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カレーライス好適米 華麗舞 の特性解明カレーライス好適米 華麗舞 の特性解明 99 らし後 25 2 時間インキュベーター (TABAI REFRIGERATED INCUBATOR, LNL-111) に保 温した その後無差別に 20 粒を低圧縮 高圧縮 測定に用いた 3)4) 6. α アミラ

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 日本の米の消費量は食の多様化に伴い、年々減 少傾向にある。そのため、近年新たな用途による 消費拡大に尽力を注いでいる。そのひとつに米の 形質の多様化が求められ、低アミロース米、高ア ミロース米、色素米などの新形質米が育成されて いる。  また、米はとう精による、果種皮、胚芽、胚乳 の除去割合によって、組織構造や組織中の成分分 析に変化が生じる。 本研究では(独)農研機構中央農研北陸センター が開発した「華麗舞」(日本型とインド型の交配種 であり、米飯表層部の粘りが弱く、米飯内部はコ シヒカリと同様に軟らかいという特徴がある)を 評価するにあたって、今回日本型の代表であるコ シヒカリ、インド型の夢十色を用いて、各品種の とう精度別一般成分、糊化粘度特性、糖化関連酵 素活性、米飯物性等の物理化学特性の評価を行い、 華麗舞の特性を比較評価した。  また、「華麗舞」 の特徴を表わす DNA マーカ ー(デンプン合成酵素および分解酵素由来)を開 発し、インディカ型イネ(IR2061、夢十色、サリ ークイーン)、日印交雑種(ホシユタカ、密陽 23 号)、ジャポニカ型イネ(コシヒカリ、日本晴、ア キヒカリ、朝の光、大地の星)において 「華麗舞」 の品種判別を可能にした。 実 験 方 法 1. 試料及び試料の調製  すべて 20 年度産:コシヒカリ(新潟県西蒲原 産)、夢十色(中央農研北陸センターより)、華麗 舞(中央農研北陸センターより)玄米を試験用 摩擦式精米機(Kett 科学研究所、パーレスト) により、それぞれ精米歩留まり、約 90%、80 %、70 % に と う 精 し た。 精 米 の 粉 砕 は 粉 砕 機 (UDYCORPORATION)により、1.0 mm スクリ ーンを用いて行った。 2. 水 分 測 定  試料を粉砕機(UDYCORPORATION)で粉砕 して粉にし、加熱乾燥法(135℃、1 時間)で水分 測定した。 3. タンパク質含量  試料約 30g をインフラテック 1241 グレインア ナライザー(フォス・ジャパン)で近赤外分光分 析法により、玄米粗タンパク質含量(DM%)と白 米粗タンパク質含量(AsIs%)を測定し求めた。 4. アミロース含量  Juliano が開発したヨード比色定量法1 )により、 精米粉末を用いて、見かけのアシロース含量とし て求めた。スペクトルを用いた。  なお、検量線はポテトアミロース(シグマ社: タイプ)にアミロペクチン(島田化学)を配合した ものを標準とした。 5. 米飯物性の測定  米飯の物性試験はテンシプレッサー(タケトモ 電機、Myboy System)を用いた。精米 10 gをア ルミカップにとり。日本穀物検定協会の食味試験 の方法に従い2)予め水分含量を測定し加水量を求 め、調製した。電気釜(National、SR-SW182)の 外釜に 500ml の水を加え、うちふたに 5 つのアル ミカップを並べ、25 分の蒸し調理、10 分間の蒸 <平成 20 年度助成>

カレーライス好適米「華麗舞」の特性解明

大坪 研一 ・ 中村 澄子 ・ 鈴木 瑞穂

(新潟大学大学院自然科学研究科)

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らし後、25℃・2 時間インキュベーター(TABAI REFRIGERATED INCUBATOR, LNL-111)に保 温した。その後無差別に 20 粒を低圧縮・高圧縮 測定に用いた3 )4 ) 6. α‐アミラーゼ活性の測定  Megazyme 社製測定キットを用いて、ブロッ クドパラニトロフェニールマルトヘプタオシド (BPNPG7)を基質とし、粗酵素抽出液 0.1ml と 40℃ 20 分間反応後、反応停止液を加えて 400nm の吸光度を測定して求めた。α - アミラーゼの 1U は、40℃で1分間に1μmol のパラニトロフェ ノールを BPNPG7 から遊離する酵素量とした5) 7. グルコース(還元糖の定量)   炊 飯 米 を 凍 結 乾 燥 し、CycloneSampleMill (UDYCORPORATION)で 粉 砕 し た 試 料 0.1g に 50%エタノールを加え、1 h 振とう後、4℃、 15000 rpm、15 分間遠心分離した上澄み液を試料 抽出液として用いた。  その後、ベーリンガーマインハイム社製の F-キットで求めた。即ち、炊飯液中の遊離 Glc と ATP の溶液に HK(ヘキソキナーゼ)を作用させ ると G6P(グルコース 6-リン酸)を生成する。次 に G6P と NADP 溶液に G6P‐DH(グルコース 6-リン酸脱水素酵素)を作用させると G6P は酸化 され、グルコン酸 6-リン酸と NADPH が生成し NADP は 340 nm の吸収波長をもたないためこ の NADPH が吸収する 340 nm の紫外線の吸光度 の増加分を定量し炊飯米中の遊離 Glc 含量を求 めた。 8. α - グルコシターゼ活性の測定6)  基質 4- ニトロフェニルα - グルコシド(PNPG) 1 ml を 37℃、5 分間予備加温し、酵素抽出液 0.05 ml を加えて、37℃ 10 分間反応後停止液(Na2CO3) 0.5 ml を加えて反応を停止し、400 nm における 吸光度を測定して求めた。1U は、37℃で 1 分間 に1μmol のパラニトロフェノールを PNPG から 遊離する酵素力とした。 9. キシラナーゼ活性の測定 Megazyme 社製測定キットを用いて、4 本の試 験 管 に 試 料 0.5 g に 0.1 M 酢 酸 緩 衝 液 5 ml(T. longibrachiatum control xylanase 使 用 の 際 は pH 6 の 0.1 Mess を使用した)を加え、2 本にキシ ラナーゼ標準液を加えすぐに撹拌し他方 2 本に蒸 留水を 0.2 ml 加える。室温に 20 分放置後(時々 撹拌する)、1500 g、10 分間遠心し上清を使用する。  上清 0.5 ml にキシラナーゼ AX タブレットを一 錠入れ、40℃ 30 分間保持する。30 分後反応停止 液(TrizmaBase 溶液(pH9))を 5 ml 加え強く混 合し室温に 5 分放置する。混合後ろ過し、590 nm における吸光度を測定して求めた。  なお、キシラナーゼ標準液は、A.niger control xylanase(~ 295mU/ml at 40℃, pH4.7)、T. longibrachiatum control xylanase(~ 386mU/ml at 40℃, pH6.0)をそれぞれ使用した。 10. RVA による糊化特性の評価  豊島らの方法7)により、糊化粘度特性試験を 行った。ラピッド・ビスコ・アナライザ(Newport scientific 社、RVA-super 4D)を用い粘度曲線と して求めた。使用試料量は精米粉末 3.5 g で純水 25 ml を添加して試験を行った。糊化温度条件は 初期温度を 50℃として 1 分間保持、加熱は 50 ~ 93℃まで 3.9 分間とし、93 度にて 7 分間保持し た。冷却は 93 ~ 50℃まで 3.9 分間、最終温度で は 50℃で 3 分間保持と設定した。 11. 物理化学測定結果の相関関係  前述の一般成分測定値、糖化関連酵素活性測定 値、米飯物性測定値、糊化特性値の相関関係を調 べた。 12. 試料米の DNA 判別 (1)試料  インディカ型イネとして、IR2061、夢十色、サ リークイーン、日印交雑種として、ホシユタカ、 密陽 23 号、ジャポニカ型イネとして、コシヒカリ、 日本晴、アキヒカリ、朝の光、大地の星を用いた。

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(2)試料の調製 1) 精米粉末試料  籾試料をケット科学研究所製の試験用籾摺 り器で籾摺りし、ケット科学研究所製の試験 用精米機(パーレスト)を用いて精米歩留まり 90%の精米試料を得た。この精米試料をイワ タニ製のミルサー(IFM -100)を用いて粉砕 し、試料同士コンタミがないように品種ごと に洗浄と清掃を行い粉末試料とした。 2) CTAB 法による DNA の抽出および精製  前報1 6 ) 1 7 )と同様の方法で、精米歩留まり 90%の精米試料を得,精米試料を粉砕し、粉 末試料とした.精米粉末試料 0.4 g から CTAB 用い DNA を抽出し、クロロホルム - イソアミ ルアルコールと中性フェノールを用い精製し、 エタノール沈殿させ、鋳型 DNA を回収した。 3) STS化対合プライマーの調製   プ ラ イ マ ー a は、 既 報1)で 開 発 し た debranching enzyme 由来インド型識別プラ イマーである。プライマー b も既報1 )で開発 したデンプン合成酵素由来プライマーである。 プライマー c は SS Ⅰの遺伝子を文献2 ) 3 )より 引用し、インド型米と日本型米の塩基配列の 相違部分に着目し、SS Ⅰ由来のインド型米に のみ識別バンドが出現するように設計し、こ のプライマーを用い華麗舞に出現した識別バ ンドをクローニングし、塩基配列を決定した ものである。DNA の回収は、既報1 )と同様の 方法で、ガラスビーズ(タカラバイオ(株)製 EASY TRAPTM Ver. 2)を使用し、得られた DNA を Invitrogen 社製 TOP XL Cloning Kit

によりクローニングした.既報1 )と同様に、

アルカリミニプレップ法(QIAGEN QIAprep Spin Miniprep Kit)を用い、得られたインサ ー ト DNA を 鋳 型 と し、ABI 社 の Big Dye Termination VⅠ. Ⅰ Cycle Sequencing Kit に より PCR をかけ、Applied Biosystems 社製 ABI PRISM 310 により塩基配列を決定した. PCR 装置は ABI 社製 Gene Amp PCR System 9700 およびタカラバイオ(株)社製 TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice を使用し、対合プ ライマーの合成はファスマック株式会社に依 頼した。プライマーdおよび e は、α - グル コシダーゼの同定された塩基配列4)の 128 塩 基から 705 塩基を増幅するプライマーを設計 し、(F : 5’-ggt aca acg tcg cgt cgg -3’)(R : 5’ - gcc gcc gcc gga gcg cac-3’)日本型米(コシ ヒカリ、日本晴、ヒヨクモチ)とインド型米(カ サラス、IR2061、夢十色)の鋳型 DNA を用い PCR を行った結果、日本型米およびインド型 米同士に共通なバンドが出現した。これらの 各識別バンドをクローニングし塩基配列を決 定したものである(表1)。 実験結果及び考察 1. 精米特性及び成分 表 1 PCR に用いた各種のプライマーの塩基配列

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 試料のとう精度ごとの精米特性、一般成分につ いての測定結果を表2 に示した。 (1)精米成分  表2 に示すように、精米の水分は 11.6 ~ 13.2% の範囲に分布していた。精米水分はとう精度が高 くなるほど、水分含量が下がっていることが分か った。これはとう精過程での水分減少に加えて、 貯蔵中に水分が減少して、とう精度が高くなるの と並行して水分を蓄える量も少なくなるためだと 考えられる。どの試料にもいえることから、精米 の水分含量に大きな差はないと考えられた。  またコシヒカリの水分含量が 14.5 %と他の値 と比較して高い値を示した原因については、再度 検討したい。 (2)タンパク質含量  ここでは白米粗タンパク質含量を AsIs、玄米 粗タンパク質含量を DM と簡略する。  表2 に示すように、コシヒカリでは AsIs が 4.67 ~ 6.73 %、DM が 5.50 ~ 7.87 %、同様に夢十 色が 5.10 ~ 6.63 %、5.97 ~ 7.67%、華麗舞が 4.83 ~ 6.63%、5.63 ~ 7.67%と、わずかに DM が多いものの、品種ごとのタンパク質含量の大き な違いは見られなかった。AsIs より DM が上回っ たことは、ぬか中に含まれるタンパク質量の影響 であると考えられる。ただし、とう精度で比較検 討すると、とう精度が 90%のときタンパク質含 量の割合が比較的少なく、とう精度が高くなるご とに、タンパク質含量の割合はわずかに増加した。 また、AsIs も DM も、とう精度が 80 %の米粒に 多く含まれている傾向を示した。これらは外層よ りも内層に近い部分にタンパク質が多く含まれて いることを示している。高タンパク質であるほど 色調や吸水性が低下し、糊化、膨化が抑制され、 硬く、粘りの少ない飯になることから8)、とう精 度が 80%の米粒では、硬く粘りが少ないと考え られる。後述した米飯物性と比較検討する必要が ある。 (3)アミロース含量  今回の結果では、アミロース含量はこれまでの 報告よりやや高めの値を示す結果となった。しか し以下のように、試料米の品種間さや部位別の相 違について明らかにすることができた。 表 2 精米特性と一般成分 白米粗タンパク質含量 精米水分 精粉水分 量 玄米粗タンパク質含 アミロース含量 グルコース含量 (AsIs) (DM) 試料名 (%) (%) (%) (%) (%) (g/l) 平均 SD 平均 SD 平均 SD 平均 SD 平均 SD 平均 SD コシヒカリ 90% 13.2 ± 0.058 12.09 ± 0.05 4.67 ± 0.058 5.50 ± 0.100 19.41 ± 0.190 0.052 ± 0.001 夢十色 90% 12.8 ± 0.058 12.42 ± 0.03 5.10 ± 0.173 5.97 ± 0.231 31.76 ± 0.306 0.039 ± 0.002 華麗舞 90% 12.4 ± 0.058 12.44 ± 0.02 4.83 ± 0.231 5.63 ± 0.321 19.50 ± 0.190 0.056 ± 0.002 コシヒカリ 80% 12.8 ± 0.058 11.63 ± 0.05 6.73 ± 0.058 7.87 ± 0.115 19.85 ± 0.450 0.052 ± 0.001 夢十色 80% 12.6 ± 0.058 11.90 ± 0.01 6.63 ± 0.058 7.67 ± 0.115 33.12 ± 0.095 0.050 ± 0.008 華麗舞 80% 12.0 ± 0.000 11.90 ± 0.01 6.63 ± 0.052 7.67 ± 0.058 20.14 ± 0.145 0.067 ± 0.002 コシヒカリ 70% 12.5 ± 0.058 14.25 ± 2.49 6.17 ± 0.058 7.10 ± 0.000 20.46 ± 0.095 0.043 ± 0.001 夢十色 70% 12.2 ± 0.153 11.74 ± 0.04 5.97 ± 0.058 6.90 ± 0.000 33.25 ± 0.334 0.051 ± 0.002 華麗舞 70% 11.6 ± 0.100 11.46 ± 0.05 5.90 ± 0.000 6.77 ± 0.058 20.71 ± 0.240 0.062 ± 0.002

(5)

 表 2 が示すように、とう精度が高いほど、アミ ロースが高くなっていることが分かる。高アミロ ース米である夢十色は 31.76 ~ 33.27 %、良食味 米であるコシヒカリは 19.41 ~ 20.46 %、華麗舞 は 19.50 ~ 20.71 %と、華麗舞はコシヒカリに近 い結果を表した。ゆえに、アミロース含量では外 層も内層も、華麗舞はジャポニカ種の影響を受け ていることが明らかとなった。  米粒の外層部、内層部のアミロース分布の差異 を検討するため、とう精度ごとのヨウ素複合体吸 収波長の結果を図1 に示した。最大吸収波長はコ シヒカリ、華麗舞は 575 nm ~ 600 nm 付近に存在 し、夢十色は 600 nm 付近に存在した。夢十色はア ミロース含量が高いことから、アミロース含量率 が高いほど、最大吸収波長が長波長側にシフトし たと考えられる。とう精度が高いほど吸光度が増 加することから、とう精度が高いほどアミロース 含量が高いことがスペクトルからも確認できた9) (4)グルコース含量  表2 が示すように、全品種中、華麗舞のグルコ ース含量は高い傾向を示した。とう精度ごとに見 るとコシヒカリは 0.043 ~ 0.052 g/l、夢十色は 0.039 ~ 0.051g/l、華麗舞は 0.056 ~ 0.062 g/l と、 夢十色とコシヒカリにとう精度ごとの違いはみら れなかった。とう精度によるグルコース含量の変 化から、夢十色ではグルコースが米飯粒の内層に 比較的多く、コシヒカリでは米飯粒の外層に多い という傾向が認められた。今後さらに詳しく検討 する必要がある。  表3 に精米の酵素活性の測定結果を示した。 図1 とう精度が異なる米粒のヨウ素複合体吸収波長含量   αーアミラーゼ活性 αーグルコシダーゼ活性 キシラナーゼ(pH4.7) キシラナーゼ (pH6.0) (μ/g) (μ/g) (U/g) (U/g) 試料名 平均 SD 平均 SD 平均 SD 平均 SD コシヒカリ 90% 0.0259 ± 0.0004 0.0520 ± 0.0023 0.0054 ± 0.00035 0.025 ± 0.00125 夢十色 90% 0.0344 ± 0.0022 0.0469 ± 0.0009 0.0058 ± 0.00005 0.022 ± 0.00107 華麗舞 90% 0.0541 ± 0.0018 0.0631 ± 0.0010 0.0055 ± 0.00014 0.021 ± 0.00270 コシヒカリ 80% 0.0150 ± 0.0011 0.0564 ± 0.0007 0.0062 ± 0.00063 0.029 ± 0.00297 夢十色 80% 0.0125 ± 0.0042 0.0465 ± 0.0017 0.0059 ± 0.00018 0.020 ± 0.00383 華麗舞 80% 0.0263 ± 0.0025 0.0650 ± 0.0033 0.0061 ± 0.00115 0.024 ± 0.00043 コシヒカリ 70% 0.0150 ± 0.0033 0.0581 ± 0.0014 0.0056 ± 0.00125 0.021 ± 0.00154 夢十色 70% 0.0131 ± 0.0028 0.0492 ± 0.0050 0.0054 ± 0.00025 0.021 ± 0.00032 華麗舞 70% 0.0176 ± 0.0045 0.0638 ± 0.0005 0.0064 ± 0.00255 0.023 ± 0.00119 表 3 精米の酵素活性の測定結果

(6)

(1)α - アミラーゼ活性  全体を見ると、とう精度が 90 %の米粒で活性 が最も高いことが分かった。これはα- アミラーゼ が、デンプン層の外層のアリューロン層から分泌 されることから、表層部に影響が強く受けている ことから考えられる。とう精度ごとにみると、華 麗舞がどのとう精度においても活性が強い。この ことから華麗舞の表層部では特にアミラーゼ活性 が活発に働いていることが確認できる。またアミ ラーゼはデンプンをα- 1.4 結合でランダムに切断 し、デキストリンや少糖類を生成することからグ ルコース含量と相関があることが示唆される。し かしながら後述するように、全体の相関はみられ なかった( r = 0.083、p > 0.05)。また華麗舞だけ においても、グルコースと有意の相関はなかった。 (2)α - グルコシダーゼ活性  表 3 が示すように、コシヒカリは 0.520 ~ 0.581 μ/g、夢十色は 0.465 ~ 0.492μ/g、華麗舞は 0.631 ~ 0.650μ/g と、華麗舞がα- グルコシダーゼ活 性値が高いことが分かる。全品種において、図 2 が表すように、とう精度が高くなるほどα- グル コシターゼ活性が高くなる傾向を示した。このこ とから、α- グルコシダーゼは内層で活発に働く ことが明らかとなった。一般的にα-グルコシダー ゼ活性が高いほど食味がよいと推察され10)、結 果からみて良食味米といわれるコシヒカリはイン ド型の夢十色より、値が高い傾向にあった。米外 部より内層に活性が強い、この酵素活性が高けれ ば耐熱性もあることから、炊飯中により甘みの強 い米になり、食味もよくなるという Awazuhara の報告11)と一致し、改めて確認できた。 (3)キシラナーゼ活性   表3 が 示 す よ う に、 コ シ ヒ カ リ は pH4.7 の 時、0.0054 ~ 0.0062U/g、pH6.0 の 時、0.021 ~ 0.029U/g、同様に夢十色は 0.0054 ~ 0.0059U/g、 0.020 ~ 0.022U/g、華麗舞は 0.0055 ~ 0.0064U/g、 0.021 ~ 0.024U/g と pH が異なっても、品種ごと に大きな違いは見られなかった。とう精度ごとに おいて、コシヒカリ、夢十色はとう精度が 80% のときに活性の値が大きく、華麗舞はとう精度が 70%のときに活性の値が大きかった。一般的に、 硬く粘りの少ない米飯では、細胞壁の崩壊の程度 が小さく、米飯の軟らかく粘るものでは、細胞壁 の崩壊程度が大きいといわれているが、硬く粘り の少ないといわれている夢十色や、軟らかく粘り があるといわれているコシヒカリでは相違がみら れなかった。これは 30 分間という反応時間の問 題や試薬の量の問題が考えられる。 2. 米飯物性  表4にはテンシプレッサーによる米飯表層の物 性を、表 4 には米飯全体の物性の測定結果を示 した。 (1)表層部  表 4 が示すように、米飯表層の物性については、 全体的に、コシヒカリは軟らかくて粘りが強く、 夢十色は硬くて粘りが弱いという結果となった。 これは、一般的な傾向とほぼ同一となった。一方、 華麗舞は、夢十色よりは軟らかく、粘りが強いも のの、コシヒカリに比べると、硬くて粘りが弱く、 付着性も弱い結果となった。すなわち、華麗舞は、 日本型のコシヒカリと、インド型の夢十色との中 間的な表層物性を示す結果となった。 (2) 米飯全体の物性  表 5 が示すように、全体的に見ると表層と同じ く夢十色は硬く、粘りが弱く、コシヒカリ・華麗 (r= 0.717) 図 2 とう精度別α - グルコシダーゼ活性量

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舞は軟らかく、粘りが強い結果になった。とう精 度別に見ると、全体の硬さ(H2)はコシヒカリ・ 夢十色はとう精度 80%で値が最も高く、華麗舞 はとう精度が高くなるにつれて値は減少してい た。全体の粘り(S2)は、コシヒカリではとう精 度 80%で値が最も高く、夢十色・華麗舞は、と う精度が高くなるにつれて増加していた。華麗舞 は、とう精度が高くなるにつれ軟らかくなり粘り が強くなることから、米飯全体の物性でみると、 表層部ではインディカ種の、内層部ではジャポニ カ種の影響を受けているのではないかと考察し た。バランス度 1、2(-H2/H2, A6/A4)を見ても、 とう精度が高くなるに従い、値が増加しているこ とから、この推察は妥当ではないかと考えられる。 表 3 の結果に基づいて、前述したとおり、米飯表 層の物性においても、華麗舞は、インディカ種と ジャポニカ種の両方の影響を受けていると考えら れたことから、米飯全体の物性においても、内層 ではジャポニカ種が大きく影響したことからこの ような結果になったと考えられる。  米飯全体の米飯物性では、とう精度が 80%で 最も硬く粘りが強い米であり、全体のバランス度 表層の硬さ 表層の粘り 表層の付着量 表層の付着性 表層のバランス度 1 表層のバランス度 2 試料名 (H1,10^3dyn) (-H1,10^3dyn) (L3,mm) (A3,10^5erg) (-H1/H1) (A3/A1)

平 平 平 平 平均 SD 平均 SD SD SD SD SD コシヒカリ 90% 98.41 ± 13.39 8.50 ± 4.73 2.95 ± 0.46 0.51 ± 0.20 0.09 ± 0.05 0.25 ± 0.11 夢十色 90% 110.40 ± 10.75 1.68 ± 0.52 1.89 ± 0.45 0.11 ± 0.05 0.02 ± 0.00 0.06 ± 0.02 華麗舞 90% 98.65 ± 12.15 6.28 ± 4.54 2.33 ± 0.60 0.25 ± 0.20 0.06 ± 0.05 0.12 ± 0.12 コシヒカリ 80% 89.03 ± 12.74 16.74 ± 4.91 3.08 ± 0.44 1.04 ± 0.35 0.19 ± 0.06 0.57 ± 0.22 夢十色 80% 113.00 ± 9.37 2.50 ± 0.72 1.84 ± 0.67 0.12 ± 0.08 0.02 ± 0.01 0.05 ± 0.03 華麗舞 80% 96.59 ± 8.38 11.23 ± 4.37 2.46 ± 0.02 0.30 ± 0.27 0.12 ± 0.05 0.33 ± 0.16 コシヒカリ 70% 89.10 ± 9.30 10.34 ± 4.39 3.15 ± 0.04 0.66 ± 0.23 0.12 ± 0.05 0.34 ± 0.13 夢十色 70% 94.36 ± 11.79 2.38 ± 0.79 1.83 ± 0.68 0.11 ± 0.09 0.03 ± 0.01 0.05 ± 0.05 華麗舞 70% 99.25 ± 7.20 7.10 ± 5.12 2.52 ± 0.12 0.31 ± 0.24 0.07 ± 0.05 0.18 ± 0.13 表 4 テンシプレッサーによる米飯表層の物性の測定結果 表 5 テンシプレッサーによる米飯全体の物性の測定結果 全体の硬さ 全体の粘り 全体の付着量 全体の付着性 全体のバランス度 1 全体のバランス度 2 試料名 (H2,10^6dyn) (‒H2,10^6dyn) (L6,mm) (A6,10^6erg) (‒H2/H2) (A6/A4)

平均 SD 平均 SD 平均 SD 平均 SD 平均 SD 平均 SD コシヒカリ 90% 2183.0 ± 154.7 291.6 ± 70.2 0.201 ± 0.536 6.18 ± 2.72 0.134 ± 0.034 0.056 ± 0.022 夢十色 90% 2553.0 ± 321.6 44.9 ± 47.9 0.012 ± 0.037 3.17 ± 1.23 0.019 ± 0.021 0.022 ± 0.010 華麗舞 90% 2187.0 ± 179.5 289.5 ± 46.2 0.128 ± 0.315 7.24 ± 2.60 0.133 ± 0.025 0.070 ± 0.021 コシヒカリ 80% 2264.0 ± 284.9 298.9 ± 55.5 0.054 ± 0.236 10.34 ± 2.68 0.136 ± 0.039 0.099 ± 0.027 夢十色 80% 2722.0 ± 216.5 61.6 ± 44.4 0.031 ± 0.116 3.81 ± 0.95 0.024 ± 0.018 0.025 ± 0.006 華麗舞 80% 2091.0 ± 141.4 328.6 ± 42.7 0 ± 0 8.40 ± 2.24 0.159 ± 0.031 0.089 ± 0.028 コシヒカリ 70% 1928.0 ± 190.9 278.5 ± 54.0 0.052 ± 0.225 6.88 ± 2.38 0.146 ± 0.032 0.075 ± 0.026 夢十色 70% 2397.0 ± 322.6 103.9 ± 65.6 0.044 ± 0.132 4.19 ± 0.93 0.045 ± 0.033 0.033 ± 0.009 華麗舞 70% 1985.0 ± 125.8 354.9 ± 41.3 0.13 ± 0.391 8.29 ± 2.92 0.18 ± 0.03 0.092 ± 0.035

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2(A6/A4)は最も値が高かったが、バランス度 1 (-H2/H1)はとう精度 70%よりも値が低く出た。 しかしながら、タンパク質含量はとう精度 80% で最も高い値を示した。このことから、われわれ 日本人にとっては、一口目にはとう精度が 80% の米飯物性が好まれるが、咀嚼に時間が経つほど、 食味は好まれないのではと推察した。 3. 糊化粘度特性  表 6 には RVA による各とう精歩合における品 種の糊化粘度特性値を示した。  とう精度 90%での品種別で比較すると、最 高粘度と崩壊度を示すブレークダウンは、華麗 舞 が 412.5RVU、234.25RVU と 最 も 高 く、 夢 十 色 は 395.28RVU、149.33RVU、 コ シ ヒ カ リ 366.94RVU、234.25RVU という結果になった。 そして、とう精度が高くなるにつれてコシヒカリ は増加し逆に夢十色は減少した。華麗舞はとう精 度 80%がもっとも高い値となった。   最 低 粘 度 は 夢 十 色 が 245.94RVU と 最 も 高 く、 次 い で 華 麗 舞 が 178.25RVU、 コ シ ヒカ リ 147.61RVU という結果になった。とう精度別に 見ると、コシヒカリはとう精度が高くなるほど値 が増加し、逆に華麗舞は値が減少していた。最低 粘度は食味と関係があり、最低粘度の値が小さい ほど食味がよいとされている。華麗舞は日印交雑 から表面が硬く内層が軟らかいといわれている。 この結果から華麗舞の内層の食味がよいことが明 らかとなった。  最終粘度は老化を表す値であり、高アミロース 米である夢十色が 513.8RVU と最も高い結果と なった。華麗舞とコシヒカリは、とう精度別に 見てもとう精度が高くなるにつれ値が減少してい ることから、表層が老化しやすく、華麗舞の老 化はジャポニカ種と同じ性質を持つことが示唆さ れた。  糊化開始温度は、華麗舞がどのとう精度におい ても高い温度を表した。コシヒカリ、夢十色の糊 化開始温度に大きな相違が見られないことから、 日印交雑種であるために温度が高くなったのでは ないかと推定した。  アミロース含量はα- グルコシダーゼ活性、表 層の硬さ(H1)以外の表層部の米飯物性、全体の 硬さ(H2)、ブレークダウンと高い負の相関を示 した。従来報告されている通り、最低粘度と高い 正の相関がみられた。他に最終粘度、コンシステ ンシーと高い正の相関が見られた。このことから、 アミロース含量は食味に負の影響を与える因子と 確認できた。 ブレークダウン:最高粘度―最低粘度、セットバック:最終粘度―最高粘度 最高粘度 最低粘度 最終粘度 ブレークダウン セットバック 糊化開始温度 試料名 (RVU) (RVU) (RVU) (RVU) (RVU) (℃)

平均 SD 平均 SD 平均 SD 平均 SD 平均 SD 平均 SD コシヒカリ 90% 366.94 ± 4.33 147.61 ± 0.88 231.89 ± 9.54 219.33 ± 3.50 -135.06 ± 11.14 67.37 ± 0.42 夢十色 90% 395.28 ± 12.97 245.94 ± 13.85 513.80 ± 7.76 149.33 ± 8.99 118.53 ± 5.31 67.88 ± 0.03 華麗舞 90% 412.50 ± 4.23 178.25 ± 3.80 319.69 ± 4.67 234.25 ± 0.72 -92.81 ± 1.17 70.03 ± 0.10 コシヒカリ 80% 382.22 ± 7.60 152.61 ± 3.94 200.61 ± 5.55 229.61 ± 3.77 -181.61 ± 12.78 67.83 ± 0.06 夢十色 80% 390.56 ± 6.74 241.58 ± 4.58 499.36 ± 5.05 148.97 ± 2.16 108.80 ± 3.85 66.87 ± 0.40 華麗舞 80% 390.67 ± 4.10 175.83 ± 2.63 306.03 ± 3.34 214.83 ± 2.73 -84.64 ± 2.85 69.98 ± 0.03 コシヒカリ 70% 387.72 ± 3.60 154.11 ± 3.84 195.72 ± 2.79 233.61 ± 1.02 -192.00 ± 5.96 67.87 ± 0.08 夢十色 70% 390.14 ± 3.19 244.03 ± 4.40 503.33 ± 2.14 146.11 ± 1.29 113.19 ± 2.48 67.17 ± 0.06 華麗舞 70% 400.61 ± 3.36 174.72 ± 1.06 304.03 ± 0.97 225.89 ± 2.48 -96.58 ± 3.09 70.05 ± 0.00 表 6 精米の糊化粘度特性

(9)

 グルコース含量とα- グルコシダーゼ活性と高 い正の相関が見られた。α- グルコシダーゼは、 非還元末端に存在するα- D - グルコシド結合を加 水分解する酵素であり、α- グルコシダーゼがグ ルコース生成に大きく寄与していることが確認で きた。  α- グルコシダーゼ活性は表層の硬さ(H1)以外 の表層部の米飯物性、全体の硬さ(H2)、ブレー クダウンと高い正の相関が見られた。これは岩田 らの報告7)と一致していた。  キシラナーゼ活性は pH6.0 の試料を用いた場合 のみ、表層の粘り(S1)、表層のバランス度(-H1/ H1,A3/A1)等と高い正の相関が見られた。そし て米粒中心部より外側に細胞壁の崩壊がおこるこ とから、表層部の米飯物性と高い相関が出たと考 えられる。また表層のバランス度( -H1/H1, A3/ A1)と高い正の相関を持つことから、キシラナー ゼ活性も食味に影響を与えている可能性が示唆さ れた。  表層の粘り(S1)と表層のバランス度2(A3/ A1)、 そ し て 全 体 の 粘 り(S2)、 全 体 の 付 着 性 (A6)、全体のバランス度 1、2(-H2/H2、A6/A4) は糊化特性であるブレークダウンと高い正の相関 を、最低粘度、最終粘度、セットバックとは高い 負の相関を示した。 (4)各種(インド型・日本型・日印交雑)の稲品 種の PCR 結果  表 1 のプライマーを用い、PCR を行った結果 を図 3 と表 7 に示す.a のプライマー(debranching enzyme 由来インド型識別)を用いて PCR を行っ た結果、IR2061、夢十色、サリークイーン、ホ シユタカ、密陽 23 号にのみ識別バンドが出現し、 表 7 各種(インド型・日本型・日印交雑)米品種の PCR 結果 1: IR2061 2 : 夢十色 3 : ホシユタカ 4 : サリークイーン 5 : 密陽 23 号 6 : コシヒカリ 7 : 日本晴 8 : アキヒカリ 9 : 朝の光 10 : 大地の星 11: 華麗米 図 3 デンプン合成酵素および分解酵素由来プライマーによる PCR 結果 プライマー 試料名 / プライマー a b c d e IR 2061 + − − − + 夢十色 + − − − + ホシユタカ + + − − + サリークイーン + − − + + 密陽 23 号 + − − + + コシヒカリ − + − + − 日本晴 − + − + − アキヒカリ − − − + − 朝の光 − + − + − 大地の星 − − − + − 華麗舞 − − + + +

(10)

華麗舞にはバンドが出現せず、このプライマーで は華麗舞は日本型の特徴を示した。  b のプライマーを用いた PCR では、日本型の 良食味米に共通して識別バンドが出現するが、密 陽 23 号、アキヒカリ、華麗舞ともバンドが出現 しなかった。  c のプライマー(デンプン合成酵素 SS Ⅰ由来) を用いた PCR の結果、インド型、日本型ともに 他品種では識別バンドが出現せず、華麗舞のみに 識別バンドが出現した。この識別マーカーはきわ めて有用と思われる。  d のプライマー(α- グルコシダーゼ由来日本型 米識別)を用いた PCR の結果、サリークイーン (低アミロースインディカ米)、密陽 23 号、コシ ヒカリ、日本晴、アキヒカリ、朝の光、大地の星 および華麗舞に識別バンドが出現した。このプラ イマーは軟らかいインド型米と日本型米に共通し てバンドが出現する。  e のプライマー(α- グルコシダーゼ由来インド 型米識別)を用いた PCR の結果、IR2061、夢十色、 サリークイーン、ホシユタカ、密陽 23 号、華麗 舞に識別バンドが出現し、このプライマーでは華 麗舞はインド型の特徴を示した。  これらの結果、華麗舞は日本型米とインド型米 の交雑種としての独特の特徴を示し、SSI に由来 する c のプライマー共存下の PCR によって他品 種と識別できることが明らかとなった。 要  約  日印交雑種である華麗舞及び日本型とインド型 の比較米の理化学的特性を評価した。 1)  一般成分結果では、90%、80%、70%と とう精度が高くなるにつれて、値が増加す る傾向が見られた。華麗舞のアミロース含 量はコシヒカリと同じ傾向を示し、グルコ ース含量は最も高い値となった。 2)  α - アミラーゼ活性は表層部の活性が強 く、α - グルコシダーゼ活性、キシラナーゼ (pH4.0, pH6.0)は、とう精度が高くなるにつ れて値が増加する傾向を示した。華麗舞の α - アミラーゼ活性、α - グルコシダーゼ活 性が最も高く、華麗舞は外層でα - アミラー ゼ活性が、内層でα - グルコシダーゼ活性 値が高い傾向を示した。 3)  とう精度が高くなるにつれ、コシヒカリ は軟らかく粘りが強く、夢十色は硬く粘り が弱いという一般的に言われている結果と なった。華麗舞は表層の米飯物性ではコシ ヒカリと夢十色の中間的な傾向を示したが、 全体の物性においても、日印交雑の特徴を 持っていた。 4)  とう精度が高くなるにつれ、コシヒカリ では最高粘度、最低粘度、ブレークダウン、 糊化開始温度は増加する傾向が見られ、逆 に最終粘度、セットバックは減少する傾向 が見られた。夢十色はコシヒカリとは逆の 傾向を示した。一方、華麗舞では、最高粘 度は最も値が高いものの、その他の糊化特 性の項目ではジャポニカ種であるコシヒカ リと同等の結果を表した。華麗舞の糊化開 始温度が高い傾向を示したのは、日印交雑 種のためである可能性があげられる。 5)  アミロース含量とα - グルコシダーゼ活性 は互いに、逆の相関の性質をもつことが推 定される。グルコースとα - グルコシダーゼ 活性が高い正の相関を持つことから、いず れの品種においても最終的にはα - グルコシ ダーゼが大半のグルコース生成に寄与して いると考えられた。 6)  デンプン合成酵素やデンプン分解酵素に 由来する各種のプライマーによる PCR を行 った結果、華麗舞は日本型とインド型の交 雑種としての独特の結果を示し、SSI 由来 のプライマーによって他品種と識別できる

(11)

ことが明らかになった。 謝 辞  本研究を行うに当たり、助成いただきました (財)浦上食品・食文化振興財団に深く御礼申し上 げます。また、試料米を提供いただきました(独) 農研機構中央農研・北陸研究センターの三浦清之 博士に感謝いたします。 文 献

1) Juliano, B.O., A simplified assay for milled rice amylase, Cereal Science Today, 16,334, (1971)

2) 農林水産技術会議事務局、品質評価基準に関する研究 会報告書、米 -99, 1991. 3) 岡留博司、豊島英親、大坪研一、単一装置による米飯 物性の多面的評価、食料工、43, 1004-1011, 1996. 4) 岡留博司、豊島英親、須藤 充、安東郁男、沼口憲治、 堀末 登、大坪研一、米飯1粒の多面的物性測定に基 づく米の食味評価、食料工、45, 398-407、1998.

5) MCCLEARY, B.V. and SHEEHAN, H.: Journal of Cereal Science, 6, 237, (1987) 6)今井泰彦・徳武昌一・山次信幸・鈴木 勝:醸協、92, 296, 1997. 7) 豊島英親、岡留博司、大坪研一、須藤 充、堀末 登、 稲津 脩、成塚彰久、相崎万裕美、大川俊彦、井ノ内直 良、不和英次、ラピッド・ビスコ・アナライザーによる米粉 粘度特性の微量迅速測定方法に関する共同試験、食料 工、44, 579-584, 1997. 8) 竹生新治郎監修、石谷孝佑、大坪研一編、米の科学、 pp.20-24, 1995. 9) 大西真理子、小川宣子、山中なつみ、庄司一郎、搗精 度が米の性状に及ぼす影響、家政誌、48, 303-313, 1997. 10) 岩田 博、岩瀬新吾、高浜圭誠、松浦宏行、猪谷富雄、 荒巻 功、米α - グルコシダーゼ活性と理化学特性値との 関係、食料工、48, 482-490, 2001.

11) AWAZUHARA M., NAKAGAWA A., YAMAGUCHI J., FUJIWARA, T., HAYASHI H., HATAE K., CHINO M and SHIMADA A. : J. Agric. Food Chem., 48, 245, 2000. 12) 中村澄子、鈴木啓太郎、伴義之、西川恒夫、徳永國男, いもち病抵抗性に関する同質遺伝子系統 「コシヒカリ新潟 BL」 の DNA マーカーによる品種判別育種学研究、8 (3), 79-87, 2006. 13) 中村澄子、岡留博司、與座宏一、原口和朋,奥西智哉, 鈴木啓太郎、佐藤光,大坪研一、PCR 法による世界の 広範囲な特性の米の識別および食味要因の探索、農化 農業技術研究所研究報、78 (8), 764-779, 2004. 14) 大坪研一、中村澄子、今村太郎、米の PCR 品種判別 によるコシヒカリ用判別プライマーセットの開発、農化、76, 388-397, 2002. 15) 大坪研一、中村澄子、岡留博司、DNA 判別による米の 食味推定、食科工、50,122-132, 2003.

16) NAKAMURA S. and OHTSUBO K.: J. Cereal Science, 52, 16-21, 2010.

17) NAKAMURA S. and OHTSUBO K.: J. Cereal Science, 投 稿準備中。

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Characterization of suitable rice for curry rice, “Kareimai”

Ken’ichi Ohtsubo, Sumiko Nakamura, Mizuho Suzuki

Faculty of Agriculture, Niigata University

Physicochemical properties of Indica-Japonica hybrid rice, Kareimai, were evaluated

in comparison with Japonica rice, Koshihikari and Indica rice, Yumetoiro. Results are as

follows;

1. Chemical components, such as amylose, increased according to milling degree.

Kareimai showed similar tendency with Koshihikari in amylase content and it

revealed the highest in glucose.

2. Alpha-amylase activity was higher in surface layer, on the contrary,

alpha-glucosidase and xylanase showed higher activities in the central layer. Kareimai

revealed highest alpha-amylase and alpha glucosidase activities among the three

cultivars.

3. In terms of physical properties of the cooked rice grains, Koshihikari was softer and

stickier and Yumetoiro was harder and non-stickier according to the proceeding of

the milling degree.

4. Peak viscosity, minimum viscosity, break-down and gelatinization temperature of

Koshihikari increased and final viscosity and set-back decreased in accordance with

milling degree, on the contrary, Yumetoiro revealed opposite tendency. Kareimai

showed similar pasting properties with Koshihikari except its highest peak viscosity.

5. Alpha-amylase and alpha-glucosidase showed negative correlation. As glucose

content in cooked rice shows high positive correlation with alpha-glucosidase

activity, alpha-glucosidase seems to contribute strongly to the generation of glucose

during cooking.

6. As a result of PCR using various kinds of primers derived of starch synthesizing

or digesting enzymes, Kareimai showed characteristic behavior as a Japonica/

Indica hybrid rice and it became possible to differentiate Kareimai with other rice

cultivars.

参照

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