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(1)

テレビドラマの

なき変転

∼ 20 代女性のドラマ受容の考察∼

メディア研究部 

阿部康彦

要 約 目 次 メディア環境が急変容している中,若年層のテレビドラマ視聴が「低迷」している。その要因の所在 を求め,ドラマと20 代女性との関係の考察を試みたい。道具立てとして,ドラマ視聴の充足概念を, 「人物への好感」「カタルシス」「共感」「学び」の4つにカテゴリー化してみる。 プレ調査からは,20代女性がドラマに対してかなり「疎遠」であること,ドラマ視聴と生活意識・価 値観には関係があり,受動的な人の方がドラマを多く見ること,この世代は「カタルシス」志向は強い が「共感」への意識は薄いこと等が抽出できた。それを踏まえて,比較層の30・40代も含む定量調査を 実施した。年層差では,ドラマへの執着は世代が上であるほど強い。20代の充足特性としては,「学び」 への潜在欲求が読み取れる。また,ドラマへの「疎遠」の表層理由は,「時間的・精神的な余裕の低減」 と「コンテンツの視聴意欲減退」に集約できる。 そして,20代女性の生活意識と価値観による因子分析から,「流行好き」「保守・大衆」「文化系・サブ カル」「生活謳歌」「前進派」の5タイプに分類すると,ドラマ視聴が多いのは前者の2タイプで,後者3 タイプは低視聴の傾向があるだけでなく共感意識も低いことがわかった。調査結果を含め1990年代から の社会・文化的変容から鑑みて,ドラマへの「疎遠」の深層レベルとしては,「テレビ拘束からの<離 反>」,「消費文化追従への<反感>」,「共感の<迷走>」といった要因が推察しうる。中でも90年代か ら起きている共感のあり方の変化が,20代女性のドラマ視聴様相のカギを握っているといえる。その背 景には,現在のドラマにおける「リアリズム」の変容が横たわっている。 深化していく多メディア時代において,日本のテレビドラマがあらためて受け手に対する「意味」を 保持するには,われわれが立つ社会の変容とドラマ充足との関連性を,見据えることが不可欠と思われる。 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・96 Ⅰ 90年代ドラマと若年層の関係・・・・・・・・・・・・97 1.「消費されるドラマ」の役割 2.年層別視聴率の推移 視聴意識を捉えるフレーム・・・・・・・・・・・・・102 1.女性にとってのドラマ 2.ドラマ充足の概念 Ⅲ 20代女性とドラマのポジション・・・・・・・・108 1.基本様相としての「疎遠化」 2.ドラマ視聴の年層比較 3.疎遠化の表層要因 4.受動性と能動性の二極化 Ⅳ タイプ分類による20代女性・・・・・・・・・・・・・120 1.前提となる成長背景 2.20代女性の5タイプ 考察・ドラマ意識の変転・・・・・・・・・・・・・・・・130 1.テレビ文化としてのドラマ共感 2.リアリズムの変容をめぐる状況 おわりに∼現在形に潜在する可能性・・・・137

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はじめに

メディアの変容によるテレビの位置付けの 後景化が論じられる現在,テレビコンテンツ の一ジャンルであるドラマは,受け手にとっ ていかなる<価値>を保持しているのか。 NHK 放送文化研究所(以下,文研と略す) が5年に一度実施している「日本人とテレビ」 調査の「ふだんよく見る番組」の順位では, ドラマはニュース,天気予報に次ぎ常時高位 3番目に位置し,20年間変わっていない1) 放送局にとっても視聴者にとっても,その存 在は磐石かに見える。しかしドラマと受け手 の関係の内実は,しばらく前から悩ましい変 化が生じてきている。それは,視聴量の低減 (見られなくなった),及び視聴意識の変質 (見方が違ってきた)であり,放送関係専門 誌等のマスコミで散見される「ドラマ冬の時 代」の議論も,この2点とコンテンツとの関 連についてのものが多い2)。 前者は端的に,視聴率の変化に見てとれる。 たとえば7月期3)夜間の連続ドラマ(NHK 大河ドラマは除く)で,ビデオリサーチ世 帯視聴率(関東地区)平均15%以上のものを, 1998・2003・2008年と5年ごとに並べてみた (表1)。その量的変化は,表にあるような高 視聴率ドラマ4)の減少,加えての低視聴率ド ラマ5)の増加,それによるドラマ全体の視 聴量低減の形で厳然と現れている。 後者の質的な様相変化については,これか らの考察に先立ち,送り手側の現状認識をあ えて紹介しておきたい。日本映画テレビプロ デューサー協会会長の杉田成道6)が,2008 年3月に「テレビドラマの現在」を特集した 放送専門誌に一文を寄せている。 「テレビは見えない力によってギリギリと 瀬戸際に立たされている」という杉田は,長 年自らがドラマ制作において立脚してきた前 提の様変わりを見据え,現在のテレビを浸水 したまま沈みつつある船に例える。広告収益 減の危うさ,HUT7)低下の不気味さ,厳し い岐路に立つドラマの現実―その語り口は 極めて悲観的に受け取れる。「ここ10年でテ レビは中高年層を切り捨ててきた。そこに生 活様式の変化が追い討ちをかける。主ターゲ ットたる F 1層(20∼34歳の女性)がポロポ ロと歯のこぼれるように抜け落ちていきまし た…(ドラマは:筆者注)流れていますが見 ていません。時々チラッとは見ます,番組名 とタレントぐらいは。話題に乗り遅れないよ うに。これが情報社会というものです」「な がら視聴を引き付けるためにドラマはアクシ ョン主体に,あるいはメリハリの利いた判り やすいキャラクター付けに向かうことにな る。ドラマのバラエティ化です。おかげで, ある層はさらに抜け落ちていきました」8)。 表 1 7月期連続ドラマの視聴率 ビデオリサーチ(関東)データ 1998年 (%) 2003年 2008年 G T O 神様,もう少しだけ はぐれ刑事純情派 ハッピーマニア 世界で一番パパが好き 水戸黄門 青の時代 (フジ) (フジ) (テレ朝) (フジ) (フジ) (TBS) (TBS) (フジ) (フジ) (TBS) (フジ) 28.5 22.5 18.4 16.8 16.5 15.9 15.5 18.9 16.0 15.7 15.9 Dr.コトー診療所 ウォーターボーイズ 元カレ コード・ブルー

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この指摘のごとく,性・年層別でいうと,若 年層女性とドラマの関係変化は「冬の時代」 の重要な原因と見られてきた。実のところこ の層は,杉田のいう「バラエティ化したドラ マ」を見るよりも,ドラマに替わりバラエティ 番組自体を視聴する傾向を強めてきた(図1)。 2001年文研では,番組の「総バラエティ化」 に付随して変質していくテレビ視聴の様相を, 「時間快適化」と名づけている。それは,番 組内容に没入したり,テレビを見て知識を身 に付けるなどの動機付けを持たず,「今とい う時間を気分よく過ごすためにテレビをつけ ておく」という概念である9)。ドラマ視聴と この「時間快適化」には,どのような関連が あるのだろうか。 この稿の目的は,若年層女性とテレビドラ マの関係変化の諸相を検証しつつ,ドラマの <ポテンシャリティ>の考察を行うことにあ る。放送・通信の融合時代において,ドラマ の意義は,受け手にとってどのような形であ りえるのか。それとも拡大していくメディア コンテンツの多様性の中で,その存在感は埋 もれていく方向にあるのだろうか。この考察 はまた,ミクロな分析を入口にしつつ,重層 的に深化するメディア環境における受け手と コンテンツの関係の未来論に向けた一助にも なるものと考えている。 本稿の構成としては,まずⅠ章で,1990年 代のドラマ概況と若年層にとってのその意味 を押さえ,視聴率から経年変化を把握する。 Ⅱ章でドラマ視聴における「充足」概念の整 理を行いつつ,Ⅲ章では調査に基づきドラマ への意識実態を確認し,ドラマと20代女性の 関係変化の表層要因を分析する。続いてⅣ章 では,20代女性の成長背景から関係変化の深 層を掘り込む。また生活意識による5タイプ の分類化を行い,そこからも要因を読み取る。 その上でⅤ章では,ドラマの変転,特に共感 とリアリズムの変容に関する推考を行う。最 後のⅥ章は,現在のドラマに潜在している可 能性を探ってみたい。 女性の意識は,個々人のライフステージに 深く影響される。考察を鮮明に行うために, 照準を20代独身層(学生を除く)に合わせる。 また扱うドラマは,地上波の夜間に放送され た連続ドラマに限定している10)。

1.

「消費されるドラマ」の役割

ときに「ドラマ黄金期」ともいわれた1990 年代には,視聴率20%を超えるような若年層 向けドラマが数多く放送され,主要ターゲッ トとするF1層を確実に捉えていた。まず, 図 1 20代女性の「よく見ている番組」 「日本人とテレビ」調査 0 20 40 60 80 100 ニュース・ニュースショー お笑いやコントなどのバラエティショー ドラマ 2005 年 (%) 2000 1995 1990 1985 66 73 72 72 59 26 31 40 46 61 55 66 53 53 46

90 年代ドラマと

若年層の関係

(4)

そこに至る経緯と概況を り,90年代ドラマ と若年層との友好的な関係の意味合いを押さ えておきたい。 個人化への転換 1984年,電通の藤岡和賀夫は,その著『さ よなら,大衆。』で,大量生産・大量消費の 大衆の時代から,「自分らしさ」を求め個人 の「感性」に従い消費行動を行う「少衆」の 時代への移行を説いている11)。そのことは, テレビ視聴をめぐる状況においては,「家族 視聴」から「個人視聴」への転換という形で 表出していた。家庭に複数台の受像機が普及 し始め,リモコンやビデオの利用も相まって, ひとりでも楽しむ形でテレビを見ることがあ らためて勢いづいた時期であった12)。 伊藤守はこの変化への視点として,「個人 視聴を個々の視聴者が一人でテレビを視聴す ることであると単純に把握してはならない。 それは,もっと効果的な文化的ヘゲモニーの 場である広告イメージやドラマ番組の消費を 通して,ヤングアダルト,ティンエージャー, そして女性といったかたちで,視聴者が階層 や性別や世代ごとに自らのポジションとアイ デンティティを編制していく,新しい視聴の 空間が構成されたことを意味している」と指 摘し,ここでのテレビ視聴の文脈を,個人 化・消費化・差異化と規定している13)。 特定層ターゲットに向けて ドラマ制作の場合でいうと,家族視聴向け のホームドラマから特定世代向けへのシフト が始まっていた。たとえば「ドラマの TBS」 における,1981年の『想い出づくり』や83年 『ふぞろいの林檎たち』,また83 年『金曜日 の妻たちへ』,84 年『くれない族の反乱』な どは,その先駆けであった。フジテレビは81 年から,「楽しくなければテレビじゃない」 とうたい始める。フジ月曜9時枠の『君の瞳 をタイホする!』,『抱きしめたい!』など, いわゆる「トレンディドラマ」が若い世代の ブームになるのは,バブル経済真只中の88年 であり,それは F 1層にターゲットを絞り込 んだドラマ制作・編成のエポックとなった。 90年代に入ると,脱トレンディを意図した 91年『東京ラブスト−リー』,『101回目のプ ロポーズ』(ともにフジ)など,純愛路線がヒ ットし始める。それに対し,92 年『ずっと あなたが好きだった』,93年『高校教師』(と もに TBS)などのセンセーショナルな設定の ものや,93 年『ダブル・キッチン』(TBS) のような新たなホームコメディが生み出され, 各局独自の個性化によるバリエーションの拡 大が新たな動向を形成していった。 いくつものドラマ情報雑誌が新たに発刊さ れるなど,プロモーションも活況を呈し,皆 が口にするものを見ないと「オクれる」とい うムードが醸成されていた。好調番組の最終 回視聴率が30 %を超すかどうかが話題とな り,それは実際に稀なことでもなかった。表 2は,90年代に最高視聴率が30%を超えた主 なものの一覧である。 消費社会とドラマ この時期の放送局が,商品としてのドラマ に期待しえたメリットを要約してみる。 ①マス・オーディエンス確保の可能性が他ジ ャンルより大きく,成果がかなり保証され ている安定性があった。 ②ビデオ・音楽・出版関連などのメディアミ ックス展開を,充分に当て込むことが期待 できた。 ③話題性が局のブランド強化に貢献しえた。

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そして,80 年代後半から 90 年代にかけて, 上記メリットに向けて,以下の状況や制作者 側の諸要因が有効に機能していた。 (1)制作スタッフの世代交代が行われ,企 画・配役・脚本作りをプロデューサーが合 理的に主導する「プロデューサーシステム」 という体制がとられた。それにより,エン ターテインメント性に長けた脚本家の個性 発揮がコントロールされ,また優れた演出 家の効果的な起用がなされた。 (2)商品としてのドラマの要として,キャス ティングが何より優先された。長期の俳優 戦略に基づき,集客力ある男優・女優の取 り合わせが早い段階から検討され,それが 綱渡り的に実現化されていった。 (3)旬の音楽アーティストの楽曲が主題歌に 使用され,ドラマヒットと CD セールスの 相乗効果がプログラム化されていた(CD 総売り上げは98 年まで上昇し続け,数百 万枚の大ヒットが年間何枚も生まれる時代 でもあった)。 高視聴率という絶対的な指標をめがけた制 作者たちの格闘が,若年層向けドラマを時代 の波に乗せ,それを「消費社会」の中核に近 いところへと押し上げていった。ボードリア ールの消費社会論に則れば,「モノ」の連関 の社会における象徴的な「記号」と化し,受 け手を誘導していく。この段階において若年 層は,「私という存在のライフスタイルやア イデンティティを作り出すために多様な情報 を提供する」14)テレビドラマに対し,「感性」 にフィットするものとして自然に馴染んでい た。描かれる世界は,自分たちと「等身大」 の存在に映っていたはずであり,その結果 「消費文化」の中のドラマに「同化」してい たといえる。

2.年層別視聴率の推移

20代と10代の見方 それでは1990年代に,当時の20代そして現 20代(当時10代)は,いかなるドラマをどの 程度視聴していたのか。「トレンディドラマ」 登場の年といわれる1988年から2007年までの 20年間の,ドラマ視聴率の動きを ってみる。 ここでは文研が長年実施している個人視聴率 調査(毎年6月実施分を使用)を基にするが15), サンプル数の都合で,各年層男女を合わせた 数値を使う。中高年層向け(主に時代劇)を 除外するため,7歳から30代までのいずれか の年層で15 %以上となった夜間 20 時から 24 時までの連続ドラマを抜き出してみた(表 3)。4月期ドラマに限定され通年の全体像 ではないが,汲み取れる傾向を整理してみる。 表 2 1990年代の主な高視聴率ドラマ ひとつ屋根の下 家なき子 ロングバケーション 101回目のプロポーズ GTO ひとつ屋根の下2 誰にも言えない 高校教師 愛という名のもとに ラブジェネレーション 東京ラブストーリー あすなろ白書 素顔のままで 家なき子2 眠れる森 妹よ ダブル・キッチン (フジ) (日テレ) (フジ) (フジ) (フジ) (フジ) (TBS) (TBS) (フジ) (フジ) (フジ) (フジ) (フジ) (日テレ) (フジ) (フジ) (TBS) 93 94 96 91 98 97 93 93 92 97 91 93 92 95 98 94 93 江口洋介・福山雅治 安達祐実・保坂尚輝 木村拓哉・山口智子 浅野温子・武田鉄矢 反町隆史・松嶋菜々子 江口洋介・福山雅治 賀来千賀子・佐野史郎 真田広之・桜井幸子 鈴木保奈美・唐沢寿明 木村拓哉・松たか子 鈴木保奈美・織田裕二 石田ひかり・筒井道隆 安田成美・中森明菜 安達祐実・堂本光一 中山美穂・木村拓哉 和久井映見・唐沢寿明 山口智子・高嶋政伸 37.8 37.2 36.7 36.7 35.7 34.1 33.7 33.0 32.6 32.5 32.3 31.9 31.9 31.5 30.8 30.7 30.7 28.2 24.7 29.5 23.6 28.5 27.0 23.8 21.9 24.7 30.8 22.9 27.0 26.4 22.5 25.2 24.6 22.3 番 組 名 出 演 者 視聴率(%) 最高 平均 (最高視聴率の高位順) ビデオリサーチ(関東)データ

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表 3 ドラマの男女年層別視聴率(1988年∼2007年) 番組名 ひとつ屋根の下2 ギフト いいひと。 FIVE いちばん大切なひと ミセスシンデレラ 木曜の怪談 ’97 ふぞろいの林檎たちⅣ ふたり ブラザーズ WITH LOVE ショムニ お仕事です! LOVE&PEACE 先生知らないの? 古畑任三郎 魔女の条件 リップスティック 蘇える金狼 ナオミ ナースのお仕事3 バスストップ フードファイト Summer Snow ラブレボリューション 明日があるさ Love Story 天国に一番近い男 空から降る一億の星 ゴールデンボウル ホットマン 東京ラブ・シネマ ムコ殿 2003 ぼくの魔法使い 愛し君へ オレンジデイズ アットホーム・ダッド エンジン 離婚弁護士Ⅱ あいくるしい アタックNO1 トップキャスター アテンションプリーズ ブスの瞳に恋してる ギャルサー クロサギ プロポーズ大作戦 喰いタン2 14 7 9 26 3 0 22 0 7 8 6 3 2 18 7 5 2 0 5 6 17 14 10 8 3 26 0 13 7 0 4 10 6 2 16 2 5 17 4 0 13 22 26 12 37 21 21 24 36 22 16 25 10 8 17 3 15 23 16 16 6 19 19 27 18 20 15 16 20 17 15 19 11 13 7 23 18 15 24 7 15 22 15 23 13 24 15 19 18 13 20 19 24 9 20 15 42 24 14 9 15 10 4 11 6 17 20 18 18 6 7 17 18 18 7 10 10 15 9 6 18 12 12 10 31 6 13 17 11 7 18 16 18 22 18 7 4 17 8 10 10 11 17 7 30 15 20 6 15 19 8 18 5 11 11 11 15 13 8 16 13 17 8 10 15 17 13 16 18 13 18 5 23 6 7 9 5 6 17 12 13 23 12 6 7 12 12 13 3 8 11 7 20 9 13 9 5 9 9 6 6 7 13 10 9 9 7 13 9 7 11 4 11 8 7 10 12 9 7 7 17 7 6 7 9 5 12 13 11 18 8 7 6 13 19 9 5 11 14 9 12 5 3 4 5 7 4 2 1 5 4 5 6 3 5 9 4 4 4 4 11 8 5 4 8 7 11 3 7 2 5 7 6 2 11 9 3 14 11 9 2 7 6 4 5 4 9 5 3 2 1 3 4 2 2 2 1 2 1 1 1 2 3 5 5 1 2 2 5 4 5 3 3 4 5 3 3 3 5 2 2 2 1 4 1 4 3 8 5 5 3 2 1 1 2 2 (フジ) (フジ) (フジ) (日テレ) (TBS) (フジ) (フジ) (TBS) (テレ朝) (フジ) (フジ) (フジ) (フジ) (日テレ) (TBS) (フジ) (TBS) (フジ) (日テレ) (フジ) (フジ) (フジ) (日テレ) (TBS) (フジ) (日テレ) (TBS) (TBS) (フジ) (日テレ) (TBS) (フジ) (フジ) (日テレ) (フジ) (TBS) (フジ) (フジ) (フジ) (TBS) (テレ朝) (フジ) (フジ) (フジ) (日テレ) (TBS) (フジ) (日テレ) 武田信玄 教師びんびん物語 パパは年中苦労する 熱っぽいの ザ・スクールコップ 教師びんびん物語Ⅱ ハートに火をつけて! 予備校ブギ 恋のパラダイス 日本一のカッ飛び男 ホットドッグ 世にも奇妙な物語 トップスチュワーデス物語 世にも奇妙な物語 学校へ行こう! もう誰も愛さない パパとなっちゃん それでも家を買いました 素顔のままで 信長 世にも奇妙な物語 子供が寝たあとで 愛はどうだ ひとつ屋根の下 ダブル・キッチン わたしってブスだったの? 嘘つきは夫婦のはじまり チャンス! if もしも 家なき子 ホテル3 上を向いて歩こう! 出逢った頃の君でいて この愛に生きて 君が見えない 警部補・古畑任三郎 17才 クニさんちの魔女たち 八代将軍吉宗 家なき子2 王様のレストラン 僕らに愛を! 星の金貨 最高の恋人 SALE! ロングバケーション 透明人間 みにくいアヒルの子 若葉のころ Age,35 恋しくて その気になるまで 木曜の怪談 勝利の女神 竜馬におまかせ! 15 21 10 23 15 21 1 9 1 12 5 13 16 21 13 0 5 0 7 3 9 4 0 20 13 3 0 9 8 32 14 9 3 2 2 6 9 23 7 38 14 10 2 20 18 22 44 20 7 3 2 16 3 2 14 30 13 25 16 34 14 22 11 13 10 17 7 22 30 16 13 10 38 11 16 15 7 43 18 13 15 21 16 28 5 18 8 8 4 17 15 9 5 36 18 30 16 6 5 40 31 30 21 8 1 15 22 21 14 17 15 6 5 27 25 21 28 19 15 11 6 17 20 30 16 19 39 8 12 11 14 32 21 18 9 11 8 15 16 18 21 21 16 9 7 4 3 11 19 17 16 7 4 34 11 14 12 21 9 10 9 10 23 11 9 8 3 19 14 8 10 9 6 4 5 11 10 15 14 11 25 15 11 12 15 18 23 18 11 9 3 12 11 13 12 15 16 8 3 7 15 15 13 13 13 4 2 26 14 9 17 19 19 5 11 10 34 11 10 5 3 11 9 5 7 3 5 4 4 11 7 7 4 8 14 15 11 9 6 12 11 6 5 3 1 18 12 10 8 4 5 6 6 5 19 11 12 6 7 5 2 14 9 12 9 6 8 7 2 4 42 7 7 2 2 7 4 2 2 5 4 0 1 6 3 3 8 6 11 22 5 4 6 13 15 6 6 3 6 6 11 2 5 4 4 5 3 1 19 3 5 6 4 2 1 5 5 3 3 4 10 4 6 1 41 4 7 2 3 8 2 3 2 2 2 4 4 1 0 3 6 3 4 27 5 2 3 3 6 1 5 1 0 11 15 2 4 3 3 3 3 2 27 4 6 2 1 3 1 3 2 4 5 10 2 2 2 (NHK) (フジ) (TBS) (フジ) (フジ) (フジ) (フジ) (TBS) (フジ) (フジ) (TBS) (フジ) (TBS) (フジ) (フジ) (フジ) (TBS) (TBS) (フジ) (NHK) (フジ) (日テレ) (TBS) (フジ) (TBS) (TBS) (日テレ) (フジ) (フジ) (日テレ) (TBS) (フジ) (日テレ) (フジ) (フジ) (フジ) (フジ) (テレ朝) (NHK) (日テレ) (フジ) (フジ) (日テレ) (テレ朝) (テレ朝) (フジ) (日テレ) (フジ) (TBS) (フジ) (TBS) (フジ) (フジ) (日テレ) 7歳∼ 13歳∼ 20代 30代 40代 50代 60代 (%) 番組名 7歳∼ 13歳∼ 20代 30代 40代 50代 60代 88 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 89 90 91 92 93 94 95 96 NHK個人視聴率調査(関東)6月実施分 *網かけは15%以上のもの *太字は年層間で一番高いもの * 2000年のみ7月に調査実施分

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(1)20代の視聴状況 まず,20代の視聴率に着目してみる。 90 年代は,「15 %以上」のものが多めであ る。また90 年代前半は,年層間で比較し て20 代が一番高いものも多い(一番高い のは,97年『ひとつ屋根の下2』42%)。 2000年代に入ると,「15%以上」は減少し ている(ほとんどの年で1本)。同時に 「年層間で一番高い」も減る傾向にある。 90年代の20代は現在30代になっているが, 2000 年代の 30 代の数値を見ると「15 %以 上」は少なくなり,02 年以降「年層間で 一番高い」は存在しない。現30 代も視聴 減少の傾向にあるといえる。 (2)ドラマ好きの10代 次に,10 代(特に 13 歳∼の中学生以上に 注目する)を見てみると, 現20代が10代であった90年代後半に,20 代と同レベルか,またはそれ以上にドラマ を多く視聴していた(30 %を超えるもの が,95年2本,96年3本,97年1本)。 話題作ドラマでも,20 代より 10 代の方が 高いものがいくつもある。「10 代(13 歳 ∼)>20代」のものをあげると,93年『ひ とつ屋根の下』(フジ)43 > 32,94 年『家 なき子』(日テレ)28>15,同『警部補・ 古畑任三郎』(フジ)17 > 9,96 年『ロン グバケーション』(フジ)40>34,同『若 葉のころ』(TBS)21 > 12,などである。 90年代(特に後半期),10代も20代以上に ドラマの活況を支えていたといえる。その ドラマ好きの10代が現在のあまりドラマを 視聴しない20代となっている。 2000年代に入ると,10代の方が20代より 高いものが増えている傾向がうかがえる。 この兆候は,90年代末から始まっていたと も考えられる。 (3)放送局のパワーと戦略 放送局に着目してみると, 表内100作ほどの5割以上が,フジテレビ のドラマである。そのうちほとんどで,20 代 が15 %を超えている。毎年4月期の 「月9」枠のものは全て入っており,「フジ」 そして「月9」が若年層に浸透したブラン ドとして存在していることがわかる(表2 高視聴率ドラマでも17本中12本がフジ,う ち「月9」が9本ある)。 90年代に日本テレビやテレビ朝日は,ティ ーン層に鉱脈を求めたドラマに力を入れ始 め成果をあげた。表内の94年『家なき子』 (日テレ)や96 年『透明人間』(日テレ), 95 年『最高の恋人』(テレ朝),97 年『ふ たり』(テレ朝)などである。10 代はF1 層向けドラマを見つつ,趣向を凝らしたテ ィーン向けも楽しんでいた。この見方の幅 広さが,ドラマ意識に何らかの影響を与え ているかもしれない。 ターニングポイントはいつか 若年層とドラマの関係変化は,いつ頃から 生じているのだろうか。図2は,夜間ドラマ 全体の視聴率平均の推移である。 10代から30代の全てにおいて,90年代後半 にひとつの山があることがわかる。20代につ いて2002 年が8%と高いのは,実は『空か ら降る一億の星』(フジ,出演:木村拓哉, 明石家さんま)という異例のヒット作が引き 上げている。この特異要因のある02 年以外, 20 代の 2000 年以降の視聴率は,20 年間の平 均値6.6 %を常に下回っている(また,90 年 から99年の平均は7.4%,2000年から2007年

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の平均は6%である)。 こうしてみると,20代女性とドラマの関係 変化は,2000年前後にかけてターニングポイ ントがあると推定でき16),その変化は90 年 代にかなりドラマを視聴していた10 代が,な ぜ2000 年代に 20 代になり視聴が減少したの か,というコーホート(世代)の問題である ことがわかる。

1.女性にとってのドラマ

ドラマ内の人物と自分 日本のテレビドラマのほとんどは,男性よ りも女性による視聴の方が多い。それでは女 性は,なぜドラマを見ているのだろうか。ひ とつの先行研究について触れてみたい。 村松泰子は,1970年代から10年ごとに,女 性視聴者がドラマをどう読み解いているのか の調査を行い,女性にとってのその位置付け を明らかにしている17)。74 年の調査では, 家庭志向の強い女性の方がドラマ視聴が多い こと,また既婚女性が自分の仕事の有無に満 足しているか否かで,「理想どおりで満足」 (満足派),「満足ではないが仕方がない」(あ きらめ派),「現状を変えたいと思うが準備は 始めていない」(意識先行派),「不満で変え るための準備をしている」(準備開始派)に 分けると,あきらめ派が最も多くドラマを見 ていることを導き出した。その上で,女性が 「無意識にドラマの中の女性と自分の生き方 を対比し,自分を肯定する材料を求め,自ら の不満をなだめる手段としている」ことを説 いている。 「共感」と「あこがれ」 同研究の中で村松は83年に,「“女性はテレ ビ好き”というレッテルとは異なり,多くの 女性にとって,テレビやテレビドラマは,そ れでしか得られない魅力というよりは,まだ 得られていない何かの代用物」ではないかと, 現状に甘んずることなく模索するドラマ内の 人物に共感をしていく女性像を論じている。 そして94年には,『妹よ』(フジ)に対する 当時の10代女性の見方について,「起こるは ずのない絵空事をおとぎ話と受けとめつつ, その夢や純粋さをどれだけうまく楽しませて くれるか見届ける」かのようなゲーム感覚で 図 2 ドラマ平均視聴率の推移 NHK個人視聴率調査(関東) (%) 2 4 6 8 10 12 30代 20代 13歳∼ 07 06 05 04 03 02 01 00 99 98 97 96 95 94 93 92 91 90 7 8 8 6 6 7 5 8 10 9 7 7 7 7 7 7 7 6 6 7 7 8 6 6 6 7 7 7 5 5 9 6 8 7 8 8 5 8 6 6 6 6 6 7 7 6 6 7 9 9 6 7 5 4

視聴意識を捉えるフレーム

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ドラマを見ることと,「実際にあんなことが あったらうらやましい,とそれへのあこがれ の心情を強めることは矛盾せず共存してい る」と考察を行っている。 村松の分析には,「共感」や「あこがれ」と いった感情の要素が,キーとして存在してい る。このようにコンテンツと受け手の関係を 探るにあたっては,受け手の中の動機・欲求 や充足など,その感情過程に触れざるをえな い。われわれも,20代女性のドラマに対する 深層に分け入るに際し,先にその視聴にまつ わる意識を捉えるフレームの整理を,先例を 参照しつつ行う必要がある。

2.ドラマ充足の概念

マクウェールのタイポロジー テレビドラマと受け手の関係性において, 考察の要に視聴結果としての「充足」を設定 したい。受け手にとってのコンテンツの<価 値>は,それに対する満足具合,つまり充足 のあり方にあるからである。 1970 年代の「利用と満足」研究において, イギリスの D. マクウェールらは,ドラマを 含むテレビ番組の実証的分析に基づき,受け 手がテレビ視聴から得る「充足」のタイポロ ジーを作り出している18)。それは表4にあ る4つのカテゴリーと9つのサブタイプから なる(カッコ内は筆者による補足)。 もう一つ,参考となる先例をあげる。文研 が「時間快適化」の概念を提示した際,番組 の視聴動機の要素に関する分析も明らかにし ている。それによれば,「ステーションイメー ジ調査」(2000 年実施)での視聴動機の因子 分析から,以下のような内容の3つの因子を 導き出している19)。 ・気楽因子→「頭を使わず楽に見られる」 「笑える」「疲れが癒される」 ・情報因子→「役に立つ情報が得られる」 「ためになる知識が得られる」「いろいろな 意見が聞ける」 ・感動因子→「感動できる」「共感できる」 「ハラハラドキドキできる」 マクウェールの充足タイポロジーと上記の 動機における3因子抽出は,ドラマに限って のものではないが,これらを援用しつつ今回 行った2段階の定性調査(後述)からの知見 に基づき,現在の日本のドラマ視聴の「充足」 概念をカテゴリー化してみたい。 充足の統合的カテゴリー 前提として「充足」を, 受け手が自らの感 情・理性の働きにより対象となるドラマ内容 に満足している状態とする。指向性が分化し ている能動的な受け手像からすると,充足に つながる様々な要素が考えられるが,受け手 表 4 充足のタイポロジー ① 気晴らし (Diversion)  a)日常生活の制約からの逃避   (満たされない日常を脱し,想像の世界を楽しむ,代償)  b)解決すべき問題の重荷からの逃避   (現実問題からの気分転換,発散)   c)情緒的な解放   (笑う,泣くなどの感情的満足,「感動」) ② 人間関係 (Personal Relationships)  a)交友関係   (出演者や配役に好意や愛着を感じる)  b)社会的効用   (番組が,周囲の人とのコミュニケーションにつながる) ③ 自己確認 (Personal Identity)  a)個人についての準拠   (自己のアイデンティティの形成や修正に役立つ)  b)現実の探求   (身近な社会や他人のあり方を理解する参考になる)  c)価値の強化   (自分の価値観を再確認する) ④ 環境の監視 (Surveillance)   (社会全般の状況や意見を知る)

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の意識をより純化することで,有効な道具立 てとなるような統合的な類型化をねらいとし たい。それは表5に掲げる4つのカテゴリー であり,順に詳述する。 「人物への好感」 ドラマの構成要素に対し受け手の中では, 好きか嫌いかの「好み」に関する感情が生成 している。そこでの重要な対象物は,出演者 あるいは演じられている役柄としての「キャ ラクター」であり,主人公を中心に登場人物 に「好感」感情を抱かない限り,充足になか なか至らない。これは,マクウェールのタイ ポロジーの「交友関係」に該当する。日本で は,90年代のキャスト優先システムによりこ の傾向が強められ,現在では充足の基本要素 になっていると考えられる。 たとえば前出の表2で,1996年から98年ご ろのピーク期ドラマの出演者を見ると,98年 の「好きなタレント調査」20)(表6)では, ほとんどが高位ランクに位置し,広く好感を 持たれていた存在とわかる。また若い世代ほ ど,好感を持つタレントへ意識が向いていた ことが,97 年文研での調査21)の項目(テレ ビを見る理由―「好きなタレントを見たいか ら」)に現れている(表7)22)。 「カタルシス」 この「カタルシス」という演劇上の用語(ギ リシャ語)は,アリストテレスが『詩学』の中で 悲劇の効果の説明に,医学における katharsis (排泄・浄化)を陰 いん として用いたことが元 になっている。「抑圧から解放されたり,感 表 5 ドラマ充足の統合的カテゴリー A.人物への好感 B.カタルシス     ア)断片的なカタルシス     イ)プロット・カタルシス C.共感 D.学び 表 6 好きなタレントの順位(1998年) 1 明石家さんま 1 和田アキ子 2 反町隆史 2 広末涼子 3 所ジョージ 3 久本雅美 4 北島三郎 4 SPEED 5 ビートたけし 5 松たか子 6 五木ひろし 6 天童よしみ 7 KinKi Kids 6 山口智子 8 竹野内豊 8 松嶋菜々子 9 木村拓哉 9 西田ひかる 10 SMAP 10 中村玉緒 11 タモリ 11 中山美穂 12 金城武 12 森光子 13 細川たかし 13 上沼恵美子 14 GRAY 14 山田邦子 15 高橋英樹 15 藤原紀香 16 島田紳助 16 坂本冬美 17 織田裕二 17 稲森いずみ 17 西田敏行 17 ビビアン・スー 19 伊東四朗 19 小林幸子 19 藤田まこと 19 藤あや子 文研「好きなタレント調査98」 男 性 女 性 表 7 テレビを見る理由(1997年) 「テレビと情報行動」調査 (%) 世の中の出来事を知りたいから 他の人の考え方が知りたいから 暮らしに生かすヒントが欲しいから 知識や教養を深めたいから 生き方の参考にしたいから 笑ったり楽しんだりしたいから 気分転換やリラックスしたいから ハラハラ,ドキドキ,ワクワクなどの 刺激が欲しいから 感動したいから 好きなタレントを見たいから ひまつぶしをしたいから 86 50 56 67 34 92 85 63 66 70 74 93 58 72 78 48 87 83 62 62 52 60 94 63 72 75 60 82 78 32 54 38 48 45 30 44 16 29

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情が浄化されてより洗練されたものに変質す る」ことを指す23)。今回のカテゴリー化で は,カタルシスを断片的なものと連続した全 体的なものとに分けてより広義なものとして 使用する。 ア)断片的なカタルシス ドラマ視聴では,状況設定やストーリーに 対しての意味解釈が行われていくが,展開や 人物の行動によるきっかけとしての「フック」 で,短く,あるいは一定継続する感情が生じ る(たとえば,楽しさ,可笑しみ,驚き,喜 び,怒り,安堵,爽快感,ワクワク感,やす らぎ,など)。断片的なカタルシスとは,こ れらの感情のある程度のボリュームにより得 られるカタルシスに類するものをさす。スト ーリーラインを っての連続視聴を要件とは せず,部分視聴でも生まれうる。 イ)プロット・カタルシス ドラマという「劇」の本質は,個人対個人, 個人対集団,あるいは集団対集団などの「 藤」にある。「 藤はドラマの基礎であり, それによってドラマが作られる。これは,ア クション・アドベンチャー,ロマンチック・ コメディ,いずれにもあてはまる。あらゆる ドラマにおいて鍵となる要素は 藤であり, 登場人物たちの仲むつまじい姿がドラマの中 心になることはない」24)。ストーリーに織り 込まれた 藤ラインをプロットというが,こ 藤の昇華が本来の「カタルシス」であり, それが受け手の中で実を結ぶかどうかが物語 としてのドラマのカギとなる。この何らかの プラス要素の成就,またはマイナス要素の解 消により沸き起こる充足を,ここでは「プロ ット・カタルシス」と呼ぶことにする。 カタルシスは,表7でいえば,「笑ったり 楽しんだり」「気分転換やリラックス」「ハラ ハラ,ドキドキ,ワクワクなどの刺激」など に対応する。ア),イ)を合わせたものが, マクウェールのタイポロジーの「気晴らし」 に該当している。 「共感」 動機の「感動因子」における「共感」は, 先の村松の分析にもあるように,おそらく日 本のテレビドラマの特性として重要な意味を 持ち続けてきた。ドラマの登場人物の気持ち を思いやり,受け手の感情が揺れ動く「共感」 のレベルに至ると,それだけで充足要因にな りうる。人物の年齢・境遇が自分に近いこと などからより一体化した場合,人物の内面の 揺らぎがそのまま受け手の感情の振幅とな る。その状態でカタルシスのポイントに達す ると,「感動」につながることが多い。 「共感」という言葉は,現在の日本では極め て不定形に使用されている。「好感」や「賛 成」と同義的なケースや,また人物ではなく 事象に対し使われることもあり,その概念を あらためて確認しておく。共感とは,「他者 の考えや感情を理解し,また感じ取り,かつ, それを自己の中で共有し増幅すること」であ る。他者の心を知ることを表す言葉は他にも, 同情,同感,共鳴などがある。しかし共感は, 感情の共鳴に近いもので,他者の感情の波と 自己の中で起こってくる感情の波とが一致す ることを示し,それは同情のような受動的な ものとは異なる主体的な関与である25)。 他者の心を知る脳の働きについては,1996 年イタリアの脳科学研究において,「ミラー・ ニューロン」という神経細胞が発見されてい る。人間は脳内に持つ鏡のごとき細胞に,他 者の表情や行動を映し出し,それと自分の体

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験を照らし合わせ(この段階で感情系だけで なく認知過程をともなう),その他者の心を 推論している。このことから,多くの経験を 積んだ人ほど他人の気持ちが分かる,ともい われている26)。また,アメリカの心理学・精 神医学者サイモン・バロン=コーエンは, 「平均的に女性は男性よりも労せずして相手 に深く共感する傾向がある」という研究成果 を,2003 年に発表している27)。それが日本 でもあてはまるのであれば,男性に比べ女性 の方がドラマ視聴に親和性があることと,関 連があるかもしれない。 共感は,マクウェールのタイポロジーのど こに該当しているのか。共感が,「現実問題 からの逃避」や,「情緒的な解放の状態」に 関係している可能性は考えられる。また, 「交友関係」に近い成分も混じっているとも いえるが,「個人についての準拠(アイデン ティティ形成に関わる)」が,実は他者への 共感を通し自己に何かがはね返るという感情 まで含み込んでいるのではないか。 この共感とカタルシスが生じる可能性を対 比させてみると,ストーリー性そのものに重 きを置くドラマではカタルシスを生む傾向は 大であり,人間の心情描写を主たるねらいと して展開するドラマの場合おのずと共感を招 きやすいといえる。 「学び」 マクウェールが提示した「自己確認」とし ての充足は,現在のドラマ視聴においては有 効なものである。「環境の監視」も含め,「学 び」という呼び方で括っておきたい。受け手 はドラマを見ることで,「社会」や「社会の 中の人間」のあり様(生き方や考え方)を学 び,社会に対し自己をよりよく適応させよう とする。伊藤の指摘した「私という存在のラ イフスタイルやアイデンティティを作り出す ために多様な情報を提供する」ドラマに対し たときの充足が,「学び」といえる。この場 合,人物へ共感しつつ,そこから何かを学び とる場合も充分想定できる。学びは,共感と 近い位置にある充足と考えてもよい。以上の 充足の統合的カテゴリーとドラマの構成要素 との対応を整理すると,図3のようになる。 前述した村松泰子の「女性とドラマ」の分 析を,このカテゴリーに照合させてみると, 「まだ得られていないものの代用」として登場 人物に自分を重ねていく80年代女性のドラマ 視聴は,まさに「共感」にあてはまる。90年 代の10代女性の,「ゲーム感覚でストーリー を楽しみながらも,あこがれとしてドラマを 視聴する」際の「あこがれ」とは,恋愛を中 心とした関係における人間の心情に対するも のである。つまりそこには「カタルシス」と 「共感」の両方が汲み取れるであろう。 このように実際には,カテゴリーの各々は, 複合された形で総合的な充足に至る。そこで その複合型を検討し,以降の考察の道具立て としていきたい。 図 3 充足カテゴリーとドラマの要素の対応図 〈受け手〉 人物への好感 断片的なカタルシス プロット・カタルシス 共 感 学 び 〈ドラマ〉 人 物 設定/ストーリー 展開

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複合型のパターン 人物への好感は,現在のドラマ充足に必須 の要件である。全ての前提という意味で表記 をしない。学びは,複合状況のどこにでもあ りえ,また受け手のパーソナリティー次第で 不明解なものである。類型の拡散を防ぐため に除外して考える。つまり,断片的なカタル シス,プロット・カタルシス,共感の3つで の複合化とし,大きくはカタルシス要素のみ の「カタルシス系」と,共感とカタルシスの 入り交じった「共感系」の2系統に分ける (断片的なカタルシスを断片カタルシス,プ ロット・カタルシスをカタルシスと略し表 記)。 「断片カタルシス」型 「カタルシス」型 「断片カタルシス+カタルシス」型 「共感」型 「断片カタルシス+共感」型 「カタルシス+共感」型 「断片カタルシス+カタルシス+共感」型 90年代ドラマの充足 この複合型を,例として90年代前半のドラ マ視聴状況に応用してみたい。95年に「若者 とテレビドラマ」調査を文研が行っているが, そのうちの表8−1, 2にある回答を参照する28)。 「ドラマの評価基準」の「ストーリー展開 が面白い」「現実の生活を忘れさせてくれる」 は,カタルシスである。「心を打つような感 動がある」は,別表「ドラマに感動した部分」 から見て,主に共感と捉えることができる。 この「感動」(共感)に対し,44 %の人がド ラマの評価基準としていることに注目してお きたい。 この調査で「感動したドラマ」として高位 にランクされたものは,『私の運命』(TBS, 婚約者をガンで失うヒロインの愛憎のラブス トーリー,視聴率15.1 %),『妹よ』(フジ, 貧しい OL が財閥御曹司に見初められるシン デレラ物語,24.6 %),『若者のすべて』(フ ジ,社会の片隅で生きる幼馴染の男女6人の 青春群像劇,16.2%)などである。 どのドラマにどの評価が該当するかは明ら かではないが,3つのドラマは「カタルシ ス+共感」型と推定できる。ともに兄妹愛や 家族愛,友情,恋愛が色濃く描写された物語 であった。全般的に90年代前半のヒット作は, じわじわとした共感が感動を生み出すものが 多く見受けられ,「共感系」ドラマが大きな 力を持っていたといえる。 それから十数年が経過している現在,20代 女性のドラマ充足はいかなる状況になってい るのか。以降,「カタルシス系」・「共感系」の 共感系 カタルシス系 表 8-1 ドラマの評価基準 1995年「若者とテレビドラマ」調査 (%) 表 8-2 ドラマに感動した部分 (%) ストーリー展開が面白い 好きなタレントが出ている 心を打つような感動がある テーマソングやBGMがよい 身近なテーマを取り上げている 生き方や考え方の参考になる 最近の流行やファッションがわかる 現実の生活を忘れさせてくれる 主人公の生き方 親子や家族の愛情 テーマソングやBGM 恋愛のすばらしさ 登場人物の努力が実ったとき 74 50 44 27 18 18 13 13 15 12 9 8 7

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充足をキー概念としつつ,調査結果にも触れ ながら論を進める。

1.基本様相としての「疎遠化」

現20代女性のドラマ視聴の深層について手 がかりを得るために,先行して2段階の定性 調査を実施している。①ドラマ視聴の実態把 握としてのインターネット上のグループイン タビュー,②それをより深めつつ,生活意 識・価値観との関係の洞察も意図したリア ル・グループインタビューである。 ドラマとの距離 ネット上のグループインタビュー29)は,対 象者が自宅で匿名書き込み形式で回答を行う ため,「本音」を引き出しやすい。20代前半・ 後半の差異を見るために,各7名ずつの2グ ループで実施した。質問は,「自宅での夜の 過ごし方」「視聴テレビ,特にドラマの感想」 「記憶に残るドラマ」「自分にとっての映画・ 小説・音楽・ドラマ」などである。結果要点 のみを記す。 (1)テレビは「ながら視聴」の様相が強く, 比較的画面を見ているのは食事時だが,そ こでもテレビに集中している感は薄い。 (2)映画や小説,音楽は,自分の価値観を確 認し,新たな世界観に触れるものとして評 価が高い。それに比較して,ドラマの重要 性はあまり感じていない。むしろ「気軽に 楽しむ暇つぶし」の位置付けが主流。 (3)放送中(07年10月期)のドラマの充足に ついて,半数近い人が視聴したもののみ取 り上げる。 ・「月9」の『ガリレオ』(フジ)は,前半4 名(全員「ながら」視聴),後半3名(2名 は「録画」)が視聴。内容への反応はやや 薄い。「カタルシス」型の充足に受けとれ るが,これだけでは判断しにくい。主役 (福山雅治)の「好感」のみ目立つ。 ・『医龍2』(フジ)は,前半2名,後半4名 視聴。演技や映像・音楽の緊迫感,展開に かなり注目しているが,共感につながる人 間ドラマとしては見られていない様子。 「カタルシス」型にとれる。 ・『働きマン』(日テレ)は,前半5名,後半 3名(すべて「ながら」)。配役と原作コミ ックのマッチングを気にする人は,人物好 感は高くない。自分と重ね合わせて非常に 共感を持つ人と,逆にギャップを感じる人 のムラがある。「断片カタルシス+共感」 型といえるが,共感していない人もいる。 結果としては,総じてドラマとの意識上で の隔たりが,かなり明白に見える。視聴率年 間2位の『ガリレオ』でさえ,「ながら」や 録画利用の人が多く,充足反応が希薄で きれない。90年代と比較しての20代女性とド ラマとの隔たりを,ここで「ドラマ疎遠化」 と名づけ,以降の記述において使用していき たい。「ドラマ離れ」という場合,視聴減少 のみを意味するであろうが,「疎遠化」は視 聴減少と同時に,見ていても「よそよそしい」 という質的変化も含んでいる。 ドラマ視聴者と低視聴者の差異 リアル・グループインタビューは,ドラマ を見ている「視聴グループ」(週2∼4本見 る人)と「低視聴グループ」(最近1年決ま

20 代女性とドラマの

ポジション

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ったドラマを連続視聴しなかった人)に分け て実施した30)。質問は「帰宅後の過ごし方 とテレビ視聴実態」「ドラマの連想イメージ」 「最近のドラマ視聴とその評価」「過去ドラマ の評価」「ドラマの見方の変化」「他コンテン ツとドラマの位置付け」などである。得られ た詳細は定量調査と合わせ論ずるとして,こ こで捉えておくべきポイントのみをあげる。 (1)ドラマ視聴と,その人の生活意識に関連 性が見られる。視聴グループの人は年齢や 仕事の状況を問わず,総じてテレビ接触が 多く,受動的なタイプが多い傾向がある。 (たとえば,「テレビはつけたらやっていた 番組を見る」という意識)一方の低視聴グ ループは,仕事や趣味などに能動的で,自 らの価値観や嗜好性に自覚的なタイプが多 い。映画や小説などにもよく触れる,コン テンツ感度とリテラシーの高い人も含まれ ている。ここから,受け手の「能動性・受 動性」とドラマ(またはテレビ)の関係, 生活意識によるタイプとドラマ視聴の関係 性が重要であることが把握できた。 (2)視聴グループのドラマの位置付けとして は,「娯楽・楽しみ」「息抜き」「現実逃避」 など,充足でいえばカタルシスに類する見 方が非常に強い。それも,楽しい気分で前 向きになれるもの,比較的コミカルなもの など,断片的なカタルシスへの欲求がより 大きいようにとれる。同年代の人物の行動 を見ることで自らの価値観を確認する「学 び」を口にする人も,少なくない。しかし 「共感」については,その言葉自体は発言 の中に出てくるものの,人物や人間関係へ の共感充足があることは,一部からしか受 け取れない。低視聴者には,細かな設定は わからなくても楽しめるコメディや,1話 完結型のものしか通用していない。「暇つ ぶし」,「なくてもいい」などと,連続ドラ マは必要視されていない。 (3)直近の個別ドラマについて,全グループ で『働きマン』(日テレ)が話題にあがった。 特に多忙でない人たちの支持が目立ち, 「共感+学び」型の充足とわかる。前半層 の方が共感が強い傾向が見えた。過去のド ラマでいえば,後半層は,『東京ラブスト ーリー』『101回目のプロポーズ』『ロングバ ケーション』『ラブジェネレーション』『白 線流し』(いずれもフジ)などがあがり, 10代に見たヒットドラマは,もっぱら友人 とのコミュニケーションの材料であったこ とが共通している。前半層では,ドラマを 見始めた時期に『人間・失格』(TBS)『ひ とつ屋根の下』(フジ)など野島伸司脚本 のドラマに影響されたケースが見られ,人 間関係のひだに触れるような重いドラマも 好む傾向が人によってはうかがわれた。 20代女性のドラマ意識は,その人の生活意 識・価値観のあり方と関係している。プレ調 査を踏まえ,疎遠化の解明を中心に,ドラマ 意識の現状解明を目的とした定量調査を行っ た。世代による特性を探るため,比較層とし て30 ・ 40 代女性にまで対象を広げた。調査 概要は以下のとおりである。 調査手法 インターネット調査 エリア 1都3県(東京都,神奈川県,埼玉県, 千葉県) 対象者 20歳∼49歳の女性 (調査会社のモニター) ・20代は未婚有職者のみで学生は除く。

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(アルバイト,契約・派遣社員を含む) ・テレビを平日2時間以上見ている人31) サンプル数 各年代,前半層・後半層に分け 300人×6層=1,800人 実施日 2008年3月14日∼19日 質問項目 主なものは ・テレビ視聴実態(視聴時間/番組選択方 法/家族視聴状況/よく見る番組ジャン ル/好きな番組ジャンル/視聴態度) ・ドラマへの意識と視聴実態(連続ドラマ, 2 時間ドラマ,海外ドラマ,韓国ドラマの 好意度/各ドラマが好きな理由/ドラマ選 択基準/選択の重視点/ドラマへの意識) ・個別ドラマ視聴実態と評価(最近1年のド ラマ視聴状況/個別ドラマ50作の視聴実態 と視聴理由/中止理由/非視聴理由/ドラ マの位置付け/ドラマの充足・見方) ・生活意識と価値観/多忙度/生活充足度

2.ドラマ視聴の年層比較

疎遠化の広がり  調査結果では,30・40代の上年層にも,疎 遠化のような意識が部分的に見える。たとえ ば,40代全般が20代よりドラマを好む傾向が あるとは,一概にはいえない。40代の場合, より多く存在する「ドラマ好き」が,その 「視聴率」を支えている可能性がある。図 4−1 のように週3本以上のドラマ視聴者 は,20 代の 20 %に対し,40 代は 30 %近くに 達している。以下,疎遠ムードが上年層にも あることも踏まえつつ,20代層の視聴実態と 意識において目立つ点を整理していく。グル ープインタビュー(以下グルインと省略して 表記する)からの知見の補足も合わせ行う。 20代テレビ視聴の実態 対象者20代の「平日テレビ視聴時間」は, 前半3.6時間,後半3.5時間で,上年層(各層 とも4時間超)より30分以上短い。 「番組の選択方法」(図4−2)では,番組 表を見て選ぶ人は若い層ほど少ない。「見る ものは決めていないでザッピングをしながら 決める人」は,若いほど多い。「つけたとき の番組をなんとなく見て,適当に換える人」 を含むと,20 代では 25 %前後が見るものを 決めていない形で視聴している。 「テレビの視聴態度」(図4−3)としては, 帰宅後すぐテレビをつけ,つけっぱなしにし ておく傾向が顕著といえる。「人の声がして 図 4-2 番組の選択方法 (%) 40代後半 40代前半 30代後半 30代前半 20代後半 20代前半 29 373542 4948 26 2126222223 151411 7 8 5 9 1111 848 11107 7 5 5 図 4-1 最近1年のドラマ視聴頻度 (%) 週5本以上 週4本 週3本 週2本 週1本 月に2∼3本 月に1本以下 見ていない 40代後半 40代前半 30代後半 30代前半 20代後半 20代前半 9 16 21 14 21 10 3 6 7 15 20 17 22 12 3 5 6 14 18 16 23 11 5 7 9 18 15 16 17 11 6 8 9 16 19 12 16 14 5 10 10 12 17 14 21 14 4 9

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安心できる」「音がないと淋しい」という意 識の人は多い。「テレビがついていないと落 ち着かない」や「テレビはつけっぱなしで, 気になったときだけ目を向ける」の項で20代 前半が一番高いように,「時間快適化」視聴 と思える傾向は,年層が下がるに連れ強まっ ている。インターネット併用の視聴が多い人 は,20 代前半 41 %,後半 34 %とやはり上年 層より高い。グルインでも,半数近くが「ネ ット併用」の視聴であったが,集中している パソコンからテレビへの意識切り換えが瞬間 でも可能な様子がうかがえた。2002年「テレ ビ50年調査」に基づき文研では,「現代的な テレビの見方」の5つの特徴として感情性・ 環境性・熟練性・断片性・一体性をあげ,若 年層に多いものとして,環境性(気がつくと テレビをつけているような生活環境に溶け込 んだ見方)と熟練性(ドラマのストーリー予 想や,番組の演出細部への関心など深読みを する見方)を指摘している。この傾向の強い 人ほどテレビを「漠然視聴」し,視聴時間が 長いことも提示しているが,このことは,若 年層のテレビ視聴変化の方向性を暗示してい るといえる32)。 ドラマの好意度 20代で「一番好きな番組ジャンル」は,お 笑いバラエティを1位にあげる人が27%,ド ラマは18%,ニュースショーが11%になって いる。バラエティを,「お笑い」「トーク」 「実話再現」「ゲーム」「人間観察・体験」に 分け質問したが,5つを合わせると,20代女 性の45%近くが好きな番組1位にバラエティ をあげていることになる。これが,今の20代 女性のテレビの嗜好性を物語っている。30代 前半の好きな番組ジャンルでは連続ドラマと お笑いバラエティは拮抗し,30代後半より上 の世代になると,ドラマの方が上回っている。 だが,「最近の連続ドラマは好きか」とい う, ドラマに絞った好意度についての回答 (図4−4)では,20代と上年層の差はあまり ない。40代で「1番好きな番組はドラマ」の 人が24 %なのに対し,ここでは「とても好 き」の回答が16,17%なのは,他ジャンルよ りは全体としては好きだが,現在の個々の連 続ドラマに対しては,40代も実はやや冷めて いることの現れであろう。ただ20代前半には, 図 4-3 テレビの視聴態度 (%) 40代後半 40代前半 30代後半 30代前半 20代後半 20代前半 5249 393637 31 41 34 292827 24 2522 17151913 231816131412 2119 14121210 図 4-4 ドラマの好意度 (%) まったく 好きでは ない あまり 好きでは ない どちらとも いえない まあ好き とても好き 40代後半 40代前半 30代後半 30代前半 20代後半 20代前半 19 19 19 18 17 16 43 43 45 45 44 48 19 23 21 24 23 21 12 11 11 8 13 12 7 3 5 5 3 3

表 3 ドラマの男女年層別視聴率(1988年〜2007年) 年  番組名  ひとつ屋根の下2  ギフト  いいひと。  FIVE  いちばん大切なひと  ミセスシンデレラ  木曜の怪談 ’97  ふぞろいの林檎たちⅣ  ふたり  ブラザーズ  WITH LOVE  ショムニ  お仕事です!  LOVE&PEACE  先生知らないの?  古畑任三郎  魔女の条件  リップスティック  蘇える金狼  ナオミ  ナースのお仕事3  バスストップ  フードファイ ト  Summer Snow  ラブレボリューション

参照

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