香川県立兵科大学学術報薯
瀧 沢 ゐ 研 究 Ⅱ
玉 置 鷹 彦・星 川 玄 児
Studies on pond mud.
ⅠⅠⅠ.Totalexchangeablebases.ByTakahiko TAMAKIand GenjiHOSHIKAWA
(Labolatory of Soiland Manure) (Received Augugt5,1954)
Ⅰ 緒
宮 地泥を客土材料として利用す・る場合の効果申水路を始めそ・の他の作物或ほ果樹毎に濁して供給し得る養分の形態は他派申に含まれる水溶性の成分,他派粒子檻吸収され
植中の成分等を考えることが出来る.従って他派の吸収塩基について究明することは有意義と考えら
れ本掛こ於ては仝置換性塩基畳の定量を行った.
本報で供用した試料は前報(9)(】0)に用いたものと同一・試料を供試した.侍分析に留り大熊正芳君の協
力を得たことを感謝する. Ⅱ 実 験 方 法金置換性塩遊星の測定はN/2酪酸溶液を以て試料を処理するWilliams民法(l】)に従った..但し試料
の都合上試料の富農は規定の1/2盈を秤取し.試薬の用量等も之に準じ各々規定の1/2畳とした.
Ⅱ 実 験 結 果得られた結果を示すと第1表の如ぐである.
第1表より調査点数45点申全置換性塩基畳の最高は試料No・・130即ち木田郡林村下地の他派で12.26mg当量を示し,最低はNo・452即ち綾歌都岡甲村新開地の1.38mg当盈であり,全体の算術平均
を求めれば5..48mg当盈となる.
1V 考 蕪第Ⅰ報(9)に於て他派の大部分は酸性反応がかなり強いことを認めたが,今上記仝置換性塩基畳とこ
の反応との関係についてみると兜ずpHに於ては第2表の如くである.
第2表は第1報による池派のpHを4い0以下より6..1以上迄6階級に分け夫々の階級に属する池泥の
金置換性塩基畳を2..00mg当量以下のものより12.01mg当量以上に㌧及ぶものの7階級に区分した各々
に該当する調査池沢の点数を示したものであるが第1報で該当点数の多数を占めたpH4.6−5..0及び第6巻第2骨(1954) 223 第1.表 地泥の全置換低塩基畳(m..eノ100g乾土.)
第2表 地泥のpHと金置換性塩基畳
−∴
2“00mふ以■下 2.01・−4.00 4り01・−−6.00 6.01・−8巾00 8.01−ユ0.00 10.01・−12.00 12.01m.e以上 5.61−6.O16.1以上 4.6−5.0 5.1−5.5 2 5 4 3 2 1ユ ⊥ ∩︶ ∩︶ 0 ュ ∩︶ ⊥ 0 0 1⊥ 0 0▼∩︶ 0 ︿U 1 2 2 0 0 0 0 ﹁⊥ 4 2 42 1⊥ 0 l n︶、﹁⊥ ﹁﹂ 0 ∩︶ 0 第3表 地泥の仝酸度と.全置換性塩基畳 ‥・き・∴_予∴l 10.1−−20.OJ20.ユ−30.0】30.1t−40.0】40.1−50.OJ50.ユ以上 10.0以下 2.00m.e.以下 2.01.一− 4.00 4.0ユ・⊥・6.00 6.01・−・8.00 8.0ユ・−ユ0.00 10.011−12.00 12.m甲・e・以上 ⊥ ⊥ l・﹁⊥ l n︶ l ∩︶ 1⊥ ∩︶ ∩︶ 0 0 0 O l ュ 1 2 3 0 0 6 5 3 0 0 0 3 1 ⊥ 4 1−0 0 ⊥ 2 ⊥ 0 0 0 ∩︶224 香川県立選科大卓学術報告
5.1−−5..5の範囲にある他派の全置換性塩基盈は2..01mg当量以上8叫00mg当盈のものが調査点数43点申
22点即ち約半ばを占めている..叉点数ほ少いがpHが4.5以下の他派の全置換性塩基畳は・−し紋に少いこ
とも覗われる.次に同じく第一報の仝酸度と会意換性塩基畳との関係をみると第3琴の如ぐである。
第3表より第工報で多数を占めた仝酸度20一−30の他派の金置換性塩基盈は2.01乃至8」・00mg嘗畳の
ものが多い状態である.
吹粧第Ⅷ報(10)で得た腐植の含量と全置換性塩基畳との関係について上記と何曜に該当点数を調査 してみると第4表の如くである. 第4表 地泥の腐植畳と全置換性塩基畳 \ \−、\ 腐植童範囲 全匿\ \ \ 2.qOm・e・以下 2.01−4.00 4.01・−6.00 6.01−8一.00 8.01−10.00 10.0ユ−二12.00 12.01m.e.以上 2 1 3 0 3 1 0 0 1 2 3 ユ 1 0 0 0 0 2 0 0 1 0 3 3 1 0 0 0 2 0 0 ︵U O ︵U 第4表より腐植合盈2日5%以下即ち腐楷畳の少い他派の全置換性塩基畳ほ大部分6mg■当量以下であ るが,腐植含量が多くなっても全置換性塩基畳ほ之に・伴って著しく増加する棟な傾向はなく,本試料 の場合にほ腐植畳2.5%以上のものの全置換性塩基盈ほ2.01乃至10り00Ⅰ地当盈の範囲にあるものが大 部分である. 元来土壌の吸収塩基畳は天然的条件例えば土壌の樫類,その土壌の置かれている環琴或は人工的条 件例えば排払施肥等に左右されることが大であるが,この吸収塩基は他の塩塵正依って交準的に代 入せられるものの他に構成的部分と.して土粒の内部に存在し,土壌をかなり軌、酸で処理しなければ 溶解しない部分もあれば又極めて易溶性の部分も存在する一.そしてその吸収母体の主なものには今日 のところ土壌粘土分と腐植分があり之に土壌微生物その他のものも考えられている(6). Merkle氏(4)は無機質肥料及び有機質肥料の施用は土壌中の置換性陽イオンの畳及び比率を変化さ せることを謎め,Ravikovitch氏(8〉は砂壌土側に20年間石衣を施用或は無施用状態とし之Kl厩肥, 硫安,過りん酸石衣,硫酸加重等を連用した場合土壌中の置換性Ca,Mgの畳,塩基飽和慶,石衣施 用必要.量∴及び反応等についで調査し,之等の置換性塩基畳ほ肥料の棒薪により左右され,硫安,硫酸 加里の連用は之を減少させるが,過りん酸石衣,厩肥等ほ之を増加させると云い,平井氏等(2)も水田 土壌に於て亭と顆似の結果を報告しているし,Prince氏等(7)も電気透析による透析性仝塩基承び琴の 盈は無石衣区より石衣施用区が多く叉石衣及び1エーカー当り16トンの厩肥を加用した区が最も多い こと.を認めている. Baver氏(1)ほ.Putnam粘土に対する稜々の置換性陽イオンの影静を物理化学的方面より研究し, この膠質粒子のCa及びMg凝集体のもつ諸性質は土壌構造を良好ならしめる上に.重要な役割をもつと 云い,菅田氏く13)は土壌より置換性塩基の流亡する程度及び置換性塩基の作物に対する可給慶を判定す るには吸着の容量でなく塩基吸着の強度を判定することが土壌生産力の解明に役立つものであると述 べ,叉細田氏等(3)は新潟砂丘土壌の然柵化に伴う−・股理化学的性質の変化,腐櫓及び有機無機複合体等第6巻欝こ2骨(1954) 225 土壌膠質物の状態について−の研究中−一般に砂丘の開墾年次が進むに腐って置換性塩基掛こ置換性石衣 の合畳ほ開墾後の経過年数の増加即ち熱畑作り進行と・ 演じている掛こ考えられることを推定しれ、る㌧,如森田氏筆(5)ほ島野県学界圃の沖療卓,声叩㌣中
軸d9S9il,Y叫wP?dzolicSoilの吸牧塩基忙ついて研究し塩拳総盈はYe1loふ
最も多く以下沖積土,BrownAndoS占ilの順で奉り,青森県下の挙兵園土痴こ較べ長野原の試料
の場合の塩基給畢は少ないことを論及し,叉横井氏等(12)ほ層琶湖々底泥につし、て湖底沌は廃藩含畳 多く,かなりの窒素胞効をもち,CaO,MgOの合恵も多く老朽化水田に唇土とし‥竿施用す冬場合金 鉄野村と卵け・ることが好ましいと述べているが,ネ琴埠何れも土・壌中の衰勢嘩塩基ゐ種凰形態及 びその畳の多少ほ土壌の重層カと密接な関係をもつことを軍醸するものであ寧“′従って阜弔砲泥の全 軍喚陸軍基畳も草た池畔を利用する蓼合その効鼎を考究すろ止む羊億義をもっもの≒鱒われ為が;一既述の如くpHが余り低い場合に全置換性塩重畳が少い?は如薙才須嫡池内へ流入した主粒のもう塩
基弊が地底で沈積申Hイオンにより置換的溶粗を重けそい為こ主も考えられ,又囲植畳が多く麗らて も塩基最ほ之に伴い著しい変化の傾向がみられぬ点より他派は塩勘こ不飽和の状態にあるのではなか ろうかと考えられるが之等の点ほ今後の研究に・依って明かにする予定である.† 摘
要 前報に引続き他流の仝置換性塩基盈を測定して次の結果を得た (1)全置換性塩基盈ほ最高12い26mg当量最低1〃38mg当量,平均5.48mg嘗簸であった (2)調査地流のpHの過半を占める4..6−5..5の範囲の他派の全置換性塩基畳ほ2り01−8。00mg当量であ った. 例 会酸度についても調査点数中の多数を占める20−40の金酸庶をもつ他派の全置換性塩基畳ほ2.01 一札00mg当量であった 陸)腐植合盈と仝置換性塩基畳の関係より他派は塩基に不飽和の状態にあるものと考えられる Ⅶ 引 用 文 献(1)Baver,L D.(1930):Relation of the amount and nature of exchangeable cations tothe stru− Cture Of a clloidalclayいSoilSci.29,29l・h・310
(2)平井敬蔵,土田武夫(1933):同種肥料適用と土性との関係2,3についで.日土肥詰フ,174−176 (3)細田克己,丸山恭ニ(1954):砂丘地土壌の熱畑化についてい鳥取農学会報10,1r−18
(4)Merkle,F.D.(ユ928):Theinfluence of fertilizer treatment on the content of exchangeable Cationsin Hagustown siltloam..SoilSci.26,3?7−384
(5)森田修ニ,青木朗(1953);長野県平菜園土壌の吸収塩基.日土肥誌23,314・−・3ユ5 (6)大杉繁(1948):・一顧土撰学,第フ阪296貫
(7)Prince,A一.L.and Toth,S.T.(1937):Electrodialysis and cation exchange studies on soilofvar− ying organic matter contentI>SoilScL,43,205−218
(8)Ravikovitch,S.(’1930);Exchangeable cation andlime requirementin differently fertili2:ed SOils..Soil.Sci..30,79−96 担)玉置騰蓉,星川玄児(1953):池派の研究Ⅰ.他派の反応小本誌5,181・−185 叫 ∵ (1953)‥池沌の研究Ⅰ.池滝の灼熱損失盈及び炭素率.木誌5,186・−189 帥 Wright,C.H.(1934):SoilAnalysis,London 囲 横井琴,≡井隆二り中村久郎(1954);琵琶湖々底泥について.日土肥学会関西支部講演会詰浜野旨集 禍 菅田稔(1953):土壌の吸収能に関する研究(Ⅰ)塩基置換容盈と慮基吸着政皮について.白土肥託刀,213 −・215
香川尿畢顔料大学学術報告 226
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