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微粒子合成化学・講義

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1

微粒子合成化学・講義

微粒子合成化学・講義

村松淳司 村松淳司 http://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/muramatsu/MURA/main.html E-mail: [email protected]

(2)

2

分散と凝集

DLVO理論へ

分散と凝集

DLVO理論へ

Derjaguin,Landau,Verway,Overbeek

B.V.Derjaguin and L.Landau;Acta Physicochim.,URSS, 14, 633 (1941).

(3)

3

分散と凝集

分散とは何か 溶媒中にコロイドが凝集せずにただよっている 凝集とは何か コロイドがより集まってくる 物質は本来凝集するもの

(4)

4

分散と凝集

(平衡論的考察)

凝集

van der Waals力による相互作用 分散

静電的反発力

粒子表面の電位による反発

分散

(5)

5

分散と凝集

van der Waals力による相互作用

静電的反発力

V

total

= V

H

+ V

el

V

H

:

van der Waals力による相互作用エネルギー

V

el

:

静電的反発力による相互作用エネルギー

(6)

6

分散と凝集

V

total

= V

H

+ V

el

V

H

:

van der Waals力による相互作用エネルギー

V

el

:

静電的反発力による相互作用エネルギー

V

total

が正→粒子は分散

V

total

が負→粒子は凝集

(7)

7

静電的反発力

(8)

8

静電的反発力

粒子表面は電荷を帯びている

証拠:電気泳動など

これが静電的反発力の源ではないか

ここからスタートする

(9)

9

(10)

10

粒子表面の電荷

イオンの周りの電子雲と同じ

離れるほど電位は小さくなる

では、なぜ電荷を帯びるのか

(11)

11

粒子が電荷を帯びる理由

酸化物の場合

-Si-O-H → -Si-O

+ H

+

プロトンが解離して負電荷

空気の場合

何らかのイオンが吸着

(12)
(13)
(14)
(15)

15

電位は遠ざかると下がる

Helmholtz理論

Gouy-Chapman理論

Stern理論

(16)

16 0 距離 表 面 溶媒中 (バルク) 表面電位ψ0 ζ電位

Helmholtz理論

(17)

17 0 距離 表 面 溶媒中 (バルク) 表面電位ψ0 ζ電位

Gouy-Chapman理論

拡散二重層

(18)

18 0 距離 表 面 溶媒中 (バルク) 表面電位ψ0 Stern 電位 ζ電位

Stern理論

直線で下がる Stern面 Slip面 拡散二重層

(19)

19

現実的にはどう考えるか

実測できるのはζ電位

ζ電位=Stern電位と置ける

それなら、ζ電位=Stern電位を表面電位と

見なして考えよう

Stern理論ではなく、Gouy-Chapmanの拡散

二重層理論を実社会では適用

(20)

20 0 距離 表 面 溶媒中 (バルク) 表面電位ψ0=Stern 電位ψd と考える

(21)

21

表面電荷

(22)

22 1.拡散層中のイオンの濃度はボルツマン分布に従う ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ − = + + + kT e z n n 0 exp ψ ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ = − − − kT e z n n 0 exp ψ n: 拡散層中のイオンの個数濃度 n0: バルク溶液中のイオンの個数濃度 z: イオンの価数 k: ボルツマン定数 T: 温度 ψ: 問題にしている点における電位 +,-: 陽イオン、陰イオンを表す

(1)

(23)

23 表面の電位: ψ0 は電位決定イオンのバルク活量 c によって、 0 0 ln c c zF RT = ψ R: 気体定数 c0: c at ψ0 = 0

(2)

(24)

24 拡散層内における電位は、Poisson の式 0 2 2 2 2 2 2 ) (grad div ε ε ρ ψ ψ ψ ψ ψ r z y x ∂ = − ∂ + ∂ ∂ + ∂ ∂ = = Δ を基礎にして求められる。 εr: 溶液の比誘電率 ε0: 真空の誘電率 ρ: 電荷密度

(3)

(25)

25 ρ: 電荷密度 は、対称型電解質(z+ = z = z, n0+ = n0 = n )に対して、 ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ − = ⎭ ⎬ ⎫ ⎩ ⎨ ⎧ ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ − ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ − = − = + kT ze nze kT ze kT ze nze n n ze ψ ψ ψ ρ sinh 2 exp exp ) (

(4)

(26)

26 従って、 平板電気二重層に対する、Poisson-Boltzmann 式は、 (3),(4)式から x 方向だけを考えて kT ze nze dx d r ψ ε ε ψ sinh 2 0 2 2 = (5)式を積分して、 ) exp( 4 tanh 4 tanh 0 x kT ze kT zeψ ψ κ ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ =

(5)

(6)

(27)

27 1 << kT zeψ なら、(5)式は、 ψ κ ψ 2 2 2 = dx d ただし、 kT e nz r 0 2 2 2 2 ε ε κ = 25℃水溶液では特に c z 9 10 3 . 3 × = κ (7)式を解くと、 ) exp( 0 κx ψ ψ = −

(10)

(9)

(8)

(7)

このκは、Debye-Huckelパラメータと呼ばれる。

(28)

28

次に平板電気二重層間の相互作用を

考える

(29)

29 溶液中の2枚の平行平板(板間距離: h)に 作用する力 P は O E P P P = + 静電気成分 + 浸透圧成分 (電気力線により内側に引かれる力)+ (対イオンの浸透圧により外側へ押される力) nkT kT n n P dx d P O r E 2 ) ( 2 2 0 − + = ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ − = − +

ψ

ε

ε

(15)

(16)

(30)

30 PO は常に PE よりも大きく、板は反発力を受ける 板の接近過程で表面の電位ψ0 が変化しなければ、 PE の寄与を無視して、(1)と(16)の PO の式から、 板の受ける反発力 PR(h)は単位面積あたり (このときの考え方は、2つの平板の丁度中間の 面と無限遠の面を考え、中間の面上では、対称性 から電場は零、無限遠の平面でも電場は零である から、浸透圧成分のみを考えればよい、というこ とになる) ⎭ ⎬ ⎫ ⎩ ⎨ ⎧ = 2 cosh 1 ) ( /2 kT ze nkT h PR

ψ

h

(17)

ψ2/h: 板間の中央における電位

(31)

31 相互作用が弱ければ、ψh/2 は単独の電気二重層の 電位ψs(h/2)の2倍と考えて、 kT ze kT ze kT ze

ψ

/ 4 << 1 then tanh(

ψ

/ 4 ) ≅

ψ

/ 4 より、(6)式から、 (この近似は、後述するように、 ψ<20 mV のとき成立する) ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ − = 2 exp 8 ) 2 / ( h ze kT h

γ

κ

ψ

⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ = kT ze 4 tanh

ψ

0

γ

(18)

(19)

(32)

32 (17)式で 2 2 / 2 / / kT 1 then P (h) nkT{ze / kT} ze

ψ

h << R

ψ

h より、これに(18)式を代入して、 (この近似は、κh>1、つまり、h が電気二重層の厚さ よりも長いところで成り立つ 近似には cosh y ≅ 1 + y2 を使用した) すると、 ) exp( 64 ) (h nkT 2 h PR =

γ

κ

(20)

(33)

33 従って、平板間の電気二重層の相互作用エネルギーは ) exp( 64 ) ( ) (h P h dh nkT 2 h VR h R

γ

κ

κ

− = − =

(21)

(34)

34

次に球形粒子間の相互作用を考える

(35)

35 Derjaguin近似から球形粒子の相互作用力へ Derjaguin 近似: 半径 a1 と a2 の球形粒子の最近接距離 H のとき (H<<a1,a2) ) ( 2 ) ( 2 1 2 1 V H a a a a H PR ⎟⎟ R ⎠ ⎞ ⎜⎜ ⎝ ⎛ + =

π

(21)と(22)より a1=a2=a のとき、 ) exp( 64 ) (H ankT 2 h PR

γ

κ

κ

π

=

(22)

(23)

(36)

36 従って、半径 a の球形粒子の相互作用エネルギーは ) exp( 64 ) ( ) ( 2 2 h ankT dH H P H VR H R

κ

γ

κ

π

= − =

(24)

(37)

37 いま、 kT ze kT ze kT ze

ψ

0 / 4 << 1 then tanh(

ψ

0 / 4 ) ≅

ψ

0 / 4 のとき、(23),(24)式は (zeψ0=4kT は、1:1 電解質で 25℃で、 ψ0=103 mV のとき成立、 ψ0=20 mV 以上では、zeψ0/4kT と tanh{ zeψ0/4kT}に、 1%以上のずれが生じる ので、20mV 以下でこの近似は成り立つとしてよい) ) exp( 2 ) (H a 0 02 h PR =

π

ε

r

ε

κψ

κ

) exp( 2 ) (H a 0 02 h VR =

π

ε

r

ε

ψ

κ

(13)式を使うと、

(25)

(26)

(38)

38 ) exp( 2 ) (H a 0 02 h PR =

π

ε

r

ε

κψ

κ

) exp( 2 ) (H a 0 02 h VR =

π

ε

r

ε

ψ

κ

(13)式を使うと、 ) exp( 2 ) ( 0 2 H a H P r R

κε

ε

κ

σ

π

= ) exp( 2 ) ( 0 2 2 H a H V r R

κ

ε

ε

κ

σ

π

=

(25)

(26)

(27)

(28)

0 0 0

ε

ε

κψ

σ

= r

(13)

(39)

39

van der Waals相互作用

van der Waals 力の近似式

2 12 ) ( H aA H PA = − H aA H VA 12 ) ( = − A は Hamaker 定数

(29)

(30)

凝集の源

(40)

40

全相互作用エネルギーは

2 0 2 12 ) exp( 2 ) ( H aA H a H P r T =

κε

ε

κ

σ

π

H aA H a H V r T 12 ) exp( 2 ) ( 0 2 2 − − =

κ

ε

ε

κ

σ

π

が得られる。 あるいは、 H aA h a H VT r 12 ) exp( 2 ) ( =

π

ε

ε

0

ψ

02 −

κ

(31)

(32)

(33)

(41)

41

式の意味を考える

式の意味を考える

溶液条件によってどう変わるのか

溶液条件によってどう変わるのか

(42)

42

だけ

とすると、変化するの

は粒子サイズ

は定数

κ

ψ

ε

ε

κ

ψ

ε

ε

π

a

A

H

aA

H

a

H

V

r r T

,

,

,

12

)

exp(

2

)

(

0 0 2 0 0

=

(43)

43

 絶対温度

 イオンの価数

 イオン個数濃度

はボルツマン定数

は誘電率、

は電気素量、

T

z

n

k

e

kT

e

nz

r r 0 0 2 2 2

2

ε

ε

ε

ε

κ

=

(44)

44

 増加

      

減少

 絶対温度

増加

 イオンの価数 

増加

 イオン濃度 

κ

T

z

n

(45)

45

H

aA

H

a

H

V

T r

12

)

exp(

2

)

(

=

π

ε

ε

0

ψ

02

κ

これを図に書いてみる

(46)

46

電気二重層による反発力

van der Waals引力

(47)
(48)

48

電気二重層による反発力

van der Waals引力

(49)
(50)
(51)

51

温泉中のコロイド

温泉中のコロイド

湯ノ花だけがコロイドか?

湯ノ花だけがコロイドか?

身の回りのコロイド

(52)

52

(53)

53

(54)

54

青い熱湯

∼海地獄

1.温泉水 20 mlを遠心分離機にかける 遠心分離 10,000 r.p.m. 30 min この条件で、コロイドはすべて沈んだ (この条件でシリカなら、20 nm程度のものまで沈む) 2.上澄み液(固相のない)を保存 3.沈んだ固体(白色)に2段蒸留水 20 mlを入 れる 4.超音波分散

(55)

55

海地獄

遠心分離後

(56)

56

青色の正体は何か?

遠心分離により、透明になった 色がつく原因のものは固相になった。 可能性1: シリカコロイドによる着色 可能性2: シリカコロイドに色の原因のイオ ンが吸着 可能性2は、遠心分離で得た固相の色が 白色だったことから可能性が薄い。

(57)

57

海地獄

遠心分離後

の上澄み

再分散後

(58)

58

青色の正体=シリカコロイド

このシリカコロイドは小さいため

にまるで溶液のように見えたわ

け。

(59)

59

そのシリカコロイドの

電子顕微鏡写真

(60)

60

シリカ微粒子

形は球形で、アモルファス(非晶質)である ことがX線などの解析によってわかった。 なお、FT-IRで分析したところ、シリカ組成 であることがわかった。 球形シリカ粒子は、高いアルカリ領域で加 水分解により合成されるので、地下深部で 高アルカリ、高温で生成したものと推測さ れる。

(61)

61

シリカ=化学分析

20.0℃で pH 8.438 ICP Si濃度: 2.706 mmol/L これを H2SiO3(分子量=78.09958)の標 記に変えると 211.3 mg/L

(62)

62

なぜ、青いのか?

Rayleigh散乱の概念で説明可能 粒径が小さくなると短い波長、つまり青色 は散乱しやすい。 数十nm程度以下のシリカによって青色を散 乱→懸濁液は青くなる

(63)
(64)

64

(65)

65

シリカコロイドの凝集・沈殿

左側が、温泉水。右側は、温泉水に、 混ぜて、 集体となって沈殿した。右側の底にこずんでいるのが、その シリカコロイド凝集体。 KCl(塩化カリウム)を 1 mol/l KCl溶液としたもの。2∼3時間で完全に凝

(66)

66

環境問題

(67)

67

地球規模の環境問題

地球温暖化

ダイオキシン

環境ホルモン

NOx, SOx

など

(68)

68

身の回りの環境問題

ゴミ問題 環境汚染 川や海の汚染問題 大気汚染問題

(69)

69

環境問題と界面電気化学

界面活性剤 環境汚染につながるのか? CO2排出と関係あるのか? ダイオキシン

(70)

70

界面活性剤とは

(71)

71

(72)
(73)

73

(74)

74

石鹸の洗浄作用とは

水と油を混ぜ合わせる働きを持つ物質を界面活 性剤という。界面活性剤の分子(界面活性分子) はその一端(親油基)が油に、もう一方の端(親水 基)が水に馴染む性質を持っており、無数の界面 活性分子の一端である親油基が油などの汚れを 包み込むように取り巻くと、取り巻かれた汚れの 外側は親水基で覆われるため、汚れは水に引っ 張りだされる。これが、界面活性剤の洗浄作用。 炭が水に分散するときの膠(にかわ)の働きと同じ である。

(75)

75

石鹸と合成洗剤

洗浄用の界面活性剤の中で、脂肪酸ナトリ ウムと脂肪酸カリウムを『石鹸』と呼び、それ 以外のものを『合成界面活性剤』と呼んで いる。

(76)

76

石鹸と洗剤

石けん: 純石けん以外の界面活性剤を含有しないもの。すな わち界面活性剤 が石けんのみのもの。 複合石けん: 全界面活性剤中の石けん以外の界面活性剤が、洗 濯用では30%以下、台所用では40%以下のもの。 合成洗剤: 全界面活性剤中の石けん以外の界面活性剤が、洗 濯用では30%以上、台所用では40%以上のもの。

(77)
(78)
(79)
(80)
(81)

81

合成界面活性剤の悪夢

石鹸(高級脂肪酸のナトリウム塩)は 24時 間で水と二酸化炭素に完全に分解される が、水温 10℃の条件下では、 LAS (合成 洗剤の主成分: 陰イオン系合成界面活性 剤=直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナト リウム)はほとんど分解しない。

(82)

82

合成界面活性剤の悪夢

20℃の条件下になっても、 ABS(分枝型ア ルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)はほ とんど分解されず、 LAS は 8日目にして界 面活性はなくなるが、まだ有機炭素という 形で残存する。また、石鹸カスは微生物の 栄養源となり生態系にリサイクルされるが、 LAS の場合は 1日目にはまだ 90% も残っ ており、毎日洗濯していれば LAS は衣類に ずっと残っていることになる

(83)

83

臨界ミセル濃度

界面活性剤の水中での濃度を高くしていく と、ある濃度以上で界面活性剤分子が数 十個集合して塊を作る。これをミセル(会合 体)といい、このミセルのできる濃度を臨界 ミセル濃度(CMC)と呼んでおり、この濃度 以上で洗浄力を発揮する。

(84)

84

石鹸のCMC

合成界面活性剤に比べて大きい 粉石けんの場合、種類にもよるが0.05% 前後である。むやみに多く使う必要はない が少ないとCMC以下になり洗浄力が発揮 できないことになる。汗等で汚れが多い時、 石けんが少ないとCMCに達せず、汚れがポ リエステルなどの化繊に吸着し、黒ずむこと がある。

(85)

85

石鹸と合成界面活性剤

石鹸の方が多く使う CMCが大きいため 石鹸の方のBOD(生物的酸素要求量)が多 い(LASの7倍程度) 従って、石鹸も環境に優しいとは必ずしも 言えない

(86)

86

地球環境問題

(87)

87

ダイオキシン問題

(88)

88

ダイオキシン

正確にはダイオキシンは1種類

環境問題では「ダイオキシン類」として一緒 に扱われている

(89)

89

ダイオキシン

ポリ塩化ジベンゾパラダイオキシンとポリ塩 化ジベンゾフランの総称である。PCBと同 じく塩素のつく位置や数により、多くの種類 があり、種類によって毒性が異なる。特にダ イオキシンの一種である2、3、7、8 −テト ラクロロジベンゾパラダイオキシン(2、3、7、 8 −TCDD)は動物実験でごく微量でもが んや胎児に奇形を生じさせるような性質を 持っている。

(90)

90

(91)

91

(92)

92 2,3,7,8-TCDD OCDD 分子量 322 456 融点(°C) 305 130 分解温度(°C) >700 >700 溶解度(ppm) O-ジクロロベンゼン クロロベンゼン キシレン ベンゼン クロロホルム n-オクタノール メタノール アセトン 水 1,400 720 − 570 370 48 10 110 0.072ppb 1,830 1,730 3,580 − 560 − − 380 − 蒸発速度 (水)cm/day 1.7×102 − 化学的安定性 通常の酸 酸化剤 アルカリ 光 安定 強酸化剤により分解 安定 分解 安定 安定 条件により分解 分解

(93)

93 2,3,7,8‐TCDDの物理化学的性質 分子量:321.9 融 点:305∼306°C 溶解度:水 2×10-7(g/l 25°C) メタノール 0.01(g/l 25°C) クロロホルム 0.55(g/l 25°C) 0-ジクロロベンゼン 1.8 (g/l 25°C) 最大吸収スペクトル : 310nm(クロロホル ム) オクタノール/水分配係数: logKow 5 82±0 02

(94)

94

ダイオキシン問題の歴史

1957年米国ジョージア州で鶏やその雛が 数百万羽突然死する事件が発生した。鳥 の餌に混入された油に微量含まれていたダ イオキシンのためであることが判明。 また1958年にはダイオキシンの動物に対 する急性毒性に関して、ドイツの学者が初 めて報告している。

(95)

95

ダイオキシン問題の歴史

ベトナム戦争では、米軍は、ベトコンゲリラ の活動拠点となっていたジャングルを枯らす ために7,200万Lの除草剤 「エージェント・ オレンジ」= 2,4-D をばらまいたが、その 中に170kgもの量のダイオキシンが含有さ れていた。戦後、米軍の行った「枯葉作戦」 が、ベトナム現地人やこの作戦にかかわっ た米軍兵士の子孫に大きな悪影響を与え たことが判明。

(96)

96 流産率 先天異常発生率 枯葉剤撒布前 枯葉剤撒布後 枯葉剤撒布前 枯葉剤撒布後 ルンフー村 5.22 12.20 ルンフア村 4.31 11.57 タンディエン村 7.18 16.05 0.14 1.78 マイタン村(対照地区) 7.33 7.40 No data 表 2-1 ベトナムにおける妊娠女性に対する枯葉剤の影響

(97)

97 発生数(発生率) タンフォン村被曝グ ループ ホーチミン市第 10 区 被曝グループ ホーチミン市第 10 区 非被曝グループ 流産 587 (8.01%) 49 (16.67%) 242 (3.62%) 死産 59 (0.81%) 1 (0.34%) 2 (0.03%) 胞状奇胎 54 (0.74%) 11 (3.74%) 26 (0.39%) 新生児死亡 914 (12.47%) - 311 (4.65%) 先天異常 81 (1.11%) 16 (5.44%) 29 (0.43%) 新生児までの死亡 1614 (22.03%) 61 (20.75%) 581 (8.68%) 全妊娠数 7327 294 6690 表 2-2 ベトナムにおける妊娠女性に対する枯葉剤の影響

(98)

98 先天異常 対照群発生率(A) [%] さらされた群発生率 (B) [%] B/A 不妊 1.20 2.80 2.3 早産 0.61 2.01 3.3 流産 9.04 14.42 1.6 奇形児 0.21 3.14 15.0 表3 ベトナム戦争参加兵士の妻の妊娠異常

(99)

99

ダイオキシン問題の歴史

1976年イタリア・セベソ の化学工場事故 化粧品や外科手術用の石 鹸の原料になるTCPとい う化学物質製造中の事故 不純物としてダイオキシン 類が混在

(100)

100

日本のダイオキシン問題

カネミ精油工場が1968年2月はじめに製造した 米ヌカ油に、脱臭工程の熱媒体として使用されて いた「カネクロール400」(PCB)が混入したことが 原因で引き起こされたもの。約2,000人の認定患 者。 典型的な急性中毒症状である末梢神経症状(し びれ、脱 力など)、ホルモン異常、肝・腎臓障害 など 黒いにきび(クロルアクネ) 原因物質の推 定:ダイベンゾフラン(ダイオキシン類)

(101)

101

原因物質の追求

ポリ塩化ビニルは犯人か?

一般焼却炉では何が起こっているのか? 塩素は除去できないか?

(102)

102 表3−10 発生源別ダイオキシン発生量(gTEQ/年) 発生源 ダイオキシン排出量 備 考 <燃焼工程> 一般廃棄物焼却 4300 ごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイ ドラインより 産業廃棄物焼却 547 ∼ 707 平岡京都大学名誉教授より(以下の燃焼行程は同 じ) 金属精錬 250 石 油添加 剤(潤 滑 油) 20 たばこの煙 16 回収黒液ボイラー 3 木材、廃材の焼却 0.2 自動車排ガス 0.07 (小計) (5140 ∼ 5300) <漂白工程> 晒クラフトパルプ 0.78 環境庁試算 <農薬製造> PCNB 0.06 環境庁試算 合計 5140 ∼5300

(103)

103

ポリ塩化ビニル

CO2排出抑制と石油資源枯渇化を回避す る優等生 = ポリ塩化ビニル -(CH2-CHCl)- モノマー分子量 62.5 ポリエチレン ‒(CH2-CH2)- 28に比べて 分子量が大きい 単位重量あたりの石油使用量が少ない 単位重量あたりのCO2排出量が少ない

(104)

104 ゴミにビニールは含まれていない 水+食塩+炭化水素類+触媒 この組合せで生成する 触媒としては、銅(酸化銅など)+シリカやアル ミナなどが想定される 犯人は水分の多いゴミ類

(105)

105

ダイオキシン生成は速度論

燃焼温度が重要 活性化エネルギー 触媒が絡むとダイオキシン生成ルートの活性化 エネルギーが下がる 生成経路 完全燃焼への経路を確保せよ

(106)

106 表1 燃焼温度とダイオキシン類濃度の関係 燃焼温度(°C) 700 未 700 以 750 未 750 以 800 未 800 以 850 未 850 以 900 未 900 以 950 未 950 以 1000 未 1000 以 平 均 値 36 81 77 26 25 17 30 14 中 央 値 13 33 11 11 7.8 7.8 7 7 最 大 値 390 500 1800 600 590 210 480 83 ダイオキシン 類濃度 (ng-TEQ/Nm3) 最 小 値 0.2 0.57 0.22 0 0 0 0.01 0 検体数(合計 1111) 79 34 43 206 380 234 85 50

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109 身の回りのダイオキシン排出抑制 生ゴミは出さない 食べ物は残さない 無駄なものは買わない、など 出してもちゃんと水切りをする 燃焼温度を下げないようにする 水の供給を避ける 分別収集に協力する

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110

ダイオキシンかCO

2

ゴミの完全燃焼 CO2排出増加 ポリ塩化ビニルを止める ポリエチレン等とポリアルケン類の使用 → CO2排出増加

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111

地球環境問題一般に通じること

生活が豊かになり排出物増加 環境汚染物質は速度論的に言えば、中間 生成物 最終的にはCO2となる 省エネルギー、省資源こそ環境問題を解決 する最終的解決策

参照

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