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都市間高速交通に関するモード別フルコスト推計と比較分析

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(1)

49

都市間高速交通に関するモー ド別 フルコス ト推計 と比較分析

谷 本 圭 志 ・喜 多 秀 行

鳥 取 大 学 工 学 部 社 会 開発 シ ス テ ムエ 学 科

CompΥ

ativc Analysis of Full Cost of ltttercity]Iigh― Spccd Transpohation

bct、vecn Japan and California

Keishi TANIMOTO and Hidcyuki KFrA

Department of social systcms enginecring,Faculty of Enginecttng

Tottori University9 Tottori,680-8552,Japan

E―maili [email protected]― u.acjp

Abstract:To achieve thc cfficienc>it is ncccssary fOr decision makcrs to cstimate thc full cost、 vhcn they invest in a transportation mode and putthe pricc for the scfvice,In addition,thc factors by私 ′hich thc fuH cost is characterizcd must bc examined espccially for thc modc sclection in tterms of longコ un.In this paper,、vc cStimatc the fun cost in Japan by thc methods uscd by Levinson?ど ,と, 、vhich estimated thc血1l cost in California,Thcn we compare thc rl11l costs cStimatcd in Cahfornia and Japan and discuss thc factors

affccting their differencc in both rcgions.

Key wordsi Full cost analysis,11lgh― speed transportation modc,Cost strllcturc,(3omparative analysis

1.

は じめに 緊縮 した経 済 や厳 しい資 源 制約 とい った背景 の 下で

,交

通 モー ドヘ の投資 や運営 を行 うに際 して, 効率性が よ り重要視 され る ようになってい る。 この ため

,投

資 を行 う際 には発生す る費用 に対 して十分 な便益 があ るか を予測 して投資の妥 当性 を評価す る ことが

,運

営 においては社会 的な効率性 を達成す る ための道切 な料金設定が要請 され る。 また

,交

通 モ ー ドの選択 において も

,導

入が想 定 されている地域 にとって最 も効 率 的 なモー ドが求 め られ る。 これ ら の要請 に応 えるため には, まず各交通モー ドに係 わ る費用 を正 しく把握す ることが基本 的かつ重要 な課 題 となる. 費用 には イ ン フラの建 設 費用 やサ ー ビス を提 供 す る事業者 の運営費用

,環

境への悪影響 といつた社 会的費用 な ど様 々な項 目が あ る。従 って,これ ら個 々 の項 目を正確 に推計 し

,費

用 の全体像 を把握す るこ とが必要 となる。個 々の項 目か ら構成 され る費用 の 全体像 は フル コス ト(fun cOst)と呼 ばれてい る。交通 モー ドに関す る投資

,運

営 を行 うに際 して

,フ

ル コ ス トを正確 に把握す ることな しに効率性 を達成す る ことはで きない。 とンか しなが ら

,各

交通モー ドの フ ル コス トに関す る研 究が欧米 で精力 的 に行 われてい るの に対 し

,我

が国では これ まで十分 にな されてい る とは言 えない

.こ

のため

,我

が 国 にお け る各 モー ドの フル コス トを推計 し

,そ

の実態 を明 らか にす る こ とが まず求め られ る。 フル コス トの分析 に当たつては

,推

計 の対象 とな るモー ドが属す る国や地域 の特性 と費用 が密接不可 分 であ るこ とに留意 を要す る。地形 条件 や社 会的条 件 は もちろんの こと

,外

部性 や規模 の経 済性

,範

囲 の経済性

,補

助金 な どの制度 が費用 に影響 を及 ぼす こ とは容易 に理解 され よう。 これ らは各 々の国

,地

域 における費用構造 を特徴づ ける要 因で あ り

,そ

れ らを明 らか にす ることは効率 的 なモ ー ドを選択す る 上 で特 に重要である。 なぜ な ら

,限

界 費用 の低 い交 通 モー ドの選択が効率 か否 か は

,短

期 的 な観点か ら そ うであった と して も

,長

期 的な観 点 か らはそれ ら の要 因が引 き続 き肯定的に保証 され るか どうか に依 存 す るためである。 以上 の問題意識 の下

,本

研 究で は

,我

が 国 におけ る都市 間高速交通モー ドと して高速 道路,高速鉄道, 航空 を対象 とし,フル コス トの推計 を行 う。さらに, 我が国 と地域特性 の異 なるアメ リカの カ リフォルニ ア を対 象 と して フル コス トを推計 した研 究[1]を取

(2)

り上 げ

,そ

こでの推計結果 と我が国でのそれを比較 す る。 また

,各

々の費用構造の特徴 を明 らかに した 上で我が国 とカ リフォルニ アでの費用構造の差異 を 特徴づ ける要 因 について考 察 を加 える。 なお

,フ

ル コス トの比較 を行 うに当たっては双方の地域 におけ る推計方法 を統一する必要がある。 このため本研究 では

,カ

リフォルニアの フル コス ト推計 において用 い られた方法 を用いることとし

,方

法 その もの につ いての議論 は取 り上げない こととす る。 2ロ フル コス ト分析 の枠組 み

2. 1

フル コス ト分析 の 目的 交通 モ ー ドの フル コス ト分析 を対 象 と した研 究 はそれぞれ異 なった目的の下で実施 されているが, Greene tt αと[2]が示す ようにそれ らの 目的 は大 き く 分 けて以下 に示す動機 に基づ く. ―経済的効率性の改善 一代替案の比較 ―公正性

,公

平性 の評価 一つ 目の 目的は

,社

会的 な効率性 の最大化 の追求 に関す る ものであ り

,多

くの場合

,限

界外部費用 を 内部化す ることで達成 され る。二つ 目は

,複

数存在 す る交通モー ド代 替案の比較 を行 い

,そ

れぞれの費 用構造の実態 を明 らか にす る ものである。三つ 目は, ある交通モー ドを導入 した場合 に

,誰

が費用 を負担 し

,誰

が受益 す るのが社会 的 に適切 であるか に関心 がある。 これ ら全 ての 目的は

,最

終 的 には交通モー ドヘの投資 の妥当性評価やモー ドの運営 に当たって の課税や補助金 などのプライシングの設計 に通 じる ものである。

2. 2フ

ル コス トの分類 フル コス トの分類 は,研究 の 目的 に よって異 なる。 大 まか な分 類 との 断 りの下 ,Quinet[3]は 私 的費用 (priVate cOst),(料金 によってカバ ー され ない

)イ

フラ費用(iniattucture cost),外部費用(exttrnal cost)

によって フル コス トが構成 されてい る としてお り, 後者二 つの和 を「利用者 に よって負担 され ない」 と い う意味 で社 会 的費用(social COSt)と 呼 んで い る。 Delucchi[4〕は

,別

の二つの分類 を示 している。一つ の分類 は

,誰

が費用 を負担す るか による もので

,私

的セ クター

,公

共セ クターのいずれが負担す るか に 着 目 した ものである。 もう一つは

,金

銭換算可能性 表

1フ

ルコス トの分類

,項

目費用[1] に着 目 した ものであ り

,可

能 な費用(型onetary cost) と不可能 な費用(nOn_mOnetary cost)に 分類 してい る. 本研 究 では

,カ

リフ ォルニ アの フル コス トの推計 に用 い られた方法 をベ ース に我が 国のそれ を推計す るため

,フ

ル コス トの分類 はカリフォルニ アのフル コス トを推計 したLevinson,α′.[1]の研 究で用 い ら れた分類 によることとす る。表1にその分類 を示す。 なお

,以

後 は Levinson″ α′,に倣 い

,利

用者混雑費用 と社会的費用 の和 を「タト部費用(external cost)」 ,イ ン フラ費用 と事業者費用

,利

用者費用

,利

用者時間費 用 の和 を「私 的費用(private cOst)」 と呼ぶ。 ただ し, サー ビスの供給者 と利 用者 に費用 が負担 されている 費用 を「私 的」費用 としている。 3ロ フル コス トの推計

3. 1フ

ル コス トの推計方法 先述 の ように

,本

研 究 では Levinsonす α′.によるフ ル コス トの推計方法 を用 い る。その内容 についての 詳細 は原論文 に譲 る ことと し

,こ

こで は概略のみ簡 単 に述べ る。 なお

,フ

ル コス トはs/人キ ロを単位 と して計測す る。 費用 の項 目 内 容 イ ンフ ラ費用 Infl・astructure costs 資本 の建設費用

,公

債 の返済費用 維持管理費用 事業者費用 Carier costs ―車両等 の購入 に要す る資本費用 ―車両等 の維持管理

,運

転費用 (イ ンフラ整備 に移転 されるもの を 除 く) 利用者費用 User money costs ‐料金 ―車両 の購入費用,車 両 の維持管理, 運転 に要す る金銭 的 な費用 (イ ンフラ整備,サー ビスの運営者 に 移転 され る もの及 び保 険 を除 く) 利 用 者 時 間 費 用 User travel time

Costs 混雑 していない状 況下で費やす時 間に時間価値 を乗 じた もの 利 用 者 混 雑 費 用 User congestion Costs (混雑 してい る状 況下で費やす時 間―混 雑 して い ない状 況 にお い て 費やす時 間

)に

時 間価値 を乗 じた もの 社会的費用 Social costs 一人気汚染 ―事故 ―騒音

(3)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 33号 51

(1)高

速道路

(i)イ

ンフラ費用 インフラ費用 は

,資

,労

,維

持管理費用 か ら 構成 され る長期支出に よって計測 され る(注

1).最

小二乗法 に よ リクロスセクシ ヨンデー タを用 いて長 期支出

(LRTE)を

次式の ように回帰す る。ただ し α。 ∼α6はパ ラメーターであ り,こ れ らの値 を推計 す る。

LRTE=α

O×Pkα lxPlコ2× Pm'3×Ч仏“4×Yc・5×Ys'6 (1) 変数 は以下 の通 りである。

Pk:資

本 の価格 (=Moody's Bond Ratingによる利子

率)

Pl労

働 の価格 (=政府労働者 の平均賃金率)($)

Pmi建

設資 材 費 (=建設資 材 費 の物価 指 数

=涯

コ ンク リー トの価格 (3/cuyd)を 国の平均 価 格 で 除 し た もの)

Yal乗

用車 (=台マイル/年 )(milliOns)

Yc:シ

ング ルユ ニ ッ ト トラ ツ ク (=台マ イ ル/年) (mlll10ns)

Ysiコ

ン ビ ネ ー シ ョン トラ ッ ク (=台マ イ ル/年) (milliOns) この回帰式では

,人

キ ロ当 た りの平均費用 を一意 に導出す る ことがで きない。 このため

,付

加 的費用 (inCrementЛ cost)を もって平均 費用 とす る。乗用車 に 関す る付加 的費用 (LRICa)イ よ次式で求 め られ る。 LRICa=(E(Ya)'4_1,4)(za)/E(W仏 )($/Vkt) (2)

(Vkt=Vehicle―kilometer―traveled)

ここに

, Zaは

α。乗Pk'1×Pl'2×Pmコ3×Yc α5×Ys'6 を各

デー タの平均 で評価 した値,E(Ya)は 恥 の平均値 で

ある。

乗用 車1台当た り1,5人の旅客 を仮定 し

,人

キ ロ

(paSSenger―kilomettr―笠aveled,以 後pktと略す)当た り の付加 的費用 を求める。 (市

)利

用 者 費用

,利

用者 時間費用 利用者費用 は

,燃

料費

,タ

イヤの摩耗費

,減

価償 却費 な どの関数 として与 える。この関数 を推計 しpkt で除す ことによ り求める

.利

用者時 間費用 は

,時

間 価値 を平均走行速度 で除す こ とで求め る, (田

)外

部 費用 混雑

:マ

イル当 た りの 1台の時 間遅 れ (単位 :分)

(Thd)は HCM(Highway Capacity Manual)[5]に よ り,次

式 で与 え られ る。 Thd=0.54× (QI1/QhO)1°

(3)

ここに

,Qh:単

位 時間当た りの フロー (台/h),QhO: 単位 時 間当た りの容量 (台/h)であ る。 これに時 間価 値 を乗 じることで費用が算定 され る。 事故

:事

故 に よる損失 は生命 の価値

,財

産 の損失, 傷害 に よる損失 な どである

.事

故 の損失額 に事故率 を乗 じて平均事故費用 を推計 す る。 騒音

:以

下 に示 す簡便 な平均 費用 の算 出式 を用 いて 推計 す る。 NC=fD×fH× fC×(-0.018+0.00281n(Qh)) (4) ここに

,D:住

宅 の密度

,田

:住

宅の価格

,fC:デ

ン ベルデフレー ター(デシベ ル当た りの費用)である。 ただ し

,こ

れ らの変数 はそれぞれ住 宅密度が360(戸 蜘 ′‰.2),住 宅 の価値 が$250,000,デ シベルデ フレー ターが 0,0062の 場合 に 1に 基準化 されるよう設定 さ れてい る。 大気汚染

:大

気 汚染の費用 は

,地

域への影響分 と温 室効果 ガス な どの地球へ の影響分 の双方がある。大 気汚染物質の排 出量 に汚染物質 に よる被害 の費用 を 乗 じるこ とで

,費

用 を推計 す る。

(2)高

速鉄 道

(i)イ

ンフラ費用 土木構造物 や建 築物,線路,電力施設,信号系統, 鉄道用地 とい つた資本費用 の和 をインフラ費用 と し, その機会費用 をpktで除 して求 め る。ただ し

,資

本 の機会費用 を年 当た り7.5%と 仮定す る. (市

)事

業者 費用 事業者費用 は2つの要素か ら構成 されている。一 つ は運営費用である。運営費用 を販売費用

,管

理費 用

,入

れ替 え(shunting)費用

,車

両運転費用

,保

線 ・ 設備管理費用,燃料費用 の和 と して与 え,pktで除す ことに よ り推計 す る。 もう一つ は資本費用であ り, 車両 とい つた資本 の機会費用 をpktで除す ことによ り推計す る。 (百

)利

用者 費用

.利

用者 時間 費用 利用者 に関す る費用 は時 間費用 のみであ る。時 間 費用 は

,時

間価値 を平均運転速度 で除 して求め る。 (

)外

部 費用 高速鉄道 は電気 を動力源 としてい るため

,大

気汚

(4)

染は電力供給セタターの費用 と仮定すると

,高

速鉄

o,ooo8と

している.1フ ライ ト当た りの旅客数 をloo, 道に起 因する大気汚染は無視できる

.ま

,こ

れ ま

一回の事故当た りの死亡者数を13と仮定 し,生命の での運転実績か ら大 きな事故や混雑 も生 じていない

価値 を$2.4(milliOn)と して事故費用 を推計する。 とし

,こ

れ らの費用 を無視する。従 って

,騒

音のみ

騒音

:騒

音費用 の評価は

,別

途の研究報告[7],[8]を が推計すべ き外部費用 となる

.

用いる, 騒音 :200ぃ耐h)で走行 した場合における騒音による

大気汚染

:高

速道路の場合 と同様 に推計する. 平均費用(SNAC)を 次式で推計する。

3. 2カ

リフォルニアにお けるフル コス トの推計 SNAC=0.0050-0.00151n(Qt) (5) 以下では用い られたデータ等に関する概略のみ述 ここに

,Qtは

1時 間当た りの鉄道サービスの本数で

べ る。 ある。

(1)高

速道路

(3)航

(i)イ

ンフラ費用

(i)イ

ンフラ費用

最小二乗法によ り

,各

州のクロスセ クシ ョンデー 航空におけるインフラ費用は

,管

制塔の施設整備

夕を用 いて長期支出(LRTE)を 次式 の よ うに回帰 し 費や レーダーコン トロールシステムの費用 などか ら

ている。 構成 される航空路(aitway intattucture)整備費用 と,

空港整備費用(airpOrt iniasttucture costs)か ら構成 さ

LRTE=79221×

Pk1 83×P10786×PmOll°492

れる。航空路整備費用は

,そ

の要素費用 を加算 し

,

×Ya°439×Yc0 225× Ys°

179(7)

pktで除す ことによ り推計 される。空港整備費用は空 港利用客数 などの関数 として回帰分析 を行 い

,pkt (市

)利

用者費用

.利

用者時間費用 で除 して推計 される。

平 均 走 行 速 度 を loo(kIIVh), 時 間 価 値 を 10($/h/person)と して与えている。

(1)事

業者費用 事業者費用は

,資

本の費用 (航空機の購入に要す

(百 )外

部費用 る費用

)と

運営費用か ら構成 される。運営費用は

,

混雑

:Qhを

1,500(台/h)と し

,QhOを

2,000(台/11)と し 運航費用

,維

持管理費用 に減価償却費

,負

債の償却

て与えている。 費の和である。この費用 を旅客数や pkt当 た りの収

騒音

:D:住

宅の密度

,aI:住

宅の価格

,fC:デ

シベ 益等の変数で回帰することにより推計する。資本費

ルデフレーターをそれぞれ360(戸数次II12),s250,000, 用は機会費用 をpktで除す ことにより推計 される

. o.oo62と

して与えている。 (百

)利

用者費用

.利

用者時間費用

(2)高

速鉄道 高速鉄道 と同様 に

,利

用者 に関する費用は時間費 用のみである。時間価値 を平均飛行速度で除 して時

カリフォルニアでは高速鉄道が不在 のため

,フ

ラ 間費用 を求めることができる。

ンスの

TGVを

導入することを仮定 して費用 を推計 している。 (

)外

部費用 混雑

:1航

空機当た りの平均遅れ (単位 :分

)(Tat) (i)イ

ンフラ費用

を表す関数 を次式のように与えている161。

現 在 導 入 が 検 討 され て い る Los Angeles―San Francisco High Speed Lineにおけるインフラ費用 を 駒t=0,19+2.33×(Q〃

QaO)6 (6)

推計 し

,pktで

除 して求めている。

ここに

,Qa実

現 している年間当た りの空港容量

, (m)事

業者費用

Qao:年

間当た りの空港サービス容量である。これに

運営費用は, ヨーロッパの高速鉄道 についての研

時 間 価 値 を乗 じ る こ と で 費 用 が 算 定 され る 。

INRETSANTRAPLAN〔

9]の デ ー タ を 用 い て 費 用 を

(5)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 33号 53 (面

)利

用者費用

,利

用者 時間費用 平 均 運 転 速 度 を

234(ktth),時

間 価 値 を 10(S/Vperson)と して与 えてい る。 (

)外

部費用 騒音

:1時

間に

5本

のサー ビス を仮定 している.

(3)航

(i)イ

ンフラ費用 空港整備費用 はGolaszewski[10]の 研 究結果 を引用 している. (市

)利

用者 費用

I利

用者 時間費用 平 均 飛 行 速 度 を 877(kII1/h),時 間 価 値 を 10($/11/person)と して与 えている。

(3)外

部費用 混雑

:Qa及

QaOは

公表 されてお らず

,そ

の値 は 不 明である。

3. 3日

本 にお ける フル コス トの推計 上記 の推計 方法 を用 いて

,我

が国の都市 間交通の フル コス トを導 出す る (注

2).な

お,為替 レー トを 120(ycl1/$),時間価値 をlo($/1a/person)と 仮定す る。

(1)高

速道路 日本 道路公 団が管 理 す る高 速 道路 を対象 に推計 す る。

(i)イ

ンフラ費用 入手可能 なデー タの制約 に よ り

,説

明変数 と して 全 ての車合計 の年 間台キロのみ しか得 ることがで き ない。 このため

,乗

用車

,シ

ングルユニ ッ トトラ ッ ク

,コ

ンビネーシ ョン トラ ツクを説明変数 として回 帰 しえない

.各

県 の クロスセ クシ ヨンデー タ[11]を 用 いて回帰 した結果が次式 である

.Yは

全ての車 に ついての輸送量 (=台マ イル/年)(mmions)である. LRTE=4.928×Y0582 (8) 相 関係数 は 0.634で あ り

,定

数 と変数

Yの

係数 の t値は ともに3%の水準 で有意であ る (表

2参

照). 付加 的費用(LRIc)は 次式 の ように推計 され る。 ここ に E(Y)は

Yの

平均値 である。 表

2回

帰の結果

(高

速道路

,イ

ンフラ費用) *:有 意水準 ※両対数による回帰 を行 った. 表

3新

幹線のインフラ費用

*:総

費用及 び pktは,新幹線サー ビス を担 つてい る

JR東

日本

,JR東

,JR西

日本 を対象 と して導 出 し ている。 表

5回

帰の結果 (高速鉄道

,事

業者費用) ※ 事 業 者 費 用 の対 数 を被 説 明変 数 と して 回帰 を行 つた LRIC=4928(E(Y)0582_10582)/E(Y)=0.2461(3/vkt) (9)

1台

の車 に 1.5人の旅 客 を仮定 す る と

,付

加 的費 用 は0.1640($/pkt)と 推計 され る。 回帰変量 椎計 され た係数 標準誤 差 t値 定 数 1595 0.709 2.250(3%*) 変数, 台マ イル 0.582 0.106 5.506(1%) 線 (開通年) 費用 (milliOn 3) デ フ レー ター* (1993年 をloo) 費用(1993 年価値 ) 東 海道 (1964) 2,750 23.3 11,803 山 陽 (1975) 7,583 55。8 13,590 房こ】ヒ (1982) 22,167 85.0 26,079 上 越 (1982) 13,583 85,0 15,980

*建

設工事 デ フレー ター[21]

4新

幹線の事業者費用 年 総 費 用 * (milliO― n3) 新 幹 線 のpkt (milliOn) 在 来 線 を 含 め た pkt*, (milliOn) 新 幹 線 の 費用 (milliOns) 旅客数 (milliOn) 26,250 74.221 231,774 8,406 275,104 92 24,508 73,061 232,110 7,714 276,531 93 24,871 72.563 234,555 7.694 275.855 94 24,898 68,248 230,040 7,387 262,985 95 25,121 70,827 233,591 7,617 275,900 回帰変量 推計 された 係数 標準誤差 t値 定 数 7717

0476

16.23(1%) 変数,旅 客数 1,73E-05 6.62E-06 2.607(8%)

(6)

(市

)利

用者費用ヵ 利用者時間費用 利用者の維持管理費用 は,車両 の購 入費,燃料 費, 4雰理費 などの関数である

.総

務庁 に よる と

,こ

れ ら の要素費用 に関す る

1世

帯 当た りの全支 出は$1,315 と報告 されてい る[12].日 本の世帯数 は43,077(千世 帯)[13]であ り

,年

間当た りの pktは 889,900(milliOn pkt)[14]であ る ことか ら

,平

均 費用 は 0.0637($/pkt) と推 計 され る 。 ま た

,時

間 費 用 は

,時

間 価 値 (10$/h/person)を 法 定最高速度 の 100(ka1/h)で 除す こ とによ り,o.1000(3/pkt)と 推計 され る。 (田

)外

部費用 混 雑

:建

設 省 に よ る と

,我

が 国 の平 均 交 通 量 は 1576.5(台/h)であ る[14]。 道路構造令 で は

,二

車線 道 路 に お け る一 車 線 一 時 間 当 た りの 交 通 容 量 を 2,500(台れ)と定 めてい る。式(3)に よ り

,混

雑費用 は 0.0008($/pkt)と 推計 され る。

事故:IRF(International Road Federation)の調査 に よる と

,pkt当

た りの事故件数 はアメ リカの 1.66倍 であ る[15].事故 当 た りの損失額 が カ リフ ォルニ ア と等 しい とす る と

,事

故費用 は 0,0332(S/pkり と推計 され る。 騒音

:式

(4)を用 いて騒音費用 を推計 す る。住宅戸数 [16]を可住 地面積[17]で割 った値 を住 宅密度 と して 与 える。す る と,住 宅密度 は366.5(戸数火m2)と なる。 住宅の価値 に関す る適切 なデー タが入手 で きなか っ たため

,政

府 の 目標 である「年収 の

5倍

」 を基準 と す る。平均 の年収が 57($1,000)[18]で あ ることか ら 平均 の住 宅の価値 は285($1,000)と なる。デシベ ルデ フレーターの値 をカリフォルニア と同様 に設定 し,

Qhを

カ リフォルニア と同 じ6,000(台/h)とす る と, 騒音 の費用 は0.0074(3/pkt)と なる。 大気汚染

:森

杉 ら[19]は

,我

が国 にお ける排 出係 数 を推計 してい る。 この係数 は

,ガ

ソ リン乗用車 を対 象 としてい るこ とに留意が必要であ る。

Soxに

関す る排 出係数が対象外 となっているため

,カ

リフ ォル ニアで用 い られた係数で代用す る。す ると

,我

が国 における大気汚染 による費用 は 0.0019(s/pkt)と 推計 され る.

(2)高

速鉄 道 1993年以前 に開業 した新幹線 を対象 とす る。

(1)イ

ンフラ費用 新幹線 の資本 の建設費用[20](表

3参

)を

pkt で割 るこ とでpkt当た りの平均 イ ンフラ費用 を導出 す る。1993年度 における pktは,68,248(milliOn pkt) である[20].資本 の機会費用 を年 当た り7.5%と す る と

,イ

ンフラ費用 は 0.0741(S/pkt)と 推計 される

.な

,資

本 の維持 管理費 は不 明であ るため

,推

計 の対 象外 と した。 (

)事

業者 費用 事 業者費用 は運輸省 の統計[20]に よ り入手可能で ある ものの

,そ

れ を運営費用

,資

本費用 に分解 で き ない。 また

,新

幹線 のみ を対象 と した費用 も入手不 可能である。そ こで

,在

来線 を含 め た全 ての営業線 の総事業者費用 に(全ての営業線 でのpkt/新幹線 の pkt)を 乗 じるこ とで

,新

幹線 についての事業者費用 を求め る。時系列 デー タ(表4)を 用 いて輸送量(pkt) に対す る事業者費用 の関数 を推計 す る。回帰の結果 を表

5に

示す。相 関係 数 は0.833であ り

,定

数 の t 値 は有意水準

1%,変

数 のそれは

8%で

ある。以上 よ り

,事

業者費用 は0.1083(S/pkt)と なる。 (コ

)利

用者 費用

.利

用者 時間費用 利用者 に関す る費用 は時 間費用 のみである。時 間 価値(10$/h/pttson)を 平均 運転速度(220kIIVh)[22]で 除 す ことに よ り,0,0454($/pkt)と 推計 され る。 (

)外

部費用 騒音

:式

(5)を用 いて騒音 の平均費用 を求める

.時

刻 表[22]に よ り

,1時

間当た りの新 幹線 の本数 と して H.72を与 える と

,騒

音 の費用 は0.0013(S/pkt)と 推計 され る。

(3)航

(i)イ

ンフラ費用 デー タ制約 に よ り

,イ

ンフラ費用[23]を航空路整 備費用 と空港整備費用 に分類 しえなか った。 このた め

,イ

ンフラ費用全体 を旅客数で回帰す ることで費 用 を算 出す る。その際

,全

費用 の うち国内都市 間の 路線 にのみ帰すべ き費用が不 明で あるため

,本

研 究 では全費用 に (国内路線 の フライ ト数

/全

フライ ト 数)を乗 じてそれ を求 め る (表

6参

照).イ ンフラ費 用 は

5年

間のデー タを用 いて回帰す る。その結果, 相 関係数 は 0,688で あ り

,t値

が悪 く

,低

い有意水準 にとどまった (表 7)。 国内路線 の イ ンフラ費用 は, 0.0527($/pkt)と 推計 され る。 (市

)事

業者 費用 事業者費用 には

,資

本費用

,運

営費用 があるが, 我が 国で公表 され てい るデー タ[24]からこれ ら二つ の費用 の和 は把握 で きる ものの

,個

々 に分解で きな い。 また

,国

内路線 のみ に関す る費用 も明 らかでは

(7)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 33号 55 ない. そ こで

,本

研究では

,全

費用 に (国内路線 の フラ イ ト時 間

/国

,国

内路線 の フライ ト時間

)を

乗 じ る こ とで国内路線 に帰 すべ き事 業 者 費 用 を求 め る (表

8).次

いで,この費用 を旅客数で回帰す る。推 計 された1993年の費用 をその年の輸送量 (pkt)で 除す ことによ り

,事

業者費用 を導 出す る。表9は回 帰の結果 を示 している。相 関係数 は 0.984と 良好 で あ り

,定

数及 び変数のt値も有意水準1°/oと なって いる。以上 よ り

,事

業者費用 は,0.1614($/pkOと 推 計 され る. (由

)利

用者 費用

,利

用者 時間費用 時 間価 値(103/1a/person)を 平 均 航 行 速 度(560kll1/h) で除す ことによ り,0.0179(S/pkt)と 推計 される

,平

均航行速度 は

,全

飛行距離 を全飛行 時 間で割 ること で求め る[24]. (

)外

部費用 混雑

:混

雑 に関す るデー タは入手不可能であつた。 この た め

,カ

リフ ォルニ アでの推 計 結 果 と同 じ, 0.0017($/pkt)を 仮定す る。 事故

:カ

リフォルニ ア と日本 の間で事故率等 につい て大差 はない と考 え

,カ

リフ ォルニ アの推計結果 と 同 じ0,0004($/pkt)を 仮定す る。 *:国内路線 の フライ ト数

/国

際路線

,国

内路線

,貨

物路線 の フライ ト数 ※ 国内の航空企業 として

,JAL(日

本航空

),ANA

(全日空

),JAS(日

本 エ アシス テム

)を

対象 と した。 ※イ ンフラ費用の対数 を被説明変数 として回帰 を行 った。 *:国内路線 の フライ ト時間

/国

,国内路線 の フラ イ ト時 間 表

9回

帰 の結果 (航空

,事

業者費用) ※燃料費 の対 数 を説 明変数 と して回帰 を行 った。 騒音:Lev son ιチ9′.が参照 した別途 の調査 結果 の値 を用 い,0,0043($/pkt)を仮定 した。 大気汚染

:大

気汚染 の費用が燃料支 出に比例す る と い う考 え方 に基づいて推計す る。 まず年 間当た りの 飛行距離[24](Da,thousand km)を 年 間当た りの燃料 費[24](Cg,million 3)で 回帰す る。その結果

,以

下 の 回帰式が得 られ る。 Cg=-6,957+6391■ (Da) (10) 相 関係 数 は0,981と 良好 であ り,表 10に示す よう に定数

,変

数 の t値 も有意水準1%となってい る。こ の回帰式 を用 いた結果

,ア

メ リカの燃料支 出は 19.1 (thOuSand$), 日本 のそれは37.8(thouSand$)と なる。 表

8国

内路線の事業者費用 年 航空 会社 費   11 働 総 用 くi i 率 レ し ト ナ   * 国内線 の費用 旅 客 数 (milll― onⅢ pkt (milliO― n) 91

JAL

8,811

0236

8,326 62.76 53,201

ANA

5,663 0,781 JAS 1,892 0,964 92

JAL

8,403 0,242 8,481 63.06 51,994

ANA

5,868 0,768 JAS 2,017 0.962 93

JAL

7,795 0.256 8,375 62.46 51,852

ANA

5,667 0,784 JAS 2,011 0,963 94

JAL

8,010 0.266 8,694 66.64 55,242

ANA

5,768 0,794 JAS 2,041 0,972 95

JAL

8,415 0,270 8,952 70,12 55,832

ANA

5,989 0,761 JAS 2,150

0987

回帰変量 推計 され た係数 標 準誤 差 t値 定 数 3,601 518.689 6.943(1%) 変数

,旅

客数 76.34 7.970 9.578(1%) 表

6国

内路線のインフラ費用 年 総費用 (milliOn S) 率 レ し ぃ ナ * 国 内 線 の費用 旅客数 (milliOn) pkt (mllliOn) 91 3.932 0.664 2,611 62.76 53,201 つ 々 ∩ ン 4.200 0.656 2,755 63.06 51,994 93 4,407 0.660 2,909 62.46 51,852 94 4,258 0.657 2,798 66.64 55,242 95 4,570 0.670 3,062 70.12 55,832 表

10航

空 の燃料費 に関す る回帰 の結果 回帰変量 推計 された 係 数 標準誤差 t値 定 数 -6,957 480,47 -14.48(1%) 変数,燃料費 639 39.80 16.05(1%) 表

7回

帰の結果 (航空

,イ

ンフラ費用) 回帰変量 推計 され た係数 標準誤差 t値 定 数 7.140 0.492 14.89(1%) 変数,旅 客数

0012

0,008 1.640(20%)

(8)

これにより,日本 における大気汚染 は0.00172(S/pkt) (=0,0009× 37.8/191)と 推計 され る. 表

12日

本 におけるフルコス ト推計結果 図

1ア

メ リカ と日本 の交通機関分担 8040 S030 S020 8010 $0(,0 中 図2 図

3日

本 におけるフル コス ト推計結果

4.フ

ル コス トの比較

4.1カ

リフォルニア と日本 の交通機 関分担 フル コス トの比較 に先立 って

,カ

リフ ォルニ ア と 我が国の交通機 関分担率 を比べ てみ よう(図 1参照) [15].デー タ制約 によ り

,分

析対象 で あ るカ リフォ ルニ アのデー タに代用 してアメ リカ全上 のデー タ, 都市 間高速交通 のデー タの代用 と して全 ての交通 の デー タを用 い るが

,大

まか な傾 向は把 握 で きるであ ろ う。 日本 では

,鉄

道の機 関分担率 が比較 的高 く, カ リフ ォルエアでは航空の分担率が比較 的高い こと が分 か る。 これ ら双方の地域 での交通機 関分担 の差 異が フル コス トによって説 明 され うるかが一つの関 ′、となる。 4日

2カ

リフォルニアにお ける フル コス ト カ リフ ォルニ アにお ける pkt当 た りの フルコス ト を表 11,図 2に示す。カ リフ ォルニ アでは

,航

空 の フル コス トが0.1315($/pkt)で あ り

,他

の二 つのモ ー ドよ りも著 しくフル コス トが小 さい

.ま

,高

速鉄 道の フル コス トは

,全

てのモー ドの 中で最 も大 きな 結果 となってい る

.フ

ルコス トを構成 す る個別の項 目費用 について見 る と

,イ

ンフラ費用 は高速鉄道の それが最 も大 き くなってい る。 これ は

,鉄

道 は営業 線沿いの限 られ た地点 にのみサ ー ビス を提供 しうる のに対 し

,高

速道路 や航空では広 範 に提供 しうるこ とが一因 と して挙 げ られている[1].私 白1費 用 は多額 の資本費用 に起 因 して高速鉄道のそれが全 てのモー ドの中で最大 となっている。値 を比較す ると

,表

H

よ り航 空 で$o,124,高速鉄 道 で$0.233,高速 道路 で 80.198と なってい る。 この ように

,外

部費用 を無視 す る と

,高

速鉄 道の費用 は航空 の三倍 に もなってい る。 しか し

,高

速鉄道の外部費用 は他 の どのモ ー ド よ りもガヽさ くなってい るとい う特徴が あ る。 フル コ ス トにお ける外 部費用の割合 は

,高

速鉄 道 で 1%, 航空 で

6%,高

速道路 では他 のモー ドよ りも比較 的 大 き く14%となってい る。 表 11カ リフォルニアにおけるフルコス ト推計結果 費用 の項 目 航 空 高速鉄道 高速道路 インフラ費用 30,0182 30.1290 $00120 事業者費用 : 資本費用 $0.0606 30,0100 SO.0000 事業者費用 : 運営費用 SO.0340 $0.0500 $0.0000 外部費用 :事 故 $0.0004 $0,0000 SO.0200 外部費用 :混雑 $0.0017 $0,0000 $00046 外部費用 :騒音 $0.0043 SO.0025 $0,0045 外部費用:大気汚染 $0.0009 SO.0000 SO.0031 利用者費用 $0,0000 SO.0000 $0,0860 利用者時間費用 $0.0114 SO.0440 80,1000 合計 $0,1315 SO.2355 $0,2302 費用の項 目 航 空 高速鉄道 高速道路 インフラ費用 30.0527 $0.0741 80,1640 事業者費用 : 資本費用 $0,1614 $0.1083 30.0000 事業者費用 : 運営費用 $0.0000 外部費用 :事故 30.0004 30.0000 $0.0332 外部費用:混雑 30.0017 $0,0000 $0,0008 外部費用:騒音 30.0043 $0.0013 80.0074 外部費用:大気汚染 $0.0017 $0.0000 $0.0019 利用者費用 $0.0000 $0,0000 30,0637 利用者時間費用 30.0179 $0.0454 $0.1000 合 計 30.2437 30,2291 30,3710 uS(1992) 」apan(1999) 1001t $040 $030 S020 S010 3000 部費用 用者費用 事 業 者費用 饉 航空 高 速鉄 道 高速 道路 インフラ カ リフォルニ アにお ける推計結果

(9)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 33号 57

4. 3日

本 の フル コス ト 我が国にお ける pkt当 た りの フルコス トの結果 を 表12,図 3に示す

.我

が 国においては

,高

速鉄道 の フル コス トが他 のモー ドよ りも小 さい との結果 を得 ている

.各

項 目費用 について見 る と

,イ

ンフラ費用 では高速道路 のそれが最大 となってい る

.そ

の原 因 としては

,密

集 した都市部や山岳地帯 な ど費用 が割 高 になる区域 を通過す る割合が全路線延長 に対 して 比較 的大 きいため と考 え られる。私 的費用 について 見 る と

,表

12よ り航空 のそれが $0.232,高速鉄 道 では$0.228,高速道路 で は30.328と なってお り

,高

速鉄道 と航空 のそれが ほぼ等 しい との結果 となって いる。外部費用 では

,高

速鉄道のそれが他 のモ ー ド のそれ よ りも小 さ くなっている。 これはカ リフ ォル ニアと同様 の結果である。 フルコス トにおける外部 費用 の割合 は

,高

速鉄 道 においては

1%,航

空 で は

3%,高

速道路 では 12%と なっている。

4. 4日

本 とカ リフォル ニアでの フル コス ト比較 高速鉄道以外 のモー ドでは

,日

本 におけるフル コ ス トはカ リフ ォルニ アのそれ よ りも大 きい。この結 果 は

,1993年

の購 買力平価 の下で も成立す る.この 年での購買力平価 は184(yen/$)であるため[25],こ の レー トで我が国の フルコス トを再計算す ると

,高

速 道路 で$0.242,高 速鉄道で

S0149,航

空で$0,159と な る。 また

,為

替 レー トを loo(yen/$)と す る と

,高

速 鉄道の フル コス トが$0,275と な り

,全

てのモー ドの フル コス トが カ リフォルニアのそれ よ りも大 き くな る。費用の項 目について見れば

,特

,イ

ンフラ費 用 と事 業者費用 が大 き くなってい る

,こ

れは

,用

地 買収や労務費

,建

設材料費 な ど双方の地域 での社 会 的条件が異 なるため と考 え られ る。 日本 にお ける高速道路 のイ ンフラ費用 は

,カ

リフ ォルニ アのそれ よ りも著 しく大 きい。 これは先述 に もあるが

,我

が 国 において都市部 では人口が密集 し た空 間 に

,地

方部で は山岳地帯 に高速道路 を建設せ ざるを得 ないため

,高

度 な技術 を要す る部分 や長大 トンネル

,長

大橋 な どを多 く建設せ ざるを得 ない こ とが原 因 と考 え られ る。加 えて

,地

震 などの防災対 策

,自

然環境 や生活環境 な どへの措置が求め られ る など

,費

用 を押 し上 げる要 因が多 い ことも挙 げ られ る。航空 の インフラ費用 について も

,我

が国のそれ はカ リフ ォルエ アのそれ よ りも大 きい。 これは

,我

が国の空港 が海上 の埋 め立 て地 に建設 され るこ とが あることか らも分 か るように

,用

地造成 に要す る費 用が必要 とな りうることも一因 と考 え られ る. カ リフ ォルニ ア にお い て は

,全

ての モ ー ドの 中で 航 空 の フル コス トが最 も小 さ くな って い るが

,我

が 国 においてはそ うでは ない。その原 因の一つ として, 密度の経 済の違 いが考 え られる

.ア

メ リカでは比較 的以前 か ら航空産業が台頭 し

,旺

盛 な需要 の下で密 度 の経済 を活か して産業が発展 して きた経緯があろ う。実際

,密

度 の経済 を表 しうる指標 の一つ と して 搭乗率 を見 る と

,ア

メ リカのそれが65∼70%であ る の に対 し,日 本のそれは60%に とどまっている[24]. 従 って,pkt当た りの費用 は,よ り多 くの旅客 に分散 されてい るアメ リカの方が有利 となる。 また

,範

囲 の経済性 の違 い も考 え られ る。す なわち

,ア

メ リカ では軍事部 門での研 究 開発成果が航空産業 に活 か さ れてい ることが指摘 で きよう。 カ リフ ォルニ アでは

,高

速鉄道 の フル コス トが高 く

,我

が国のそれは小 さい。 この違 い は

,両

地域の 歴史的 な背景の差異 にある と考 え られ る。 アメ リカ で はモー タリゼーシ ヨンの進展 に伴 い

,比

較 的古 く か ら鉄道が衰退 してい つたの に対 し

,我

が 国では, 近年では以前 ほ どではないが

,鉄

道の導入が積極的 に図 られ

,新

幹線の整備 も優先 的 に行 われて きた。 このため

,高

速鉄道の建設 に際 して在 来線 の駅舎の 共用や建設技術 の融通が可能であ るな ど

,規

模 の経 済性が働 いていると考 え られ る。 以上 の ようなフルコス トの結果 と図1に示 した交 通機 関分担 の図 を比較 してみ る と

,フ

ル コス トの差 異 に見 られ る特徴が

,交

通機 関分担 の違 い に見 られ る特徴 に反映 されているよ うであ る。す なわち

,ア

メ リカで は フル コス トの最 も小 さい航 空 の分担率が 比較的高 く

,我

が国においては フル コス トの最 も小 さい鉄道 の分担率が比較 的高い

.図

1は本研 究での 分析結果 と比較す るに必ず しも十分妥 当 なデー タで はない ことに留意 を要す る ものの

,興

味深 い結果 と なってい る。

5,お

わ りに 本研 究で は,カ リフ ォルニ アを対象 と した フル コ ス ト分析 に倣 い

,我

が国の フル コス トを推計 す る と ともに

,そ

の結果 をカリフォルニアにおいて推計 さ れたそれ と比較 した。 また

,両

地域 にお け るフル コ ス トに差異が生 じている要 因を考察 し

,社

会 的条件 や規模 の経済性 などの違 い にある と考 えた。本研究 で得 られた知見 を整理す る と

,以

下の ようになる。 カリフォルニアでは,航空の フルコス トが最 も小 さ く

,次

いで高速道路

,高

速鉄道の順 になっているが, 我が国においては,高速鉄道の フルコス トが最小であ り

,次

いで航空

,高

速道路 となってい る

:こ

れは

,両

(10)

地域の社会的条件等の差異が一因 と考 えられる。つ ま り,カ リフォルエアでは航空産業の密度の経済‖生及び 軍事部 門 との 間での範囲の経済性 を活か している背 景が フル コス トにも反映 されている と考 えた。一方, 我が 国では鉄道 の導入が積極 的 に図 られて きた経緯 があ り

,技

術開発費の節減 など規模の経済 を活か して いる背景がフルコス トに反映 されていると推察 した。 また

,多

くのモー ドにおけるインフラ費用 では

,我

が 国の地形条件 とい う施正面 の不利 や高 い用地買収費 用 などを反映 して,カ リフォルニアのそれ よ りも著 し く大 きな結果 となった。 しか し

,本

研究では,フルコス トの差異 とそれを特 徴づ けるであろ う要 因 との間の因果 関係 についての 根拠 を明確 に示す には至 っていない。また,フルコス トの影響 を及 ぼ している と思 われ る各要 因が変化 し た場合 に,どれだけのフルコス トの変化が見 られるか について も現時点では明 らかになっていない。このた め,フ ルコス トが どのような要因により形成 されてい るのか を明らかにするとともに,それ らの変化 に対す る フル コス トの影響 を理論 的に表現 しうるモデルを 構築す る必要がある。 また

,フ

ル コス トの推計 に当たっては

,デ

ー タの 制約 によ り信頼性 に限界 が ある と考 え られ る。今後, よ り妥 当なデー タが入手で き次第

,推

計結果 を更新 してい く必要がある

.以

,今

後 の課題 としたい。 (注

1)長

期 には

,資

本 と労働

,維

持 管理費が可変 であ り

,短

期 には労働

,維

持管理費 のみが可変 であ る。 (注

2)Le

nsonす α′の研 究 では

,1993年

価値 での 費用が推計 されている。金銭 の価値 を統一す るため に

,1993年

のデータを原則 的 に用 い ることとし,も しその年 のデー タが入手不 可能であ った場合 には, その年 に近い年 のデー タで代用す る。 参考文献

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nson, D.Gillen, A.Kanafani and J,M.

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A

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ThcoreticaI Issues, The Fun Costs and Bencfits of

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D, Greene,1).」ones and M.Delucchi eds,pp.69-112,

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,大

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,小

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,土

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民経 済計算

参照

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