理 学 療 法 学 第20巻 第
8
号 493〜
498頁 (1993
年 )報 告
脳
卒 中
片
麻痺
患
者
の
歩行 時
に
お
け
る
足
趾
の
形
状
変化
の
実
態
*檀
辻
雅
広
* *松
田
淳 子
松 尾
薫
祝部美樹子 朝 倉
健 吉
尾
雅 春
要旨 脳卒中 片麻痺患者の 歩行 時に見 られる足 趾の屈 曲 変 化の有 無 と形 状の違いを調 査し,
歩行能力や運 動 機 能との関 係 を分 析 した。
対 象は片 麻 痺 患 者48名で,
椅 坐 位 時と歩 行 時の足趾 を写 真 撮 影 し足 趾 変 化の有 無を判定し た。 さ ら に,
足 趾の屈 曲 変 化 をclaw toe, hammer toe,
mallet toeの 三種 類に分類し た。足 趾の屈 曲変 化 が 見 られ た群 は
,
裸 足 歩 行 不 可 能 群に多かっ た。 足趾の屈 曲 変 化が見 られた裸 足 歩 行可能 群で は
,
歩 行 速 度が遅 く,
運 動 機 能 も低かっ た。 claw toe は hammer toe と比較して裸 足 歩 行 不可能群に多 かっ た。 裸 足 歩 行 可 能 群でもclaw toeはhammer toe より も歩 行 速 度 が 遅 く
,
速 動 機 能 が低 かっ た。 以 上より
,
両 者 間に機 能の優 劣が あ ること が考え ら れ た。 キー
ワー
ド 片 麻痺患者,
歩 行,
足 趾変化1 .
は じ め に 脳 卒中後片麻痺患 者の歩行に関して の研究は,
これ ま で諸 家により数 多 くの観 点か ら報 告が な さ れて い る。 し かし, 日常の臨床場 面に お い て歩 行 時に見ら れる こと が 多い足 趾の屈 曲 変 化に関 して は,
観 血 的 療 法の治 療 成 果 等の報 告IS)に見られる程度で,
片麻 痺患 者の歩行時に つ い て論じ たもの は少 な く,
そのほ とんどが ド肢の 共 同 運動の ひ とつ と して と ら え ている。 ま た,
足 趾 屈曲の実 態につ い て報告さ れ た ものはな く,
我々 もその存 在そ の ものを軽視し てきた。 ま た,
片 麻 痺 患 者の足趾の屈 曲変 化 を 我々は,一
一
mu
的 に槌趾 と呼び,一
っ の枠組み で見てい る が,
Helfetら7) は足 趾変形を,中足指節関節 (以下,MP )過伸展・
近位指.
The Condition an(至Difference of Shapes of TQe Flexion
in Barefoot Gait of Stroke Patients
糀
協 和 会 病 院
Masahiro Dantsuji
,
RPT,
Junko Matsuda,
RPT,
KaoruMatsuo
,
RPT,
Mikiko Houri,
RPT,
Ken Asakura,
RPT,
Masaharu Yoshio
,
RPT :Department of Physical Ther−
apy
,
Kyowakai Hospital(受 付凵 1992年8月2目/受理 口1993年7月6口)
節 間 関 節 (以 下
,
PIP) 屈 曲・
遠 位 指 節 間 関 節 (以下,
DIP) 屈 曲 している ものをclaw toe
,
MP 過 伸 展・
PIP届 曲
・
DIP 伸 展 して い るもの を hammer toe,
DIP に限っ て屈 曲 して いる ものをmallet
toe
と し て 三種 類に 分類してい る (図 1 )。 しか し, こ の分類も片 麻瘴患 者 の歩行 時の足 趾 屈曲につ い て分類し たもの では ないた め,
片 麻痺患 者に どの ような分 布を して いるのか,
姿 勢な ど へ の影 響は ど う なのか,
それ が歩行な どの動作 能力に ど の よ う な影 響 を 与えて い る のか等につ い ては不 明であ るσ足 趾の機能にっ い ては
,
中 山ら8)9)は体 幹と下 肢足 部の運動連鎖に より 運動 能 力を向上 させ る ために不 可 欠 で ある と し
,
その重要 性を述べて いる。
健 常 人の歩 行 時 におい て足 趾の筋 活 動につ いての報 告はある がlo)どのよ う な働き を して いる か は未だ分か ら ない部 分が多 く,
脳 卒 中片 麻痺患者の歩行時の足 趾の 機 能にっ い て は解 明 さ れて いない の が 現状である。 そこ で今回,
脳卒中片麻 痺 患者の足趾の機能を知る こ との一
助と して,
脳卒中片麻痺患者の歩 行 時に見られる 足 趾の屈 曲変 化の実 態 を把握し,
そ れ ら が歩行な どの動494 理学 療 法 学 第 20巻 第 8号
claw toe hammer toe mallet toe
図1
足 趾の屈 曲 変 化の分 類 (Helfetら7)よ り改変) 作 能 力 と どのような 関 連 性 が あ る か
,
さ らに,
足 趾 変 化 の形 状に よっ て ど の よ う な違い があるか を分 析綴
討 し た ので報告 する。2 .
対 象 当 院に入 院 及 び通院加 療 中の裸 足 立 位 保 持 可 能 な脳 卒 中後 片麻痺 患者で,
高 度な精神 障 害や高 次脳機 能 障 害 等 に よ る 理解力 低 ドを伴わ な い,
男性35
名,
女性13
名の 計 48名を対象と した。 平均年 齢は60.
5± 上O.
6 歳, 発 症 か らの平 均期間は24.
0
±17,
6
か月で あっ た。 運動機能の内訳は,
下肢 Brunnstrom stage (以下,BST
)12
名,
皿16
名,
IV
16名,
V
4 名,
VI10
名,
頸・
体 幹・
骨盤 帯 運 動 機 能 (以 ドNTP
)stagell)の分 布は且 1名,
皿 8名,
あっ た。3 .
方 去 IV 10名,
V 18名,
VI 11名で 裸 足に て股,
膝 関 節を それぞ れ 9゜
屈曲位で足 底を接 地さ せ た安 静 椅 坐 位と,
裸 足 歩 行 時 麻痺側 立脚中期を正 面 及 び外 側 方より写 真撮 影 し,
安 静 椅 坐 位 時の足 趾の形 状と比 較して裸 足 歩 行 時に足趾の屈 曲 変 化が見ら れ た も のを足 趾 変 化 群,
変 化が見 られ な かっ たものを足 趾 変 化 θ 群 と して判 定 した (図2)。
判 定は当 院の理 学 療 法 士 13名に よっ て行な っ た。
足 趾 変 化 群の足 趾の変 化の種 類にっ いて はclaw
toe,
hammertoe,
mallettoe
の 三三種 類に分 類し た
。
ま た,
対象者 各々 につ いて2Gm 裸足歩行口」,
不可,
及 び その快適歩行所要 時間, 下肢 BST,
NTP stage , 裸 足 立位時の骨盤 偏位角12),
全 足 趾 屈 曲伸展自動運動の 可,
不可 を調べ , 項 目ご とに これ らの因子が 足趾変化と どの よ うな 関 係があるか をt検 定,
及びx2 検定で処 理 し検 討 を行なっ た。
4
.
結 果 椅 坐 位 時と比 較し裸 足歩行 時に足趾の屈曲 変化が 見 ら れた者の割 合は,48
名 中足趾変化 群34
名,70.
8
% で あっ た。 ま た,
足趾変化 群の うち変化を形状によっ て分類し た結果
,
claw toe 22 名,
hammer toe 12Z
,
a
.
椅 坐位時b.
立脚中期 図2
足 趾 変 化 と判 定し た足 趾の形 状 (右片麻痺)脳 卒 中片 麻痺患 者の歩 行 時における足趾の形 状 変 化の実 態 495 表 1 20rl1裸 足 歩 行 可
,
不 可と足趾変 化との関係 20m 裸足歩行可能群 20 m 裸足歩行不可能群36
名 12 名 表3
骨 盤 偏 位 角と足 趾 変 化 との関 係 足 趾 変 化 群 Claw toehammer
toe 足趾変化θ群 9 」21nO
2111 111011 mallet toe O名で あっ た。 20m 裸足歩行可, 不可と足趾の屈 曲変化の有無 との 関係を表 1に示し た。
20m
裸足歩 行可 能群 36名 中足 趾 変化 群23
名, 足趾変 化θ群13
名,
不可能群12
名 中 足趾変 化 群 11名,
足 趾変化 θ群 1名で,
20m 裸足歩 行不 可能群の方に足趾変 化 群が多く見ら れ た (p<0.
05
)。 ま た, 足 趾の屈曲変化の分 類との関係は,
20m裸足歩行可能群で はclaw toe
12
名,
hammertoe
11
名,
不 可能群ではclaw tQe 10 名
, harロmer tQe 1 名で, 20
rn裸足歩行不 可能群にclaw toeが多 く見られた (p< 0
.
05)。20m
裸足歩行 所要時 間と足 趾の屈 曲 変 化の有 無 との 関係を表2
に示し た。 足趾変化 群の平均歩行所要時間 は56,
1
± 43.
0
秒,
足 趾 変 化 θ 群は30.
0±14.
6秒で足 趾 変 化 群の方が歩 行所 要 時間が長かっ た (p<0.
05)。 ま た,
足趾の屈 曲 変 化の分 類との関 係は,
claw toeの 平 均 歩 行 所 要 時 間は69.
2 ± 40,
7 秒,
hammertoe
は41
.
8
± 38.
8 秒で, claw toe と hamlner toeの 問に はclaw toeの方 が 歩 行 所 要 時 間 が 長 くな る傾 向 が 見 られ
た。 さ らに, claw toe と足 趾変化θ 群の間で は claw
toe の 方が歩 行 所 要 時 間が長 かっ た (p<
O.
01
)が,
hammer
toe
と足 趾 変 化e
群との間に は有 意 差 がなかっ た。
裸 足 立 位 時の骨 盤 偏 位 角 と足 趾の屈 曲変 化 との関 係 を 表3に示し た。
対 象 者 全 員の比 較で は,
骨 盤 偏 位 角が足 趾 変 化 群 平 均一
4.
7±6.
2度,
足 趾 変 化e
群 平 均一
〇.
Ol ±3、
6度で足趾変 化 群の方が麻 瘁 側 骨 盤が後 方に回 旋 偏 位 してい た(p<
O.
02)。 また,
足 趾の屈 曲変 化の分 表 2 20m 裸 足 歩 行 所 要 時 間 と足 趾 変化との関係鑿
誉
ii
羅
iiiii
;
ヨ
対 象者全 員 足 趾変化 群 clawtoe
hammer
toe 足趾変化θ群 裸 足 歩 行 可 能 群 足趾変化 群 clawtoe
hammer
toe 足趾変化θ群 n≡
48藩
i
蒲
ili
論
n=
361
:
鋼
:
慧
:
1
η
「 コ:
二
1
獄 磁
1
詞 当
葉」}
* :p<0.
05*
*
:p<O.
02 轟:p=
0,
01 糠 :p<O、
OOl 類との関係は, 骨盤偏位 角が clawtoe
の平均一5.
7
±6.
6
度,
hammer toe の平均一2.8
±4.
5
度で,
claw toeとhammer toe
,
hammer
tQeと足 趾変化0
群の間には有意 差は見ら れな か っ た が
,
claw toe と足趾変化 ∈)群 との間で はclaw toeの 方が麻痺側 骨 盤が後方に回旋偏 位して いた (p< 0.
OD 。 さら に,
20 m 裸足歩行可能群 の比 較で も,
骨 盤 偏 位 角 が 足 趾 変 化 群 平均…3.
8
±5.
3度,
足 趾 変 化e
群 平均一
〇.
04± 3.
7
度で足 趾変化 ∈) 群の方が麻 痺 側 骨 盤が 後 方に回 旋 偏 位 して いた (p<0.
05)。 また,
足 趾の届曲変化の分 類 との関係は, 骨盤偏 位 角が claw toe平 均
.
…
4.
5± 5.
5度,
harnmer toe平均
一
3.
1± 4,
6 度で, clawtoe
の方が (pく0,
5
),
claw toeと足 趾変 化 θ 群で は claw toe の 方が (p〈
O.
OOI),
hammer toeと足 趾 変 化 θ 群で はhammer
toeの方が (pく O
,
Ol)それ ぞれ 麻 痺側骨盤が後方に回旋 偏 位して いた。
足 趾の 自動 運 動の可,
不 可 と足 趾の屈 曲変化と の関 係 を表 4に示した。
自動 運 動 可 能 群23名 中足趾 変 化 群 12名,
足 趾 変 化 ∈)ge
ll
名,
不 可 能 群25
名 中 足 趾変化 (∋群 22名,
足 趾変化e
群3名で 自動 運 動不.
可能 群の方 に足 趾 変 化 群が多 く見 られ た (p< 0.
01)、
また,
足 趾の屈 曲変 化の分 類との関 係で は,
足 趾の 自動 運 動可能 表4 足 趾の 自動運動の可,
不 可 と足 趾 変化との関係 自動運動可能群 自動運動不可能群23
名25
名*
:pく0.
〔}5*
x :p〈0.
OOI 足 趾 変 化 群 claw toe hammertoe
足 趾 変 化 ∈)群2481
11
2843
21
496
理学療法学 第20
巻第8
号 表5
BST と足 趾 変 化 との 関 係 n漏
46BST
皿・
IV群BST
V・
VI群 32名 14名 足 趾 変 化 群 claw toe hammer toe 足 趾 変化e
群 5057 2 ワ 9 7617 注 )n−
46は対 象 者 総 数48名よ り,
BST ll 2名を除いたもの群はclaw toe 4名
,
hammer toe8
名,
自動 運 動不 可能 群はclaw toe l8名
,
hammertoe
4
名で足 趾の 自動 運動不 可能 群の方に claw toeが多 く見 ら れ た (p<0.
01
)。 BST と足趾の屈曲 変 化との 関係を表5
に示 し た。BST
m ・
W 群32
名 中足趾変 化(D
群25
名,
足趾変化e
群7
名,BST
V ・VI
群14
名 中足 趾変化 群7
名,
足趾 変 化 θ 群7
名でBST
皿・
IV群の方に足趾変 化 群が多 く 見 ら れ る傾向があっ た。 ま た, 足趾の屈 曲 変 化の分 類の関係は対 象者全 員で は
,BST
『 IV群はclaw toe20
名
,hammer
toe5
名,
BST
V ・
VI群はclaw toe1
名, hammer toe 6 名で BST 皿
・
IV群の方に claw toeが多く見ら れ た (p〈
0.
01
)。 さ らに,
20m 裸 足 歩 行 可能群で はBST 皿
・IV
群の 足趾変 化 群 i4名 中clawtoe IO 名
,
hammer toe 4名,
BST V・
VI群の足 趾 変 化 群 7名 中claw toe 1名,
hammer toe6
名でBSTm
・
IV群の方に claw toehi
多 く見 られた (p< 0,
05) 。NTP
stage と足 趾の屈 曲変化との 関 係は,
数 値 上で は stage が低い もの ほど足趾変 化 群が多く見ら れた が, 統 計 上 は有 意な差は見 られ な かっ た。
ま た,
足 趾の 屈曲 変 化の分 類 との関係でも各stage 間に差は見ら れ な かっ た。
5
.
考 察 今 回の結 果よ り,
裸 足歩行時の足 趾の屈曲変 化は約 71% の患者に見られ た。 その 中で,
20m
裸 足歩 行可 能 群 と不 可 能 群に分け た 場 合,
不 可 能 群に足 趾の屈 曲 変 化が多く見ら れた。 ま た,201n
裸 足 歩 行 所 要 時 間に関して は,
足 趾 変 化 群の方 が所 要 時 間が長 かっ
た。 こ の ことより,
足 趾の屈 曲変 化 は,
裸足歩行の獲 得に関 して,
また,
裸 足歩行可能 群で は歩 行 速 度に関して影 響を及ぼ して い る因 子の一
つ に なっ て いる ものと考え ること がで き る。 骨 盤 偏 位 角にっ い ては,
足趾変 化 群は足趾 変 化 θ 群 よ り も麻 痺 側 骨 盤 が よ り後方に回 旋 偏位 して い る こと か ら,
静止 立 位 時の骨盤の ア ラ イン メン トの状態が 足趾の 屈 曲変化の 出現に関係して いるこ とが考え ら れ る。 今回 は,
静 止 立 位 時の骨 盤 偏 位 角 を 計 測 し,
裸 足 歩 行時の骨 盤 偏 位角の計測は行な っ て い な い が, 吉尾 ら12)は静止 立 位 時の骨 盤 偏 位 角 を調べ,
麻 痺 側 骨 盤が後 方に回旋 偏位 してい るもの ほ ど裸足 歩 行が不可能 な ものが多い と報告 して い る。
今回の結 果,
裸足歩行可能な群の巾で も足 趾 変化 群は足趾変化θ群よりも麻痺側骨盤が より後 方に 回旋 偏位 して いること か ら,
裸 足 歩 行の可,
不 可は骨盤 の アラ イン メン ト も大き く関 与して い る が,
足趾の屈 曲 変化の存 在の 有 無によっ て も裸 足 歩 行 獲 得に影 響 を及 ぼ して い るの で はないか と考え られ る。
足趾の 自動 運 動 を末 梢 部の運動機 能の回復として と ら え る と,
自動運 動 不 可 能な群に足 趾の屈 曲変化が多く見 られて いることか ら,
足 趾の変 化は運 動機能の低い状態 を表して い るもの と考え る こと が で き る。BST ,
NTP stage と足 趾の屈 曲 変 化との関係で は統計 学上有 意な差は見 られて いない。 こ の こと は足趾の屈曲 変化の 出現は従 来 考 え られていた ド肢の共同運動や異常 筋 緊 張だけに よ るもので は ない こ と を示し て い る と考え られる。
しかし,
静 止 立 位時の骨 盤の ア ライン メ ン トが 足 趾の屈 曲 変 化の山 現に関係して い るの では ないか との 仮 説か ら,
静 止 立 位 時の骨 盤を よ り 正中 位に保 持 する能 九 すな わち,
体幹や骨盤帯周 辺の運 動 機 能は足 趾の屈 曲変化の出現に何ら かの関与を して い る の で は ないかと 考え ら れ る。 以E
の こ と か ら,
足 趾の 屈 曲 変 化の 出 現は,
立 位 時の 骨盤の ア ラインメ ン ト,
末梢部の随意運動 機能,
体 幹や 骨盤帯の運動機能な どの数々 の要 因が考え られ,
従 来考 え ら れて いた 下肢の共 同運 動や異 常 筋 緊 張だけに よ るも ので は な い こ と が明ら かにさ れ た。 しか し,
足 趾の屈 曲 変 化を 引 き 起 こす要 因は,
足 部の感 覚の問 題や,
脳の損 傷部位との関係な ど他に も考え られ,
今 後 さらに研 究 を 進めてい く必 要があ ると思 わ れる。
足 趾 の 屈曲変化を Helfetの分 類に従 い claw toe
,
hammer toe
,
mallet toeの 三種 類に分 類し,
分 布 を 調べ たな かで
,
claw toeの 見ら れ る群とhammer
toeの見 られる群 との関 係を分析する と
,
claw toeの見られ る群は20m 裸 足 歩 行不 可能 群に多 く 見 ら れ,20
m 裸 足 歩 行 可 能 群で は歩行所要 時問も長く なっ て いる。 こ の こと から足 趾 変 化 群の うち,
特に claw toeの見 られ る群は裸 足 歩 行 獲 得に影 響 を与え,
さ ら に,
歩 行 速度に も影 響を与えて い るものと考え る ことが 出来る か も しれ脳 卒中片 麻 痺 患 者の歩行 時に おける足 趾の形状変 化の実 態
ない。
claw toe
,
ham
皿 er toe,
mallet toe の発生 機 序は そ れ ぞ れの 形状からclaw toeは外来 筋の方が内 在 筋よ りも 相 対的に筋緊 張が高 く,
hammer toe で は外 来筋 内在 筋 共に筋 活 動 が 起こっ てお り, 今回は存 在が認め られなかっ た が
,
mallet toeで は さ らに 内在 筋の 活 動が高 まっ た 状 態に なっ て いるの では ないかと考え ること がtB
来る。 ま た
,
claw toeの見 られる群はhammer
toeの見ら れ る群に比べ 20m 裸足歩行不可 能 群に多 く
,
歩行 所要時間が長 くなっ て お り, 麻痺 側骨 盤が後 方に回 旋 偏 位し,
足 趾の自動 運 動の不 可 能 群に多 くなっ て い る。 さ らに BST で は,
BSTM・
IV群とV・
VI群 と を比 較 する と,
筋 緊 張が高く, 随意運 動に乏 しい BST 皿・
IV
群に claw toe の見られ る群が多 くなっ てい る。 以 上の こと か ら, claw toeの方が hammer toeよ り も運動機能が劣っ た状態になっ てお り
,
両 者の閭 に は優 劣が存 在す る の で は ないかと考えられる。6 ,
ま と めL
脳 卒中片麻 痺患者の歩 行 時に見 られる足 趾の屈曲 変 化について分 析し た。2.
足 趾の屈曲変 化は,
歩 行の獲得,
及び,
歩行 速度 に影響を 及 ぼ して い る因 子と な ることが示 唆さ れ た。3 .
足 趾の屈曲変化の出 現の要因は,
骨盤の ア ライン メ ン ト,
末 梢 部の随意運 動機能, 体幹や骨盤帯 周 辺の運 動機能な ど が考え ら れ,
下 肢の共同運動や異 常 筋 緊 張だ けによる ものではない ことが確認さ れ た。
4 .
claw toe とhammer toe の間に は優 劣が認め ら497 れ, claw toe の方が機能的に劣っ た状 態になっ て い る の で はない か, と考え ら れ た。
本 論 文の要 旨は第
26
回 日本 理学療 法士学 会におい て 口演した。
参 考 文 献 1) 小 野 啓 郎, 土井照 夫・
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498
ve{iUtw
zae.
}2tJeg
20kee
8Ii}<Abstract>
The Condition and Differenceof
Shapes
of Toe Flexion inBarefoot Gait of Stroke PatientsMasahiro
DANTSUJI,
RPT,
Junko
MATSUDA,
RPT,
Kaoru
MATSUO,
RPT,
Mikiko
HOURI,
RPT,
Ken
ASAKURA,
RPT,
Masaharu
YOSHIO,
RPT
Department
of
Physicat
7Vzerapy,
K]iowakai
Ilbspital
The shape of toe fiexiencaused
by
hemiplegia and itsinfiuenceon motor functionand gaitability were
investigated
in48patientswith hemiplegia due tocerebrovascular disease.The occurrence and patterns of toefiexien
were evaluated by photographs taken while sitting andwalking barefoot.
More
of thepatients who could not walkbarefoot,
were associated with toe flexion.The
patientswith toeflexionwere characterized as having lower motor functionsand slower
walk-ing
rate.Toe
flexion
was classifiedinto
threeflexionpatterns,i.e.,claw toe,hammer toe,andmallet toe.Inthe group of patientswho could not walk barefoot,claw toe was observed most often.
The
patients with a claw toehad
lower
motor functions and slower walking rate thanthe patientswith a hammer toe, Functional differense