排水性舗装の基層以深の劣化を要因とした
ポットホール発生予測手法の一提案
橋爪謙治
1・橋本和明
2・明石行雄
3・全邦釘
4 1正会員 西日本高速道路エンジニアリング四国(株)(〒760-0072 香川県高松市花園町三丁目 1 番 1 号) E-mail : [email protected] 2 正会員 西日本高速道路エンジニアリング四国(株)(〒760-0072 香川県高松市花園町三丁目 1 番 1 号) 3正会員 西日本高速道路エンジニアリング四国(株)(〒760-0072 香川県高松市花園町三丁目 1 番 1 号) 4 正会員 工博 愛媛大学大学院理工学研究科(〒790-8577 愛媛県松山市文京町 2 番 5 号) 排水性舗装の損傷進行の把握を目的として,高精度な路面性状車両で,同一箇所の隔月計測を実施した結果, この場所では短期間でひび割れ発生からポットホールへ進展する事象を確認した.この様な損傷は従来の評価 (ひび割れ,わだち,平坦性)指標や調査頻度では早期に発見,予測できない.本論文は,高精度で取得した 路面の高さ情報を解析することで,排水性舗装特有の局所沈下量という新たな評価指標を提案するとともに, 損傷要因に応じた損傷進行における成長曲線モデルを導くことで,ポットホール発生予測を提案するものであ る.Key Words : pot-hole, porous asphalt pavement, evaluation indicator, growth curve model
1.はじめに 我が国の高速道路は,表層部に排水性舗装(ポーラス アスファルト舗装)が標準採用されており,密粒舗装よ り排水性舗装の占める割合が増加している.また,損傷 形態については,従前の密粒舗装では表層あるいは表基 層部の損傷が主体であったが,排水性舗装においては本 来機能である雨水の浸透により,基層及び路盤など深層 部に至る構造的損傷が散見されている. 現在,高速道路では,安全性や走行快適性の観点から 3 年に 1 回の頻度で路面性状調査を実施し,さらには特 定箇所について基層以深の損傷など舗装構造体の評価を 目的とし,FWD測定やコア・開削調査を実施している. この調査結果が適切な維持管理を行うための基礎資料と なっている. 当社の道路管理区間で,排水性舗装に生じる損傷のう ち,路面のひび割れ確認後,3 ヶ月程度と比較的短期間 でポットホールが散見する事象が発生した.この事象は 前述した路面性状調査頻度では早期発見が難しく,従来 の評価指標からポットホール発生時期の追究はできなか った.この対応として定期的に日常点検を実施している が,事後保全となっているのが現状である. 筆者らは路面の横断形状が高精度に測定できる光切断 法を使用した測定器を搭載した路面性状調査車両(以下, 路面性状車)を使用し,幅方向 1.68 mm,進行方向 5.6mm ピッチで高さ測定した1). 本論は,路面高さを定期的に測定することで,ポット ホールの発生個所を推定するための新たな評価指標を提 案するとともに,予防保全となる補修計画に資する排水 性舗装の損傷成長曲線モデルを作成し,維持管理する手 法を提案するものである. なお,本論は特定した評価区間において実施したもの であり,その他の区間については気象条件,交通特性, 舗装構成(路床材質)が異なるため,評価指標,評価値 がそのまま適用できるとは限らない. 2.ポットホールの損傷形態 ポットホールとは,アスファルト混合物が剥奪飛散す ることで路面に小穴が生じる事象をいい,道路管理上, 速やかな対応が求められる事象である.発生機構は 2 つ に大別できる. ひとつは,舗装表面に発生したひび割れからの浸水に
より脆弱化し 噛み合せや水 ひび割れから い発展するも 二つ目は, び割れがアス 盤及び路床が 深のアスファ 支持力低下に 層全体が飛散 排水性舗装 となる基層上 入し,ひび割 とで空隙が生 下領域は,基層 この水の介在 た,供用年数 いる箇所は, いことが知ら 以上の見解 は,水溜まり 起因する要因 3.排水性 (1) 定期測定 排水性舗装 めに,高速道 状測定とカラ 況を平成 25 年 した. (2) 可視画像 測定区間内 像による損傷 この結果か 写真-1 局所沈 した混合物に輪 水の擦り磨きで らの浸水により もので,主とし アスファルト スファルト混合 が泥濘化するこ ァルト混合物の に伴い進展する 散する2). 装に局所的な沈 上の滞水がひび 割れの進展に伴 生じる3).この 基層にくぼみを 在が表層や基層 数が経過しても 舗装各層が密 られている5). 解から,排水性 り部(局所沈下 因として検討し 性舗装の損傷推 定 装でのポットホ 道路の 27km/車 ラーラインスキ 年 10 月から平 像による損傷推 内でポットホー 傷推移を写真-から,当該箇所 沈下部のコア調 輪荷重が作用し でひび割れの角 り表層と基層の して表基層が飛 ト混合物層の底 合物層を貫通し ことや,写真-1 の脆弱化により るもので,アス 沈下が生じる原 び割れや施工目 伴い路盤の細粒 の空隙により生 を生じさせ,雨水 層部の脆弱化を もなお建設時の 密着し,雨水の 性舗装のポッ 下領域)がポッ した. 推移 ホールの発生時 車線を対象に光 キャンカメラを 平成 26 年 2 月 推移 ールが確認でき -2 に示す. 所のポットホー 調査 し,ひび割れ部 角欠けが助長さ の層間はく離に 飛散する. 底面から生じた し,浸水により 1 のように基層 り,空隙の発生 スファルト混合 原因は,排水基 目地から路盤へ 粒分が噴出する 生じた局所的な 水等が滞水する を助長する4). の舗装が現存し の浸透や滞水が トホール損傷形 ットホール発生 時期を確認する 光切断法による を利用し,路面 の隔月,定期測 きた箇所の可視 ールはひび割れ 部の され, に伴 たひ り路 層以 生や 合物 基面 へ浸 るこ な沈 る. ま して がな 形態 生に るた る形 面状 測定 視画 れが 徐々 12 月 化し ホー 降雨 する 理を し とい この なる 4. (1) 光 線状 射し 撮 が, 情報 (2) 光 ーを 測定 以下 ある (a) 写真 々に進展して発 月から平成 26 したことが窺え ールの前兆とし 雨など外的要因 る.このため, を行ううえで有 しかし,排水性 いう短い期間の の場合,ひび割 る. 高さ情報を 高さ情報の取 光切断法は撮影 状のマーカー しカメラで斜め 撮影対象物が平 凹凸の場合は 報を面的に取得 光切断法を用 光切断法の原理 を車両進行方向 定が可能となっ 下で,図-2 のよ る1). ) H25.10 (b) H 測定対 スリッ 直上か 真-2 可視画像に 発生するのでは 6 年 1 月)とい える.従来の密 して,亀甲状の 因が引き金とな 路面性状調査 有効な指標であ 性舗装の場合は の中で,突然ポ 割れ率等を管理 を活用した評価 取得原理 影対象物に対し (以下,スリッ めから撮影する 平面の場合,マ は歪んで映る. 得することがで 用いた横断形状 理を利用して, 向に直角に配置 った.測定ピッ ようにひび割れ 図-1 光切断法 H25.11 (c) H2 対象物に対して ットレーザーを から照射 進行方 による損傷推移 はなく,1 ヶ月 いう短い期間の 密粒舗装の場合 のひび割れが発 なってポットホ 査でのひび割れ あった. は,写真-2 のよ ポットホールが 理指標とするこ 価指標の提案 して直上からレ ットレーザーと る(図-1). マーカーは直線 この原理で高 できる. 状測定 スリットレー 置し,本線横断 ッチは 1.68mm れも撮影するこ 法の概念図 5.12 (d) H26. ポットホール 発生箇所 方向 エリアカメラで 斜めから撮影 月(平成 25 年 のなかで表面 合は,ポット 発生したのち, ホールが発生 れ率は維持管 ように 1 ヶ月 が発生した. ことが困難と 案 レーザにより という)を照 線として映る 高精度な高さ ーザのマーカ 断方向の形状 m,誤差±1mm ことが可能で 1 (e) H26. 2 応急 処置後
図-2 わだち測定の例 図-3 路面高さ情報の推移(画像処理結果) (3) 高さ情報による損傷推移 本論は路面高さを利用して局所的な不等沈下を明示で きる画像処理で検討を実施した.局所的な不等沈下を明 示するには,路面の不陸やわだちの影響を除くことが必 要である.このため式(1)のとおり路面高さの移動平均を 求めて対象ピクセルの路面高さを引算した. , , , (1) ここで,入力画像: , 出力画像: , , 1 2 1 , 1 (2) n = 300mm とする 式(1),式(2)で画像処理を行い,局所的に沈下している 範囲を明示した(図-3).図中に示すとおりポットホール が出現する領域は 3 ヶ月前から局所的に沈下しているこ とがわかる.つまり,局所的な沈下領域がポットホール 発生の先行指標になることを意味する. (4) 評価指標としての局所沈下量の提案 a) 従来評価による局所沈下量把握における課題 従来評価であるわだち量(図-4)は,ある区間のわだ ちが全体的に大きい箇所の傾向を捉えるのに適している. 図-4 従来のわだち評価概念図 図-5 局所沈下量の概念図 また,排水性舗装は密粒度舗装に比べ耐流動性に優れ る混合物であることから,わだち量が小さい区間で局所 的な沈下が生じる.この沈下領域はポットホール発生の 危険性が高いが,従来の評価指標では把握することがで きない. b) 局所沈下量 排水性舗装の損傷推移は局所的な沈下領域が縦断方向 に拡大することから,ポットホール発生の先行指標とし て局所沈下量を提案できる. 局所沈下量の算出方法は,評価地点のわだち量と代表 わだち量を差分した値を局所的な相対わだち量として評 価するものである(図-5). ここで代表わだち量とは評価地点から前後 10m の縦 断区間におけるわだち量の中央値と定義する. なお,図-3 に示すポットホール発生箇所における局所 沈下量は,平成 25 年 10 月時点では 15mm 程度であった が,平成 26 年 1 月には 25mm を超過し,局所沈下量の 増加がポットホール発生の危険度を示すことが窺える. 5.局所沈下量の成長曲線モデル (1)排水性舗装の破壊形態 土工区間におけるポットホール発生までの排水性舗装 の破壊形態の概念を図-6 に示す.供用後土工部の初期圧 密による一次(クリープ)変化を経て,弾性領域を保持 した状態である潜伏期間(二次クリープ)に進展する. この期間は基層以深の損傷進行が初期段階であることか ら変形量が微小で,路面に沈下として現れない状態から, 図-6 排水性舗装の破壊形態概念図 50 60 70 80 90 100 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 高さ (m m) 幅(mm) ひび割れ ひび割れ ひび割れ A-A'横断プロファイル A' A 外側線内側からの距離(mm) 中 央 破 線 外 側 線 高さ画像(黒色が低い) ポットホール 発生箇所 応急 処置後 (a) H25.10 (b) H25.11 (c) H25.12 (d) H26. 1 (e) H26. 2 レーンマーク Dmax 局所沈下 破線:局所沈下領域 実線:わだち量が小さい区間の 横断形状 時間 (t) ポットホール発生 × 一次 クリープ 二次クリープ 三次クリープ 局所沈下量( mm )
貫通ひび割れが亀甲状に生じるまでの期間を想定してい る.亀甲状のクラックが表面化した後は,舗装本来の荷 重分散機能の低下により,塑性領域に至ることから加速 的に損傷が進行するものと仮定した. (2) 成長曲線モデル 成長曲線(潜在曲線)モデルとは,ある個々のデータ について,時間的要素である経過期間について縦断的デ ータの解析を行ったものをいうこととする.このモデル は属性の違いによる個体差について説明変数で記述する ことができる6).ここでいう観測変数は,局所沈下量の 評価区間 10m とした縦断的データであり,損傷進行(成 長)を示したものである.なお,サンプル数は 52 箇所と した.前項の仮定に基づき,初期値である 10 月時点の可 視画像を確認した.亀甲状のひび割れの有無によって沈 下領域が弾性体と塑性体の 2 つの属性に分類した結果, 変化傾向の違いを確認した(図-7). また,道路構造の違いについて局所沈下の推移傾向を 確認した(図-8).ここでは,これまでの点検結果から盛 土区間においてポットホール発生箇所が多く確認されて いることから「切土・盛土」に分類した. 次に,道路線形の違いについて局所沈下の推移傾向を 確認した(図-9).サグ部は路面排水が滞りやすく,舗装 体の損傷を助長する要因である水の介在が懸念される区 間であることから「サグ・その他」に分類した. さらには,評価地点前後 10m の区間における損傷程度 を示す「代表わだち量」について,局所沈下量の進行性 への影響について分析する. 図-7 変形領域の違いによる損傷進行 図-8 道路構造の違いによる損傷進行 図-9 道路線形の違いによる損傷進行 これらの因子以外にも路線特性や材料特性による違い が考えられるが,サンプルデータが特定区間内であるこ と,因子が多いほど後述する分析が複雑となることから, 本論はこれらの属性を説明変数として設定した. (3) 成長曲線モデルの分析結果 成長曲線モデルを分析した結果,弾性領域は一次式, 塑性領域は二次式をあてはめたモデルを構築した.なお, 局所沈 下 量 (m m) 測定時期 進行≪早い≫ (a) 弾性領域の局所沈下推移 (b) 塑性領域の局所沈下推移 進行≪遅い≫ 測定時期 局所沈下 量(m m) 進行≪早い≫ 進行≪遅い≫ (a) 切土部の局所沈下推移 (b) 盛土部の局所沈下推移 局所沈 下 量 (m m) 測定時期 測定時期 局所沈下 量(m m) 進行≪遅い≫ 進行≪早い≫ (b) サグ部の局所沈下推移 (a) サグ部以外の局所沈下推移 局所 沈下 量 ( mm ) 測定時期 測定時期 局所 沈下 量 ( mm )
分析に使用したサンプルは測定時点が個体ごとにそろっ ていないため,沈下の進行度合いを重視した. 潜在変数である一次式のモデルの「傾き」「切片」,二 次式のモデルの「係数」に対し,時間経過を示す観測変 量と属性を示す説明変数の関係をパス図として図示した. このパス図内の単心円はその変数内の誤差を示し,楕円 は潜在変数,四角枠は既知である観測変数及び説明変数, 矢印は要因と結果を示す因果関係を示すパス係数を示し ている6). 提案する予測式はできる限りシンプルであることが望 ましい.説明変数を道路構造では盛土とその他(ここで は切土),サグ部とその他として設定し,モデルは盛土・ サグ部であれば従属変数への影響があるため「1」,切土・ サグ部以外であれば影響しないため「0」とした. a) 弾性領域の一次式のモデル 弾性領域のパス図を図-10 に示す.このモデルの適合 度検定結果は良好で,カイ二乗分布内の自由度 25 におけ る値は 49.259,有意な差(1%未満で有意)を示す有意確 率は 0.3%であった.このパス係数の推定結果から導き出 した一次式を表-1 に示す.「傾き」については説明変数 のサグ,盛土,代表わだち量の影響を受ける.「切片」に ついては説明変数のサグの影響を受ける.これは盛土区 間でかつサグ部区間である重複区間で最も局所沈下の進 行が早いことが考察できる. また,弾性領域の路面状況は微細なひび割れがあり, 高さ画像で局所沈下領域が不明確である(写真-3). b) 塑性領域の二次式のモデル 塑性領域のパス図を図-11 に示す.このモデルの適合 度検定結果は良好で,カイ二乗分布内の自由度 27 におけ る値は 47.883,有意な差(1%未満で有意)を示す有意確 率は 0.8%であった. このパス係数の推定結果から導き出した二次式を表-2 に示す. なお,ここでは二次式を式 (3)とする. (3) 「係数 a」については説明変数の盛土の影響を受ける が,代表わだち量の影響は受けない.「係数 b」について はサグの影響を受ける.弾性領域と同様にサグ部は塑性 領域への推移も早い. また,塑性領域の路面状況は亀甲状ひび割れの角欠け があり,高さ画像で局所沈下領域が確認できる(写真-4). 表-1 弾性領域における一次式 図-10 弾性領域における成長曲線モデル 写真-3 弾性領域における局所沈下 図-11 塑性領域における成長曲線モデル 代表わだち量 -50.0 10.0 高さ (mm) (b) 高さ画像 (a) 可視画像 係数b 代表わだち量 係数a y :局所沈下量(mm), x :経過月数(月) ω :代表わだち量(mm) サグ部 その他 盛土 y=(0.94+0.03ω)x+5.97 y=(0.75+0.03ω)x+3.49 切土 y=(0.60+0.03ω)x+5.97 y=(0.41+0.03ω)x+3.49
表-2 塑性領域における二次式 写真-4 塑性領域における局所沈下 図-12 盛土区間の成長曲線 図-13 切土区間の成長曲線 (4) 成長曲線の提案 弾性体領域である一次式と,塑性体領域である二次式 を組合せることにより,局所沈下量を予測する成長曲線 が提案できる.一次式の傾きは代表わだち量の影響を受 けることから,ここでは当該区間の測定値を勘案し,代 表わだち量 0m,10mm,20mm の 3 ケースを設定した. また,危険度の閾値として塑性領域の二次式の係数 b の値及び可視画像による確認結果から,亀甲状のひび割 れが顕在化する 15mm 以上を「注意領域」,ポットホー ルが発生した箇所における実績値から 25mm 以上を「要 注意領域」とし,一次式から二次式へ推移する時期は塑 性領域へ推移する局所沈下量 15mm に至る直前とした. 当該区間の盛土は脆弱な材料で構成され,下層部の支 持力低下が懸念されることから盛土区間の損傷進行が著 しい.さらには,雨水の排水が一般部より困難な状況であ るサグ部か否かによって,局所沈下の進行が異なること を考慮する必要がある. 以上のことから盛土区間における成長曲線については, 2 つのモデルを提案する(図-12). 切土区間における成長曲線についても盛土と同様に 2 つのモデルを提案する(図-13).盛土区間に比べ弾性領 域の期間が長く,損傷進行は緩やかな進行傾向を示す. しかし,注意領域に達すると特にサグ部の進行は盛土区 間のその他一般部と同様の傾向を示すことから軽視でき ない. 6.路面高さ情報による予防保全対策 (1) 成長曲線の提案 ポットホール発生領域における局所沈下進行について, 成長曲線を基に予測を実施した. 本検討成長曲線の解析区間において,路面性状調査を 平成 26 年 4 月に実施し,新たな指標である局所沈下量を 算出した. この結果を初期値とし,前項で述べた 4 つの要因に分 類し,各地点の局所沈下予測量を算出した.なお,便宜 上 1 地点を 10m としている.図-14 に検討区間である土 工区間 23km/車線の予測結果を示す. 図-14 ポットホール予測結果 (全土工区間 23km/車線) 27 37 46 58 54 65 69 81 99 126 167 197 2 5 6 15 40 52 77 100 122 149 193 238 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 要注意 : 局所沈下量25mm以上 注意 : 局所沈下量15mm以上 対 象 箇 所 数 (個 /10m ) 40 52 77 100 122 149 193 238 y :局所沈下量(mm), x :経過月数(月) 0 5 10 15 20 25 30 35 40 局所沈 下量 (mm ) 0 5 10 15 20 25 30 35 40 局所 沈下 量 (mm ) (a) サグ部における損傷成長曲線 (b) サグ部以外の一般部における損傷成長曲線 代表わだち量 0mm 代表わだち量 20mm 代表わだち量 10mm 代表わだち量 0mm 代表わだち量 20mm 代表わだち量 10mm 0 5 10 15 20 25 30 35 40 局所沈下量( mm ) 0 5 10 15 20 25 30 35 40 局所 沈下量( mm ) (a) サグ部における損傷成長曲線 (b) サグ部以外の一般部における損傷成長曲線 (b) 高さ画像 (a) 可視画像 -50.0 10.0 高さ (mm) サグ部 その他 盛土 y=0.54 x2+11.91 y=0.54 x2+13.57 切土 y=0.29 x2+11.91 y=0.29 x2+13.57
図-15 ポットホール予測結果 (盛土・サグ部区間 3km/車線) 図-16 予測手法フロー 半年後の予測結果が要注意領域 40 箇所/10m,注意領域 54 箇所/10m となる.危険領域(注意領域以上)の地点毎 に予測量を算出していることから,危険箇所が点在する 場合はパッチングなどの延命処置,一定区間に集中して いる場合は大規模舗装改良による更新時期,及び補修範 囲・費用の算定など補修計画策定に資する資料として活 用できる. 次に,検討区間のうち,盛土かつサグ部区間 3km/車 線の予測結果を図-15 示す.現状として,部分補修など 維持管理が施されている事から,ポットホール発生に至 る危険性は小さい.しかし,損傷進行(成長)が著しい ことから,当該区間においては注意領域に至る前に応急 処置を実施することが望ましい. 本論の検討に採用したデータは,10 月から 2 月の冬季 期間であること,近隣の路線に比べポットホールの発生 頻度が高い区間であることから,提案したモデルは安全 側の結果を導くものとなっている.よって,定期測定を 継続することで,季節変動による違いを反映する必要が ある.また,他の路線へ適用するには,舗装構成や補修 状況,交通量などの路線によって成長曲線モデルは異な ってくる.舗装の損傷を助長する要因分析と,局所沈下 量が増大していく時期が明確となる成長曲線モデルにつ いて検討することが今後の課題である. (2) 予測手法の提案 本論はある特定箇所でのポットホール発生に至る推移 に基づくものである.一般的な場所でのポットホール発 生箇所を予測する方法を図-16 のとおり提案する. 今後もこの予測手法による予測値と損傷推移について 検証する必要がある. 5.まとめ 本研究で得られた知見と今後の課題を以下に示す. (1) 排水性舗装特有の損傷である基層以深の劣化に伴 う局所沈下の評価は,従来の密粒舗装を対象とし た路面評価指標では把握が困難である. (2) 排水性舗装の局所沈下の早期発見は,高精度の高 さ情報の取得で可能となる. (3) 路面高さ情報の画像処理を実施するとポットホー ル発生領域の可視化が可能である. (4) 排水性舗装特有の損傷である基層以深の劣化に伴 う局所沈下を定量的に評価する指標として,局所 沈下量で評価できる. (5) 成長曲線モデルの分析結果から,局所沈下量への 影響度を示すパス係数の高い説明変数として,土 工分類(盛土・切土),滞水しやすさによる分類(サ グ部,その他)で説明できる. (6) 排水性舗装の局所沈下量がここでは 15mm を超え ると路面上に亀甲状のひび割れが発生し,弾性領 域から塑性領域へ推移した. (7) 排水性舗装の局所沈下量がここでは 25mm を超え ると塑性領域で加速的に損傷が進行した. (8) 成長曲線モデルによって排水性舗装の局所沈下量 に基づく予測が可能であるが,定期測定による実 測値を蓄積することで,予防保全に寄与する現場 に即した評価指標について検討していきたい. 参考文献 1) 林ほか:路面性状調査車による排水性舗装の骨材飛散評価 手法の提案,土木学会第 68 回年次学術講演会,平成 25 年 9 月 2) 北海道における道路舗装の耐久性向上と補修に関する検 討委員会:北海道における道路舗装の耐久性向上と補修に 関する技術ハンドブック,平成 25 年 12 月 3) 高橋茂樹ほか:高速道路における長期供用中のアスファル ト安定処理層の損傷報告,土木学会第 67 回年次学術講演 会,平成 24 年 9 月 4) 鎌田修,山田優:水浸ホイールトラッキング実験による橋 面舗装でのポットホールの発生とその要因,舗装工学論文 集,土木学会,No,6,pp.196-201,2001. 5) 吉野公朗ほか:高速道路におけるアスファルト舗装の「解 体新書」プロジェクト-調査結果-,土木学会第 68 回年次 学術講演会,平成 25 年 9 月 6) 豊田秀樹:共分散構造分析[応用編],pp.225-245,2000. 4 9 11 13 8 10 11 12 21 40 68 120 1 1 1 3 12 15 20 23 31 35 49 70 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 要注意 : 局所沈下量25mm以上 注意 : 局所沈下量15mm以上 対象箇所数 ( 個 / 1 0 m ) 12 15 20 23 31 35 49 70 予測区間の決定 損傷推移の傾向分析 ↓ ↓ 予測区間の諸元整理 成長曲線モデルの作成 ↓ ↓ 路面性状車による高さ測定の実施※ 予測値の算出 ↓ ↓ 局所沈下量の算出 補修計画の策定 ※)定期測定として隔月5ヵ月分が必要