王胆
”
}ヒ療才去’
層
津 第27巻 第2号 48〜
56}tt
〔2000 fF)報
告
遠 隔筋 随意 収 縮
と
肢
位 変化
が 運
動誘
発 電
位
に
及
ぼ
す
影響
*菅
原 憲
.
−
1)鶴
見
隆
正
2)笠
井
達 哉
3)要
旨
経 頭 蓋磁 気 刺 激
によ る運動 誘 発 電 位
CMotor
Evoked
Potential
:MEP
)の変 化
を指標
に して,
遠 隔筋
随意 収 縮
お よび関 節 肢 位 変 化
に より
生 じる促 通 動 態
を,
橈 側 手根 “
li
筋
〔ECR
} と撓
側手 根 屈 筋
〔FCR
) を対 象 筋
とし て検 討
し た.
被検 者
は健 常 男
性8
名
であっ た「
運 動 課 題 は 咬 筋の一
一
一
過 性の 随 意筋 収
縮で,
収 縮開 始
からIOO
,
200
.
300
,
600
msec の各 時 間
遅 れ 〔delay
)で磁 気刺
激 を’j’
え,
そ れ ぞ れの筋 か ら
MEP
を誘 発
し た/
t ま た,
こ の条 件
ドで洫
腕 肢 位 変 化 を 凹 内 位 と 回 外 位の2
つ で行
っ た。
咬筋
の収
縮のないREST
の
状 態
で のMEP
記 録
を 基準
に,
各
条 件 下で誘
発 さ れ たMEP
の 振1隔
お よ び潜 時
の変 化 を調
べ た、
,
その結
果
,
咬 筋
の収 縮 開 始
か らの時 問経
過に伴
う効 果
は,
REST
時のMEP
と比 較 して,
振 幅 に おい て はECR
で1
]11内位
・1
”[外 位
と も にdelay100
,
200
.
300
に て 有 意 〔各
p<0.
05
) に 増 大 し たワ
ま た,
FCR
で はml
内 位
ですべ て の
delay
におい て有 意
(p〈O
、
05
) な増 大 を示
したが,
回外 位
で はdelaylOO
,
20〔〕のみ で有 意
(
p
<0
.
05
) に 増 大 した。
潜 時につ い て は、
ECR
,
FCR
とも
に回内 位
と 回外 位
の 両肢
f
立de
[aylOO,
LOO
で有 意 (p<
0
.
05
) に 短 縮 した、
,
肢位 変 化
に よ る特 異 的
な変 化 と
し て,FCR
に おい て’6
delay
とも
回内 位
で よ り大 き な促
通 を 示 し た (p
く0
.
05
)ま
た,
ECR
で は,
回外 位
で より 大 き な促 通 傾 向 を示
し た が有 意 な
増 大では な かっ た。
こ れ らの結 果か ら,
あ る筋
に促
通効
果 を 及ぼす
こ の2
つ の方 法
は,
脊髄
の運動 細 胞
の み な ら ず,
錐 体 路 細 胞
にも促
通効 果 を
生 じ させ る ことが明
らか にな
っ た、、特
に,
遠 隔 筋促 通
に関
して は,
その中 枢 性
ファ シ リ テー
シ ョ ンにお ける タイミ ングの重要 性
が再 確 認
さ れ,
肢 位 変 化
に関
して は,
神 経 細
胞の 興奮 性
に対 す
る肢 位 特 異 性
がある ことが示
唆さ れた。
キ
ー
ワー
ド経 頭 蓋 磁 気 刺 激
,
運 動 誘 発 電 位
,
遠 隔 筋 促 通
,
肢 位
変化
は じ め に遠 隔
筋
の随 意筋 収
縮CJendrassik
malleuvel・
:以 下,
J
法
),
お よ び 四肢
の肢 位
変化
が 目 的の筋
に促
通 効 果 を も た ら すこ と は よ く 知 ら れ てい る。
具 体 的 に は,
J
法 に よ り反 射 亢 進 が 惹 起 さ れ1)2),
その 肢の 随 意 運 動の 開 始 が容 易
に,
かつ す ば や くな る/1]。J
法の効 果 につ い て は, 遠 隔 筋の随 意筋
収 縮 に よっ て,
随意
運動
の開始
に 関 わ る*
E「fec
・
1s o/ FけrピarIll P〔,siLk〕n Changes and「
「ce 〔h ¢lencl/
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mM〔,[こ,r Ew}ked PりLentials(MEPsl hl F
ご
〕rca【’
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.
メく学 医療 技 術 学 高[玉1〒7〔〕1
−
〔U9311司ll「県 倉敷E]f松Xlj
2881Kcl1[chi Sugawar 隻1
,
RPT、
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1い凱保 健 権1祉 知 期 ノ
、
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,
Illrushlm}L PrピieuLural C
・
c川ピge 〔エf HeaL山 とmd Welfarヒ3, 広 島 ノく学 大 学 院 国 際協力 ‘1丿卜究 科 教 育 開 発II岸座 ス ポ
ー
ツ・
健康科 学 教 育 部 門Tatsuya Kasui
,
PhD: DMsi{川 〔,f SI,⊂,rls「
& IlealtlL Sdenじes,
GraduuLu Sしhc,〔♪1 f〔,r [nterllutloTlと[L De、elUP「nent u:〕d ⊂:
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・
1
[1199gFl25716 日 受 理[】20【}olr 2 月 14H )脊
髄α運 動ニ ュー
ロ ン の興 奮 性
が 亢 進 し た 結果
で あ る と考
え ら れて い る’
171.
、
ま た,
四 肢の肢 位 変 化 に よっ て 生 じ る 促 通 は,
末 梢 か らの 感 覚 入 力の変 化に伴い,
止/一
位 運 動 巾 枢の 興 奮 性 が 変 化 し た 結 果であ るこ とが 示 唆 さ れて いるt−
1v。
この よう
な促
通効
果 を も た らす
J
法
お よ び 肢 位 変 化の 神 経 生 理 学 的 機 序 を,
ヒ ト を 対 象 に 解 析 す るf’
段と して,
従 来はII
反 射 を 用いた下 位 運 動 中 枢 (脊 髄 α 運動
ニ ュー
ロ ン } の 興奮性 変 化 を指 標
と して検 討
が な さ れ てきた1晃
,
こσ)よう
な基 礎
的知
見か ら,
運動
の再学
習
を行
っ ていく
過程
で,
末梢
か ら の入力
を操 作
する方 法
が多 く川
い ら れてき た
、し
かし脊髄 運 動
ニ ュー
ロ ンプー
ルへ の 人力増 加
に よっ て は過 性
の 運動 機 能
の改善
は生 じる 111)1’
1)もの の 永 続 的 な 機 能 改 善 を 得るこ と は 困 難で あ る.
近年
t
運 動の 冉学 習
に関
わ る 永 続 的 な 変 化 は,
中枢
運 動神
経系
,
特
に 脳内
に お け るlir塑
的変 化
が 中 心であ るこ とが 解 明 さ れて き た罰、
従っ て.
運 動の再 学 習 に は,
随 意
的 に 運動
ilr枢 神
経系
に 働 き か け,
その 興奮 性 を
高
め る試
み (促 通
) が有効
であ
る と考
え ら れて いる16)、
こ のため に は,
随 意 運 動の発 現に関 わる中枢
神 経系
の興途 隔筋随 意収縮 と 肢位変化が 運動 誘 発 電 仁に及ぼす影 響
49
奮性 機 序
を 正確
に 理解 す
ること が極
めて市 要 な問 題
とな
っ て くる
。
最 近 開 発 さ れ た 大 脳 皮 質 磁 気 刺 激 法17AS }による運
動
誘
yy&電 位(
Motor
Evoked
Potential
:以 ドMEP
)は
,
運 動 機 能 系
,
特
に錐 体 路 系
の 興奮性
を 反 映 す る 可 能 性 が あ ること につ いて棚 先 が 進 め ら れて いるltt 経 頁宀磁気 刺 激
は誘 導
電 流に より脳 を 経 皮 的 に 興 奮 させ る もの であ
る、
,ま
た,
こ の方 法 を使
っ たMEP
は,
刺 激
に よ り 閾値
に達
し た錐 体 路
細 胞群
が錐 体 路線
維 を 下 降 しα運 動ニ ュー
ロ ン に興 奮 性
シ ナ プ ス後
髢位
の時
間的 空
間 的加 重
を 生じ
る。そ
の結 果
,
α運 動
ニ ュー
ロ ンが閾 値
に 辻す
るこ とで筋
が興盤
し筋 扈
図があら わ れ る ものであ るそこ で
本 報 告
で は,
こ のMEP
を使
用し麻 痺 筋
に対 す
る促
通や筋 力 増 強
を行 う
.
.
L
で紆 検 的
に行
わ れてい る遠 隔 筋
の随
t、
筋 収
縮に よ る促 通 功 果
と,
四肢
の肢 位 変 化
に よ る促 通効
果
につ いて,
その中枢
連動 神経 系
の機 序
を知
ろう
とし たす
な わ ち,
随
恵的
な速 隔 筋
の収 縮
〔J
法 )
が,
前 腕
の}
pr 抗 し た2
つ の筋
を.
支 配 する運動
野錐 体 路 細 胞
に対
し て,
どの よ う な 促 通 効 果 を も た らす か を 調べ た、
ま た,
前
腕 の肢位
変化
に よっ て,
その促
逓効 果
が どの ような 修飾
を う けるの か を検 討
し た、
MEP
を指 標
に し た浄
的 な肢 位
変 化の効 果に関 しては すで に撮’
i
・
20.
}し た が,
今
回 は特
に,J
法
と 肢位
変 化 を 組 み 合 わ せ るこ とに よっ て,
動 的
なJ
法
に よ る促
通効
果 と,
静 的 な 肢 位 変 化に よる促 通 効 果 が,
どの よ う な 統 合 的 な 促 通 効 果 を も た らす か を検J・
1
す るこ と を 目的 と し た.
対 象
と方 法
被 検 者
は健 康 な右 利 き成 人男 性
8
名
(年齢
:23−50
歳
) であ
っ た。ま
た,
実 験 を行 う前
に,
被 検 者
に は夫 験
の 目的
とf
’
順
をt
分に説
明し,
同 怠を得
てから行
っ た.
,
な お.
被 検 者
に は大 脳 疾 患
がな
い こ とを確
認 し,
実 験 中
に 必要
が あ れ ば医 学 的 対 応
が とれる よう
に配 慮 し
た各 被 検 者
は,
実 験 用 肘掛
け桁
r
一
に安 楽 な 姿 勢
で腰 掛
け,
両 僑腕 を肘 掛 け
に載
せ た.検 査 肢 位
は,
前 腕
の完 全
lq
内
位
と回外 位
の 二つ の肢 位
を設定
し,
肘 掛
けに手 関節 部 を
バ ン ドで固定
し た。
なお.
前腕 肢 位 岐 定 時
に肩 関 節
の内
旋
と外 旋
を伴
わ ない よ うに極 力渟
片 を払
っだ
3),
、
遠 隔 筋
促
通の方 法
(J
法
〕は,
検 者
の合 図
に よ り.
一
定
の 強 さに よ る 瞬 時で最 人の歯σ)噛み締 め動 作
を行
う,
と い う 運 動 課 題 を 川いたこ の 運
動 尿
題 を選
ん だ 理 山 は,
従
来の報
告 で は,
H
反 射 に 対 す る 遠 隔促
通 功 果 は 条 件 運動
のi
働 作 筋
に よ る運 動 努 力
ない し彳
1為
に よ らず
t
その筋
に存 在
し ている筋 紡 錘
の数
甲が よ り優仁
な影 響
を 及ぼす
こと がわかっ てい る こと から 1/,
筋 紡 錘
が豊宦
に存 在
してい る 咬筋
2Pの収
縮 を 」法 課
題 と して選択
し たま た
,
II
反 射 を 使っ た 報 告で は,
歯の噛み締 め 動作
が 込 隔 筋 促 通 法 として有 効で あ るこ とが す で に 分 かっ てい るこ と に よ る22歯
の11歯
み しめ動 作
に よ り牛
じる右
咬筋 筋
電 図 をシ グナ ル・
プロ セ ッサー
〔II
本 電 気
…栄 杜 製
.
7T235 )に 取 り込
み,
咬 筋
の収 縮
に よ る筋 放
厄開 始 時 を
トリガー
と
して パ ル ス を取
り 出 し.
屯気 刺 激 装 置 (
日本 光 電 礼 製
,
SEN
−
7203
〕を駆 動
させ た磁
メL刺 激 装 置
(MAGSTIM
利製
,
MAGSTIM
−
200
}の駆 動
およびそ
れを与 え
る タイ ミング は,
亀 λ 刺 激 装 置で作
ら れ る時 問 遅
れ を調 整 す
る こ と に よっ て得 た 〔図1
)・
MEP
は,
経 頭 蓋 磁気 刺
激法
に より右 前 腕
の橈 側 ;
”根
fiP
筋
(以 下,
ECR
) と 桃 側P
根 屈 筋
〔以.
ド
,
FCR
)の 二つ の拮 抗 し た 筋の筋 腹の 中 央に置いた 表 面 電極
に よ り』
草
出 した。
な お, 電 怐 が肘
掛 け に接 触
す ること が ない よう
に場
に 注意
を払
っ たま た
,
咬 筋 収 縮 とい う 遠 隔 筋の 随 意 筋 収 縮 による 効R
が,ECR
とFCR
を 攴 配 す る 錐 体 路 細 胞へ どの よう
な促
Lt
効 果 を も た ら す か を,
咬 筋 収
縮 の時 問経 過
に{
i
’
う
タイム コー
ス上 で檎
1亅.
す る た め に,
右咬 筋
の筋
1毬
図 〔以 ド,
EMG
) 開 始 か ら100
,
200
,
300,
600msec
の各
遅 延時
問 (以 ド.
delay
)で トリ ガー
パ ル スを 発
生さ
せ磁
貳刺 激 気 置 を駆 動
し.
MEP
を 記録
し た.
t
各
de
[ay を’ 」・
え る [「「貝番
は,
そ れ ぞ れの 被 検 者 に よっ て ラ ン ダムに行
っ た。
また,
右 前 腕
の回内 位
と回外
仁の各
肢位
で,
噛
み締
め を行
わな
い安 離 な状 態
(以 ド,REST
〕 で もMEP
を記 録
し たさ ら に
,
磁 気 刺 激
をV
一
え ない 状 態で1咬 筋の収 縮に よるEMG
をOLI録
し,
こ の運 動
の遂 行
に よっ てECR
とFCR
の背 景 筋 放 電
に変 化
が4
じてい な い こと を確
認 し たそ して
,
こ のEMG
記録
か ら,
咬 筋
収 縮 持 続 時 間 を 計 測 した/
t
MEP
記 録 に 闃 わ る 磁 気 刺1
敷 を与
・
え る刺
激場 所
は,
「
可
際 脳波 記 録 法
(10
−
20
法1 に某づ き,
目 的 とするECR
とFCR
か らMEP
が もっ と も 低い刺 激 強 度で誘 発 さ れる場所 を探
し,
その場所
に 円 形の飯 気 刺 激コ イル を鍔
い た.
.
し か しECR
お よびFCR
か り1、秀
発 さ れ るMEP
は,
.
r一
の筋
に比べ閾 値
が高 く誘
発 さ れ に くい。
MEP
の 記 録 に は最 適
な刺 激
強度 を
川い るこ と が 必 要 で あ る231。
し た が っ て テ ス ト刺 激
に使
用す
る磁 気 刺 激
強度
は,
単 発刺
激に て常
に磁
メL刺 激
表置
の 取 大 出力
〔100% ;1
.
5
テ ス ラ } を川
い た。MEP
お よ び咬 筋
か ら,,
己録
し たEMG
は.
双 極 衣
面誘
導 法
に よ り 生体 増 幅 器
〔日本 光
冠村
:製
,
AB
−
621G
)で,
時 定
数O
,
03
秒
,
ハ イカ ッ トフ ィ ルター
3kHz
で増 幅
した 後,
コ ン ピュー
タ (EPSOK
利製
,
PC
−
286V
) と 丶D
変
換
ボー
ド (カ ノー
プ ス 社 製,
ADX
−
98E
)に よ り5kHz
のサ ンプ リング周 波 数でAD
変 換 し,
波 形デー
タをコ ン ピュー
タL
に 記 球 した実 験
終
ゴ後 に,
コ ン ピュー
タ画面
11
に画 像 表 示
し た波 形
デー
タか ら,
MEP
の振 幅 値
と潜 時
を冂
1
測 したc測
定 武行
は,
各
服位
でREST
も含
めて各
delay
ご とに50 理学 療 法 学 第27巻第2号
図1
実 験の
模
式図.
4
右 咬 筋の筋電 図 を ト リ ガー
と し磁 気 刺 激装 置を駆動し,
delny
は電 気刺 激 装 置で任 意に設 定し た.
2.
安 静 時のMEP
の 誘 発 は,
コ ン ピュー
タ で 磁 気 刺 激 装 置 を 駆 動 さ せ ること か ら 得 た.
51
冂1
行
っ た。
そ れ ぞ れの肢位
お よ び’i
$de
[ay で得 ら れ た5
試 行のMEP
記 録の 振 幅 値 と 潜 時 を 計 測 し,
その 平 均値
を求
め個
人の各条 件
ドで の代 表
f
直 と し た、
、
解
析 は 遠 隔 筋 促 通 効 果 と,
その経 時 的 な変
化 を検
討す
る ため に,
ECR
とFCR
の そ れ ぞ れの 筋 につ い て,
各
detay
ご と に 平 均 振 幅 値 お よ び 潜 時 を 求 め,
その値
とREST
時の 値 との 差 を検
討 (Wilcoxon
検 定
) し た、
、
ま
た,
前 腕の 肢 位 変 化 に よ る効 果 を検
討 す る た め に,
REST
を基 準
に各
delay
(100,200,300,600
msec !時
で の増 加 率
(振 幅 %
REST
) を算 出 し
た、、各
delay
ご と に同.・
筋
に おける回内位
と 囘外 位
をIVilcoXon
検 定
に よ り比較
した。結
果
図
2A
に実 際
の咬 筋 収 縮
に伴 う
ECR
とFCR
のMEP
記 録
を代 表 例
(被 検
9
’
S
.
Y
’
) で示
した。
な お.
全被 検 者
に お ける咬
筋の収
縮 時 間の平
均 は2115
±45
.
9msec
(n;
8
)であっ た.
,
ま た,
同
一
被 検 者
の前 腕
回 内位
と1
冂1
外
位で のECR
とFCR
の実 際の促 通 効 果 を 示 し たMEP
の 記 録 を,
?
F
delay
ご と に 図2B
〔回内 位
の場 合
〕と
C
(Fil
外 位
の場
合 〉 に 示 し た。
この 結 果 か ら.
安 静 時 に 比 較 して 随 意 的 に咬 筋
の筋 収
縮 を行 う
とECR ・FCR
と も
に促 通 効 果
が認
め ら れ た、
,
そ
して.
各
delay
ごとでの効
果の違
い に注
目 し て み る と,
ECR
・
FCR
と もにREST
と比 較 し
て振 幅
は大 き く な
っ てい た が,
delaylOO
msec で最
大値
を示
し た。
こ の よ う な変 化
は 全被 検 者
で共
通に 認 め ら れ,
し か も 図2A
に示 し た よ うに,
随 意 的 な 咬 筋 の 筋 収 縮 に 伴っ てECR
・
FCR
と も に 背 景 筋 放 電は 認め ら れ な かっ た 〔図2A
の黒
三角 印
)。 こ の こと か ら,
こ れ らの促
通効
果は,
ECR
とFCR
の 随意 筋 収
縮に よ る効
果で はない ことが確 認
さ れ た,
、
そ こ で.
安 静 時
に対
し て各
delay
でのMEP
振 幅 を 比 較 し,
J
法
に よ る効
果を統 計
的 に 検 討 し た 結.
果 を 表1
に 示 し た、
,
ECR
に おい て は,
回 内・
回 外 と も にdelay
lOO ・200 ・300
msec でREST
に 比較
して有 意
に振 幅
は増 大
し た (各
p
<0
.
5
)、.
し か し,
delay
600
mse 〔:で は有 意 な 増 大は認め ら れ なか っ た。
一
.
・
方
,
FCR
で は 同内 位
でdelay
100 ・200 ・300 ・
600rnsec
す
べ て に安 静 時
と 比較
して有 意
に振 幅
は増 大
した 〔各
p
<0
.
05
).
.
し か し,
同外 位
で はdelay
100
・
200msec
の み で安 静 時
と比 較
して振 幅
は有 意
〔各
p
<O
.
05
)に増 人
してい た、
,.
・
.
方
.J
法
のMEP
の潜 時
に与
える効 果
につ い て も,
振 幅
に おける結 果
と同 様
の方法
で比 較
し た,そ
の結 果
(
表
2
).
ECR
・
FCR
と もにそ れ ぞ れの肢 位
でREST
とdelay
100
,
200
msec の間
で有
意 な潜
時 差 (各
p <O
.
05
) が認
め ら れ た,
.
す な わ ち,
MEP
の潜 時
の変 化
に関
して は,
咬 筋 収
縮の初期
にMEP
の振幅 値
の増
大 と呼
応 して,
その潜 時の短 縮 が 起 こっ てい た,
.
そこで,
J
法による振幅
の増
大 と潜 時
の短 縮 との関係
を明
ら かにす る 目的
で,
振 幅 値 と潜 時の 相 関 関 係 を各
被検
者ごと に検
討 し た,
そ の結
果を表
3
に示
し た,
こ の結
果 か ら,
全被 検 者
に おい て,1
山1
肢 位 変 化 およ び両筋
(ECR
とFCR
) そ れ ぞ れ に おいて,
有 意 水 準
に個 体 差
は あ るも
の の負
の相
関 関係
が存 在 す
る こと が分
かっ た。
す な
わち
,
J
法 及
び肢 位 変 化
に よ る促
通効 果
は,
MEP
振 幅 値
の増
大 を 惹 起 し,
し かもそ
の時
のMEP
潜 時
はREST
時
に比
べ て短 くな
る こ と を示
してい た。
J
法による促 通 効 果 が 肢 位の違い に よ り特 異 的に惹 起 す る もの かどう か を検 討
す る ために,
各
delay
に お け る 振幅 変 化
を,
回内 位
と 回外 位
で 比較
した.
, しか し.
各 筋
に お いてREST
のMEP
振幅 値
が 肢位
の違
い に よ り一
様
で は ないた め に.
測定 値
の大小
をそ の ま ま比較
する こと遠 隔 筋 随 意 収 縮 と肢 位 変 化が 運 動誘発 電位に及ぼす 影響 51
A ,
咬 筋L
ECRFCR
Vm2 100msecB .
回
内 位
C .
回
外位
ECR
FCR
ECR
FCR at rest 一 一脈
一一一 一一
。t,e,t1−
iid
e
(delay
) 100f−
”Wtl
−一 一一
轡
》一
亠 (d
瀞
iル
ー
一一
200300
600 2001VVv
−一一一
一
、。。 600L
ハ
へ
_一 一一
卜
・V 20msec 図 2 咬 筋の 随 意 筋 収 縮 に よ る 背 景 筋 放 電 と各肢位に お け るMEP の記 録 例A は
,
咬 筋 筋 放 電とtriggerの タイミ ング を 示 し,
ECR
とFCR
に 背 景 筋 放 電 が 認 め ら れ ない こと を示す.
B は 回内 位,
Cは回外 位 で の各 筋,
各deiayに お ける3試 行の実 際の記 録 波 形 を 弔ね書き で 示 し た,
B
,
C
と も に安 静 時 〔at rest ) は咬 筋 収 縮のない状 態で の52 理学 療 法 学 第27巻 第2号 表1 振 幅
1
直{mV }に お け る:Lt reSt に対 する各dday
〔]oo・
2〔}O・
300・
600
m
.
sq 〕 の比 較 〔各 筋の「in1内 位・
[ril外 位:そ れ ぞれ につ い て の分 析1 atres [ LOO 2(1(1 30〔} 600 回 内 位 ECR 同外 位 0
.
45 ± 0.
18 0.
57 ± 0]7 0.
24 ± 0.
10 0.
27 ± 0.
14 ().
76 ± O.
25 〔*} 0.
59 ± O、
18 1 * 1 〔,、
6・
1コ:
0,
L:S 〔* 1 1.
15 ± 0.
40 〔*) 1.
00 ± 0.
59 /’
* ) α95 ± 0、
52 〔*〕 回内 位 FCR 回 外 位 0.
75 ± (i:S9 〔*, 0.
61 ± 0.
4〔工 (* :1 0.
56 ± 0.
22 〔*丿 0.
45 ± 0.
25 〔* 診 0.
38 ± 020 覧* 1 〔[.
33 + (,.
18
(}.
6
〔〕 ± 〔[.
27
0.
85 ± Ot6 0.
50 土 0.
31 〔* }0
.
35
±0
.
23
表 中の数字 11=
8.
mV 士 sd.
k
:Pく0.
(15WilC 〔,x〔m kes1.
表2 潜 時 〔msecl に お け る 11t rcst に対
.
す る各
delay
T lOO・
200
・
300
・
6001nsec
〕の比較咯 筋の
1
呵内 位・
tnl
外 位そ れ ぞ れにつ い て の分析} a[reSt 且00 LC}C} 30C〕 600ri
可「丿寸fL7
: 16.
2
・
1 士 1.
1
.
115
.
72 ±1
.
19
1 *.
ECRIu
]タト{}乞 15.
60 ± LO8 14.
56 + 1.
〔,5 〔*♪15
.
89
ゴ:1
.
15
〔*き16
、
08
±1
,
18
1625
±1
,
06
15
.
19
±1
.
04
{*11
15.
50
土0
.
87
15
.
65
±0
、
99
FCR 匪lI
人∫てLlf:⊥6
.
Ol士
0
、
6414
.
88±
1
,
13〔* }
1
司タトf
ウ: 15.
90 +0
.
〔シ1 14.
70
±0
.
93
〔*} 表 中の数 字 :n=
8,
nnsec ± Sd,
15、
39
+ 〔}.
g9 「* 1 15.
83
土 王.
04
15
.
98
±0
.
89
15
.
31
土0
、
67
t*:I l5.
8
〔)土0
.
64
15.
8
・
1 ± 〔}『
1*
:P<0
.
05
1・
Siilcc
)x‘}m tcs吐.
表3 各被 験 者 ご との 振 幅 値 と 潜 時の相 悶.
、
.
’
\.
.
.
11とト.
.
.
.
、
丶.
.
.
、
.
回内位I
rll
外 位 \丶
芝 紋龍 肢 1鸚 \図
ECR.
FCR ECR FCR一
一
.
.
一
一
D.
A…
一
〇、
252一
〇、
393一
〔[.
.
皇8〔}一
〔.
).
518樗
K.
Y一
〇.
414廓 一
〇、
378一
〇i16† 一
〔}.
719事
M.
H・
.
0」39一
〇、
605桝 一
〇.
18〔}一
〇.
570樋
o.
II一
〇.
「
i4,一
〇.
536騨
(1.
266一
1〕.
517圃
S.
0一
〔}、
6〔〕1一
〇.
2レ1一
〔〕.
829一
〇.
ll3s
.
Y
一
〇.
551け 一
〇、
6
一
5桝 一
け.
281
一
〔1.
640
T
.
K ….
−
0.
127一
〇、
731け 一
([.
05〔}一
α223
』
1.
.
0.
778桝 一
〇.
291一
〔,.
166一
〇.
070Spctnrman
rallk corretation’
:P< 〔}.
〔〕5
,
二P<0
.
OL
は
評 価
を誤
る u∫能 性
が あっ た,
.
そこで,
REST
時
の振幅
値
を 基準
に して標 準 化
(その時
のREST
に 対’
す る 比 : その時のMEP
振 幅REST
%}を 行い,
その 値 を 川い て比較 検 討
した/
.
.
その結 果
を,
全体
の’
f
−
”J
値
及 び 標準
偏 差 を 付 して.
表
4
に 示 し た.ECR
で は1
{}0
,
200
,
3
{}O
,
600
の各
delay
と も [冂1
外 位
の ほう
が 回内 位
よ りも振 巾
II
{
の 増 加 率は大 き くなる傾向
にあっ たが,
有 意 な 差は認め ら れ な かっ た.
.
/
し か し,FCR
で は,
各
delay
す
べ て におい て,
回内 位
で 回外 位
に比
べて その増 加 率
は大 き くな り
.
統
函1
』
学 的な有 意
差が 認め ら れ た 〔各
de
[ay でp
く 〔〕.
esl
)ttt
この関 係
を 躍:的 な 多 寡
で理解
するた めにECR
とFCR
に つ い て,
そ れ ぞ れの標準
化 さ れ た 値 を 回r
丿・
1
位 と [冂1
外 位の 比 〔pronation supination } を と り,
グ ラ フ化 して 示 し たの が 図3
であ る、
.
t
こ の結 果 か ら,
亅
法 による 効 果 が 加重
さ れ る こ と によ りFCR
で は 回内 位
の肢位
.
逆
に,
ECR
で は回外 位
で よ り 大き
い振 幅
増加
i
”/とな り相
反す る結果
と なっ て い た。
したが っ て.J
法に よ る振 幅 増 大 効 渠 は,ECR
とFCR
で は その 肢位
の違
い に よ り・
様
で は ない こ と を 示 してい た.
、
考
察
1.
遠 隔 筋
の随
意収 縮
に よ る促 通
につ いて本 疋験 結
果で は,
Pereon
らL”t).
HU
「nagel らL’
:11 に よ る報
II
「とli
・
i’
1
様
に,
MEP
におい ても速 隔 筋
の随 意 筋 収 縮
〔本実 験
では咬 筋
の随 意 筋 収 縮
1 に よっ て,
随 意 筋 収
縮 を彳
.
i
っ て い ない 筋 (前
腕のECR
とFCR
〕 のMEP
に増 大 が認
め ら れ た、
す な わ ち,
こ の よ う なMEP
の振幅 増
大 は,
II交筋
の 随 悳筋 収
縮に よ りECR
とFCR
を 之配 す る 大 脳 皮 質 錐 体 路 細 胞に対 して,
促 通 効 果 を 生 じ さ せ たこ と を示
してい る.
ま た.
遠 隔 筋の収 縮開
始 時 点 を 起.
L、
、
:と し て 号 え る と.
こσ)促 通 効 果 が 時 問 経 過 ヒどのよ う な効
果の違
い を 及ぼす
かを検 討 す
ること
は,
神経 生
理学 的
に 極め て 重 要 なll果題で あるtt
/
Delwaide
ら 11,
Kawamllra
ら6, に よ るH
波 を 川いた 遠 隔筋 促
通の報 告
では.
筋 収 縮
からH
波 を 誘 発
する冠 气 刺 激
を「 ♪え
る タイミン グ が近
.
要
で あ り,
特
に動 作
開始 直 後
に最
大値
に達
し,
そ の後 数
百
msec の問
に減 弱 す
る こと が撮 告 され
てい る、,ま
た,
MEP
を川
い て遠 隔 筋 促 通 を 調
べ た報
11
テ21〕でも
,
動 作 開
始
100msec
か ら400
msec 程 度でMEP
振幅
の顕 著 な増
大 が
報 告
さ れてい る.
.
こ の結 果
は,
本 実 験 結果
で も 同.
様
に 認 め ら れ た.
す な わ ち,
ECR
とFCR
とい う 筋の 述い に よっ て,
ま た 肢 位 変 化の 違い によっ て.
その促 通の 程 度は.
異 なる もの の,
REST
と比 較 し各
delay
の いず
れ に おい ても明
ら か な促 通
が認
め ら れ た、
ECR
で はIIIIi
技 位
で (lelay
[oo
,
20
().
300
mSec の そ れ ぞ れ に促
通が認
め ら れ.
FCR
で は回内 位で全てのdelay
に,
ま た 回 外 位で遠 隔
筋
随意収
縮と肢位変
化が運動誘
発 電 位に及ぼす 影 響53
豪
4安静 時 (
at rest)
振 幅 を基 準に した場 合の促 通 量 比 較ECR
FCR 肢 位 delay 回内位 回外 位 回内位
回外 位 loo200300 枷 177.
2 (55
,
9
) 138.
7 (34.
5) 155.
9 (72.
9) 144.
7 (68.
0)215
,
7
(97
,
3
) 177,
2 (92
,
2) 169.
0 (79.
4) 149.
4 (69.
3)NSN
,
SNSNS
305
.
2
(119
.
0
>271
.
6
(134
.
3
) 229,
9
(67
.
8
) 232,
8
(97
,
0
)198
.
8
(105
.
2
)145
.
8
(5L8
)146
,
0
(83
,
8
)12L2
(36
,
7
) * * * *n
=
8
,
mean %士 sd.
’:p<0
,
05
,
N
.
S
:有 意 差 な し,Wilcoxon
test.
廼
J
外 粒二で憂イ立・
性0
一
0.
5
L
回内位
優 位 性一 →
1
.
5
2
2.
5
N,
S
100
N
.
SN
.
SN.
S
200300600
驪
鬮
*loO
*200
*3
0
*600
d
里目内
〆回タトb
ヒ)
驪
ECR
鬮
FCR
(
delay
time
:msec)
図3
各
筋にお ける振 幅の回内/回外 比図 中の各 棒グラ フはそれぞれのdelayにお ける振 幅の 回内/回外 比 を全 被 検 者の平均 値で 示 し た
.
ECR
で は わずか に回外 位で大 きい促 通 効 果 が 認められた (回外 位 優 位 ).
し か し,
回内
位と回 外 位の%REST
の値 に 有 意 差 は 認 め られ なかっ た.
FCR
で は 回外 位に比 較し,
回内
位で より強い促 通 が 認 め られ たことを 示 す (回 内 位優 位 ).
* pくO
.
05
,
はdelay
1CO
,200
msec で明
ら か な促 通
が認
め ら れ た。ま
た,
潜 時
の短
縮 がdelay
100
,200
msec で各
筋
のそ れぞ れ
の肢 位
にお
い て認
め ら れ た。
この結 果
は,
全 被 検 者
の平均 咬筋 収 縮 時 間
が200msec
程 度 (
211
±45.
9
msec)
という
こ と か ら考 え
る と,
遠 隔 筋
の随 意 筋 収 縮 期 間 中
に促 通
が顕 著
に出 現 す
ることを示 唆 し
て い る。
す な わ ち
,
急 速 な 随意動 作
の遂 行 中
に,
そ
の随 意 動作
とは直 接 的
な関係
には な
い筋 を 支 配 す
る錐 体路 細 胞
に促 通
効果
が強
く
及
ぶ こ とを意 味 し
てい る。
この結
果 は,
脊 髄
レベ ル で の 遠 隔筋 促 通 効 果
と同様
であ り
,
大脳 皮 質 運 動
野の錐 体
路細 胞
にお
いても
,
脊 髄
レベ ルと同様
の時 間 経 過 を経
て効
果
が及
ぶも
の と考
え ら れ る。MEP
を 生 成 さ せ る機 序
は,
潜 時
が短
いD
・
wave,
そ して それ に続
い て生
じ る1−
wave か ら構
成 さ れてい る26一
30)。D
−
wave は,
刺 激
によ り錐 体 路 細 胞
が直 接 脱 分 極 を
引 き起
こ し た結 果 惹 起 す
る電 位
といわ れ て お り,
1−
wave は 皮質
一
皮 質 投 射
の よう な経
シナ プス性
に発 生 す
る電位
であ
ることが 分 か
っ て い るユ9)。経 頭 蓋 磁 気 刺 激
に よっ て 生成
さ れるMEP
は,
主に後 者 す
なわち1−
wave か ら構 成さ れ
て い る と考 え られ
てい る18)19’
)。本 実 験 結
果 か ら,delay
IOO
,
200
msec で潜 時
の短 縮
と振 幅
の増 大
が 同時
に
,
し か も著 明
に認
め られたことか ら,・
一
一
過 性
のballis
・
tic
な遠 隔 筋
の随 意 筋 収 縮 期 間 中
に,
そ
の遠 隔筋
の収 縮
に よ り焦 じた インパ ル ス(
主 に筋 紡 錘 由 来
と考
え ら れる31))
が中 枢 内
に 入 り,
そ れ に よっ て皮 質 錐 体 路 細 胞
の興 奮 性
の変化
が 惹 起 し た可 能 性
が考
え ら れ る。さ ら
に,
そ
の時
のMEP
に は潜 時
の短 縮 が 惹 起 し
てお り
,
しか も
MEP
の振幅
と その潜 時
の間
に は負
の相
関 関係
が 認め ら れ たこ と か ら,促 通
に関
わ る皮 質 錐 体 路 細 胞
の活 動
に量 的 あ
る いは質 的
な変 化
が起
こっ た可 能 性 が 示 唆 さ れ
る。す な わ
ち
,
質 的
な変 化
と は,
咬筋 収
縮期 間 中
に賦活
さ れ る皮 質
錐体
路 細 胞 は,REST
時
の そ れ と 比べて伝 導 速 度
の速
い,
より大 きな 細 胞
の動 員
が起
こっ た 可能 性
で あ る。
し か し, 磁気 刺 激
に よ るMEP
の振 幅 増 大
は,
脊 髄 運 動 細 胞 群
の 中で到 達 し た イン パル ス に よっ て引 き起
こさ れる空
間 的 並 び に時 間 的 加
重の結 果
によ る とす
る のが 主 た
る機 序 と
考
え ら れ てい る18)。量 的 な 変 化
と は,
咬 筋 収 縮 期 間 中
に 賦 活 さ れ た 皮質 錐 体
路細 胞
は,
同程 度
の伝 導 速 度
と大
54 理 学 療 法 学 第
27
巻 第21i
一
き
さ を持
っ た細 胞
の動 員
であっ て も,
そ れ が 量 的 に 増 大 し た 結 果,
脊 髄 運 動ニ ュー
ロ ン・
プー
ルの 中 で起
こる脱
分 極 は,
時 問 的 並 び に 空 間 的 加 重の結 果 と して 閾 値 に 達 す る まで の 時 間 (risingtime
) を 短 縮 させ,
しか もMEP
の 振幅
を 増 大 さ せ る効
果を持
つ こと に なる、
,今
回 のJ
法の 効 果 に 関 して は,
MEP
の 生成
の機 序
か ら考
え て,
後者
の量 的
な増 大
を惹 起
さ せ た PtJ’
能 性
が大 きい と考
え
ら れ る。2
.
肢 位 変 化
に よ る促
通につ い て肢 位 変 化
と遠 隔 筋
の収 縮
に よるJ
法
の効 果
が どの よ う な相 乗 効 果
を持
つ かにつ い て,
MEP
を 指 標に検 討 し た。
その結 果
,
咬 筋
の収
縮に よ りFCR
のMEP
はREST
を 基準
と して考
え た時
,
各
delay
で の振幅
の増 加 率 に おい て,
回 内 位でのMEP
が 回 外 位のそ れに比べ て有 意
に増
大 した 俵 の。
これ は 回 内 位の時,
咬 筋 収 縮 によっ てFCR
を 支 配 す る 錐体
路 細 胞 に, よ り強い促
通 が起
こっ たこ と を 示 してい る,
、
さ らに,
ECR
でも統 計 的
に有 意
差 は 認 め られ な かっ た もの の,
回 外 位でのMEP
の 増 加 率 が 大 き く なっ た (図3
>.
この よう
な 遠 隔筋 促
通 に関
わ る 肢位 特 異性
は.
肢 位 変 化
によっ て生 じる筋
か らσ)体
性 感覚
入力
が.
運動
野の興奮 性
にそれぞれ異
なっ た影響
を 及 ぼ し20) , その結
果MEP
の振 幅 増 人
に異 な
っ た効 果
を も
た らしたも
の と考 え
られ る。 こ れ は,
体 性 感 覚
人力
は運動 出 力
に重要
な役 割
を果
たし てい る とする動 物
実 験 か ら得
ら れたいく
つ かの報 告
811 )か らも明
ら か なこ とであ
る。MEP
の変 化
を指 標
とし て,
感 覚
入力
の影 響
を 調べ る場 合
,
そ
の筋 自体
の筋 収 縮
を行 う
と,
調
べ よ う とす る感
覚
入力
以外
の様
々 な 要因
の混
入 に よ り,
正確
な 結 果の解 釈 が不
可 能にな る。
そのた め,
今
回の実 験では,
関節 を
あ る肢 位
に固 定す
る方法
を採
用 し た、
、
し た がっ て, その 肢位
を 保 持 す る た め に, 主 動 筋 に 微 少 な 筋 放 電 が 生 じ た lr∫能性
も考
え ら れ た。
し か し,
検 討
の結
果 (図
2A
),
全
被検
者で背 景筋
放 電 は 認め ら れな かっ た。
それ にも
か か わ らず 促
通効
果 は明
ら か に認
め ら れ た。 し た がっ て,
促
通 効 果
が出 現
した理 山
は,
REST
の状 態
であ
っ ても肢 位
変 化
をと る ことに よっ て,
目的
の筋
の運動
ニ ュー
ロ ン・
プー
ルは閾値 下
の状 態
で興 奮性
が増 大
してい た と考
え ら れる.
,ECR
は,
肘 関節
が屈 山 位
に あ る場 合
,
回外 位
の 保 持に関 与 す る と さ れ32).
ま た 長 谷331に よ る と 回 外 位 で落
下物
を受
け取
る際
にECR
は 主動
筋 で あ るFCR
に 先 行 し て 筋 放 電 が 生 じ るこ と を 報 告 し てい る。
これ は,
あ る 関 節 肢 位の状 況 下では 運 動 発 現 に 関わ る筋に特 異 的 な優 位 性
が存 在
する こ と を 示し ている。
こ の こ とが,
肢 位
変 化
による促 通 効 果
の特 異性
を惹 起
して い る・
因
であ
る と考
えら れ る。
ま た
,
実 験 中 肘 関 節 は 屈 曲 位であっ たこ と か ら,
上 腕 三頭筋
は相 対 的に仲 張
状態
にあっ た。
し た が っ て,
磁 気
刺 激
およ び咬 筋 収 縮
に よ るF.
肢
へ の促 逓
は,.
h
腕
:三頭 筋
優位
であっ た可能 性
が考 え
ら れ る。
上腕
三頭 筋
の共同 筋
となるのは,
酊 腕 肢 位
が回内位
の時
はFCR
,
回外 位
の時
はECR
であ
る3.
1/lt5)。 こ のような 共 同 筋
の作 用
に よっ て,
そ の筋
を支 配
する錐 体 路 細 胞
の促
通に異
なっ た影 響
が 及んだ 可 能 性 が 示1唆 さ れる、
し た がっ て,
ある関 節の肢 位 変化
によっ て操 作
さ れ た体 性 感 覚
入力
の違
い は.
運動
プロ グ ラム の発 現 自体
に様
々 な 異 なっ た 修飾
を 及ぼす 可 能 性 が 考 え ら れ る。
以 上の結
果
を 運 動療 法
の場
面 で考察
す る と,
即 時 的 な 随 意 運 動機 能
の改 善
は,
促
通手 技
な ど に よ る 運動
ニ ュー
ロ ンプー
ルへ のさ ま ざ ま な 人 力 情 報の多
寡 と して 説 明 さ れう
る、
,
し か し.
永 続 的 な 運 動機 能
の改 善
に は,
随 意 的 に 運動 系 を
興奮
させ る試
みのほう
が有 効
であ
る tc}1。 し たがっ て,
運 動ニ ュー
ロ ンプー
ル に対 する入力
量を操 作
す
る促
通手 技
は.
運動 を
開始
しやす くす
ること に有 効
であ
る.
、
さま ざま
な手 技 を通
し て.
その 運動 感 覚 を 大脳 皮
質
ヘ フ ィー
ドバ ッ クす
る こ と が,
新
たな神
経 阿路
を形 成
す
る た め に は不 可欠
であ
る3e,
)。そ
して,
その フ ィー
ド バ ッ クが,
好
ま しい方 向
に働
い てい るか どう
か を検 証 す
る ことが 重要
である,
、
今
回 の実 験
か ら.
大脳 皮 質
運動 野
の錐 体路 細 胞
に対 す
る促 逓 手 技
とし
て遠 隔 筋 収 縮 (
咬 筋
収 縮
) お よ び関節 肢 位
の変 化
を用
い,
錐 体 路 細 胞
へ の選択
的 なフ ィー
ドバ ッ ク の影 響
をMEP
の変 化 を 指 標に し て観 察
し た.
.
.
その結 果
,
あ る筋
に促
通 を 及 ぼ すこ とに関
して,
こ の2
つ の手
技 が脊
髄α 運動
ニ ュー
ロ ン・
プー
ル の みな らず,
運 動の発 現に関 して直 接 的 な 関 係 を もつ 錐体
路 細胞
に対
して も.
その興 奮 性
に多
大 な影 響
を 及 ぼ す こ と が 確 認 さ れ た。
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