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自動車における軽量化・LCA化および企業情報ネットワークに関する研究

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(1)

研究報告書

No.

3〕

自動車における軽量化・

LCA

化お

企業情報ネットワークに関する研究

\ - \ヽ

2

0

0

4

年 (

平成1

6

年) 3月

新 潟 経 営 大 学

地 域 活 性 化 一

研 究 所

(2)

序 自動車産業を巡る環境変化と軽量金属開発論の意義

名 保 彦

(新潟経営大学教授) 現在 自動車産業 は世界的な再編成過程にある。 再編成の底流 には自動車産業 を取 り巻 く環境 において二つの 重要 な変化が進行 している。 一つは環境規制の強化であ り、いま一つ は情報 ネ ッ トワー クシステムの発展 であ る。 まず、 自動車産業に対す る環境規制が急速に強化 され始めているとい うことを指摘 しておかなければな らな い。環境規制強化 に対す る対策如何が今や 自動車メーカーの存続 自体 を も左右 しかねないほ ど死活的な問題 と なっているか らだ。そ うした背景の下で 「要素開発」 とりわけ軽量金属材料 開発の必要性が急速に高 まってい る。 いわゆる要素 開発論 の台頭 であ り、軽量金属材料 開発 の意義が改 めて問われてい るのである。 と くに、 EUでは要素開発 にとって不可欠なLCA (LifeCycleAssessment)コンセプ ト (注 1)が製品 コンセプ トに とっ て今や欠かせ ない構成要素 とな りつつ ある。その意味でLCAソフ ト開発が 自動車産業 に とって も急務 となっ てお り、軽量金属材料 開発 にとって も重要な課題 となるに至 っているのである。 次 に情報 ネ ッ トワー クシステムについては どうか。情報 ネ ッ トワー クシステムの急速 な発展 を背景 とす る 自 動車産業 の情報 ネッ トワークシステムの展開を見落 とせ ない。 とくに、再編成過程が 自動車産業 における情報 ネッ トワー クシステムの グローバルな展開 と表裏の関係 にある とい うことをわれわれ は看過 してはな らない。 とりわけ 「共通 ネ ッ トワークシステム」(注2)のグローバルな展 開 (注3)が重要である その際見落 とせ ない のは、 「共通 ネ ッ トワー クシス テム」登場 の背 景 には 「専 用 ネ ッ トワー クシス テ ム」- そ の典 型 はVPN (virdcalPrivateNetwork)である- の限界が横 たわっている とい う点である。「専用 ネ ッ トワークシス テム

の矛盾 は今や世界的な問題 とさえな り始めていると云 って も過言ではない ようだ。CAD (ComputerAided

Design)デー タやEDI(ElectronicDatalilterChange)デー タなどの急速な普及 に伴 うネ ッ トワーク及 び業務 アプ リケー シ ョンの発展が、「多回線 ・多端末」状態の編捧化 とい う形で 「専用 ネ ッ トワー クシステム」 の限 界 を露呈 させ てお り、その結果CADデー タやEDIデー タの これ以上の普及 自体が困難化す る とい う事 態 す ら 生 じかね ないか らだ。 しか もこうした 「多回線 ・多端未」状況 は、情報 ネ ッ トワー クシステムの本 質 に潜 む "デジタル ・デイバ イ ド ー と りわけアセ ンブ ラー とパー ツサ プ ライヤー間のそれ - をさ らに増幅 させ る と いう側面 を学んでいることもまた見逃せ ないのである。 ところで、前者の環境規制強化 と後者の情報 ネッ トワークシステムは相互 に関連 し合 っているとい うことが 重要であ る。設計思想 の共有 に由来す るLCAコンセプ トと情報 ネ ッ トワー クシステムの "親和性 ''(注4)は、 両者の 「融合」 を促 してお り、その結果、LCAコンセプ トと情報 ネ ッ トワー クシステムの クロスオーバ ーに よるLCAソフ ト開発の重要性が 自動車産業 において も強 まっている。 さらにその延長線上 で、LCAソ フ ト搭 載型情報 ネッ トワークシステムを- しか もグローバルなネ ッ トワークシステム として 一 稼働 させ る可 能性が

(3)

浮上 して きてい る。その意味で 「共通 ネ ッ トワークシステム」 もまた

LCA

との融合 とい う新たな課題 を避 け ては通れ な くな りつつあると云 える。 上記 に関連 して、環境規制の強化 とともに 「グリー ン調達」論が強 まっていることもまた見逃せ ない。グリ ー ン調達論 自体 は環境規制の一環 をな している以上当然必要 なことであるが、看過できないのは、同時にそれ が調達条件 を充た し得 ない企業 とくにパーツサプライヤーの安易な切 り捨てに結びつ く可能性 を秘めてお り、 新たなデバイ ドす なわち "グリー ン ・デバイ ド を惹起す る可能性 を伏在 させているとい う点だ。観方 を代 え ればその ことは、

LCA

コンセ プ トと情報 ネッ トワー クシステムの "親和性 "が "グ リー ン ・デバ イ ド" と "デ ジタル ・デバ イ ド'との結合 を通 じて両者の相乗作用 を引 き起 こしかねない とい う危険性 にす ら繋がって いる- とい うことを意味 しているのである。 つ まり、「専用 ネ ッ トワークシステム」 とりわけ

VPN

の "デジ タル ・デバイ ド 拡大効果は "グリー ン ・デバ イ ド'を増幅 させ る可能性 を学んでいるという訳だ.そ うした 事態 に陥れば、パーツサプライヤーの立場 はます ます困難 な ものになることは明 らかである。

VPN

に潜在 し ているこうした二重の意味での "デバイ Tf"を回避す るためにも、われわれは、「共通 ネッ トワークシステム」 の形成 とそれを通 じての

LCA

ソフ ト開発 を急がなければな らないのである。 そこで本研究 は、 自動車産業 を巡 る二つの環境変化及 び両者の相互関係 に着 目し、

LCA

コンセプ トと情報 ネッ トワー クシステム との融合 による

LCA

ソフ ト開発 - とりわけ 「共通ネッ トワークシステム」 とのクロス オーバーによるソフ ト開発 一 について研究 し、軽量金属材料 開発の今 日的意義 を明 らかにす ることを目的 と している。以上の 目的に沿って本研究は以下の四つの課題 を研 究す る。 第-は環境規制強化対策に係 わる研究である。それは、 (イ)要素開発論 として登場 して きた軽量金属材料 開発が 自動車産業 に とって如何 なる意味 を持 っているのか、 (ロ)その際、 自動車向け用途開発が既 に本格化 し始めているアル ミニ ウム合金 と比較 して、物理的 ・経済的条件 は充た しているにもかかわ らず経済的条件の 未充足 に因 り未だにそれが本格化 し得ていないマグネシウム合金のフィージビリティーをどのように見込むこ とがで きるのか - とい う諸点 を解明す ることである. 第二は情報ネァ トワークシステムの展 開に関 しての研究である。それは、(イ)「専用ネッ トワークシステム

の限界 とは何か、 (ロ) 「共通ネ ッ トワークシステム」が 「専用 ネッ トワークシステム」の限界 を果た して克服 し得 るのか、 (ハ)それ とも両者の共生 ・融合の可能性 を追求すべ きなのか- という諸点 を解明することであ る (注 5)。 第三 は環境規制強化対策 と情報 ネ ッ トワー クシステム展 開の相互 関連性 についての研究である。 それは、 (イ)

LCA

コンセプ トと情報ネ ッ トワークシステム との融合 において 「共通 ネ ットワークシステム」が如何 な る意味 をもつのか、 (ロ)その場合、「共通 ネ ッ トワー クシステム」 はどのような役割 を果た し得 るのか - と いう問題の解明である。 最後 は地域情報 ネ ッ トワークシステムに関す る研究である。 この間題は本研究に とっては補論ではあるが、 地域 における企業情報ネ ッ トワークシステム とくに製造業におけるそれを考える上で極めて重要な意味 を持 っ ている。そ こで、本研究 として もこの間題を取 り上げることに した。 とくに製造業集積地域 におけるコラボ レ ーシ ョンにおいていわゆる

SCM (

Suppl

yCha

i

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)

が どのような意味を持 っているのか というこ とを解明す るために、新潟県中越地域の金属加工業における

Bt

oB

ネッ トワークである 「越後 ものづ くりネ ッ トワー ク

を事例 として取 り上げた。それは、三つの システム

(

「受注引 き合い情報共有 システム」、 「地場企 業我術情報デー タベース」及び 「大容量データ転送 システム

)

を駆使することによって、 (イ)地域製 造業企 業間 にお ける迅速かつ大容量 の情報共有化 に一定の成果 を上 げることがで きた、 (ロ)ユ ーザー企業 が望む

(4)

「ものづ くり」 に応 えることを通 じて 日本の 「ものづ くり」 にお ける 「技」の継承 ・発展 に対 して も貢献す る ことがで きた- とい う点で、「越後 ものづ くりネ ッ トワー ク」が形式知の共有化のみな らず 日本的ナ レッジ ・ マネジメ ン トの核心 をなす暗黙知の共有化 にも迫 っているか らである0 本研究 は、新潟経営大学 ・地域活性化研究所の

2

0

0

3

年度研究 プロジェク ト 「自動車の軽量化 とアル ミニウム 合金 ・マグネシウム合金用途開発の事業化 に関す る研究」 の中間報告 としてまとめた ものであ る。本研究プロ ジェク トのメンバーは以下の とお りであ る。 蛇名保彦 (新潟経営大学) (主査) 石井泰幸 (新潟経営大学) 伊平一也 (新潟経営大学 ・地域活性化研究所) 渡辺豊臣 ([財]にいがた産業創造機構) (順不 同) また本研究に当たっては、多 くの関係者の協力 を得た。 とくに以下の方 々にはヒヤ リングや ア ドバ イスを通 じて多大の ご協力 ・ご支援 を得た。 福 間康浩 (【財1日本 自動車研究所

・J

NX

セ ンターセ ンター長) 庄司敏一 (【財】日本 自動車研究所

・J

NX

セ ンター主任研 究員) 行 田克之 (株式会社 リケ ン営業企画課長) 橋爪一雄 (株式会社 リケ ン営業企画課) 飯 田寿夫 (株式会社 リケ ン業務改革部) 真武直政 (日立金属エム ・ピー ・エ フ代表取締役社長) 秋友-広 (日立金属エム ・ピー ・エ フ取締役 ・営業企画部長) 渡辺 洋 (日立金属エム ・ピー ・エ フ技師長) 秋 田真次 (JFE精密株式会社代表取締役社長) 寺尾星明 (JFE精密株式会社製造部次長) 井口 宏 (株式会社東京 ロス トワックス工業代表取締役) 賀井治久 (株式会社 ツバ メックス代表取締役社長) ここに心 より謝意 を表す る次第である。 平成16年2月15日 研究プロジェク ト主査 蛇 名 保 彦 (順不同) (注1)

LCA

とは、原料採取 ・製造 ・流通 ・消費 (使用)・廃棄 とい う製品の全 ライフサイクルに亘 って環境負 荷 を包括的に測定 し、その軽減 目標 を設定す るコ ンセプ トの ことである。因み に、現在 の 日本 の有力 企業

4

,

0

0

0

社 を取 り上げた場合、

LCA

導入比率 は既 に平均 で

3

5

.

6

%

を記録 してお り、 なかで も電 機 産業 の場合は

4

4

.

2

%

に達 しているとされる (第 Ⅱ部第

4

章 [注

9]

を参照の こと)0

(5)

(注 2)「共通 ネ ッ トワー クシステム」 とは、情報 ネ ッ トワー クシステムにお けるエ クス トラネ ッ ト仕様のイ ンフラス トラクチ ャーであ る。 この点 に関す る理論 的 な研究 については、拙稿 「ア ジア共生型 『ビジ ネス情報 ネ ッ トワー ク

の提唱 一 新潟経営大学 ビジネス フ ォー ラムの論点整理 と課題

-

」 (新潟経営 大 学 ・地 域 活性 化研 究所 『地域 活性 化 ジ ャーナ ル』 [第7号]) 第4章 [p.16-29]及 び拙稿 「The VirtualManufacturingandadesignofNorthEastAsianInformationNetwork- Thewayhow wecanovercomethe"DigitalDivide"inNorthEastAsianSMEs(Small&Medium-sized Enterprises) and getthe"DigitalOpportunity"forthem- 」 (NiigataUniversity of Management『Journalof NiigataUniversityofManagement』[No.7])Chapter4[p.20-40]を参 照 されたい。

(注 3)われ われ はそれ をGNX (GlobalNetworkexchange)と呼ぶ こ とにす る。 それ は、米 自動車業界 の ANX (AdvancedNetworkexchange)、 ヨー ロ ッパ 自動 車業 界 のENX (EuropeanNetwork exchange)さ らに 日本 の 自動車業界のJNX

(

JapaneseautomotiveNetworkexchange)な どか らな

っ て い る. なお 、 米 自動 車業 界 に よ云 て設 立 され たANXの 当初 の名称 はAut。m。tiveNetwork eXchangeであったが、現在 は 自動車以外 の業界 をも取 り込 むためにAdvancedNetworkeXchangeと い う名称 に変更 されている。

(注4)LCAコンセ プ トと情報 ネ ッ トワー クシステムは、共 にライフサ イクル思想 に依拠 してい るとい う点で 設 計思想 を共有 してい る。詳 し くはYasuhikoEbina「A proposalofAsianGreenManufacturing Network-FortheformationofAsianEnvironmenta& EconomicZone-」(NiigataUniversityof Managementmournalof NiigataUniversityofManagement』[No.9])Chapter3[p.36-44]を参 照 の こと。

(注5) 「専用 ネ ッ トワー クシステム」 と 「共通 ネ ッ トワー クシステム」 に関す るここでの区分 は、あ くまで も概念上 の区分 である とい うこ とに留意 されたい。本研 究第 Ⅱ部 で詳論す るように、両者 は実際 には 融合す る可能性 を伏在 させ てい るか らだ。

(6)

(7)

マグネシウム合金 開発 の方向につ いて

名 保

(新潟経営大学教授)

はじめに

本稿の研究課題は、第一に、環境規制のクリア とい う観点か ら自動車産業にお ける軽量金属材料開発 の意義 を明 らかにすること、第二にその際、物理的 ・機械的 ・経済的観点か ら、アル ミニウム合金及びマグネシウム 合金の自動車向け用途開発上の特性 を比較検討す ること、第三に、両合金の特性 を比較検討 した上で、マ グネ シウム合金の 自動車向け用途開発 におけるフィージビリティーを明 らかにすること、そ して最後に、上記特性 を計量化す る上で有効 な

LCA

ソフ ト開発上の課題 を明 らかにす ること- であるO そ こで本稿では、 (イ) 自動車産業における諸機能面 と環境面における軽量金属素材の役割、 (ロ) アル ミニ ウム合金及びマグネシウム合金のそれぞれについて上記 [イ] における役割、 (ハ)用途開発 における両合金 の特性、 (ニ)軽量金属材料開発 における

LCA

ソフ トの役割及び課題 -な どの検討 を通 じて上記の研究課題 を 解明す ることにす る。

1

. 自動車部品素材 としての軽量金属素材の役割

ここでは、 自動車部品素材 としての軽量金属素材 -とくにアル ミニウム合金及 びマグネシウム合金 を中心 と した軽量金属素材 -の役割 を、機能 ・経済面でのそれ と、環境面でのそれ とに区分 し検討す る。 (1)機能 ・経済面での役割 まず機能 ・経済面での役割は以下の四点に整理 される。 ① 運動性能向上 第一 に運動性能向上が挙げ られる。 例えばそれは、 日米欧での車体 アル ミ化の 目的 と開発状況 を見 た場合、 「目的 とニーズ」の中に共通 して重視 されていることか らも領けよう (図表ト1-1参照)0 ② 安全性向上 第二は安全性向上である。 この点については、上記 「目的 とニーズ」か らも明 らかなように、車の衝 突の際 における安全性向上 という観点か ら、軽量性 と安全性 との両立が求め られているのである (図表ト1-1参照)0 ③ モジュール化 第三はモジュール化である。 1万点を超 える部品か らなる車の生産において部品点数の効率化 と削減 は、生 産の効率化にとって不可欠な課題である。

(8)

④ コス トダウン 最後 はコス トダウンである。 この点は軽量化 による燃費向上に関わるので、別途詳論する。 (2)環境面での役割 環境面での役割 は以下の四点である。 ① 燃費向上 第-は燃費向上である。一般的に云って、車体重量 と燃費向上 との関係 においては逆比例関係が成立 してい る とされる (図表Ⅰ -

1

-

2

-

1

】参照)(注 1)。 まずアル ミニウム合金事について。 ヨーロ ッパにおける実験では、辛 体 を

1

0

0

k

g

軽量化すれば

、1

0

0

k

m

の走行で

0

.

6

リッ トルの燃料が節約で きるとされている (注2)。その結果、現行

1

4

0

0

k

g

の中型セ ダンをアル ミ使用 による軽量化 によって1,

1

0

0

k

g

にする と、生涯走行距離 (注3)で約

3

,

0

0

0

リッ トルの燃料が節約で きると計算 されている (図表Ⅰ -1-2-【2]参照)(rl:・4)。次に超軽量スチールを利用 した場合 も 車体軽量イヒと燃費向上 との間に僅かではあるが (注5)やは り正の関係が確認 される。世界鉄鋼協会主導の下で 進 め られているスチール製超軽量車の開発プロジェク トULSAB (UltraLightSteelAutoBody)で も燃費向 上 の 目途が一定程度ついたと報告 されている (図表Ⅰ-1-2-【3】参照)(注6)0 ② リサ イクル性向上 第二 は リサイクル性向上である。例えば

EU

は自動車産業に対するリサイクル指令

(

ELV

指令)を出 したが、 それは極 めて厳 しい ものである。すなわち、 リサイクル目標 は

2

0

0

6

1

月か ら重量ベースで

8

5

%

以上

、2

0

1

5

年 1月か ら同 じく

9

5

0

/o以上 を義務づ けるとい うものだ (fl=・7)。 こうした厳 しい規制の下では、金属素材 の リサイ クル性 もまた一層向上を計ることを余儀 な くされ よう。 (釘 非有害性向上 第三 は非有 害性 向上 であ る。 や は り

EU

は、 自動 車 を含 む全 産業 を対象 に して有 害物 質使用 禁止指令

(

ROHS

指令) を出 している (注8)。か くして、金属素材 について も非有害物質使用 との関連性が一層厳 しく問 われ ることになろ う。 ① 省エ ネルギー 最後に省エ ネルギー効果 も見逃せ ない。 この点についてはここでは、第一点すなわち軽量化による燃費向上 はエ ネルギー節約 と同義であるとしてお こう。 図表Ⅰ-1-1 日米欧での車体アノレミ化の 目的 と開発状況 日 本 米 国 欧 州 目的 .ニーズ ○熱賛 .排 ガス規制●運動性 向上 ●熱賛 .排 ガ不規制○運動性能向上 ●熱賛 .排 ガス規制○運動性向上 ●安全対策等重量増加対策 ○安全対策等重量増加対策 ○安全対策等重量増加対 策 ○ モジュール化対策 ○モ ジュール化対策 ●モ ジュール化対策 状況 .動向 ○COP3で熱賛改善 に拍車 _ ○現行CAFE対策 で四苦 八苦 ○ 自動車 税全 廃⇒ 熟料 税 へ移 行 ○2010年に対95年比20%改善 ○ PNGV車 (80MPG) のの構想 ○_自動車 税 を排 気量別 か ら熱 賛 開発 :2004年 目標 ○3U100Km車99年量産

別 への動 き ○超軽量鋼製車間発くULSAB,-SAC,-SAS) ○独2005年に対90年比25%改善

(出所) 日本アル ミニウム協会 ・自動車委員会 r自動車アル ミ化J

luRL;http://ww .keikyo-unet.ocn.ne.jpn・

lr

アル ミ化の 目的 と効果」 ・(表 日米欧 での車体アル ミ化の目的 と開発状況)1/1よりO

(9)

-2-図表ト1-2 車両重量 と燃費の関係 [1] 車体軽量化と燃費向上との関係 について 0 5 0 2 1 1 (

JJE

呈 批 畿 図 60Km/H定速度 E22310-モ- ド 500 1000 1500 2000 車両重量 (K9) (出所)松崎邦男 「マグネシウムの合金の特性 と製品開発の動向」 [2] アルミ合金利用車のケース 走 行距離 による消費燃料の比 較

(qrエ

・「l

) 茶 巻 軟 禁

0

0

0

0

0

0

2

0

LJ-rl 0 0 0 0 0 0 8 6 0 0 . 0 4 2,000 0 - 現 行車 (1400k9 ) 一 一.軽量車 (1100k9) / 一 / 一 / ∫ /

/

/ 一′ / / / t l t 60 80 100 120 140 160 180 走行距離 (×1000km) (出所) 日本アル ミニウム協会 ・自動車委員会 r自動車アル ミ化J

luRL;httpwww.keikyo・unet.ocn.ne.jp/]・

I

「アル ミ需要動向」・ く欧 州 :自動車のアル ミ化の現状 と今後) ・ (図 走行距離 による消 費燃料 の比較)1/1より。 [3] 起軽量スチール車のケース(2001年10月現在市販ガソリン乗用車) q r エ '・ rlJ ∈ ヱ 収 載 」 -i S t.O L 巴 フォー ドP2000(目標80MPGを単純換算) ●

-ヽ■

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I鵬..'A,I-.-!.■ -.. ULSAB ---:'''''..---…''-''.-'-"'-'-'''--:.■■":::-iSfP S 毎 5 i■妄 " 0 500 1000 1500 2000 車両重量 kg (出所)日本アルミニウム協会 ・自動車委且会 r自動車アルミ化J

(10)

以上が軽量金属素材及び材料 を自動車部品 ・同製品 として使用 した場合 に期待 される効果であるが、アル ミ ニウム合金及 びマ グネシウム合金の用途開発 をこうした効果に別 して以下で考察 してみ よう。

(注1)一般 に、車重1%の低 減 に よって燃 費は

0

.

8

-

1

.

0

%

向上す る と想定 されている (杉 山降司他 「車体へ の アル ミ板材 の適用 とその課題」 よ り)。

(注 2) 日本 アル ミニ/ウム協会 ・自動車委員会 帽 動串アル ミ化』

[URL;httl)://www.keikvo-unet.ocn.ne.1'D/]・Ⅱ「アル ミ需要動向」・<欧州 :自動車のアル ミ化の現状 と今後>1/1よ り。

(注3)生涯走行距離 は ヨー ロ ッパでは16万km強 とされてい る (日本 アル ミニ ウム協会 ・自動車委員会 『自動 車 アル ミ化』[URL;httl)://www.keikvo-unet.ocn.ne.1'D/]・Ⅱ「アル ミ需要動向J・<欧州 :自動車のア ル ミ化の現状 と今後>1/1よ り)。 (注4)なお、軽量化 を目的 としてアル ミ材料 を車体 に適用す る場合 には、 (イ)外板部品だけにアル ミ材料 を 適用す る方法、 (ロ)車体全体 をアル ミにす る方法 - とがあ るが、前者 について は鋼材 と比較 して約

5

0

%

軽量化す ることがで きるが、後者 については約

3

0

%

の軽量化 に止 まると報告 されている ((杉 山降 司他 「車体へ のアルミ板材 の通用 とその課題」 より)0 (注

5

)

この場合、ホ ワイ トボディーにおける軽量化では約

2

5

%

を達成 してはいるが、車体全体 では僅 か

6%

程度に止 まっている とされる (日本 アル ミニ ウム協会 ・自動車委員会 『自動車アル ミ化

[URL;http://www.keikvo-unet.ocn.ne.iD/]・Ⅰ「アル ミ化の 目的 と効果

「自動車のアル ミ化の現 状 と今後」1/2より)。

(注 6)但 し超軽量 スチールの場合 は、衝突安全性 とい う車体機能 を損 なわず に軽量化機能 を高め得 る とい う 点では有利性 を備 えている とい うことも見逃 してはな らないであろ う(日本アル ミニウム協会 ・自動車 委員会 『自動 車 アル ミ化』 FURL;httl)://www.keikvo-unet.ocn.ne.1.D/]・Ⅰ「アル ミ化 の 目的 と効 果

」 ・

「自動車のアル ミ化の現状 と今後」1/2より)0 (注

7

)

本報告書第 Ⅱ部

(

p

.

5

2

)

を参照のこと。 (注 8)同上参照。

2.

アルミニウム

(

AL)

合金開発

まずアル ミニ ウム (以下では

AL

と略記す る)合金か らみてみ よう。 (1)上記ト (1)のケースについて

AL

合金の場合 には、運動性機能、モジュール化、 コス トダウンなどの面では優位性 を発揮 しうる。 これは、 軽量性 (とくに鉄 に対 して)、耐食性、加工性、電気伝導性、熱伝導性、非磁性、反射性、低温性 な どの物理 的 ・機械 的特性 における

AL

合金の優位性 を反映 した ものである (lli・'l1)0 だが安全性 に関 しては、強度 ・耐力の面での特性 における劣位性 を反映 し難点が指摘 されている。

(11)

-4-(2)上記1-(2)のケースについて ① 燃費向上 上述の通 りである (上記1-【2】-①参照)。 ② リサ イクル性向上 アル ミニ ウムは極めて リサイクル性 に富んでいる。 アル ミニ ウムの再生地金 を作 るエ ネルギーは、ボーキサ イ トか らアル ミ新地金を作 る場合 の

3%

のエ ネルギーで済む とされ る (注2)。その結果 アル ミ製品の リサ イク ル率 は概ね高水準 を維持 している (図表 ト2-1参照)0 (参 非有害性向上 この点 に関 しては未だ明 らかではない。 (彰 省エ ネルギー 燃 費向上が省エ ネルギーに繋が る とい う点 は上述の通 りであるが (上記 Ⅰ-【2】-④参照)、 アル ミニ ウムの場 合には他の金属素材 と異な り特殊 なエ ネルギー消費 を伴 っている とい うことを見逃せ ない。例 えば鉄鋼 と比較 した場合、 アル ミニウムを生産す る段 階での精錬 によるエ ネルギー消費は圧倒 的に高い とされ る (注3)。 図表 Ⅰ

-

2

・1 主なアル ミ製晶の リサイクル状況 需要 分野 主要製品 H9需要 実績 ライフサ イクル 現状 リサ イ クル率 輸送 自動車 1,241千 トン/辛 約7年 80-90% 土木 建築 サ ッシ 888千 トン/年 18年 90-100% 金属製品 印刷板 338千 トン/辛 1年以 内 30-40% 箔 各種 163千 トン/年 1ケ月∼数年 若干量 (出所)日本アル ミニウム協会 ・自動車委員会 r自動車アル ミ化」

【URL;htto・//Www keikvo-unet.ocn.neiDn・

V

T

「アル ミの リサイクル状況」・(表 主なアル ミ製晶のリサイクル状況)1/1より。

(注1)横井健夫 「自動車アル ミニウム合金板材の開発状況 と今後の課題」参照。 (注2) 日本アル ミニウム協会 ・自動車委員会 町自動車 アル ミ化

[URL;httt)://www.keikvo-unet.ocn.ne.iT)/]・Ⅵ 「アル ミの リサイクル」1/1よ りo

(注3) 日本アル ミニウム協会 ・自動車委員会 『自動車アル ミ化

[URL;httl)://www.keikvo-unet.ocn.ne.1'D/]

V

「アル ミ化 とLCA」<1.軽量化 とLCA>1/2

3.マグネシウム (

MG)合金開発

マ グネシウム (以下では

MG

と略記す る)合金の場合 は どうか。 (1)上記1-(1)のケースについて 運動性能 ・モジュール化 ・コス トダウンなどの面では現状では確 たる優位性 を見出す ことは困難であ る。 こ うした面で優位性 を発揮す るためには、高温 クリープ性、耐食性 向上、接触腐食防止、表面処理技術 開発 、薄 肉 ・複雑形状化 などの技術 開発が必要だ とされる(純 1)。一方安全性 に関 しては強度、耐力 な どの面で の特性

(12)

を生かす こ とに よって優 位性 を発揮 し得 る。 (2)上記1-(2)のケ ースについて 燃 費向上 ・リサ イクル性 ・省エ ネルギー性 に対 しては、比 重、強度、耐力 な どの面 での特性 を反映 して既 に 優 位性 を確保 しつ つ あ る。(なお、非有 害性 向上 に関 しては今の ところ不 明であ る。)従 って

MG

合 金開発 の今 後 の技術 開発上 の課題 は、低比重材料 としての特性 を生 か しつつ上記 1の課題 に応 えることを重視 した 「要素 技 術 開発」 の本格 化であ る と云 え よう (iF-2). (注 1) 小原 久 「マ グネシウム合 金の市場動 向

」(

r

工業材料

』[

2

0

0

2

8

月号

]

)

p.

3

0

参照。 (注

2

)

近 田敏弘 「自動 車部 品のマ グネシウム合 金化事情

」(

『機械技術

』[

2

0

0

0

1

0

月号

]

)

p

.

3

7

-3

8

参照。

4

.用途開発における

AL

合金 と

MG

合金 との関係について

次 に同 じ軽量 金属素材 の複合利用 に よって上 記1にお ける効果 をさ らに高 め るこ とが で きるか どうか を確認 す るため に、軽量 金属 の中で も物 理 的 ・機械 的特 質 において比較 的強 い共通性 が存在す る と想定 され る

AL

合 金 と

MG

合金 との関係 をチ ェ ック してお こ う。この こ とは、軽量金属 部 品 ・製 品の複合 開発 のために も必要 な 作 業 であ る と考 え られ る。その際、以下 の諸点 を取 り上 げる必要が あろ う。一つ には物 理的 ・機械 的特 質及 び 強 度 にお ける補完性 と代替性 につ いて、二つ には経済的条件 にお ける補完性 と代替性 について、三つ には用途 開発 にお け る補完性 と代 替性 につ いて - である。 (1

)

物理的 ・機械的特

及び強度 における補完性と 代 替性 ① 比重 ・強度・耐力 ・腐食性比較

の分野における両

の主要

ェ ックポイン トは、 比重 ・強度 ・耐力 ・腐食性

である。

(

イ)

比重 (図

表ト4

-1参照) A.AL;2.

7

0

g

/

c

m

3(鉄の約1

/

3

)

B.MG;1.74g

/

c

m

3(ALの約

2

/

3

)

(

ロ)

強度 (図

表Ⅰ

-

4

-

2参照) A.AL合金 (2

0

1

7

)

;1

5

1

Nmm-

2

B.M G合金 (A

Z

8

0

);

1

9

0

Nmm-

2

(

ハ)

耐力 (図

表ト4

-

2参照) A.AL合金

(

2

0

1

7

)

;

98

N

mm-

2

B.MG合金 (A

Z

8

0

)

;130N

mm-

2

(

ニ)

腐食性 (図表

4

-

3

参照) AL合金<MG合金 ② 上記

の (イ)∼

(

ニ)における補完性と代替性

上から明らかなように、両者の特性を比較 した場合、MGは腐食性 においての

A Lに劣ってい るに過ぎ -

(13)

6-ないのであ り、比重 ・強度 ・耐力の全てに亘 って

AL

を凌駕 している。 に もかかわ らず、

MG

合金 としては先 に観 た ように機能 ・経済面の主要 な面で

AL

合金 に劣 ってい るのであ る。 この点か らも、

MG

合 金 にお ける 「要素技術開発力」強化の必要性 を指摘 しておかなければならないであろう。 (2)経済的条件における補完性 と代替性 ① 需要量 (イ)

AL

合金

A.

日本の 自動車関連総需要量 ;約

1

2

7

トン

(

2

0

0

1

年現在)(il:・1)

B.

日本の 自動車における材料構成シェア ;

7

.

3

% (

1

9

9

6

年現在) (図表

Ⅰ-

4

-

4

参照) (ロ)

MG

合金 (ii・'・2) 世界主要

1

0

社合計需要量 ;

4

5

,

1

5

0

トン

(

1

9

9

7

年現在) (図表

Ⅰ-

4

-

5

参照)(注3) (参 コス ト (圧延材価格差) (イ)板材

MG

合金 ;対

AL

合金比

1

0

-2

0

倍 催 4) (ロ)棒材

MG

合金 ;

1k

g7

0

0

-7

5

0

円 (対

AL

合金比約

2

倍)(17・'・5) (3)用途開発 における補完性 と代替性 - MG合意開発の方向性 最後に両者の用途開発に関する現状 と今後の可能性 を明 らかにした上で、両者の補完性 と代替性 を探 ってみ よう。 ①

AL

合金及び

MG

合金の開発状況 (イ)

AL

合金 を使用 した部品 (注6)

A.

現状

a.

エ ンジン

b.

ドライブ トレイン

C.

熱交換器

d.

ホイール

e.

バ ンパーリンフォースメント

e

t

c

B.

今後 (可能性)

a.

クロージャ-パネル (フー ド、 ドア

e

t

c

)

b.スペースフレーム

e

t

c

(ロ)

MG

合金を使用 した部品 (注

7

)

A.

現状

a.

インナーパネル

b.

ステアリング ・ロック ・ハウジン

グe

t

c

B.

今後 (可能性)

a.

ステアリング ・ホイール

b.

シリンダ一 ・ヘ ッドカバー

e

t

c

(14)

図表 ト4

-

1

マグネシウム と他金属の物理的及び機械的性質 金属名 原子量 比重 融点 沸点 溶融潜熱 比熱 線膨張係数 (g/cni) (K) (K) (KJ/kg) (J/kg.K) (1d3/K) マグネ シウム 24.305 1.74 923 1,376 372.90 1,022 26.0 アル ミニ ウム 26.98154 2.70 933 2.750 396.84 900 23.5 秩 55.847 7.87 1,809 3,160 272 444 12.1 鍋 63.546 8.99 1,356 2,855 - 385 17.0 亜鉛 65.38 -7.1'3 693 1,179 - 383 31.0 チ タン 47.90 4.54 1,941 3,535 - 519 8.9 (出所)時末 光 「最近のマグネシウム合金の現状 (日本マグネシウム協会 「マグネシウムダイカス ト チクソ技術テキス ト」〔1998年10別 )p.2より。 (出所)姥名保彦 「マグネシウム開発の事業化に関する研究」 【地域活性化 ジャーナル4号]p.6より。 図表Ⅰ-4-2 マグネシウム合金、アル ミニウム合金及び鋼の強度比較 性質 マ グネ シウム合金 アル ミニ ウム合金 鍋

AZ80 AZ92-T6 2017 AC6A-T6 ステンレス鋼 鋳鋼

比重 1.80 1.82 2.79 2.77 8.02 7,84

張 強 さ (Nmm2) 343 274 421 264 1196 617 耐力 (Nmm2) 235 156 274 166 1058 412 伸び (%) 7 2 22 4 j5 25 比 引張強 さ (Nmm2) 190 151 151 95 149 78 ※比強度はそれぞれの強度 を比重で割った億 (出所)諸住正太郎 「マグネシウム読本」p.5より (出所)蛇名保彦 「マグネシウム開発の事業化に関する研究」 【地域活性化 ジャーナル4号】p.7より。 図表ト4-3 純 マグネシウムの科学的物資に対 する耐食性 耐食性良好 アル カ リ性薬品 (苛性 ソーダ、ア ンモニア水 、炭酸ナ トリウムな ど)、鉱物油 、動植物油、フ ッ化水素酸 、 フッ化物 、クロム酸 、シア ン化物 、酸素 ガス、水素 ガス、一酸化炭素 ガス、蒸留水 、中性有機化合物 耐食性不良 無機酸 (硝 酸 、塩酸 、硫酸 な ど)、有機酸類 (酢酸 、酒石酸 、 クエ ン酸 な ど)、ハ ロゲ ン化物 、塩化物 、硫 (出所)暗末 光 「最近のマグネシウム合金の現状」 (日本マグネシウム協会 「マグネシウムダイカス ト・チクソ技術テキス ト」【1998年10月】)p.3より。 (出所)蝦名保彦 「マグネシウム開発の事業化にする研究」 【地域活性化 ジャーナル4号]p.6より。 図表Ⅰ-4-4 日本の自動車1台当たりのアルミ使用量と使用比率の推移 8 6 4 2 0 (% )

q

JEF

q r Li 99.2 84.1 73.3 _ 55.6 60.7 7.3

6

.

3

6.4 5.4 5.6 - -....---

.

-

1

買',ヒミ護詰

L

-

.

l l l

6

8 9LJl

3

9 度 0 年 9 暦 西 888

(和

\6

M

)

咽 EF 世 仰 q r LL

O

0 0 0

8

6 4 2 (出所) 日本アル ミニウム協会 ・自動車委 員会 r自 動車アル ミ化j

lURL;http:www.keikyo-unet.ocn.ne,jp/]・

I

「アル ミ需要動向」・ (日本 :自動車の

アル ミ化の現状 と今後) ・ く図 日本の 自

動車1台当たりのアル ミ使用量 と使 用比率の

(15)

図表Ⅰ-4-5主要 自動車 メーカ ・車種 ・地域 (アジア)のマ グネ シウム合金使用比較 自動車 メーカー マグネシウム需要量 (トン) 1.Ford 17,500 2.GeneraIMotors 9,400 3.Chryster 7,050 4.Toyota 4,200

5.Merce.des 2,700

6.Audi 1,600 7.Volkswage∩ 1,250 8.BMW 700 9.Fiat -500 10.Porche 250 GMフルサイズバ ン GMミニバ ン GMミニバ ン Chrysler FordL.トラック V.W. Audi Mercedes Mercedes Fiat SavanaaExpress SafarJ&Astro BuJckParkAvenue

ミニバ ン F-150 Passat A4&A6 SLK SL AlfaRpmeo156 ∼26k9 -17kg 9.5kg 6kg ∼1.5kg ∼14.5kg ∼14.5kg 7.7kg 17120kg 9.3kg NorskHydro資料 NorskHydro資料 [1]1997年マグネシウムダイカスト部品利用自動車メーカー

[

2]

マ グネシウムの使用量の多い車種例 (kg/台) 1955 1960 1965 1980 1990 2000

OTransumissonCase OC山tchHousin9 0Tininin9CaseCover OOilPan OCoolong OCy仙derHeadCover tDiskWheel

(Explamation)

JTOYOTA ▽FUJlTUHeavy■lnd.

◇HONDA ◎DAIHATSU

□NISSAN △SUZUKl

(⊃MAZDA ※KOREA

OCylinderHeadCover

◇cy=nderHeadCover OSteeringVJheelCore ◇SteeringWhee一Core

◇DiskWhee一

◇CylinderHeadCover ◇ lntakeManifoldCover ◇ JntakeManifo一dChamber lISteeringLockHousing

lSteerjngWheelCore ■CytinderHeadCover

■BrakePedalBranket □SteeringLockHousing ☆Steerin9LockHousin9

☆Steerin9WheelCore △Steerln9WheelCore ∇SteerlngWhee一Core ◎CylinderHeadCover 【3]アジア における自動車部晶の採用例 (出所)井藤忠男 「ダイカス ト・チクソ成形におけるマグネシウム部品の現状」 (日本マグネシウム協会 「'99マグネシウムマニュアル」)p.138-139より。 (出所)姥名保彦 「マグネシウム開発の事業化に関する研究」 〔地域活性化 ジャーナル4号]p.10より。 図表ト 4-6 鋼・AL・MG・チタンの機械的 ・経済的比較 [1] 強度、剛性の比較 [2] 材料費当たりの強度 、剛性の比較 0 8 6 4 2 0 1 ( C ∈ \6 m JC\ zt2 d M ) 世 潜 沖 鋼

0

50 100 150 等剛性 (MPal/2/Mg/m3) ]三 Y n 世 無 粋 8 6 0 0 0 0 0.04 0 0.25 0.5 等剛性 コス ト比 (出所)近田敏弘 「自動車部品のマグネ合金事情

」(r

機械技術J 【2000年10月号]P.35より) 0.75

(16)

(む

MG

合金開発の方向 上記

4-(1

) の物理的 ・機械 的特性 における

AL

MG

との比較 を、同 じく

4

-(

2

)の経済的条件 におけ る

AL

合金 と

MG

合金 との比較にオーバーラップさせてみると、

MG

合金開発の方向性が浮かび上がって くる。 その ことを説明す るために、物理的 ・機械 的特性論 と経済的条件論 をクロスオーバー させてみ よう (注 8)。 図表Ⅰ -4-6-【1】は、鋼、

AL

MG

及びチ タンの円柱梁の曲げを想定 した際の 「等強度」 (強度が等 しくなる断面 積)及 び 「等剛性」 (剛性が等 しくなる断面積) を比較 した ものである。 前述 したようにマグネシウムは比剛 性 に優 れているが、そのことはこの図で も明瞭に示 されている。つ ま り、機械 的特性 に関す る限 り、

MG

合金 は、剛性設計部品に対 しては鋼 は無論のこと

AL

合金に対 して も圧倒的に優位性 を発揮 し得 るのである。 ところが コス ト要因を入れるとこの状況は一変す る。図表

ト4

-

6

-

2

1は、図表

Ⅰ-

4

-

6

-

1

】における 「等強度」及 び 「等剛性」を各材料 コス トで険 し上記金属の 「コス ト性能性」 (いわゆる 「コス ト ・パーフォーマ ンス

)

を 比較 した ものである。その結果

MG

合金 は、鋼及びAk合金 に対 して材料 コス トが高いために、同 じ強度 ・剛 性 を得 ようとす ると、銅 は無論のこと

AL

合金に対 して も圧倒的に不利 な立場 に置かれることになる。 以上 は、

MG

合金が少 な くとも

AL

合金に代替す るためには、その材料 コス トが

AL

合金の

1

.

5

倍以下に低下す る必要があるとい うことを示唆 している。従 って

MG

合金における 「要素開発」上の ターゲ ッ トはこの点 を如 何 に突破す るのか ということに置かれなければならない。 その点で注 目しなければな らないのは、上記の

AL

合金 と

MG

合金 における圧延材価格差が棒材 の場合には 既 に2倍以下に縮小 し始めているという事実である。そのことは、主 として鋳造技術 を用いての 自動車部品開 発が

MG

合金 「要素開発」におけるブレークスルーの役割を担 い始めているとい うことを示唆 してい よう (注 9)0 さらに

MG

合金の圧延板材 に関 して も、プ レス成形技術 による用途開発の進展 を背景に して、次第に価格引 き 下げの方向に向かいつつあるようだ (注10)。従 ってこうした鋳造技術やプ レス成形技術 による用途開発の進展 如何が、 自動車や情報機器 などに対す る

MG

合金開発の成否 を振っていると云えよう。 (注1) 日本アル ミニウム協会 ・自動車委員会 『自動車アル ミ化』・Ⅱ 「アル ミ需要動向」・< 日本 :自動車のア ル ミ化の現状 と今後 > ・≪日本における自動車分野のアル ミ需要

≫1

/

1

より。 (注2)なお、世界の 自動車 メーカの中の大口のマグネシウム合金使用状況 をみると、 トヨタ自動車 は年間約 5

,

0

0

0

トン、 フォルクス ワーゲ ン (カッセル工場) もまた年間5

,

0

0

0

トン使用 しているとの こ とである (小原 久 「マグネシウム合金の市場動 向

『工業材料

』[

2

0

0

2

年8月号

]

)

p.

3

0

より。) さらに今後、欧 米 を中心 に 自動車産業 におけるマグネシウム合金利用 は大幅に進展す る可能性があることに も注意 を 払 っておかなければな らない。例えば、 ヨーロ ッパではフォルクス ワーゲ ンとアウディを中心 に して マグネシウム合金利用量 は

1

0

年後には現在の5倍 に増加す ると予測 されてお り (図表

Ⅰ-

4

-7

-

1

】参照)、 またアメリカで も自動車におけるマグネシウム合金利用率は現在の

0

.

0

2

-0

.

0

3

%

か ら

2

0

2

0

年には

4

%

に迄 上昇す ると予測 されている (図表Ⅰ-4-7-【21参照)。 (注 3) なお、世界のマ グネシウム地金の需要状況は図表

ト4

-

8

の通 りである。 他方世界のマグネシウムの供給 状況 をみると、主要生産国は中国 ・カナダであ り (図表Ⅰ -4-9参照) さらに世界のマグネシウム精錬 メーカーは図表

Ⅰ-

4

-

1

0

の通 りである。 また 日本の需給状況をみると、需要は図表

Ⅰ-

4

-

1

1

1

[

1

]

の通 りであ り、それに対す る供給 はその殆 どが中国に負 ってい る (図表Ⅰ

-

4

-

l

l

-

2

1参照)0 (なお、中国 のマグネ シウム製錬技術 はその殆 どが ピジョン法である【図表Ⅰ

-

4

-

1

0

参照】)

-1

(17)

0-(注4)地 名保彦 「マ グ ネ シウム開発 の事業化 に関す る研 究」 [地域 活性化 ジャーナ ル4号]p.14及 びp.20<注 40>よ り。 なお 、MG合金の圧延板材 (0.8m)は1kg当た り3,000-3,500円 とされてい る。 これに対 し

てAL合金の場合 は1kg当た り200∼300円だ とされている。

(注5)東京 ロス トワ ックス社 ヒヤ リング調査 (2003年2月12日) よ り。

(注6)日本 アル ミニ ウム協会 ・自動車委員会 『自動車 アル ミ化』

[URL;httl)://www.keikvo-unet.ocn.ne.iD/]・Ⅰ「アル ミ化 の 目的 と効果」・「自動 車 の アル ミ化 の現 状 と今後」1/2よ り。なお、アル ミニ ウム合金板材 について は、 自動車 のボディパ ネル、 フロア材や ケ ース等 に使用 されつつあるとされる。例 えば 自動車のパ ネルに実用化 されてい る もの としては、アウデ

ィA8

、GMキ ャディラック、 フォー ドリンカー ン、 日産セ ドリックな どの高級 車や トヨタスー プラ、 ホ ンダ

NSX

な どのスポーティカー、 また最近で は、 アウデ

ィA2

、 フ ォル クス ワーゲ ン

3

L

ルポ、 ホ ンダイ ンサ イ トな どの低燃費車がある とされる (横井健夫 「自動車 アル ミニ ウム合金板材 の開発状 況 と今後 の 課題」 よ り)。 さ らに独

Au

d

i

社 と英

J

a

g

u

a

r

社 は、ユーザーの安全性 ・快 適性 ・性能 向上要求 に応 えるた めに、 自動車の重量が年 間20kgづつ重 くなっている状態 を抜本的 に解決すべ く、アル ミ合金 を使 ってボ ディーの本格 的な軽量化 に乗 り出 している とされる。 (なお

Aud

i

社 の調査 によれば、車両重量増加分 の

5

7

%

は車体部分で生 じているとされ る。) まず

Au

d

i

社 は

A8

の車体構 造 を

AS

F (

Aud

iS

pa

c

eFr

a

me

)

を 用 いることによって軽量化 に成功 した とされ る。 また

J

a

g

ua

r

社 も軽量化 につ いてアル ミのモ ノコック 構 造 を採用 した事体軽量化 に成功 を収 めた とされる。その結果、両社 とも約200kg、車両重量 の約10% の軽量化効果 を発揮す ることがで き、10-15%の燃 費向上 を可能 に した とされ る (鶴原書郎 「これか ら の高級車 はアル ミボディー ?」 [D&M]2003年1月 [NO.580]p.45-48よ り)。 さらに 日本 で も、 ホ ン ダ、富士通、マ ツダ、三菱 自動車、ヤマハ発動機 な ど自動車 メー カーが足 回 り部 品、バ ンパや ドアの補 強材、エ ンジンフー ドや トランスカバーな どの分野で発注 し始 めてお り、その結果 自動車用 アル ミ板材 の需要 は、2003年 には月3200トン程度であるが、2007年 には月12000トンに迄大幅 に拡大す る と見込 ま れている (朝 日新 聞2003年8月18日よ り)。 (注7)蛇名保彦 「マグネシウム開発の事業化 に関す る研究」 [地域活性化 ジャーナル4号

]

<2-(3)-A.自動車 > p.8-13よ り。 なお、世界 のマ グネシウム 自動車部品例 は図表1-4-12通 りであ り、 また 日本 のマ グネ シ ウム 自動車部品例 は図表1-4-13の通 りである。 さ らに、欧米では 自動車部 品におけるマ グネ シウム合金 利用が次第 に活発化 して きてい ることも見落 とせ ない。 と くに、 日本 で はまだ実現 してい ない イ ンス ツルメ ン トパ ネルや トランス ミッシ ョンハ ウジ ングをは じめ、 日本 で も一部使用 され始 めた シー トフ レーム部品な ど大型の部品がマ グネ化 されてい るとされ る (小原 久 「マ グネ シウム合金の市場 動 向」 (『工業材料』[2002年8月号])p.26参照)0 (注8)近 田敏弘 「自動車部品のマグネ シウム合金化事情」 (『機械技術』 [2000年10月号])p.34-35参照 。 (注9)例 えば精密鋳造部 品メー カーであ る東京 ロス トワックス社 は、 ロス トワ ックス法 に よるマ グネ シウム 合金 の鋳造技術 を確立 してい る (東京 ロス トワ ックス社 ヒヤ リ ング調査 [2003年 2月12日])。 なお、 鋳造技術 に よる用途開発の面で も進展がみ られ る。例 えば、長 岡技術大学 の小 島陽教授 らはや は り鋳 造法で複雑 な形状 を持つ変速機収納 ケース をマ グネシウム合 金 を使 って開発 した とされ る (日本経済 新 聞2003年 2月14日)0 (注10)プ レス成形法 に関 して も、住友金属 のス テ ンレス加工子会社 であ る住友金属直江津 は、圧延板 の量産 化技術 を確立 し、圧延板材価格 を5,000-8,000円程度 (1kg当た り) か ら3,000円程 度 (同) に引 き下

(18)

げ るこ とを可能 に した とされ る (日本経済新 聞2003年2月25日よ り)。 こう した圧延材 の量産化技術発 展 の背 景 には、 プ レス成形技術 の発展 やそれ を用 いた用途 開発 の進展 があ る。例 えば、 ツバ メ ックス 社 を中心 と した産学官連合 グルー プは、マ グネ シウム合金板 の プ レス成形技術 を確 立 し、歩留 ま り率 (利用率) を現在 の5- 6割 か ら9割 に迄引 き上 げ るこ とに成功 した結果、 プ レス成形法 による量産化 の可能性 に途 を開いた と伝 え られ る (日本経済新 聞2003年3月12日よ り)。 さ らに、や は りツバ メ ック ス社 をは じめ とす る燕 ・三条地域 のプ レス加工 関連企業5社 は共 同で、 プ レス成形法 としては全 国初 の 量 産化体 制 を確立 しようとしてい る。す なわち5社 グルー プは、IP電話 を使 った 「防災情報連絡 システ ム

に係 わ る装置本体 用 ケース を2003年4月か ら2万 セ ッ ト (初年度)生産す る計画であ る と伝 え ら れ る (日本経 済新開2003年 4月 8日よ り)0 (なお、全 国的 に もプ レス成形法 に よる量産化 の動 きが広 が り始 めてい る。例 えば、大 同特殊鋼 と日本 金属 は共 同でマ グネ シウム合 金の量産化 に乗 り出 した と とされ る。 両社 は、電 子機器 向 け需要 の増 大 に対 応す るため に、大 同特殊 鋼 の星崎工場 (名古屋市) に30億 円 を投 じて世界 最 薄 の0

.

1-0.3ミリメー トルのマ グネシウム合 金 [コイル] の生 産体 制 を整 え 2003年12月 に も月産15トンの規模 で生 産 を開始す る予 定 だ とされ る [日本経済新 聞2003年6月3日よ り]。)ツバ メ ックス は また、サ ンライス工業 (糸魚 川市)、不 二越 (富 山県滑 川市) な どと共 同で長 岡 技 術科 学大学 と提携 し、 マ グネ シウム合金大型板材 の プ レス成型金型 に関す る研 究 を始 めた とされ る (新 潟 日報2003年11月8日よ り)。 さらにマ グネ シウム合 金の精密 プ レス加工技術 に も注 目しなけれ ば な らない。見 附市 の金属 加工 メー カー であ るモ リテ ックは、東北パ イオニ ア社 (山形県) と共 同で、 ス ピー カー に使 う0.05ミリの超 薄型 マ グネ シウム振 動板 を世界 で初 め て開発 した と伝 え られ る (新 潟 日報2003年7月16日よ り)。 さらにモ リテ ックはその後、 ヤマハ のス ピー カー用 向けに このマ グネシウ ム振 動板 の生 産 を始 めた とされ る (日本経 済新 聞2003年11月5日よ り)。 この他機械 工具 の相場 産業 (三条市) は、歯科専 門の明倫短期大学 、県央地域 地場 産業振興 セ ンター と共 同で、マ グネシウムを使 った携帯 型 の軽量歯科 治療 用 イス を開発 した とされ る (日本経済新 聞2003年10月22日よ り)0

5.

軽量金属開発 と

L

CA

ソフ ト

AL合 金及 びMG合 金 開発 にお け る以上 の三点 に亘 る補完性 ・代 替性 を定量 的 に明 らか にす るため には、以 下 で述べ るLCAソフ トの導入が必要 で あ る。 第 Ⅱ部 で詳論す る ように、軽量 金属複合型 「要素 開発 」 に とっ てLCAソフ トは不 可欠である と考 え られ るか らだ。

(1)LCA(LifeCycleAssessment)コンセプ トについて

① LCAとは何 か 一般 的 なケース として は、素材 ・材料 ・資材 調達、生 産 ・加工 ・組 み立 て、販売 ・配送、消 費 ・廃 棄 に至 る 製 品の全 ライフサ イ クルに関す る環境負荷事前 評価及 びチ ェ ックを 目的 とす る コ ンセプ トであ る (注 1)。 自動車 のケース として は、素材 ・材料生産、車の製造 ・組 み立 て、走行時の燃料消 費、廃車、 リサ イクルに 至 る 自動 車 の ライ フサ イクル全般 に亘 るエ ネルギー消 費及 び環境 負荷 についての事前評価及 びチ ェ ックを目的 とす るコンセプ トであ る (往 2)0 - 1

(19)

2-図表Ⅰ-4-7 [1]マグネ化可能な自動車部品 (フォルクスワーゲ ン ・アウデ ィーのケース) 部 品 名 VW,Audi 5年以内での 5年以上での 10年以上での でのマグネ化部品 マグネ化の可能性 マグネ化の可能性 マグネ化の可能性 1.駆動部晶系トランスミッション .ハウジング

インテークマニホール ド

シリンダーヘッ ド.カバー サポー ト

18 オイルポンプ .ハウジングクランクケース 6.-l

l 重量小計 (kg) 14-20 2.内装部品名ハン ドル芯

0

ペダルブラケッ ト

ハン ドルコラム部品 前後 シー ト部品その他部品

重量小計 (k9) 4 8-12 2-4 3.ボディ部品系Mインスツルメン トパネル .クロスバービームトランクリッ ド部品ドア (9板用途 (インナー)鋳物内装/外装)■

3 20-3

4

M9押出用途

重量小計 (kg) 8-12 15-20 4.車輪シャシー部品系エンジンクレー ドル/サブフレーム

0

0

4-6

サスペンションアーム (フロン ト、リア-)

重量小計 (k9) 30-34 合 計 (kg) 25 34-57 28-42 45-54

出典 :MetalBu"etinMonthly/LightMeta一sSupplement2002年5月号、10-12

[

2

]

米国の自動車に使用される材料構成比較推移 材 料 名 2001年 2020年 鉄鋼 64% 55% アルミニウム 8% 12% ゴム 4% 4% プラスチック 8% 10% 流体 や潤滑剤 6% 6% マグネシウム 0.02-0.03% 4% その他 9.97-9.98% 9% (出所)小原 久 「マグネ シウム合金の市場動向

(r工業材料」 【2002年8月号】)p.30-31より。

(20)

図表ト 4

-

8

世界のマグネシウム需要動向 1996年 1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 前年比 (%) 01/96(%) アル ミ合金用 138,200 146,150 154,400 159,800 165,100 142,810 86.5 103.3 ノジュラー鋳鉄用 12,500 ll,750 ll,300 8,900 8,800 3,910 44.4 31.3 鉄鋼脱硫用 39,600 47,950 48,200 41,700 51,600 41,940 81.3 105.9 金属還元用 5,000 5,000 4,900 2.400 3,600 3,820 1_06.1 76.4 電気化学用 9,600- 8,900 10,000 ll,200 7,500 8,620 ll_4.9 89.8 化学用 6,900 6,700 6,800 5,200 6,000 5,200 86.7 75.4 ダイカス ト用 72,300 95,300 110,100 133,400 110,700 108,630 98.1 150.2 鋳造用 2,400 2,100 2,600 2,000 2,200 1,660 75.5 69.2 屈伸用 4,000 3,500 4,500 4,100 3,400 1,400 41.2 35.0 その他用 4,900 6,350 7,500 6,800 8,000 ll,490 143.6 234.5 合計 295,400 333,700 360,300 375,500 366,900 329,480 89.8 111.5 自由世界における分野別 マグネシウム地金需要量推移 (単位:t) (出所)小原 久 「マグネ シウム合金の市場動向」(r工業材料」【2002年8月号])p.26より 図表 Ⅰ-4

-

9

世界のマグネシウム供給 [1]世界のマグネシウム生産 国 年 1996 1997 1998 1999 2000 2001 01/00(%) 米 国 133 125 106 80 32 30 93.8 ブラジル 9 9 9 9 9 9 100 カナダ 54 58 77 71 80 100 125 中国 50 92 67 83 140 195 139.3 フランス 14 12 14 14 14 7

0

イスラエル - 8 15 25 34 30 88.2 カザ フスタン - 9 9 10 10 10 100 ノルウェー 30 28 28 28 35 30 85.7 ロシア 35 40 42 35 45 50 111.1 ユーゴスラビア 3 ー3 1 1 1 1 100 ウクライナ 13 10 1 1 - - -出典 :米国資料 をもとに、日本マグネシウム協会推計 - 14-【2]世界 (除 ロシア ・中国) におけるマ グネシウム 生産能力- 2002年 (単位 :1,000t) 施 設 名 生産能力 マグコープ 45 ノラング 63 テイミンコ 7 ノルスク 45 (北米合計) (160) プラズマグ 10 デ ッ ド.シー 30 (その他の合計) (40)

(21)

図表ト410 世界のマグネシウム製錬 メーカー

地域 所在地 能力(MT/Y) 製法 備考

北 米 U.S.Magnesium RowJey,Utah 45,000 電解法 旧Magcorpo

Magcan Calgary I/: プロジェク ト休止中o

NonhwestAloloys Addy,Washington マグネテルム法 2001年10月電力問題により休止o

NorskCanada Becancour,Quebec 48,000 電解法 Non〟ay休止に伴 い、能力アップo

Noranda Thetford,Ontario 20,000 〟 2000力63,年9月稼動o フルの生産能000MTo

Timminco Ha"ey,OntarJo 7,000 ピジョン法

欧 州 NorskNorway Porsgunn 電解法 2002による合金生産o能力20,年2月製錬 を休止o再溶解000MTo

Pechiney France マグネテルム法 2001年6月休止o

その他

旧自由圏 AMC Australia

0

電解法 2005年完成予定o能力6,000MTo

DeadSeaMagnesiuh Israel 30,000 J57 Brasmag Brazi一 10,000 ピジョン法 Others 1,200 イ レ ド 旧自由圏計 161,200 CJS/ユー ゴスラビア Ka山sh Ukraine 25,000 電解法

SoHkamsk Russia 18,000 〟

Avisma Russia 18,000 〟

Others 22,500 一ク

中 国 NanjingUbeMagnesium 江森省 ピジョン法 製錬休止中o合金専用工場o

Jishan 山西省 20,000 〟 WenxiYinguang 〟 20,000 // Yie-Wei 〟 20,000 /r Ton9Xlan 一ク 25,000 〟 RenXlng 〟 15,000 // NingxiaHuayuan 〟 15,000 〟 JingWang 〟 10,000 〟 Others 175,000 予想値 (実態掌握困難)o 旧共産圏計 383,500 世界合計 544,700 (出所)上田由高 「マグネシウムの応用 と需給動向」p.6より。

(22)

図Ⅰ-4-11 日本 のマ グネ シウム需給状況 [1] 日本 のマ グネシウム需要動 向 (単位 :MT) 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002推定 1996構成比 (%)2002 アル ミ合金 21,718 21,951 19,707 20,809 20,695 18,379 18,goo 76.6 61.9 ノジュラー鋳鉄 1,630 1,659 1,375 1,569 1,522 1,440 1,400 5.8 4.6 金属製錬 250 0.8 ダイカス ト 2,120 2,602 2,733 2,897 4,358 4,029 6,500 7.5 21.7 鋳物 188 228 196 234 248 241 250 0.7 0.9 化学/防食/その他 2,665 2,647 3,163 3,952 4,392 3,354 3,000 9.4 10.0 合 計 28,321 29,087 27,174 29,461 31,215 27,443 29,900 [2] 日本 のマグネシウム供 給 35 30 25 20 15 10 5 0 ' '

竺 麗 ;7 _iT gl l l l H ■ ‥ ==H lm '90 '91 '92 '93 '94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 年 度 日本 におけるマグネシウム(M9≧99.8%)の供給状況 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 (MTX1,000) ■米由 m ノルウエ-/ カナダ E3ヰ 国 □ その他 □ 国内生産 l I l '90 '91 '92 '93

'

94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 年 度 (出所)上田由高 「マグネシウムの応用 と需給動向」p.8-9より - 161

(23)

図表 ト4-12 全世界での用途別マグネシウム自動車部品例 ボ デ ー エ ンジン 篤区 動 シャン-シー トフ レーム シリンダーヘ ッ ドカバー トラ ンス ファーケース ロー ドホ イール インスツル メン トパネル オイルポ ンプハ ウジング MTハ ウジング ステア リング芯 金 ドアメカニズムハ ウジング オイル フィル タアダプタ ATステータ ステア リングコラム部 品 ウイン ドモータハ ウジング エ ンジンオイルパ ン ATサイ ドカバ ー ブ レーキ/ ラジオア ンプハ ウジング インテークマニホール ド ATハ ウジング クラ ッチペ ダル ブラケ ッ ト

シー トモータハ ウジング EGRシステムバルブカバ ー ATピス トン ABSマ ウン トブラケ ッ ト

ミラーブラケ ッ ト ヘ ッ ドライ トリテーナサンルーフフレームシー トベル ト部品ウイン ドシール ドアームコンパーチル ツ トップフレームエアバ ックハ ウジングフューエル タンクカバ ードアインナー スロ ッ トルボスタータハ ウジングターボチ ャージャ部品オル タネータ/エア コンブラケ ッ トデ ィ ギア シフ トハ ウジング (出所)近田敏弘 「自動車部晶のマグネ化事情」(r機械技術日 2000年10月号】)p.35よ り

図表

Ⅰ-4-13 日本のマグネシウム製 自動車部品例 (推定含む) 部 品 名 使用 自動車 メーカー ステア リングコラム .ロックハ ウジング トヨタ、 日産 、ホ ンダ ステア リングコラム トヨタ、日産 、三菱 、スズキ、ダイハ ツ、ホ ンダ シ リンダーヘ ッ ド.カバー トヨタ、ダイハ ツ、スズキ、ホ ンダ エ ンジン .カムカバ ー いす ゞ ブ レーキペ ダル .サポ ー ト トヨタ インテー クマニホール ド ホ ンダ技研 ホイール レイズエ ンジニア リング、ウ エツズ、鍛 栄舎 、 レー シングサー ビス .ワタナベ オイルパ ン ホ ンダ 電子制御部品 ケース ホ ンダ シー トフ レーム トヨタ シー トベ ースプ レ- ト 日産 オーデ ィオパ ネル トヨタ エアーバ ッグ .プ レー ト トヨタ (出所 )小原 久 「マグネシウム合金の市場動向」(r=業材料j2000年8月号)p.26より

(24)

② 自動車の軽量化 と

LCA

効果 そ こで 自動車 の軽量化 と

LCA

効 果 について 検討 してお こう。 (イ)軽量化一般モデル この場合 には、上述 した ように (

1

-

2

】 -① 参照)、軽量化100kgにつ き燃 費向上率 0.6リッ トル (

1

0

0

k

m

走行ケース) と想定 さ れている。 (ロ)

AL

車ケース それに対 して

AL

合金 を使用 した車す な わ ち

AL

車 の場 合 には、例 えば アル ミ材 40%使用 ケースで、走行距離1万 メー トル 以上 でCO2排 出量低減効果が発揮 され る と測定 されている (図表Ⅰ-

5

-

1

参照)0 (ハ)複合軽量金属車ケース これ に対 して、

AL

合金 と

MG

合金 を含 めて軽量金属 を複合的 に素材 ・材料 とし て用 いた場合 - す なわちモジュール化 し て用 いた場 合 (例 えば図表1-5-2の場合) - は どうか。 この場合 には上記の

CO2

排 出量低減効果 は一層高 まることが期待 さ れ るが、残念 なが ら現在 の ところそれ を シュ ミレー トす る

LCA

ソフ トが 開発 され 図表Ⅰ

-

5

-1

L

CA

ソフトによる

AL

車の燃料向上効果測定 25,000 20,000 6 g

咽 FR 鼓 N O O 0 0 . 0 51 0 0 0 0 . 1

-

.S

-

U +亡一AAl辛ALS車::ミリサ車車

イク)

材50%使用 図3.アル 0 2 4 6 8 10 (製造時) 走行距離/万km (出所) 日本アル ミニウム協会 ・自動車委員会 r自動車アル ミ化」

[URL:htt:www.keikyoIUnet.OCn.ne./】

「アル ミ化 とLCA」 ・ (1.

軽量化 とLCA) ・ く自動車のアル ミ化の現状 と今後)2/2及び く図3 アル ミリサイクル材50%使用)1/1より。 ていない。 この ことは、 日本 では 「要素 技術開発」が未だ本格化す るには至 っていないとい うことを物語 っていよう。 (2)モジュール型

LCA

ソフ ト開発の必要性 と可能性 従 って、上記の ようなモ ジュール型の複合軽量金属素材 ・材料 を使用 した部品及び製品開発 のための

LCA

ソフ ト開発の必要性 は極 めて大 きい と云 えよう。またこうした

LCA

ソフ ト開発 によって、部品 ・製 品製造 に お いて素材 ・材料 として

AL

合金及 び

MG

合金 を複合的に使用す る途 もまた開けるもの と想定 される。要す る に、「要素開発」 を本格化す るためには、それを支える

LCA

ソフ トの本格的な開発 もまた必要 とされ ているの である。 そ こで以下では

LCA

ソフ ト開発 とくにモ ジュール型 ソフ ト開発 の取 り組み と課題について取 り上 げてみ よ

う。

(D

LCA

ソフ ト開発の取 り組み (イ)政府 レベル

まず政府 レベ ルでは、 (財)産業環境管理協会 における

J

EMAI

-

LCA」

が挙げ られる(注 3)

。J

EMAI

-LCA

は 「製品の環境負荷 を定量的に把握 し評価す る

LCA

手法の実施 を支援する

PC

ソフ ト」だ とされ る('ii:I4)0

(25)

8-ソフ トウエ ア機能 としては、それ は、 (イ) 目的及び調査範囲の設定、 (ロ) イ ンベ ン トリー分析、 (ハ) インパ ク ト評価、 (ニ)報告書作成支援 - か ら成 り立っているが、その うちとくに重要 なのはイ ンパ ク ト 評価 である。インパ ク ト評価 は、 さらに必須要素 と付加的要素 とか らなるが、その うち必須要素はISO国 際規格であるISO14040シリーズに準拠 しているために、JEMALLCAは、国際的LCAとい う性格 を付与 さ れ得 るか らだ (注5)0 (ロ)企業 レベル 企業 レベルでは、例 えば トヨタ ・エ コリサーチ社の取 り組みが注 目され よう (注6)。エ コ ・リサーチ社 は、2001年3月に トヨタ自動車が 日立製作所 などと共同で化学物 質管理サー ビスを行 うために設立 した も のである (注7)。同社 は、化学物質の排 出量 を測定 し管理す るために材料使用量や製造工程 にお けるデー タチ ェックをイ ンターネ ッ トを使 って行 ってお り、その意味で同社 の事業 はLCAソフ ト支援事業である と云えよう (注8)0 ② ネッ トワークシステム としてのLCAソフ ト開発の必要性 ところで、「要素開発」 とりわけ複合軽量金属素材開発 にとって不可欠なのはパー ツ ・サプライヤーによる LCAソフ ト開発への取 り組みである。 だが、パーツ ・サプライヤーは中小企業 を主体 としているために単独 での取 り組みは極 めて困難かつ不利である。 そ こでパーツ ・サプライヤーがLCAソフ ト開発 に積極 的に取 り 組むためには、 ネッ トワーク型の開発が必要 となる。 この場合三つのケースが考えられる。一つはアセ ンブラ ー主導のネッ トワークに参入す るケースである。二つには共通 ネ ッ トワークシステムを活用す る場合である。 三つ には集積地域 間ネッ トワークを形成することである。 (イ) アセ ンブラ一別 ネッ トワークシステム活用型開発 アセ ンブ ラー主導のLCAネ ッ トワークとしては、例 えば ホ ンダのLCAカー ・システムが挙 げ られ る (注9)。 しか しなが らこうしたアセ ンブラー主導のLCAネ ッ トワー クは、往 々に してネ ッ トワー クシステ ム自体がVPN (VirticalPrivateNetwork)とい う性格 を色濃 く保持 しているために、パーツ ・サ プライ ヤー間の 「イコール ・パー トナーシップ」型のネッ トワークを形成する-すなわち水平的なネッ トワーク を形成す る- とい うパーツ ・サプライヤーが志向す る方向 とは異 なる方向に向か う可能性 を学 んでいる とい うことを否めない。 (ロ) 「共通ネッ トワークシステム」活用型開発 そ こで次に登場 して くるのがパーツ ・サプライヤー とアセ ンブラーが 「共通ネッ トワー クシステム」 を 形成す ることによって 「イコール ・パー トナー シップ」の下でLCAソフ ト開発 に取 り組 む とい う方式で ある。 す なわち日本の 自動車産業 における共通 ネ ッ トワー クシステムであるJNXを活用 してLCAソフ ト 開発 に挑むという試みである。 この場合、JNXがGNXとりわけA-NXの一環 をな している、あるいはその可能性 を秘めている とい う点 が重要である。何故 な らばそれによってパーツ ・サプライヤーのLCAネ ッ トワー クもまたボー ダ レス化 す る可能性 を付与 されるか らである。 但 しこの場合にはJNXにおける共通ASP機能の一環 として- す なわちJNXクロスオーバー型 として -LCAソフ ト開発が進め られ る必要が あ る。す なわ ち、業務 アプ リケー シ ョンの共通化つ ま りCASP

(CommonApplicationServiceProvider)と業務 アプ リケーシ ョンとしてのLCAソフ トの共同開発 とい う二つの機能がJNXに付与 される必要があるという訳だ 恥 10)0

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