県企業局が旧琉球水道公社から財産や 権利義務を引き継ぎ、水道用水供給事業と工業 用水道事業を行っている。その後水道事業は整 備され、 1998年度末の水道普及率は99.9%と なっている。
沖縄県における水利用の用途別構成をみれば、
生活用水(都市用水と同義) 57.8%、工業用水 12.1 %、農業用水30.3%である。全国平均はそ タイプ⑦)。沖縄県宮古島は石灰岩台地の地下 れぞれ19.0%、16.3%、64.7%であるので、沖 水にもっぱら依存しており(流域内完結型の水 縄県では都市用水の利用が多く灌漑用水の利用 利用体系、水源のタイプ②)、全国に先駆けて が少ないという特色がある。
灌漑用地下ダムが建設されたことで有名である。 第3表に示すとおり、 1972‑‑‑‑1999年度までの 有限の地下水資源を永続的に利用できるように、 28年間に水道事業において給水制限を行ったの その量的・質的保全と管理を行うための制度づ は14年を数える。那覇市をはじめ沖縄県の住宅
くりに取り組んできた先進地域でもある。
2 .
沖縄県における水問題と地下水資源 (1)沖縄本島の水問題に見られる南北性沖縄県は大小160余りの珊瑚礁の島々から構 成されているが、多くの島々では安定した水資 源を確保することは極めて困難であった。沖縄 本島においては、第二次世界大戦以前は那覇市
の多くはその屋根に貯水タンクを設置しており、
独特の都市景観を呈していた。渇水による給水 制限が恒常化したのは1970年代から1980年代初 頭の期間で、 1980年代後半以降渇水の発生は急 減している。渇水発生の減少は、降水量の多い 年が続いたという自然的要因によるのではない。
河川水に恵まれ人口の希薄な本島北部の各河川 に相次いで多目的ダムを建設し、開発した水資
第3表給水制限を実施した年度 (1972‑1999年度までの28年間)
1972 1979年度 1980 1989年度 199099年度 頻 度 7年/8年
5
年/10年 2年/10年 実施年度 72 73 74 75 76 77 78 年平均 80 81 82 88 89 年平均 91 93 年平均 時間断水 35 46 104 49 75 32 43 76 38 30 7 1,5 44 31 8 隔日断水 80,
‑ 137 7 29 ‑ 221 37 26 26 31 20 2 計 35 126 113 49 75 169 7 72 76 259 67 33 26 4.6 64 31 10資料: 「沖縄の振興開発」 (沖縄開発庁, 2000)から作成。
新 見
第
4
表沖縄本島における南北性 北 部 中 部 南 部 面積7 8 6 k m 2 2 7 8 k m 2 l 9 3 k m 2
人口1 1 . 9
万人5 4 ̲ ‑ 7
万人5 1 . 2
万人源を人口の集中する本島中部・南部の各自治体 の水道水源として供給するようになったこと、
換言すれば、流域変更を伴う広域的な水利用体 系が構築されたという社会経済的要因によるも のであった(第4表)。
9 本島北部を中心に建設された国直轄の多目的 ダムは、福地ダム、新川ダム、安波ダム、普久 川ダム、辺野喜ダム、漢那ダムの
6
ダムで、こ のほか沖縄県管理の倉敷ダム、県企業局管理の 山城ダム、金武ダムがある。現在、さらに国管 理の羽地ダム、大保ダム、億首ダムが建設中で ある。(2)沖縄県における水道事業の概要と那覇市水 資源有効利用推進要綱
『沖縄県の水道概要(平成
1 0
年度版)」 (沖 縄県福祉保健部薬務衛生課,2 0 0 0 )
によれば、県 合 計 の 年 間 給 水 量 は
1 8 , 4 4 8
万m 3
、 年 間 取 水 量は1 8 , 5 3 1
万 面 で あ る 。 水 源 別 構 成 は 、 自 己 水 源3 , 2 9 2
万m 3(18%)
、浄水の受水1 5 , 2 3 9
万m 3 (82%)
で あ る 。 自 己 水 源 の 内 訳 は 、 表 流 水1 , 2 4 1
万m 3 (7
% ) 、 浅 井 戸402
万m 3 (2
%)、深井戸
1 9 1
万m 3 (1
% ) 、 そ の 他1 , 4 5 7
万m 3(8%)
である。那覇市においては、年間 取水量は4 , 3 6 9
万面のすべてを沖縄県企業局からの浄水の受水に依存している。
一方、用途別の水利用状況については、県合 計 の 年 間 有 収 水 量 は
1 6 , 8 6 9
万 面 の 内 訳 は 、 生 活用1 1 , 8 9 3
万m 3 ( 7 1
%)、業務営業用3 , 8 9 7
万m 3 (23%)
、工場用6 4
万m 3( 0 . 4%)
、その他1 , 0 0 6
万m 3 (6
%)である。那覇市においては、年間有収水量
3 , 9 3 2
万面の内訳は、生活用2 , 9 0 6
万m 3 (74%)
、業務営業用9 5 5
万m 3(24%)
、 工場用2 1
万m 3 ( 0 . 5%)
、その他1 0 0
万m 3 ( 2 . 5
%)で、県全体と比べて大きな差違はない。
那覇市における水道事業の歴史と現状を、
治
「水道局事業概要(平成
1 0
年度)」 (那覇市水 道局,1 9 9 9 )
から概観する。那覇市の水道事業は、
1 9 3 3
年当時の宜野湾村(現宜野湾市)に位置する青堀川をはじめとす る、
1 0
の湧水等を水源として給水を開始した。その後も施設を拡張したが、第二次世界大戦に よって浄水施設から地下埋設物に至るすべてが 破壊された。戦後、アメリカ軍が改修し使用し ていた泊浄水場
( 1 1 ,OOOm
ツ日)が1 9 5 4
年に返 還され、本格的な水道事業を再開した。その後、隣接
2
市1
町との合併により水道の需要も増大 し、琉球水道公社(米国民政府管轄)からの購 入浄水で給水を補っていたが、渇水期の需要量 を満たすことはできず泊浄水場の能力を2 2 , 0 0 0 m
ツ日に拡張した。那覇市の水需要はさらに増 大を続け、先に述べたように毎年のように給水 制限が実施された。1 9 8 8
年には原水不足と水質 汚濁により泊浄水場を廃止し、沖縄県企業局か らの全面受水で給水を行うようになった。近年 の水需要は日平均給水量1 1 5 ,0 0 0 ‑ ‑ ‑ 1 2 0 , OOOm
ツ日で推移しているが、水資源の有効利用は特に 重要な課題となっている。
那覇市水資源有効利用推進要綱の推進主体は 那覇市市民環境部環境保全課環境保全係であり、
要綱の施行は
1 9 9 9
年2
月10
日であった。この要 綱の目的は、 「水の安定的な供給、沖縄の自然 環境の保全のために、総合的な水資源の有効利 用と節水その他の施策を推進する。」 (第1
条)ことにある。促進する事業には、( 1 )
雨水 又は湧水(ヒージャー、カー等)の有効利用、(2)下水処理水・排水処理水の再利用、 (3)節水 施策の推進、 (4)地下水の涵養、 (5)その他水資 源 の 有 効 利 用 に 関 す る こ と が あ る ( 第
2
条の2)
。
(3)琉球石灰岩地域における地下水の保全対策
・大都市だけでなく、地方都市においても地表 水・地下水の汚染が進み、安全な飲み水をどう 確保し供給するかが大きな課題となっている。
旧環境庁(現環境省)では、災害時を含めて最 も信頼のおける水資源である地下水が有機塩素 系化合物や硝酸性窒素により汚染されていると
沖縄県宮古島における地下水管理と持続的な水利用
の認識から、土壌・地下水の保全対策の緊急性 を指摘している(環境庁水質保全局,
1 9 9 6 )
。 また、新聞記事(朝日新聞,2 0 0 1
年5
月1
日) から日本各地にある「飲み水を守る条例や要 絹」を持つ市町村の現状について整理してみれ ば、全国では1 8 1
市町村で条例や要綱が制定さ れており、水源保護・保全に関する条例が約l l O
、地下水保全などが約4 0
で、環境保全2 1
、 その他9である。沖縄県の水源保護に該当する のは、本研究で取りあげる宮古島上水道企業団 に関わる4
市町村である。沖縄本島南部や宮古島など、透水性の高い琉 球石灰岩の分布する地域では、地上における生 活•生産活動の影響を受けて地下水が汚染され やすい状況にある。
『琉球石灰岩地域地下水保全対策のあり方』
(沖縄県環境保健部環境保全室,
1 9 9 8 )
において は、琉球石灰岩地域の地下水保全の方策として、①汚染源対策及び浄化処理法、②土地利用対策、
③地下水監視体制及び調査研究をあげている。
①汚染源対策及び浄化処理法としては、住民 生活、農業、畜産、開発工事、生産、廃棄物処 理に関わる対策を、②土地利用対策としては、
涵養林の育成と保護、地域指定による土地利用 規制を例示している。③地下水監視体制及び調 査研究のあり方については、地下水汚染の要因 となる農地への施肥、家畜糞尿、生活排水の窒 素負荷を効果的に低減する総合的な対策が必要 なことから、関係部局・関係団体等(農林• 土 木部局、環境部局、利水事業者、市町村)で構 成 さ れ る 「 地 下 水 保 全 対 策 連 絡 協 議 会 ( 仮 称)」を設置し取り組むことを提案している。
この協議会においては、保全対策の検討や地下 水質常時監視、調査研究の推進、啓蒙活動等に ついて協議することが必要であり、特に調査研 究については学識経験者の助言を得て総合的に 推進する必要があるとしている。
3 .
沖縄県宮古島における地下水資源の利用と 管理(1)調査の概要
宮古島や沖縄本島南部に分布する琉球石灰岩
地域の水文地理学的特性、渇水への対応や被害 の発生状況、水資源管理にむけての具体的方法 について現地調査から把握する。特に、宮古島 では独自の地下水保全条例を制定するなどして、
地下水資源の量的・質的保全と管理に積極的に 取り組んでおり、この制度が成立した背景とそ の後の展開を解明する。
本研究の実施に先立つ
1 9 9 6
年11
月に、宮古島 を訪れ地下水利用と管理に関する文献収集と観 察調査を行った(川根,1 9 9 7 )
。本研究では宮 古島だけでなく、沖縄本島と八重山諸島におい ても2 0 0 0
年9
月と2 0 0 1
年8‑9
月の2
回の現地 調査を実施した(新見,2 0 0 2 )
。文献資料の収 集と面接聴取調査を行った主な関係機関は、次 の通りである。那覇市:沖縄県庁(2階;行政情報センター)、
那覇市立中央図書館、沖縄開発庁沖縄総合事務 局総務部調査企画課、沖縄県企業局総務課・企 画開発部企画調整室・企画開発部離島振興課・
福祉保健部薬務衛生課、帥沖縄県水源基金、那 覇市総務課庶務、那覇市水道局総務課等
宮古島:沖縄県立図書館宮古分館、平良市立 図書館 (2階;郷土資料コーナー)、沖縄開発 庁沖縄総合事務局宮古農業水利事務所、沖縄県 宮古支庁振興総務課・農林水産振興課、平良市 市役所企画課・商工観光課・総務課企画室、平 良市教育委員会学校教育課、宮古島上水道企業 団総務課,.袖山浄水場保全課、宮古広域圏事務 組合広域振興課、平良市総合博物館、城辺町役 場、下地町役場、上野村役場等
(2)宮古島の水文環境
宮古諸島は、沖縄本島から南西方向に約
3 0 0 km
の距離に位置し、大小8
つの島々(宮古島、池間島、大神島、伊良部島、下地島、来間島、
多良間島、水納島)から構成される。宮古島は、
最大の面積
( 1 5 8 .88km
り と 人 口 ( 約4 8 0 0 0
人) を有する宮古諸島の主島である(第2図,第 5 表)'。新 見 治
゜
西平安名嶋 大神島
O 5km
一
島嶼名 自治体
官古島
野 犀 岳
. t .
野 村第
2
図 宮古諸島の概観第
5
表 宮古諸島の概要と水道事業 面 積(krriり 人 口 水道事業等宮古島 平良市ほか※
1 5 8 . 8 8 4 8 , 0 5 1
宮古島上水道企業団池間島 平良市
2 . 7 9 8 5 3
、同上、海底送水管( 1 9 7 1 )
、架橋( 1 9 9 2 )
大神島 平良市0 . 2 7 ・ 5 1
同上、海底送水管(1979‑80)
来間島 下地町 ・
2 . 8 4 . 1 7 5
同上、海底送水管( 1 9 7 2 ‑ 7 4 )
、架橋( 1 9 9 5 )
‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑
伊良部島 伊良部町
2 9 . 6 6 7 , 2 7 8
伊良部町上水道 \ 下地島 /,, •9 . 5 4 6 7
同上‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑
多良間島 多良間村
1 9 . 7 3 1 , 4 3 3
多良間村簡易水道 水納島 ク2 . 1 5 7
飲料水供給施設計
2 2 5 . 8 6 5 7 , 9 1 5
資料: 「宮古概観」 (沖縄県宮古支庁, 2000) 面積・人口は1999年3月31日現在。
濠宮古島は、平良市、城辺町、下地町、上野村の4市町村から構成される。
宮古島の水文環境、特に地下水環境に関する 調査研究は数多くなされている。その代表的な 成果刊行物に「九州・沖縄の地下水」 (古川,
1 9 8 1 )
、 「日本の地下水」 (農業用地下水研究グループ「日本の地下水」編集委員会,
1 9 8 6 )
、『地下水要覧」 (地下水要覧編集委員会,
1 9 8 8 )
がある。地下水に関する資料としては、地下ダ ムによる地下水資源の開発、地下水汚染の実態沖縄県宮古島における地下水管理と持続的な水利用
第
6
表 高島と低島の自然環境の比較高 島 低 島
主な地形 山地・丘陵地 石灰岩台地
主な地質 千枚岩• 砂岩 琉球石灰岩
資料: 「沖縄を知る事典」 (2000)
把握、地下水管理のための基礎調査の成果とし て、 『宮古島地下水水質保全調査報告書』(宮古 広域圏事務組合宮古島地下水水質保全対策協議 会)が
1 9 9 0
年以降毎年刊行されている。最近で は、硝酸性窒素による地下水汚染のメカニズム 解明や水質形成に関わる研究が精力的に実施さ れている(近藤ほか,1 9 9 7;
東田ほか,2 0 0 3 )
。 これら蓄積された調査研究成果を参考にして、宮古島の水文環境を概観しておきたい。
①地質・地形と地下水
沖縄の島々は、自然地理学的特色から高島と 低島に大別され(目崎,
1 9 8 8 )
、それぞれ第6
表に示すような自然環境の特色を有している。C)
池 間 島主な土壌 国頭マージ 島尻マージ
水文系
河川系
地下水系
島の例
石垣島、西表島 宮古島、竹富島
宮古諸島は高い山のない低島の集合であるが、
八重山諸島では高島と低島が混在している。宮 古島の地質は、島尻層群(泥岩)を不透水基盤 として、その上に透水性の高い琉球石灰岩が載 り、この琉球石灰岩層に地下水が賦存する。基 盤が海水面より高い位置にある水文地質構造で あり、地下水は基盤の形状に支配される。北西 から南東に走る断層群の存在によって、多くの 独立した地下水盆群(地下水区)に分けられる
(第3図)。 この断層が地表に現れたところに は小高い丘が平行して連なり、石灰岩堤と呼ば れる地形を形成している(写真 1 2)
。地下 水の利用や地下水の保全対策は、この独立した
一嶋下水の譴動方胄
● 主 な 湧 水
1 : 白JII田 地 下 水 譴 蟻 2: 稟 添 道 地 下 水 流 鱗 3 : 福 皇 地 下 水 流 蟻
第 3図 宮古島の地下水流域区分と水道水源保護地域
資料: 「水道事業統計年報(平成9年度)』 (宮古島上水道企業団, 1998)
﹁'11
︐ー︐9.
, 9 , 9 ,
'
新 見 治
写真1 宮古島の土地利用景観 (2000年9月)
写真
2
石灰岩堤と浄水場 (2001年 8月)写 真3 大和井(ヤマトガー) (1) (2001年 8月)
地下水流動系(地下水区)を単位として実施さ れる必要がある。
宮古島には、ウリ(降り)ガーと呼ばれる石 段を降りて地下水を汲む洞井があり、水道の普 及するまでは天水とともに人々の重要な生活用 水源であった。その代表的なものに、平良市街 地にある大和井(ヤマトガー)や盛加井(モリ カガー)がある(写真3‑‑‑‑5)。また、海岸付
写 真
4
写 真
5
器
大和井(ヤマトガー) (2) (1996年11月)
盛加井(モリカガー) (1996年11月)
写真
6
ムイガー (1996年11月)近で基盤が地表に現れるところには、ムイガー、
保良井(ホラガー)などの大規模な湧水が見ら れる(写真
6 )
。1 9 8 0
年当時に確認された湧出 量は約4
万mツ日で、海面下に湧出するものを沖縄県宮古島における地下水管理と持統的な水利用
第7表 宮古島の降水量(宮古島地方気象台; 1967‑1999年の33年間; mm)
1
月2
月 3月4
月 5月6
月7
月 8月 9月1 0
月 11月 12月 年間 平 均 143 133 125 175 211 188 141 237 211 174 138 138 2013 標準偏差 57 96 76 143 123 110 96 145 123 99 82 88 ・402 変動係数 . 40 . 72 . 61 . 82 . 58 . 59 . 68 . 61 . 58 . 57 . 59 . 63 . 20・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ● 一···•·••···"···•···•··ー・・・ーー・........ 最 多 257 530. 295 619 524 398 420 751 560 366 396 . 360 2909 最 少 56 7 7 11 , 16 13 12 5!;> 26 26 25 12 1300
資料: 「平成11年度水道事業年報j (宮古島上水道企業団, 2000)
加 え れ ば 約20万mツ 日 に も な る と 推 定 さ れ た
(緑資源公団九州支社, 2000)。
②降水量と干ばつ`
第7表 は 、 宮 古 島 の 降 水 量 ( 宮 古 島 地 方 気 象 . . 台; 1967‑1999年 ) を 表 し た も の で あ る 。 年 降 水 量 は2,013mmで 、 標 準 偏 差 は402mmであり、
年 に よ る 変 化 は さ ほ ど 大 き く な い 。 月 別 の 平 均 降 水 量 は125mm‑237mmで あ り 、 顕 著 な 少 雨 月 や 多 雨 月 は み ら れ な い 。 た だ し 、 月 別 降 水 量 の変動係数(標準偏差/平均)は0.40‑0. 82で あり、年による変動が大きい。特に、 2月、 4 月、 7月 に は 顕 著 で 干 ば つ の 被 害 が 発 生 し や す いことを示している。
天 水 に 依 存 す る 農 業 面 で は し ば し ば 干 ば つ の 被害を受けてきたが、 1994年1‑3月 に は 渇 水 の た め に 水 道 水 源 が 減 少 し 水 道 事 業 で 夜 間 断 水
を実施することになった。第
4
図 は 、 宮 古 島 上 水道企業団の水源である白川田(スサカダー)• 山 川 水 源 の 平 均 日 湧 水 量 と 年 降 水 量 の 経 年 変 化を表したものである。
2
つ の 水 源 か ら の 湧 水 量 は 降 水 量 の 変 化 に 対 応 し 、 通 常 は 白 川 田 水 源 からは12,000‑16, OOOmツ日、山川水源からは 5, 000‑8, OOOmツ 日 の 湧 水 量 が あ る が 、 年 降 水 . 量 が1,400mmを 下 回 っ た1993年 と こ れ に 続 く 1994年には2つ の 水 源 か ら の 湧 水 量 は 著 し く 減 少し、前述のように長期の給水制限を招いた。(3)宮 古 島 に お け る 水 利 用 の 展 開
第
8
表 は 、 宮 古 島 に お け る 水 利 用 と 水 管 理 に 関する主な出来事をまとめたものである。以下、上 水 道 事 業 、 畑 地 灌 漑 事 業 、 地 下 水 管 理 の 展 開 の順に述べる。
20000
ヽu
( m
) 繭そ幣
m
穀 計
10000
゜
2000
゜
1985 1990 1995
第4図 白川田・山川水源の湧水量と降水量の経年変化 (1985,..,,1998年度)
資料: 「宮古島地下水水質保全調査報告書(平成10年度) j
(宮古広域圏事務組合•宮古島地下水水質保全対策協議会, 1999)
︵ 母
A a )
.そ童母
1 9 3 7 . 1 9 3 9 1 9 4 5 1 9 4 6 1 9 5 2 1 9 5 3 1 9 5 4 1 9 5 4 1 9 5 6 1 9 5 9 1 9 5 9 1 9 6 2 1 9 6 3 1 9 6 4 1 9 6 5 1 9 6 6 1 9 6 7 1 9 7 1 1 9 7 2 1 9 7 3 1 9 7 5 1 9 7 7 1 9 8 0 1 9 8 3 1 9 8 4 1 9 8 5 1 9 8 6 1 9 8 7 1 9 8 8 1 9 8 8 1 9 8 9 1 9 9 0 1 9 9 1 1 9 9 2 1 9 9 2 1 9 9 3 1 9 9 3 1 9 9 4 1 9 9 5 1 9 9 5 1 9 9 5 1 9 9 6 1 9 9 6 1 9 9 8 1 9 9 8 1 9 9 9 1 9 9 9 1 9 9 9 2 0 0 0
新 見 治
第8表 宮古島における水利用に関係する年表 宮古島測候所開所
平良町上水道構想 米国進駐と軍政開始
宮古民政府による簡易水道の布設(平良市)
新発電機による送電開始(平良市三大事業)
水道工事竣工、平良市に送水開始(平良市三大事業)
平良港桟橋工事竣工(平良市三大事業)
宮古島初の民営の簡易水道設置(城辺町保良)
宮国簡易水道組合設立と水道設置(上野村)
川満、入江簡易水道設置、(下地町)
宮古製糖
KK
設立 干ばつ7 0
年来の大干ばつ(平良市から那覇市に愛情の水を送る)米国民政府、宮古島用水管理局設立
宮古島上水道組合設立、全島水道化はじまる
第二宮古島台風(コラ)のため断水 (9月5‑‑‑7日; 3日)
『宮古島水道誌』発行
異常干ばつ
(3
月1 5
日‑‑‑9
月16
日;1 8 5
日)、城辺地区南北地区隔日給水( 9 0
日) 平良市制限給水( I I
月1 0 ‑ ‑ ‑ 1 3
日;4
日、1 0 ‑ ‑ ‑ 1 7
時)本土復帰に伴い、宮古島上水道組合から宮古島上水道企業団へ改称 池間島への海底送水管による給水工事完成
来間島への海底送水管による給水工事完成 宮古島地下ダム開発(皆福ダム試験作業着工)
大神島への海底送水実施
7 2
日間の干ばつ、農業被害約1 0
億円 宮古島東急リゾートホテルオープン第
1
回全日本トライアスロン宮古島大会開催 池間大橋起工(‑‑‑1 9 9 ' 2
開通)宮古島地下水保護管理条例(宮古地区広域行政組合に引き継ぐ)
来間架橋起エ(県営一般農道;
‑ ‑ ‑ 1 9 9 5
開通)宮古島地下水水質保全対策協議会設立 宮古ー東京直行便の就航
宮古島上水道企業団白川田貯水池
4
万m3,2
基築造工事竣工 硬度低減化実験開始宮古地区国営灌漑排水事業仲原流域流水式
「大和井」国指定史跡として告示 保良井ビーチ落成式
宮古地区国営灌漑排水事業散水式
上水道夜間断水
( 1
月2 1
日‑‑‑3月3 1
日)、渇水対策本部の設置「宮古圏域地下水水質保全対策担当者会議」開催
(宮古島上水道企業団、宮古広域圏事務組合、沖縄県)
袖山浄水場に水質保全係を新設
宮古島上水道企業団創立
3 0
周年記念式典上水道硬度低減化事業開始(宮古島上水道企業団)
『宮古島水道誌1I」発行 干ばつ
「宮古島水道水源保護条例」公布、 「宮古島水道水源保護地域」指定 上水道硬度低減化施設供用開始(袖山浄水場)
第 15 回水郷水都全国会議 in 沖縄•宮古島 宮古広域圏事務組合
1 0
周年記念式典( 1 9 8 9
設立)上水道硬度低減化施設完成(加治道浄水場)
注: 「宮古概観』 (宮古支庁, 2000)の宮古史年表、 「平成11年度水道事業年報』 (宮古島上水道企業団, 2000) の宮古島水道年表等から作成。
沖縄県宮古島における地下水管理と持統的な水利用
第
9
表 宮古島における水道事業の展開平 良 市 ; 城 辺 町 上 野 村 下 地 町 ,
1 9 5 2
年 着 工1 9 5 4
年 保 良 等 の 簡 水1 9 5 6
年 宮 国 の 簡 水1 9 5 3
年 上 水 道 完 成1 9 5 5
年 友 利 水 道 組 合1 9 5 8
年 同 上 の 村 移 管1 9 5 9
年 野 原 の 簡 水1 9 5 9
年 川 満 等 の 簡 水1 9 6 3
年 同 上 の 村 移 管1 9 6 4
年5
月1 9 6 5
年7
月1 9 7 2
年5
月「宮古島用水管理局」の設立と全島の上水道計画
「宮古島上水道組合」の設立と用水管理局の発展的解消
「宮古島上水道企業団」と改称
①宮古島における水道事業の展開
宮古島上水道企業団
( 2 0 0 0 )
が発行する「平 成1 1
年度水道事業統計年報j
によれば、宮古島 における水道事業の展開は第9
表に示す通りで ある。平良(ひらら)市における水道事業は、
1 9 3 9
年の水道構想に始まり、1 9 5 0
年には実現に向け て取り組み、1 9 5 2
年3
月に着工された。平良市 の上水道事業の当初の構想では、市内の大和井(ヤマトガー)を水源としていたが、水量や水 質等の調査を行った結果将来不足するおそれが あるとして、大野山林北端の白川田水源に変更 した。袖山嶺に配水池を設置し市街地に配水す ることとし、
1 9 5 3
年に工事は完成した。城辺(ぐすくべ)町においては、
1 9 5 4
年琉球 政府の補助により保良井(ホラガー)の湧水を 利用して保良部落に簡易水道を設置したほか、吉野、城辺学区、西里添、下北等の各部落にも 簡易水道が布設された。
1 9 5 5
年には、友利水道 組合によって友利、砂川部落に給水がされた。上野(うえの)村においては、
1 9 5 6
年宮国部 落に簡易水道組合が設立されたが、その後他の 部落まで給水を拡大することになり、1 9 5 8
年村 に移管された。野原部落でも1 9 5 9
年より野原岳高等弁務官布令により宮古島の水利系統を総括 する機関として宮古島用水管理局が設立され、
同時に宮古島全島の上水道計画がなされ工事が 進められた。
1 9 6 5
年7
月市町村自治法に基づく 宮古島上水道組合を設立することに伴い用水管 理局は発展的に解消し、さらに1 9 7 2
年5
月 沖 縄 県が本土復帰したことにより、地方公営企業法に基づいて宮古島上水道企業団と改称した。
②水道事業の推移と現況
第 1 0
表は宮古島における水道事業の推移( 1 9 7 2
‑1999
年度)を、第1 1
表は宮古島における市町 村別水道事業の現況( 1 9 9 9
年度)を示したもの である。給水人口は5万人前後で推移しているが、配 水量は
1 9 7 2
年度の約3 5 0
万面から1 9 9 9
年度の8 5 0
万m3
へと大きく増加している。有収水量につ いても、同様に大きな増加がみられる。これは、1 9 8 4
年のリゾートホテル(下地町)開業に代表 されるように観光開発の本格化に伴うものであ り、特に日最大配水量は増大を続けピーク時の 給水量確保が水需給面での課題となっている。人口
1
人あたりの配水量(有収水量)はリゾー ト施設の多い下地町・上野村では4 0 0 £ /
人・日 を大きく超えており、用途別にはこれらの町村 の地下水を利用して簡易水道を経営していたが、 で営業用の割合が約30%
を占めている。1 9 6 3
年これも村に移管された。 , 宮古島上水道企業団の水道水源は地下水や湧 下地(しもじ)町では、地下水に恵まれ各家 水で、平良市に山川、白川田など9つ、城辺町 庭に井戸があったため、他の3市町村より水道の普及は遅れ、比較的水の乏しい川満、入江部 落に
1 9 5 9
年に簡易水道が布設された。以上のように、宮古島における水道事業は、
各市町村で運営がなされていたが、
1 9 6 4
年5
月に
2
つの井戸がある。井戸の深度は2 8 . 4 m ‑ 5 0 .7 m
であり、35m
前後のものが多い。このほか、平良市に白川田貯水池と袖山浄水場、城辺町に 加治道浄水場が設けられ、各市町村に給水して いる。
一 ー
・
1
新 見 治
第10表 宮古島における水道事業の推移 (1972,...,,1999年度)
年度 給水人口 配 水 量 日最大 日平均 比 有収水量
(人)
(X
10面/年) (mツ日) (mツ日)(X
103面/年)1972 46,271 3,507 12,075 3,027 1975 47,461 5,194 15,867 14,232 1.11 3,595 1980 50,337 7,070 22,184 19,369 1.15 5,009 1985 50,456 7,309 22,939 20,025 1. 15 5,591 1990 48,698 7,387 26,494 20,239 1. 31 6,252 1995 49,037 7,963 26,426 21,818 1. 21 6,803 1999 49,298 8,481 28,605 23,236 1. 23 7,101
資料: 「平成11年度水道事業年報」 (宮古島上水道企業団, 2000)
第11表 宮古島における市町村別水道事業の現況 (1999年度)
平 良 市 城 辺 町 下 地 町 上 野 村 ムロ 計 給水人口 34,862 8,018 3,298 3,120 ・49,298
···•·•···
配 水 量(X103面) 6, 098 ・I, 188 ̲614 581 8,481 同 (£/人・日) 480 405 509 ・ 509 ・ 470 有収水量
(X
103面) 5, 144 . 934 512 512 7, 101 同 (£/人・日) 403 318 425 448 . 394···•···
使用水量(X103面) 5,101 924 508 ・ 508 . 7,041 (100%) 一般用 3,661(72) 748(81) 314(62) 308(61) 5,0'30(71%) 営業用 940(18) 120(13) 159(31) 145(29) 1,365(19%) 官庁用 482(9) 54(6) 34(7) ‑54(11) 623( 9%) その他 18 1 2 1 . 23 (0. 3%)
資料: 「平成11年度水道事業年報」 (宮古島上水道企業団, 2000)
③地下水水質一硝酸塩の増加による地下水汚染 すでに指摘したとおり、沖縄では河川水の汚 染だけでなく、最近になって石灰岩地域の地下 水汚染が問題となってきている。特に、沖縄本
• 島の南部や宮古島では、地表水系が発達せず地 下水に生活用水源を依存しているために、地下 水に含まれる硝酸塩の増加が大きな問題となっ ている。渡久山 (1996)は、宮古島の白川田水 源と伊良部島の水道水源に含まれる硝酸性窒素 の濃度が、 1970年以前の z'mg/£から水道水質 基準値IOmg/C近くまで急増していることを報 告している。
「平成11年度水道事業統計年報』 (宮古島上 水道企業団, 2000)に掲載された原水水質試験 成績 (1999年度)によれば、硝酸性窒素及び亜 硝酸性窒素は4.84‑7. 61mg/C (白川田水源5.53 mg/C)、浄水については袖山浄水場系5.45mg/C、
加治道浄水場系6.94mg/Cであり、水質基準の 10mg/Cをいくらか下回っている。
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素については、袖 山浄水では1978年には3.60mg/Cであったもの が、 19,85年度には7.51mg/Cと激増したが、そ の後はやや減少し1999年度には5.45mg/
e
となっている。一方、加治道浄水では1978年には 5. 40mg/Cであったものが、 1987年度には8.90 m~/
e
と激増した。その後も7‑8mg/C前後で推 移し、 1999年度には6.94mg/Cとなっている。第5図は最近約10年間 (1989‑1999年度)の硝 酸性窒素の変化を表したものであるが、宮古島 においては地下水汚染は停止したものの水質は 改善されたとはいえない状況にある。
④硬水と硬度低減化施設
地下水の汚染とは別に、飲用水としての水質 面でも問題を抱えてきた。宮古島の地下水の硬
沖縄県宮古島における地下水管理と持統的な水利用
1 0
官古島 C15地点平均)
(‑l
旨 一 廠 欄 鉗 饉 霞
8
・ ‑ ‑ •-.--•-....:....---.---·-·-·
6 4
2 0
1990 1995 1998 第5図 宮古島における硝酸性窒素(年平均値)の変化 (1989‑1998年度)
資料: 「宮古島地下水水質保全調査報告書(平成
1 0
年度)』(宮古広域圏事務組合•宮古島地下水水質保全対策協議会, 1999)
度は300mg/fと国の定める水質基準値に達する ほどの値で、厚生省(現厚生労働省)の定める
「おいしい水」の要件10‑lOOmg/fを満足しな い た め に 、 お 茶 や コ ー ヒ ー が 美 味 し く な い と いった苦情が寄せられていた。また、生活関連 器具に石灰が付着してつまる、洗剤の泡立ちが 悪いなどの苦情も多く、多くの家庭では水質改 善のために軟水機を設置し対応してきた。
こうした事態を改善するために1997‑1998年 度の国庫補助事業として硬度低減化事業を実施 し、 1999年度より供用開始した。硬度処理法と してはペレット法(流動床式晶析軟化法)を採 用し、総硬度約300mg/fの原水を90‑lOOmg/f
にまで低減させるものである(沖縄県福祉保健 部, 20QO)。 「平成11年度水道事業統計年報』
(宮古島上水道企業団, 2000)によれば、 1999 年度において総硬度(カルシウム・マグネシウ ム硬度)は239‑30lmg/f(白川田水源288mg/
f)、 浄 水 に つ い て は 袖 山 浄 水 場 系119mg/f、 加治道浄水場系237mg/fである。硬度低減化施 設を設置した袖山浄水場における浄水の硬度は、
従前の約300mg/fから120mg/fへと半減し、明 らかな効果が認められる。なお、加治道浄水場 においても1999年度事業として硬度低減化施設 が設置されている。
( 4 )
宮古島地下水保護管理条例と宮古島地下水 水質保全対策協議会宮古島における本格的な地下水調査は、宮古 製糖の招請を受けて実施された1963年のミンク 氏による報告であるが、その全文は『宮古島の みず」第3号(宮古島上水道企業団, 2001)に 掲載されている。当時のサトウキビ栽培は灌漑 施設を持たず、干ばつによる被害が深刻であっ た。
1965年には布令51号により宮古島上水道組合 が設立され、同年上水道に関わる「宮古島地下 水保護管理条例」が制定された。この条例の特 色は、①宮古島全島の水資源保護のために、② 飲料水の確保を優先し、③その許可権を水道組 合にあるとした点にある。 1972年の本土復帰を 契機に宮古島上水道組合は宮古島上水道企業団 に移行し、 「宮古島地下水保護管理条例」は同 企業団に受け継がれた。この辺りの経緯は、
「宮古島水道誌」(宮古島上水道組合, 1967)、
『宮古島水道誌(II)』(宮古島上水道企業団,
1996)、柴崎ほか (1975)に詳しい。,
この頃農林省において灌漑農業を推進するた めに地下ダム構想が具体化し、地下ダムの水利 権問題からすべての水利用を対象とする条例制 定の必要性が生まれ、 1987年5月には宮古地区 広域行政組合(現宮古広域圏事務組合)が所管
︵ 新 見
する新しい「宮古島地下水保護管理条例」が制 定された。この経緯については次節で詳述する。
サトウキビ栽培に大量の肥料が投入され、
1 9 8 0
年代には水道水源である地下水の汚染ー特 に、硝酸性窒素の増加ーが問題となった。特に、1 9 8 8
年5
月のNHK
テレビ「日本水紀行一神々 の宿る島」で宮古島の地下水に含まれる硝酸性 窒素が飲料水基準のI O m g / f
に近づいているこ とが紹介され、住民の間に危機感が広まった。、これを契機に、同年
6
月に宮古島地下水水質保 全対策協議会が組織された。この協議会は4
市 町村及び宮古島上水道企業団が中心となり、官・民団体や個人が参加して組織され、事務局は今 当初平良市企画室内に設置された。
1 9 8 9
年には 沖縄県公害衛生研究所や沖縄県公衆衛生協会等 の協力を得て、本格的な地下水水質調査を開始 し、その成果として『宮古島地下水水質保全調 査報告書」を1 9 9 0
年以降毎年発行している。1 9 8 9
年11月には宮古広域園事務組合が設立され、伊良部町が新たに協議会に参加した。市民のな かでも地下水を含め環境問題にも関心が高まり、
地下水保護のための具体的活動が叫ばれるよう になった。
8
月,1
日には天女の水まつりを行っ ている。『宮古島地下水水質保全調査報告書』の刊行 は、積極的な情報公開という意義を持ち、市民 に対して水問題を知らせ、しかも科学的情報に 基づき認識し議論することを可能とした。行政
• 市民(農民) ・研究者の連携協力が図られた。
宮古島の水問題と水管理の特色は、こうした公 開性と対話協力にあると思われた。
(5) 農業用地下ダムの建設と新しい宮古島地下 水保護管理条例の制定
「水を求めて一推進協
1 5
年の歩み」 (宮古地 域国営土地改良事業推進協議会,1 9 9 5 )
や『宮 古島水道誌( I I )
』 (宮古島上水道企業団,1 9 9 6 )
などによれば、宮古島における農業と灌漑事業 のための地下水資源開発の経緯はおおよそ次の ようである。
1 9 7 9
年に宮古地域国営土地改良事業推進協議 会が設立した背景として、宮古の農業は離島苦治
とともに自然災害に強い影響を受けており、特 に干ばつによる影響は大きく、年間を通じて適 度な降雨があるか否かで作況が決まったという。
外部の研究者からも「宮古農業は水利用技術の 欠落した地域農業である」などという指摘がな され、 「宮古島農業振典の阻害要因は水の低利 用が最大要因であること」は関係者の共通した 認識であった。農業用水の確保と水利用技術の 確立が課題となり、河川のない宮古島で水源を 確保するには、全島的取り組みが必要であった。
1 9 7 9
年4
月には宮古地域国営土地改良事業推 進協議会結成大会を開催し、同年9月には設立 総会を開催したが、この協議会の最終目標は、①国営事業の採択と②土地改良区の設立にあっ た。協議会の設立により、国営宮古地区かんが い排水事業の実施に向けて取り組みは前進した が、同時に大きな課題を抱えていた。
当時、宮古島の地下水については、
1 9 6 5
年に 宮古島上水道企業団(当時は宮古島上水道組 合)が「宮古島地下水保護管理条例」を制定し 管理していたが、この条例のもとにおいては地 下ダムの水は第三者でも申請により取水可能な 状況にあった。これに対して農林省は、地下ダ ムを建設した者が自分の水として自由に使える 制度的保証が確立されていなければ、地下ダム の事業化はできないという見解を持っていた。1 9 8 4
年6
月に同協議会に設置された宮古島地 下水利専門委員会では、同年9
月に①国営事業 で建設する地下ダムの貯留水の保全に当たって は、条例により第三者の採水行為を規制する必 要があり、そのためには新たな条例が必要であ ること、②この条例は単に農業用水のみでなく、今後の水利用計画の基本となるべき性格をもっ 必要があること、③条例施行のための新たな一 部事務組合を設立する必要があることの3点を 明らかにし、新たな検討機関の設置が必要であ ることを諮問した。そして、推進協議会は関係 市町村会に対して検討機関の設立を建議したが、
市町村会は同年
1 2
月に宮古島地下水水利制度検 討委員会を設置し、さらに作業部会を設けて検 討した。1 9 8 6
年8
月の委員会では、現在上水道 企業団が管理している地下水保護管理条例を企沖縄県宮古島における地下水管理と持統的な水利用
業団から外に出しても特に問題はないとして、
新地下水条例案、地下水条例規則案、新条例を 管理する組合組織規約を策定し、宮古市町村会
に答申した。
その後、関係市町村会議会の議決、県知事の 規約変更の許可、宮古島上水道事業団の議決を 経て、 1987
年
5月には新しい「宮古島地下水保 護管理条例」が制定された。第12表は、新旧の第12表 新旧「宮古島地下水保護管理条例」の比較
旧条例 (1965年制定) 新条例 (1987年制定)
第
1
章 総 則 第1
章 総 則(目的) (目的)
第1条 この条例は、組合を組織する市町村 第1条 この条例は、宮古島の地下水が適正 の区域内の地下水及び水源について、その保 に保全され、生活用水、農業用水及び工業用 護管理を図るとともに、飲料用水、かんがい 水として有効に利用されるように、その保護 用水及び工業用水を合理的に確保し、供給す 管理を図ることにより、宮古島の地下水資源 ることを目的とする。 の適正利用に寄与し、もって住民の福祉を増
進することを目的とする。
(優先権) (基本理念)
第2条 前条の目的を達成するに当っては、 第2条 地下水資源の保全及び有効利用は、
飲料用水の供給を優先するものとする。 平良市、城辺町、下地町、上野村及び伊良部
(定義)
第3条 ( 略 )
第
2
章 地 下 水 の 保 護 管 理(保護管理を行う地域)
第4条 ( 略 )
(許可)
第
5
条 ( 略 )第3章 雑 則 第
1 4
条(略)第
4
章 罰 則 第18条 ( 略 )町住民の健康で文化的な生活に欠くことので きないものであり、全住民がその恵沢を享受 できるよう適正に行わなければならない。
2
地下水を利用するものは、その合理的な 利用に努めなければならない。3 かんばつにより地下水が不足した場合 は、生活用水の供給を優先する。
I
(定義)第3条 ( 略 )
第
2
章 地 下 水 の 保 護 管 理(保護管理を行う区域)
第
4
条 ( 略 )(地下水の保護管理)
第5条 地下水の保護管理は、宮古広域圏事 務組合(以下「組合」という。)の代表理事
̲.,, 一、
か
1 丁 つ 。
(宮古島地下水利用基本計画)
第
6
条(略)(許可)
第
7
条 ( 略 )(地下水汚染)
第16条 ( 略 )
第3章 宮 古 島 地 下 水 審 議 会
(宮古島地下水審議会)
第17条 ( 略 ) 第4章 雑 則 第19条 ( 略 ) 第
5
章 罰 則 第23条 ( 略 )新 見 ,治
第13表 宮古島の地下ダムの概要
地下ダム 皆福ダム 砂川ダム 福里ダム
流 域 面 積 (kmり 1. 2 7.2 12.4 満 水 面 積 (kmり 0.90 4.89 7.00 総 貯 水 量 ( 万mり 70 950 1050 有効貯水量(万mり 40 680 760 利 用 量 ( 万mり 60 880
l l O O
ダムの規模 主ダム 副ダム 主ダム 副ダム l 副ダム2 副ダム 3 堤 高 (m) 16.5 49.0
堤 長 (m) 500 1835
地下水保護管理条例を比較したものである。こ れまで生活用水の供給を主たる目的として宮古 島上水道企業団で運用された管理条例は、生活 用水、農業用水、工業用水の統合的な管理を目 的として宮古広域圏事務組合(当時は宮古広域 行政組合)で担当されることになった。しかし ながら、生活用水の供給を優先するなど、従来 からの地下水管理の基本方針に変わりはなかっ た。
第13表は、宮古島における 3つの地下ダムの 規模を表したものである。 1972年度からの事前 調査を経て、 1977‑‑‑1978年度に皆福実験地下ダ ムが建設されたが、その貯水量は70万面であ る。その後1987年度に国営宮古土地改良事業に 着手し、貯水量950万面の砂川ダムと1050万mJ の福里ダムが建設された。地下ダムに貯えられ た水ば深井戸群により採取され、基幹作物であ るサトウキビ生産を中心に利用されている。各 圃場におけるスプリンクラーによる灌漑のほか、
写真7 地下ダムを水源とした給水所 (2001年8月) 3.0 500
52.0 14.5 2.0 5.0 1720 684 134 367
コイン式自動給水システムを備えた給水所が設 置されている(写真 7) 。
(6)宮古島上水道企業団における水道水源保護 に向けてのユニークな取り組み
宮古島上水道企業団では、水道水源の汚染防 止と保護を目指して、水源保全係の新設、水道 水源保護条例の制定、水源保護地域の指定など、
多様な取り組みを行ってきた。こうしたユニー クな取り組みについて、やや丁寧に述べてみた い。
①水源保全係の新設
宮古島上水道企業団には、総務課、会計課、
工務課、管理課、浄水課のほかに、保全課が設 置されている。保全課は水質保全係と水源保全 係から構成される。水源保全係は、水源流域内 の環境保全及び巡回点検、水源流域内の地下水 及び湧水、水源流域内の土地の利用状況、水源 涵養林に関する業務を担当しており、 1996年4 月に宮古島上水道企業団袖山浄水場に新設され た。
②水道水源保護条例の制定
水道水源保護条例の制定に際しては、次のよ うな趣旨の提案がなされた。
「地方公共団体は、……(略)……水源及び,
水道施設並びにこれらの周辺の清潔保持並 びに水の適正かつ合理的な使用に関し必要 な施策を講じなければならないこととなっ ている。宮古島においては、水道水の100
%を地下水で賄っており、将来にわたり水 道水が「安全でおいしい水」であるために
沖縄県宮古島における地下水管理と持続的な水利用
は、地下水水源流域における農薬散布・畜 産事業(し尿) ・工場排水・土石採取など の開発行為による水質の汚濁を防止し、清 浄な水を確保するための水質保全と保護に 向けた施策に努めていく必要がある。その 為には、下記事項等を盛り込んだ水道水源 保護条例の制定が不可欠となってくる。
1 .
水道水源保護地域の指定水源の水質を保全するため水道水源 保護地域を指定する。
2 .
対象事業の設定指定地域内に於ける届出義務を有す る対象事業を設定する。
3 . 規制対象事業場の認定
開発と保全の調和を図るため規制対 象事業場の認定を行う。
(中略)
宮古島上水道企業団は、この
7 0
日間にわた る断水(注:1 9 9 4
年1‑ ‑ ‑3
月の7 0
日間の夜 間8時間給水制限の実施)の教訓を踏まえ 水源条例(別紙案)を制定し平良市の白川 田、東添道地下水流域と城辺町の福里地下 水流域を水道水源保護地域として制定し、命の水を永遠に守ることを提案する。」
これを受けて、
1 9 9 8
年8
月には宮古島上水道 企業団は新しい「宮古島水道水源保護条例」( 1 9 9 8
年7月3 1
日条例第2号)を公布した。「宮古島水道水源保護条例」の第
1
条では、「この条例は、水道法第
2
条の規定に基づき、宮古島の水道に係わる水質の汚濁を防止し、清 廉な水を確保するため、その水源を保護し、
もって住民の生命及び健康を守ることを目的と する。」とし、第
2
条では、水源、水源保護地 域、対象事業、規制対象事業所という用語を定 義している。第3‑‑‑6条では、それぞれ、企業 長、関係市町村、住民等、事業者の責務を明記写真8 揚水井と水道水源保護指定地域を表す 標柱
( 2 0 0 1
年8
月)r n
写真9 水道水源保護指定地域を表す 看板
( 2 0 0 1
年8月)写真
1 0
看板に記された水道水源保護指定地域( 2 0 0 1
年8 ) 月
している。第7‑‑‑
8
条では、企業長がとれる水1 9 9 8
年10月には上水道企業団は、白川田、東 源保全のための勧告や水源保護地域の指定等に 添道、福里の3
地下水流域合わせて3 5 5 0 h a
を同 ついて定めている。第9 ‑ ‑ ‑ 1 2
条は、規制対象事 条例に基づき「水道水源保護地域」に指定した 業場の設置の禁止、事前の協議及び措置等、経 ' (前掲の第3図,写真8‑‑‑10)。過措置、一時停止命令に関するもので、第