• 検索結果がありません。

色素発光の酸素消光を利用する微小領域圧力センシング: 内容の要旨および審査の結果の要旨

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "色素発光の酸素消光を利用する微小領域圧力センシング: 内容の要旨および審査の結果の要旨"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

This document is downloaded at: 2016-10-02T07:14:44Z

Title

色素発光の酸素消光を利用する微小領域圧力センシング: 内容の要

旨および審査の結果の要旨

Author(s)

新木, 直子; 矢野, 重信; 加藤, 昌子; 三方, 祐司; 天尾, 豊

Citation

博士学位論文 内容の要旨および審査の結果の要旨,Vol.23,pp.175-

179

Issue Date

2006-08

Description

博士(理学),博課第311号,平成18年3月24日授与

URL

http://hdl.handle.net/10935/1708

Textversion

publisher

Nara Women's University Digital Information Repository

(2)

氏 名 (

本 籍 )

学 位 の 種 類

学 位 記 番 号

学位授与年 月 日

学位授与 の要件

論 文 審 査 委 員

新 木 直 子

(

愛知県)

博士 (

理学)

博課第

3

11

平成

1

8

3

2

4日

学位規則第

4

条第 1項該 当

人間文化研究科

色 素 発 光 の 酸 素 消光 を利 用 す る徴 小 領 域 圧 力 セ ン シ ング (委員長) 教授

矢 野 重 信

助教授 加 藤 昌 子 助教授 三 方 裕 司 助教授 天 尾

(大分大学)

論 文 内 容 の 要 旨

現在、航空宇宙分野では、酸素感受性色素による塗装剤 (感圧塗料、PSP)の機体設計時における 圧力測定への利用が検討 されている。PSPを用いた圧力計測では、機体の縮小模型 の表面 に塗装 し た色素か らの発光の酸素による消光現象を観測 し、 これにより固相表面の圧力計測を可能にする。従 っ て、縮小率 の高 い模型へのPSPの適用 には、股厚を可能 な限 り薄 くし、塗膜による誤差の影響を最 小限に留める必要がある。 このような観点か ら表題の研究を行 った0本学位論文は全

7

章で構成 され てお り、実用的な教案感受性

(

I

.

//too,ただ し

/10,および Z.は酸素 カス

1

0

0

%

およびアル ゴンガス

1

0

0

%

下での発光強度である) を有 し、かつ、徴小領域の酸素 セ ンyングに適用可能 な色素薄味の構 築 と酸素感受性評価 について述-た。 第-葺では、色素発光を利用 した酸素 セ ンシングについて概観 した.第二章では、PSP用発光色 素として広 く用 いられている白金ポルフィ リンの新規合成反応およびそれ らの発光特性および酸素感 受性 における置換基効果 について検討 した。 フリーベースポルフィリン誘導体への白金の挿入反応で は、H2TPP-(COOCH,).、K2[PtCl.]、ベンゾニ トリルの3分子が関与することでH2TPP-(COOCH3)I からPtTPp-(CN)1が得 られることが吸収スペク トル、元素分析、液体 クロマ トグラフィ-、およびX 線結晶構造解析 より確認 された0-万、K2[PtCl.]、酢酸、 クロロへ ンセ ン存在下ではPLTPp-(

C

OO

C

H3)

1

9

0

%

以 Lの高収率 で得 られ ることが明 らか とな ?たC さ らに、色素分散型 ポ リマ-膜中の発 光特性 に対す る白金 ポル フィリンの置換基の効果について検討 した。第三章ではルテニウム錯体連結 ポ リマ-膜の光化学的挙動および酸素感受性 について検討 した.PSPへの利用 を目的 とする固相表

i

k

u

(3)

面 の色素修飾 は、 ポ リマー溶液中に色素 を溶解 した ものを塗装 して作成す る色素分散型 ポ リマー駄 こ よる方法が主流であるo しか し、色素分散型 ポ リマー膜の髄索感受性 はポ リマ-中の色素の分散性や 溶解性 なとに依存す る。色素 をポ リマー鎖 に組 み込んだ色窯連結型 ポ リマー膜 は この問題点を改善 し、 薄膜中の色素分散性が向上す ることによ -て線形性の高 いStern-Volmerプ ロ yトが得 られ ることか 既 にわか -て いるo そ こで、新規 に合成 したルテニ ウム錯体連結 ポ リマ-の光化学的特性および転乗 感受性 につ いて検討 したo Lか し、得 られたルテニ ウム錯体連結 ポ リマ-膜 の酸素感受性 は低 く、こ れ はポ リマーの酸素透過性 に依存 していると結論 されたO この結果を踏 まえ第四章で は、 ポ リマーの 寄与 を受 けない、 かつ、膜厚 を最小 限 に留 めた色素薄膜 と して、ITO電極基板上 のポル フィリン単 分子膜 の構築 と酸素感受性 について検討 したo ポル タモ グラムおよび吸収 スペク トルよ り、 アルキル 鎖を

4

本導入 したポルフ ィリン誘導体 は安定 な単分子膜 を形成 し、 さらに、単分子膜中のポルフィリ ンの会合状態 は主 にJ-typeであ ることが確認 され たO また、 7ルキル鎖 を4本導入 した フ リーペ_ スポル フィ リン誘導体 の単分子膜 は酸素 セ ンサと しての機能性 を示 した。 しか し、単層膜であるため に発光強度が弱 く、 さ らに強発光性 の色素薄膜が必要 であることが明 らか とな った。 また、単分子膜 の酸素感受性 は低 く、 これはポル フィ リンがJ-typeで会合す ることに起 因 していると考 え られたO 第五葦ではポル フィ リン誘導体修飾陽極酸化 アル ミ皮膜 の光化学的挙動 および酸素感受性 を検討 したO 陽極軟化 アル ミ皮膜 はナ ノオーダーの無数 の細孔 を表面 に有す るために大 きな表面軒が得 られ、 これ を基板 とす ることでナノサイズの強発光性色素薄膜 の構築が可能 となると考 え られ る。 この予測は、 本革 で新 たに作成 されたポル フィ リン誘導体 を固定 した陽榛酸化 7ル ミ皮膜 によ って達成 された。陽 極酸化 アル ミ皮膜上 の ポル フィ リン誘導体 は主 に

H-

t

ype

で会合 していることが励起 スペ ク トルより 確認 され、 さ らに、 それ らは実用的 な顧素 セ ンサに求 め られ る

I

/

I

l

L

b-3

以上 の酸素感受性 を示す ことが明 らか とな った。会 合体 を形成 して いるに も関わ らず高 い酸素感受性 を示す要因 は

、H-

t

yp

e

会合体 の持つ長 い発光寿命 に起因 して いると考 え られ る。 また、 アルキル鎖や白金 の導入 によ り高い 酸素感受性 と光安定性が得 られ ることが確認 された。 しか し、 白金 ポル フィ リン誘導体 の応答性試験 で は白金 と酸素 との親和性 に起因す ると考え られ る遅 い応答性が確認 され、 よ り実用的な酸素 セ ンサ の構築 にお いて、酸素 との親和性 の軽減が必要 であることが示唆 された。第六葦 では白金錯 体修飾陽 極軟化 アル ミ皮膜 の光化学 的挙動 および酸素感受性 について検討 した。 白金錯体 を固定 した陽極酸化 アル ミ皮膜 によ って色素薄膜 と酸素 との親和性 の軽減が可能であることが明 らか とな った。 白金錯体 を固定 した陽極酸化 7ル ミ皮険 は(。/

/

1

0

,-3

以上 の酸素感受性 を示 し、 また、 白金 ポル フィ リン誘 導体 よ りも速 い応答性 を示 した。 これ は、 白金錯体 を構成す る配位子 によ って酸素 と白金 との相互作 用が阻害 されたためであると考 え られ る。第七草で は、本論文の総括 を行 ない、 さ らに、今後の展開 につ いて記述 した。以上、本研究 において、 白金錯体 を陽極酸化 アル ミ皮膜上 に固定す ることで機能 性 に優れた酸素 セ ンサを構築 で きることが明 らか とな った. また、 白金 ポル フィ リンの合成 における

(4)

新しい反応i・発見 し、 これ らの知見 は白金 ポルフィリン誘導体の汎用性の向上 に対 して極めて有用な 情報とみなされるo

(5)

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

現在、航空芋苗分野では、酸素感受性色素 による塗装剤 (感圧塗料、PSP)の機体設言i時における 圧力測定 への利用 が検討 されてい るoPSPを用 いた圧力

&lJで は、機体 の縮小模型 の表面 に塗装 し た色素 か らの発光の穀素 による消光現象 を観測 し、 これにより固相表面 の圧力計測を可能 にす るQ従っ て、縮小率 の高 い模型へのPSPの適用 には、股厚 を可能 な限 り薄 くし、塗膜 による誤差の影響を最 小限 に留 める必要がある。 このよ うな観点 か ら表題 の研究を行 ったO本学位論文 は全 て葺で構乾され てお り、実用的な鞍素感受性

(

J

o

/(lOh ただ し、Il0および Ioは酸素 ガス0

1

0

0

%

およびアル ゴン

1

0

0%

下 での発光軽度である) を有 し、かつ、徴小領域 の酸素 セ ンシングに適用可能fj:色素薄膜の構築 と酸素感受性評価 について述べた。 第-章 で は、色素発光 を利用 した酸素 セ ンシングにつ いて概観 した。第二章 で は、PSP用発光色 素 として広 く用 い られている白金 ポル フィ リンの新規合成反応およびそれ らの発光特性および酸素感 受性 における置換基効果 につ いて検 討 した。 フ リーベースポルフィ リン誘導体への白金の挿入反応で は、H,TPP-(COOCIも)I、K2[PtCl.]、 ベ ンゾニ トリルの3分子が関与することでH!TPP-(COOCHB)1 か らPtTPP一(CN)1が得 られることが吸収 スペク トル、元素分析、 液体 クロマ トグラフィー、 およびⅩ 線結 晶構造解析 より確認 された。一方、K2[PtCl一]、酢酸、 クロ.=ベ ンゼ ン存在下 ではPtTPP一(COO CH。)

,

9

0%

以上 の高収率で得 られ ることが明 らか とliったC さ らに、色素分散型 ポ リマー膜 中の発 光特性 に対す る白金 ポル フィ リンの置換基 の効果 につ いて検討 した。第三葺 ではルテニウム錯体連結 ポ リマ-膜 の光化学的挙動 および酸素感受 性 につ いて検討 した.PSPへの利用 を Ej的 とす る固相表 面 の色素修飾 は、 ポ リマー溶液中 に色素 を溶解 したものを塗装 して作成す る色素分散型 Jポ リマー膜 に よる方法が主流 であ る。 しか し、色素分散型 ポ リマー膜 の酸素感受性 はポ リマー中の色素 の分散性や 溶解性 などに依存す るC色素 をポ リマ-鎖 に組み込んだ色素連結型 ポ リマ-膜 はこの問題点を改善 し、 薄膜中の色素分散性が向上 す ることによ って線形性 の高 いStern-Volmerプ ロ ットが得 られ ることが 既 にわか っているC そこで、新規 に合成 したルテニウム錯体連結 ポ リマ-の光化学的特性 および酸素 感受性 につ いて検討 した。 しか し、得 られたルテニウム錯体連結 ポ リマ-膜の酸素感受性 は低 く、 こ れ はポ リマ-の酸素透過性 に依存 してい ると結論 された。 この結果 を踏 まえ第四章 では、 ポ リマーの 寄与 を受 けない、 かつ、膜厚 を最小限 に留 めた色素 薄膜 と して、ITO電極基板上 の ポル フィ リン単 分子膜 の構築 と酸素感受性 につ いて検討 したD ポル タモグラムおよび吸収 スペク トルよ り、 アルキル 鎖 を

4

本導入 した ポル フ ィリン誘導体 は安定 li単分子膜を形成 し、 さ らに、単分子膜 中のポル フ ィリ ンの会合状態 は主 にJ-typeであ ることが確認 されたO また、アルキル鎖 を 1本導入 した フ

リーペ-H

b

(6)

スポルフィリン誘導体の単分子膜 は酸素 セ ンサと しての機能性を示 したb しか し、単層膜であるため に発光強度が弱 く、 さらに強発光性の色素薄膜が必要であることが明 らか となったO また、単分子膜 の酸素感受性 は低 くー これはポルフィリンがJ-typeで会合す ることに起因 していると考えられた。 第五章ではポルフィリン舞導体修飾陽極酸化 7ル ミ皮膜の光化学的挙動および酸素感受性を検討 した. 姫榛酸化アル ミ皮膜 はナ/オーダーの無数の細孔を表面 に有するために大 きな表面積が得 られ、 これ を基板 とす ることでナノサイズの強発光性色素薄膜 の構築が可能 となると考え られ る。 この予測は、 本章で新たに作成 された・i=ル 7.リン誘導体を固定 した腸極酸化 アル ミ皮膜 によ って達成 された。隠 棲酸化 アル ミ皮膜上のポルフィリン誘導体 は主にH-typeで会合 していることが励起 スペク トルより 確認 され、 さらに、それ らは実用的な酸素 セ ンサに求め られ る

(

.

/I

1

0=3

以上の教案感受性を示す ことが明 らか とな った。会合体 を形成 しているにも関わ らず高い酸素感受性を示す要因 は、〟-type 会合体の持っ長 い発光寿命 に起因 していると考え られ る。 また、 アルキル鎖や白金の導入 により高 い 酸素感受性 と光安定性が得 られることが確認 された。 しか し、白金 ポルフィリン誘導体の応答性試験 では白金 と酸素 との親和性に起因すると考え られる遅い応答性が確認 され、 より実用的な酸素 セ ンサ の構築において、酸素 との親和性の軽減が必要であることが示唆 された。第六章では白金錯体修飾陽 極酸化 アル ミ皮膜の光化学的挙動および酸素感受性 について検討 した. 白金錯体を固定 した陽極酸化 ァル ミ皮膜によって色素薄膜 と酸素 との親和性の軽減が可能であることが明 らか となったQ 白金錯体 を固定 した陽極酸化 アル ミ皮膜 は

J

//

l

e

d-3

以上の徴発感受性 を示 し、 また、 白金 ポル フィリン所 導体よりも速い応答性を示 したD第七章では、本論文の総括を行 ない、 さらに、今後の展開 について 記述 したb 以上、本研究において、白金錯休を陽極酸化 アル ミ皮膜上 に固定することで機能性に優れた酸素 セ ンサを構築できることが明 らかとなった。特 に白金二核錯体 を用 いた色素薄膜 は、 これまでに広 く用 いられている白金ポルフィリン誘導体を発光色素 とす る酸素 センサと比較 して、10倍以上の速 い応答 性を有 し、また、実用化 に耐え得 る高い酸素感受性を示すことが本論文で明 らか とな り、 この結果は、 今後の徴小領域の酸粟センシング用薄膜の構築 において大変重要 な知見であると思われ る。第二章 お よび第四章は、既に国際的学術雑誌に論文 と して発表 されてお り、其 りの内容 も投稿準備中である○ よって、本論文は、奈良女子大学博士 (理学)の学位 を授与す るに十分な内容 を有 しているもの と 判断される。

)

参照

関連したドキュメント

食品添加物 使用されている食品(例) 使用用途 タール系色素(赤色 2 号、黄色4号など) 赤飯、紅しょうが 色付け.

の変化は空間的に滑らかである」という仮定に基づいて おり,任意の画素と隣接する画素のフローの差分が小さ くなるまで推定を何回も繰り返す必要がある

色で陰性化した菌体の中に核様体だけが塩基性色素に

の観察が可能である(図2A~J).さらに,従来型の白

私たちの行動には 5W1H

非自明な和として分解できない結び目を 素な結び目 と いう... 定理 (

・虹彩色素沈着(メラニンの増加により黒目(虹彩)の色が濃くなる)があらわれ

青色域までの波長域拡大は,GaN 基板の利用し,ELOG によって欠陥密度を低減化すること で達成された.しかしながら,波長 470